したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

戦場スレpart2

736 ◆Tg./UqnJ52:2013/04/06(土) 19:49:15 ID:oCzIaJzo
【地球連邦軍極東支部 牡鹿基地】

レイナ・カーマインとその一派の引き起こした衝撃的な逃亡劇、書類の上で「伊豆事変」と呼ばれているこの事件から三日。
レイナと結託していたイサム・カイオウ大将が編成した伊豆の独立戦隊、所謂「カイオウ戦隊」も大将の失脚により解散され、
伊豆事変後、その隊員のうち、連邦軍に残留した人員は連邦に対し叛意が無いかどうかを判断されるまで軟禁されることとなった。
とはいえ、カイオウ大将の影響下にありながら連邦側についた彼らに対する軍上層部の目はそこまで厳しいものではなく、
どちらかと言うと「巻き込まれた」感の強いものとして、その処分は多少、同情的なものとなった。
連邦側についた人員の軟禁先が、懲罰的なそれではない、同じ極東、日本の牡鹿基地となったのもその「同情的な処分」の一環である。
今回の事件を知った、旧カイオウ戦隊の隊員のうちの一人、アカリ・クレマチ伍長の元上官であるところの深堂鏡子少佐と、
少佐の所属している牡鹿基地司令である桜川重三中将の二人が提言したこの処分が、
極力この事件に関する欧州の介入を防ぎたい極東支部の思惑と合致したという事情もあるにはあるのだが、それを踏まえても寛大なそれと言えるだろう。

「……と、いうわけじゃ。君らにも思うところはあると思うが、事情が事情じゃ。現状、君らにしてやれるのはこちらとしてもこれが精一杯。
基本的に基地の外には出られなくなる等、色々な不自由を強いると思うが、まあわかってくれい」

旧カイオウ戦隊の面々は、髪はもちろんのこと、眉も、長く伸びた髭までもが白い、
どう見てもおじいちゃんな桜川中将からそうした説明を受けた後、解散の流れとなった。

牡鹿基地は伊豆基地と比べて小さい基地である。
牡鹿半島、石巻湾に面する狐崎浜一帯を整備し、埋め立て地による土地の拡張を経て完成したこの基地は、東北地方太平洋側を守る基地のうちのひとつであるが、
この基地の役割はどちらかというと新人PTパイロットの教練が主であり、PT教育連隊が設置されている。
それ故に、現在、量産機の主流となっている量産型ヒュッケバインや、世代遅れながらもTC−OS周りが充実している量産型ゲシュペンスト、
AM系統の基本となるリオンなどの姿があちこちで見られ、それらに乗って訓練を受けているであろう年若いパイロットも多く見られた。

「……なんというかこう、若い汗と言いますか、キャピっとしてると言いますか、とりあえず若いオーラの感じる場所ですねぇ」

牡鹿に着くまで伊豆からの移動の準備やら何やらで忙しく、昼食を逃していたという理由で、午後2時頃を指す時計を尻目に、
旧カイオウ戦隊の面々は食堂にて遅い昼食を取っていた。上の発言は、大盛りチャーシュー麺をすすっている、リリーの感想である。

「まあそういう場所ですから、この基地は。つい数ヶ月前まで、私もあの中にいましたし……」

こちらはリリーの隣でコロッケ定食の味噌汁に息を吹きかけているアカリである。

「自分は若いというアピールですか。いやですねぇ、アカリ伍長は」
「そんなこと言ってません!」

アカリのツッコミに、「はいはい」といった感じでリリーはひらひらと手を振った。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板