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戦場スレpart2
398
:
アカリ&リリー
◆Tg./UqnJ52
:2012/11/10(土) 04:18:56 ID:hWMPKcsM
>>387-396
そうして二人がラーメン屋台の席に着いた頃……そこからやや離れたパラソルテーブルの林立する場所の一角に、
サングラスを掛けた女性が座っていた。
薄茶色の長髪を指で弄びながら、時折サングラスを通してラーメン屋台の前にいたヒツギとライトを盗み見ていたが、
彼らが屋台の席に着くと、おもむろに携帯端末を取り出して、
「ヨウィン1からルミエスト2へ。オーバー」
「こちらルミエスト2。感度良好。どうしましたか? オーバー」
「状況が変わりました。〝紅血は英雄に変わった。〟繰り返します。〝紅血は英雄に変わった。〟以上です」
「な、なんということだ……これが世界の選択だというのか……」
「ええ……そのようです」
「………………………………」
「………………………………」
しばしの沈黙の後、サングラスの女性の隣で、小さなため息が聞こえた。
そこには厳つい男のお面を付けた、小柄な少女が座っている。
「……よりによってラーメン屋台とは。いや、一方では予想通りでしたけど」
「そうですね。腰を落ち着けられる場所に行った、という点では評価は出来るのですけど、あの店舗方式では……」
「ええ。すぐ正面に店主が居るために、存分に明智さんとハヤセさんがストロベリることができません。
そして腹に溜まるラーメンという料理のチョイス……これは厳しい展開ですよ」
「リリー。ひょっとすると私達は……」
「その先は言わぬが花ですよ、アカリさん。明智さんがハヤセさんをスカウトに来たというのなら、まだまだチャンスはあります。
我々のたくら……もとい、気遣いを明智さんが有効活用できないとは、まだ決まったわけではありません」
「しかし、余計な気遣いだったかも知れませんよ。結果によっては、変な期待を持たせた分、気持ちの下降が激しいかも……」
「その時は…………あー、その時は、私達で彼女をフォローしましょう。
それはそれとしてアカリさん。髪を下ろすと印象がガラリと変わりますね」
「え、そうですか? それはあんまり意識したことありませんでしたね……。どういうふうに見えます?」
「両親が作った因縁に起因する貴族間の陰謀によっていつの間にか没落貴族になって苦悩する若い当主を心配すると同時に諦念を感じ、
いつまでも貴族然としていられないことを家の中の誰よりも早く悟って、市井の女としての態度を身に付けかけている当主の妹のような、
そんな印象を受けます」
「そんな具体的な印象与えてるつもりないですよ!?」
「あ、ちなみにこの当主の妹は最後まで貴族としての意識が抜けきれない当主と喧嘩別れした後、
数奇な運命を辿って大きな街の市長となった元パン泥棒兼脱獄犯と出会って共に暮らすようになり、最終的に修道院の院長になって、
足を天頂に突き上げたままベッドの上で修道院のシスターたちに看取られて大往生します」
「うん、古典小説っぽくなってますけど、死に様に難がありますね。というか何の話ですか?」
密かに監視しているようで、こちらはこちらで楽しんでいるようである。
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