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戦場スレpart2

551リリー ◆Tg./UqnJ52:2013/03/06(水) 02:15:35 ID:G/Z7c93E
>>544,>>546,>>548,>>550
ゲルシャドーと対等に渡り合えるだけの力がない。なのに、その世界の戦乱には介入しない。敵とするのはあくまでかの犯罪組織のみ。
ブラインの返答を聞いているうちにチンプンカンプンな感じになってきたリリーの脳裏は、クエスチョンマークで埋め尽くされた。
次元を破壊するという犯罪組織に対抗すべく、その世界で最も力のある「だろう」組織――すなわち地球連邦軍のことだが――に接触してきたのはわかる。
だが先頃、この地球はエアロゲイターという、より強大な相手に襲われて辛勝した経緯を持つ。
次元そのものを破壊するというのなら、彼らエアロゲイターとて他人事ではないはずだし、地球のどの組織よりも力を持っているはずだ。
ならば我々ではなく、エアロゲイターに接触すれば良いのではないのか……?

「………………」

考えが止まってしまったリリーは、目を閉じて長く細い息を吐いた。
そのあたりは彼ら次元ポリスの技術的な問題によるものなのかも知れないし、エアロゲイターの振る舞いが次元ポリスの哲学に合わなかったのかも知れない。
そう考えてその疑問は放り投げたが、放り投げられない疑問もある。
その世界の問題には介入しない。これが一番の問題だ。
おそらく、そうは思っていないブラインは、ラウディが持ってきた装甲材を粉砕して鬱憤を晴らしている。
細かな破片と破砕の際に生じた小さな衝撃波が、横にいたリリーの髪を揺らしていく。向こうでは、ライトが悲鳴を上げていた。
しかしやっぱり、リリーは無表情のままだった。

「お話はよくわかりました、ブラインさん。
そのお話を聞いた上でのことですが、先ほど、明智大尉があなた方は我々に全面協力すべきだと仰ってましたね? 私もその意見に賛同します。
あなた方の、他の世界には干渉しない、という……「正義」ですか、その理屈はよくわかります。
ですがそれは、あなた方が単体で、ゲルシャドーと対等な力を持っている時に語られる「正義」だと、私は考えます。
確認になりますが、あなた方だけでゲルシャドーに対抗できない以上、我々地球連邦軍がメインでゲルシャドーと戦わなくてはなりません。
ですが我々が敵としているのはゲルシャドーだけではないのです。ドローンと呼ばれるアンノウン、DC残党……それ以外にも居ます。
次元を破壊するなどという犯罪組織には全力で、もしくは全力に近い状態で当たらねばなりませんが、この敵の多い状況ではそれも難しい。
私は、あなた方には我々に全面協力を約束していただき、共にこれら地球上の問題を叩いて欲しいと考えています。
そうすれば、その分我々にも余裕ができ、より力を持った状態でゲルシャドーに当たれます。勝率が上がるのです。
……こう言われてもまだ、あなた方はあなた方の「正義」を持ち続けますか?
あなた方のしたいことは何です? 「正義」を貫き通すことですか? それともゲルシャドーを倒すという本懐を遂げることですか?
二つに一つ、共存は不可能です。そのあたりを、よくあなた方の指揮官と話し合ってください」

彼ら次元ポリスはこの矛盾を抱えながら、これまで戦ってきた。彼らはゲルシャドーを破壊するための組織でありながら、自らに「正義」という枷を填めている。
それゆえに、先ほど見せられた次元崩壊の姿もこの矛盾を解決できていればあるいは、可能性があったのかも知れない……とリリーは考えずにはいられなかった。
リリーの表情はずっと無かったが……今このときばかりは、彼女の瞳にはトゲの含んだ疑念が宿っていた。


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