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戦場スレpart2

152アカリ&リリー ◆Tg./UqnJ52:2012/09/12(水) 17:35:23 ID:YSproER6
イサム達が話をしている奥、ファイターモードのビルトラプターから、赤いパイロットスーツの女性がコクピットハッチを開けて出てきた。
そこへ、低重力エリア特有のふわふわとしたステップを踏みながら、先ほど医療施設を後にしていたリリーが近づく。

「クレマチ伍長、ビルトラプターの調子はどうですか?」
「スノウフェイル少尉?」

機体の上から降りたパイロットスーツの女性は、急いでヘルメットを脱ぎ、リリーに向かって敬礼する。
ヘルメットをかぶるために髪をアップにまとめているその女性……アカリ・クレマチの敬礼を見たリリーは無表情に「待った」のジェスチャーをし、

「いや、私のようなやくざな尉官に、そんなに畏まらないでください、クレマチ伍長。
 あと、ファミリーネームでは長いので名前で結構です」
「あ、はあ……了解です、リリー少尉」

ふわふわと飛んできたリリーの手を掴み、リリーをその場に停止させたアカリは、若干面食らったような顔をしながらもリリーの要求に応える。
それに満足したように――やっぱり無表情ではあったが――頷いたリリーは、隣にあるビルトラプターを見上げ、

「ビルトラプター制式仕様。可変型PTビルトラプターの制式採用を目指した改修機。
 今までのゲシュペンストとはひと味もふた味も違うと思いますが、操縦には慣れましたか?」
「ええ、戦闘時における緊急変形離脱に慣れきってませんけど、すごい機体ですよ、これ。
 PTがこんなに私の思ったとおりに動くとは思いませんでしたから、まだ少し興奮してます」

今まで旧式機である量産型ゲシュペンストMk−Ⅱにしか乗ってこなかったアカリにとって、ラプターの追従性はまさに感動モノであった。
その興奮を表すかのように、アカリの頬は上気して桃色に染まっている。
しかしその後、「でも」と目線を落として、

「未だにシュナイダー中尉には一回も有効打を与えられていないんですよね……。ちょっと機体に振り回されてるような気もします」
「それは仕方のないことですよ。あの人とあなたとでは、年季が違いますから」

超速度反射能力があるとはいえ、やはり経験の差はいかんともしがたいものだ。
リリーの指摘を受けて、アカリは改めてそれを噛みしめたようであった。


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