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戦場スレpart2

449統久 ◆Tg./UqnJ52:2013/01/16(水) 17:13:51 ID:hRlW3vlM
>>447-448
乱暴でも構わないというヒツギと、極力安静にと頼み込むライトの、二人の対照的な物言いに、統久はほほえましいものを感じた。
だが状況はヒツギの意見を支持しているようだ。
統久のセダンが走る道路の先には先刻陸型の怪物が破壊したビルの残骸が散らばっており、その横には破壊しかかったビルが、
その身をボロボロと少しずつ崩しながら立っている。

「私とて、無理に危険に飛び込もうとは思わないが……こうも散らかっていてはな!」

道路を大きく占拠する瓦礫を避け、そのすぐ先にあった瓦礫を反対にハンドルを切って避ける。
スピードの出ている中で、こんな蛇行運転。当然のことながら、車内は激しく揺さぶられた。

「クソ、こんなカオスな道を走らせやがって……恨むぞ、リリーのやつめ」

愚痴りながらも、瓦礫に衝突することなく瓦礫の散らばったエリアを抜けた統久のセダンは国道135号と交差する交差点にさしかかり、
若干ドリフトしながらカーブし、135号を南下する進路を取った。
車一台走っていない道路を、先ほどの鬱憤を晴らすかのように猛スピードで駆け抜けるセダン。
そうして少ししたところで、道の先に片側2車線分をまるまる使う、PTキャリアの巨体が見えてくる。

「あれか。存外、近くまで来ていたな」

合図をするようにチカチカと2,3回ライトを点滅させると、キャリア側もそれを悟ったのか、同じようにライトを点滅させた。
その巨体ゆえ、急には止まれないキャリアがゆっくりと停止し、その二台の前に、中央線をまたぐように統久のセダンが停止した。

「さあ、着いたぞご両人。行って、勝ってこい。それがお前達二人が今、この街にできる最良だ」

荒れ狂う車に揉まれてへろへろになっているかも知れない後部座席の二人に顔を向け、統久はどこか悪戯っぽい、しかし晴れやかな笑みを見せた。
外では、キャリアに乗っていた作業員が、荷台にかかっていたシートを取り去り、タラップを用意して二人の到着を待っている。


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