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戦場スレpart2

629 ◆zwG.6Bg2jY:2013/03/20(水) 15:25:43 ID:mGUEQ9JA
>>628の続き
「それに勿体無いじゃないか、見せしめにするのに死んじゃったら」

「泣いて喚いて叫んでのた打ち回って生きて貰わないと、そうすれば助ける為に人員が割かれて戦列が崩れる
 何よりその様に怯えて動きが鈍る、見せしめに消せなんて・・・彼女も生易しい事を言うよね」

この男が笑顔で吐き出す言葉は狂っているようにも聞こえるが、戦場に置いて導き出された正しい理論に基づく内容だった。
古来よりわざと生かさず殺さずで斬り捨て、苦痛に跳ね回る様を見せる事で敵の士気を殺ぎ
また危険な兵器といわれる対人用地雷も、調整された威力によって体の一部だけを吹き飛ばし同様の効果を与える
過去幾度も実用されてきた術なのである

インセイオン本体の右手、オービタルリッパーを生成して見せたあの球体が輝き再び光の輪が形成される。
だがそれは輪というには太く大きすぎる、そして刃物というには形状が乱雑すぎた
チャクラムだったら刃になるであろう外周が一切整えられていなかったのだ
そんなものは尻目に光の輪を備えた手首をスナップを効かせ回す様に振ると・・・

ギギャアアアアァァァァァ!!

戦場に劈くような音が木霊する、輪が高速回転を始めたのだ
回転が空気を巻き込んで引き裂き、歪だった形状が真円に見えるほどの速さ。
光で形作られたこの物体、誰しもが一度見たことがあるはずだ

・・・鋸、中でも丸鋸と呼ばれるそれを彷彿とさせた
だとすれば、あの不均一な形状もノコギリの刃としての役割を持たせるためのものだと納得がいく

「鋸っていうのは刃物とは少し違うんだよ、刀とかの刃物は細胞をほぼ変形させないで切るんだ
 だからそういう切り傷って言うのは縫合で治せる、でもねぇ・・・」

丸鋸を自身の化け物の右腕装甲にほんの少しだけ接触させる
すると耳を塞ぎたくなる様な音と共に鮮やかな火花が咲いてみせる。
その行動は切れ味を確かめているかのように見えた

「鋸は違うよ、肉に刺さった小さな刃がそのまま引き千切る
 細胞もグチャグチャで切断面も一定にならない、だから切り落とすしかなくなっちゃうんだよねぇ」

口元に笑みを浮かべながら喜々としてハーゲンは語る、つばめの恐怖を煽る為だけに
インセイオンは右腕を高く掲げ、すると刃は月の光すら切り裂いて乱反射させた
想像できるはずだ、この後インセイオンが取るであろう行動の全てが

「それじゃ、元気良く宜しく」
身動きが取れない逆さになった雷姫に向かって、何の躊躇もなく光の鋸が真っ直ぐに振り下ろされた
コックピットに命中せず且つ機体が大破しないギリギリの深さに
つまりハーゲンが先ほど話した通り、死なない殺さないに『手加減』をしているという事だ

だが鋸である以上そこには傷跡が残るだろうか?
例えるならそれは、上から下へ装甲ごとグチャグチャに引き裂かれたような・・・


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