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戦場スレpart2

710 ◆zv577ZusFQ:2013/03/27(水) 14:17:36 ID:71sq9CFM
>>705
「カナメ様。よろしいですか?」

イクリプスは念の為、艦長の確認を取る。
彼女はいつもの如くとても涼しげでごく自然体と言った風である。

「うん。よろしいわよ、さくっとやってさっさと終わらせる。わたしもみんなも疲れてるでしょ。
あ。……んで。くれぐれも前方確認は怠らない様に。VIPを轢き逃げなんてしたら笑えないからね?
目標、甲斐の艦首バスターモジュール。ブーストの解放と同時に徐々にダークネス・オーラを前面に向けてずらして。あの掌君はそれを狙う気みたいだけど……もうおそいっ」

けたたましい騒音を上げて、アルプ・トラウムは躍り出た。一気に前方の甲斐に目掛けて突撃。
主砲で何か打開策を練る物だと判断されていたかも知れないが、こちらの本命は対艦体格闘戦を仕掛ける事。
艦橋やミサイルコンテナを衝突から護る為に全てを内側に収納し、突撃に適したシャープな形が出来上がる。

「え〜と、今よりそちらさんのテスラ・ドライブとあとバスターモジュールをぶち壊しに行きます。
当たれば大変面倒臭いので、あと20秒ぐらいまでに艦首モジュールとか可能なの全部、切り離しておいてね。お姉さんと約束よ」

今から艦をぶつけようとする甲斐の武田姫やクルー達に向かい、脱力感たらたらのボイスで呼び掛けるアルプ・トラウム艦長。
この勧告はレイナ予ての希望で行われたものであり、言ってしまえば甘え。
ぶつけると言う事実は変わらず、所詮只の気休めにしかならない。

「目標、クロスレンジ!」

甲斐の雨霰の様な対空弾幕に一切たりとも怯まずに近寄り、最高速となったアルプ・トラウムはその飛び出た左右の艦首にフィールドの密度を集約して行く。

「艦首ツインブレイド、甲斐の艦首モジュールにぐちゃりとエンゲージします!」

やや上方からフォークボールの感じで落ちる様に降り注いで来たアルプ・トラウムは、その赤く黒いオーラに包まれた艦首の大型剣にて甲斐のバスターモジュールに接触。
今回は良心からか撃たずにいてくれた甲斐のあの凶悪な破壊の力。フォトンブラスターを撃たせない様にする。
破壊を確認するなど悠長な事はせず、バスターモジュールを切り抜け、勢いのまま甲斐の艦底に潜り込む。

「まだよ。イクリプス、そのまま艦首を90度傾けて今度はテスラ・ドライブを止めるのよ」

「至極簡単に言いますよねカナメ様は」

主に負けない人使いの雑さに悪態をつきながらも、ハイスペック使用人はリクエストにお答えしてスピードそのままに艦を上向きに持って来る。
そこから今度は艦首ブレイドが天を突くような勢いで甲斐の艦底からテスラ・ドライブを狙って切り抜けようとしている。

【アルプ・トラウム:天地開闢レイナ(中略)プレッシャーで甲斐を攻撃する】

「あんがと…。今まで私の友達が本当にお世話になったわ。あなた達、強いから次は敵じゃない事を願うわ。ばいばい」

カナメは甲斐の連中に本当に感謝してるのか良く解りにくい淡白な口調でそう言い残す
甲斐の下方から抜け出し、完全に甲斐のマークから逃れたアルプ・トラウムはそのままの勢いでそそくさと撤退を始める。

「アイゼルネ・ラーゼン隊、包囲を脱して順次帰還しています。撃破された子達もお互いフォローしあって帰って来ます」

目眩ましの煙幕を散布しながらハーゲンの魔の手から逃げ延びたアイゼルネ・ラーゼンの残りが甲斐をすり抜け、アルプ・トラウムへと合流して行く。

「じゃ、静香達を呼び戻して。ヒツギ君とあとレイナの叔父さんも来るでしょ?」

信号弾を上げて、静香、マヤ、つばめ、ヒツギ、レオンハルト、レイナに撤退の合図を送る。
空を飛べない風姫、焔姫。更にもう殆ど動けない雷姫には手透きのアイゼルネ・ラーゼン部隊が飛行サポートに入る。

「レイナ……何やってるのよあの子。ヒツギ君、レイナの叔父さん。悪いけれどアイゼルネをこっちに一緒に連れ帰って。もう駄目だわあの子」

そして、未だジガン・スクードと組み合ったままアクションを起こさないレイナの身の危険を案じ、過保護にもヒツギとレオンハルトの2名までをも差し向ける。
本当はせめてもっと早くレイナを戦場から退かせるつもりだった。
それを出来なかったカナメは責任を感じている。


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