[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
戦場スレpart2
419
:
アカリ&リリー&???
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/27(火) 08:48:30 ID:tPhCo9x6
>>415
「ええ、そのように。やや遠回りになりますが、ラプターの推力であれば二分少々で済むでしょう。
他の部隊も出撃の用意をしているのですね? 結構。可及的速やかにお願いします」
携帯端末での伊豆基地との通信を切り、リリーは振り向く。
そこにはニヤついた顔をしている軍装の女性と、何が何だかわからないような顔で女性とリリーを交互に見ているアカリ。
リリーは凄まじいジト目で女性を見た後、ため息をついて、
「あー……アカリさ……クレマチ伍長、裏手の駐車場にあなたのラプターが到着します。
上に量産型ヒュッケバインが乗っていますが、そちらは気にせずに。私も後で向かいますので、先に行っていてください」
「あ、はい……了解です、少尉」
何か引っかかるものを感じるのか、アカリは微妙な顔のまま裏手の駐車場へと走っていった。
それを見届けたリリーは、女性に改めて向き直り、
「で、ここで何をしているのですか?第16特殊作戦群第3大隊「シャドウ・ウルブズ」隊長、尼子統久特尉どの?」
思いっきり疑念の混じった言葉を受けた女性……尼子統久は、しかし肩をすくめて見せただけで、
「そう睨まないでくれ「雪兎」。たまたま伊豆基地に用があって、たまたまここの催し物を聞いて、
たまたまここに居合わせただけだ。本当だよ?」
「胡散臭さ爆発ものですが……まあ今はそれで良しとしましょう。あなたがここに居るということは、部隊も?」
「いや? 「ウルブズ」はちょっと厄介事に当たっていてこの近辺には居ない。
居るのは私と、小田原のホテルで惰眠を貪っている部隊の技術顧問だけだ」
「使えないですね。こういう時のために、あなた方は居るのでは?」
「そうは言っても、完全に不意を突かれた形だからな……仕方のないことさ。……で、だ」
統久は小田原城近くの道路に落着し続けている化け物の群れを、振り向かずに指さし、
「アレは何だ? 話を聞く限り、お前の部隊は「ああいうもの」との経験があるのだろう?」
「……誰から聞いた話かは知りませんけど、「アレ」は初見の存在です。見たことがない」
「ほう、そうか。だが……あの様子からして「そういうこと」なのだろう?」
「ええ……どう見ても「異訪者」ですね。ほぼ間違いなく」
「そうか……」と呟き、統久はマントを翻して化け物たちへ体を向けた。
そうしてから、軍服のポケットから黒革の手袋を取り出して両手に填め、
「ならば、「我々の敵」ということに、なるな?」
そう言って化け物達の方向へ歩みを始める統久の顔には、凶暴な笑みが宿っている。
だが、それから数秒後に、その笑みは空へ向けられることになった。リリーが統久のマントを引っ張り、統久の体がエビ反りになったためだ。
「……どうして邪魔をする?」
「や、「あなた方の敵」であることは承知していますが、ああいう出方をされた以上、「私達の敵」でもあります。
オフェンスは我々が引き受けますので、ディフェンスはあなたが。幸い、その悪趣味な軍装マントで、あなたは目立ちますので」
統久を引き留めるリリーの手には近くのテントに置いてあった拡声器があり、それの持ち手は統久の方に向けられていた。
「私に婦警の真似事をしろと言うのか? いやはやまったく、少佐相当の私に一介の少尉がとる態度ではないな」
「性分なものでして。ご容赦を」
「フン!」と鼻を鳴らして不満を露わにした統久だったが、その手にはリリーから渡された拡声器が握られており、それを口の前に持ってきていた。
『会場の市民の皆様、こちらは地球連邦軍です! まもなく私どもの第一陣が到着いたします!
慌てず、冷静にこちらへ避難して下さい! 繰り返します……!』
拡声器で呼びかける統久を尻目に、リリーは裏手の駐車場へと急いだ。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板