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科学と疑似科学とを判別する

599diamonds8888x:2020/02/24(月) 20:06:40 ID:VxIn8deI
>>593,>>583
【矛盾の件】
>>578
>>>それこそ太陽が東からも西からも昇るのに匹敵するような動作を起こし、
>>これは別に「P∧¬P」ではありませんよね?

>太陽が東からも西からも昇るのは、基準05によって疑似科学と判定される矛盾の例として、diamonds8888xさんが>>568で挙げられたものです。

 ああ、マザーグース的やつですね。この例は1個の太陽が同時に東からも西からも昇る、という意味で言っていますよ。ちょうど量子論の不確定性で2つの場所に同時に質点が存在するようにね。シミュレーション世界で実際にそんなことが起きたのですか? 「〜に匹敵するような」だけであって本当のP∧¬Pではないでしょう? そこをしっかり区別してねというのが[>>598]のお願いなんですよ。
 いうまでもなく太陽のような巨大質量の物体が東と西のような遠距離に同時存在などは量子論でも起こりませんよ。

>というお尋ねがあったので、例えば仮想世界なら起こりうるという回答をしました。

 だからどんな現象ですか、それは。言葉だけならマザーグース的たわ言はいくらでも言えますよ。貫いて∧貫かない、なんてありえないでしょうよ? 「P∧¬Pに匹敵するような」と「P∧¬P」との間には「ほとんど無数の数」と「数学的無限ω」との間のような絶対的な壁がありますよ。


【波と粒子が背反する属性】
>私自身は19世紀のマクスウェル理論の段階でも、背反関係を否定する具体案はなかったと考えますが、

 当たり前です。実際の歴史では背反関係を否定しなきゃいけない理由など1900年まではなかったのですし[>>595,>>596]。私がマクスウェル理論の段階で示したのは横波でも進行方向に圧力を与えるという点です。放射圧の件はまさか同意しないとか言わないでしょうね?

>*指ではじかれた将棋の駒が盤上をすべってゆくようにふるまうのが粒子説
>*盤上に立てた駒を多数並べドミノ倒しを起こすようにふるまうのが波動説

 これは光とはあまりにかけ離れた比喩にしか見えませんので無視します。

>*Aの質量が減り、Bの質量が増すのが粒子説
>*AもBも質量に変化がないのが波動説

 了解しました。で、18世紀にはこれに関してはどんな観測から何がわかっていたと言うのですか? 18世紀の精度では変化があったのかなかったのか識別しにくいと思えますが、18世紀の科学にどんな影響があったと仮定するのですか? どうせ架空の歴史になりそうですから。

600Ken:2020/02/24(月) 23:55:48 ID:AN9ePMUI
一度に多量の投稿をされましたが、とりあえず最も気になる点を挙げます。これはもう、意見が異なるというより、そもそもメッセージが伝わっていないように見えますから。

>>595
>そこで以下の性質も上げています。(いいかげんに、用語を変えてくださいね。)
>1.まごうことなき波動としての特徴 (質量が移動しない)=>運動量を伝えない
>2.まごうことなき粒子としての特徴 (質量が移動する)=>運動量を伝える
>この「放射圧」という観測事実は

>>593の投稿を読んでもまだ「運動量」と言われますか? 「質量」と何度も繰り返しているのに。ここで言ってるのは「放射圧」の話ではないのです。

ニュートンは光粒子説を唱えましたが、ニュートン力学における「粒子」とは、大は天体から小はリンゴまで、質量を持ち、力を加えると加速される(F=ma)存在でした。そのような粒子の非常に微小な集団が空間を飛ぶのが粒子説です。

一方で、電磁気学以前に認識されていた「波動」とは、水面の波紋、弦の振動、音などで、媒質を成す物質はその場で振動するだけで、どこへも行きません。光波動説とは、正体不明の「エーテル」を想定しましたが、エーテルもまた音を伝える大気と同様に、それ自体は移動しないものでした。

それゆえに、粒子説は質量が移動し、波動説では質量が移動しない、と言い続けています。しつこいと思われるかもしれませんが、この点をクリアしないと先へ進めません。

601diamonds8888x:2020/02/25(火) 06:07:13 ID:ORFugYlA
>599

 お互い時間差でちと行き違ったようですね。

「了解しました。で、〜[>>598]」を御参照ください。
 なお質量が移動というのは通常は別のものに変身してしまう現象と考えられますが、具体的にどんな観測事実かがわからない、というのが[>>598]で示した疑問です。何を出そうが架空の歴史の話にしかならないと思いますが。

602diamonds8888x:2020/02/25(火) 06:19:58 ID:ORFugYlA
【最重要の話】
[>>598]をもう少し。ともかく最重要なので。実は[>>597]にも関連しますが。

 1. P∧¬P
 2. a)P∧Q b)Q⇒¬P c)P∧¬P {aとbからの推論結果}

 Kenさんは1の事例については「一般的すぎて、同様の例はすべて基準05でアウトになるように思われます[>>570]」と認めているにもかかわらず、2の事例だけ出して来ています。1と2は全く違うでしょうに。最低限、1と2の違いを理解していただかないと、もう他の話なんてできません。

 もしも2のような事態が生じれば、前提であるaまたはbのどちらかは間違いだという結論になります。cという矛盾が推論結果として生じたからです。
 形式論理に沿って言えば、a∧b⇒c(矛盾)、まで推論したら次に、ゆえに「¬(a∧b)」すなわち「¬a∨¬b」と推論できるわけです。これが2の推論を最後まできちんと行った結果になります。

 それをaもbもn世紀の知見だから当時の人にとっては変えられない真理だとか言ってたら科学は一歩も進歩できませんよ。何世紀だろうが、当時の知見を疑い、それとは異なる理論を提出した人間が科学を進歩させてきたのです。その努力がいつ実を結ぶかは別としてですよ。
 当時の人が認めるべきなのは「P∧¬Pでもいい」ではなくて「aまたはbのどちらかは間違い」という最終結論です。


 1が抽象的だから科学理論に使えないって? 1のPに具体的命題を入れればいくらでも具体的例が作れます。論理式というのは、これら無数の具体例をまとめて示したというだけのものです。現実に矛盾がない、という言葉は、1のPに具体的命題を入れた全ての具体的例は現実には成り立たない、と言っているのであり、十分に具体的なことを言っているのです。
 「論理法則というのは【あらゆる推論過程に適用される法則】[>>572]」も同じことを言っています。

603diamonds8888x:2020/02/25(火) 06:25:57 ID:ORFugYlA
>>600,>>601
 返信先を間違えましたね。失礼しました。
 それと、質量の件、読み違えたようです。これも失礼しました。私流に表現させていただくと、

 粒子:運動するとき、それ自体の質量が移動する
 波動:進行するとき、質量は移動せず、力ないし運動量のみが移動する

 これだと「質量を持つ媒体を進行する波動」限定の違いになりますね。そこは御注意を。
 [>>597]の結論に影響はありませんが。

604Ken:2020/02/26(水) 21:54:02 ID:AN9ePMUI
>>603
質量移動のことで合意できたのは大きな前進で、これで議論が進むでしょう。ただし慎重に、1ステップずつ進めます。まず>>590にならって、

理論X=「光は粒子であり、かつ、光は波動である」

と定義します。そして、もし理論Xが正しいなら、

理論Y=「光は質量を移動させる、かつ、光は質量を移動させない」

という結論が得られます。そして、この理論Yは、>>568で挙げられた

・太陽は東から昇る。かつ西から昇る。
・この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

と本質を同じくする基準05違反、マザーグースのたぐいですよね。

ということは理論Xもまた基準05に違反するということでよろしいですか?

私が問い続けていたのはその点なのですが。

605diamonds8888x:2020/03/02(月) 06:12:45 ID:YFIIK6Zs
>>604
> 理論X=「光は粒子であり、かつ、光は波動である」
> と定義します。

 つまり、これ以外には何も言っていないということでよろしいですね?
 ならば既に[>>582]で答えたとおりです。

 ==>単に「光は粒子でもあり、かつ波動でもある」だけでは誰も相手にしません。

> ということは理論Xもまた基準05に違反するということでよろしいですか?

 違反します。上記の条件ではね。
 [>>582]で答えたとおり、上記のキャッチフレーズだけ唱えるのでは、気違い扱いさえされずに無視されるだけでしょう。他の仮説も同時にない限りは。

 あとは[>>582]もちゃんと読んで、その意図を読み取ってくださいね。

606Ken:2020/03/04(水) 23:03:27 ID:AN9ePMUI
>>605
ここで言われているのは、根拠のないことを唱えるのは正しくない、ということですね。

それは分かりますが、そのことは「P∧¬P」を排除する基準05とは別の問題ではありませんか? いわば「基準」によって選別される前の段階の話でしょう。

光粒子説や光波動説の根拠とされたことは、「直進」「真空伝播」「屈折」「交差」などを挙げてきました。現代の視点では根拠とされないものもあるでしょうし、またdiamonds8888xさんが言われたように、粒子説の根拠とされた事象が波動説で説明されたり、その逆の場合があったかもしれません。

それでも、当時(18世紀)は粒子説、波動説の両方の根拠があると考えた人が多かったと思います。もしすべての事象が粒子説で説明できる、または波動説で説明できるという考えが大勢を占めれば、そこで論争が決着したはずですから。

つまり粒子説にも波動説にも根拠はある。そこで基準05が問題になるわけです。

すこしわき道にそれますが、光の代わりに「血液」を対象に考察してみましょう。ある観察・実験の結果、

〜血液は体内を流れる

という事象が見つかったとします。また別の実験をやったら、

〜血液は酸素を運ぶ

という事象が発見されたとします。すると、ただちに、

〜血液は体内を流れ、かつ酸素を運ぶ

という、両方の観測結果を合わせた主張が可能になるでしょう。ところが光の正体となると、そうはゆきません。粒子であることを示す事象と波動であることを示す事象の双方が認識されていたのだから、血液の例にならえば、

〜光は粒子であり、かつ波動である

という主張がありえたはずです。そうならないのは、粒子であることと波動であることは、両立しない背反関係にあると思われたからです。

つまり、そのような条件の下で、粒子でもあり波動でもあると主張すれば、基準05に違反していたのか、というのが私の問いかけです。

607diamonds8888x:2020/03/07(土) 11:25:40 ID:pKsFXxD6
>>606
 時間不足で単発のみで申し訳ありませんが。

> ここで言われているのは、根拠のないことを唱えるのは正しくない、ということですね。

 私としてはその表現で間違いないし、「根拠のないことを唱えるのは正しくない」のは当たり前だと思いますが、「根拠」の範囲がKenさんは私の解釈より狭いような気がします。

> それは分かりますが、そのことは「P∧¬P」を排除する基準05とは別の問題ではありませんか?

 同じ問題です。ある理論が正しいことの「根拠」には、妥当な推論のみが使われているということも含まれます。

> いわば「基準」によって選別される前の段階の話でしょう。

 前とか後とか、意味がわかりません。その理論が「根拠」とするものを含めて考えなければ、「基準」に一致するか否かの判断もできません。

608Ken:2020/03/07(土) 21:24:34 ID:AN9ePMUI
>>607

どうも、まだ私の文意が伝わらないようですが、周辺説明はともかく、具体化した問題に回答していただければ、よいと思います。

舞台を18世紀に設定すると、

1.光粒子説の根拠があった(だから光粒子説が主張された)
2.光波動説の根拠があった(だから光波動説が主張された)
3.粒子と波動は背反関係にあった(だから粒子でもあり波動でもあるという説は主張されなかった)

という条件がありました。その条件下で、

〜光は粒子であり、かつ波動である

という主張は基準05に違反するのでしょうか?

609diamonds8888x:2020/03/09(月) 05:41:04 ID:C4rTQE1M
>>606,>>604,>>608
>どうも、まだ私の文意が伝わらないようですが、

 はい、さっぱりわかりません。

>という主張は基準05に違反するのでしょうか?
> つまり、そのような条件の下で、粒子でもあり波動でもあると主張すれば、基準05に違反していたのか、というのが私の問いかけです。

 はっきり違反すると明言していますが、何が問題なのですか? 「周辺」て何を指すのか意味不明です。

 [>>605]の何がひっかかるのですか?
> [>>582]で答えたとおり、上記のキャッチフレーズだけ唱えるのでは、気違い扱いさえされずに無視されるだけでしょう。他の仮説も同時にない限りは。

 で、まあ、他の仮説として可能性のあるひとつとしては例えば


>もし理論Xが正しいなら、〜 理論Y=「光は質量を移動させる、かつ、光は質量を移動させない」〜という結論が得られます。

 という推論を否定できるような仮説が考えられますね。


 なお、「○○は(同時に)波であり、かつ粒子でもある」という理論は現代でもないようです。
 量子論は脇道ですから、これ以上は書きません。

610Ken:2020/03/10(火) 22:36:02 ID:AN9ePMUI
>上記のキャッチフレーズだけ唱えるのでは、気違い扱いさえされずに無視されるだけでしょう。

なんだか私が、根拠もなにもない妄想のたぐいを語っているように言われますが、どうか思い出してください。光粒子説も光波動説も、それぞれ根拠とみなされる事象が観測されていたのですよ。そして>>606で血液を例に説明したように、ある考察対象(この場合は光)が示す特徴が2つ(この場合は粒子性と波動性)ある場合には、その対象が2つの特徴をあわせ持つと考えるのは真っ当な推論ではありませんか。それがつまり、

理論X:光は粒子であり、かつ波動である

というものです。真っ当な推論であれば、気違い扱いも無視もされませんし、もしその理論を否定するなら、否定する側に否定の根拠を示す責任が生じるはずです。

その否定の根拠がつまり基準05ではないのですか? 粒子であることと波動であることは両立し得ないPと¬Pの関係にあったのだから、「P∧¬P」を排除する基準によって否定されるのではないでしょうか?

そのような論理のステップをふんで理論Xを疑似科学と判定する、というのであれば論旨の筋が通りますし、diamonds8888xさんの論旨がそこにあるのなら、議論のこの段階はクリアできるでしょう。

611diamonds8888x:2020/03/16(月) 05:52:01 ID:WZVjBBRA
>>610
>なんだか私が、根拠もなにもない妄想のたぐいを語っているように言われますが、

 そんなことは言ってません。「上記のキャッチフレーズだけ唱える」のはKenさんではなくて、理論Xを唱える架空の人物なのでしょうから。

>ある場合には、その対象が2つの特徴をあわせ持つと考えるのは真っ当な推論ではありませんか。

 それを考慮する理論なら、「上記のキャッチフレーズだけ唱える」だけの理論ではありません。その真っ当な推論から矛盾が導かれないように、つまり基準05に反しない構造の理論にしてから唱えているでしょう。例えばの例とすれば、それは架空の人物の考えることなので私にはわかりません。でも可能な構造のヒントならば、これまでの私の発言やブログに散々書いてあります。
 [>>609]にも書きました。=>「で、まあ、他の仮説として〜考えられますね。」


 なお、例えば粒子論者ならば、「光波動説の根拠とされる観測事実を粒子説で説明する」という理論をも唱えているはずです。むろんそこには本当は矛盾があるかも知れなくて、波動論者はその矛盾を探そうと知恵を絞って論破しようとするでしょう。

 そしてこれは波動論者も同じことで、「光粒子説の根拠とされる観測事実を波動説で説明する」という理論をも唱えているはずです。対して波動は〜以下同文。

 実際の歴史では、光の干渉性が確認されると、こればかりは粒子説では説明できずに波動説に軍配が上がりましたが。

612diamonds8888x:2020/03/16(月) 05:54:09 ID:WZVjBBRA
【他の読者へ】
 何をわかりきったことに日数かけてるんだと考える方々もおいででしょうが、随分と基本的な部分で言葉か概念か推論というものの認識だかが異なっているようで、まさに哲学にずれがあるもようです。数学基礎論の例にもあるように、基本的な部分ほど難しいことも確かです。Kenさん自身は、このような食い違いこそがまさに科学哲学の分野だという認識がなく、「哲学=形而上で科学に関係ない」という認識から抜けられないようで、御自分の感覚がスタンダードと違うことがまだ信じられない御様子なので。

 「言葉の定義が違うんじゃないの?」という提言に全く無反応というのがねえ。[>>604]では理論と結論をごっちゃにしていて後の推論の混乱が透けて見えますけど、まあ私が意を組むことにしてます。

 さて[>>604〜]では、矛盾する結論だけ叫ぶ理論が基準05違反かという問に私が肯定したにもかかわらず、しつこく確認しています。思うに・・。まず私やスタンダードな考えなら・・。

 1) 推論で矛盾が生じれば、その理論は間違い。まして最初から矛盾を主張する理論は1次スクリーニングで消える。
 2) まともな科学者なら、矛盾する命題だけの理論を提唱するはずがない。
 3) ゆえに矛盾を消すような仮説をも並べて提唱しているはず。

 というわけで、[>>602,>>609]等で3)まで含めて書いているのですが、それが却ってわかりにくかったもようです。つまりKenさんにとっては2)までも考えが進んでおらず1)の確認を「慎重に1ステップずつ」進めたいらしい。

 このように基礎的な部分で慎重に進めるのは、まさに科学哲学の態度であり、結構おもしろい考察につながる気もします。もちっと他の考え方を理解する気になれば、よき科学哲学者になれそうな気もしますがねえ。いやむろんアマのですけど。

----------
 ところが[>>610]では2ステップ目[上記の2)]に入り込んでいたようです。既に他の命題(観測事実も含む)も含めての理論ならば、そこから矛盾が出ない構造になっているはず。矛盾を生むのは以下の命題です。

   粒子:運動するとき、それ自体の質量が移動する
 波動:進行するとき、質量は移動せず、力ないし運動量のみが移動する

 ゆえに矛盾を消す理論の可能性としては、以下の2通りの道があります。
   光波動説の根拠とされる観測事実からは上記は推論されない。
   上記を否定する。つまり粒子や波動という概念の範囲を広げる。

 実はどちらも同じようなことで、ブログ「3種の波[2019/12/19]」周辺で書いていることです。

============
 なお、「○○は(同時に)波であり、かつ粒子でもある」という理論は現代でもないようです。この点は私もこれまで考えが曖昧だったのですが、スタンダードな量子論の解釈では
  ・量子は伝播するときは波である(波動性を持つ)、つまり干渉する。
  ・量子は検知されるときは粒子である(粒子性を持つ)、つまり定時定点で検知される
 とされています。ていうか、これは観測事実です。いや「伝播するときは波」を観測事実とするのは個人的には二の足を踏みますが。

 そしてコペンハーゲン解釈では、ある時点で波動が収縮して粒子として観測される、と解釈されます。というか、仮定されています。これをすなおに読めば、「(同時に)波であり、かつ粒子でもある」ということはないのです。

 なお、現代でも通用する波と粒子の違いについては節操のない者さんの記事が参考になりました。
 [ttp://taste.sakura.ne.jp/static/farm/science/wave_particle_duality.html]
  粒子  空間の1点に局在している
  波   空間に拡がっている
 [ttp://taste.sakura.ne.jp/static/farm/science/wave_particle_duality_terrible.html]
  狭義の粒子性 1点に存在する性質
  広義の粒子性 狭義の粒子性+量子性

613Ken:2020/03/18(水) 23:31:51 ID:AN9ePMUI
>>611より引用。
**********************************************
それを考慮する理論なら、「上記のキャッチフレーズだけ唱える」だけの理論ではありません。その真っ当な推論から矛盾が導かれないように、つまり基準05に反しない構造の理論にしてから唱えているでしょう。例えばの例とすれば、それは架空の人物の考えることなので私にはわかりません。でも可能な構造のヒントならば、これまでの私の発言やブログに散々書いてあります。
 [>>609]にも書きました。=>「で、まあ、他の仮説として〜考えられますね。」
**********************************************

私が「真っ当な推論」と言ったのは、観測事象だけを見れば、

理論X:光は粒子であり、かつ波動である

というのは、>>606で例に挙げた「血液は体内を流れ、かつ酸素を運ぶ」と同種の推論という意味です。

もう一度繰り返しますが、私が求めるのは>>541で挙げた

1.まごうことなき波動としての特徴
2.まごうことなき粒子としての特徴
3.波動と粒子は背反関係としか結論しようがない理論

の3条件を受け入れた上で理論Xを判定することです。diamonds8888xさんが3条件に疑義を持たれていることは承知してますが、3条件すべてを受け入れるのが18世紀の主流だったことは、光の正体に関する論争が継続した事実が証明していると思うのです。もし3条件の1つでも否定する見解が大勢をしめれば、そこで論争が決着したはずですから。

例えば、もし1が否定され、波動的特徴と考えられた事象を粒子的特徴と見なせるなら、光粒子説が受け入れられて論争が終わるはずです。2が否定された場合はその反対で、光波動説が定説となります。

もし3の背反関係を否定する具体案があれば、それこそ理論Xが受け入れられて論争が決着したでしょう。観測事象としては、粒子性と波動性の両方があったのですから。

つまり、3条件のそれぞれを否定する考えがたとえ現れたとしても、広汎な支持を集めることはなかった。論争が何世紀も続いたことがその証拠だと思います。

ですから、そのような、3条件をすべて受け入れている人の立場に身を置いて、理論Xに基準05を適用したらどうなるのか、というのが私の問いかけなのです。その場合に理論Xは疑似科学と判定されるのでしょうか?

614diamonds8888x:2020/03/23(月) 04:49:10 ID:7AQSJFM2
>>613
 なんとか食い違いのポイントが見えたのでお答えしましょう。

>3条件すべてを受け入れるのが18世紀の主流だったことは、光の正体に関する論争が継続した事実が証明していると思うのです。

 ここが違います。3条件すべてを受け入れた理論など提唱されていません。3条件の一部だけを受け入れた理論が複数あって、それらの間で論争が継続した、といのうが正確な事実です。3条件すべてを受け入れた理論が提唱されたと言うなら具体的に示してください。

>もし3条件の1つでも否定する見解が大勢をしめれば、そこで論争が決着したはずですから。

 大まかに言えば、1を肯定し2を否定する理論(波動説)と2を肯定し1を否定する理論(粒子説)との論争が継続していたのです。それはKenさんも御存知でしょう? 18-19世紀において3を肯定する理論は、私は寡聞にして知りません。もしあれば御教示ください。

 もちろん論敵の方は「○を否定するのは矛盾を生じる」などとして論争していたのでしょうが。

615Ken:2020/03/24(火) 22:50:30 ID:AN9ePMUI
diamonds8888xさんが言われるように、波動説の根拠とされる事象を粒子説で説明した人がいたとして、もしくはその反対のことをした人がいたとして、問題はどちらの側も大多数の人を納得させ、論争に決着をつけるほどの説得力をもたなかったことです。大多数の人は、粒子・波動どちらの説にも一理あると考えたでしょうし、だから論争が続いたのではありませんか?

ですから、そのような大多数の人の立場に立って、理論Xに基準05を適用したらどうなるのか、という問いかけをしています。

>18-19世紀において3を肯定する理論は、私は寡聞にして知りません。もしあれば御教示ください。

繰り返しになりますが、光の粒子性も波動性も根拠とされる事象が観察されるのなら、論争などやる前に、「光は粒子であり、かつ波動である」という推論がなされてよいはずです。なぜそれができなかったのでしょうか?

できなかった理由は、粒子と波動は背反関係にあると考えられたからではないでしょうか?

以下は余談ですが。

私自身は、何世紀も続いた光の正体論争は、たとえば江戸時代から200年も続く邪馬台国論争みたいなものだったと思います。九州説を唱える人も畿内説を唱える人もそれぞれの根拠を挙げますが、相手の息の根を止めるほどの証明能力はありません。かといって「ヒミコは九州にもいたし、畿内にもいた」なんて理論は現れません。

616diamonds8888x:2020/03/30(月) 05:56:43 ID:pLFmH3C.
>>615
 「大多数の人」とは具体的にどんな人々を想定しているのですか? まあ、以下の考察通り、誰でも同じことですから、これは不要な質問でした。胸に手を当てて考えてみるのは、Kenさんにとって有益だとは思いますが。


 「粒子・波動どちらの説にも一理あると考えた」人々であるならば、その人々は「科学的に妥当な理論」を持っていたり提出したりしたのではありませんよね?

 基準05などはあくまでも「これできちんと説明できるのだ」と称して提出された「特定のひとつの理論」に対して適用して、その「特定のひとつの理論」が科学的に妥当なものかどうかをスクリーニングするための基準です。
 複数の理論が並立している「(社会的?)状態」や「(複数の人々の)状態」に適用するものではありません。

 すなわち基準05などの適用は、「粒子説は妥当なのか?」として適用し、「波動説は妥当なのか?」として適用するものです。

 ましてや「人々」に適用するものではありません。ひとつひとつの「理論」に適用するものです。さらに念の為に言えば、「大多数の人の立場」に適用するものでもありません。[>>615]での「大多数の人の立場」とは「正しいと考えるべき妥当な理論が見つからないという立場」だとしか見えません。

617Ken:2020/03/30(月) 10:07:23 ID:AN9ePMUI
>基準05などはあくまでも「これできちんと説明できるのだ」と称して提出された「特定のひとつの理論」に対して適用して、その「特定のひとつの理論」が科学的に妥当なものかどうかをスクリーニングするための基準です。

もちろんです。そして私は、

理論X:光は粒子であり、かつ波動である

という「特定のひとつの理論」が基準05でどう判定されるのか、をお尋ねしています。

618diamonds8888x:2020/04/04(土) 18:22:36 ID:Qix9q/lA
「そのような大多数の人の立場に立って、」という前提条件の意味がわかりませんが?
[>>616]はその前提条件が意味がないことを説明しています。

619Ken:2020/04/04(土) 22:13:00 ID:AN9ePMUI
意味がないということはないでしょう。
私は、観察事実にもとづいた理論を問題にしているのですから。

(1)光には粒子としての性質がある
 観察事実:光は直進する(音のように障害物の背後に廻り込まない)
 観察事実:光は真空中を伝わる
ゆえに
 理論X1:光は粒子である

(2)光には波動としての性質がある
 観察事実:光は屈折する
 観察事実:光は交差する
ゆえに
 理論X2:光は波動である

ゆえに、理論X1と理論X2を合わせて

理論X:光は粒子であり、かつ波動である

という結論を出すのは無意味ですか?
そんなことはないでしょう。

なかにはdiamonds8888xさんが言われるように、粒子としての、または波動としての性質のみがあると考えた人がいたかもしれません。でもそれは一部の人で、両方の性質があると考えた人が大多数だったと思います。そういう人の立場に立って、理論Xを基準05で判定してみてください。

620diamonds8888x:2020/04/06(月) 05:39:06 ID:Qix9q/lA
>>619
>なかにはdiamonds8888xさんが言われるように、粒子としての、または波動としての性質のみがあると考えた人がいたかもしれません。でもそれは一部の人で、両方の性質があると考えた人が大多数だったと思います。そういう人の立場に立って、理論Xを基準05で判定してみてください。

 「両方の性質があると考えた人が大多数だったと思います。」は事実ですか?

 という問いも、今は仮定の話だからどうでもいいですが。答えは決まってるけどね。

 大多数だろうが、一部の天才だろうが、「両方の性質があると考えた人」というのはつまりは「3.波動と粒子は背反関係としか結論しようがない理論」を古い常識に過ぎないとして否定したのですよ。

621Ken:2020/04/06(月) 23:30:06 ID:AN9ePMUI
・・・どうしても3条件に納得がゆきませんか?

(1)光粒子説を示す事実がある
(2)光波動説を示す事実がある
(3)粒子と波動は背反関係という理論がある

前にも言いましたが、3条件の1つでも否定する見解が多数の支持を集めれば、そこで光の正体論争は決着したはずなのです。そうならなかったのは、3つのどれも否定できない人が多かったからとは考えられませんか?

否定できたと主張した人でも、本当に堅牢な、たとえば今の私たちが地動説を支持するほどの根拠をもって、否定したとは思えません。それほどの根拠があれば、必ず大多数の人を納得させたはずです。


もう少し具体的に、個別の条件を説明します。

(1)光粒子説を否定できるか?
できません。何よりも光が真空を伝わることが決定的でしょう。私自身は19世紀の場の理論でも媒質問題を解決できないと思いますが、18世紀には場の理論もありませんでした。波動とは質量と弾性をもつ物質が力を伝える現象で、真空を伝わるはずがありません。

(2)光波動説を否定できるか?
これもできません。光同士が交差するのは決定的です。あらゆる所であらゆる方向に飛んでる光がもし粒子なら、衝突して目に映る映像が乱れるはずです。あるいは粒子密度が極端に低いと、衝突の確率も低くなるかもしれませんが、それなら映像の解像度が低下するでしょう。

(3)背反関係を否定できるか?
17世紀のガリレオ、ニュートン、ホイヘンス、フック以来構築されてきた力学体系は、広汎な現象を説明し、何よりも事実を正確に予測し、また工学応用されて、大砲、時計、楽器、船舶、すでに出現していた蒸気機関などの製作に貢献していました。その力学体系によれば粒子と波動は全く異なる現象でした。もし両者の背反関係を否定したいと考えても、どういう理論を構築すればそんなことができるのか、何の具体案もありませんでした。

以上のように、3条件のどれも否定できないという前提のもとで、

理論X:光は粒子であり、かつ波動である

を基準05で判定することはできませんか?

622diamonds8888x:2020/04/13(月) 05:41:02 ID:Qix9q/lA
>>621
> 前にも言いましたが、3条件の1つでも否定する見解が多数の支持を集めれば、そこで光の正体論争は決着したはずなのです。

 決着など着かない方が普通なのに、何言ってるのか意味不明です。
 現代でも、普通の進化理論とクリエイター理論との決着はついていないんでしょ? 一定の人々の心のなかではね。

>そうならなかったのは、3つのどれも否定できない人が多かったからとは考えられませんか?

 そりゃあ、一人の人の心のなかでは粒子説と波動説との間で揺れていた人は多いでしょうね。でも、粒子説は(2)の事実を粒子として説明しようとしていたし、波動説は(1)を波動として説明しようとしていたはずです。もちろん、それらの説明がなかなか苦しいものだったかも知れません。苦しくなくて万人が納得するものであったならば、おっしゃるとおりすぐに決着したはずでしょうからね。
 それは単に、万人が納得する理論ができなかった、というだけです。つまり、光の正体は不明であった、というだけのことです。

> 以上のように、3条件のどれも否定できないという前提のもとで、

> 理論X:光は粒子であり、かつ波動である

> を基準05で判定することはできませんか?

 [>>605,>>609]参照のこと。この前提なら違反するので非科学的理論です。
 そして「だから3条件のどれかは間違っているはずだ」というのが論理的推論になります。

 [>>620]をちゃんと、じっくりと、考えましたか?
> 大多数だろうが、一部の天才だろうが、「両方の性質があると考えた人」というのはつまりは「3.波動と粒子は背反関係としか結論しようがない理論」を古い常識に過ぎないとして否定したのですよ。

623Ken:2020/04/13(月) 23:11:18 ID:AN9ePMUI
まず、決着しない論争が続いたのは、一般に「専門家」と称される人々のあいだで、進化理論とクリエイター理論の決着がつかない「一定の人々」ではありません。専門家の論争が続いたことはアジモフも語っていますし、diamonds8888xさんが紹介された文献(たとえばwww.jstage.jst.go.jp/article/pesj/43/4/43_KJ00005896682/_pdf)からも明らかです。

>粒子説は(2)の事実を粒子として説明しようとしていたし、波動説は(1)を波動として説明しようとしていたはずです。

「説明しようとした」だけで、説明できたとは思えません。そもそも、なぜ、おっしゃるような「苦しい」説明を試みねばならなかったのでしょうか? 光が真空を伝わる事象は粒子として解釈すれば、苦しくもなんともない、すっきりした説明になりますし、交差する現象を波動として解釈するのも同様です。つまり、観察事象を説明するなら、

理論X:光は粒子であり、かつ波動である

という主張が最もストレートではありませんか。なぜ、その理論が多くの研究者に支持されて、論争が決着しなかったとお考えですか?

考えられる理由は1つ。粒子であることと波動であることは、¬PとP、理論Xが基準05に違反するからではないのですか?

基準05の内容を明確に明らかにするために、どうしてもこの点に「YES」または「NO」で答えていただかねばなりません。

624diamonds8888x:2020/04/16(木) 05:51:58 ID:Qix9q/lA
>>623
>という主張が最もストレートではありませんか。

 そうかも知れませんね。でも17世紀の常識には反していたわけです。素直に考えれば最もストレートな理論でも、常識に反するがゆえに受け入れ難かったというのが19世紀以前の科学の歴史上の事実ですよね。

>なぜ、その理論が多くの研究者に支持されて、論争が決着しなかったとお考えですか?

 史実では決着しなかった、という認識ですね? で、決着しなかった理由を訊いている質問なのですよね?

>考えられる理由は1つ。粒子であることと波動であることは、¬PとP、理論Xが基準05に違反するからではないのですか?

 そうですよ。「YES」だと何度も書いていますよ。[>>622,>>605,>>609]参照のこと。
 基準05に従えば「3条件のどれかは間違っているはず」です。
 3条件のどれかひとつを否定した理論であれば基準05には違反しません。

625Ken:2020/04/16(木) 23:08:08 ID:AN9ePMUI
>基準05に従えば「3条件のどれかは間違っているはず」です。

重要な局面なので慎重に行きます。本スレッドで論じるべき問題は、間違っているかどうかではなく

〜基準に違反する疑似科学なのか

という点にあるのですから。その違いを3条件を用いて説明します。

(1)光は粒子である
(2)光は波動である
(3)粒子と波動は背反関係にある

(1)と(2)は、それぞれ科学理論として正しいか、つまり現実を反映しているかが問題になります。それを判定するのは通常の科学の仕事でしょうし、実際にこの2つは論争の対象になりました。

これに対して、基準に違反するとは、現実を反映するかどうか以前に、そもそも科学の態をなさない疑似科学ということですよね。私は、18世紀の知識体系の中で(3)の背反関係を否定するのは、基準05に違反する疑似科学になるのではないか、と思っています。だからこそ、(1)(2)とは異なり(3)の是非は論争にもならなかったのではありませんか?

diamonds8888xさんは、理論Xを次のように評されました。

>でも17世紀の常識には反していたわけです。

常識に反する、というだけではいろいろな解釈が可能ですが、ここでは、私が上で述べたような、論争の対象にすらならないこと。つまり本スレッドでいうところの疑似科学で、理論が正しいか、現実を反映するかとは、別次元の問題と考えてよそしいですか?

626ゲジゲジ:2020/04/21(火) 01:59:23 ID:KJHm7qsI
diamonds8888xさまへ。
久しぶりにヨコからですが、ちょっと色々と混乱しているように感じます。
今一度、整理した方が良いように思われます。

[A]
 (1)光は粒子の特徴を持つ → 観察事実
 (2)光は波動の特徴を持つ → 観察事実
 (3)粒子と波動は背反関係にある → 前提理論

[B]
 (1)光粒子説の根拠がある → 観察事実からの解釈
 (2)光波動説の根拠がある → 観察事実からの解釈
 (3)粒子と波動は背反関係にある → 前提理論

[C]
 (1)光は粒子である → 理論
 (2)光は波動である → 理論
 (3)粒子と波動は背反関係にある → 理論

[A]〜[C]がゴッチャに扱われているように感じます。Kenさまが仰るように重要な局面ですから、ここは慎重に、きちんと区別した方が良さそうです。

さて、[A]の(1)と(2)は観察事実ですから、18世紀であろうと19世紀であろうと、誰もが認めざるを得なかったでしょう。そして[A]の(3)は、やはり誰もが認めざるを得ない「常識」でした。

問題は次です。
例えば[A]の(1)から[B]の(1)が導けるでしょうか?
つまり「光は粒子の特徴を持つ」という観察事実は、それだけで「光粒子説の根拠」と言えるでしょうか?
実は言えないのではないですか?
なぜなら「光は波動の特徴を持つ」事も観察されていて、「粒子と波動は背反関係にある」とされているので、(2)か(3)を否定しなければKenさまが言う理論X「光は粒子であり、かつ波動である」になってしまって、基準05に違反するから。
だから[A]の(1)「光は粒子の特徴を持つ」だけでは「光粒子説の根拠」としては不十分で、もしそれだけを根拠に「光は粒子である」という理論を提唱したならば、「根拠もなにもない妄想のたぐいを語っている(>>610 参照)」ように扱われてしまうのではないでしょうか?

具体的に言うと、「光粒子説の根拠」とするためには(1)「光は粒子の特徴を持つ」事の他に、以下のいずれかが必要だったはずです。
 (2-1)光は波動の特徴を持つというのは観察器具の不備や手順のミスによる誤りである。(観察事実(2)の否定)
 (2-2)光は波動と同じ特徴を持つが、波動そのものではない。(観察事実(2)は認めて光波動説の根拠は否定)
 (3-1)媒質が移動する波動もあり得る。光は粒子であり、媒質が移動する波動である。(粒子と波動の背反関係を否定)
 (3-2)媒質が移動しない粒子もあり得る。光は媒質が移動しない粒子であり、波動である。(粒子と波動の背反関係を否定)

勿論、単に「基準05に違反しないように」という理由だけでこれらを主張したならば、それはまた「根拠もなにもない妄想のたぐいを語っている」と扱われてしまうでしょう。これらを主張するには、別途これらを示唆する観察事実の根拠が必要です。
そして実際に行われたのは(2-2)で、光は粒子であるとしながら、波動の特徴も持つ事を説明しようとする仮説が提唱されたわけですが、しかしそれは、対立する光波動説派を納得させるだけの説得力を持たなかったのでしょう。

光波動説の方も同様です。
(2)「光は波動の特徴を持つ」だけでは「光波動説の根拠」としては不十分で、(1)か(3)を否定しなければ基準05に違反します。
実際に行われたのは、光は波動であるとしながら、粒子の特徴も持つ事を説明しようとする仮説が提唱され、しかしそれは、対立する光粒子説派を納得させるだけの説得力を持たなかったのでしょう。
だから論争になったのです。

整理すると、[A]の(1)(2)(3)は恐らくほとんどの人が全てを認めていて、その上で[B]と[C]の(1)(3)を肯定して(2)を否定する仮説(粒子説)と、(2)(3)を肯定して(1)を否定する仮説(波動説)との論争が続いたという事です。[B]と[C]において(1)(2)(3)の全てを同時に認めた人はいなかったという事です。


最後に、Kenさまの以下の発言は何をどう勘違いされているのか分かりかねますが・・・
 >18世紀の知識体系の中で(3)の背反関係を否定するのは、基準05に違反する疑似科学になるのではないか、と思っています。
勿論、粒子と波動が背反関係にある事を否定せずに否定したら基準05に違反するでしょうが・・・
つまり「粒子と波動は背反系にあり、かつ背反関係にない」という理論は明確に基準05に違反しますが・・・

上記の区別がきちんと付けられる事で、Kenさまがヘンな勘違いに気付いてくださればと思っております。
その辺りをdiamonds8888xさまからもう少しうまく説明して頂けるとよろしいかと・・・

627ゲジゲジ:2020/04/21(火) 21:58:13 ID:KJHm7qsI
もうひとつ、論理からの考察と、史実からの考察とも、ゴッチャになっているように感じます。
以下、使えるようであれば使ってください。

*******ココから**********************
そもそも、ここのところずっと議論してきた事は、以下の条件[A]が与えられた時、どの様な理論が「基準05」に反するのか? どの様な理論であれば「基準05」を満たすのか? それを検討する事で「基準05」を「検証」しようとしていたのではないでしょうか?

[条件A]
 (1)光は粒子の特徴を持つ → 観察事実
 (2)光は波動の特徴を持つ → 観察事実
 (3)粒子と波動は背反関係にある → 前提理論

無論、既に「答え」は出ていますよね。以下の理論[C]について・・・

[理論C]
 (1)光は粒子である
 (2)光は波動である
 (3)粒子と波動は背反関係にある

<基準05に違反しない理論>
 ① (2)を否定し、(1)と(3)を肯定する理論(粒子説)
 ② (1)を否定し、(2)と(3)を肯定する理論(波動説)
 ③ (3)を否定し、(1)と(2)を肯定する理論(理論X‐光は粒子であり且つ波である)

<基準05に違反する理論>
 ④ (2)を否定せずに(1)と(3)を肯定する理論(波動説を否定しない粒子説)
 ⑤ (1)を否定せずに(2)と(3)を肯定する理論(粒子説を否定しない波動説)
 ⑥ (3)を否定せずに(1)と(2)を肯定する理論(背反関係を否定しない理論X‐光は粒子であり且つ波である)

実のところ、④〜⑥は同じ事を、表現を変えて述べているだけですね。
いずれも(1)、(2)、(3)のどれも否定せず、全てを肯定する理論です。

史実では、①粒子説と、②波動説とが提唱され、両者の間で論争になったわけですが・・・

勿論、何の根拠もなく(1)粒子説を否定する事はできなかったし、何の根拠もなく(2)波動説を否定する事もできなかったはずです。何の根拠もなく(3)粒子と波動の背反関係を否定する事もできません。
それでは「基準05」以前に、根拠のない妄想になってしまいます。

実際に、①粒子説は根拠をもって波動説を否定しようとしたし、②波動説は根拠をもって粒子説を否定しようとしたはずです。しかしその根拠がどちらも弱く、相手方を納得させるには至らなかった、だから論争が続いたわけです。

ここからは思考実験です。
ではもし、(3)粒子と波との背反関係を否定する、③の理論が提唱されたらどうなったか?
否定する根拠が十分だと認められれば、③理論が受け入れられて論争に決着がついたでしょうし、否定する根拠が不十分であれば、①、②、③の三つ巴の論争になっていたかもしれません。

次に、ではもし、(1)も(2)も(3)も、どうしても否定できない、否定する根拠がまったく見つからなかったらどうなったか?
その時は結論が出せない、理論が提唱できない状態となります。
「光は科学では解明できない摩訶不思議な現象である」という状態が、(1)、(2)、(3)のいずれかを否定する根拠が見つかるまで、ずっと続くのです。場合によっては何十年でも何百年でも。


ですから、Kenさまの以下の発言は明確に間違いです。
>>625
>18世紀の知識体系の中で(3)の背反関係を否定するのは、基準05に違反する疑似科学になるのではないか
>だからこそ、(1)(2)とは異なり(3)の是非は論争にもならなかったのではありませんか?

基準05に違反するのは、上で述べた通り(1)、(2)、(3)のいずれも否定しない理論です。
(3)の背反関係を否定する理論は基準05に違反しません。
(3)の是非が論争にもならなかったのは、そもそもそういう理論が提唱されなかったからです。
なぜ提唱されなかったかといえば、誰も背反関係を否定する事を思い付かなかったか、思い付いても背反関係を否定する根拠を見つけられなかったか、そのいずれかでしょう。後者の可能性が高いと思いますが。

論理に基づいて考察している時に、史実からの考察を混在させるから、間違った結論になってしまうのだと思います。
「基準05」を「検証」する思考のプロセスとして間違っていると思います。

628ゲジゲジ:2020/04/21(火) 22:00:04 ID:KJHm7qsI
この投稿は、Kenさまにとっては全くの余談です。
ただヨコから見ていて非常に重要なポイントだと思いますし、ここをKenさまに理解して頂けるかどうかが、今後の議論の重要なカギになると思っています。

Kenさまは第1掲示板でID論を主張されるにあたって、以下の様に述べられました。

>逃げている・・・ 投稿者:Ken 投稿日:2017年12月22日(金)22時24分58秒
>ttps://6609.teacup.com/natrom/bbs/18004
>IDの論旨をまとめると、
>1.ダーウィン的な自然選択とIDでは結果として起こる進化が異なる
>2.現実に起こった進化を観察すると、自然選択よりもIDの特徴を示すものがある
>3.よってIDが実行されたと考える

>ゲジゲジ様 投稿者:Ken 投稿日:2018年 1月 2日(火)23時28分9秒
>ttps://6609.teacup.com/natrom/bbs/18169
>ですからID仮説を提唱する理由は、自然選択では説明できない進化があるという、それしか今はないのです。

>すこし疲れてきた・・・ 投稿者:Ken 投稿日:2017年12月23日(土)07時47分54秒
>ttps://6609.teacup.com/natrom/bbs/18011
>IDには万人の目に明らかな実例があるのですよ
>他ならぬ人間がそれをやってきたのです。1万年以上にわたる農耕と牧畜の歴史の中で


つまり
(1)自然選択では説明不可能で、人為選択(品種改良)であれば説明できるような進化の実例がある。(観察事実)
(2)人類という、人為選択(品種改良)を行った知的生物の実例がある。(事実)
を根拠として、
人類の有史以前に人類以外の知的生物が存在していて、一部の生物に人為選択(品種改良)を行った。
という理論を主張されたわけです。

実際に(1)で述べられているような進化の観察事実があるのかどうか、Kenさまは具体例を提示されていないので検証できていませんが、今この場では「ある」という事にしておきましょう。

さて、しかし現代の「常識」として、目的意識をもって生物に品種改良を加えるような知的生物であれば、同じように目的意識をもって道具や建築物をつくると思われます。実際に人類はそうしていますし。
しかし人類の有史以前に、人工物の痕跡は発見されていません。
つまりID論は、「人類の有史以前に人工物の痕跡が発見されていない」という事実と背反関係にあるわけです。

従ってID論を正当な科学理論として主張するためには、
(1)人類の有史以前の遺跡などを提示して「人類の有史以前に人工物の痕跡が発見されていない」という事実を否定する。
(2)生物に品種改良は加えるが、道具や建築物は作らない知的生物があり得る事を提示して、背反関係を否定する。
といった事が必要になるわけです。


・・・という事を、基準云々という表現はしないで述べた私の投稿がこちら。
>Ken様のID論が疑似科学である理由 投稿者:ゲジゲジ 投稿日:2018年 1月 2日(火)21時42分24秒
>ttps://6609.teacup.com/natrom/bbs/18168

そしてそれに対するKenさまからのお返事がこちら。
>ゲジゲジ様 投稿者:Ken 投稿日:2018年 1月 2日(火)23時28分9秒
>ttps://6609.teacup.com/natrom/bbs/18169
>申し訳ありませんが、diamonds8888xさんとの今の議論に結論を出すことを優先させていただけますでしょうか。

と、いうわけで、私としてはdiamonds8888xさまとの議論に結論が出るのを、ずーーーーーーーーーーっと待っているのですよね。
もう2年以上になるのか・・・

629diamonds8888x:2020/04/23(木) 05:15:27 ID:Qix9q/lA
>>625

>常識に反する、というだけではいろいろな解釈が可能ですが、ここでは、私が上で述べたような、論争の対象にすらならないこと。つまり本スレッドでいうところの疑似科学で、理論が正しいか、現実を反映するかとは、別次元の問題と考えてよそしいですか?

 別次元の問題という意味が不明なので直接の返答はできません。
 私の趣旨は「18世紀の人々にとっては(3)は深く染み付いた常識だったので、それを否定する理論は誰も思いつかなかった」という意味です。【20世紀の人間であKenさん】にとっては「最もストレート」なのかも知れませんが、【18世紀の知識体系の中では】ストレートどころか破天荒でムチャクチャな主張と感じられたのでしょうね。

>私は、18世紀の知識体系の中で(3)の背反関係を否定するのは、基準05に違反する疑似科学になるのではないか、と思っています。だからこそ、(1)(2)とは異なり(3)の是非は論争にもならなかったのではありませんか?

 ここで「18世紀の知識体系」とは具体的には何を指しますか? もしも(1)(2)(3)ともに「18世紀の知識体系」に含まれるとするならば、(3)の否定は「18世紀の知識体系」の否定なのですから、基準05に違反するに決まっています。

 (3)は「18世紀の知識体系」には含まれないとするならば、(3)を否定するだけの「理論X」は基準05に違反しません。そしてこの理論Xはその中に(1)(2)の理論を両方とも含んでいます。
 ==>ここで(1)(2)(3)について、事実・解釈・理論の違いについてはゲジゲジさん発言からの私の引用と解釈を参照してください。[>>630]

630diamonds8888x:2020/04/23(木) 05:16:04 ID:Qix9q/lA
>>625,>>626,>>627,>>628
ゲジゲジさん、ありがとうございます
 素晴らしい整理の仕方で、私も目からウロコです。

Kenさん、以下にゲジゲジさん発言から提示しますので御参考までに。先の[>>]の理解の参考にしてください。一部に私なりの訂正を入れてあります。

[>>626]-----提示引用----------
久しぶりにヨコから
〜だから論争になったのです。
--------引用終り----------
わかりやすく、また正確にするための訂正(by diamonds8888x)
 [C]において、「理論」==>「理論(の一部)」と訂正。


[>>626]-----提示引用----------
整理すると、[A]の(1)(2)(3)は恐らくほとんどの人が全てを認めていて、その上で[B]と[C]の(1)(3)を肯定して(2)を否定する仮説(粒子説)と、(2)(3)を肯定して(1)を否定する仮説(波動説)との論争が続いたという事です。[B]と[C]において(1)(2)(3)の全てを同時に認めた人はいなかったという事です。
--------引用終り----------
訂正(by diamonds8888x) [B]と[C]==>[C]
解説:[B]では(1)と(2)を同時に認めても(3)を肯定できます。「根拠がある」ことだけなら[A]を認める誰にとっても正しい解釈です。「根拠がある」ことと「である」ということとは違うという見識がゲジゲジさんの発言の肝であり、私もなるほどと納得するところです。

注意:この訂正は[B]の「根拠」という言葉に対する私とゲジゲジさんとの語感の違いに基づくので、必ずしも訂正しなくてもよいようです。
 =>「(観察事実(2)は認めて光波動説の根拠は否定)」と使っているので、ゲジゲジさんの「根拠がある」の語感は私より理論での断定に近い使い方ですね。確かに解釈というのは、観察事実と理論との境界領域ですからねえ。この考え方自体が目からウロコです。


[>>627]-----提示引用----------
*******ココから**********************

実のところ、④〜⑥は同じ事を、表現を変えて述べているだけですね。
いずれも(1)、(2)、(3)のどれも否定せず、全てを肯定する理論です。

だから論争が続いたわけです。
--------引用終り----------
 中間部は特に重要なので明記した。
 引用部分の次からの思考実験のところも私には特に異論はありませんが、Kenさんへの提示としてはややこしいので含めません。

631Ken:2020/04/23(木) 23:58:06 ID:AN9ePMUI
>もしも(1)(2)(3)ともに「18世紀の知識体系」に含まれるとするならば、(3)の否定は「18世紀の知識体系」の否定なのですから、基準05に違反するに決まっています。

まず、

〜(1)(2)(3)ともに「18世紀の知識体系」に含まれる

というのが私の認識です。その点では(3)だけでなく(1)や(2)を否定するのも「18世紀の知識体系」の否定になるでしょう。ですが(1)や(2)を否定するだけなら基準05違反にはならないはずです。それは単に、既存の知識体系に従わない理論を提唱した、ということでしょう。その理論は正しいかもしれないし、間違っているかもしれません。

(3)の否定のみは性質が異なります。粒子と波動の背反関係を否定すれば、それはすなわち「¬P∧P」状態があると主張することだから、基準05違反になるのではありませんか? 粒子説がPなら、波動説が¬Pになるのですから。

基準05の定義は「¬P∧P」の否定であって、その時点での知識体系を否定するだけなら基準05違反にはならないはずです。

もういちど歴史を思い出してみてください。(1)や(2)を否定した人は実在したのです。diamonds8888xさんが言われる「苦しい説明」をした人たちもそうではありませんか。ですが、(3)の背反関係を否定した人がいたという話を、私は読んだことがありません。

(1)(2)と(3)の間の差異はどこからくるのでしょうか? それが基準05ではないのですか?

言い換えれば、(3)は(1)や(2)との間に矛盾を生じるのではなく、(3)単独で、たとえ(1)(2)がなくても、基準05違反になるのではありませんか?


>私の趣旨は「18世紀の人々にとっては(3)は深く染み付いた常識だったので、それを否定する理論は誰も思いつかなかった」という意味です。

問題は、なぜそのような「常識」が深く染み付いたのか、です。18世紀の知識体系の中で粒子と波動の背反関係を否定すれば、それは「¬P∧P」状態になるからではないのですか?

632diamonds8888x:2020/04/24(金) 05:56:18 ID:Qix9q/lA
>>631,>>630
 [>>631]への直接の答えは後ほどとして、史実として注意したい点をひとつ。
  (ただ、[>>631]の内容はもういちど論理的に考えてみてね)

「(3)粒子と波動は背反関係にある → 前提理論」が常識だった理由としてKenさんは以下を挙げています。
*粒子説では質量が移動する :運動するとき、それ自体の質量が移動する
*波動説では質量は移動しない:進行するとき、質量は移動せず、力ないし運動量のみが移動する
 [>>604,>>603,>>593,>>600,>>593]


 しかし史実では光の質量も運動量も、その結果予想される放射圧というものも、1900年つまり20世紀までは実験的には確認されていませんでした。すなわち【18世紀の知識体系の中では】[A]の(3)、つまり「粒子と波動は背反関係にあるという前提」の観測的根拠には【質量移動に関する観測は含まれていません】。【18世紀の知識体系の中で】[A]の(3)、つまり「粒子と波動は背反関係にあるという前提」の根拠と人々が考えたものは別のなにかです。例えば以下の鬼塚史朗の論文に書かれているようなことです。
 (3)の根拠が質量移動に関するという考えは【20世紀の人間であるKenさん】が20世紀の知識体系から生み出した考えです。もちろん粒子説の提唱者は粒子だから質量も運動量もあるとは考えましたが、観測はできなかったので、光の粒子はとてつもなく軽いと考えたはずです。

  *) wikipedia「放射圧」
  物体の表面に電磁波が当たると入射面に圧力が働くという事実は1871年にジェームズ・クラーク・マクスウェルによって理論的に導かれ、1900年にピョートル・ニコラエヴィッチ・レベデフによって、また1901年にエルンスト・フォックス・ニコルスとゴードン・フェリー・ハルによって実験的に証明された。

  *) FN高校の物理:光の圧力[輻射圧]
 [ttp://fnorio.com/0118light_pressure0/light_pressure0.html]
  このような考え方で光の圧力が存在する理由を最初に与えたのはMaxwellです。別稿「エーテルと電気の歴史」第8章p311〜312参照
 [ttp://fnorio.com/0172foresight_Maxwell_equations/Whittaker_1910/Whittaker_1910_08.html#311]

  *) 鬼塚史朗 "光の粒子説と波動説(連載 科学誌)" 物理教育 43巻(1995) 4号
 [ttps://www.jstage.jst.go.jp/article/pesj/43/4/43_KJ00005896682/_pdf/-char/ja]
  粒子説VS波動説の詳しい歴史。歴史上で質量移動に関する議論はなされていない。

633Ken:2020/04/24(金) 20:26:14 ID:AN9ePMUI
・・・放射圧の話が質量移動と無関係なことは>>600で説明し>>603で了解をいただいたと思いましたが。

波動現象を説明するのによく用いられるのが、1列に並べた鋼球に別の鋼球を当てる実験です。実物もしくは動画を見られたことが必ずあるでしょう。

www.youtube.com/watch?v=8dgyPRA86K0

この動画の最初の例のように、列の端の球に別の球を当てると、反対側の球のみが飛び出し、中間の球はどれも動きません。この動かない中間の球が波動の媒質に相当し、波動が質量移動を起こさないとは、中間の球が動かないのと同じ意味です。

これを説明する理論は、17世紀のニュートン力学と、同じく17世紀のフックの法則から容易に導けます。つまり波動とは、慣性力(ニュートン力学)と弾性力(フックの法則)が交互に立ち上がりながら力を伝える現象で、18世紀になれば、プロの科学者でなくても、それこそ大学生でも知っていたでしょう。

>歴史上で質量移動に関する議論はなされていない

それは、粒子と波動がまったくの別物であることは議論の余地がなかったから、わざわざ質量移動の議論などしなかったので、もし、粒子と波動を区別する特徴を明示的に求められたら、

*粒子は質量が移動するが波動は移動しない
*粒子は離散的事象、波動は連続的事象
*粒子の速度は発生源の速度の影響を受けるが、波動は受けない

のような諸点を当時の人は挙げたことでしょう。とくに2番目の、粒子の離散性は、20世紀に光を粒子と再認識するカギになりました。18世紀の人には予測できなかったでしょうけど。


もし上の説明に納得がゆかないのなら、光が粒子でありかつ波動であるという理論Xを唱える人が現れなかった史実のみを考えてはどうでしょうか。理論Xさえ肯定すれば、粒子的特徴を波動として説明し、波動的特徴を粒子として説明するような、強引で苦しい理論を立てる必要などなかったに、なぜ、そうしなかったのでしょうか?

634diamonds8888x:2020/04/25(土) 05:54:55 ID:Qix9q/lA
>>633
 脊髄反射の返答ではなくて、もう少しじっくりと私の一連の発言を考えて、少しはスタンダードな考え方を理解する努力をお願いします。[>>622]で示した資料でわかる史実をちゃんと読んで理解しましたか? この光の粒子説と波動説の論争の史実についてブログに書きましたので御参考までに。
  [ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/db7eb6a1ea6ddddaf6e7319e92aed977]

さて、
>・・・放射圧の話が質量移動と無関係なことは>>600で説明し>>603で了解をいただいたと思いましたが。

 了解してますよ。私は「光の質量が観測されなかった」ことを述べています。光の粒子説からはその質量の存在が予測されますし、結果として運動量も放射圧も予測されます。しかし、質量存在の間接的な証拠である放射圧も観測されていません。すなわち、「(1)光は粒子の特徴を持つ → 観察事実」という観測事実の中には「光は質量が移動する」ということは含まれていないと指摘したのです。

 粒子にあって波にはない特徴として「質量が移動する」としてもよいことには同意しました。というより「質量が移動する」という言葉の意味は納得しました。でも、そのような特徴に関する議論は科学史には登場していません。

>もし、粒子と波動を区別する特徴を明示的に求められたら、〜のような諸点を当時の人は挙げたことでしょう。

 それはKenさんの想像であって事実かどうかは不明です。Kenさんの想像には無意識のうちに【20世紀の人間であるKenさん】の知識が紛れ込んでいる可能性があります。【18世紀の知識体系の中で】、そのように具体的特徴を列記するような明晰な思考ができたかどうかは、私には不明です。例えば波の具体的特徴を求められたとしたら、【18世紀の知識体系の中では】電磁波にはないが弾性波にはあるような特徴だけを挙げていた可能性だってあります。まあ史実では干渉性が重要な特徴とされ続けたのですが

>もし上の説明に納得がゆかないのなら、光が粒子でありかつ波動であるという理論Xを唱える人が現れなかった史実のみを考えてはどうでしょうか。理論Xさえ肯定すれば、粒子的特徴を波動として説明し、波動的特徴を粒子として説明するような、強引で苦しい理論を立てる必要などなかったに、なぜ、そうしなかったのでしょうか?

 その問題は歴史と人間心理の問題であって、我々がテーマとしている科学の問題でも論理の問題でもありません。ひとつの仮説としては「【18世紀の知識体系の中】から抜け出ることができなかったから」でしょうね。

635diamonds8888x:2020/04/25(土) 05:56:57 ID:Qix9q/lA
>>631,>>633
>(3)の否定のみは性質が異なります。

 なるほど、その勘違いはどこから来るのでしょうね? 何も違いなどありません。

>ですが(1)や(2)を否定するだけなら基準05違反にはならないはずです。

 「18世紀の知識体系」を前提とするのでしょう? 否定したら基準05違反でしょう?
 否定してもいいのなら「前提として」とはどういう意味なのですか? 論理としてムチャクチャです。

>(3)の否定のみは性質が異なります。粒子と波動の背反関係を否定すれば、それはすなわち「¬P∧P」状態があると主張することだから、〜

 性質は異なりません。粒子と波動の背反関係を否定することは「¬P∧P」状態があると主張することにはなりません。以下の3つの並立は矛盾しておらず基準05違反ではありません。
 (1)光は粒子である → 理論
 (2)光は波動である → 理論
 (3)光は粒子であり、かつ波である → 理論

 「波ではない∧波である」と「粒子である∧波である」とは違います。これ何度も言ってますよ。

>問題は、なぜそのような「常識」が深く染み付いたのか、です。

 その問題は歴史と人間心理の問題であって、我々がテーマとしている科学の問題でも論理の問題でもありません。

636Ken:2020/04/25(土) 18:03:07 ID:AN9ePMUI
>「質量が移動する」という言葉の意味は納得しました。でも、そのような特徴に関する議論は科学史には登場していません。

どうしてもこの点が納得がゆきませんか?

ですが、音や光とは異なり、波の動きを直接目撃できる波動は、いくらでもあります。たとえば、長いばねの1端を揺すると波が伝わる現象もそうです。

www.youtube.com/watch?v=ubRlaCCQfDk

見ての通り、ばね(媒質)の各部分は前後に振動するだけで、場所を移動することはありません。こんなことは力学が登場する前から目撃されていたと思いますよ。

さらに、17世紀のニュートンやフックやホイヘンス以降は、波動の数理的解析も行なわれていました。上の動画のように、媒質の1部分が振動し、その振動が隣接部分を押したり引いたりして波が伝わるわけですが、単振動は線形2階微分方程式で現されます。

d²x/dt² = -ω²x (xは変位、tは時間、ωは角振動数つまり単位時間に何回往復するか)

この方程式の解は、周知のように三角関数になります。

x = A cos ωt (Aは初期状態で決まる振幅)

このような関数の形はご存知でしょう。変位xはAと-Aの間を往復し、それより外側に行くことはありません。波の媒質が同じ場所で振動するだけで移動しないことは明らかです。そして18世紀にもなると、こんなことはすべて分かっていました。

そういう知見を持っていた人が、波では質量移動が起こらないことを知らないなんてことがあるでしょうか? よしんば言葉で表現しなくても(それもありえないと私は思いますが)数式が語っているではありませんか。

637diamonds8888x:2020/05/08(金) 05:35:41 ID:Qix9q/lA
>>636
 ここにアクセスする頻度はどうしても少なく成りがちで申し訳ないのですが、ささやかなお願い[>>594](英文に関しては[>>592])を実行していただくのは難しいでしょうか? 再考をお願いします。

 難しい理由を挙げていただければ、技術的問題なら私もアイディアくらいは提供できるかも知れません。


>>「質量が移動する」という言葉の意味は納得しました。でも、そのような特徴に関する議論は科学史には登場していません。

> どうしてもこの点が納得がゆきませんか?

 私の文の意味の捉え方がずれています。「科学史には登場していません」という文への返答になっていませんよね?
 私が「そのような特徴を科学者たちは知りませんでした。」と書いていたなら、[>>636]は返答になっていますけれど。

 光の正体に関する波動論vs粒子論の論争の科学史には、「質量が移動するかしないか」ということを焦点とした議論は、私の知る限り登場していません。


 さらに私自身、波動論vs粒子論の論争の科学史には今回調べて新しく知った事実もあり、それは[>>632]等でお知らせしました。それらを読めばKenさんが知らなかったこともあるはずです。それらの新しい知見を取り入れた上での[>>636]なのでしょうか?

 [>>636]発言以降、私の本発言までの2週間の間に、これら科学史上の事実については検討されたのでしょうか? 御自分の知見に古いものがあることは当たり前なのですから、知見の更新の努力はお願いします。

>そして18世紀にもなると、こんなことはすべて分かっていました。

 例えばこのことにしても、本当に史実を確認してますか? 私も知りませんから間違いだとは言いませんけど、きちんと信頼できる根拠の元に史実を確認してますか? 確認していたなら幸いですから、参考までに出典など御教示ください。

638Ken:2020/05/09(土) 13:03:43 ID:pdHU4EJo
>私が「そのような特徴を科学者たちは知りませんでした。」と書いていたなら、[>>636]は返答になっていますけれど。

質量が移動しないと知られていたことは同意いただけるのでしょうか? 肝心なのはそこです。知ってはいたが論争にはならなかったのなら、それは論争の余地もなく明らかだったからでしょう。ちょうど今の私たちが、天動説と地動説のどちらが正しいかを論争しないように。

要するに粒子と波動は、その動作が直接観察され、何よりも数式で表現されていたのです。波動の基礎となる単振動は先に書いたように「x = A cos ωt」の形をとりますが、粒子の移動は等速運動なら「x = vt」、等加速度運動なら「x = at²/2」と全く異なる形で、同じものが両方の形をとるのは不可能です。

当時の人は粒子も波動も数学的に捉えており、「質量移動の有無」「離散性と連続性」「発生源速度の影響」などは、数式が表現することを日常的な言葉で置き換えたにすぎません。

>>そして18世紀にもなると、こんなことはすべて分かっていました。
>参考までに出典など御教示ください。

単振動の方程式がいつ登場したかは手元に資料がありませんが、それでも推測はできます。

まず、その基礎となるニュートンの運動法則、フックの法則、そして微積分学はすべて17世紀に登場しています。さらに単振動方程式(d²x/dt² = -ω²x)の発展形というべき波動方程式(∂²u/∂t² = c∂²u/∂x²)を解明したのはダランベールに代表される18世紀の科学者たちです。単振動方程式が媒質の1部分を表現し、波動方程式は全体を統一的に表すという違いがありますが、質量移動が起こらないことを示すには単振動方程式で十分でしょう。

要するに、基礎となる知見が17世紀に出揃っており、かつその発展形が18世紀に登場したのだから、必然的に単振動方程式も遅くとも18世紀には知られていたはずです。ちなみに単振動の法則を利用した近代的な時計は17世紀に登場しています。(理論を知らず、経験だけで作った可能性もあるのでしょうが)

>[>>594](英文に関しては[>>592])を実行していただくのは難しいでしょうか? 再考をお願いします。

まず>>592より後では解説なしで英文を読むことを求めていないと思いますが、そういうことがありましたか?

>>594では>>571で問いかけがあると言われていますが、それはこの部分でしょうか?

>「この矛がこの盾を貫く、かつ貫かない」という現象が起きる可能性があるのですね。どんな現象ですか、それは?! 言葉遊びじゃあるまいし。

私が言いたかったのは、私たちはすべての科学理論を明らかにしたわけではないし、そもそもそんなことは不可能なのだから、どんな現象も絶対に起こらないという証明などできないということでした。

シュレーディンガーの猫を持ち出さないとしても、何度も話題に挙げた2重スリット実験を思い出してください。AとBの2つの穴があり、同じ電子がAを通りかつBを通ったと言ったら、古典力学しか知らない人には、まさしく言葉遊び、マザーグースのたぐいに思えたに違いありません。でもそれは実現することが分かりました。

639diamonds8888x:2020/05/13(水) 05:51:58 ID:Qix9q/lA
>>638
 詳しいレスの時間も不足なので、希望を込めて簡単に。

>まず>>592より後では解説なしで英文を読むことを求めていないと思いますが、そういうことがありましたか?

 英文の方はOKです。感謝します。一応カッコに入れたことで推測できるかも知れないし、できないかも知れませんが、英文はややおまけ気味で、主要点はもうひとつの方です。「アクセスする頻度はどうしても少なく成りがちで」てのが、お願いの理由のひとつになってることは、御理解いただけると希望します。

 またしばらくはレスが延びるでしょうから、御自分のコメントに訂正なり追加なりすべき点がないか推敲を期待します。私の文の意図の読み違いとかね。気づかれることに希望を込めて。ではまた。

640Ken:2020/05/15(金) 00:28:33 ID:pdHU4EJo
>私の文の意図の読み違いとかね。気づかれることに希望を込めて。

読み違いがあるかは分かりませんが、私がdiamonds8888xさんの投稿をどう読み、どこに論点を見ているかを整理しておきます。

まず、質量移動が粒子と波動を分けるという議論が18世紀に見られない点について。diamonds8888xさんは、ここから質量移動に関する知見が無かったと結論されていると思います。私の考えは、議論がないのは知見がないためではなく、その逆、その知見が誰の目にも明白だったというものです。そう考える根拠は、この時代に登場し、今の教科書にも載っている数式が、粒子と波動の違いを明白に語っており、質量移動の有無もその数式が示すので、議論にも及ばないからです。

次に、当時の科学者が、光が粒子であり波動でもあるという結論を回避するため苦心をした理由について、diamonds8888xさんは、そういう「心理」が働いたからと言われます。「心理」が何を意味するのか今ひとつ曖昧ですが、おそらくは「思い込み」「感情」「信仰」のような、論理ではないなにものかでしょう。ですが私は、そこにあったのは明白な数式とその背景をなす力学的考察だったと考えます。

そして、そのことから私は、18世紀当時に「光は粒子であり、かつ波動である」という理論を立てれば、それは基準05違反になったはずと考えますが、この点を何度お尋ねしても、そうだという回答をいただけていません。

641ミケ:2020/05/30(土) 13:45:42 ID:liYNNt7Y
以下は感想ですが、
Kenさんがどこで読み違えているかの一例に触れています。
diamonds8888xさんが戻られるまでの間、
これまでの内容をもう一度検討してはいかがでしょうか。

>それはKenさんの想像であって事実かどうかは不明です。
(>>634)

あるいは
>私が「そのような特徴を科学者たちは知りませんでした。」と書いていたなら、[>>636]は返答になっていますけれど。
(>>637)

とあるように

>diamonds8888xさんは、ここから質量移動に関する知見が無かったと結論されていると思います。

という部分が読み違いですね。

今回は討論ではなくて
(Kenさんのための)対話・説明の場なので
Kenさんの読解力がどうであろうともKenさんに分かるように説明するのが
diamonds8888xさんのいわば責任ではありますが…
読み違いがある・誤解があるといわれている部分について
Kenさんのほうでも一度
「どう読み違えていると言われたのだろうか」
と再検討しないといつまで経ってもdiamonds8888xさんの言わんとすることは伝わりませんし
いつまでたってもKenさんが科学の要件を理解する日は来ないでしょう。

642diamonds8888x:2020/06/07(日) 07:27:38 ID:Qix9q/lA
>>640
 まずミケさんの発言[>>641]は全文参照してください。

>まず、質量移動が粒子と波動を分けるという議論が18世紀に見られない点について。diamonds8888xさんは、ここから質量移動に関する知見が無かったと結論されていると思います。

 無かったとは言っていません。あったとも認めていません。どちらかと結論する証拠がない、と言っています。
 Kenさんは「あったはずだ」と結論していますが、

>私の考えは、議論がないのは知見がないためではなく、その逆、その知見が誰の目にも明白だったというものです。そう考える根拠は、この時代に登場し、今の教科書にも載っている数式が、粒子と波動の違いを明白に語っており、質量移動の有無もその数式が示すので、議論にも及ばないからです。

【以下、現時点で緊急に重要だと思う】
 この推論の前提には、人のいや全能の神ならぬ知的生命体の思考についての考え違いがあります。たぶん数学基礎論に匹敵するくらいに基礎的すぎて、納得するのが難しいとは思いますが、少し手間をかけて説明を試みます。ただ、Kenさんも考えてみてください。少しは御自分の思考の枠をちょっと離れた考え方を試してみてください。この面倒くさい説明はまた時間がかかりそうなので、今はヒントだけ。


 全能の神ならば、群論の公理(たかだか3つくらい)を一瞥しただけでモンスターの存在も一目瞭然に違いない。けれど人はそうではない。
 ドーキンスの利己的遺伝子理論は、事実としては新しいことは何も言っていない。けれど、それは生物というものの見方を大きく変えた。
 アインシュタインの特殊相対性理論はローレンツの短縮理論と比べて、数式的にはほとんど違わない。けれど、基本となる見方が異なるために前者のほうが物理学を大きく変更することになった。

【追伸】
 御自分の思考の枠をちょっと離れた考え方を試してみてくだされば、2週間のうちにあと1-2回くらいはKenさん自身での検討過程を投稿できるのではないかと思うのです。
 実は「数学基礎論に匹敵するくらいに」とか大げさなものではないかも知れませんが、こう言えば少しは真剣に検討していただけるかな、と希望を持って。そんな難しいことわかるわけ無いとか諦められたら逆効果なんですけど、よくわからん。

643Ken:2020/06/07(日) 20:17:19 ID:7/Gvc6ok
>>642

ここで主張されているのは、当時(18世紀)の人は数式を知っていても、その数式が意味するところを、たとえば質量が移動するかといったような、具体的なイメージで捉えることができなかった、ということでしょうか?

>ミケさんの発言[>>641]は全文参照してください。

[641]は、そのままdiamonds8888xさんのお考えとして、つまり投稿者名に「diamonds8888x」と入っているのと同じ、と考えてよいわけですね?

644diamonds8888x:2020/06/28(日) 10:59:09 ID:Qix9q/lA
>>643 2つの問には、どちらもYesです。

 「たとえば質量が移動するかといったような、具体的なイメージで捉えることができなかった」との状況のイメージが私とKenさんとでは多少は違う可能性はありますが、完全に食い違うとことも、まあないかも。


【再掲】[>>642]
>御自分の思考の枠をちょっと離れた考え方を試してみてくだされば、2週間のうちにあと1-2回くらいはKenさん自身での検討過程を投稿できるのではないかと思うのです。

[>>639][>>594]
>英文はややおまけ気味で、主要点はもうひとつの方です。「アクセスする頻度はどうしても少なく成りがちで」てのが、お願いの理由のひとつになってることは、御理解いただけると希望します。

> またしばらくはレスが延びるでしょうから、御自分のコメントに訂正なり追加なりすべき点がないか推敲を期待します。私の文の意図の読み違いとかね。気づかれることに希望を込めて。ではまた。

-----
と、再掲だけで言いたいことは当然伝わると思ったのですが、どうやら元々のお願いの文章をいささかずれて理解されていたことがわかりました。まさしく私の意図を誤読された典型例だったらしいです。食い違いのひとつの傾向はわかったような気がしますので、理解していただけたなら対策をお願いしたいと思います。傾向と対策ですね。

 元々のお願いとは[>>594]
> 薄々お気づきかもしれませんが、〜なるべくならすべてのテーマに並行ないし関連させての回答をお願いします。
>  さもないと未検討のことが残ったまま在所不明になったりします。例えば[>>571]でいくつかの問いかけがありますが、〜。

 では、詳しくは別発言にて[>>645]

645diamonds8888x:2020/06/28(日) 10:59:58 ID:Qix9q/lA
>>644 の続き

 書き手の文章[>>594]
> 薄々お気づきかもしれませんが、〜なるべくならすべてのテーマに並行ないし関連させての回答をお願いします。
>  さもないと未検討のことが残ったまま在所不明になったりします。例えば[>>571]でいくつかの問いかけがありますが、〜。

 読み手のレス[>>638]
>>594では>>571で問いかけがあると言われていますが、それはこの部分でしょうか?

> >「この矛がこの盾を貫く、かつ貫かない」という現象が起きる可能性があるのですね。どんな現象ですか、それは?! 言葉遊びじゃあるまいし。

 [>>594]には2つの問いがありますが、主要点は最初の問いのつもりで書いています。第2の問いはその具体例のひとつに過ぎません。書き手としては【例えば】という言葉で、第2の問いは例に過ぎないことは示したつもりでいて、まずは最初の問い、というかお願いを聞き届けてくれるのか否かに答えが欲しいと思って書いています。
 ところが読み手は、書き手が例示のひとつに過ぎないと思っている第2の問いにまず答えています。意図が完全に食い違いました。


 さて、ここからは、特に読み手の状況については私の想像を交えたコメントになります。なぜ、このような読み違いが起きたのかという傾向と対策です。

 想像ですが、Kenさんには広い全体よりも具体的で局所的な部分に注目しやすいという傾向があるのではないでしょうか。それは美点にも有利な点にもなりえますが、全体の方を見落とすと読み抜けが起こる危険性がありそうです。
 ということで読み手としての対策は、文章のすべての意図をくんだのかどうかを見直してみるというのはどうでしょうか? 御一考をお願いします。

 書き手の対策としては、以下がありそうです。
  ・ひとつのコメントではひとつの意図のみに絞る
  ・複数の意図のどれが主要なのか明示する
  ・その他
 
 でも今回の[>>594]では、どう書けば誤読を避けられたのでしょうか?
 Kenさんにアイディアがあれば教えてください。こう書けば誤読しなかったよ、という表現があれば。


 ついでに例示の方は、そのうちに・・。

646diamonds8888x:2020/06/28(日) 16:31:34 ID:Qix9q/lA
>>645
 ついでに例示の方ですが、[>>570, >>571, >>594. >>638]と続いたテーマです。
>私が言いたかったのは、私たちはすべての科学理論を明らかにしたわけではないし、そもそもそんなことは不可能なのだから、どんな現象も絶対に起こらないという証明などできないということでした。

>シュレーディンガーの猫を持ち出さないとしても、何度も話題に挙げた2重スリット実験を思い出してください。AとBの2つの穴があり、同じ電子がAを通りかつBを通ったと言ったら、古典力学しか知らない人には、まさしく言葉遊び、マザーグースのたぐいに思えたに違いありません。でもそれは実現することが分かりました。

 猫でも2重スリットでも本質は同じで、量子力学における「波と粒子の2重性」や「混合状態」をどう理解するかというテーマです。正確には、2重スリットは「波と粒子の2重性」の問題であり、シュレーディンガーの猫は「混合状態」の問題です。

 ちゃんとした本の文章を注意深く読めばわかりますが、「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」ということはよく知られていますが、「同時に波と粒子の性質が観測される」などという現象は知られていません。具体的に言えば、
  ・同時に、確定した場所と時間で点として観測され、かつ干渉する。
   a)観測は個々の粒子として。干渉はその結果の集合での統計結果として。
   b)観測は波としてで、干渉も観測される。粒子の性質は観測されない。
    (光電効果で電子が放出される瞬間には波としての性質は観測されない) 

 「この矛がこの盾を貫く、かつ貫かない」という現象が同時に起きたりはしないのです。
 「あるときは貫かれるし、あるときは貫かれない、その確率はこれこれである」ということならば観測されるでしょうし、普通は実験すればそうなるよね。マクロな現象なら矛や盾のロットの違いとか経時劣化の具合とかで結果が違ったなどと理由付けできるところですが、量子の矛だったら「どの矛も全く同じものであり区別できない」というのが現在の量子力学のセントラルドグマのひとつですから、「その確率はこれこれである」ということだけが観測結果としてわかるというわけです。


 「混合状態」の話はちと複雑です。実際に観測される混合状態と、観測されえない混合状態とがあるからです。「猫が同時に死んでおりかつ生きている」という混合状態は後者の観測されえない例のひとつです。これはシュレーディンガーの思考実験に従えば、「α粒子が原子核内に存在する状態と、原子核外に存在する状態との混合状態」が果たして存在するのかどうかという問題になります。

 量子力学では、【観測されない間は】混合状態として存在している。つまり方程式を解いて波動関数を求めると、原子核内に存在する確率と原子核外に存在する確率とがどちらもゼロではない解が得られます。そして観測としては、【原子核外でα粒子を観測した瞬間に】、原子核内の存在確率はゼロになると考えられます。
 要点は、「原子核内に存在する確率と原子核外に存在する確率とがどちらもゼロではない状態」というものは【観測されない】のです。

 一方、【例えば】水素原子の原子軌道が混合して分子軌道を作る、といったことがあります。この例では水素分子では本当に混合軌道が観測されます。正確に言えば、電子状態が2つの混合軌道の間で変化する際に発生したり吸収したりする光が観測されます。その波長の観測から2つの混合軌道のエネルギー差が観測されることになります。この場合は水素原子の解である軌道は水素分子では観測されません。それは電子の置かれた環境(物理的には電子が受けるポテンシャル)が、単独の原子核と分子とでは異なるのだから当然なのですが。

 要するにシュレーディンガーの思考実験に該当するのは前者の観測されえない混合状態の場合です。

647Ken:2020/06/30(火) 23:44:08 ID:7/Gvc6ok
一般論としては

〜抽象的な数式を知っていても、それが具体世界で何を意味するかをイメージできるとは限らない

ということはあるでしょう。例えばパラボラ曲線(2次関数)は紀元前から知られていましたが、それが放り上げた物体の軌跡と認識されたのは近代物理学以後です。(ですからパラボラを「放物線」と訳すのは歴史認識を混乱させるので、いただけません。)

ですが問題は、18世紀の状況がそれに該当するかです。

>>642
>>質量移動に関する知見が無かったと結論されていると思います。
>無かったとは言っていません。あったとも認めていません。どちらかと結論する証拠がない、と言っています。

「どちらかと結論する証拠がない」というのをもう少し詳しく説明できませんか? 知見が無かったのはほぼ確実だがそうではない可能性も残るという意味なのか。知見があった可能性もなかった可能性も、それなりに納得できるのか。知見があったように思えるが100%の確度はないという意味なのか。

今の目的は基準05を検証することです。粒子と波動の背反関係が想定される条件下では、光が粒子でかつ波動と主張するのは基準05違反なのかを考察するわけですから、背反関係が知られていた可能性があるのなら、その条件で思考実験を行なってもよいのではないでしょうか?

私自身は、先に述べたように、知見(具体イメージ)はあったはずと考えます。理由は簡単です。当時の人は具体問題の解決に数式を利用していたからです。

粒子運動の数式が成功した顕著な例は天文学でしょう。天体位置の予測精度が格段に向上したのがこの時代です。天体位置以外にも、砲弾の軌跡を正確に予測する工学利用も始まりました。一方、振動理論が利用された顕著な例は時計でしょう。振り子の周期が一定だとガリレオが気付いたのは16世紀末ですが、17世紀のホイヘンスは振り子の固有振動数が「√(重力加速度/振り子の長さ)」になることを理論的に解明し、時計の製作が一気に合理化しました。18世紀に波動方程式が知られると、波の伝播速度も算出できるようになりました。

このように、当時の人は数式を知ってるだけでなく、具体事象に応用していたのだから、具体イメージがなかったはずがありません。むしろ実態は、ガリレオが発見した振り子の特徴をホイヘンスが数理化したように、ブラーエたちが蓄積した天文データをケプラーやニュートンが数理化したように、具体イメージが先にあって数式は後から加わったとみるべきでしょう。

もう一つ、私が言い続けていることですが、光の正体論争で「粒子であり波動でもある」という理論が決して受け入れられなかったことも重要です。diamonds8888xさんはその理由は「心理」的なものと言われます。

これまた一般論としては、なにかを心理的に、なんとなく信じてしまうことも人間にはあるでしょう。例えば石と羽毛の落下を見て「重い物体の方が早く落ちる」と信じたり、腐肉に蛆がわくのを見て「生物は無生物から生じる」と信じた例があります。まさしく、なんとなく信じただけで、体系的な実証実験も、なぜそうなるかの説明もありませんでした。だからガリレオやパスツールの実験結果が現れると、それまでの考えは誤りだと納得されたのです。

しかし、粒子と波動の関係は事情が異なります。光の粒子的現象と波動的現象の双方が観測されても、背反関係は否定されませんでした。むしろ、粒子説論者は光の屈折や交差のような波動説の根拠を否定するのに懸命になったし、波動説論者はその反対をやったわけで、あくまでも従来の考えに固執しました。これは彼らの根拠が「心理」などという曖昧なものではなく、当時の知識体系に裏打ちされた堅牢なものだったからでしょう。上で述べたように、粒子を扱う物理理論も波動を扱う物理理論も、多くの事象を説明し、事実を正確に予測し、工学応用までされていました。それなのに「粒子でもあり波動でもある」存在などを認めたら、それほど成功している知識体系を御破算にせねばなりません。

つまり、「粒子でもあり波動でもある」という理論は基準05違反になったはずと私は考えるわけです。

PS:最も重要な件から書きました。これ以外の件にも回答しますので、お待ちください。

648diamonds8888x:2020/07/02(木) 05:35:15 ID:Qix9q/lA
[>>640]で残した宿題の説明です。
>【以下、現時点で緊急に重要だと思う】
> この推論の前提には、人のいや全能の神ならぬ知的生命体の思考についての考え違いがあります。
  (以下略)


 [>>643]のKenさんの理解は、たぶん合っていると思います。([>>644]も参照)。
> ここで主張されているのは、当時(18世紀)の人は数式を知っていても、その数式が意味するところを、たとえば質量が移動するかといったような、具体的なイメージで捉えることができなかった、ということでしょうか?


 以下、私の言葉での説明です。

1. まず以前に[>>612]で紹介した節操のない者さんのサイトでは、波と粒子との違いについて「空間的な広がり」の観点からの区別を示しています。

 [ttp://taste.sakura.ne.jp/static/farm/science/wave_particle_duality.html]
  粒子  空間の1点に局在している
  波   空間に拡がっている
 [ttp://taste.sakura.ne.jp/static/farm/science/wave_particle_duality_terrible.html]
  狭義の粒子性 1点に存在する性質
  広義の粒子性 狭義の粒子性+量子性

 この見方について、Kenさんは以前から気づいていましたか? 気づくというのは、言葉で明確に示せる概念としてはっきりと意識できているという意味です。少なくとも私は、言われて初めてそう言えばそうか、と気づいた状態でした。それはKenさんが示した「質量が移動するか否か」という観点からの区別にしても同じことで、Kenさんに指摘されて初めて、そう言えばそうかと気づいたのです。この点はKenさんと議論していたおかげで知見が深められたのであり、大いに感謝しています。
 17-19世紀のトップ科学者たちであれば私よりボンクラなはずはありませんけれど、上記2つの観点からの区別について明確に示された史料というものがなければ、少なくとも学界で公に上記のような区別が意識されていたということは断定できはしません。

 いくら数式で予測が正確にできたとしても、その「物理的な意味」は様々な見方からの様々な意味(解釈かな?)が有りえますから、ある解釈(意味)がはっきりと意識できていたかどうかは、断定できないことだと思います。

2. 数学は公理から定理を導くものです。その証明の道筋は、ひとたびわかれば誰でも辿れる明らかなものとなります。簡単な定理ならば、普通の人でも見た瞬間に明らかに見えるものもありそうです。これがもし全能の神ならば、公理を見た瞬間にあらゆる定理は自明のことに見えるでしょう。同様に全能の神ならば、数式を見た瞬間に、その物理的意味のすべてが明らかに見えてしまうのでしょう。
 けれど人間はそうではありません。

3. ドーキンスの利己的遺伝子理論は事実としては新しいことは何も言っていない、という批判だか事実の指摘だかは時々なされています。確かに彼が示した生物学上の成果の数々は別の研究者によるものが大半です。彼はただ、それらの中に「自然選択される主体は、個体ではなくて遺伝子である」という見方(意味、解釈)を持ち込んだだけです。

 しかし、この見方にはそれまで誰も気付けなかったのです。気付いたとしても、ひとつの筋道の通った体系として示すことはできなかったのです。

4. アインシュタインの特殊相対性理論の場合、数式的にはローレンツの式と同じ結論を得ます。多分。しかしローレンツの段階ではまだエーテルという絶対静止系を仮定していました。しかしアインシュタインは絶対静止系など必要ないことを示しました。つまり特殊相対性理論が革命的だったのは数式そのものではなくて、その見方だったのです。


 以上、数式がわかっていたとしても、かならずしも物理的意味のすべてが明らかなわけではない、という実例です。

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 なお、光の粒子説と波動説の科学史について、ホイヘンスとニュートンの直後からの歴史を少し調べてブログに書きましたが、ご覧いただけたでしょうか?
 (2020/04/25)[tps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/db7eb6a1ea6ddddaf6e7319e92aed977]

 ニュートニアンと呼ばれている人たちは、ボンクラではないでしょうが権威主義的ではあったようですね。ニュートンも不肖の弟子たちを持って天国で嘆いていたことでしょう。

649diamonds8888x:2020/07/02(木) 05:36:49 ID:Qix9q/lA
>>647
>粒子と波動の背反関係が想定される条件下では、光が粒子でかつ波動と主張するのは基準05違反なのかを考察するわけですから、背反関係が知られていた可能性があるのなら、その条件で思考実験を行なってもよいのではないでしょうか?

 まず「光が粒子でかつ波動」の意味をはっきりさせてください。[>>646]参照。
   1)「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」
   2)「同時に波と粒子の性質が観測される」

650Ken:2020/07/03(金) 00:02:19 ID:7/Gvc6ok
投稿順序にしたがい、まずは>>645>>646に回答します。

>Kenさんには広い全体よりも具体的で局所的な部分に注目しやすいという傾向があるのではないでしょうか。

そのように思われるのかもしれません。基本的な考え方を同じくする者どうしなら、話をいくら広げても問題はないのでしょうが、私たちはそうではないと思われますので、抽象論を極力排し、具体論に沿って、1つずつ進めてゆくしかないと思います。現時点の目的は、

〜diamonds8888xさんから提示された基準05を検証する

ことにあり、検証する主体は私(Ken)ですから、具体的な検証方法を提示するのは私の責任です。そして具体的な方法として、

〜量子力学登場以前に、粒子と波動の背反関係を否定するのは、基準05違反になるのか

という問題提議を行ないました。今はこの問題に集中してはどうでしょうか?

ただし、diamonds8888xさんから問いかけがあったことには、回答してきたつもりです。

〜この矛がこの盾を貫く、かつ貫かない

という話にまで問題を拡大するのは、上記の基本方針からずれると私には思えるのですが、問われたからには答えるように努めています。

「例示」の方ですが、

>a)観測は個々の粒子として。干渉はその結果の集合での統計結果として。

観測されるのは結果の集合でも、同じ電子が両方の穴を通過しないことには、規則的な干渉縞が現れるはずがありません。ファインマンは最初にそのことを、干渉縞が現れない銃弾の例で説明しています。

両方の穴の通過を可能にするのが「波と粒子の2重性」で、それをもたらしたのが量子力学という新しい知見ですが、私が常に考えるのは、どんな問題でも、それを解決する新しい知見が登場するまでのあいだ、どうするのか、です。18世紀の条件下での光の正体論争を考察するのもそうですし、以前の投稿(>>344)で、マイケルソンたちの実験から量子論の登場までの18年を問題にしたのもそうです。>>638でも「古典力学しか知らない人には」と書きました。

古典力学においては、電子は粒子以外の何物でもありません。観測される電荷が必ず、ある特定の値(電気素量)の整数倍になり、端数というものがないのだから、電子とは離散的な存在つまり粒子なのです。ところが2重スリット実験では干渉縞が現れる。古典力学しか知らない人なら、矛盾を認めるしかないではありませんか。

あるいは、その時は矛盾に思えても、いつの日か矛盾を解決する知見が登場すると信じるのでしょうか? でも、そんな信仰を拠り所にするなら、逆に基準05にひっかかる理論はなくなるでしょう。「この矛がこの盾を貫く、かつ貫かない」にしても、今の私たちの知識体系の中では起こりえない、ということではありませんか。

それなら基準05は決して適用されず、存在理由もなくなるのではありませんか?

以上は、質問があったことへの回答です。繰り返しますが、今はここまで話を広げず、18世紀の状況に集中してはどうでしょうか。>>648>>649ではその問題に戻っていると思われますので、次にこちらへの回答を投稿させていただきます。

651Ken:2020/07/03(金) 22:45:15 ID:7/Gvc6ok
>粒子  空間の1点に局在している
>波   空間に拡がっている
>狭義の粒子性 1点に存在する性質
>広義の粒子性 狭義の粒子性+量子性
>上記2つの観点からの区別について明確に示された史料というものがなければ、少なくとも学界で公に上記のような区別が意識されていたということは断定できはしません。

まず基本的な点として、18世紀の議論に量子力学を持ち込まないでいただけませんでしょうか? 私が舞台を18世紀に設定した理由は、当時の知識体系の中で「基準」を適用したら、どういう結論にいたるかを考えるためです。当時の知識体系ということは、量子論も相対論もマクスウェル理論すらも知られていないことを意味します。

その18世紀に粒子と波動の違いが知られていたかですが、先の投稿(>>647)で述べたように、理論の具体応用を考えれば、知られていたに決まっています。私は、粒子理論が大砲の製作に、振動理論は時計の製作に応用されたと例を挙げましたが、質量移動に関する認識はそこにあるではありませんか。

大砲の砲弾は敵に向かって飛ぶものです。時計の振り子は同じ場所で往復運動をするものです。砲弾が同じ場所にとどまったり、振り子が空を飛んでいったら、製作者が意図した機能を実現することができません。技術者は、そんなことを言葉に出して語るまでもなく、自明すぎることとして大砲や時計を作っていました。それを厳密な理論で説明せよと求められたら、数式を示せばよかったのです。

もうひとつ、何度も繰り返していますが、当時の科学者が「光は粒子であり、かつ波動である」という結論を、あらゆる努力を傾けて回避した原因が「心理」だったとは、当時の人を過小評価しすぎです。光の粒子的特徴と波動的特徴を見せられながら、根拠もなく、ただ心理的に受容できなかったというのでは、正真正銘の疑似科学者ではありませんか。宗教的心情から進化論を排除するのとどこが違うのでしょうか?


>まず「光が粒子でかつ波動」の意味をはっきりさせてください。

背反関係を想定する必要がない、という意味です。

光は粒子と主張する人は、光の直進や真空伝播のような粒子的特徴だけ挙げればよく、波動説を対立概念として否定する必要がない
光は波動と主張する人は、光の屈折や交差のような波動的特徴だけ挙げればよく、粒子説を対立概念として否定する必要がない

これなら「光が粒子でかつ波動」と主張できることでしょう。

652Ken:2020/07/04(土) 00:35:15 ID:7/Gvc6ok
当時の人が数式は知っていても具体事象をイメージできなかった、という考えをどうしても捨てられないなら、その数式がどうやって導かれたかを考えてはどうでしょうか? 単振動方程式の例で説明します。

基本となるのはフックの法則、つまり釣り合いの位置からの変位に比例した復元力が働く、というものです。

F = kx  (Fは力、xは変位、kは比例定数で、たとえばばね常数)

ニュートンの運動法則により、力は質量と加速度の積だから、

F = kx = ma (mは質量、aは加速度)

加速度は変位を時間で2度微分したものだから、

kx = md²x/dt²

∴ d²x/dt² = -(k/m)x

この方程式の解は、

x = A cos (√(k/m))t + A sin (√(k/m))t

変位最大の位置から振動が始まる場合は、

x = A cos (√(k/m))t

このように、振動とは変位に対する復元力が働くと認識することから、方程式が立てられ、解が得られるのです。振動は質量が移動しない往復運動で、波動は媒質の各部分が往復運動する弾性体に生じるという具体イメージがなければ、そもそも数式が得られることはありません。

653Ken:2020/07/04(土) 00:46:30 ID:7/Gvc6ok
すみません。式の一部に誤りがありました。復元力は変位と逆方向に働きますから、

F = kx ではなく F = -kx

つまり
kx = ma ではなく kx = -ma
kx = md²x/dt² ではなく kx = -md²x/dt²

でなくてはなりません。
私の学生時代は四半世紀も昔なので、ご容赦ください。

654diamonds8888x:2020/07/25(土) 05:43:55 ID:Qix9q/lA
>>651
まず1点
>まず基本的な点として、18世紀の議論に量子力学を持ち込まないでいただけませんでしょうか? 

 持ち込んでいませんよ?
 「広義の粒子性」の中の「量子性」が気に食わないなら、それだけ外して考えてください。それで古典論だけの話になります。


もう1点
>>まず「光が粒子でかつ波動」の意味をはっきりさせてください。

>背反関係を想定する必要がない、という意味です。
>  〜〜中略〜〜
>これなら「光が粒子でかつ波動」と主張できることでしょう。

【再掲>>649
 まず「光が粒子でかつ波動」の意味をはっきりさせてください。[>>646]参照。
   1)「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」
   2)「同時に波と粒子の性質が観測される」

 1)と2)のどちらですか?


 他にも読み違いがないかどうか御検討ください。気づいたらコメントください。またしばらくコメントできないかも知れませんので。

655diamonds8888x:2020/07/25(土) 07:11:48 ID:Qix9q/lA
>>652
>当時の人が数式は知っていても具体事象をイメージできなかった、という考えをどうしても捨てられないなら、

 「具体事象をイメージできなかった」という可能性の否定は、私はしていません。あくまでも具体的事例に関してKenさんが独自に考えついた「質量の移動の有無を、波と粒子との重要な違いと考える」という「理論」ないし「解釈」ないし「認識」というものを、19世紀以前の科学者達(自然哲学者達)が思いついていた証拠がない、という主張をしています。

 Kenさんは「質量の移動の有無による違い/有無による区別/有無により定義できる)という認識」を19世紀以前の科学者達の一部は認識していたに違いない、と主張しています。「認識していたかも知れない」という可能性ならば、私も否定しません。しかし、「認識していたはずだ/認識していたに決まっている」と断定するならば、歴史史料に基づく証拠が必要です。

>その数式がどうやって導かれたかを考えてはどうでしょうか?

 20世紀の思考を完全に振り切れるかどうか不明な現代人が、いくら思考実験を重ねても証拠にはなりません。

656diamonds8888x:2020/07/25(土) 08:11:26 ID:Qix9q/lA
>>655  【補足】
> 20世紀の思考を完全に振り切れるかどうか不明な現代人が、いくら思考実験を重ねても証拠にはなりません。

 具体的には、次の考え方はあくまでも現代人のKenさんの頭に浮かんだ考え方であり、それが19世紀以前の人たちにとっても自明かどかうかについては全く不明です。

 ***********************************************************************
 「質量の移動の有無による違い/有無による区別/有無により定義できる)という認識」は数式を考えれば自明だ。
 ***********************************************************************

657Ken:2020/07/26(日) 13:42:48 ID:7/Gvc6ok
>1)「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」
>2)「同時に波と粒子の性質が観測される」
>1)と2)のどちらですか?

その二者択一なら2)です。ただし読み違えたとは思いません。問題は背反関係にあるのですから。背反とはどういうものかを遺伝子を例に説明してみましょう。

たとえば遺伝子について調べたところ、

A:遺伝子とは細胞核中の染色体

と分かったします。さらに調べたところ、

B:遺伝子とはDNAという化学化合物

と判明したとします。2つの認識は、例え同じ一連の実験中であっても、Aが認識される瞬間とBが認識される瞬間には時間差があるはずです。その意味では

〜ある時は染色体であり、ある時はDNAである

といえるわけで、冒頭の1)に該当するでしょう。ただし遺伝子なら、そこからただちに2)の結論にいたります。

〜遺伝子は染色体であり、かつDNAである

染色体であることとDNAであることが同時に成立するのは背反関係がないからです。

光はどうでしょうか? 光の粒子的特徴を探せば見つかるし、波動的特徴を探せばこれまた見つかります。遺伝子の例にならえば、

〜光は粒子であり、かつ波動である

と結論されてよいはずなのに、そうならないのは、粒子と波動には背反関係があると考えられたからではありませんか。

ですから「光が粒子でかつ波動」の意味とは、冒頭の1)が観測された場合に2)の結論にいたるということです。遺伝子を含む多くの対象はそうなるのです。

658Ken:2020/07/26(日) 13:50:41 ID:7/Gvc6ok
>断定するならば、歴史史料に基づく証拠が必要です。
>20世紀の思考を完全に振り切れるかどうか不明な現代人が、いくら思考実験を重ねても証拠にはなりません。

そのようなスタンスをとれば歴史考察などできなくなるではありませんか。

昔の人が何をしたかのみならず、何を知っていて何を考えたかも歴史考察の重要な一部で、それを現代人がやっています。特に今の議論で重要な点は、過去を考察するのに、現代に残る文献以外の資料にも拠ることでしょう。そもそも人類が文字の記録を残すのは、エジプトやメソポタミアでも5〜6千年前からで、日本では2千年に達しません。ですがそれより前の、歴史史料がありえない時代のことも考察されるし、確実視される結論もあります。

例えばメソポタミアでは1万年も前から農耕が行なわれました。

農耕は気の長い根気のいる仕事です。とくに農耕以前の狩猟採集生活にない大問題は、どれだけ空腹でも眼前の食料を全部は食べられないことです。コメやムギの実を食べ尽くしたら次の作物を育てることができません。種まきから収穫まで数ヶ月も我慢をするわけで、なぜ狩猟採集生活をやってた人々が、そんな不都合をおして農耕に転じたのでしょうか? 旧約聖書の創世記には、アダムとイブが神に背いた罰として耕作するようになったと書かれていますが、それを信じる人は圧倒的少数だと思います。

人類が農耕に転じた理由はただ1つ。収穫で得られる食料が狩猟採集とはけた違いに多いからです。18世紀にタスマニア島が発見された時、原住民はすべて狩猟採集生活でした。そして、面積はイギリス(ブリテン島)の3分の1で、気候風土もよく似ているタスマニアの人口が3千人程度だった記録があります。つまりイギリス全土で1万人に満たない人口密度でした。農耕をやらないと、その程度の食料しか得られません。

このことから、私たちは、先史時代の人が持っていた知見について、結論することができます。彼らは、特定の植物を育てることで、何ヶ月か後には大量の食糧が得られること、つまり植物が作る実は植物の元になる実よりもはるかに多いことを知っていたのです。文字に書かれた史料はなくても考察できることです。

さらにまた、メソポタミアなどでは灌漑が行なわれていました。弥生時代の日本でも、あぜを作って田に水を入れています。時間と労力を費やしてそんな土木作業をしたことから、植物に適度な水を与えることで、成長を促進できるという知見があったことが分かります。

話を18世紀の光の正体論争に戻しますが、私は、当時の人が粒子と波動の背反関係を認識していた根拠として3つの事実を挙げました。

(1)粒子理論と振動理論が大砲や時計等の製作に応用されており、質量移動の有無が認識されなければ、大砲も時計も作る意味がない
(2)振動方程式を導くには変位に比例した復元力が働き、実際に復元するという認識から出発する必要がある
(3)光の粒子的特徴と波動的特徴の両方が観測されても、「粒子かつ波動」という結論を回避するべく努力がなされた

私の論点を否定し、背反関係が知られてなかった可能性があると主張されるのなら、冒頭に挙げたような一般論ではなく、(1)(2)(3)のどれからも背反関係を導けないことを具体的に論証されるべきではないでしょうか?

659Ken:2020/07/28(火) 22:00:13 ID:7/Gvc6ok
>>658では文献史料がなくても歴史を考察できると述べましたが、これはdiamonds8888xさんの投稿に応じたもので、私が訴えたい本論ではありません。私の論点は(1)(2)(3)に挙げましたが、とりわけ(2)が本丸です。ここには、

〜18世紀に粒子と波動の背反関係が知られていたことには、数式という史料がある

という考えがあるからです。粒子の動きを表す数式は、

x = xᵢ + vᵢt + at²/2 (xは変位、tは時間、xᵢは初期位置、vᵢは初期速度、aは加速度)

のような形を取るのに対し、振動を表す式は、

x = A cos ωt (Aは振幅、ωは角振動数)

のように全く異なる形になり、一方をどう変形しても他方にはなりません。粒子と波動がまったくの別物であることは明らかです。

ただし、抽象的な数式では感覚的な把握が難しいので、内容を平易な言葉で表現することがあります。質量が移動するしないとはそういう表現の1つにすぎません。当時の専門家(例えば大学教授)が学生に説明するときに質量移動の話をしなかったとは、私には想像しにくいのですが、仮にしなかったとしても、専門家なら数式があれば十分です。

diamonds8888xさんからは、

〜数式を知っていても具体事象をイメージできるとは限らない

という指摘がありました。私は、一般論としてはそういう事態がありうると同意した上で、18世紀の粒子と波動の理論はそれには該当しないと述べました。その根拠は、粒子運動の式も振動の式も、最初に具体イメージがなければ導き出せないからです。>>652では振動方程式の例を挙げて、そのことを説明しました。


以上の説明で、粒子と波動の背反関係が確実に認識されていたと、納得いただけませんか?

660diamonds8888x:2020/08/08(土) 05:23:38 ID:Qix9q/lA
>>654,>>655,>>659
 経緯を整理しましょう。【具体的事例として】光の波動説と粒子説との対立の歴史に題材を取った話は、19世紀以前(量子論出現以前)において以下のような状況があったという想定から始まっています。

 [>>541,>>546,>>547,>>549]科学者達は以下の状況に直面した。
1.まごうことなき波動としての特徴
2.まごうことなき粒子としての特徴
3.波動と粒子は背反関係としか結論しようがない理論

 この状態で私ならどうするかという結論は[>>541]に尽きますし、それは他の科学者達(何世紀の科学者だろうと論理的思考の持ち主である限りは)も同じです。
 Kenさんのおっしゃる通り、1、2、3が全て正しいならば「P∧¬P」という結論に至ります。すなわち矛盾が生じるのであり、論理的思考の持ち主ならばここから「1、2、3の全が正しいことはない」、すなわち「1、2、3のどれかが間違っている」という判断を下します。そして、どれが間違いでどれが正しいかを明らかにすべく探求を続けるのです。

 【具体的に】【史実に基づけば】、光粒子説の論者は1が間違いである、つまり1と見なされた観測事実は実は粒子としても説明できるものであり、「粒子としての特徴」でもあるのだということを理論付けようとしました。逆に光波動説の論者は、2と見なされた観測事実が「粒子としての特徴」でもあるのだということを理論付けようとしました。確かに19世紀以前(量子論出現以前)においては3を否定する理論を提出した者はいません。代わりに1か2のどちらかを否定しようとしたのです。つまり、1も2も本当に「まごうことなき」などとみなした科学者は歴史上存在しなかったのです。

 例えば[>>619]では挙げられた観察事実は、「まごうことなき」が抜けているので当時の科学者達も認めるでしょう。
(1)光には粒子としての性質がある
 観察事実:光は直進する(音のように障害物の背後に廻り込まない)
 観察事実:光は真空中を伝わる
(2)光には波動としての性質がある
 観察事実:光は屈折する
 観察事実:光は交差する

 【具体的に】【史実に基づけば】、「直進する性質」は波の性質でもあることはホイヘンス理論の時点でわかっていました。「光は真空中を伝わる」とは波動説論者は考えていませんでした。波動説論者は「光は真空中に満ちている媒質を伝わる」という理論を立てていて、その媒質をエーテルと呼んでいました。
 また「屈折する」という事実はニュートンが粒子説による説明理論を立てて『プリンキピア』第1巻第14章にも書いています。私のブログ(2020/04/25)を御参照ください[ttps://blog.goo.ne.jp/diamonds8888x/e/db7eb6a1ea6ddddaf6e7319e92aed977]。この理論は波動説による理論と比べると、水中の光速度が空気中(真空中、エーテル中)の光速度より速いか遅いかという決定的な違いがあり、水中の光速度を測定すれば決着がつくことを明らかにした点が重要なものです。
 「交差する」という事実はホイヘンスが粒子説を否定する根拠のひとつとした事実らしいですが、こんなものは粒子が極めて小さくて粒子同士の相互作用(引力とか斥力とか)がなければ簡単に説明できます。とても「まごうことなき」波動としての性質などと呼べる事実ではありません。実際に【具体的に】【史実に基づけば】、粒子説と波動説との論争の歴史で重要な役割を果たしたような記載が見つけられません。もしホイヘンスやニュートン以降に、「光は交差する」という事実が何か重要な役割を果たしたような記載のある史料があれば御教示ください。

  続く・・・

 ですが、続ける前にまず、「粒子と波動の背反関係は現在では崩れているのか否か?」という問題がありますので、それを検討します。そもそもは、現在は正しいとされている「光は波の性質と粒子の性質を共に持つ」という命題が「19世紀以前には論理的な背反関係そのものだったのではないか?」というのがKenさんの問いかけだからです。

  <==== Kenさんの問いかけの解釈はこれでOKですよね? Y/N?

661diamonds8888x:2020/08/08(土) 05:32:43 ID:Qix9q/lA
[>>660]に関連して

 [>>657,>>658,>>659]にまとめて簡単にコメントしますが、詳しくは説明が必要でしょうから、本発言に早とちりでの反論は控えてください。

>>658
 ・「粒子と波動の背反関係を認識していた」という点は認めます。100%事実とさえ言えます。
 ・(1)の「質量移動の有無が認識されていた」点は可能性はあっても証拠はありません。
 ・(2)は、だから何を結論したいのか不明です。
   背反関係も量移動の有無も、(2)から結論付けられるようには思えません。
 ・(3)の「光の粒子的特徴と波動的特徴の両方が観測された」ということが18世紀(1600-1800年?)において史実であるという点は、「まごうことなき」付きのつもりであれば、否定します。「粒子説でも波動説でも説明理論は提出されていた特徴」や「粒子説でも波動説でも説明できなかった特徴」が観測されていたということが史実です。そしてヤングによる干渉性の発見が「まごうことなき波動の特徴」として、19世紀半ばから後半には認められたのです。


>>657
 「同時に波と粒子の性質が観測される」という意味で考えているのですね。ならば、19世紀以前に「光の粒子的特徴と波動的特徴の両方が観測された」という[>>658]の(3)の記載は、史実としては認められません。また、現在の量子論における「波の性質と粒子の性質を共に持つ」という「波と粒子の二重性」の正しい理解としても間違っています。

>ですから「光が粒子でかつ波動」の意味とは、冒頭の1)が観測された場合に2)の結論にいたるということです。

 完全な論理的間違いです。1)と2)の違いをよく考え直してください。時間ごとに2つ以上の相反する形態を取る存在などいくらでも例があるでしょう? 生物でなら性転換する魚がいますが、カタツムリのような雌雄同体となることはありません。

 「波の性質と粒子の性質を共に持つ」という言い方の正しい意味については、さらに詳しく説明します。これは[>>660]の「続く・・・」の後に述べた問題そのものです。


>>657【なお、別件】
>その二者択一なら2)です。ただし読み違えたとは思いません。

 [>>654]で具体的な読み間違えを指摘したのは、次の部分です。

> >まず基本的な点として、18世紀の議論に量子力学を持ち込まないでいただけませんでしょうか? 

>  持ち込んでいませんよ?

662diamonds8888x:2020/08/08(土) 05:36:31 ID:Qix9q/lA
>>660,>>661
 これは同意してもらえると思いますが、まず事実として、「波の性質と粒子の性質を共に持つ」という発想は量子論以降のものです。
 19世紀以前には波と粒子とは明確に背反するものと考えられていて、ゆえに光について粒子説と波動説との論争があったのです。これは私ははっきりと認めます。

 これは後に詳しく述べますが、19世紀後半には波動説が絶対優勢となり、弱点としてはエーテル問題と光電効果を残すくらいの状況でした。しかしどちらも「波としては(その時点では)説明できない性質」ではあっても「まごうことなき粒子としての特徴」とは認識されてはいませんでした。特に光電効果を古典的粒子説で説明しようとした人はいませんし、プランク以前に光電効果が「粒子としての性質」だと考えた人さえいません。

 Kenさんが設定している問題は、このように「波と粒子とは明確に背反するもの」という知見が常識である19世紀以前の世界で「光は波でありかつ粒子である」という理論を科学的に妥当な仮説として提出できるのか否かという問題です。ここで提出する「光は波でありかつ粒子である」という理論はもちろん、現在の量子論では正しいとされている「光は波でありかつ粒子である」とか「波の性質と粒子の性質を共に持つ」とか表現される理論のことです。

 そこで現代における、つまり量子論における「波の性質と粒子の性質を共に持つ」というのは、実際にはどんな意味なのかが明確でないと、正確な考察ができません。時々、「現代の知見である量子論を持ち込むな」とおっしゃいますが、現代の量子論でも間違っているとされる理論を提出するという思考実験では議論する意義がないでしょう?

 ということで量子論での考え方の話を続けます。

663diamonds8888x:2020/08/08(土) 05:42:55 ID:Qix9q/lA
>>662
 明言してこなかったのでわかりにくかっただろう点をお詫びしますが、「波と粒子の2重性」についての私の認識も[>>648]あたりでの節操のない者さんのサイトを見てから少し変化した(深まった)点がありますので、それ以前の発言とは違っているかも知れません。お手数でしょうが、そこを考慮の上でお読みください。

 量子論における「波と粒子の2重性」には観測事実という点からは2つの場合があります。

 第1は電子や短波長(高振動数)の光の場合です。検出は写真フィルムや乾板、半導体検出器等に衝突することで特定の位置と時刻で検出反応が起きます。つまり検出反応では粒子としての性質を示します。しかし強い流れ、つまり多数の粒子の流れは波の性質である干渉を示します。すなわち二重スリット実験を行えば検出スクリーンに干渉縞が観測されます。
 そしてこの現象は、伝播しているときは波として伝わり、検出時には波が収縮して位置と時刻が確定した粒子として検出されるのだと解釈されています。さらにこの粒子の1個は、伝播する波の振動数に比例するエネルギーという一定のエネルギーをも持ち、それは様々な検出反応のエネルギー収支等から観測できます。
 つまり、伝播しているときにはあくまでも波として伝播しており、ゆえに干渉も回折もしますが、検出されるときには一定のエネルギーを持つ粒子に、いわば変身すると解釈されています。この変身を「収縮」と呼ぶのです。

 第1の場合の別の形の観測事実には、原子核を巡る電子のエネルギー(位置エネルギー+運動エネルギー)が離散的な値しか取らず、それゆえ連続的にエネルギーを放出して原子核に落ち込んだりはしない、という事実があります。これはド・ブロイにより、「電子は定常波として存在するから」として説明されました。このとき電子の「位置」の確率はほとんどが原子核周囲の非常に狭い範囲に、マクロには「点」と思ってもいいくらい狭い範囲に集中してはいます。しかし、ある瞬間にはその非常に狭い範囲の中のどこかの1点に粒子として存在し、次の瞬間には別の点に移動している、つまり粒子として運動しているとは考えられていません。あくまでも原子核周囲の非常に狭い範囲の中の全範囲に、同一時刻にぼやーっと広がった定常波として存在しているのだと考えられています。

 第2の場合については別発言にて。

 ==>続く

664diamonds8888x:2020/08/08(土) 05:46:54 ID:Qix9q/lA
>>662 訂正です。より正確には、次のようになります。
 
 プランク以前に光電効果が「粒子としての性質」だと考えた人さえいません。

 ==>アインシュタイン以前には光電効果が「粒子としての性質」だと考えた人さえいません。

665Ken:2020/08/09(日) 11:11:17 ID:CGdfQfpg
>・「粒子と波動の背反関係を認識していた」という点は認めます。100%事実とさえ言えます。

この一言を聞きたかったのです。これでまた議論が前に進むでしょう。ただし問題の根幹である「背反関係」の定義で行き違いを生じないように、以下の文章を書きます。

「光は粒子であり、かつ波動である」という命題の意味ですが、、

>1)「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」
>2)「同時に波と粒子の性質が観測される」
>1)と2)のどちらですか?

私は、観測事実としては(1)だが、もし理論的な背反関係がなければ、(2)が観測されるのと同じ結論にいたることを、遺伝子の例を挙げて説明しました。しかし、今回のdiamonds8888xさんの投稿を受け、むしろ、

〜古典力学において、上記の命題は、(2)は言うに及ばす(1)の意味でも否定される

と述べるのが、今後の議論に最も資すると考えます。もし「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」ことを認めるなら、光の正体論争は起こらなかったはずです。たとえば、屈折や交差のような波動的特徴(波動説論者はこれらを波動的特徴と考えたわけです)を示す時には光は波であるが、真空を伝わるような粒子的特徴を示す時には光は粒子であると、そう言えばよいので、なにも、正体不明・観測不能の「エーテル」などを強引に想定する必要はありません。

エーテルが必要とされた理由は(1)と(2)のどちらも否定されるからでしょう。つまり、ある時点で波動であり粒子ではない存在は、いついかなる時にも波動であり粒子ではありえないという理論があるのです。たとえば、

〜屈折現象が観測されるときの光は波動であるが、真空を伝わるときの光は粒子である

こんな理論は認めないのが古典力学です。

>「粒子と波動の背反関係は現在では崩れているのか否か?」という問題がありますので、それを検討します。

diamonds8888xさんが言われるように、古典力学の知識体系の中で、粒子と波動の背反関係が、(1)も(2)も認めないという意味で確認されたら、次に量子力学をを論じることになります。

まずは、この投稿で私が述べたことに同意をいただけますでしょうか?

666diamonds8888x:2020/08/10(月) 19:41:50 ID:Qix9q/lA
>>665
>古典力学の知識体系の中で、粒子と波動の背反関係が、(1)も(2)も認めないという意味で確認されたら、

 OKですよ。正確を期して、
  ・古典力学では、(1)も(2)も認めない
  ・量子力学では、(1)は認めるが(2)は認めない
    別の言い方では、波の特徴、粒子の特徴の範囲が古典力学とは異なる

> と述べるのが、〜〜〜
>      (中略)
> こんな理論は認めないのが古典力学です。

 この部分は論理的に正しいとは認めませんが、本論には無関係なのでわざわざ答える必要はありません。そりゃあ、結論自体は事実ですけれど、屈折と真空の例はいただけませんね。


----
 私からも、先へすすめる前の要求があります。

>私は、観測事実としては(1)だが、もし理論的な背反関係がなければ、(2)が観測されるのと同じ結論にいたることを、遺伝子の例を挙げて説明しました。

 遺伝子の例ではたまたま正しくても、普遍的に正しいわけではないことは認めますか?
 それとも魚の性転換の例では納得できませんか?
 遺伝子の例示は、波と粒子の場合の証明にはならないという点は認めますか?

667diamonds8888x:2020/08/10(月) 19:42:44 ID:Qix9q/lA
>>663
 さて第2の場合は、プランクが理論的解明を行った黒体輻射のスペクトル分布という観測事実です。これは大きさの決まった箱の中に光を閉じ込めたときのスペクトル分布を理論的に説明しようとすると、「決まった波長λを持つ光はhλという決まった量のエネルギーの整数倍の値しか取れない」と仮定することにより、観測される分布が正確に計算できたという事実です。「ある量の整数倍の値しか取れない」という状態を「量子化されている」と呼びます。

 均一な粒子の集団、例えば同一速度の粒子の集団の全運動エネルギーは、ニュートン力学では1/2mv^2の整数倍になりますから、「全エネルギーが、ある量の整数倍の値しか取れない」という性質はまさしく粒子の性質のひとつです。もちろん逆は必ずしも真ならずであり、この性質は「まごうことなき粒子としての特徴」ではありませんし、プランクもそんなことは考えてはいませんでした。


 第1の場合と第2の場合との違いですが。第1の場合では、はっきりと粒子として観測されるものが、つまりある時刻にはある位置の1点として観測されるものが、観測されずに移動しているときには波の特徴である干渉性を示します。第2の場合では、波として観測されるものが粒子の特徴のひとつである、最小単位の有限なエネルギーを持つという性質を持つと考えられたのです。

 もっともよく考えると、光(短波長の電磁波)が「波として観測される」と言えるのかどうかは検討が必要です。が、そこはおいておきましょう。これが電波であれば確かに「波として観測される」と言えるのでしょうが。そもそも光がそう簡単に「波として観測される」のであれば粒子説が生まれるはずもありません。そして確かに「波として観測される」長波長の電磁波では、量子仮説によるプランクの式でも、波として求めたレイリー・ジーンズの式も一致するのです。例えばマイクロ波より長い波長の電磁波では、粒子の特徴を明確に捉えた観測事実はないと思います。核磁気共鳴分光(NMR)のマルチバルスによる実験のあるものは量子力学でないと説明できない、なんていうのが一応「量子としては捉えた」と言えるのでしょうけれど。


 このようにいくつかの違うタイプの観測事実があるのですが、波と粒子の二重性に関しては、ひとまず一番最初の、「観測されるときには粒子、移動していて観測されていないときには波」の場合を考えれば十分でしょうから、他の場合についてはこれ以上は触れません。

668Ken:2020/08/14(金) 00:35:18 ID:CGdfQfpg
実は今、サイト管理者のNATROM医師に、新型コロナウィルスに関する質問を集中的に行っており、こちらのスレッドでの回答が遅れています。こちらでは、ちょうど背反関係について合意が得られたようなのでタイミングはよかったと思うのですが。

>遺伝子の例ではたまたま正しくても、普遍的に正しいわけではないことは認めますか?
>それとも魚の性転換の例では納得できませんか?
>遺伝子の例示は、波と粒子の場合の証明にはならないという点は認めますか?

遺伝子の例が波と粒子の場合に適用できない、という意味ならもちろん認めます。そもそも両者が異なることを示すために遺伝子の例を持ち出したのですから。

A:遺伝子は細胞核中の染色体である
B:遺伝子はDNAである

遺伝子についてBを観測するには、染色体を細胞核から取り出し、染色体を破壊する形で分子構造を調べる必要があるでしょう。つまり、Bが観測されるときAの状態は消失しており、AとBを同時に観測することは不可能なのです。それでも、遺伝子がDNAの分子構造をもち、同時に染色体として細胞核中に存在することは、どの教科書にも書いてあります。

光もまた、粒子であることと波動であることは同時には観測できません。そして遺伝子とは異なり、観測できなくても2つの状態が同時に成立することもないという理論が古典力学で確立しています。量子力学の話は次の投稿をお待ちください。

669Ken:2020/08/26(水) 22:53:20 ID:CGdfQfpg
それでは話を続けます。ここからの話には量子力学が入りますが、その前に、18世紀の話題が長く続いたので、議論の全体像を明らかにするために、基本的な背景を述べておきます。diamonds8888xさんには先刻承知の話かもしれませんが、行き違いを生じないためですので、どうか我慢を願います。

まず、私がなぜ光の正体論争を持ち出したかですが。基準に違反する「疑似科学」は、単なる「間違った理論」とは異なるはずという認識があります。「間違った理論」とは、現実を反映しない理論という意味です。科学史には多くの論争があったし、今でもあります。

「光は粒子である」 vs 「光は波動である」
「鳥は樹上生物が進化した」 vs 「鳥は地上を走る恐竜が進化した」
「宇宙は永遠に膨張する」 vs 「宇宙はいずれ縮小に転じる」
「邪馬台国は九州にあった」 vs 「邪馬台国は畿内にあった」

一方の説を唱える人は他方の説を間違った説、現実を反映しない理論と主張しますが、だからといって疑似科学と見なしたわけではありません。ですから、例えば学術論文としては常に邪馬台国九州説を唱え、畿内説を論駁する人が、一般向けの教養書や教科書を執筆する時は、両論を併記するものです。疑似科学と見なす理論を教科書に載せる人はいないでしょう。そして、現実を反映するのはどの理論であるかという論争なら、新しい発見があり知識体系が変わるにつれ、正しいと思われた理論が間違いと分かったり、その逆のことが起こったりします。光の正体論争でも、時代によって粒子説が優勢になったり、波動説が正しいと確信されたことは、diamonds8888xさんがご承知のとおりです。

ところが私は、数理的背反関係にある2つの理論をどちらも認めるのは疑似科学である、という基準を見たときに、ある理論が疑似科学であるのかないのかもまた、知識体系によって変わるのではと思ったのです。ある時代の知識体系の中では疑似科学と見なされる理論が、新しい時代の知識体系の中では疑似科学でなくなるのみか定説にすらなりうるのではないかと。それなら「間違った理論」といわず、ことさら「疑似科学」と称することに何の意味があるのでしょうか。いずれは正しいと分かるかも知れず、よって正当な探求対象たりうる点では「間違った理論」も「疑似科学」も同じではありませんか。

そこでまず、18世紀の知識体系の中で「光は粒子でありかつ波動である」と唱えるのは、基準に照らして疑似科学になることを論証してきました。20世紀以降の知識体系の中でどうなるかは、これから論じてゆきます。

以上が、私が光の正体論争を持ち出した直接の理由ですが、もう1つのより根本的な問題提議を述べておきます。これはdiamonds8888xさんから何度かお尋ねがあったことですが、現在進行中の議論ではそこまで踏み込まないのがよいのではと、私から申し出たもので、ここでは背景説明として述べておきます。

すなわち「(¬P)∧P」を否定するような純粋な数理論だけで、現実の事象を否定できるのかということです。言い換えれば、現実観測からすべてが出発する自然科学と、純粋な抽象対象を扱う数学を、同列に扱えるのかということです。自然科学が数理的に整合性のある理論構築を目指すのはたしかですが、それ以前に自然科学は現実をあるがままに認識するものであり、現実認識と数理的整合性が一致しない場合は前者を優先し、理論的な矛盾を容認するのではないかということです。話が長くなるのでここでは省略しますが、現在、定説になっている理論にすら、究極的には矛盾を含むものがあるのではという疑念を私は抱いています。

以上のような背景と目的のもとに、これから量子力学を取り入れた形で光の正体論争について述べてゆきます。疑問または異論がありましたらご指摘ください。

670diamonds8888x:2020/08/30(日) 09:47:02 ID:Qix9q/lA
>>669
 このまとめはKenさんの基本的考え方がわかりやすく整理されていて、その理解にものすごく助かります。当然ながらというべきでしょうか、多くは同意ですが、微妙に食い違う点もあって、そこがこれまでの食い違いの原因となっているように思えます。

 その点を詳しく述べる前にまず[>>668]でも互いに誤解があるようなので別発言[>>671]にて。

 なお、「量子力学を取り入れた形で光の正体論争」については本発言(669)等へのレスとは関わりなく、まとめていただくことをお願いします。Kenさんが量子力学をどう見ているかが詳しくわかったほうが互いの考え方をよりよく理解できるはずだと思いますから。

671diamonds8888x:2020/08/30(日) 09:47:42 ID:Qix9q/lA
>>668 [>>657]
>遺伝子の例が波と粒子の場合に適用できない、という意味ならもちろん認めます。そもそも両者が異なることを示すために遺伝子の例を持ち出したのですから。

 そういうことですか! わかりにくかったあ。詳しめに、私に見えた互いの食い違いの経緯を示しますので御検討ください。

 まず[>>657]でのKenさんの認識は以下のようなものだったのですね?
 --------------------------
 「>>654 【再掲>>649】」の選択肢の1)と2)を一般化して
   1)「aは、ある時はAの性質を示し、ある時はBの性質を示す」
   2)「aは、同時にAの性質と粒子Bの性質が観測される」

  a=遺伝子、の場合  1)は成立 =>ただちに2)の結論にいたる
  b=光、の場合  1)は成立 =>2)の結論にいたらない
 --------------------------

 了解です。詳細は後として簡単にコメントしておくと、論理的には"b=光の場合"の方が厳密な論理に従った妥当なものです。では"b=遺伝子の場合"にはなぜ【ただちに】2)の結論にいたっても良いのかを検討すべきだと思います。

-------------
 そのまえに「ただし読み違えたとは思いません。」の一文がわからないのですが、どの文章を「読み違え・・」とおっしゃるのでしょうか?

 [>>654]の私の以下の文章ですが、

>他にも読み違いがないかどうか御検討ください。

 まず、ここで指摘した読み違いは、「([>>648]で私が)18世紀の議論に量子力学を持ち込んだ」という認識です。

> >まず基本的な点として、18世紀の議論に量子力学を持ち込まないでいただけませんでしょうか?

 そこで、「持ち込んでいませんよ?」と指摘しました。
 この指摘を踏まえて、[>>654]の最後で、「他にも読み違いがないかどうか御検討ください。」とお願いしました。

 ---------
 なので[>>654]に答えるわかりやすい書き方は、3つの論点のどれに答えたのかがわかりやすいと、ありがたいのです。

 1.「([>>648]で私が)18世紀の議論に量子力学を持ち込んだ」という認識が誤解だったと認めるのか?
    Noならば、その理由

 2. 「1)と2)のどちらですか?」に対する答え
   これは、2)ということで了解しました。

 3.「他にも読み違いがないかどうか御検討ください」に対する答え
   他にもとはむろん、1.の認識以外ということですので、これは思い当たらなければ
  むろん答える必要はありませんし、私も一般的お願いだけのつもりでした。
 ---------

 2.は既に答えていただきました。つまり、Kenさん以下の考えだと理解しましたが、それでよろしいですね?
  現代の量子力学では、「光は同時に波と粒子の性質が観測される」、
 「光は同時に波と粒子の性質を持つ」、「光は同時に波と粒子として存在できる」
 と考えられている。

 そして、そうではなくて、現代の量子力学では、1)「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」と考えられているのだ、というのが私の言いたかったことです。2人の考えの違いについてはご理解いただけましたか?

 1.は「読み違えたとは思いません。」というのが答えでしょうか? つまり今でも「([>>648]でdiamonds8888xが)18世紀の議論に量子力学を持ち込んだ」という認識だと理解してよろしいのでしょうか?

 もしもそうならば、再度否定します。「[>>648]でdiamonds8888xが量子力学を持ち込んでいる」と未だにお考えならば、[>>654]の私の答えを踏まえて理由をお聞かせください。

>「広義の粒子性」の中の「量子性」が気に食わないなら、それだけ外して考えてください。それで古典論だけの話になります。

672Ken:2020/08/30(日) 21:29:22 ID:Vt0Ycb5Y
とりあえず、ご指摘の件に答えておきます。

>"b=遺伝子の場合"にはなぜ【ただちに】2)の結論にいたっても良いのかを検討すべきだと思います。

理由を突き詰めれば複雑になるかもしれませんが、いま問題になっていることとの関連でいえば、単純でしょう。古典力学では、なにものであれ「粒子であり、かつ波動である」という状態を認めないのに対し、遺伝子が染色体であり同時にDNAであることを否定する理論がないからでしょう。厳密に言えば、取り出した染色体を分析したらDNAだったからといって、生体細胞の中にあったときにもDNAだった、つまり取り出して分析する過程で分子構造を変える反応がおこらなかった、という証明はないはずですが。


私が>>657

>読み違えたとは思いません

と言ったのは、その前の、

>まず「光が粒子でかつ波動」の意味をはっきりさせてください。
>1)「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」
>2)「同時に波と粒子の性質が観測される」
>1)と2)のどちらですか?

という質問の意図を私が読み違えた結果、diamonds8888xさんの質問に回答していないと、受け取られたのではないか、と考えたからです。私が「背反関係」というときは、1)と2)のどちらかは問題ではなく、どちらの意味でも「粒子かつ波動」という状態は否定されるという意図でした。

>現代の量子力学では、1)「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」と考えられているのだ、というのが私の言いたかったことです。2人の考えの違いについてはご理解いただけましたか?

理解しました。ただし、現代の量子力学については、私からも考えを述べさせていただきます。それはdiamonds8888xさんの上記の表現とは異なるかもしれません。投稿をお待ちください。

673diamonds8888x:2020/08/31(月) 06:02:48 ID:Qix9q/lA
>>669
 簡単にコメントしておきます。2人の考えの違いがわかるでしょう。

>基準に違反する「疑似科学」は、単なる「間違った理論」とは異なるはずという認識があります。

 同意

>ある理論が疑似科学であるのかないのかもまた、知識体系によって変わるのではと思ったのです。

 一般論では同意。変わるか否かは疑似科学の基準による。また知識体系の突飛さにもよる。
  例) 「自然現象は神々や妖精により起こされる」という知識体系とかなら変わるでしょう。

 本議論のテーマの基準1-6に限れば、「経験と論理を再重視する、近代科学の考え方に基づく知識体系」であれば、基準1-6は変わらない。ただし、そのことが歴史的にいつごろから、誰がどの程度認識していたのかは科学史の問題である。
 基準5-6(矛盾をはらむ理論を認めない)に限れば、アルキメデスの時代でも変わらない、というのが私の考え。

>18世紀の知識体系の中で「光は粒子でありかつ波動である」と唱えるのは、基準に照らして疑似科学になることを論証してきました。

 「波動は媒質を持たない」と唱えることに関しては、留保中でしたか?
 「波動は媒質を持たない」と唱えることは基準5-6には触れない、というのが私の考え。

 「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」と唱えることは基準5-6には触れない。
 「同時に波と粒子の性質を示す(性質が観測される)」と唱えることは基準5-6には触れ、現代の量子力学でも唱えられてはいない。

>もう1つのより根本的な問題提議を述べておきます

 これをまず正してほしい。はっきり言って、これは言葉だけの空理空論です。というより、矛盾とは何かをちゃんと突き詰めていない??

674Ken:2020/09/02(水) 22:44:09 ID:Vt0Ycb5Y
>これをまず正してほしい。はっきり言って、これは言葉だけの空理空論です。というより、矛盾とは何かをちゃんと突き詰めていない??

私自身もこの問題を整理できているわけではなく、いわば「疑惑」を感じている段階なのです。この場で議論をして結論にいたるのかも分かりませんが、とりあえず私の疑惑を語ってみましょう。矛盾のある理論ではないかと私が疑惑を向けているのは熱力学の第2法則です。この理論は19世紀に確立されて以降あらゆる観測事実によって確認されてきました。工学応用もされており、エンジンや電池等、エネルギー効率が問題になる製品の開発で貢献しています。

一方で、この理論は宇宙論と直結しており、私たちには観測できない長大な時間の中で何が起こるかも語ります。つまり熱力学の第2法則によれば、宇宙全体のエントロピーは常に増大し決して減ることはありません。よって未来に進むほどエントロピーは大きくなり、ついには利用可能なエネルギーがなくなる、いわゆる熱的な死を迎えるというのです。ということは、過去の世界に行くほどエントロピーは小さかったことになります。宇宙の始まりがあったのかはともかく、遠い過去にはエントロピー極小の状態があったということです。

でも、そのようなエントロピー極小状態は、どうやって生じたのでしょうか?

熱力学の第2法則が正しいなら、そんな状態を生じるはずがありません。第2法則とは、それが正しいなら存在しえない世界を支配する法則として、存在しているのではないのでしょうか。自己矛盾を内包した理論、疑似科学ではありませんか?

この疑惑は私の独創ではなく、ファインマンの物理講義の46章「Ratchet and pawl」の5節「Order and entropy」で論じられています。ファインマンは「矛盾」という言葉は使っていませんが。
www.feynmanlectures.caltech.edu/I_46.html

実をいうと、この部分の解説はファインマンらしくもなく多分に曖昧で、数式もありません。私なりに要約しますと、ファインマンは熱力学の第2法則はエントロピーが絶対に減らないと言っているのではなく、確率的に非常に起こりにくいだけだと指摘しています。どれだけ起こりにくいかは言葉で語るだけで数式がありませんが、それほど難しい考察ではないのでやってみましょう。

例えば1枚のコインを放り上げて表が出る確率は1/2です。100枚のコインがすべて表になる確率は1/2¹ººになります。これでも途方もなく低い確率ですが、宇宙のエントロピーが非常に低い状態、例えばエントロピーがゼロの状態を生じる確率は、宇宙全体の素粒子の総数をNとして1/2ᴺになると思われます。ゼロは極端でもっと「容易な」値が目標でも、「天文学的」などの表現では追いつかない途方もない数字であることはたしかです。私たちは奇跡が作った世界に住んでいるのでしょうか?

1つの可能性として、ファインマンは、観測できる宇宙の外からエネルギーが、つまりエントロピーの小さい状態が、入ったかもしれないと述べます。ただし、いくら新しい星を見つけても、既知の宇宙とエントロピー状態が異なる観測例はないから、その可能性は低いとも語っています。何より肝心な点は、外の世界のエントロピーが小さくても問題の解決にはなりません。それなら外の世界を含めた全体系のエントロピーはなぜ小さくなったのか?と、問題を先送りするだけですから。


同じ問題を扱ったもう1つの文章は、アジモフの小説「最後の質問」です。プロットを要約すると下のようになります。

自己進化をする人工知能が主人公です。人間がこのコンピュータに、どうすれば熱力学の第2法則を逆転してエントロピー減らせるか、と尋ねます。コンピュータは答えられず、「情報不足」と繰り返すだけでした。そして長大な時間が経過し、人類は死に絶え、地球も太陽系もすべての星も消滅し、宇宙の熱的な死がきますが、コンピュータは同じ問題を考え続けるのです。そしてついにエントロピーを減らす方法を発見します。ただし小説では「発見した」というだけで、具体的な方法は出てきません。

方法を見つけたコンピュータは、エントロピーを減らして宇宙を再生するコマンドを実行しますが、この部分が『創世記』の冒頭そのままなのです。

「光あれ」・・・・するとそこに光があった (創世記1章3節)

自他の認める無神論者アジモフにして、宇宙の創世には神を持ち出すしかなかったのか、と私には思えます。

675diamonds8888x:2020/09/03(木) 05:34:48 ID:Qix9q/lA
>>672

>理解しました。ただし、現代の量子力学については、私からも考えを述べさせていただきます。それはdiamonds8888xさんの上記の表現とは異なるかもしれません。投稿をお待ちください。

 大歓迎です。楽しみにしています。そもそも違いがなければ議論の必要などないのですから。まずは何がどう違うのかがお互いにわからなければ話になりません。


>私が「背反関係」というときは、1)と2)のどちらかは問題ではなく、どちらの意味でも「粒子かつ波動」という状態は否定されるという意図でした。

 「読み違え」の対象が何だったかは理解しました。読み違えるような文章には見えませんし、いまいち不明点がありますが。
 上に示した最後の一文が気になりますが、私は1)と2)のどちらなのかで大きな違いがあると言っていることは御理解いただけていますか?

 [>>673]も参照のこと。
>「ある時は波の性質を示し、ある時は粒子の性質を示す」と唱えることは基準5-6には触れない。
>「同時に波と粒子の性質を示す(性質が観測される)」と唱えることは基準5-6には触れ、現代の量子力学でも唱えられてはいない。

 まあ、私の考えは御理解いただけた上で、それとは異なるKenさんの量子力学の理解をこれから説明してくださるのだとは思っていますが?

676Ken:2020/09/05(土) 16:01:59 ID:Vt0Ycb5Y
これから量子力学の話をしますが、その前に確認させてください。

>>674で私が述べた論旨、

〜熱力学の第2法則は疑似科学

には、同意いただけますか? もしくは疑問・異論がありますか?

つまり熱力学の第2法則は、>>669で述べた

>現実認識と数理的整合性が一致しない場合は前者を優先し、理論的な矛盾を容認する

に該当するのではという「疑惑」を私はもっているのです。

2つの問題(量子力学と熱力学)を同時並行で議論するのは避けたいので、お尋ねします。

677diamonds8888x:2020/09/06(日) 07:17:50 ID:Qix9q/lA
>>676,>>674
>矛盾のある理論ではないかと私が疑惑を向けているのは熱力学の第2法則です。

 熱力学第2法則についてのKenさんの疑惑はよくわかります。「遠い過去には存在したはずのエントロピー極小の状態は如何にして生じたのか?」という疑問は、「ビックバン以前の宇宙は如何にして生じたのか?」という疑問と同じく、科学的に妥当な設問だし、それを考えていたり考えたことがあったりした物理学者もファインマン初め多数いることでしょう。

 そっと白状すると、私は実は熱力学第2法則自体が間違いではないかという考えを抱いていたりします。Kenさんの疑惑などかわいいものでしょ(^_^)

> 〜熱力学の第2法則は疑似科学

> には、同意いただけますか? もしくは疑問・異論がありますか?

 しかしむろん現在の熱力学第2法則には明確な論理的矛盾も見いだされてはいませんし、観測との食い違いも見いだされていません。もしもどちらかが明確に見いだされれば、そこでこの理論は否定され、替りの新しい理論が提出されることでしょう。熱力学第2法則が科学的に妥当であると認められているのは、基準05,06には反していないと認められていることも理由のひとつです。

 しかし[>>674]での疑惑は熱力学の第2法則が「矛盾のある理論ではないか?」というものです。どうして現在は矛盾がないと広く認められている理論にそのような疑惑の余地が生じるのでしょうか?

 [>>674]での疑惑の場合では、その理由は「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というのが一番大きい理由だと考えられます。[>>674]での疑惑を論理的にわかりやすくしてみると次のようになると思います。

 理論p0) 閉鎖系の全エントロピーは時間とともに増加する。(熱力学第2法則)
 仮定u0) 全宇宙は閉鎖系である。

 p0) 全宇宙のエントロピーは時間とともに増加する。(熱力学第2法則)
 p1) ゆえに、全宇宙のエントロピーは過去のある時点で可能な最小値だった。
 p2) そのようなエントロピー最小状態は、どこからどのように生じたのか?
  p2-1) 全宇宙の他の可能な状態から生じた。これは熱力学第2法則と矛盾する。
  p2-2) 全宇宙の外からの影響で生じた。これは仮定u0に反する。
  p2-3) どこからも生じたのではなく、単に存在していた。

 可能性としては、p2-2か、p2-3か、遠い過去では理論p0が成立しないのか、の3択でしょうねえ。

 p2-2はつまり仮定u0が成立しない。つまり閉鎖系である宇宙というものが存在しないことになります。これは宇宙が無限であれば、可能かも知れません。p2-3はつまり、過去が無限に続いているという我々のなんとなくの考えが、実は間違いということを意味するでしょう。どちらにしても観測ではちょっと証明するのが極めて難しそうですよね。「遠い過去では理論p0が成立しない」という理論は、p2-2やp2-3に比べれば観測による証明の可能性はありえるかも知れません。素粒子実験でビックバン以前の超高密度宇宙を再現してみたら熱力学第2法則が破れていたとか。


 熱力学の第2法則が「矛盾のある理論ではないか?」という疑惑の余地が可能な別の理由として、実はこの法則はなんらかの基本原理から誘導されたものではない、ということもあります。例えば分子運動にニュートン力学を適用してみても第2法則を導けはしません。第2法則そのものが第1原理であり、それは熱力学上の観測事実を法則化したものです。つまり、「閉鎖系の全エントロピーは時間とともに増加する」という観測事実はニュートン力学からも量子力学からも相対性理論からも導くことができていません。やむなくこの観測事実をそのまま法則化しているのです。

 ですから例えば遠い過去では、観測事実からは第2法則が成立していないということは十分に可能なのです。

 ちなみに宇宙が膨張と収縮を繰り返すという周期宇宙説があります。収縮したらついにはビックバン状態になり、そこからまた跳ね返って膨張するということなのですが、第2法則が厳密に成立していたとしたら、そして宇宙が閉鎖系であれば、膨張と収縮を永遠に繰り返すということは起きるはずがありません。周期宇宙説が成立するにはどこかで、例えば収縮期間の最終段階などで第2法則が破れていてエントロピーが減少しないと矛盾が生じます。

678diamonds8888x:2020/09/06(日) 07:19:03 ID:Qix9q/lA
>>677
 色々と書きましたが、将来的に熱力学の第2法則の真偽がどうであれ、矛盾のある理論が妥当な理論とされないことには変わりはありません。[>>674]での疑惑は基準05,06に反する理論が科学的に妥当だということにはなりません。

> 〜熱力学の第2法則は疑似科学

> には、同意いただけますか? もしくは疑問・異論がありますか?

 同意しません。ていうか、Kenさん自身も「疑似科学ではないか?」という疑惑を抱いているだけで、はっきりと「疑似科学に違いない」と断定できているのではないのでしょう? その状態で他の人にそんな同意を求めても賛同してもらうのは無理ですよ。

 熱力学の第2法則がある条件下では、1)論理的に矛盾する可能性がある、2)観測事実と一致しなくなる可能性がある、という点は認めます。それどころかそっと白状すると、遠い過去ではなくまさに現在において「観測事実とは異なっているのではないか?」という疑いを私は持っています。Kenさんの疑惑などかわいいものでしょ(^_^)

 しかし、現時点では一応、遠い過去ではなく現在の自然現象の観測においては、明確な論理的矛盾も見いだされてはいませんし、観測との食い違いも見いだされていません。基準05,06には反するという意味での疑似科学でないことはもちろんのこと、間違っているなどとは言えるものではありません。

679diamonds8888x:2020/09/06(日) 07:25:29 ID:Qix9q/lA
>>672, >>671 さらに

>古典力学では、なにものであれ「粒子であり、かつ波動である」という状態を認めないのに対し、遺伝子が染色体であり同時にDNAであることを否定する理論がないからでしょう。

 単純には確かに、そのとおりです。そこは認めときますから誤解なきように。
 ただ、以下の点は御理解いただきたい。

 3つの言葉、というより概念は階層というか、分類というか、種類が違うものです。各用語についてはwikiでも事典にでも載ってますから。

 遺伝子 遺伝を担う何らかの実体(本来の意味)
   現在ではこの実体の正体がわかっているのでDNAやRNAと同義に使われることも多い
   (RNAを遺伝子とするものはウイルスの一部にいる)
 染色体 遺伝を担う実体と判明したもので、核酸とタンパク質の複合体。
   (本来は、)細胞分裂期に現れる構造体。つまり核酸とタンパク質の複合体である「染色体」の細胞分裂期における状態のもの。
   ゆえに、原核細胞やウイルスなど上の2つの意味での「染色体」を持たない生物も多い。
 DNA デオキシリボ核酸の略称。化学用語としてはこの意味のみ。
   当然ながら、遺伝子ではないDNAも多数存在する。

 Kenさんが使った文だと、それぞれの最初に示した意味で使っていることになるはずですが、よろしいでしょうか?

 [>>668]の染色体破壊実験は、「染色体の正体は何か?」という設問に答えるための実験であり、その結果、「染色体の正体はDNAだった」と判明したものです。そこで染色体であることとDNAであることを対立仮説とする人はいませんよ、普通は。

  ・厳密には、染色体の部品の重要なものがDNAだったので、染色体=DNAではないが。
  ・染色体は遺伝を担う機能を持つ。DNAは遺伝を担う機能を持つ。
   (遺伝子とは「遺伝を担う機能をもつモノ」につけられた名前)
  ・遺伝子を「遺伝情報を伝えるモノ」と定義するなら、染色体は遺伝子とは呼びにくい。
   (情報を伝えないタンパク質などの部分も持つので)

680Ken:2020/09/08(火) 22:49:42 ID:Vt0Ycb5Y
まず、基本的な点から。私は>>669で「間違った理論」と「疑似科学」は異なると述べ、>>673で同意をいただきました。そして本スレッドの主題は疑似科学ですから、

>素粒子実験でビックバン以前の超高密度宇宙を再現してみたら熱力学第2法則が破れていた(>>677
>現在において「観測事実とは異なっているのではないか?」という疑いを私は持っています。(>>678

このように、熱力学の第2法則が「間違った理論」である可能性を論じても本論を外れます。むろん、あらゆる自然科学理論と同様、第2法則も新しい発見の結果否定されるかもしれません。ただし、

>ニュートン力学からも量子力学からも相対性理論からも導くことができていません。
>やむなくこの観測事実をそのまま法則化しているのです。
>遠い過去では、観測事実からは第2法則が成立していないということは十分に可能なのです

そうでしょうか? むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。いずれにせよ、疑似科学とは別の問題でしょう。第2法則には、観測事実との矛盾ではなく、

(1)エントロピーは常に増大する
(2)ゆえに過去にエントロピーの極小状態が存在した
(3)ゆえにエントロピーの極小状態が生じた
(4)ゆえに(1)と矛盾する

という、論理的な自己矛盾(=疑似科学)があるのです。そうではない説明としてdiamonds8888xさんは、

>p2-2) 全宇宙の外からの影響で生じた。(宇宙が無限)
>p2-3) どこからも生じたのではなく、単に存在していた。(過去が無限に続いているという考えが間違い)

を挙げられました。これはしかし、ご自身が言われるように、

>観測ではちょっと証明するのが極めて難しそう

ですし、それ以前に、無限の宇宙とか、無限に続かない過去(因果関係がどこかで切れるという意味ですね)とは、どんなものなのか、イメージの具体化ができないのでは?

もしも、p2-2やp2-3のような可能性を挙げるだけで疑似科学ではないと主張できるのなら、基準05によって疑似科学と判定される理論などなくなると思われます。例えば基準違反として挙げられたこの例ですが。

〜この矛がこの盾を貫く、かつ貫かない

ご存知のように、量子の世界では、ある物体がある障壁を貫通した状態としなかった状態が並立します(トンネル効果)。量子で起こることが矛と盾で起こらないのは、量子に比べて矛と盾が大きすぎるからですが、「大きすぎる」と判定する基準は何かといえばプランク定数でしょう。つまり、量子なら位置の不確定量が障壁をまたぎうるが、矛と盾ではそれは起こりません。しかし、もしプランク定数が現在の観測値よりも十分に大きくなれば、矛と盾のトンネル効果は起こるはずです。

むろん、大きなプランク定数など1つの観測例もありません。でもそれは、無限大の宇宙も、因果律の断絶も、同じです。矛と盾を基準05違反の例に挙げながら、熱力学の第2法則はそうでないと主張するのは、一貫性がないと思えるのですが。

681diamonds8888x:2020/09/11(金) 05:37:26 ID:Qix9q/lA
>>680
 熱力学の第2法則はKenさんの基本的な考えがわかる良いテーマでした。ご想像の通り、それは私の考えとは違いますが、それをわかりやすく説明しようとすると熟慮を要します。おっしゃる通り「基本的な点」であり、基本的な理論ほど、その一歩奥は非常に難しくなるものです。数学基礎論がいい例ですが。

 というわけで私が説明を考えている間に、Kenさんが量子力学をどう考えているのかの話を楽しみにしていますのて、よろしく。

682diamonds8888x:2020/09/11(金) 05:48:14 ID:Qix9q/lA
>>680, >>681
 同意している点をひとつだけ述べておきますが、「間違った理論」と「疑似科学」は区別している、という点は同意です。ただし具体的に区別する際に2人の間に違いが出てきているのですよね。その大きな理由が[>>680]で説明していただいた「基本的な点」の認識にあると思われます。


>基準05によって疑似科学と判定される理論などなくなると思われます。

 もちろんです。基準05は「(科学的であると自負するならば)まさかこれに違反する理論を提出するような人はいるはずないよね」というものです。「けど、だからこそ、誰もが納得する疑似科学の基準として良い例になるよねえ」というつもりで提出しました。ところがKenさんから思わぬ批判が飛び出して、非常に驚いている次第なのです。

 そもそも(科学的であると自負する人)の提出する理論だったら、本来は疑似科学と判定される理論などゼロであってしかるべきなのですよ。

683Ken:2020/09/12(土) 12:58:05 ID:Vt0Ycb5Y
>>679
>染色体であることとDNAであることを対立仮説とする人はいませんよ、普通は。

その一方で、古典力学では粒子説と波動説は対立関係にあると考えられていました。その違いはどこから来たのか、そして量子力学では対立関係がどうなったのか。それをこれから論じてゆきます。ただし、その前に、熱力学の第2法則の問題を片付ける、ということでよいでしょうか?


>>682
>基準05は「(科学的であると自負するならば)まさかこれに違反する理論を提出するような人はいるはずないよね」というものです。

本当に、基準05に違反する理論が出てこないなら、基準05は適用されることがない、つまり存在理由のない基準になることでしょう。ただし、

>科学的であると自負するならば

という点が問題で、疑似科学理論を出してくる人の中には、主観的には科学的だと自負している人がいるし、だから客観的な基準が必要というのが、diamonds8888xさんの主旨ではないでしょうか。

684diamonds8888x:2020/09/13(日) 09:40:19 ID:Qix9q/lA
>>683
>ただし、その前に、熱力学の第2法則の問題を片付ける、ということでよいでしょうか?

 できれば同時並行で論じてください。熱力学の第2法則の問題も簡単には片付かないでしょうし、量子力学についてのKenさんの考えがわかれば、第2法則についての考えの共通点なりもわかり、相互理解が早くなるはずです。

 【訂正】できればではなくて、ぜひ努力してください。

>本当に、基準05に違反する理論が出てこないなら、基準05は適用されることがない、つまり存在理由のない基準になることでしょう。

 もちろん出てくる可能性はあります。間違いは人の常ですから。間違う可能性がある限り、どんなに当たり前に思えても、基準の存在理由はあります。「人は殺しちゃだめ」がいい例です。それとも科学の範囲ならばユークリッドの公理とか。

>疑似科学理論を出してくる人の中には、主観的には科学的だと自負している人がいるし、だから客観的な基準が必要というのが、diamonds8888xさんの主旨ではないでしょうか。

 そのとおりです。

685Ken:2020/09/13(日) 17:37:12 ID:Vt0Ycb5Y
このスレッドの議論は容易ではなく、誤解や行き違いを生じないように、私たちは慎重に進めてきました。慎重に進めるための1つの工夫として、疑似科学の判定基準を一括して論じるのではんく、基準01、基準02と分けて整理し、1つの基準の議論が終わってから次に進む形を取ることにしました。それどころか、基準01の議論が難しくなりすぎたと判断したら、これを保留して基準05を先にやることに決めたのは、ご承知のとおりです。それを思えば、2つの問題を並行で論じるのは、極力避けたいのです。ただし、

>量子力学についてのKenさんの考えがわかれば、第2法則についての考えの共通点なりもわかり、相互理解が早くなるはずです。

それなら、こうしてはどうでしょうか。

まず私が量子力学が「粒子説vs波動説」問題にどう影響するか、考えを述べます。その説明に不明な点があれば質問してください。ただし、私の考えが明らかになったら、そこにdiamonds8888xさんの考えを出して議論を始めるのは、熱力学第2法則が片付いてからにしては、どうでしょうか?

これなら2つの問題を同時並行に進めることはなく、かつ私の考えも理解していただけるのではないでしょうか。

686diamonds8888x:2020/09/16(水) 05:50:49 ID:Qix9q/lA
>>685
 それでいいです。よろしくお願いします。

687Ken:2020/09/17(木) 23:23:30 ID:2bVYpmOE
それでは、粒子と波動の背反関係が、量子力学でどのように認識されるかを語りますが、その前にまず、「粒子とは何か」「波動とは何か」を明らかにしておきます。

光の正体論争の中で粒子説論者は「真空を伝わる」「回折現象を示さない」という特徴を粒子説の根拠に挙げました。しかし、これらは粒子の定義ではなく、粒子ならそのような特徴があるはずと考察された属性であり、考察次第で粒子固有の属性ではなくなるでしょう。現に波動説論者は、波動でもそのよう特徴を示しうると主張しました。波動説論者が根拠に挙げた「屈折する」「交差する」も同じで、これらは波動の定義そのものではありません。だから、粒子でもそういう属性を持ちうると反論されたのです。

では、粒子と波動の根本的な定義はなんでしょうか。属性を考察するには、まず、あるものを「粒子」として、あるものを「波動」として、認識せねばなりませんが、何をもって認識するのでしょうか?

私はこう考えます。粒子の基本定義は「離散性」にある、と。

物理学においては、天体も粒子です。大砲の砲弾も、ニュートンのリンゴも、デモクリトスが認識したアトムも粒子です。粒子とは離散的な「かたまり」で、「かたまり」としての大きさを持ち、質量をもち、エネルギーを持ちます。粒子のエネルギーとは、運動エネルギー(mv²/2)や位置エネルギー(mgh)などです。

波動は離散的なものではありません。波束のような離散的存在もありますが、それは複数の波の合成がそのように見せかけるだけで、波動自体は離散的な存在としての属性をもちません。このことは数式から明らかで、例えば、音の伝播を表す方程式はこのようになります。

ρ∂²χ/∂t² = -dP/dρ ∙ ∂²χ/∂x² (ファインマン物理の47.4、47.9、47.12式から:www.feynmanlectures.caltech.edu/I_47.html)

この中のρは質量ではなく密度つまり体積あたりの質量なのです。粒子なら「かたまり」としての質量(m)が定義されますが、波動はそうなりません。エネルギーも同様で、波動に現れるエネルギーとは、媒質の部分単位に注目し、その部分がもつ運動エネルギーや弾性エネルギーになります。エネルギーの密度と考えてもよいでしょう。

ただし、粒子の定義は離散性ですが、波動の定義は連続性ではありません。波とは関係ない連続体もありますから。では波動の基本定義は何かといえば「周期性」だと思います。同じ間隔で同じ変化を繰り返すことです。周期には、特定の位置で動きを繰り返す時間的周期と、時間を止めて一定の座標間隔で繰り返す位置的周期があり、どちらも三角関数で表現されます。

ここで、粒子と波動の背反関係が問題になります。粒子と波動の定義が、

〜粒子は離散的なもの、波動は周期的なもの

であるなら、これだけでは背反関係は成立しません。古典力学で背反関係が成立したのは、粒子と波動の属性を考察した結果、例えば、

〜粒子では質量移動が起こるが、波動では起こらない

のような違いがあると分かったからです。


この離散性という粒子の定義こそ、20世紀に光が粒子と再認識された理由でした。

(続く)

688Ken:2020/09/18(金) 22:02:58 ID:2bVYpmOE
量子力学で光が粒子と認識されるのはなぜか。事象を挙げて説明します。

目の前で猛烈な火が燃えている状況を考えてください。耐え難い熱さで、輻射熱だけで火傷を負いそうな火です。一方、好天の日に日光浴をすることを考えてください。適度な日光なら快適に過ごせるでしょう。身に浴びるエネルギーは火の方がはるかに大きいのです。ところが、それほど火のエネルギーは大きく日光は小さいのに、日光では起こるが、火では起こらない現象があります。

それは日焼けすることです。皮膚組織に色素を作る化学反応が起こることです。

いくら輻射エネルギーが大きくても、火で日焼けは起こりません。生命が危険なほどの熱でも、日焼けは起こらないのです。

量子力学では、この現象を、光が離散的な「かたまり」であることで説明します。つまり、ここで問題になるのは、光の「かたまり」の1つ1つが持つエネルギー量なのです。それが周波数にプランク定数をかけた値(hν)なのはご承知のとおりです。

身体が受けるエネルギーの総量も、面積あたりの密度も、火の方が大きいのですが、火の赤い光は、1つずつの「かたまり」が持つエネルギーは小さく、ただ大量の「かたまり」を放出することで、全体量が大きくなります。でも、それで日焼けは起こりません。対して日光に含まれる紫外線は、1つの「かたまり」が持つエネルギーが大きいので、「かたまり」の数は少なくても日焼けを起こします。

日焼けを説明するには、光が離散的な「かたまり」つまり粒子であると考えねばなりません。

同様の例は日焼けだけではありません。

光が目に見える現象もそうです。波長が特定範囲の電磁波が可視光線ですが、量子力学では、これは光の1つの「かたまり」のエネルギーが特定の範囲にあることを意味します。赤外線は目に見えませんが、もし問題になるのがエネルギーの総量や密度なら、赤外線の強さを調整すれば見えるはずです。でも「かたまり」のエネルギーが可視光線より小さい赤外線ではだめなのです。

写真が写る現象もそうです。フィルム上で所定の化学反応を起こすには(CCDカメラなら所定の電荷を生じるには)、入射光の波長が、つまり「かたまり」のエネルギーが、特定の範囲になければなりません。昔の写真店が赤い照明の暗室で現像を行なったのは、余計な反応が起こらないように、できるだけ赤外線に近づけるためでした。

日焼けをするのも、ものが見えるのも、写真が写るのも、光が粒子であることの現われなのです。

(続く)

689Ken:2020/09/19(土) 01:18:48 ID:2bVYpmOE
粒子と波動の関係はどうなるでしょうか。例えば、光の粒子性と波動性を、同時に観測できるでしょうか?

光の「かたまり」を「かたまり」として観測はできません。しかし、ものが見えたり写真に写ることが光の粒子性を示すのだと解釈すれば、話は異なります。

例えば2重スリット実験では光が干渉縞を作り、それを目で見ることも写真に写すこともできます。これは、目に見える/写真に写るという粒子的特徴と、干渉縞を作るという波動的特徴を、同時に観測しているとは言えませんでしょうか?

あるいはまた、天文観測で遠方の銀河が赤方偏移を起こすことが観測され、写真にも取られています。赤方偏移は遠ざかる波源が起こすドップラー効果ですが、これも光の波動的特徴でドップラー効果が起こり、粒子的特徴で写真に写るのだと、つまり粒子と波動の特性が同時に観測されると言えませんか?

観測については以上のようであるとして、光が粒子であり同時に波動であることは、理論的にはどう整合されるのでしょうか? ファインマン物理の38章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_38.html)でそれが説明されていますが、私が理解した内容は以下のとおりです。

やはり光は粒子なのです。ただし量子サイズの粒子なので不確定性原理が働き、粒子の位置を特定できません。ただし特定できないといってもランダムではなく、どの位置にどれだけの確率で存在するかは、厳密な法則に従うのです。第1節(38–1 Probability wave amplitudes)の3つ目の段落に登場する式が、量子の存在確率を表現します。

e i(ωt - k⋅r) (i以下はすべてeにかかる乗数)

指数関数で表現されてますが、eの乗数が虚数なので、これは三角関数つまり波を表す関数と同じです。量子が粒子であり同時に波動であることを説明すればこうなるでしょう。


まとめると、光が粒子であり同時に波動であるという、古典力学では疑似科学と判定される理論が、量子力学では、観測と理論の両面で支持されることになります。


私からの説明は以上です。不明な点があれば指摘してください。

690diamonds8888x:2020/09/20(日) 10:01:57 ID:Qix9q/lA
>>687,>>688,>>689
 明らかなことなので質問には含めませんが、波と粒子の定義はKenさんオリジナルの考えであり、他の人による出典はないと理解しています。

 全体としては理解しました。不明点は以下の3つです。
  [>>687]に2つ。内容に関するもの。
  [>>688]に1つ。本論には関係ないもの。敢えて答えなくてもいい。
 質問ではなくコメントです。これは別発言にて。
  [>>688]に1つ。私の理解のまとめ。


【*第1[>>687]】
  「質量移動が起こるか起きないかの違いは、属性であって本質的なもの(定義)ではない」と理解していいのですか?
  定義はあくまでも、「離散性」と「周期性」ですね?

【*第2[>>687]】
  波動とは「周期性」を持つものである、と定義するとしたら、例えば以下のものはどう分類するのでしょうか? または、どう位置づけるのでしょうか?
   ・天体の日周運動や年周運動
   ・氷河期の繰り返し
   ・動かない縞模様(トラや豹の模様など)

【*第3[>>688]】
  内容は私の知識と一致してますので私自身はよく理解できます。量子力学や物理学をよく知らない人向けには一般的な事例を上げて説明するというよく使われる説明方法であることもわかります。
  ただ、ある程度物理や量子力学を知っている人に対してはもっと短い説明も可能だと思います。例えば次のように。

   ----------
 光が物質に及ぼす物理作用や化学作用は、光の波長により性質が異なるが、同じ波長であれば強さ(明るさ)が違っても起きる反応そのものが変わることはない。量子力学では、この現象を、光が離散的な「かたまり」であることで説明する。
 (以下略) 若干の例と、プランク理論であることの紹介とか・・。
   ----------

 ある程度物理や量子力学を知っている私に対する説明として、わざわざ3つもの事例を上げて説明したのはなぜなんでしょうか?

  ・単にそういう説明が得意なだけ
  ・Kenさん自身が上記のような簡単過ぎる説明では納得できない
  ・その他、私の想像できない理由

691diamonds8888x:2020/09/20(日) 10:03:16 ID:Qix9q/lA
>>687,>>688,>>689,>>690
[>>689]の私の理解をまとめました。

   ----------
 ものが見えたり写真に写ることが光の粒子性を示すのだと解釈すれば、光は本来は粒子である。(>>687の定義から)。
 ただし量子サイズの粒子なので不確定性原理が働き、粒子の位置を特定できない。
 その粒子の位置の存在確率は波動関数で表される波動である。
 まとめると、光の本質は離散した「かたまり」である「粒子」なのだが、「粒子の位置の存在確率」は波動である。
   ----------

以上です。

692Ken:2020/09/21(月) 20:21:38 ID:2bVYpmOE
>「質量移動が起こるか起きないかの違いは、属性であって本質的なもの(定義)ではない」と理解していいのですか?
>定義はあくまでも、「離散性」と「周期性」ですね?

はい、私の理解はそういうものです。

>・天体の日周運動や年周運動
>・氷河期の繰り返し
>・動かない縞模様(トラや豹の模様など)

周期性というからには、単に「増えたり減ったりする」とか「現れたり消えたりする」だけでなく、同じ周期で同じ変化を繰り返す必要があります。そうなると上の3つのうち2番目と3番目は該当しないでしょう。すくなくとも、氷河期や縞模様が同じ周期で現れるという理論を私は知りません。

ただし周期的でないという断言もできません。

氷河期については、何をもって氷河期と見なすかにもよるのでしょうけど、もし過去の「氷河期」が8万年、23万年、16万年・・・といったような一見不規則な間隔で起こったとしても、そこには、より大きな単位での周期があるかもしれません。縞模様も同じです。数式で表現すれば、

x = A cos ωt

のような単純な波形ではなく、

x = A1 cos ωt + B1 sin ωt + A2 cos 2ωt + B2 sin 2ωt + A3 cos 3ωt + B3 sin 3ωt + ・・・

のような級数になるものです。重要な点は、周期的な波動を起こすのは単振動で、単振動を起こすのは釣り合い位置からの変位に比例する復元力ということです。氷河期や縞模様の出現にそのようなメカニズムがあると明らかになれば、どちらも波動と見なせるでしょう。

天体の周回運動は間違いなく周期的で、時間に沿って座標を記録すれば、きれいな波形になるでしょう。

>わざわざ3つもの事例を上げて説明したのはなぜなんでしょうか?

今回に限らず、私の説明が冗長になっているのは承知してますが、ひとえに行き違いを起こさないためです。つい最近も、私が遺伝子の例を出した意味が当初は伝わらなかったようですし、これからも「くどい」と思われる説明になるかもしれません。

693diamonds8888x:2020/09/27(日) 05:52:02 ID:Qix9q/lA
>>692
> >わざわざ3つもの事例を上げて説明したのはなぜなんでしょうか?

> 今回に限らず、私の説明が冗長になっているのは承知してますが、ひとえに行き違いを起こさないためです。

 了解しました。本筋ハズレのつまらない質問でお手数おかけしました。

694diamonds8888x:2020/09/27(日) 05:57:13 ID:Qix9q/lA
>>692
 もしも追加説明をするつもりだったのでしたら早とちりで申し訳ないのですが、

>天体の周回運動は間違いなく周期的で、時間に沿って座標を記録すれば、きれいな波形になるでしょう。

 これは、天体の周回運動も「波動」の定義に当てはまるということでょうか?
 つまり天体の周回運動も「波動」に含むということでょうか?


>氷河期については、何をもって氷河期と見なすかにもよるのでしょうけど、

 そのとおりですね。地球の気温変化としておきましょう。
 すると四季の気温変化が含まれますが、これは天体の周回運動によるものですから、もしも天体の周回運動も「波動」に含めるならば、四季の気温変化も「波動」に含まれると考えてよろしいですか?
 でも数千年スケールの変化は「単振動的な周期のメカニズムが認められないうちは」波動には含めない、と理解すべきなのですか?

>そうなると上の3つのうち2番目と3番目は該当しないでしょう。

 3番目の「・動かない縞模様(トラや豹の模様など)」は「変化を繰り返す」に当てはまらない、つまり時間的に何も動いていなければ、それは「波動」に含まれないということですね?
 ならば、その点は了解しました。「波動」は時間的変化の要素を含んでいるものである、ということですね。
 私も静止している縞模様などは「粒子説vs波動説」の文脈での波動に含めない方がよいと思います。ただ、そうすると以下の文章の意味を確認したいのです。

>同じ間隔で同じ変化を繰り返すことです。周期には、特定の位置で動きを繰り返す時間的周期と、時間を止めて一定の座標間隔で繰り返す位置的周期があり、どちらも三角関数で表現されます。

 この「時間を止めて一定の座標間隔で繰り返す位置的周期」というのは縞模様などを指すのではないと思いますが、この文章で言いたいことは何だったのでしょうか? 解釈によっては縞模様なども波動に含めると読めてしまいそうなのですが、そうではないのですね?

695Ken:2020/09/27(日) 13:01:17 ID:2bVYpmOE
>>694

波動の定義を平易な言葉で表現すれば「周期性」となるのでしょうけど、より明確な数式で表現すれば、34章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_34.html)の7節(The ω,k four-vector)に登場する関数になるかと思います。その式には番号がふられていませんが、(34.19)と(34.20)にはさまれた段落の最初の行に、

cos (ωt - k⋅r),

とあり、この中のkとxは太字になってることで分かるようにベクトルです。そのベクトルを3次元の要素に分解したのが、直後の式です。2つの式から分かるように、rはx, y, z座標を統合したものです。

ωは角振動数、tは時間ですが、kは式の直後で説明されてるように、距離による位相変化の割合で、kとrはωとtと同じ関係にあります。

このことから波動には、少なくとも物理学でいう波動には、時間的変化と位置的変化があり、両者が線形結合してるということは、時間的変化だけの波も、位置的変化だけの波も、そして両者の結合も存在するということでしょう。たとえば時間的変化だけの波動は単振動で、同じ位置で周回する天体はその1例であるし、縞模様は、もしも周期性があるなら、つまり同じ周期で繰り返すのなら、位置的変化だけの波動だと思います。音や光は、その両方をもつ波でしょう。

「動かない縞模様」は波動とは思えないと私が言ったのは、時間的変化を含まないからではなくて、同じ周期で変化を繰り返すのか分からないからです。もしも同じ周期で位置的変化を繰り返すのなら、上に挙げた式のω=0の場合つまり

cos k⋅r

で、というより縞模様が1方向にだけ広がるならベクトルではなく、

cos kx

と表現されれる波動になるかと思います。

これで回答になってますでしょうか?

696Ken:2020/09/27(日) 16:53:06 ID:2bVYpmOE
すこし説明が足りなかったかもしれません。

>天体の周回運動も「波動」に含めるならば、四季の気温変化も「波動」に含まれると考えてよろしいですか?

四季の「基本的な」変化は波動だと思います。ただし、いうまでもなく四季の気温変化は地球の公転だけの反映ではなく、複雑な気象条件で変わりますから、まったく同じパターンをとるわけではありません。

例えば、振り子は単振動(=時間的変化のみの波動)ですが、風の中でゆれる振り子は複雑な動きをするでしょう。そういう振り子の動きは、釣り合い位置からの変位に比例する復元力で加速される基本成分と、風の力で加速される成分の合成になります。通信でいうところのシグナルとノイズとみなすこともできるでしょう。

四季の気温変化も同様で、地球の公転で変わる太陽光線の入射角に依存するシグナル成分と、気象条件の影響を受けるノイズ成分の合成と考えればよいのではないでしょうか。


>「時間を止めて一定の座標間隔で繰り返す位置的周期」というのは縞模様などを指すのではないと思いますが、この文章で言いたいことは何だったのでしょうか?

>>695で紹介した式の「ω = 0」の場合です。

697diamonds8888x:2020/10/03(土) 05:19:48 ID:Qix9q/lA
>>696, >>695
まとめると、以下の理解でよろしいですか?

 天体の周回運動、季節変化や氷河期の繰り返し、トラの縞模様、はすべて波動に含める。
 ただし、単一周波数や単一波数がその中に認められるならばという条件のもとで。
 あまりに複雑で単純な繰り返しが認められないものは波動には含めない。

698diamonds8888x:2020/10/03(土) 05:21:09 ID:Qix9q/lA
>>696, >>695
こちらはKenさんの知識背景に関する質問ですので別発言にします。

 以前の恐竜の力学関連の議論で、Kenさんは数式がわかり、数式で理解する努力を厭わない人だと思いました。とはいえ物理や他の自然科学における数式については、数学的理解も必要ですが、そこに出てくる変数の物理的意味というものも重要であることは同意していただけると思います。ちょっと以下の質問をします。

 「波数」という言葉はご存知でしたか?
  もしご存知でなかったら調べてみてください。

 フーリエ変換についは以下のどれが当てはまりますか?
 1) 仕事や深い趣味の中で扱ったことがあった。
  または、扱えるくらいには理解していた。
 2) 公式は知っていたが、あまり使ったことはない。
 3) 名前くらいは知っていたが、あまりよく知らなかった。

 何を常識的なことをとお感じでしたらごめんなさい。というか、それならば嬉しいのですが。

699Ken:2020/10/03(土) 09:52:49 ID:9Z8oYPi.
これまでに波動を表す関数を2度紹介しました。>>689の「e i(ωt - k⋅r)」と>>695の「cos (ωt - k⋅r)」です。指数関数と三角関数になってますが、ファインマンは同じものとして扱います。この中の「k」が波数(wave number)です。ファインマン物理での初登場は29章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_29.html)の3節「29–3 Sinusoidal waves」になります。

機械工学科の出身なのでフーリエ変換は教わったはずですが、30年もたつと教授の顔すら思い出せません。現在の知識はファインマンで読んだものです。フーリエ変換は25章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_25.html)の2節で初登場しますが、最も重要な級数展開は50章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_50.html)の2節「50–2 The Fourier series」で説明されています。このような教科書で書かれていることなら理解しているつもりですが、仕事で使う機会はありませんでした。(社会人になって数年で情報部門に転じました)

>天体の周回運動、季節変化や氷河期の繰り返し、トラの縞模様、はすべて波動に含める。
>ただし、単一周波数や単一波数がその中に認められるならばという条件のもとで。
>あまりに複雑で単純な繰り返しが認められないものは波動には含めない。

その説明でよいと思います。ただし

〜単一周波数や単一波数がその中に認められる
〜あまりに複雑で単純な繰り返しが認められない

という部分は誤解を生じないよう慎重を要するでしょう。>>692でフーリエ級数を出しましたが、単一の周波数や波数でなく、どれだけ複雑な波形でも、繰り返しがあれば波動です。さらに言えば、トラの縞模様などに繰り返しが観測されなくても、縞模様が顔で始まり尾で終わるなら、それを基本波長と見なす「強引な」定義がありうるし、実際にそうして縞模様の周波数分析をする人がいるかもしれません。


お尋ねがあったことにはお答えしますが、光の波動性は干渉縞やドップラー効果から明らかで、粒子と波動の背反関係の有無を考察するのに必要なのは、20世紀に明らかになった、光の粒子性であることは、同意いただけるでしょうか?

700Ken:2020/10/03(土) 11:43:40 ID:9Z8oYPi.
>数学的理解も必要ですが、そこに出てくる変数の物理的意味というものも重要

それで1つ思い出しました。数式の数学的理解と物理的理解の違いについてです。

ご承知かと思いますが、本来のオイラーの公式(ja.wikipedia.org/wiki/オイラーの公式)では、

e i(ωt - k⋅r) = cos (ωt - k⋅r) + i sin (ωt - k⋅r)

となります。これが数学的理解ですが、現実世界に複素数的な存在はないから、物理的理解としては、

e i(ωt - k⋅r) = cos (ωt - k⋅r)

と考えるのがファインマンの論旨と理解しています。そうまでして指数関数を用いるのは、三角関数よりも取り扱いが容易だからです。23章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_23.html)の1節「23–1 Complex numbers and harmonic motion」の2つめの段落が、それを説明した最初であると思います。

701diamonds8888x:2020/10/04(日) 14:45:25 ID:Qix9q/lA
>>699
 フーリエ変換の理解についてはわかりました。

 そのファインマンの趣旨は詳しく読んでいませんので勘違いでしたらごめんなさいですが。

>この中の「k」が波数(wave number)です。

 「k」の物理的意味は何らかの量子力学的な物理量を指しているのではないかと思います。もっと広い範囲の、波動一般における波数の意味を述べてください。例えば「周期」なら、「時間的な繰り返しの長さ」でいいですよね?


>トラの縞模様などに繰り返しが観測されなくても、縞模様が顔で始まり尾で終わるなら、それを基本波長と見なす「強引な」定義がありうるし

 どうも観察事実の解釈が私とKenさんとで異なるようなのですが、例えば以下のように様々なトラジマがあります。

ttps://www.google.com/search?q=%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%AE%E7%B8%9E&client=firefox-b-d&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=2ahUKEwjN8bbwm5rsAhWXdXAKHWiBDFcQ_AUoAXoECAwQAw&biw=1276&bih=801

 例えばこれなんかは、中央に横方向への4つ〜7,8つの繰り返しが見えるのですが、そうは見えないでしょうか? 人によっては写真全体で繰り返しがあるといいそうですが。
ttps://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=25562004077


>>700 のような感想もあるかとは思いますが、本筋には関係ないでしょうから答えなくてもいいですね?

702Ken:2020/10/04(日) 20:57:44 ID:UBlDZ10g
波数(k)が何であるかは>>695で「距離による位相変化の割合」と述べましたが、これでは不足でしょうか?

cos (ωt - k⋅r)

という式が語っているのではありませんか? (ωt - k⋅r)はコサインの引数だから位相で、単位はラジアンです。ωtとk⋅rは線形結合してるから、どちらもラジアンです。そしてr(x,y,zの統合ベクトル)は距離ですから、kは一定の距離で起こる位相の変化量で、単位はラジアン/メーターになります。

音や光のような最も一般的な波は、変位(音なら気圧、光なら電磁場の強さ)が高低を繰り返しながら、空間を伝わってゆきますよね。つまり時間が経っても位置が動いても位相は変わるので、tとrの関数になります。同じ位置に留まって(k=0)時間的変化だけを見れば、cos ωtという単振動になるし、時間を止めて(ω=0)位置的変化だけを見ればcos k⋅rという静止した波模様になります。例えばオシロスコープはcos ωtのような時間的変化をcos k⋅rという静止した波模様(正確には1次元だからcos kx)として見せてくれます。

これでも

>もっと広い範囲の、波動一般における波数の意味

になっていないのなら、どういう説明をするべきなのか、提示していただけませんでしょうか?

>例えば「周期」なら、「時間的な繰り返しの長さ」でいいですよね?

上で述べたことから、周期には時間的なものと位置的なものがある、と考えるべきと思います。ωtとk⋅rが線形結合してるということは、時間的変化と位置的変化は、同じレベルで波動の造形に寄与します。

時間的周期:2π/ω
位置的周期:2π/k

>例えば以下のように様々なトラジマがあります。
>例えばこれなんかは、中央に横方向への4つ〜7,8つの繰り返しが見えるのですが、そうは見えないでしょうか? 人によっては写真全体で繰り返しがあるといいそうですが。

私が波動における「繰り返し」というのは、同じパターンの変化を、時間であれ位置であれ同じ間隔で、繰り返すことです。例えば第50章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_50.html)のFig.50–1の(b)を見てください。1周期の中では不規則に見えるが、それでも同じパターンの変化が繰り返されているでしょう。(a)にはそのような繰り返しがありません。図の説明に(a)は「NOISE」、(b)は「A MUSICAL TONE」とあります。ここでのMUSICAL TONEは>>696で私が「シグナル」と呼んだものと同じです。

ですから、この場合、トラの縞模様の細部に注目しても意味がありません。どれだけ不規則に見える変化でも、その不規則変化が繰り返されるなら波だと言いました。私が知る限りで、トラの模様にそういう繰り返しがあるという話を聞いたことがないので、>>692で波動には該当しないと思うと言いました。ただし、私はトラの縞模様が作られるメカニズムを知りませんので、もしかすると気温変化のように、シグナルにノイズが入っているだけかもしれない(つまり縞模様は波かもしれない)し、1つの解析手法として、縞模様がある顔から尾までを1波長と定義すれば、単純なフーリエ解析をすることで、ノイズを含まない、シグナルだけの波動として表すことはできるでしょう。

ところで>>699の末尾でも尋ねましたが、波動に関するこのような議論は、本題である「粒子と波動の背反性」を論じるのに必要なのでしょうか? 光の波動性は干渉縞や赤方偏移で明らかなのではありませんか?

703Ken:2020/10/05(月) 00:51:16 ID:UBlDZ10g
>>701

>「k」の物理的意味は何らかの量子力学的な物理量を指しているのではないかと思います。

量子力学的な物理量? それは量子力学では定義されるが、古典力学では定義されない、という意味でしょうか?
でも波数kは古典力学的な波だろうが、量子の存在確率を表す波だろうが、定義できますよね。

それとも量子のエネルギーhνと関連した話ですか?

k = 2π/λ (λは波長)
c = λν  (cは波の伝播速度)

ですから、

量子のエネルギーhν = hc/λ = kch/2π = kcħ

つまり波数に光速と換算プランク定数をかけた値が、量子のエネルギーということでしょうか?

704diamonds8888x:2020/10/05(月) 05:53:26 ID:Qix9q/lA
>>703,>>702
 長々と煩わしいかも知れませんか、同じ言葉を使っていて実はその意味は違うものを思い浮かべていたのでは議論がすれ違いますから、そこをすり合わせるのは大切ではないでしょうか? すり合わせるというよりは、相手の使う言葉はこんな意味なんだと正しく受け取るための、ここしばらくのやり取りですので、しばしお願いします。

>>703
>でも波数kは古典力学的な波だろうが、量子の存在確率を表す波だろうが、定義できますよね。

 もちろんです。そういう前提での「波数」ならば、それで結構です。私と同じ解釈ですから。

>>702
>どういう説明をするべきなのか、提示していただけませんでしょうか?

 ざっと検索すると、コトバンクが単純でいいですかね。私の説明は、さらに以下を参照してください。
 ttps://kotobank.jp/word/%E6%B3%A2%E6%95%B0-114365

>周期には時間的なものと位置的なものがある、と考えるべきと思います。

 それはその通りですが、ある文章の中で「周期」が両方の意味を含むのか、時間的意味だけを含むのかは文脈によりますから、「両方の意味を含む意味にしか使ってはいけない」ということではありませんよね?

 通常、物理科学の中では以下の使い分けをしているはずです。

周期 時間的繰り返しの間隔 単位は例えば[s]、次元は[時間]
波長 空間的繰り返しの長さ 単位は例えば[m]、次元は[長さ]
周波数 単位時間内の波の数(繰り返しの数) 単位は例えば[s-1]、次元は[1/時間]
波数  単位長さ内の波の数(繰り返しの数) 単位は例えば[cm-1]、次元は[1/長さ]

 上記の定義で明らかですが、周波数=1/周期、波数=1/波長、なので、相方の逆数を定義としていることもあります。


>>702
トラジマについてです。

 私には、「黒+黄色」の1対のパターンが多数繰り返しているように見えます。「トラの縞模様の細部に注目」すれば、各パターン同士には微妙な違いは確認できますが、この程度の差異なら荒れた海の波でもあると思えるのですが、そういう解釈は納得できませんか?

705diamonds8888x:2020/10/05(月) 05:56:00 ID:Qix9q/lA
>>702,>>704

 同じもの(例えばトラジマ)を見ているのに、方や波動だ、方や波動ではない、というのでは意思疎通が難しいでしょう?

706diamonds8888x:2020/10/05(月) 07:00:21 ID:Qix9q/lA
>>705
 私には、トラジマは干渉縞とよく似て見える、と言えば、私の感覚がわかっていただけるでしょうか?

707Ken:2020/10/08(木) 00:03:54 ID:2bVYpmOE
問題は言葉の定義ということでしょうか?

*波数

ウィキペディアの記事(ja.wikipedia.org/wiki/波数)によると、波数の定義は、

物理化学や分光学では、1/λまたはν/c
波動力学では、2π/λ

とあります。そうであるなら、この場では2π/λという定義に統一するしかありません。議論の土台が波動力学を含む力学なのですから。それに物理化学や分光学を専攻した人なら、その前に高校か大学教養課程で力学を学んだ時、2π/λの定義を見たはずです。もともとカリフォルニア工大の1、2年生を相手にしたファインマンの講義は、まさしくそれに該当しますが、波数の定義は2π/λしかでてきません。

* 周期

周期(period)は時間的変位を繰り返す間隔として用いられ、位置的変位の間隔には使用されないでしょう。ただし、その周期の逆数である周波数について、日本語の記事(ja.wikipedia.org/wiki/周波数)では「単位時間当たりに繰り返される回数」とありますが、より詳しい英語の記事(en.wikipedia.org/wiki/Frequency)では時間的な「temporal frequency」と位置的な「spatial frequency」が言及されていますし、>>702で紹介した「cos (ωt - k⋅r)」で、時間的変化(ωt)と位置的変化(k⋅r)がどちらも位相を決める成分になってるのだから、時間と位置の両方の周期を定義するのが合理的であり、かつ静止した波模様を波動と見なすのなら、そうするべきでしょう。

ただし、こちらは、さしてこだわる問題ではありません。もともとの論題は光の粒子性と波動性ですし、光は静止した波ではありませんから、周期とはtemporal frequencyのことで、私がいう「位置的周期」は「波長の逆数」と呼べばよいと思います。


ですから「周期」「波長」「周波数」「波数」のそれぞれについて、>>704で示された定義を受け入れます。そして「周期」の定義を時間的なものに限定するのなら、私が波動の基本定義とした「周期性」も時間的な繰り返しです。言い換えればトラの縞模様は波動ではないことになります。

708Ken:2020/10/08(木) 00:20:40 ID:2bVYpmOE
>>707

言い間違えました。

誤:周期とはtemporal frequencyのことで
正:周波数とはtemporal frequencyのことで

709diamonds8888x:2020/10/10(土) 05:51:43 ID:Qix9q/lA
>>707
> 物理化学や分光学では、1/λまたはν/c
> 波動力学では、2π/λ

 λ、ν、cという記号が何を(如何なる物理量を)表しているのかを示さないと、定義にはなりませんよ? もちろん慣用的に、λは波長、νは振動数(周波数)、cは波の速度(光速度)を表すことになっていますから、物理化学に慣れた人ならこれだけでも理解はできますけれど。特に今の文脈、波動一般の物理量を話題にしている文脈では、cは光速度ではなく、一般的な波の速度と解釈すべきですが。

 言葉の定義というよりは、波動が持っている物理量の定義です。再掲しますが、以下の4つは物理学で明確に定義された物理量です。だからこそ単位と次元もはっきりしています。

周期 時間的繰り返しの間隔 単位は例えば[s]、次元は[時間]
波長 空間的繰り返しの長さ 単位は例えば[m]、次元は[長さ]
周波数・振動数 単位時間内の波の数(繰り返しの数) 単位は例えば[s-1]、次元は[1/時間]
波数  単位長さ内の波の数(繰り返しの数) 単位は例えば[cm-1]、次元は[1/長さ]

 ここで波数は空間的量なので1次元、つまりは波の進行方向に沿った線上で測ればスカラー量ですが、2-3次元においてはベクトル量とすると便利なことがあり、Kenさん御紹介のファインマンの文章ではまさにベクトル量として使っています。これは波数ベクトルと呼ばれています。なぜか波長ベクトルというものは使われないのですけどね。

 さて今度は慣用的に使われている記号も示しておきます。波数には上線付きのν(ニュー)も使われるようですが、振動数と混同しそうですよね。なお、これも慣用的に、物理量そのものを示す記号はイタリックで表します。単位は普通の活字体。このあたりはさすがにKenさんにはくどすぎるとも思いますが、一応丁寧に書いておきます。
周期(period) T
波長(wave length) λ(ラムダ)
周波数・振動数(frequency) ν(ニュー)、f(エフ)
波数(wave number)   k (ケイ)、κ(カッパ)


【以外と大事なポイント】
 なお日本語の「周期」は(cycle;繰り返し)の意味もありますが、波の周期と言えばひとつの繰り返しの時間的長さという物理量を指す場合がほとんどです。なので英語では(period)です。
  [h ttps://en.wikipedia.org/wiki/Frequency#Period_versus_frequency]

 一方、Kenさんが波の本質であると考えた「周期性」というのは(cyclic)の意味でいいですよね?

710diamonds8888x:2020/10/10(土) 05:53:21 ID:Qix9q/lA
>>707  [>>708]の再掲からスタート
【以外と大事なポイント】
 なお日本語の「周期」は(cycle;繰り返し)の意味もありますが、波の周期と言えばひとつの繰り返しの時間的長さという物理量を指す場合がほとんどです。なので英語では(period)です。
  [h ttps://en.wikipedia.org/wiki/Frequency#Period_versus_frequency]

 一方、Kenさんが波の本質であると考えた「周期性」というのは(cyclic)の意味でいいですよね?

 ともかく4つの物理量の定義は受けいれるとのことですから、次に進めていただくことにしましょう。

>ですから「周期」「波長」「周波数」「波数」のそれぞれについて、>>704で示された定義を受け入れます。

 けれど以下の「周期」はcycleの意味でありperiodではありませんから、波の定義を時間的なものに限定しなくても構いませんよ。そこはKenさんの自由です。

>そして「周期」の定義を時間的なものに限定するのなら、私が波動の基本定義とした「周期性」も時間的な繰り返しです。言い換えればトラの縞模様は波動ではないことになります。

711diamonds8888x:2020/10/10(土) 05:55:20 ID:Qix9q/lA
>>710 先に進みましょう。

>>704,>>705,>>706 のトラジマについての問いにはまだ答えていただいてませんが、ひとまずKenさんの波動の定義についてのポイントをまとめると以下でよろしいですか?

 A)波動の基本定義は「周期性」であり、時間的周期性でも空間的周期性でも含む
 つまり、波動は次の3つのものに分けられる
  1)時間的周期性と空間的周期性とを併せ持つ ;水の波、地震波、電磁波、など
  2)時間的周期性のみで空間的周期性はない ;天体の周回運動、振り子の振動、など
  3)空間的周期性のみで時間的周期性はない ;サインカーブの図、干渉縞の写真、など

 B)繰り返しが認めがたい複雑な形の時間的変化や空間的変化は波動ではない。
  波動とは認めがたい例) 氷河期の繰り返し、トラジマ、など

 そういうことなら、この定義で進めていただいていいですが、ちょっとコメントします。

 本題のテーマでの波動は、水の波、音波、地震波、電磁波(光波)、物質波(電子波や中性子波など)、重力波、などですべて1)に属するものです。2)や3)の波動はテーマには登りませんから、2)や3)を波動に含めるか含めないかは本題のテーマには無関係でしょう。これは同意していたたけますね?

 B)の基準は具体的な判定が難しいケースが多いのではないかと危惧します。とはいえ、そんな定義をせざるを得ないこともありますし、定義したときは判定は簡単だったはずなのに、科学の進歩で境界領域が見つかってきて判定が難しくなってしまうことも科学の歴史ではあったことですから、判定が難しいこと自体は妥当でない理由にはならないでしょう。
 ただ、現時点でのKenさんの判定をいくつか確認したいので、以下のものは波動に含めるのか含めないのか、それとも難しいのかを教えてください。

  氷河期と間氷期との繰り返しの期間の温度変化
  四季の温度変化
  単発の音声(例えばひとつの子音だけの発声による音とか)
  電磁波のパルス

712diamonds8888x:2020/10/10(土) 06:01:49 ID:Qix9q/lA
**以下は私とのコミュニケーションの参考のために、私の考えた方のくせとでも言うべきものを紹介するものです。それは表現のくせにもなるし、文章を読み取るときのくせにもなります。これを読めば、私がどんな誤解をしやすいかということが、その一部はわかると思いますので、参考にしていただければ幸いです。

 [>>695]でKenさんが紹介した式は、私が示した4つの物理量の慣用的記号表現を知っていれば一般的な波動の式であることは一目瞭然です。太文字kが波数ベクトルであることも知ってる人は知ってます。

 しかしKenさんは「距離による位相変化の割合」というわかりにくい説明を出してきました。他の変数はまともに定義を示しているにもかかわらず。

[>>695]「ωは角振動数、tは時間ですが、kは式の直後で説明されてるように、距離による位相変化の割合で、kとrはωとtと同じ関係にあります。」

 こうなると失礼ながら「もしかして波数のことを知らないのではあるまいか? 波数さえ知らないのでは、そもそも波動について理解していない部分がありはしまいか? それでは今後の議論に差し支えて困る」と思って一連の確認質問をしたのです。


 ここで実は御紹介の英文を確認して見ましたので、その話を先に書きます。

 該当の式(34.19)の【直前に】"wave number" も "wave vector" も登場してるではありませんか。かいつまんで要約すれば、

 -----
 ベクトルk(太文字、ボールド体)を定義する。その絶対値は wave number k(普通文字)になる。
 ベクトルkのx成分kxは「x方向に沿った(with respect to x)位相変化の割合」になる。
 -----

 「距離による位相変化の割合」は定義ではなくて、x成分kx(私が訊いたkのことではなくて)が、結果的に何を意味することになるのかというものですよね。しかも「距離による」という誤訳。
 文章を考える気力が萎えましたので、これ以降はまた後ほどの機会に。

 【ひとまず、このコメントは無視して、先に進んでください。】
 (>>711 から続けてください。)


 補足しておきますが、「波数」は高校までの物理化学では使用頻度の少ない言葉で知らない人も多いかも知れないのです。私も使い始めたのは赤外分光でのcm-1(カイザー)単位の量としてでしたから。

713Ken:2020/10/10(土) 10:08:35 ID:2bVYpmOE
>「距離による位相変化の割合」は定義ではなくて、x成分kx(私が訊いたkのことではなくて)が、結果的に何を意味することになるのかというものですよね。しかも「距離による」という誤訳。

誤訳ですか?
ファインマン物理の該当部分は以下のとおりです。

Using this vector, our wave can be written as cos (ωt - k⋅r), or as cos(ωt - kxx - kyy - kzz). What is the significance of a component of k, say kx? Clearly, kx is the rate of change of phase with respect to x.

ωtのtが時間軸上の変化量であるように、kx xのxは(もっと一般的にはk⋅rのrは)空間座標における変化量ですから、「距離」と解して何の問題があるのでしょうか? 距離でないのなら、どういう物理量を表すのですか?
コサインの引数であるk⋅rは位相の変化量で、rが距離なら、kは「距離による位相変化の割合」になりませんか?


>トラジマについての問いにはまだ答えていただいてませんが

>>707の末尾で「トラの縞模様は波動ではない」と述べました。これはいわば「妥協」です。

これまでのdiamonds8888xさんの発言を見ると、トラの縞模様が波動ではないのでは?と疑いをもつ理由が2つ提示されたと思います。

(1)以下のものはどう分類するのでしょうか?(中略)氷河期の繰り返し(>>690) → 同じ変化を繰り返さないのは波ではない
(2)時間的に何も動いていなければ、それは「波動」に含まれないということですね?(>>694) → 時間的変化がなければ波ではない

(1)については、「同じ変化を繰り返さないのは波ではない」という定義は正しいけれでも、トラの縞模様がそれに該当するかは分かりません、と私は述べました。

(2)については、cos (ωt - k⋅r)の中で時間による位相変化ωtと距離(上で述べたようにrを「距離」と認識します)による位相変化k⋅rが線形結合して、つまり同じレベルで、波の造形を支配すること、また>>707で紹介したように、周波数には時間的周波数と位置的周波数があることを考えると、時間的変化のない「波模様」も波動と考えるのが正しいであろうと、私は思います。

ただ、いくら言葉の共通理解が大切でも、静止した波模様はこの場で深く探求する論点とは思えません。特定の速度で空間を伝わる光は静止した波模様ではありませんから。ですから、肝心の議論を先へ進めるために、現時点では、静止した波模様は波動の定義から除外しましょうと、>>707で提案しました。diamonds8888xさんがcos (ωt - k⋅r)について、私と同じ解釈に立たれるのなら、静止した波模様も波動になります。いずれにせよ、光の粒子性・波動性問題に影響するとは思えません。

以上のことから私が次の4つをどう考えるかは明らかと思いますが、念のために回答します。

氷河期と間氷期との繰り返しの期間の温度変化
→ 同じ間隔で同じ変化を繰り返すという観測例がないので波動ではない。ただし氷河期を発生させるメカニズムが明らかになり、何らかの形で、変位に比例する復元力が認められたら波動と見なされ、期間が不規則なのはノイズと考える

四季の温度変化
→ 波動。ただし気象条件に影響されるノイズ成分がある

単発の音声(例えばひとつの子音だけの発声による音とか)
電磁波のパルス
→ 音声や電磁波自体が波動だから、これらも波動。複数の波が合成することで、一見、波動でないように見えるが、フーリエ解析を行なえば、単純な波動の級数であることは明らかになる。Fig.50-3のように途中で反転するパルスもフーリエ級数で表現されます。(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_50.html)

714Ken:2020/10/10(土) 10:16:32 ID:2bVYpmOE
繰り返しになりますが、いくら言葉の定義と共通理解が重要でも、「波動」の定義がここまで問題になりますか?

光(電磁波)が波の特性を持つことは、干渉縞やドップラー効果により、量子力学以前から明らかでした。20世紀の量子力学が光の粒子性を示したことで、

〜光は粒子であり、同時に波動である

という命題が問題になったのです。ゆえに、この命題の真偽を論ずるなら光の粒子性が問題で、diamonds8888xさんとの議論が生じるなら、そこになるだろうと考えていました。それなのに、波動の方が問題になる意味が分かりません。

干渉縞を作りドップラー効果を示す光の波動性は明らかで、静止した縞模様も、繰り返しのない変化も、関係がないのではありませんか?

715diamonds8888x:2020/10/10(土) 17:01:58 ID:Qix9q/lA
>>710, >>711
「周期」について少し間違えたところもありましたので整理しておきます。

 周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
 周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period
 周期的 cyclic  (波とは周期的なものである)
 周期性 cyclicity (波は周期性を持つ)

716diamonds8888x:2020/10/10(土) 17:28:38 ID:Qix9q/lA
>>714

>静止した縞模様も、繰り返しのない変化も、関係がないのではありませんか?」

 そこは同意で、[>>711]に書いたとおりです。
> 本題のテーマでの波動は、水の波、音波、地震波、電磁波(光波)、物質波(電子波や中性子波など)、重力波、などですべて1)に属するものです。2)や3)の波動はテーマには登りませんから、2)や3)を波動に含めるか含めないかは本題のテーマには無関係でしょう。これは同意していたたけますね?

>「波動」の定義がここまで問題になりますか?

 私が知りたいのはKenさんの提案した「粒子と波動の根本的な定義」[>>687]、つまり「では波動の基本定義は何かといえば「周期性」だと思います。」[>>687]という文章で提案した定義が、具体的にどんなものを含むことになるのかです。

 [>>711]で示した3分類の中の2),3)まで含む結構広い定義を採用されたので、どこらあたりが境界線になるのかを確かめたかったのです。まあ上記の通り、本題での対象となる波動は分類1)のものだけですから、2)や3)にあまり関わるのは横道ではありますから、[>>711]に異論がなければ、特に回答せずに先に進んでいただけばいいです。

 ただ周期性が認められるか否かという基準は人によって異なりうる判断の難しい基準だと思いますので、Kenさんの現時点での具体的判断は確認しておきたいです。なので、以下には答えがほしいのです。現時点では不明、という回答でも構いません。そういうことも有りえますから。

  1.氷河期と間氷期との繰り返しの期間の温度変化
  2.四季の温度変化
  3.単発の音声(例えばひとつの子音だけの発声による音とか)
  4.電磁波の単発パルス


 以下の方は、ちと問題ありです。現時点で理解できなければ、粒子と波動の2重性に関するKenさんの見解をじっくり伺った後に議論すればよい話ではあるので、今、深く議論するつもりはありませんが、見解だけ述べておきます。なので特に回答しないで次に進んでください。もちろん、コメントしたいことがあれば歓迎します。

>干渉縞を作りドップラー効果を示す光の波動性は明らかで、

 粒子性を観測できるほどの短波長の光(電磁波)の場合、波動性を示す現象は干渉性と回折くらいでしょう。なんらかの観測現象の周期(cycle)を直接観測して確かめてはいませんから。干渉縞を作ることが波動であることの証拠だという点は同意です。ただそのことを、根本的な定義である周期性から、どのように導けばよいのかは私にはわかりません。

 ドップラー効果で、例えば赤方偏移を例にとると、光は粒子であり赤い光は青い光よりも運動量が小さいとしても説明されます。むろん光速度は光源と観測者の相対速度が違っても変化しないので、相対性理論のもとではということになります。仮に光が相対性理論における万物の上限速度cより遥かに小さい速度しか持たないとすれば、もっと単純に赤い光は青い光よりも遅い、として説明できることでしょう。

 遠ざかる光源からの光は赤くなる、という現象だけでは波動説の証拠にも粒子説の証拠にもなりません。

717Ken:2020/10/10(土) 19:38:36 ID:2bVYpmOE
>周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period
>周期的 cyclic  (波とは周期的なものである)
>周期性 cyclicity (波は周期性を持つ)

周期が「period」なので、私なら周期的は「periodic」、周期性は「periodicity」と、統一性をもたせた言葉をもちいるでしょうが、「cyclic」「cyclicity」でも間違いとは思いません。

>1.氷河期と間氷期との繰り返しの期間の温度変化
>2.四季の温度変化
>3.単発の音声(例えばひとつの子音だけの発声による音とか)
>4.電磁波の単発パルス

>>713の末尾で回答したつもりでしたが、これでは回答になっていないということでしょうか?

>干渉縞を作ることが波動であることの証拠だという点は同意です。ただそのことを、根本的な定義である周期性から、どのように導けばよいのかは私にはわかりません。

同じ間隔で強くなったり弱くなったりするものが、つまり周期性をもって変動するものが、2つ重なるからこそ、規則的な干渉縞ができるのではないでしょうか。2重スリット実験なら、2つの穴からの距離の差が、スクリーン上で連続的に変化するから、ある地点では強めあい、別の地点では弱めあいます。29章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_29.html)で解説されており、(29.9)式が2つの波の合成波の振幅を表します。

R = A[cos (ωt + ϕ1) + cos (ωt + ϕ2)].

この中のϕは、(29.4)の直前の段落で定義されています。

ϕ = ω(t - r/c)

rは光源(2重スリット実験の場合は穴)からの距離、cは光速なので、ω(t - r/c)は本来ならωtになるはずの位相が、ωr/cだけずれることを意味します。2重スリット実験では2つの穴からの距離がr1とr2と異なるので、それがϕ1、ϕ2という位相差になり、結局(29.9)式のcos (ωt + ϕ1)とcos (ωt + ϕ2)が、強め合ったり、弱め合ったりします。

>遠ざかる光源からの光は赤くなる、という現象だけでは波動説の証拠にも粒子説の証拠にもなりません。

「赤方偏移」は光が赤くなる事象が観測されるのではなく、発光体(天体観測なら星)に含まれる水素やヘリウム等が特定の波長を吸収して元素特有のスペクトル線のパターンを作り、そのパターンが本来あるべき位置からずれることが観測される現象です。だからドップラー効果と認識されます。

upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/6a/Redshift.svg/170px-Redshift.svg.png

718diamonds8888x:2020/10/17(土) 09:47:20 ID:Qix9q/lA
>>717
-----------
>>713の末尾で回答したつもりでしたが、これでは回答になっていないということでしょうか?

 これは失礼しました。[>>713]を見落としていました。Kenさんの判断基準がおおむね理解できましたので、[>>713]の回答で結構です。

 判断基準のひとつは、如何に複雑で一見しては繰り返しが認め難くとも、それ自体が波動であると判明している音波や電磁波のようなものの合成であることが明らかならば、波動に含めるというということですね。


-----------
【周期性からの干渉縞の導き】に関するKenさんの考えは理解しました。ありがとうございました。


-----------
【トラジマ問題は】[>>716]で同意したとおりです。

 空間のみの繰り返しを波動に含めるかどうかは本題には無関係と考えますので無視しましょう。
 単に私の好奇心ゆえの質問にお付き合いくださりありがとうございました。
 この件については、空間のみの繰り返しを波動に含めていても構いませんので、Kenさんが妥協する必要は何もありません。本題で扱う波動は、空間的周期も時間的周期も含むものだけですから。


-----------
>周期が「period」なので、私なら周期的は「periodic」、周期性は「periodicity」と、統一性をもたせた言葉をもちいるでしょうが、「cyclic」「cyclicity」でも間違いとは思いません。

 私は、日本語では「周期」という同じ言葉で表されるものには、2つの異なる概念である"period"と"cycle"があるのだ、と言ったのです。ここは、きっちりと理解してください。「人」と「人の身長」との違いくらいはありますので。

[>>715]より
 周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
 周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period


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>「赤方偏移」は光が赤くなる事象が観測されるのではなく

 これは失礼しました。星の光は単色光ではありませんからね。亜光速の宇宙船から単色レーザー光を発射しているとでも想定してください。おっしゃる通り単色光でなくてもスペクトル吸収線があれば、そのシフトがドップラー効果の観測事実になります。

 あー、現在では単色光によるドップラー効果も観測されています。レーザドップラ振動計とかガンマ線のメスバウアー効果がありますね。

 で、そのドップラー効果は、粒子説でも波動説でも説明できることはご理解いただけたでしょうか? そもそも量子力学ではまさに2つの考え方による説明がどちらも可能なのです。
 つまり[>>689]での「光の波動的特徴でドップラー効果が起こり」という議論は間違いです。

 もし御理解できなければ、これ以上は説明困難ですからひとまず留保して次に進みましょう。

 なお光源の相対運動による光の変化が初めて観測されたのは「1842年,オーストリアの物理学者クリスティアン・ヨハン・ドップラーが二重星の観測をしていて光の色が変化するのを発見したのが最初」とのことです。ドップラーは同時期に、音のドップラー効果も含めて定量的な式を誘導して理論的な説明をしたとのことです。
  h ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C
  h ttps://kotobank.jp/word/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C-105421
  h ttp://spaceinfo.jaxa.jp/ja/christian_doppler.html
  h ttp://www15.wind.ne.jp/~Glauben_leben/Buturi/History3.htm

 1842年は既に学界では波動説がほぼ確立していた時期で、二重星の光の色の変化をわざわざ粒子説で説明しようとした人はいなかったのではないでしょうか?

719Ken:2020/10/17(土) 14:01:28 ID:2bVYpmOE
赤方偏移/ドップラー効果の認識は留保できません。私はこれを、

〜光の粒子性と波動性が同時に観測される

ことの例に挙げているのですから。

まず私は>>689で「天文観測で遠方の銀河が赤方偏移を起こす」と述べたことを思い出してください。ここで言及したのは単色光ではなく、複数の波長からなるスペクトルの中の移動ですから、すでに「波長」という波動の属性が入っています。

diamonds8888xさんが>>718で述べられたのは、量子力学では光の粒子性と波動性が背反関係にはない、ということではありませんか? つまり、光がドップラー効果という波動的特徴を示すからといって、粒子的特徴を持つことを否定する必要がない、ということではないのでしょうか? 別の言い方をすれば、量子力学における「粒子性」は波動性と分離できないという、まさしく基準05を検証するのに持ち出した問題ではありませんか?

念のため、ファインマン物理と和英のウィキペディアで「ドップラー効果」をチェックしました。

www.feynmanlectures.caltech.edu/I_toc.html
ja.wikipedia.org/wiki/ドップラー効果
en.wikipedia.org/wiki/Doppler_effect

ファインマンでは相対論を扱う17章、メスバウアー効果を扱う23章、そして古典力学の波動理論を説明する34章で、ドップラー効果が出てきます。これらの章とウィキペディア記事に共通するのは、ドップラー効果の説明には必ず周波数(fまたはν)か波長(λ)が含まれることです。「周波数」も「波長」も、初めに波動の概念がなければ意味をなさない属性ですから、光のドップラー効果は波動的特徴と見なすべきではないのでしょうか?


>日本語では「周期」という同じ言葉で表されるものには、2つの異なる概念である"period"と"cycle"があるのだ、と言ったのです。

私が言いたかったのは、「periodic」と「cyclic」、「periodicity」と「cyclicity」は同義語ということでした。それなら、波動力学における周期は「period」で「cycle」ではありませんから、「periodic」「periodicity」の方がよいのではありませんか、と述べただけです。

720diamonds8888x:2020/10/18(日) 05:40:33 ID:Qix9q/lA
>>719
> 赤方偏移/ドップラー効果の認識は留保できません。

 わかりました。でも、この検討は長くなります。[>>718]までの説明で納得していただけないなら、さらなる説明を考え出すのは時間がかかります。その間に次へ進めてください。

 実際の物理学でも歴史上でも、波動説の証拠とされたのは干渉性だけなのですから、それで十分なはずです。

> 私が言いたかったのは、

 まず、[>>712]で私の言いたかったことは御理解いただけてますか?

721diamonds8888x:2020/10/18(日) 05:41:47 ID:Qix9q/lA
>>713
 さすがにもう「波数」の【定義】は「単位長さ内の波の数(繰り返しの数)」なのだということは御理解いただけたと思いますから、以下はもう本題には不要な話ですから、飛ばして次に進めていただけばいいです。
 もちろんコメントは自由ですが、そのコメントにさらに返答する気力が残っているかどうかは不明ですから、返答はまたずに次にKenさんが進めたい話に進んでください。

【誤訳の件】

 ひとまず「誤訳」とまで評価するのは微妙なので陳謝しておきます。ただし、Kenさんの紹介文は原文の意図から微妙にずれていて私に誤解をさせた文章である点に変わりはないのです。その結果、Kenさんの紹介文は私には何を言ってるのかわかりにくい文になった点は事実です。なのでわざさわ゛原文を見直してみました。先にも述べたように英文は苦手ですから、基本的にはKenさんの紹介や翻訳を信用することにしていましたからね。
 こういうことになるから、できれば日本語の引用を使ってほしいのです。そりゃあ大学の教科書として使えるような文章が無料で読めるのは英文が多いという事情は私も知ってますけどね。たぶん日本語NativeであろうKenさんがわざわざ英文で勉強しようとする理由は、私にはわかりませんし、それ自体は自由ですけれど。日本語Nativeの私に説明するときにはもう少し気を使ってほしいというのが本音です。訳文の良し悪しで議論するなんて時間の無駄です。

 該当箇所、[>>712]の「ここで実は御紹介の英文を確認して見ましたので」以下で、2点のべています。実は1の方が重要ですが、誤訳という刺激的言葉で2の方に注意を引いてしまったかも知れません、陳謝します。

 1) 波数の定義は式(34.19)の【直前に】に登場していること。直後ではない。
 「Now it turns out to be very convenient to define a vector k, which is called the wave vector, which has a magnitude equal to the wave number, 2π/λ, and is pointed in the direction of propagation of the waves: 」

 ((余談))「波数ベクトル」が"wave vector"だとは知らなかった。実際、日本語wikiと英語wikiの両項目はほぼ直訳同士ですね。

 「波数ベクトル(k:bold)」の【定義(define)】はここで登場していて、その絶対値である「波数(k:normal)」の【定義】は「この本(ファインマン物理)を読む読者なら当然知っているはず」として扱っていて、後に至るも特に【定義はしていません】。

 Kenさんが示した「該当部分」に書いてあるのは【定義(define)】ではなくて「波数ベクトル(k:bold)」の成分(kx,ky,kz)の"significance"(意味するもの、意義)であり、定義から誘導される結果として示される意味づけ、具体的には如何なる物理量に対応するものかという説明です。

 ここで[>>712]で述べた2点目が関連してきます。

 2) "with respect to x"の意味を「距離による」とするのは不正確で、「x方向に沿った」と約すべきである。

 「距離による」の訳文だけ読めばベクトルの成分に関することだという意味は普通は読み取れません。
 もっとも私が引っかかったのはさらに3点目、「位相の変化ってなにさ?」という点もあったのですが、よく考えるとここで「位相」という言葉でも別におかしくはありません。ただ私が「位相」の使い方に不慣れだっだけでしたから、これは私の責任です。

722Ken:2020/10/19(月) 20:36:38 ID:2bVYpmOE
>さらなる説明を考え出すのは時間がかかります。その間に次へ進めてください。

はい。今回、量子力学と光の正体論争の関係について述べたのは、>>685でお断りしたように、私の考えを明らかにするためですから、議論自体はあとにまわして、熱力学第2法則を先に片付けましょう。


>>721はコミュニケーションの問題を語っておられると思います。そして冒頭の1節が、まだ行き違いがあることを示すようです。

>さすがにもう「波数」の【定義】は「単位長さ内の波の数(繰り返しの数)」なのだということは御理解いただけたと思います

私は>>707でウィキペディアを参照して、波数の定義は、

>物理化学や分光学では、1/λまたはν/c
>波動力学では、2π/λ

と述べ、かつ、

1.今の議論が物理化学や分光学ではなく力学であること
2.物理化学や分光学を専攻した人でも、それに先立って力学を学んでいること

という理由を挙げ、波数の定義は「2π/λ」つまり「位相が1周する間の波の数」であるべきと主張したつもりです。その後、diamonds8888xさんから>>704>>709で、

>波数 単位長さ内の波の数(繰り返しの数) 単位は例えば[cm-1]、次元は[1/長さ]

という書き込みがありました。ですが、そこには私が上に挙げた、波動力学の定義に従うべきとする理由への反論がありません。これだけでは、分光学での定義に従うことを求められるのは、無理があるのではないでしょうか?

>その絶対値である「波数(k:normal)」の【定義】は「この本(ファインマン物理)を読む読者なら当然知っているはず」として扱っていて、後に至るも特に【定義はしていません】。

厳密な定義には、言葉よりも数式こそが意味を持ちますし、(34.19)式がその定義だと思います。

>わざわざ英文で勉強しようとする理由は、私にはわかりません

これまでの人生の行き掛かりから、直ちに引用できるのがアジモフやファインマン等の文章ばかりになったのが、自分の弱点なのは承知しています。ですから日本語での説明に心してるつもりですし、上で述べたように「波数」の説明でも誤ったとは考えていません。

1つ理解をいただきたいのは、全般に英語の記事の方が充実しているのです。例えば>>707で述べましたが、周波数の和英のウィキペディア記事を比べると、英語記事では、時間的な(temporal)周波数と空間的な(spatial)周波数が説明されていますが、日本語記事には時間的周波数しかなく、空間周波数は 「その他の周波数」で言及されるだけです。とくにこの時は静止した波模様を波動に含めるべきかという話をしていましたから、英語記事の内容が重要でした。

それと、数学や科学の歴史を語るには、明らかに英語の方が有利なのです。例えば「放物線」という日本語には、放り上げた物体の軌跡という意味が名称自体に含まれますが、実際の歴史では「parabola」が知られてから、その物理学上の意味が分かるまで2千年も経ています。「紀元前3世紀にアポロニウスが放物線を解説した」などといえば、まるでアポロニウスがニュートン力学を知ってたような印象を与えかねません。

723Ken:2020/10/25(日) 10:31:24 ID:2bVYpmOE
投稿を待つ間に、現在の論点を整理しておきます。

*熱力学の第2法則

矛盾を受容することの是非はこのスレッドで長く論じてきましたが、>>669でもまた、

>自然科学は現実をあるがままに認識するものであり、現実認識と数理的整合性が一致しない場合は前者を優先し、理論的な矛盾を容認するのではないか

という表現で問題を提議しました。熱力学第2法則が具体例です。ここでは、

〜エントロピーが不可逆的に大きくなるだけの世界はありえない

という理論的整合性と、

〜あらゆる観測が、エントロピーの不可逆的な増大を示す

という現実認識の対立があり、その場合、理論的矛盾を容認して、現実認識が優先されるからこそ、第2法則は定説となってるのではないか、ということです。

実を言いますと、この問題は、>>677で、

>この法則はなんらかの基本原理から誘導されたものではない
>例えば遠い過去では、観測事実からは第2法則が成立していないということは十分に可能

という指摘があったことから、すこし複雑になっているのです。ここでは第2法則が、矛盾を内包する「疑似科学」ではなく、観測事実と矛盾する「間違った理論」となりうる可能性を挙げておられると思いますが、私は、現在定説として確立している理論の中には、観測によって否定することができない「反証不能」なものがいくつもあり、確率論に立脚する第2法則もその1つではと考えているのです。これは基準01に論題が戻ったときに詳しく論じることになるでしょう。


*光の粒子性と波動性

古典力学では、同じものが粒子でありかつ波動であると主張するのは、

1.同時に粒子であり波動である
2.ある時は粒子であり、ある時は波動である

のどちらの場合でも「(¬P)∧P」に該当する「疑似科学」になるといいました。そして光は、干渉縞を作ることや、交流電流が作る電磁波と同じものと分かったことで、波動であり粒子ではないという考えが定着しました。ところが量子力学が登場すると、光は離散的な「かたまり」つまり粒子と考えねばならない観測事実があり、かつ光の波動性は、粒子の存在確率が波動関数にしたがうことで説明できるので、

〜ある時代の知識体系では疑似科学だった理論が、知識体系が変わると疑似科学ではなくなる

という、diamonds8888xさんの基準による疑似科学の重要な特徴が明らかになりました。そうなると私には、

〜間違った理論とは別に疑似科学を定義することに意味があるのか?

という問題が生じます。

以上が、現時点での私の認識になります。

724diamonds8888x:2020/10/28(水) 05:48:51 ID:Qix9q/lA
>>722 >>723
[>>720]のここには答えがありませんが?
>> 私が言いたかったのは、

> まず、[>>712]で私の言いたかったことは御理解いただけてますか?

 とはいえ「[>>712]で私の言いたかったこと」はちと書き損じでした。混乱させてすみません。
 [>>718,>>715 (>>710)]で私の言いたかったことです。改めて要点をはっきりと示しておきますね。

>ここは、きっちりと理解してください。「人」と「人の身長」との違いくらいはありますので。

> [>>715]より
>  周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
>  周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period

 「人」と「人の身長」との違い、よりは、「足(feet)」と「単位のフィート(feet)」との違い、の方がピンと来やすいでしょうか?

725diamonds8888x:2020/10/28(水) 05:50:50 ID:Qix9q/lA
>>722
>という理由を挙げ、波数の定義は「2π/λ」つまり「位相が1周する間の波の数」であるべきと主張したつもりです。その後、diamonds8888xさんから>>704>>709で、

 ということはKenさんの考えでは、1/λと2π/λの違いは次のようなものであり、【両者は別の物理量である】との考えなのでしょうか?

  1/λ :「単位長さの間の波の数」 (物理化学や分光学での定義)
  2π/λ:「位相が1周する間の波の数」(波動力学での定義)

 お尋ねしますが、「位相が1周する間」とは如何なる物理量なのですか? その単位次元は時間ですか?長さですか?それとも他の単位次元ですか?


>厳密な定義には、言葉よりも数式こそが意味を持ちますし、(34.19)式がその定義だと思います。

 数式を使えば、普通の言葉を使うよりも厳密にしかも短く表現できます。しかし「意味を持つ」には数式の各変数記号の物理的意味が明確に示されているときだけです。変数記号の意味がわからなければ、数式は単なる記号の羅列でしかありません。
 だからファインマンも数式以外の言葉で数式中の変数の意味を書いているでしょう?

726diamonds8888x:2020/10/28(水) 05:52:39 ID:Qix9q/lA
>>723
 *熱力学の第2法則について、ありがとうごさいます。

>以上が、現時点での私の認識になります。

 以上がと言われても、何もまだ説明されていないように思えるのですが?
 もう少し詳しく、お願いします。特に、

>〜エントロピーが不可逆的に大きくなるだけの世界はありえない

 この推論を、前提となる事実および、そこからの推論過程を詳しくお願いします。

[>>680]
>むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

 この意味を具体的にわかるようにお願いします。

727diamonds8888x:2020/10/28(水) 05:56:26 ID:Qix9q/lA
>>723
 ひとつ気になりますが、「投稿を待つ間に、」の投稿とは、私が[>>720]で留保した「ドップラー効果は波動説の根拠にはならないことの説明」の投稿ですよね?
 こういう所はできれば具体的に何の投稿なのかとか書いて置いてくださると誤解のリスクが少ないと思います。

 まあ待つのも自由ですが、[>>718]までの説明も見直してみて、本当に納得できないのかどうか試してみてくださるとありがたいです。あるとき、はっと目からウロコが落ちるということもありますから。

> わかりました。でも、この検討は長くなります。[>>718]までの説明で納得していただけないなら、さらなる説明を考え出すのは時間がかかります。

 まあ、もしも(万が一なのかなあ?)[>>718]までの説明で新たな理解が生まれましたら、そのときに報告してくださればそれでいいです。

728Ken:2020/10/30(金) 22:37:57 ID:2bVYpmOE
お尋ねの順に回答します。

>>724
>周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
>周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period

なにも、そのことを否定してはいません。「周期的な」という形容詞や「周期性」という名詞の英訳は>>715で挙げられた「cyclic」「cyclicity」よりも、「periodic」「periodicity」の方が、物理量としての「周期」(period)と統一がとれてよいのではありませんか、と用語の提案をしただけです。私が波動を定義した「周期性」は同じ周期(period)を持つことが条件なのを思い出してください。

>>725
>だからファインマンも数式以外の言葉で数式中の変数の意味を書いているでしょう?

私も数式以外の言葉で説明したではありませんか。波数(k)は>>695>>702>>713を含め何度も「距離による位相変化の割合」と延べ、より明確にするために、cos (ωt - k⋅r)という数式を繰り返して出しています。>>713では、

>コサインの引数であるk⋅rは位相の変化量で、rが距離なら、kは「距離による位相変化の割合」

と説明しました。単位については>>702で「ラジアン/メーター」と書いています。


何度もお尋ねしていますが、「周期」や「波数」の定義に、なぜここまで固執されるのでしょうか? いくら共通理解が重要でも、議論に必要なものという前提があるはずです。今の論点は、

〜基準05で疑似科学と判定される理論でも、知識体系が変われば、疑似科学でなくなるのでは?

を検証することですし、その具体例として、

〜古典力学では、「光は粒子でありかつ波動である」は基準05違反だが、量子力学では違反でないのみか定説になっている

を検証しようとしています。その検証のキーとなるのは、言い換えれば上の命題を覆す可能性があるとしたら(私はあるとは思いませんが)、量子力学が明らかにした光の粒子性ではないのですか? それなのに波動性にまつわる物理量の定義をここまで問題にされるのは、光の波動性が否定される可能性を見ておられるのでしょうか?

光の波動性を示す観測事実としては、干渉縞や赤方偏移を挙げましたし、より重要な根拠として、波動理論から定量的な予測ができることがあります。私は>>687で、音の伝播を表す方程式として、

ρ∂²χ/∂t² = -dP/dρ ∙ ∂²χ/∂x²

と書きましたが、波動全般に通用する一般形に直せば、

(変位を時間で2度微分したもの) = (定数) × (変位を距離で2度微分したもの)

となります。そしてマクスウェル理論から得られる電磁波の方程式は、教科書等では、

∂²f/∂t² = (εμ) ∙ ∇²f

と3次元で表記されるのはご承知のことと思います。これはそのまま上記の一般形になっており、電磁波が波動という前提から導かれたものです。一般形の中の「定数」は伝播速度の2乗の逆数で、電磁波では、

(電気定数)×(磁気定数)

となります。ここから電磁波の速度の理論値が算出され、それがフーコーやフィゾーたちが実測した光速と一致したことから、光が電磁波と判明したのは、19世紀の科学史の重要な一場面なのです。このことはつまり、

〜光が波動である前提から導いた予測が実測で確認された

ことになり、光の波動性の強力な根拠になります。

これでも光の波動性に疑いをもたれるのでしょうか? その根拠は何ですか? もしもそのような疑いをもっておられないのなら、「周期」や「波数」の定義をここまで問題にされることが、現在の論点とどう関連するのですか?

729Ken:2020/10/30(金) 22:38:59 ID:2bVYpmOE
>>726
>〜エントロピーが不可逆的に大きくなるだけの世界はありえない
>この推論を、前提となる事実および、そこからの推論過程を詳しくお願いします。

>>680で説明したものです。

(1)エントロピーは常に増大する
(2)ゆえに過去にエントロピーの極小状態が存在した
(3)ゆえにエントロピーの極小状態が生じた
(4)ゆえに(1)と矛盾する

たとえば降雨現象が観測されるとします。雨が降る前提として、まず、水が空の高みに運ばれる必要がありますが、もしも、水が上から下に不可逆的に落ちるだけなら、そもそも雨雲を生じるはずがありません。つまり、

1.雨が降る
2.水は上から下に移動するのみ

という2つの命題は、一見整合があると見えても、実は「(¬P)∧P」のような、理論的な背反関係にあるのでは、ということです。

我々の眼前でエントロピーが増大しているのは雨が降ることに、エントロピーの減少がありえないのは水の上昇がありえないことに、それぞれ対応します。

>>727
「投稿を待つ間に、」の投稿とは、私が[>>720]で留保した「ドップラー効果は波動説の根拠にはならないことの説明」の投稿ですよね?

ちがいます。>>720で、赤方偏移/ドップラー効果について、diamonds8888xさんから

>さらなる説明を考え出すのは時間がかかります。その間に次へ進めてください。

と言われたことをうけ、>>722で、

>熱力学第2法則を先に片付けましょう。

と、回答しています。量子力学が光の正体論争に与えた影響についての私の考えは述べましたし、私の考えが明らかになれば、その問題より先に、第2法則から論じることを>>685で提案し、>>686で同意をいただいています。よって今は、第2法則は基準違反ではないかという私の指摘に、diamonds8888xさんが回答されるのを待っています。

730diamonds8888x:2020/11/04(水) 05:35:01 ID:Qix9q/lA
>>728
 まず、ものすごく誤解されているらしき点を正したい。

>これでも光の波動性に疑いをもたれるのでしょうか? その根拠は何ですか? 

 どこからそんな話が? 私がいつ光の波動性を否定したんですか? 私は光の波動性に疑いなどありません。以上、この話はおしまいでいいですよね?


では[>>728]の冒頭に戻って
>なにも、そのことを否定してはいません。

 なら、それをきちんと明言してから、【その上で】とか【けれども】とかで次を続けてくださるのがありがたかった。まあ、自分が当たり前と考えていることは「自分がそれを知っていることは、相手は当然に知っている」と思い込み勝ちなのは、私も同様かも知れませんから、私も気をつけようと思いますが。

 私達2人は、互いに、とてもものわかりの悪い相手なんですよ。

 ともかく「繰り返し現象そのもの」と「繰り返し現象の最小単位の時間的長さ」との違いはわかっているものとしていいのですよね? ・・・まだ心配ですね。

>「周期的な」という形容詞や「周期性」という名詞の英訳は>>715で挙げられた「cyclic」「cyclicity」よりも、「periodic」「periodicity」の方が、物理量としての「周期」(period)と統一がとれてよいのではありませんか、と用語の提案をしただけです。

 異なる概念を表すのに「統一がとれている」必要はありません。むしろ、できれば違う言葉を使いたいくらいです。そうすれば混同が避けられますからね。私は混同を避けたいから、わざわざ英語を示したのですよ。「周期」が表す2つの異なる概念を"cycle"と"period"とで区別している英語を示したのです。

>何度もお尋ねしていますが、「周期」や「波数」の定義に、なぜここまで固執されるのでしょうか? いくら共通理解が重要でも、議論に必要なものという前提があるはずです。今の論点は、

 このテーマは「今の論点」以前の問題です。議論で取り扱っている概念をKenさんが正しく区別して使っているのかどうかという信頼性の問題です。「繰り返し現象そのもの」と「繰り返し現象の最小単位の時間的長さ」という【まったく異なる概念】を、あたかも混同しているかのように話す相手と、まともに正確な議論ができるはずがありませんから。
 本来なら、「あっ同じ言葉でも違うよね。気をつけよう、ごめんね。」でさらっと済む話のはずなんですが。

731diamonds8888x:2020/11/04(水) 05:36:21 ID:Qix9q/lA
>>728
 では本題である、私の質問[>>725,>>724]への答えに関してです。

 (波動力学での、ファインマンの書での)波数の単位は(ラジアン/メーター)とのこと了解しました。つまり単位次元は[角度/長さ]ですね。
 さて私が示した1/λの単位次元は[個数/長さ]です。分子は波の数、つまり繰り返しの数です。むろん分母は波長(繰り返しの空間的長さ)です。以下は釈迦に説法でしょうが、波長の長さでは繰り返しの数は1回なので、分子は1となっているのです。

 では再度お尋ねしますが、
 >ということはKenさんの考えでは、1/λと2π/λの違いは次のようなものであり、【両者は別の物理量である】との考えなのでしょうか?

  1/λ :「単位長さの間の波の数」 (物理化学や分光学での定義)
  2π/λ:「位相が1周する間の波の数」(波動力学での定義):単位(ラジアン/メーター)

 念を入れますが、尋ねたい要点は「【両者は別の物理量である】との考えなのか否か?」です。

 もしも同じ物理量であることを理解しているのなら、[>>722]で次のように私の定義を不適切だと判断している理由がわかりません。

>という書き込みがありました。ですが、そこには私が上に挙げた、波動力学の定義に従うべきとする理由への反論がありません。これだけでは、分光学での定義に従うことを求められるのは、無理があるのではないでしょうか?

 なお、「位相が1周する間の波の数」[>>722]という定義は「距離による位相変化の割合」[ファインマン原本の定義]とは違う概念を表すように見えるのですが? 同じ概念になるのですか?

 また2π/λの単位は(ラジアン/メーター)との答えをいただきましたが、[>>725]の問である「位相が1周する間」の単位次元は答えをいただいていません。教えてください。


 このように同義になるのかどうかを確認もしないで違う言葉を使用しているように見える点が、議論で取り扱っている概念をKenさんが正しく区別して使っているのかどうかという信頼性の問題になるのです。私の[>>725]では「位相が1周する間」と「位相が1周する間の波の数」とを混同していたように見えますし。

 なお「単位次元」を尋ねてはいても、「単位」を答えられれば「単位次元」もわかりますから咎めはしませんが、まさか「単位次元」と「単位」との違いを知らないなんてことはありませんよね? kenさんの文章を読むと、こういう失礼な疑問も湧いてしまうのですよ。本当に失礼な疑問で申し訳ないのですが。

732diamonds8888x:2020/11/04(水) 05:37:59 ID:Qix9q/lA
>>729
 私の第1の問への答えはわかりました。

 第2の問への答えは、推敲中であり、次のレスでいただけるのですよね?
> [>>680]
> >むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

 補足しますと、
  ・純粋数学に直接立脚というなら、そのことを第2法則の誘導過程で簡単に示してください
    そうすればKenさんの第2法則へのイメージもよりはっきりしそうですし。
    直接の意味もわかりにくい。間接的に立脚してる例とかとはどう違うのか?
  ・純粋数学に直接立脚していたら、なぜ最も否定の難しい自然科学理論になるのでしょうか?
    間接的立脚だけなら否定しやすいのですか?

  自然科学理論なんて、確実な反証ひとつで吹っ飛ぶものだと思うのですけれど。というのも言い過ぎかも知れませんが、少なくともどんな数学に立脚していようが否定の難易度に関連があるとは思えません。


 第1の問の答えに戻って
>という2つの命題は、一見整合があると見えても、実は「(¬P)∧P」のような、理論的な背反関係にあるのでは、ということです。

 雨の例えはわかりやすくかったですよ。比喩以上の適切な例だったと思います。
 そして、雨の例が必ずしも矛盾をはらんではいないことは、むろん御存知ですよね? さすれば、よくよく突き詰めて考えれば、エントロピーについても【必ずしも】矛盾をはらんではいないことはおわかりなのでは?

733diamonds8888x:2020/11/04(水) 05:44:47 ID:Qix9q/lA
>>729
 {[>>727]「投稿を待つ間に、」の投稿とは、}
の投稿が指すものは私の誤解でしたか。了解しました。[>>727]でお願いした配慮は、できるだけお願いしますね。

734Ken:2020/11/04(水) 23:22:33 ID:2bVYpmOE
*cycleとperiod

>異なる概念を表すのに「統一がとれている」必要はありません。むしろ、できれば違う言葉を使いたいくらいです。

diamonds8888xさんがおっしゃる2つの「周期」を統一するとは言ってません。
>周期、繰り返し:繰り返し現象そのものを指す言葉 cycle
>周期(物理量としての周期):繰り返し現象の最小単位の時間的長さ period

2つの「周期」は「cycle」と「period」でよいのです。そうではなく、私が>>687で波動を定義した「周期性」は「cyclicity」ではなく「periodicity」がよいと言ってます。この「周期性」にはperiodの方の「周期」が要素となるからです。>>687では、このように付け加えました。

>同じ間隔で同じ変化を繰り返すことです。(中略)三角関数で表現されます。

波動を定義する「周期性」は、単に繰り返せばよいのではなく、時間的であれ空間的であれ、同じ周期(period)が必要と言っています。ただ繰り返せばよいなら、それこそトラの縞模様も波動になるでしょう。そうではなく同じ周期(period)が条件だから、periodicがよいのではありませんか、と言いました。

*波数

>もしも同じ物理量であることを理解しているのなら、

本当に同じ物理量になるのですか?
diamonds8888xさんの定義は下記のものですが、

>波数 単位長さ内の波の数(繰り返しの数) 単位は例えば[cm-1]、次元は[1/長さ]

これではファインマンの数式に適合しないのです。単純化のためk⋅rの代わりに1次元で表すと、

cos (ωt - kx)

という数式の中で、kの次元は[位相/長さ]でなければ、kxがラジアンに、つまりコサインの引数になりません。ωtと単位も次元も合わないではありませんか。

diamonds8888xさんが提示された定義も、何らかの根拠をもって行なわれたのでしょう。事実、ウィキペディア記事にも記載があるのですから。(ja.wikipedia.org/wiki/波数)

でも考えてみてください。ファインマンが定義する「2π/λ」では、光の波動性を論じることはできませんか? もしできるのなら、「1/λ」にこだわらず、ファインマンの定義でよいのでは? 前述のようにファインマンの講義は、カリフォルニア工大の全学生が、将来の専攻に関係なく、1・2年次で履修するもので、やがて「1/λ」を学ぶ学生でも先に「2π/λ」を知るはずなのです。

*第2法則の否定

>第2の問への答えは、推敲中であり、次のレスでいただけるのですよね?
> >むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

>>723でも言及しましたが、否定の難しさ、つまり反証可能性の問題を議論するのは、論題が基準01に戻ってからにしてはどうでしょうか? 今でも「熱力学第2法則」と「光の粒子性と波動性」という2つのテーマがありますし、さらにテーマを加えるとますます錯綜するのではと懸念します。ただ、いざ基準01に戻ったとき、いきなり第2法則やその他の課題が提出されたら驚かれるかもしれないと思い、先行情報として上の発言をしました。「確率論」というだけで、すんなり話が通じるいう期待もありました。

どうしても今、私の考えを知りたいと言われるなら、ここで説明します。ただし、それは基準01に戻った時の予備知識とするためで、議論自体はそのときまで待つ、ということでよろしいですか?

*第2法則の矛盾

>エントロピーについても【必ずしも】矛盾をはらんではいないことはおわかりなのでは?

「エントロピー」自体が矛盾をはらむかどうかは問題にしていません。「エントロピーは不可逆的に増大する」という法則に矛盾があるといっています。どんな変化であれ、一方向にのみ不可逆的に進む変化は、初期状態がどうやって生じたのかという問題に行き着くからです。

エントロピーについては、もしかしたらそれが減少することが判明するかもしれませんが、それは今の第2法則が「間違った理論」と分かり修正されるということで、現在の、修正前の、第2法則が基準に違反する「疑似科学」であるのかとは、別の問題と考えます。

735diamonds8888x:2020/11/13(金) 20:30:00 ID:Qix9q/lA
>>734
不十分なレスで申し訳ありませんが、部分的にすぐ答えられるところだけ。

【*第2法則の否定】について

>どうしても今、私の考えを知りたいと言われるなら、ここで説明します。ただし、それは基準01に戻った時の予備知識とするためで、議論自体はそのときまで待つ、ということでよろしいですか?

 了解です。なお、

>「エントロピー」自体が矛盾をはらむかどうかは問題にしていません。

 言葉足らずで誤解を与えてしまいました。すみません。

>「エントロピーは不可逆的に増大する」という法則に矛盾があるといっています。

 もちろん、そのことを指していました。

【2種類の「波数」の件】

>本当に同じ物理量になるのですか?

 つまり異なる物理量だとお考えなのですね。答えはYesと解釈していいのですよね?
 Yesと解釈した上で、私の考えを後ほど投稿します。何時とは約束できませんが。

>という数式の中で、kの次元は[位相/長さ]でなければ

 「位相」という次元はあまり一般的ではありませんが、御説明願えるとありがたいです。わからなければ別にいいですけど。位相とは何かについては次の投稿で私の考えを述べますしね。

【2種類の「周期」の件】

>2つの「周期」は「cycle」と「period」でよいのです。

 それをキチンと私に伝えてください。Kenさんがその「cycle」と「period」を理解していないように見えたので、これほどしつこく確認していたのです。失礼ですが、これまでの書き込みからは、一般的な物理概念についてのKenさんの理解の程度が、私にはまったく不明なのです。お手数でしょうが、「ちゃんと理解している」ということがキチンと私に伝わるように書いてください。

 再度確認。「cycle」は繰り返し現象そのもの。「period」とは、そのような「cycle」が持つ物理量のひとつで単位次元を持つ。理解できましたか? Y or N ?

>そうではなく、私が>>687で波動を定義した「周期性」は「cyclicity」ではなく「periodicity」がよいと言ってます。この「周期性」にはperiodの方の「周期」が要素となるからです。>>687では、このように付け加えました。

 これは私の質問への答えとは別の話で、波動に関するKenさんの説明の中の話ですよね? このような2つの別の話をくっつけるから、わかりにくいのです。御注意ください。

 まあ、今回のレスで、「>>687で波動を定義した「周期性」は「cyclicity」ではなく「periodicity」がよい」という考えは理解しました。コメントしておきますが、とてもユニークな考えなので、強調されないと「明確に同じ周期の繰り返しが認められること」というKenさん流定義の肝をつい見逃してしまうことは御容赦ください。
 はい、この点は理解しました。その上でなら「periodicity」を使うのも良い考えかも知れません。そうすればKenさん流定義の肝が誰にでも理解してもらえるかも知れません。

736Ken:2020/11/14(土) 00:35:56 ID:l3c2r2bk
>>735
一点、よろしいでしょうか?

>私の考えを後ほど投稿します。何時とは約束できませんが。
>位相とは何かについては次の投稿で私の考えを述べますしね。

私は>>728で、

>これでも光の波動性に疑いをもたれるのでしょうか? その根拠は何ですか? もしもそのような疑いをもっておられないのなら、「周期」や「波数」の定義をここまで問題にされることが、現在の論点とどう関連するのですか?

と問いかけ、diamonds8888xさんから>>730で、

>私は光の波動性に疑いなどありません。

と回答がありました。ですが、この回答では私の質問の前半部分にしか答えておられません。もしも光の波動性に疑いをもっておられないのなら、波動理論にまつわる用語にここまで固執される必要があるのでしょうか? 同じく>>730で、

>議論で取り扱っている概念をKenさんが正しく区別して使っているのかどうかという信頼性の問題です。

と言われていますが、私は、そもそも波動理論は今の議論で取り扱うことなのか、と思っているのです。何度も繰り返していますが、私たちの論点は、

〜光は粒子であり、かつ波動である

という、古典力学では基準違反とされる理論が、量子力学では肯定されるのか、それとも量子力学においても否定されるのか、という点にあります。そしてもし否定されるのなら、

1.光の粒子性が否定される
2.光の波動性が否定される

のどちらか、もしくは両方が起こるはずです。そしてdiamonds8888xさんが光の波動性に疑いを持っておられないのなら、2の問題はそれで決着で、あとは1が残るだけではありませんか。ですから、粒子に関連する概念を私が正しく使っているかを検証しようというのなら、まだ分かりますが、波動にまつわる概念をここまで問題にする意味が分かりません。もしも波動理論への私の理解に問題があるのなら、基準05の検証をする上で問題が明らかになったときに、それを論じればよいのではありませんか?

それと、そもそも、>>685>>686で、

〜熱力学第2法則が論理矛盾を含む基準05違反ではないか

という問題から先に片付け、粒子と波動の問題は、その次にしようという合意がありました。ここは、たとえ私の波動理論理解に疑念があったとしても、まずは第2法則から論じることをお願いしたいと思います。

737Ken:2020/11/14(土) 00:57:48 ID:l3c2r2bk
1つ尋ねるのを忘れました。>>735の冒頭で、

>了解です

と言われたのは、議論をするのは基準01に戻ったときでよいが、私の考えは今説明してほしい、と言われたのでしょうか? それとも私からの説明も基準01に戻ったときでよい、と言われたのですか?

もしも今、説明を求められるのなら説明しますが、複数の論点を同時に議論するのは避けてくださるようにお願いします。

738diamonds8888x:2020/11/16(月) 05:34:35 ID:Qix9q/lA
>>737 前者です。今はKenさんの考えをきちんと理解したいのです。

>もしも今、説明を求められるのなら説明しますが、複数の論点を同時に議論するのは避けてくださるようにお願いします。

 御説明に対して理解できない点は質問しますよ。それを複数の論点と感じるかどうかは知りませんが、「複数の論点にするな」という一言で答えを拒まれても困ります。

739diamonds8888x:2020/11/16(月) 06:06:33 ID:Qix9q/lA
>>736
 私達2人は、互いに、とてもものわかりの悪い相手なんですよ。自分がいつも科学を考察している言葉をそのまま出しても通じないことが多々あることは既に互いに思い知っているでしょう? 自分がいつも使う言葉を一旦考え直してみて文章にする必要を私はひしひしと感じて実行しています。Kenさんはやってないでしょ? やっていたなら、わずか4-5時間でレスを投稿できるはずがありません。ご再考願いたい。

 以下、お気を悪くする表現もあるとは思いますが、以上の点を踏まえて御容赦願いたい。礼儀をかなぐり捨ててはっきり書かないと伝わらないこともあるようですから。ということで、次の投稿は推敲中ですので、よろしくお願いします。

 私の投稿を待つ間に、>>736を再考したり、付け加えたり、私に通じやすく改訂したり、ということは大いにやってください。Kenさんの柔軟性と自己変革能力と学習意欲に期待しています。

740Ken:2020/11/16(月) 23:51:15 ID:l3c2r2bk
>>738
>前者です。今はKenさんの考えをきちんと理解したいのです。

それでは、熱力学第2法則(及びいくつかの理論)が反証不能と考える理由と述べます。複数の投稿を数日かけて行なうと思います。

>御説明に対して理解できない点は質問しますよ。それを複数の論点と感じるかどうかは知りませんが

私は「質問」と「議論」の違いをこのように理解しています。

質問:相手の考えを明らかにするのが目的
議論:自分の考えを出し、必要なら相手の考えを変えさせるのが目的

量子力学が光の正体論争に与えた影響を説明する際にも、>>685で質問はよいが議論をするのは待ってくださいと頼み、>>686で了承をいただきました。そして私が>>687>>689で説明した後、diamonds8888xさんから、

「氷河期やトラの縞模様は波動なのか」
「波数の定義はなにか」

といったような発言がありました。このあたりまでは質問でしたし、私は、

「同じ周期が観測されないから波動ではない」
「波数はcos (ωt - k⋅r)のkでk=2π/λ」

と回答しました。ところが、その後、

「波数の定義は1/λではないのか」
「2π/λも1/λも同じ物理量ではないのか」

のような発言が出ると、これは私の考えをたずねる質問なのか、それともdiamonds8888xさんの考えを述べる議論なのか分からなくなってきたのです。それでも

「波数の定義は2π/λを用いるべき」
「2π/λと1/λは異なると思う」

と回答すると、>>735で、

「位相とは何かについては次の投稿で私の考えを述べます」

と言われるに及んで、これはもはや質問ではなく議論だと思いました。私の回答が明らかになれば、質問の目的は達せられたはずで、私が波動理論を正しく理解しているかはこの段階では問題になりません。私が誤っているなら、議論の中で問題にすればよいことで、その議論は第2法則の「矛盾」問題を片付けてからというのが、合意事項のはずです。

それでも、今されているのが「質問」であって「議論」ではない、と言われるのでしたら、私としては、「質問をするのも、第2法則を片付けた後にしてください」と答えるしかありません。diamonds8888xさんの「質問」に答えないと言ってるのでないことは、言うに及びません。

741Ken:2020/11/16(月) 23:55:15 ID:l3c2r2bk
>>739
> >>736を再考したり、付け加えたり、私に通じやすく改訂したり、ということは大いにやってください。

お言葉に甘え、少し付け加えます。

「周期性」とか「波数」とかいった、言葉の定義が問題になっていますが、このような問題を解決する最善の方法は、数式を用いることです。最初からそうしていれば、ここまで錯綜することはなかったでしょう。

>>725ではdiamonds8888xさんから、

>ファインマンも数式以外の言葉で数式中の変数の意味を書いているでしょう?

という指摘がありましたが、問題は数式と言葉のどちらが主でどちらが従なのかということでしょう。私は、特に物理学のような知識体系にあっては数式が「主」、言葉が「従」だと思います。ファインマン講義は、大学教養課程の学生に向けたものですから、通常の議論以上に言葉の説明に力を入れていますが、そのファインマンも、シンポジウムや投稿論文で同様の説明法を用いたとは想像できません。

特に私たちが問題にしている量子力学においては、数式の言葉への優越が顕著になります。例えば、量子が示す波動性とは存在確率のことだと言いました。でも「確率」は果たして物理量でしょうか? ただの抽象的な数学概念ではありませんか? 少なくとも日常的な言葉で表現できる物理量ではないでしょう。

それでも量子は抽象的な数式で表現するのだ、とファインマンが主張してるのが、例えば37章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_37.html)の5節です。「37–5 The interference of electron waves」の最後から4つ目の「Yet, surprisingly」で始まる段落で、量子の数式は水の波と同じであると。原文の「The mathematics is the same as that we had for the water waves!」に注目してください。mathematicsを斜字体にして文末に「!」を付けることで、力を込めてこの点を強調しています。なぜ量子は波なのか? それは波と同じ数式に従うからです。それ以外の、日常的な言語を用いての説明は、さすがのファインマンにもできるとは思えません。

こう考えると、最初に>>687で波動を定義したとき、「周期性」などというよりも、

波動とは、cos (ωt - k⋅r)または同じことを指数形にしたe i(ωt - k⋅r)で表されるもの

と定義して、「周期性」のような言語表現は補足説明として出せばよかったと、今となっては反省しています。>>687でも「三角関数で表現される」と付加しましたが、より強く、数式を前面に出していれば、その後のやり取りの多くは不要だったはずです。

ゆえに、これからも定義の問題を論じるなら、極力、数式で表現することを推奨します。それで大抵の問題は片付くでしょう。

742Ken:2020/11/18(水) 00:19:59 ID:l3c2r2bk
では、熱力学第2法則の反証可能性を語ります。まず一般論から始めます。

そもそも、ある理論への「反証」が現れたとき、科学はどう応じるのでしょうか? 私たちはよく、「定説でも1つの反証で崩れる」などと耳にしますが、本当にそうでしょうか? 科学史の1事例で考察してみます。その事例とは元素周期表の歴史です。以下の文章の情報源はアジモフの2書、「Asimov's Guide to Science」と「Noble Gases」で、周期表の考案者メンデレーフの事績を語ります。

メンデレーフは当時知られていた元素を原子量の順に並べることから始めました。このようにです。

水素、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、燐、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、(以下略)

見てのとおり、ヘリウム以下の貴ガスはまだ知られていません。こう並べると、元素の1原子が結合できる原子数を表す「原子価」が規則的に増減し、同じ原子価が何度も現れます。ここからメンデレーフは、現在の周期表の起源を考案したのです。1869年のことでした。

元素周期表は広範な支持を得ました。最大の利点は未知の元素を予言したことで、例えばカリウムと同じ周期にアルミニウムやシリコンの同族元素があると予言し、そのとおりに1875年にガリウムが、1886年にはゲルマニウムが発見されました。1879年のスカンディウムの発見も周期表が予測したものでした。

大成功した周期表ですが、問題が2つありました。

1つは「順序を守らない元素」の存在です。原子量127.6のテルルは126.9のヨウ素より後に来るはずですが、原子価ではテルルはセレンの同族で、臭素の同族のヨウ素の前に来ます。同じく、コバルトの原子量58.9はニッケルの58.7より大きいのに、原子価ではコバルトが先に来ます。元々メンデレーフが元素を並べる基準は原子量しかなかったのだから、これは矛盾で、当時は誰も説明できませんでした。

でも、説明できないなら、それはメンデレーフ理論への反証ではないのでしょうか?

メンデレーフ自身も、1894年に発見が報告されたアルゴンは新元素と認めませんでした。アルゴンは史上初めて確認された原子価=0の元素で、そのことも疑惑を生んだのでしょう。実在するなら原子価=0のアルゴンは塩素とカリウムの間に入るはずだが、アルゴンの原子量40.0はカリウムの39.1より大きかったのです。メンデレーフは観測されたのは新元素ではなく「N₃」だろうと主張しました。酸素原子が3つでオゾン(O₃)を作るように、窒素原子3つの化合物というのです。

第2の問題は、周期表のある地点から、元素の化学特性が変わらなくなることでした。ランタンはイットリウムの同族ですが、ランタンの後もイットリウムの同族元素が続くのです。後に「レアアース」と呼ばれるこれらの元素も説明がつかないから、メンデレーフ理論への反証だったはずです。

今の私たちは、その後の歴史を知ってます。20世紀に電子殻の構造が解明され、原子価は原子量で決まるものでないこと、電子殻は必ずしも順番に埋まるわけではないことから、「順序を守らない元素」もレアアースも説明されるようになりました。ですが、その解明がなされたのは1910年代から20年代で、メンデレーフ理論の半世紀も後のことです。その半世紀の間、この理論にはいくつもの反証があったわけですが、当時の人は理論を棄却しませんでした。反証を反証とは考えなかったのです。

では当時の人は、どう考えたのか?

一見矛盾に見える事例も、いつか説明されると信じて、反証と見なすことを拒絶したのでしょう。では、もし彼らが反証と見なすことがあるなら、何が必要だったのでしょうか?

矛盾を説明する理論は現れないと確信することです。これは「反証」の重要なポイントです。反証を反証とみなすには、矛盾を説明する理論は存在しないことが条件になるのです。

以上の説明を基盤に、熱力学第2法則の反証可能性を語ります。

(続く)

743Ken:2020/11/19(木) 00:34:49 ID:l3c2r2bk
熱力学第2法則は確率論に立脚するので、まずは確率論の反証可能性から語ります。

双六で用いる普通のサイコロがあると考えてください。このサイコロを振って「1」の目が出る確率は1/6ですから、600回振れば100回前後、6000回振れば1000回前後は「1」の目が出ることが、確率の法則から予測されます。

では、もしサイコロを6000回振って、すべて「1」が出たら? その事実を反証と見なして、私たちは確率の法則を否定するでしょうか?

絶対にそうはならないはずです。その場合は、なにかの原因があるはずと、私たちは考えるでしょう。サイコロ自体がいかさまであるのか。サイコロ師がよほど特殊な振り方をしたのか。サイコロでもサイコロ師でもない、何か環境的な原因があるのか。そういうことを考えて、原因を探すはずなのです。

問題はここからです。一定の努力を傾け時間をかけて探しても、原因が見つからないときは、どうするのでしょうか? もはや特別の原因はないと結論して、確率の法則を否定しますか?

できないはずです。数学理論を実事象の観測だけで否定することなどできません。数学理論を覆せるのは数学理論しかなく、サイコロの目のような物理現象では否定されません。よって「1」ばかりが出る原因を永久に探し続けるはずなのです。これは、言い換えれば、「このような事象が観測されたら、確率の法則は反証される」という事象を、具体的に想像できないということです。よって、確率の法則は反証不能になります。

(続く)

744Ken:2020/11/20(金) 00:19:53 ID:l3c2r2bk
さて、熱力学第2法則ですが、まずはこの法則を解説します。非常に初歩的で冗長なものになりますが、我慢してください。私(Ken)自身が第2法則を正しく理解してるかを検証するために読んでいただいても結構です。

ここに3つのボールがあるとします。区別のため「A」「B」「C」と名前を入れます。3つのボールをある高さから落下させ、そこに開いた箱を3つ置きます。箱には「1」「2」「3」と番号を付けましょう。ボールがどの箱に入る確率も同じ、つまり1/3です。

実験を繰り返せば、3つが同じ箱に入ることも、別の箱に分かれることもあるでしょう。その確率はどうなるでしょうか? その計算には、3つが同じ箱に入る場合と別の箱に分かれる場合が、それぞれ何通りあるかを数えます。

同じ箱に入る場合は3通りあります。
[1]ABC [2]空 [3]空
[1]空 [2]ABC [3]空
[1]空 [2]空 [3]ABC

別の箱に分かれる場合は6通りあります。
[1]A [2]B [3]C
[1]A [2]C [3]A
[1]B [2]A [3]C
[1]B [2]C [3]A
[1]C [2]A [3]B
[1]C [2]B [3]A

ゆえに、同じ箱にまとまる確率は、別の箱に分かれる確率の半分になります。この、同じ箱にまとまるのがエントロピーが小さい状態、別の箱に分かれるのが大きい状態です。つまりエントロピーが増大するとは、確率の大きな状態になることです。

わずか3つのボールと箱でもエントロピーが小さい状態は大きい状態の1/2の確率ですが、ボールと箱が4つならこれが1/6になります。ボールと箱が5つなら1/24、6つなら1/120とエントロピーが小さい状態は生じにくくなり、ボールと箱が100あると、156桁もある数値分の1という奇跡のような確率になります。しかし実際の熱力学現象での分子や原子の数は到底こんなものではありません。

例えば水の分子量は18ですから、わずか18ccの水の分子の数は6.02 × 10²³。こんな数だと上記の確率を電卓ではもう計算できません。ましてや浴槽を満たす水では? 海の水では? それどころか宇宙全体の素粒子なら? こう考えると、エントロピーが減少するとは、サイコロの目が6000回すべて1になることをはるかに極端にしたものと納得されるでしょう。熱力学第2法則は確率論そのものなのです。

では、もしエントロピーが減るように見える現象が観測されたら? 例えばコップの水に垂らしたインクが拡散せず逆に1点に集まるとか。あるいは高温の物体と低温の物体が接触し、高温側がさらに熱く、低温側が一層冷たくなるとか。私たちはそれを見て、第2法則が反証されたと考えますか?

考えないでしょう。例えば冷蔵庫は熱を低温側から高温側へ移動させますが、一見エントロピーが減ったようでも、冷蔵庫を動かす電力を作る発電所で燃料を燃やし、石油や石炭の内部エネルギーを散じており、結局エントロピーは増大しています。私たちはそのような理由を探すはずです。

そして、サイコロと同じで、問題はここからです。冷蔵庫の場合のような理由を探しても見つからない時は、第2法則が反証されたと考えますか?

考えません。確率論そのものである第2法則は、確率論自体を否定しない限り、否定できません。一見、反証に見える事象でも、必ずあるはずの理由の探求が永遠に続くだけで、「こういう事象が観測されたら第2法則は否定される」という事象を想像できません。よって反証不能です。

(続く)

745Ken:2020/11/21(土) 11:43:34 ID:l3c2r2bk
まだ終わりではありません。次はメンデルの法則を考えましょう。19世紀のメンデルがマメ科の植物を観察して得た結論です。優性遺伝子と劣性遺伝子が交配すると、「子」の世代ではすべて優性遺伝子の表現型が現れ、「孫」の世代では3対1で優性が現れるといいます。これも確率の法則に立脚したもので、「孫」の世代が受け継ぐ遺伝子の組み合わせには、

[1]父親から優性、母親から優性
[2]父親から優性、母親から劣性
[3]父親から劣性、母親から優性
[4]父親から劣性、母親から劣性

の4通りがあり、[4]の場合のみ劣性遺伝子の表現型を示すからです。高校(中学でしたか?)の授業で教える、基本中の基本です。

では、メンデルの法則の反証とはどんなものでしょうか? 「孫」の世代が3対1ではなく2対1になる事象が、十分なサンプル数で観測されたら、反証になりますか?

ならないはずです。やはりサイコロやエントロピーと同様に、そうなる原因が探索されるでしょう。その形質に影響する遺伝子が複数あるのか。遺伝子以外の環境的要因が働いているのか。そして、結局サイコロやエントロピーと同じ問題に行き着きます。法則どおりにならない原因を発見できなかったとき、どうするかです。

結局メンデルの法則も事情は同じです。確率の法則を数学の問題として否定しないことには、メンデルの法則を否定はできず、原因の探索が無限に続くだけです。

サイコロ、エントロピー、遺伝という3つの事例にまつわる法則を考察し、事象の観測だけでは反証できないことを述べてきました。3つとも確率論に立脚しているのが理由ですが、実のところ、確率論とは関係のない法則でも、結局は同じ問題に行き着くのです。

どんな法則であれ、一見、反証と思える事象が観測されても、実はそれを説明する理由があるかもしれません。(いかさまサイコロのように)。そんな理由はないことを明らかにしなければ、反証を反証として受け入れることができません。これこそ、最初に持ち出した元素周期表で起こったことで、新しいレアアースがどれだけ見つかっても、それを説明する理由が、つまり後世の電子殻理論のようなものが、存在しないといえなければ、反証はできないことになります。その法則が確率論に立脚していようが、いまいが。

ですが、「存在しない」ことを証明するのは「悪魔の証明」です。誰にもできません。そして、ここまでくると、反証不能な理論の数は著しく増大するのです。

(続く)

746Ken:2020/11/21(土) 21:36:47 ID:l3c2r2bk
ID論が「疑似科学」とされる理由の1つが反証不能といわれます。以前に紹介した記事で、ドーキンスもそれを言ってます。

www.theguardian.com/science/2005/sep/01/schools.research

「それに比べて」とドーキンスは続けます。「進化は反証可能である。もし先カンブリア時代のウサギの化石が見つかったら進化は反証される」という言葉を紹介しています。

しかし、以前に言ったことの繰り返しですが、このような言い方は論理の歪曲で、ドーキンスこそ疑似科学者ではないかと、私が疑う理由なのです。IDと進化を対比させても意味がありません。進化とは生物種が時間的経過の中で変わることですが、IDはそれを否定しないからです。

IDの対立仮説は進化ではなく自然選択です。過去の進化の一部に注目し、自然選択と人為的干渉のどちらが合理的に説明するかを問うのがID論です。ドーキンスがIDを反証不能と論難するなら、彼は進化ではなく自然選択が反証可能と言わねばなりません。

でも、自然選択は反証可能ですか?

反証可能と思う人は、反証になりそうな具体事象と、それが現実になった場面を想像してみるべきです。そのとき自分は自然選択を否定するかと。

工場の煤煙のせいで黒い蛾が増えたというおなじみの話があります。町並が黒くなり、蛾の黒い色が保護色となって、捕食されにくくなったと。では、もし、町並が黒くなる中で白い蛾が増えたら、自然選択は反証されるでしょうか?

されないはずです。そもそも保護色だけが繁殖に有利とは限らず、孔雀の羽のように目立つことも有利になりうるから、蛾でも同じ想像をする人が現れるでしょう。また、色自体は要因ではなく、蛾の体内に何らかの化学物質が生じ、それが代謝の効率を高めたり、特定の病気への耐性を強めたので、白い色はその物質の副産物という想像がなされるかもしれません。とくに、煤煙が起こす健康障害への耐性を強める物質なら、煤煙と時間的に符合した形で白い蛾が増えるはずです。

そのような事情は一切ないと結論されて、初めて自然選択は反証されるのです。でもそんなことが可能ですか? 「先カンブリア時代のウサギ」に該当する、自然選択を反証する事象とはどういうものでしょうか?

結局ここでも周期表や第2法則やメンデルの法則と同じことが起こります。一見、反証に見える事象があっても、別の理由があってそうなるだけかもしれず、そのような理由は「ない」ことを証明しなければ、つまり「悪魔の証明」をやらなければ、反証とは見なされません。

(続く)

747Ken:2020/11/22(日) 21:56:28 ID:l3c2r2bk
私は以前に、クォークやモノポールのような素粒子の存在を反証できるかと尋ね、結局は保留になったはずです。しかし第2法則や自然選択と比べれば、素粒子の反証はまだ望みがあるように思えます。なぜなら対象となる素粒子に具体的な特徴があるからです。

例えば、ゲルマンが提唱したクォークなら端数の電荷という特徴があり、クォークの実観測を試みた人は端数電荷を探したといいます。存在証明はそれでよいとして、反証はどうやるのか。私には思いつきませんが、もしかしたら背理的に証明できるかもしれません。つまり陽子や中性子の内部に端数電荷が実在するなら起こりえない現象を見つけるのです。それがどんな現象なのか想像もつきませんが、一般論としては、具体的な特徴があるほど背反現象を見つける望みが出ます。

でも、反証が反証でないことを示す理由、たとえば、

*本当はエントロピーが増えてるのに減ってるように見える
*本当は自然選択で白い蛾が増えてるのに、自然選択に逆らってるように見える

このような、具体的な特徴が何もないものに、どうやって背反現象を想定できるでしょうか?


それとも、「反証」とはそこまで厳密なものではなく、「矛盾があるかもしれない」程度でも、反証と考えるのですか? 例えば、熱が低温から高温に移動することが観測され、かつ冷蔵庫のような明らかな理由が見つからない場合は、それが見つかるまでは反証と考えるのですか?

でも、そこまで反証の定義をゆるめるなら、今度はあらゆる理論が反証可能になり、反証の意味がなくなりませんか? 早い話が、天地創造論も反証可能です。『創世記』を読むと、神は昼と夜を分ける光を2度創造したことになります。初日に昼夜を分け、その後、天と地を作り、植物を作った後、4日目にもう1度昼夜を分ける光を作り、それから動物を作ったとあります。いかに全能の神でも、既に分かれている昼と夜を、どうやって分けられますか。そこを突けば反証になります。

反証可能性に関して、私がいま語れるのは、以上です。あと、ブラックホール内部を考察する問題も、まだ決着してないはずです。最初に断ったように、基準01に戻った時の予備情報として一連の投稿をしました。

748diamonds8888x:2020/11/28(土) 09:51:47 ID:Qix9q/lA
>>741>>747
 詳しい説明をありがとうございます。Kenさんの基本的考え方がかなり理解できたように思います。そのいくつかは私の基本的考え方とは重要な点で食い違いがあるわけですが、簡単な説明では、そこを私の考え方で解釈してしまって誤解することがあるというわけです。これはKenさんが私の文章を解釈する時でも同じでしょうから、互いに気をつけましょう。

 上記の食い違いのいくつかは、Kenさんに改めてもらわないと、それ以上の議論はできないくらいのものです。それは、研究者などが普通に科学的考察をする際の方法とは、ずれています。

 さて私の理解したところ、以下の論点があるようです。
 1)【定義の問題(自然科学の中の数学)】
 2)【熱力学の基本】
 3)【反証の実際(硬い核の問題)】

 3は(硬い核の問題)と呼ばれていますが、誠実に考え、なおかつ人に説明しようとすると、なかなか難しい問題です。ひとまず留保。
 「基準01に戻った時の予備情報として一連の投稿をしました [>>747]」とのことですから、Kenさんも今は留保のつもりだと思いますが。

 ただし研究者などが普通に科学的考察をする際には、自動的に「これまでに積み上げられた科学的知見」は正しいものとして考えます。そういうことだと思っておくのが実用的だと思いますね。

 1と2はどちらも、自然科学の中の数学ないし数式の位置付けの問題が関連していますね。基本的な私の認識として、数式とは自然科学の内容を表現するための言葉のひとつです。ちょうどグラフや表と同じように。Kenさんはどうも、数式は言葉以上のものと考えている節が感じられますが、これは誤解ですか?

 というところで、少しずつですが別発言にて。

749diamonds8888x:2020/11/28(土) 15:33:28 ID:Qix9q/lA
>>741 【定義の問題(自然科学の中の数学)】
>ゆえに、これからも定義の問題を論じるなら、極力、数式で表現することを推奨します。それで大抵の問題は片付くでしょう。

 そうですか、了解です。では私の考える波数の定義を厳密に数式だけで表現します。あっと「波数」だけは自然言語に見えますが、こればっかりはねえ。

   波数=η/ζ

 これで【私の言いたかったことが、よーーーくご理解いただけたのでしたら】、とても嬉しいのですが。


 念の為に申し添えますが、特に【】内はいわゆる掛詞(二重表現)を含んでいます。表(おもて)の表現だけの理解でも構わないですけれど。

750diamonds8888x:2020/11/28(土) 15:44:17 ID:Qix9q/lA
>>743, >>744, >>745 【熱力学の基本】

 差し障りのある問題ではありませんが、ここで論じられている「熱力学」は「統計力学」と呼ばれるもので、それ以前の初期の「熱力学」、クラウジウスが創始した「熱力学」は別の土台に基づき、別の数学を使っています。もちろん、以上は御存知のことでしょう。とは思うけどねえ・・、そう思い込んで違ってたことも多々あるから、一応、初耳だったとしたら、見栄なんかはらないではっきりそう言っておいてくださいね。【ちゃんとY/Nで答えてください】

 もしお持ちならば、「統計力学」なしの「熱力学」についての知見や見解も御披露いただけるとありがたいです。

 以下はほんの触りを紹介しています。
[tps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%8A%9B%E5%AD%A6#%E7%86%B1%E5%8A%9B%E5%AD%A6%E3%81%AE%E8%AB%96%E7%90%86%E5%B1%95%E9%96%8B]

 本格的にはネットにも色々ありますし、標準的教科書も色々あります。

751diamonds8888x:2020/11/28(土) 18:24:39 ID:Qix9q/lA
>>743, >>744, >>745 【熱力学の基本】
わたしの理解した点いくつか、のうちの一つ。

 [>>726]での私の問いへの答えはよくわかりました。

> [>>680]
> >むしろ2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

>  この意味を具体的にわかるようにお願いします。

 Kenさんの考えはよくわかりました。そしてそれは、決定的な点で、研究者などが普通に科学的考察をする際の方法とは異なっています。はっきり言えば、間違った考えです。

752diamonds8888x:2020/11/28(土) 18:28:14 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

 >>742>>747 で提起されている【反証の実際】は、なかなか手ごわいものでポパー理論を絶対と考えると解決できないだろうと思います。実際、だから現在、ポパー理論は科学哲学者の間では評判が悪いとかいう話です。
 いわゆる「線引き問題」「境界設定問題」についてのたぶん最新の解説を見つけましたので、メモしておきます。長文で見つけたばかりなので、私は全部は目を通してはいません。

tps://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/243232/1/sst.8.5.pdf
Title 境界設定問題はどのように概念化されるべきか
Author(s) 伊勢田, 哲治
Citation 科学・技術研究 = Studies in Science and Technology (2019),8(1): 5-12


 で、普通に科学的に経験論の基本で考えてどうなのかと。以下、つれづれなるままに断片的な思考です。もしや楽しい練習問題にできるのかも知れませんし。

 「原子量に基づくメンデレーフ理論」は実際に反証され否定されている。
 そう言えば「ニュートン力学」も実際に反証され否定されている。忘れがちだけど。
 しかし、「〜の条件ではニュートン力学は成立する」という理論は今でも正しい。
 その意味では「メンデルの法則」も実際に反証され否定されている。
 ああ、その意味では「ダーウィンの唱えた進化理論」もでした。
  私自身もそんなことブログに書いてたと思うし、更科功の本では、はっきりそう書いてあった。

 「もし先カンブリア時代のウサギの化石が見つかったら進化は反証される」とは言うものの、それらしきものが見つかったとしても、それが確かに「先カンブリア時代のウサギの化石」なのかどうかを事実として確認するのはなかなか難しいであろう。
 科学的観測というのは簡単ではありません。火星の運河とかポリウォーターとか、観測間違いによる混乱は有名なものだけでも数多く、無名なものなら世界中の実験室や観測施設で日常茶飯事でしょう。
 けれども困難と不可能とは超巨大数と無限くらい違う。その間には暗くて深い河がある。


 いや、これだけだと禅問答みたい。でも経験論的科学の何たるかがわかっている人ならば、この禅問答の言わんとするところはわかるはず。

753diamonds8888x:2020/11/28(土) 18:30:26 ID:Qix9q/lA
>>752
 なお【反証の実際】とその難しさについては、Kenさんとの間では一旦保留ということになっています。

 [>>734,>>735, ]
--------------
>第2の問への答えは、推敲中であり、次のレスでいただけるのですよね?
> >むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

>>723でも言及しましたが、否定の難しさ、つまり反証可能性の問題を議論するのは、論題が基準01に戻ってからにしてはどうでしょうか?
 ----------
>どうしても今、私の考えを知りたいと言われるなら、ここで説明します。ただし、それは基準01に戻った時の予備知識とするためで、議論自体はそのときまで待つ、ということでよろしいですか?

 了解です。
--------------

754Ken:2020/11/28(土) 21:04:57 ID:l3c2r2bk
繰り返しになりますが、お願いしたように、論点は1つずつ片付けましょう。今は3つの論点が「やりかけ」になっており、議論する順序は、

1.エントロピーが不可逆的に増大するという理論は、基準05違反ではないか?
2.光は粒子でも波動でもあるという理論は、古典力学では基準05違反だが、量子力学で違反でなくなったのでは?
3.エントロピーが不可逆的に増大するという理論は、反証不能ではないか?

3は基準01に関連するので、1と2の直後に論じるべきかは、2つが終わってから決めましょう。

なお、>>749>>750で指摘されたことと質問されたことは、それぞれ上記の2と3に関連すると思われますので、それらが論点になったときに回答します。そのときには、これらの指摘と質問が論点とどう関わるのかと尋ねることから始めます。

ただし、>>748>>751 で指摘されたことが、もし

〜数式は自然科学を表現する1方法で、自然科学理論の正否を支配するものではない

と言われているのなら、これはおそらく1の論点と関連するでしょう。「(¬P)∧P」を否定する基準05は、まさしく、

〜数理的にありえないことは、実事象でもありえない

と言っているように思えるからです。

755diamonds8888x:2020/11/29(日) 11:17:33 ID:Qix9q/lA
>>740>>747
【質問と議論】
 以下のコメントを読むのが不十分でKenさんの考えの基本的部分をまたまた誤解してることが判明したので私見を述べます。

[>>740]
> 質問:相手の考えを明らかにするのが目的
> 議論:自分の考えを出し、必要なら相手の考えを変えさせるのが目的

 はい、同意します。

> 「位相とは何かについては次の投稿で私の考えを述べます」

> と言われるに及んで、これはもはや質問ではなく議論だと思いました。私の回答が明らかになれば、質問の目的は達せられたはずで、私が波動理論を正しく理解しているかはこの段階では問題になりません。私が誤っているなら、議論の中で問題にすればよいことで、その議論は第2法則の「矛盾」問題を片付けてからというのが、合意事項のはずです。

 私の認識では、この問題は「波動理論を正しく理解しているか」というレベルではなく、「物理化学で使われる用語(概念)が共通な言葉になっているのかどうか」というレベルの問題です。それどころかKenさんの概念があまりにひどく間違っていて話にならないわけで・・。


 でもそうですね。わかりました。どうせ、ここで私が位相についての正統派解釈を書いても、素直に受け入れるはずありませんよねえええ。しゃあない。
 了解です。Kenさんが如何にして、どこでどう間違えているかの議論になっちゃいそうですし、確かに上記の議論の定義に入りそうですからねえええ。これくらい互いに物分りが悪い相手同士だと思い知りました。

 了解です。波数と位相の話は二人の間では保留としましょう。

 それに、もう少し見解を拝聴したほうが、全体像がより理解できそうですからね。

756diamonds8888x:2020/11/29(日) 11:25:39 ID:Qix9q/lA
>>755
【信頼性の問題】
[>>736]
>>議論で取り扱っている概念をKenさんが正しく区別して使っているのかどうかという信頼性の問題です。

> と言われていますが、私は、そもそも波動理論は今の議論で取り扱うことなのか、と思っているのです。何度も繰り返していますが、私たちの論点は、

 ここの後半の推論はまったく理解できません。なぜそうなのかは、[>>755]で述べたレベル認識の違いによると思われます。まあ、光の二重性の議論に入ったときにでも改めて解説してください。

 たぶんKenさんも私の「レベル認識の違い」の意図がピンときてないので、私の感覚が理解できないことは想像できますから、何を説明したらいいのやら困惑するとは思いますが、すみませんねえ。

757diamonds8888x:2020/11/29(日) 14:12:30 ID:Qix9q/lA
>>754

 1-3の順は、Kenさんがそうしたいなら了解です。ロバは違う場所では水を飲みたがらないから。ただ、いくつか確認と、防備メモ、ないし後の参考の予備知識として私の認識をメモしておきます。

 3は扱う対象の科学理論は1と同じだけれど、論点が反証可能性の困難さ、私の言葉での【反証の実際(硬い核の問題)】なので1とは別個に論じるということですね? はい、深く同意します。1-3の中では、たぶん一番ややこしいと思います。

 1と2は私の言葉で、今、改めて表現すれば【矛盾とエセ矛盾】とでも言う問題です。基準05、すなわち論理法則における矛盾律の自然科学理論における位置づけということにもなるでしょう。これは論点は同じだけれど対象の科学理論ので、まずは熱力学からということですね。 なら了解です。

 御指摘の私の質問コメント4つが1-3のどこに当てはまるのかですが、私の質問意図としては1-3とは別ないしは重なるテーマが適切というものもあります。

>>749 波動とは何か、波動の持つ物理量には何があるか :2関連。広くは議論の前の基本。
   「科学理論の中の数式の位置づけ」に含まれるが、より限定的範囲
>>750 「科学理論の中の数式の位置づけ」  :1-3すべての土台となる基本
>>748 3つありますが?
 1)【定義の問題(自然科学の中の数学)】 :[>>749]と同じ
 2)【熱力学の基本】  :1と3
 3)【反証の実際(硬い核の問題)】 :3のテーマそのもの
>>751 「科学の中の数式の位置づけ」 :1-3すべての土台となる基本


 最後に、1-3は疑問形になっていますが、現時点双方の見解は以下の通りと認識しています。私がKenさんの見解を誤解してたら御指摘を。

 1.Kenさん;違反している  私;違反していない

 2.Kenさん;Yes
   私;二重性の意味を明確にすべし。
    「同時に粒子としても波動としても観測される」 古典論でも量子論でも違反
    「ある場合は粒子として別の場合は波動として観測される」
      古典論でも量子論でも違反しない。量子論では観測事実と一致する。

 3.Kenさん;反証不能  私;反証可能。>>742>>747の例もすべて反証可能。


【以下は単なる防備メモなので気にしないでくださいね】
>「(¬P)∧P」を否定する基準05は、まさしく、
>〜数理的にありえないことは、実事象でもありえないと言っているように思えるからです。

 なるほど、ますます症状がわかってきました。「論理法則における矛盾律の自然科学理論における位置づけ」の問題なのですが、もっと基本的土台である「科学の中の論理法則の位置づけ」の問題の具体例ですね。広くは「科学の中の数式の位置づけ」の具体例というわけですか。

758diamonds8888x:2020/11/29(日) 17:15:19 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

 ニュートン力学以来、科学理論は仮説演繹法で証明ないし検証されることが多くなり、演繹部分における数学の比重が大きくなりました。そのため、数式こそ科学理論の本質だと勘違いする論を目にすることも多いのですが、んなわけないよ。

 仮説演繹法は大きく、仮説、推論、結論、の3つのステップからなります。そして結論の正しさを観測により検証し、その観測事実を証拠として仮説は正しいと結論するのです。ここで推論の正しさは数学で証明済みの定理のみが使われていることで示します。つまり言うなれば、推論部分の正しさを示すのは数学の役割であり、科学の領域ではありません。

 仮説演繹法による検証を反映して、ニュートン以来の科学理論そのものも3つの部分から成り立つものがほとんどとなりました。万有引力の法則を例に取れば、
  仮説 2つの物体間にはF=G*m1*m2/r^2 の力が働く
  推論 ある条件、例えば太陽の周りを地球が公転している場合の軌道計算
  結論 太陽を焦点のひとつとする周期1年の楕円軌道を描く

 この場合だと多くの人は仮説の部分だけが万有引力理論であり、推論と結論の部分は「理論から予想される現象の予測であり、理論そのものではない」と認識するかも知れませんし、まあそれが、ある意味では正論です。
 しかしこれが量子力学や熱力学となると、推論部分で結構高度な数学を長々と使わねばならないため、教科書でも数式を使う推論部分が非常に分厚くなります。なので「推論部分も理論の一部である、いや大部分である。多くの部分を占めるのだから核心部分である」と考えたくもなろうというものです。しかしいかに長かろうと多くの部分を占めていようと、推論部分の正しさを示すのは数学の役割であり、科学の領域ではありません。その意味では、理論の一部と言うならともかく、核心部分ではありません。

 では具体的に、水素原子核の周囲の電子の運動の理論を見てみましょう。
  仮説0 電子の状態は存在確率(観測される確率)の平方根である波動関数で示される 
  仮説 電子の波動関数φは、ih(d/dt)φ=H(φ) を満たす
       (若干不正確な表記で失礼)
  推論 水素原子核の周囲の電子の波動関数の計算
  結論 s,p,d,f,等の軌道となる (いわゆる球面波動関数です)

 並べれば万有引力の法則との対応は明らかですが、色々と実際的な違いもあってこの明らかさが見えにくいのも確かです。その色々と実際的な違いをいくつか挙げれば。

 ・仮説0が日常感覚とかけ離れていて理解しにくい。
 ・各段階ひとつひとつが、万有引力の法則と比べて、ともかく長くてややこしい。
 ・実はここの結論は、そのまま観測事実として確かめることはできない。
   電子スペクトルとか様々な現象から推論する。換言すれば、
   上記結論を仮説においての仮説演繹法で実際の現象を導くことが必要


 ひとまず、ここまで

759Ken:2020/12/01(火) 23:32:48 ID:l3c2r2bk
>1-3の順は、Kenさんがそうしたいなら了解です。

順序は合意に基づいていることを思い出してください。


>御指摘の私の質問コメント4つが1-3のどこに当てはまるのかですが

この後に続く部分はそれで結構ですが、どうしても明確にしておきたいことがあります。議論の中の各論点が、議論の目的に関連していることを保証してほしいのです。例えば、diamonds8888xさんは、

>「同時に粒子としても波動としても観測される」 古典論でも量子論でも違反

と言われますが、これは私への明確な反論になります。私は、光が示す波動的特性に、

[A] 干渉縞を作る / ドップラー効果を示す / 波動理論が導く速度で伝播する

を挙げ、一方、光の粒子的特徴として、光が、

[B] 日焼けを起こす / 目に見える / 写真を写す

ことを挙げ、[A]の特徴を、[B]のように目で見たり写真に写せることが、同時に観測されることだといいました。私の論点を崩すのなら、

(1)Aのどれも波動の特徴ではない
(2)Bのどれも粒子の特徴ではない

すくなくとも、このどちらか1つを論証する必要があるはずです。ですから、

>波動とは何か、波動の持つ物理量には何があるか

このようなことを論点にされるのなら、それは(1)を論証し、[A]が光の特徴だという主張を否定するのが目的であり、「波数」の定義もそのために必要なのだと、あらかじめ保証していただきたいと思います。それは、つまり、(1)を論証する過程で、必ず「波数」が現れることを意味します。


それでは、最初の論題、エントロピーが不可逆的に増大するという熱力学第2法則は、基準05に違反しないという主張の根拠を説明していただけますでしょうか?

760diamonds8888x:2020/12/04(金) 05:34:43 ID:Qix9q/lA
>>759

 単に状況確認と忘備録として2人の見解を示しただけであって、議論自体は合意した順に沿って、Kenさんからの説明をもっとお聞きした後に始めるつもりですよ。今は、御自分の見解をきちんと説明することに専念をお願いします。私はまだKenさんの見解を十分に理解していないと思っていますから、>>758に書いた私の見解を、Kenさんにも理解していただけるように、さらに詳しく説明する自信がまつたくありませんので。

>順序は合意に基づいていることを思い出してください。

 以前のどの投稿でのことかがちと思い出せませんので、よろしければ御指摘いただけると思い出せるかも知れません。しかし、ともかく[>>758]では私は合意しました。

761diamonds8888x:2020/12/04(金) 05:37:22 ID:Qix9q/lA
>>759

 単に状況確認と忘備録として2人の見解を示しただけであって、議論自体は合意した順に沿って、Kenさんからの説明をもっとお聞きした後に始めるつもりですよ。今は、御自分の見解をきちんと説明することに専念をお願いします。私はまだKenさんの見解を十分に理解していないと思っていますから、>>758に書いた私の見解を、Kenさんにも理解していただけるように、さらに詳しく説明する自信がまつたくありませんので。

>順序は合意に基づいていることを思い出してください。

 以前のどの投稿でのことかがちと思い出せませんので、よろしければ御指摘いただけると思い出せるかも知れません。しかし、ともかく[>>758]では私は合意しました。

762diamonds8888x:2020/12/04(金) 05:39:39 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。
【まず訂正】>>758 で3ステップに分けた中の「推論」は「演繹」とします。その方が、この部分は数学なんだということが忘れにくいでしょう。


 >>743>>743 における問題は、熱力学(統計力学)というよりもむしろ、「確率論の中の数学と自然科学」という問題だと、私は気が付きました。確率論を学習したり応用したり考察したりする場合に、数学プロパーの人でもない限りはサイコロなどの具体例を使って考えます。そのために数学の部分(仮説と演繹の世界)と自然科学の部分(経験と観測の世界)とを混同してしまうというわけです。

例1)
第1ステップ 1-6の目の出る確率が全て等しいサイコロを用意する
第2ステップ 600回振って1の出る回数を計算する ;演繹
  その結果 100回付近での各回数の確率が正規分布で得られる ;演繹予測結果
第3ステップ 実際に600回振って1の出た回数を数える ;検証

 これでは、物であるサイコロを用意するとか、実際に600回振ってとか数学ならぬ自然科学での操作が含まれてしまっています。もっと数学らしくしましょう。

例2)
第1ステップ 1-6の目の出る事象の確率が全て等しいとする ;仮定または公理
第2ステップ 600回振って1の出る回数を計算する ;演繹
  その結果 100回付近での各回数の確率が正規分布で得られる ;演繹予測結果
第3ステップ いやいや、「その結果」までで数学は終わりですよ(^_^)

 この比較を見れば分かる人にはもう数学と自然科学との混同という意味は一目瞭然ですから、ひとまずここまでとしてもいいのですが、ちょっと第1ステップの比較を考えてみましょう。

 後者は典型的な数学における仮定をおく形になっていますが、前者では「用意する」などと日常的な、すなわち数学ならざる作業になっています。これはまさに自然科学的操作であって、「どうやって確率の等しいサイコロを用意するのか?」「用意したサイコロの目の出る確率が等しいことはどうやって保証するのか?」という疑問が生じるわけです。生じない人は・・・考えがあまーーーい。

 そして「サイコロを用意する」という操作を自然科学的操作と意識して、現実に近いものに表現すれば、次のようになります。

例3)
第1ステップ 1-6の目の出る確率が全て等しくなるであろうようにサイコロを作る
第2ステップ 既述と同様 ;演繹
  その結果 既述と同様 ;演繹予測結果
第3ステップ 既述と同様 ;検証

 第3ステップはまさしく作ったサイコロが思惑どおりに確率が全て等しくできたかどうかを確認検証しているのです。では第1ステップでは、「確率が全て等しくなるであろう」ものの作成法をどう決めるのでしょうか? それは色々と考えられます。
 例えば、全体が均質で正確な立方体となっていて、各面の摩擦とかも等しい、とか、「ともかく各面が区別し難く作れば確率も等しくなるだろう」という一種の「理論」に基づいて作ります。
 別法では例えば、作り方を試行錯誤して、上記3ステップによる検証を繰り返しながら調整していくという方法もありますね。

 で、次のような例も考えられます。
例4)
第1ステップ サイコロを用意した。1-6の目の出る確率は不明。なのでこの確率をPi (i=1-6) とする。
第2ステップ 既述と同様 ;演繹
  その結果 既述と同様 ;演繹予測結果
第3ステップ Pi を推測 ;測定値を求める

 いやいや、この例4はよくやられてますね。放射性元素の壊変定数の測定とか、素粒子の寿命の測定とか、所定量の薬物を100匹のねずみに与えた時に何匹死ぬかとか、色々。当然ながら、測定値には誤差があります。

 ひとまず、ここまで。

763Ken:2020/12/04(金) 23:05:48 ID:l3c2r2bk
>以前のどの投稿でのことかがちと思い出せませんので、よろしければ御指摘いただけると思い出せるかも知れません

時間が経ちすぎていて投稿番号まで思い出せませんが、基準01を保留して基準05を先にするのは、diamonds8888xさんの提案だったはずです。また、基準05の中で、光の粒子性/波動性より先に熱力学第2法則を片付けることは、>>685で私が提案し、>>686で同意をいただきました。よって、これらの合意に従うと、私が>>754で述べた1、2、3の順序になるはずです。

>議論自体は合意した順に沿って、Kenさんからの説明をもっとお聞きした後に始めるつもりですよ。今は、御自分の見解をきちんと説明することに専念をお願いします。

私としては、今の時点で言えることは言い尽くしたと思っていますが、まだ足りないということでしょうか?

たとえば、>>757で、

>1.Kenさん;違反している  私;違反していない

と、1の論点に関するdiamonds8888xさんの意見を表明しておられるということは、私の問題提議を承知されているからではないのですか?

論点1についての私の見解は、>>674につきます。念のために補足するなら、ここでは、熱力学第2法則が間違っているかは問題にしていません。そのことは>>680でも述べました。もしも第2法則が間違っており、エントロピーの減少がありうるなら、第2法則は当然、基準05違反ではなくなります。

そうではなくて、エントロピーが減少することはない、とする現在の理論、あらゆる教科書に載っている今の第2法則が基準05違反ではありませんかと、問いかけています。>>734で述べたように、

>どんな変化であれ、一方向にのみ不可逆的に進む変化は、初期状態がどうやって生じたのかという問題に行き着く

からです。ファインマンが46章(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_46.html)の5節で問題にしているのも、その初期状態であったはずの「秩序」つまり\エントロピーが小さい状態だと思います。以下は「46–5 Order and entropy」の4つ目の段落からの抜粋です。

Then where does irreversibility come from? It comes from order going to disorder, but we do not understand this until we know the origin of the order.
(訳)では不可逆性の本質は何か? それは秩序が無秩序に変わることだが、秩序の起源を知らずに、それを理解することはできない。

764Ken:2020/12/05(土) 13:25:56 ID:l3c2r2bk
>>763

ファインマンの原文は明確ですが、逐語的に日本語に置き換えても、あまり良文にはなりませんね。原文の意図を考慮した翻訳にします。

(原文)
Then where does irreversibility come from? It comes from order going to disorder, but we do not understand this until we know the origin of the order.

(訳)
では、不可逆変化とは何を意味するのか? それは秩序から無秩序への変化のことだ。ただし、元々の秩序がなぜ生じたかを明らかにしないと、不可逆性を理解できたとはいえない。

「元々の秩序」が、私がいう「エントロピーの極小状態」のことです。

765diamonds8888x:2020/12/13(日) 05:31:52 ID:Qix9q/lA
>>763
 基準05を先にするのはdiamonds8888xの希望であり、熱力学第2法則を先にするのはenさんの希望である、と言いたいのですね。了解しました。

>と、1の論点に関するdiamonds8888xさんの意見を表明しておられるということは、私の問題提議を承知されているからではないのですか?

 違・い・ま・す。単に現時点での両者の見解を明確にしただけです。議論というのは、さらに詳しくなぜそう主張するかに入らないと議論ではありません。だってあの表明だけでは相手には何もわからないではありませんか。

**) 以下は1の熱力学についての議論に入るかも知れませんが・・。

>私としては、今の時点で言えることは言い尽くしたと思っていますが、まだ足りないということでしょうか?

 なら私の答えも[>>677]で言い尽くしたと思っていますが、[>>677]ではまだ足りないということでしょうか?

>もしも第2法則が間違っており、エントロピーの減少がありうるなら、第2法則は当然、基準05違反ではなくなります。

 ちょっと本当に言いたいことがわかりにくい文章ですが・・・、何を口走ったことになるのか理解してないとも思える文章ですが・・・。
 【--ほらやっぱり違反してないでしょ?--】
 Kenさんのこの文章の論理は[>>677]で私が書いたことと似ていますけどね。

 どうせこれだけではわからんでしょうから、説明は考慮中として。ふむ、私にとっては論点が増えたということになったのですね。別発言にて説明します。今のまとめですね。

766diamonds8888x:2020/12/13(日) 05:32:57 ID:Qix9q/lA
>>765
 熱力学第2法則の理解に疑問が生じたのでそこまで遡る説明をお願いしたのですが、そこで色々と論点が出てきました。以下です。

a) 熱力学第2法則の初期条件問題(Kenさん提起)
b) 数学と自然科学の関係(第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚するか)
c) 実体とその物理量との違いなどなど(区別してくれよ)

 まあcは直接には光の粒子説波動説に関連ですから後回しにするとして、bは基本的問題です。bもcもKenさんの理解方法が微妙に正統派から外れている点なので、ここを正さないと基準問題についても自分の理解のどこがおかしいのかがわからないでしょう。
 柔らかくというか公平に言えば、自分の理解のどこが私や他の自然科学者達の理解と違いの由来であるのかが理解できないでしょう。

 Kenさんはbやcでの自分の理解が常識であり議論するようなものではないと思いこんでいるので、興味が薄いのでしょう。そして自分の目下の興味の焦点であるaを速く進めたいと思うわけでしょう。
 bやcでの自分の理解が常識だと言うなら、私や普通の自然科学に興味の深い人のならば、基準05こそ常識で「矛盾のある理論も提出可能」などあきれて見はなすのが普通です。

 まあaも本質は熱力学ではなくて起源問題とでもいうべきものですけどね。[>>764]で紹介していただいた「ファインマンの原文は明確」ということには同意しますが、まさにファインマンは起源問題を未解決問題として提起しているということです。起源問題はどの分野でもよくあることです。はるか昔から。

 まずは、Kenさんとの間ではここから行きますか。

767diamonds8888x:2020/12/13(日) 05:35:08 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。
【波数1/λと2π/λ(1)】
 波数の定義問題を片付けておきましょう。これは高校物理の波動や単振動、もしくは高校数学の三角関数のところをしっかりと理解していれば、へんな誤解などしないはずの問題です。こんな基本的なことをないがしろにしておいて量子論を論じようなどとはおこがましいにも程があります。

 波動は単振動および等速円運動と密接な関係にあり、数学的にほぼ同じように扱えることは高校物理でも高校数学でも教えられています。[*Ref.1,2]。これら3つの運動における物理量を対比してみましょう。

  速度(velocity)   [長さ/時間]  角速度  [角度/時間]
  振動数(frequency) [回数/時間]  角振動数 [角度/時間]
  周波数(frequency) [回数/時間]  角周波数 [角度/時間]

 さて、周波数と角周波数との違いは例えばwikipediaの記事では「通常の周波数を単純に 2π 倍したもの」「即ち、2π 秒あたりの回転数」と書かれています。[*Ref.3]。確かにそういう見方もできますが、別の見方を紹介しましょう。あるいはこちらの見方の方がわかりやすい人もいるでょう。以下、周波数は振動数と同義語なので振動数だけに統一します。

  定義:角速度、角振動数、振動数とは単位時間あたりに進んだ角度である。

 これらの値が異なるのは角度の単位が異なるものを使っているからです。よく知られている角度の3つの単位を示します。
   1)度数(degree)  1回転を360度と定義
   2)ラジアン(radian) 1回転を2πと定義
   3)回転(cycle)  1回転を1と定義

 以上で話はおしまいです。分かる人にとっては。まあ回転(物理量)と角度(物理量)とが同じものという発想をなかなか受け入れられない頭の硬い人も多いのかも知れませんから、もう少し丁寧に。

 角度(座標位置)=0から出発して450度回転したとしましょう。これを各単位で表せば、
   1) 450 度
   2) 2.5 ラジアン
   3) 1.25 回

 さらに450度回転したのが1秒間でだとすれば角速度となって
   1) 450 deg/s
   2) 2.5 radian/s
   3) 1.25 cycles/s (Hz. cps, rps)

 いずれも角度という物理量を時間という物理量で割ったものであり、違いは分子である角度の単位だけです。そして特に2)のラジアン単位で表現したものを角周波数と呼びます。
 なお 3)に出てくるHz以外の単位は、cps(cycles per second), rps(rounds per second)です。rpm(rounds per minute)はrpsよりもよく使われるようです。

 さて波数についても同様です。1/λも2π/λも角度という物理量を長さという物理量で割ったものであり、違いは分子である角度の単位だけです。


-----参照-----
  Ref.1) h**p://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/wave/hadou/hadou.html
   わかりやすい高校物理の部屋 波動
  Ref.2) h**p://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/mech/tann/tannsinn.html
   わかりやすい高校物理の部屋 単振動
  Ref.3) h**ps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%92%E5%91%A8%E6%B3%A2%E6%95%B0
   角周波数は通常の周波数を単純に 2π 倍したものに過ぎない。即ち、2π 秒あたりの回転数である。
  Ref.4) h**p://fujisawa.phys.titech.ac.jp/fujisawa/PhysCText-Wave10pt.pdf
   波数とは、長さ2πのなかにいくつの波があるかを表した量で、波長λ
   角周波数とは、時間2πのなかにいくつの波があるかを表した量で、周波数f
  Ref.5) h**ps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A2%E6%95%B0
   つまり、1 波長分の波を 1 個と数えたとき、波数 k は単位長さ当たりの波の個数を 2π 倍したものに相当する。このとき、k=2π/λ は角波数 (angular wavenumber) と呼ばれる。

768diamonds8888x:2020/12/13(日) 05:38:40 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。
>>767
【波数1/λと2π/λ(2)】

 さてファインマンの「距離による位相変化の割合」とは何を意味するのでしょうか。「位相」という量は高校物理の波動の項でも、高校数学の三角関数でも教えられているものですが、wikipediaにも「位相」の記事があります。wikipediaの記事では「波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある。通常は角度(単位は「度」または「ラジアン」)で表される。」としています。

 三角関数では、 F(t)=sin(ωt+θ) でのθが位相で0〜360度の値を取ります。言ってみれば、F(t)を回転角と想定した場合に回転数で表した場合の小数部分です。つまり、回転角を1回転で割った余りですね。もっとも議論の都合上、0〜360度の範囲を越えた値も許して使うこともあり、そうなると位相とは回転角そのものとも言えます。ファインマンはどうも後者の意図で位相という言葉を使っている気配が感じられますが、いずれにせよ「波数は距離による位相変化の割合」「周波数や角周波数は時間による位相変化の割合」という表現もおかしくはないということです。

 もとい、「〜による位相変化の割合」という表現も「単位〜あたりの回転数(波の数や繰り返しの数)」という表現と、内容は一致しているのです。

769Ken:2020/12/13(日) 17:47:35 ID:l3c2r2bk
>>765>>766の文面から、論点1(diamonds8888xさんのいうa?)から始める合意があると納得していただいたと思いますので、私へのお尋ねがあったことに回答しておきます。

>なら私の答えも[>>677]で言い尽くしたと思っていますが、[>>677]ではまだ足りないということでしょうか?

初めに、最も基本的な点から。私は>>680で、「間違った理論」と「疑似科学」は異なると述べました。また>>669では過去や現在の論争の例を挙げ、それぞれの論争の中で、一方の説を主張する人は、対立説を現実を反映しない「間違った理論」と考えたが、疑似科学とは考えなかった、と述べました。この点には同意をいただけると思います。つまり、

〜たとえ間違った理論でも、基準に違反する疑似科学とは限らない

という基本認識が、まずあります。そして>>674で、私は、熱力学第2法則が論理的矛盾を含む基準05ではないかと問題提議をしました。それへの回答が>>677ということですが、diamonds8888xさんが第2法則を間違った理論と考えるという部分は、上記の理由により今の論点にはなりません。

問題は、基準05違反ではない、と主張されている部分です。そして理由として挙げられたのは、次の2つの条件が成立する場合だと思います。

p2-2) 全宇宙の外からの影響で生じた。これは仮定u0に反する。
p2-3) どこからも生じたのではなく、単に存在していた。

そして続く部分でこの2つが説明されています。

>p2-2はつまり仮定u0が成立しない。つまり閉鎖系である宇宙というものが存在しないことになります。これは宇宙が無限であれば、可能かも知れません。p2-3はつまり、過去が無限に続いているという我々のなんとなくの考えが、実は間違い

これに対して私は>>680で、そのような条件は、

1.現実に観測されていない
2.それ以前にイメージの具体化ができない

と述べました。だからといってp2-2)、p2-3)の条件が絶対に不可能とは主張しません。私が言いたかったのは、そのような架空の条件を仮定することで第2法則が基準違反でないといえるのなら、diamonds8888xさんが>>568で基準05違反の例に挙げられた、

・太陽は東から昇る。かつ西から昇る
・この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

これらもまた基準違反でなくなるのでは、ということです。具体例として>>680で、プランク定数が十分に大きくなれば、矛が盾を貫いた状態と貫かない状態が並立すると述べました。しかし、考えてみたら、それよりはるかに強力な、どれだけ不合理な事象でも可能になる、万能の条件を仮定することができるのです。

つまり、もしこの世が、リチャード・ティレルが主張するような、コンピュータ・シミュレーションによる仮想世界だったら、という仮定です。

そんな仮想世界なら、太陽が2つ昇ることも、貫いた状態と貫かない状態が同時にあることも、むろん時間が逆行してエントロピーが減ることも、すべて可能です。だって、そういうプログラムを書けばよいのですから。

ティレルは、量子がピクセルの特徴を持つことを、この世が仮想世界と考える理由にしていますが、私は賛同できませんし、おそらくdiamonds8888xさんも賛同されないでしょう。つまり仮想世界を仮定する理由はない、ということです。

同じことはp2-2)とp2-3)にもいえます。これらの仮定が仮想世界よりも現実的と考える理由はありません。むしろ、シミュレーションによる仮想世界自体は、私たちの周囲にありふれていることを思えば、ティレルの仮定の方がまだしも現実的というものです。

よって、>>677を読む限りでは、「エントロピーが不可逆的に増大する」と「太陽が東からも西からも昇る」の、一方のみが基準05違反とは考えられません。私は>>680でそれを言ったのであり、それへの回答を待っているのが現状です。

770Ken:2020/12/14(月) 23:28:00 ID:l3c2r2bk
ここまでの経緯を整理しておきます。

初めに、>>353でdiamonds8888xさんから、疑似科学の基準が1つ提示されました。

基準05:P∧¬Pは間違いである

私は、基準05に違反する理論の実例を求め、>>568で2つの例が示されました。整理の便宜上、理論A、理論Bと呼びます。

A:太陽は東から昇る。かつ西から昇る
B:この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

その後、>>674で私は、基準05違反の理論はもう1つあるのではと尋ねました。

C:エントロピーは不可逆的に増大する

A、Bとは異なり、Cは世間一般で正しいとされ、教科書に載っている理論ですが、基準05の切り口では、Cもまた違反ではないかというものです。

これに対して、>>677でdiamonds8888xさんから、2つの指摘がありました。1つは、理論Cつまり熱力学第2法則は間違っているというものです。でも、これは今の論点ではありません。私は、基準違反の例になるかと尋ねているのですから。AとBも、間違った理論のはずですが、基準違反の例に挙げられています。

もう1つは、次の2つの条件のどちらかが成立すれば、Cは基準05違反ではない、というものです。

p2-2) 全宇宙の外からの影響で生じた(宇宙が無限)
p2-3) どこからも生じたのではなく、単に存在していた(過去は無限に続いていない)

ですが、このどちらも、現実観測にもとづかない、想像の産物です。それでも、絶対にありえないという否定証明がない限り、条件を仮定してもよいといわれるのかもしれません。しかし、架空の条件でもよいのなら、ほかにも設定できる条件があります。仮にp2-4)と呼称します。

p2-4) この世は、コンピュータ・シミュレーションが作った仮想世界

パソコンショップで売られているパッケージソフトやオンラインゲームに見るように、仮想世界では、あらゆるファンタジーや不合理事象が可能です。太陽が2つ東と西から昇るくらい簡単です。

p2-2)、p2-3)、p2-4)の3条件をすべて認めるなら、おっしゃるようにCの理論は、基準05に違反しません。ただし、基準05違反の例に挙げられたAとBも違反ではなくなりますし、おそらく基準05違反の例は空想することもできなくなるでしょう。言い換えれば、基準05には存在理由がなくなるのです。

p2-2)、p2-3)、p2-4)をすべて否定するなら、A、Bだけでなく、Cも基準05違反です。つまり、エントロピーは不可逆的に増大するという現在の定説は、疑似科学ということになります。

もしも、AとBは基準違反だがCは違反ではないと主張されるのなら、p2-2)とp2-3)の条件は仮定してもよいが、p2-4)を仮定してはいけない、と主張する必要が生じます。私の今の問いかけは、そんな主張が可能ですか、というものです。コンピュータが作る仮想世界は、私たちが日常的に目撃しており、具体性と現実性の両面で、むしろp2-4)こそ仮定が許されるではないか、と思うからです。

771ゲジゲジ:2020/12/18(金) 01:50:20 ID:yB/Gw6h2
久しぶりにヨコから失礼します。
個人的に忙しかったのもありますが、私は物理には詳しくないので黙っていました。
自分の認識が間違っていると、余計な発言をして却って議論を混乱させてしまいかねないので。
しかしここ最近の議論を拝見していて、自分の認識が間違っていない事をほぼ確信できましたので書き込みます。(ただし間違っていたらすみません。)


【熱力学の第2法則】
失礼ながら、私から見てもDiamonds888x様の[>>677]は分かり難いです。
今から読み返すと分かりますが、最初に読んだ時は何を仰りたいのかちょっと疑問でした。

熱力学第2法則が基準05違反「¬P∧P」に該当しない理由はここですよね。
>その理由は「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というのが一番大きい理由だと考えられます。

つまり、そもそも熱力学第2法則が「証明された範囲を超えた領域での現象」を問題にしなければ、基準05違反にならない、という事ですよね。
そして、その後に語られている「p0」〜「p2-3」は、「証明された範囲を超えた領域での現象」に対するDiamonds888x様のお考えであって、「なぜ基準05に違反しないのか」という論点からすると、言わば「余談」に近いですよね。
しかしこの「余談」の部分が詳細に語られているため、Ken様にはこの部分こそが「基準05に違反しない理由」と取られてしまったようですね。


さて、私が注目しているお2人のやり取りがこちら。
[>>729]
>1.雨が降る
>2.水は上から下に移動するのみ
>という2つの命題は、一見整合があると見えても、実は「(¬P)∧P」のような、理論的な背反関係にあるのでは、ということです。
>我々の眼前でエントロピーが増大しているのは雨が降ることに、エントロピーの減少がありえないのは水の上昇がありえないことに、それぞれ対応します。

[>>732]
>雨の例えはわかりやすくかったですよ。比喩以上の適切な例だったと思います。
>そして、雨の例が必ずしも矛盾をはらんではいないことは、むろん御存知ですよね?
>さすれば、よくよく突き詰めて考えれば、エントロピーについても【必ずしも】矛盾をはらんではいないことはおわかりなのでは?

Diamonds888x様はあっさり「必ずしも矛盾をはらんではいないことは、むろん御存知ですよね?」と仰っていますが、ここを本当に突き詰めたら良いのではないでしょうか?
Ken様は「雨が降る」、「水は上から下に移動するのみ」は基準5に違反すると考えているのか???

もし違反すると考えているなら、議論はそこからでしょうし、もし考えていないなら、ではこれらと熱力学第2法則は何が違うのか? ですね。
私からすれば3つとも矛盾はありませんし、矛盾がないとする理由も同じです。
一言でいえば「理論のスコープ」というか、その理論が「何を語っているか」、「どこまでを語っているか」という、ただそれだけの事だと思います。
恐らくDiamonds888x様も一緒ですよね。

772ゲジゲジ:2020/12/18(金) 01:50:59 ID:yB/Gw6h2
【隠れた、しかし非常に重要な論点】
もう一つ、特にKen様の769と770から、重要な論点が見えてきました。
Diamonds888x様もお気付きでしょうが、つまり「¬P∧P」というのがどういう事なのか、ここに至ってもまだ、お2人の認識が一致していないようです。いや、間違いなく一致していませんね。
今まで議論が嚙み合わないわけです。

私が気になったKen様のコメントを挙げておきます。

[>>625]
>(3)粒子と波動は背反関係にある
>私は、18世紀の知識体系の中で(3)の背反関係を否定するのは、基準05に違反する疑似科学になるのではないか、と思っています。
  ↓
基準05に違反しませんよね。もしかしたら今の論点ではない、別の基準によって疑似科学になるかもしれませんが、少なくとも基準05には違反しないはずです。


[>>631]
>粒子と波動の背反関係を否定すれば、それはすなわち「¬P∧P」状態があると主張することだから、基準05違反になるのではありませんか?
>18世紀の知識体系の中で粒子と波動の背反関係を否定すれば、それは「¬P∧P」状態になるからではないのですか?
  ↓
違いますよね。上記の通りで。


[>>638]
>AとBの2つの穴があり、同じ電子がAを通りかつBを通ったと言ったら、古典力学しか知らない人には、まさしく言葉遊び、マザーグースのたぐいに思えたに違いありません。
>でもそれは実現することが分かりました。
  ↓
量子力学はよく分かりませんが・・・
「Aを通ればBは通らない」、「Bを通ればAは通らない」すなわち「Aを通る」と「Bを通る」は背反関係にある。
その前提で、「同じ電子が同時にAを通りかつBを通る」。
こんな事が実現するのでしょうか?


[>>680]
>ご存知のように、量子の世界では、ある物体がある障壁を貫通した状態としなかった状態が並立します(トンネル効果)。
  ↓
本当ですか?
Wikipediaには「ある確率で粒子は障壁を貫通する。」と書いてあります。
つまり「貫通した状態としなかった状態が並立」はしていません。


[>>723]
>古典力学では、同じものが粒子でありかつ波動であると主張するのは、
>1.同時に粒子であり波動である
>2.ある時は粒子であり、ある時は波動である
>のどちらの場合でも「(¬P)∧P」に該当する「疑似科学」になるといいました。
  ↓
古典力学において、「2.ある時は粒子であり、ある時は波動である」は「(¬P)∧P」に該当しません。
古典力学において「ある時は粒子である時は波動である存在」など全く荒唐無稽な発想で、他の基準に違反して「疑似科学」になったかもしれませんが、少なくとも基準05には違反しないはずです。



[>>769][>>770]
>太陽が2つ昇ることも、貫いた状態と貫かない状態が同時にあることも、むろん時間が逆行してエントロピーが減ることも、すべて可能です。
>太陽が2つ東と西から昇るくらい簡単です。
  ↓
太陽が2つ東と西から昇ることは「¬P∧P」ではないし、時間が逆行してエントロピーが減ることも「¬P∧P」ではありませんよね。
貫いた状態と貫かない状態が同時にあることは、Ken様がイメージしている状態は恐らく「¬P∧P」ではないです。


[>>769][>>770]
>だって、そういうプログラムを書けばよいのですから。
>パソコンショップで売られているパッケージソフトやオンラインゲームに見るように、仮想世界では、あらゆるファンタジーや不合理事象が可能です。
  ↓
「¬P∧P」になるような挙動を起こすプログラムなど不可能ですよ。
そんなプログラムは、書く事はできるかもしれませんが、動かしたら、いや動かそうとしたら、エラーが出て止まります。
この世界が仮想世界かどうかは分かりませんが、仮想世界で「¬P∧P」を起こす事は不可能です。



ここからは私の推測ですが、どうやらKen様が想定している「¬P∧P」とは、こういう現象のようです。
矛と盾でいえば、矛も盾も分子(もしくは原子)の集合なわけですから・・・
例えば矛を構成する分子のうちの一部が、盾を構成する分子と分子の間を通って、盾の後ろ側に貫通する。矛を構成する分子の残りの部分は、盾の分子の間を貫通しない。

言葉の綾みたいなもので、こんな状態を「貫きかつ貫かない」と言っても日常会話では間違いではないのでしょうが・・・
しかし矛のある部分が盾を貫き、別のある部分が貫いていないのだから、「¬P∧P」には該当しません。

773diamonds8888x:2020/12/20(日) 17:02:03 ID:Qix9q/lA
>>771
ゲジゲジさん、ありがとうございました。参考になりました。

> 熱力学第2法則が基準05違反「¬P∧P」に該当しない理由はここですよね。
> >その理由は「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というのが一番大きい理由だと考えられます。

 まさに、そのとおりです。

> しかしこの「余談」の部分が詳細に語られているため、Ken様にはこの部分こそが「基準05に違反しない理由」と取られてしまったようですね。

 なるほど、言われてみれば確かにその方向にずれていますね。参考になりました。

[>>770]の発言は、そういう勘違いによるものなんですねえ。
> もう1つは、次の2つの条件のどちらかが成立すれば、Cは基準05違反ではない、というものです。

 「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というだけでは具体性に欠けると思って、例えばの例示をしたつもりだったのですが、「余談」だったかも知れませんねえ。理論の適用範囲ということで説明をすべきだったのでしょうねえ。

774diamonds8888x:2020/12/20(日) 17:13:06 ID:Qix9q/lA
>>772
 量子力学に関しては一筋縄ではいかないと思います。観測とは何かなどというややこしい問題さえあって、古典的な観測事実の概念が揺らいでいるとも感じられる議論が専門家の間でもあるくらいなので。ただ私は個人見解として、どこまで古典的な観測事実の概念で押し通せるかという考え方で行くようにしています。以下は、その観点からの見解ですが。

 波と粒子の2重性とか混合状態とかいうものは観測されていない時の状態であって、観測された途端にいずれかの固有状態に収縮する、ということになっています。この言明を素直に考えれば、2重性とか混合状態とかいうものは観測されないのであり、それゆえ例えば「光が同時に波と粒子として観測されることはない」という言明は量子力学においても事実であると言えます。
 俗に言えば、「仮想的状態なんだから何でもありで、観測されたら矛盾になるような状態でもあっていいよ」となるんじゃないのかな、とも思うのです。

 むろんこれは、「量子力学の理論体系の中では矛盾が許容されている」という意味ではありません。そのような意味で基準05に違反する理論体系は論理というものの性質としてありえないのです。単に、観測上は存在しえない状態でも、観測されない状態では存在すると仮定すれば、論理上うまくいく、ということですね。

 似たようなことが確率論にもあると、私は考えます。確率とは「起きることの予想」でしかないので現実に観測することはできません。観測できるのは「同じ条件でN回試行(実験・観測・測定)した時の観測結果aが得られた回数n」といった統計的事実です。この統計事実から確率を予想します。で、数学的な確率というのは無限回試行した時の統計値ですから、有限時間では観測不可能です。

 こういう事情があのでボーッとしてると「矛盾が許される」とか「パラドックスである」とかいうキャッチコピーを鵜呑みにしやすいのですよね。

775diamonds8888x:2020/12/20(日) 17:18:45 ID:Qix9q/lA
>>769,>>770

 ゲジゲジさん[>>771]のおかげで食い違いの部分がはっきりしましたので、以下を引用します。
-------------
【熱力学の第2法則】
失礼ながら、私から見てもDiamonds888x様の[>>677]は分かり難いです。
今から読み返すと分かりますが、最初に読んだ時は何を仰りたいのかちょっと疑問でした。

熱力学第2法則が基準05違反「¬P∧P」に該当しない理由はここですよね。
>その理由は「該理論が証明された範囲を超えた領域での現象を問題にしているから」というのが一番大きい理由だと考えられます。

つまり、そもそも熱力学第2法則が「証明された範囲を超えた領域での現象」を問題にしなければ、基準05違反にならない、という事ですよね。
そして、その後に語られている「p0」〜「p2-3」は、「証明された範囲を超えた領域での現象」に対するDiamonds888x様のお考えであって、「なぜ基準05に違反しないのか」という論点からすると、言わば「余談」に近いですよね。
しかしこの「余談」の部分が詳細に語られているため、Ken様にはこの部分こそが「基準05に違反しない理由」と取られてしまったようですね。
-------------

 さて以下の2つの発言には、私とKenさんとの基準05に対する認識の違いが現れています。

[>>770]より
> もう1つは、次の2つの条件のどちらかが成立すれば、Cは基準05違反ではない、というものです。

[>>769]より
> 問題は、基準05違反ではない、と主張されている部分です。そして理由として挙げられたのは、次の2つの条件が成立する場合だと思います。

 「次の2つの条件のどちらかが成立すれば、Cは基準05違反ではない」というのは私の主張ではありません。「Cは基準05違反ではない」ことは「次の2つの条件」の成立や不成立には無関係です。当然ながら「次の2つの条件が成立する場合」というのは「基準05違反ではない理由」ではありません。


 この認識の違いがどんなものかは、上記[>>771]の引用で示されていますが、Kenさんにはよくわからないかも知れませんから、詳しくは別発言にて。

776Ken:2020/12/20(日) 21:33:13 ID:l3c2r2bk
diamonds8888xさんに1つお願いがあります。

1対1の議論をするために立ち上げた本スレッドで、私以外の投稿者ともやり取りをされるのなら、各投稿の冒頭に、その投稿がだれに宛てたものかを明記していただけませんでしょうか? たとえば>>768などはそうしておられるようですし。

参照されている投稿番号から判断して、>>773>>774>>775のうちでは、最後の>>775のみが私に宛てた発言と読み取れますが、それでよいですか?

その>>775の末尾に、「別発言にて」とありますので、私はdiamonds8888xさんの次の投稿を待てばよいわけですね?

777diamonds8888x:2020/12/25(金) 05:53:37 ID:Qix9q/lA
>>776
>参照されている投稿番号から判断して、>>773>>774>>775のうちでは、最後の>>775のみが私に宛てた発言と読み取れますが、それでよいですか?

 そのとおりです。冒頭にどの発言への返信かが書かれていますから、わかるはずですよ。

778diamonds8888x:2020/12/25(金) 05:55:35 ID:Qix9q/lA
>>755,>>776
迂遠に見えるかも知れませんが、以下の話から始めます。

 天動説から地動説への転回のようなコペルニクス的転回が起きたのだから、現在正しいとされている科学理論も将来はひっくり返るかも知れない、という考えがあります。しかし実際のところは、現在の基本的な科学理論が根本的に否定されるなどということを本気で信じている科学者はいないでしょう。もちろんニュートン力学が相対性理論となったような改善や進歩はありえます。また量子力学はマクロの物理学の常識を覆してはいますが、マクロ現象に古典的物理学が適用できることを否定してはいません。「現在正しいとされている科学理論も将来はひっくり返る」というのは実際はありえないのですが、その理由をきちんと説明してみましょう。
  (今回、考えてみて、そうだったのかと思いついたものです)

 まずコペルニクス以降のコペルニクス的転回と言えそうな例をいくつか挙げてみます。

 進化論: 生物種は普遍=>生物は進化する
 大陸移動説: 地質時代的時間では大陸は移動し分裂し合体する
 星雲遠方説: 星雲は銀河系内=>星雲は銀河系外の遥か遠くに

 いずれも科学的視点から(科学者の視点から)見れば、実は次の3段階の経緯をたどっています。2つの対立仮説をAとBとします。
 第1期 仮説Aが信じられていて仮説Bは思いつかれてもいない。
 第2期 仮説Bが提唱され、どちらかに決めるには観測事実が不足し、両説での論争が続く
 第3期 観測事実が十分に得られ、仮説Bが正しいと決定される

 天動説vs地動説の場合、原始時代は第1期で直感的に大地は動かず天体は動くと考えられていましたが、早くも古代ギリシャで地動説が提唱されました。wikipediakの「進化論」の記事によれば、地動説と同じくらい古くから生物種が変化するという考えは生まれていたようです。ゆえに第2期も長いのですが、天文学とは異なりほとんど観測事実というものが得られませんでしたから、まともな論争というのはやはり西洋近代に始まると見てもいいでしょう。星雲遠方説の場合は、前提として星々が太陽と同じ恒星だとわかっていなくてはなりません。そしてこの時代では当初から近い可能性もも遠い可能性も可能であることは天文学者たちにはわかっていたでしょうから、第1期というものはなかったと考えていいでしょう。

 いずれの場合でも第3期では十分な観測事実の集積により仮説Bが正しく仮説Aでは観測事実の集積に矛盾することが判明しているのですから、それが覆るにはこの「十分な観測事実の集積」が実は間違いだった場合にしかあり得ないのです。

 こうして第3期の仮説Bが覆ることはあり得ないのですが、さらに精密な観測事実、または新たな領域での観測事実が得られた場合に、仮説Bが修正されて仮説B’が登場することはよくあります。この場合、仮説Bはより正確な仮説B’の近似という位置づけになります。

 ニュートン力学は相対性理論により否定されたのではなく、相対速度が光速より十分に遅い場合には十分に正確な近似理論となりました。マクロの古典力学は量子力学により否定されたのではなく、大きさや質量が大きい場合の近似理論となったのです。言い換えると、光速に近い速度の世界や非常に小さく軽い粒子の世界へと観測の範囲が広がり、そこでは従来の理論は成り立たないことがわかったということです。すなわち、従来の理論(ニュートン力学や古典力学)はこれまで観測されてきた世界では観測事実と一致する正しい理論だが、新しく見えてきた世界では観測事実と一致しない理論であるとわかってきたのです。

 また進化論や大陸移動説の場合は、非常にゆっくりと進行する現象についての観測が困難であり、長期間の変化の世界が知られていなかったために仮説Aがなんとなく信じられていたけれど、それが次第にわかってきて仮説Bが正しいとわかってきたのです。

【続く】

779Ken:2020/12/25(金) 23:17:17 ID:l3c2r2bk
>>778

「続く」で終わっているので、すべての投稿を待つべきかとも思いましたが、どうしても気にかかる点があるので、この段階で意見をはさみます。私の懸念が杞憂であるなら、この投稿は無視してください。

(1)何度か繰り返していますが、基準05違反ではと私が問題提議しているのは、世の中の教科書に載っている今の熱力学第2法則です。>>763の後半部でもそういってます。もしも、ニュートン力学が相対論に修正されたように、第2法則も修正されるとdiamonds8888xさんが論じておられるなら、ここでは修正前の第2法則が問題なのだと分かってください。それがdiamonds8888xさんの考えとは異なる理論であってもです。

>>677では、

>遠い過去では、観測事実からは第2法則が成立していないということは十分に可能

と言われましたが、今の第2法則は、そんなことはいっていません。今の第2法則が、エントロピーが減少する状況として挙げているのは、対象領域が閉鎖系でない場合のみで、ファインマンが46章5節で言ってるのもそのことです。もし、仮に、

>素粒子実験でビックバン以前の超高密度宇宙を再現してみたら熱力学第2法則が破れていた(>>677

としても、それは今の第2法則が修正されるということで、修正前の今の第2法則が基準違反かどうかとは別の問題と思えるのですが、いかがですか?


(2)これも繰り返し述べていますが、ある理論が「間違ってること」と「疑似科学であること」は異なるはずです。間違ってるからといって疑似科学とは限らないし、疑似科学でも間違った結論をだすとは限りません。後者の例として、まだ第3掲示板に移る前に、「太陽神アポロは大地神ガイアよりも神格が高いから中央に鎮座するはず」という理由で地動説を唱えるのは、結論は正しくても疑似科学という例を挙げました。2018年 3月 2日の投稿で、翌日にはdiamonds8888xさんの同意をいただきました。

相対論登場前のニュートン力学を挙げておられますが、ニュートン力学が基準05違反で、相対論で違反が解消したのではありません。ニュートン力学では物体の質量は不変なので、力に比例した加速度が必ず生じ、速度はどこまでも大きくなります。このこと自体は「(¬P)∧P」に該当する論理矛盾を含みません。ただ、それとは異なる観測事実があることが20世紀に判明しただけです。


私がこの段階で口をはさんだ理由は、diamonds8888xさんのここまでの投稿を見る限りでは、やはり、

1.現在の第2法則を対象にしていない
2.基準違反かではなく、間違ってるという話になっている

と思われるからです。これが私の杞憂であり、私の問題提議に対応して話を進めておられるなら、どうぞ続けてください。

780diamonds8888x:2020/12/26(土) 07:42:34 ID:Qix9q/lA
>>779
>「続く」で終わっているので、すべての投稿を待つべきかとも思いましたが、

 いえいえ、このように「気にかかる点」には早めに意見をはさんでいただく方がありがたいですよ。ことらも修正ができますから。

>ニュートン力学が基準05違反で、相対論で違反が〜ただ、それとは異なる観測事実があることが20世紀に判明しただけです。

 まさにその通り。この例だとよくおわかりなのですね。熱力学第2法則の件も同じことなのですけどね。熱力学第2法則の場合は「それとは異なる観測事実があることが予想される」という違いはありますが。もっと強く言えば「論理的に考えると、それとは異なる観測事実があるはず、あったはずである」となりますね。

>ここでは修正前の第2法則が問題なのだと分かってください。

>>素粒子実験でビックバン以前の超高密度宇宙を再現してみたら熱力学第2法則が破れていた(>>677

>としても、それは今の第2法則が修正されるということで、修正前の今の第2法則が基準違反かどうかとは別の問題と思えるのですが、いかがですか?

 懸念と問題意識は了解しました。では確認のためにお尋ねしますが、「今の第2法則」が基準違反と疑う点を再度まとめてください。「今の第2法則」が直接には関わっていない遠い過去(例えばビックバン以前)のことが理由に関わっていたと思いましたが?

781diamonds8888x:2020/12/26(土) 07:44:06 ID:Qix9q/lA
>>778
 さて生物の自然発生説の否定も典型的な対立仮説の転回ですが、これはネズミなどでの否定、蛆虫などでの否定、微生物での否定、と段階的に進んだので、急激なコペルニクス的転回という印象は受けないかもしれません。しかしwikipediakの「自然発生説」の記事に概説してあるように、やはり直感的な観察からの理論があった第1期から第2期、第3期へと進んでいます。

 ところが自然発生の否定は、生物の存在自体と矛盾します。生物が親からしか生まれないのならば、最初の生物はどうやって生まれたのかという問題が出てくるのです。生物に関しては、この起源問題にはラマルクがうまい理論を提唱しました。つまり、最初の最も原始的生物は自然発生し、それ以降は親から子が生まれつつ複雑な生物へと進化してきたという理論です。この理論は現在でも認められていて、無機物からの生命誕生の具体的過程を知るべく多くの研究が行われています。

 この場合、自然発生するのは、まさに生命と非生命との境界物といえるような「自己複製体」とでもいうべきものと考えられていて、パスツールが実験的に証明したような微生物の自然発生の否定は今でも覆ってはいません。自然発生できるような生命にはいまだ未知の条件があり、現在のほとんどすべての生物はその条件には合致せず自然発生できないのです。

 まとめると、以下の2つの理論は互いに対立するものでもなく、どちらかが基準05に違反しているのでもありません。
  ・現在の生物には自然発生するものはいない
  ・過去には未だ未知の生物の自然発生が起きた

 同様に、以下の2つの理論は互いに対立するものでもなく、どちらかが基準05に違反しているのでもありません。
  ・現在の世界では熱力学第2法則は正しい
     (熱力学第2法則に反する現象は観測されていない)
  ・遠い過去には熱力学第2法則が破れたことがある
     (熱力学第2法則に反する現象が起きた)


 さてKenさんの「熱力学第2法則は基準05に違反」という疑いには、理論・観測事実・正しい・矛盾、という概念の混乱が見られるように思えますので、その点を次のコメントでまとめてみようと思います。実は上記の私の文でも「正しい」「矛盾する」「理論」などの言葉を多義的に使っているのですが、そこは文脈で意味が通ると思っています。ただ文脈を判断する基準が違う人には誤解を与えることもあるでしょうが、そこまで気を使うのも難しいですのでご容赦を。


【続く】

782Ken:2020/12/26(土) 14:21:30 ID:l3c2r2bk
>>780

>「今の第2法則」が基準違反と疑う点を再度まとめてください。「今の第2法則」が直接には関わっていない遠い過去(例えばビックバン以前)のことが理由に関わっていたと思いましたが?

その答えは簡単です。今の第2法則は、それが成立することに何の条件もつけていません。よって、遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってるからです。diamonds8888xさんは>>677で、第2法則は、

>なんらかの基本原理から誘導されたものではない

と言われました。その趣旨は、これまでと異なる観測事実があれば、第2法則は否定されるという意味だと思います。むろん、私は>>744で述べたように、確率の法則を否定しない限り第2法則は否定できないと考えますが、それ自体は論点3で議論することでしょう。

今の論点1は現在の第2法則が対象です。つまり第2法則を反証する観測事実はないことが前提になるわけで、そうなると、「なんらかの基本原理から誘導されたものではない」ことが、まさしく、いかなる物理条件でも第2法則が成立するという理論構成になるはずです。

お分かりでしょうか? 「このような物理条件のもとでは第2法則が成立しない」という物理条件を想定できない、ということです。

783diamonds8888x:2020/12/26(土) 15:17:42 ID:Qix9q/lA
>>780,>>779
 「今の第2法則」が基準違反と疑う点の一つとして以下の御発言が要約になっていると思いますが、そう理解してよろしいですか?
-------------------------
[>>743]
>よって、確率の法則は反証不能になります。

[>>744]
>ここに3つのボールがあるとします。区別のため「A」「B」「C」と名前を入れます。3つのボールをある高さから落下させ、そこに開いた箱を3つ置きます。箱には「1」「2」「3」と番号を付けましょう。ボールがどの箱に入る確率も同じ、つまり1/3です。

>ゆえに、同じ箱にまとまる確率は、別の箱に分かれる確率の半分になります。この、同じ箱にまとまるのがエントロピーが小さい状態、別の箱に分かれるのが大きい状態です。つまりエントロピーが増大するとは、確率の大きな状態になることです。

>確率論そのものである第2法則は、確率論自体を否定しない限り、否定できません。
-------------------------

 さらに上記は[>>680]での以下の発言の具体的説明となっていますね?

>むしろ第2法則は確率論という純粋数学に直接立脚しており、最も否定の難しい自然科学理論に思えます。

 さらに[>>680]では、「今の第2法則」が基準違反と疑う点の別の一つが述べられています。
-------------------------
>第2法則には、観測事実との矛盾ではなく、

> (1)エントロピーは常に増大する
> (2)ゆえに過去にエントロピーの極小状態が存在した
> (3)ゆえにエントロピーの極小状態が生じた
> (4)ゆえに(1)と矛盾する

> という、論理的な自己矛盾(=疑似科学)があるのです。
-------------------------

 実は[>>778][>>781]の議論は、この2番めの理由に焦点を当てたもので1番目の確率論の話とは関係がありません。そこは御理解ください。


 kenさんが「今の第2法則」が基準違反と疑う点が、上記2つであるなら、それに沿って議論を進めます。

784diamonds8888x:2020/12/26(土) 15:26:58 ID:Qix9q/lA
>>780,>>779
 [>>783]で紹介したKenさんの説明の前振りとして以下の御発言がありますが賛同する点をコメントしておきます。

>>723
>ここでは第2法則が、矛盾を内包する「疑似科学」ではなく、観測事実と矛盾する「間違った理論」となりうる可能性を挙げておられると思いますが、私は、現在定説として確立している理論の中には、観測によって否定することができない「反証不能」なものがいくつもあり、確率論に立脚する第2法則もその1つではと考えているのです。これは基準01に論題が戻ったときに詳しく論じることになるでしょう。

diamonds8888xによる要約
 1)「疑似科学」とは矛盾を内包する理論のことである
 2)「間違った理論」とは観測事実と矛盾する理論のことである
 3)第2法則は確率論に立脚する
 4)第2法則は、観測によって否定することができない

diamonds8888xのコメント
 1,2 の2つの概念を区別するのは大いに賛成で、用語をそのように定義することに異議はありません。1,2の区別について同意できることは大いに喜ばしいです。([>>682]でも同意してましたね)。
 3もその通りです。ただし、確率論だけに立脚しているのではないことは述べておきます。ゆえに熱力学第2法則は決して「確率論そのもの」ではありません。熱力学第2法則は自然法則であって、数学理論でもなく数学の定理でもありません。
 そして4は誤りです。[>>743][>>744]の推論のどこに誤りがあるのかは後ほど説明します。

785diamonds8888x:2020/12/26(土) 15:30:30 ID:Qix9q/lA
>>782
読みましたが回答は後ほど。>>783,>>784,は>>782を読む前のものですので、そのおつもりでお読みください。

786Ken:2020/12/26(土) 16:18:12 ID:l3c2r2bk
1点だけ。

>>783

>kenさんが「今の第2法則」が基準違反と疑う点が、上記2つであるなら、それに沿って議論を進めます。

2つのうち「反証不可能」は論点3の論題です。よって、まず論点1で第2法則の「不可逆性」の矛盾を論じ、次に論点2で光の粒子性と波動性が同時に観測されるかを論じ、その後に論点3で第2法則の、というより私がこれまでに挙げた各理論の、反証可能性を論じるのが、合意された順序になることをご理解ください。私がこれまでに挙げた各理論とは、

1.ブラックホール内部の事象
2.クォークやモノポールの存在
3.確率の法則
4.熱力学第2法則
5.メンデルの法則
6.自然選択

これ以外にも探せばいくらでもあるとは思いますが。

787diamonds8888x:2020/12/27(日) 08:30:12 ID:Qix9q/lA
>>786
 熱力学第2法則(エントロピーが不可逆的に増大する)に関しては次の2つの異なる論点があるとの認識だと言うことですね? 私から見るとどちらも[>>680]で登場したもので、kenさんが別のものと認識しているのかどうかも不明でしたが、明確に異なる論点として認識されていることがわかり良かったです。

 [>>754]の論点1(基準05違反)
   私の発言[>>783]の最初の「基準違反と疑う点の一つ」に該当
  kenさんによるその理由[>>680][>>782]の(diamonds8888xによる)要約
   1)過去にエントロピーの極小状態が存在したはずだが、極小状態が出現するには
    エントロピー減少が起きなければならず、第2法則と矛盾する
   2)第2法則には成立条件の制限がなく「遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってる」

 [>>754]の論点3(反証不能)
   私の発言[>>783]の2番目の「基準違反と疑う点の別の一つ」に該当
  kenさんによるその理由[(>>680),>>743,>>744]の(diamonds8888xによる)要約
   熱力学第2法則は確率論そのものである
   確率論という純粋数学は反証できない
   ゆえに熱力学第2法則は反証できない

 この認識で間違いなければ、ご要望通り、なるべく論点1(基準05違反)の範囲で述べますが、説明の都合上どおしても論点3関連事項に触れざるを得ないこともありえますから御了承ください。
 なお[>>783]でことわった通り、[>>778][>>781]の議論はまさに前者の論点1(基準05違反)に関するものであることは、御理解いただけてますか?

788Ken:2020/12/27(日) 12:02:43 ID:l3c2r2bk
>>787

>[>>778][>>781]の議論はまさに前者の論点1(基準05違反)に関するものであることは、御理解いただけてますか?

>>778は、ある理論が正しいか間違っているかをどう決めるのかを論題にしていると思われます。すると基準05に関連する話ではないように私には見えます。基準05は、ある理論が内部的な自己矛盾を含むかが問題なので、正しいか間違っているか、つまり現実を反映するかしないかとは、別の問題だからです。

>>781は起源問題を扱っている点で、論点1に対応していると思います。ただし、生物の自然発生とエントロピーの減少を同列に扱えるのか、私には疑問です。生物の自然発生も、閉鎖系のエントロピー減少も、そのような事象がこれまで観測されたことがないという点では同じでしょう。

ですが、エントロピーが減少するには、「奇跡」という表現でも到底追いつかない確率が必要なことが、数理的に証明されています。生物の自然発生に同じことがいえるのでしょうか? なによりも、DNAは親から子に複製されるだけでなく、多様な原因で変異することが現実に確認されています。それなら、偶然の変異により、生物を作るDNAを生じることもありえるでしょう。

789Ken:2020/12/27(日) 12:30:22 ID:l3c2r2bk
1点追加します。

熱力学第2法則が基準05違反の例になるかを考察するときには、diamonds8888xさんが基準違反の具体例に挙げられた2つの理論との対比も考えてください。

A:太陽は東から昇る。かつ西から昇る
B:この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

もしも>>781で、エントロピーの減少も生物の自然発生も、今のところ観測例がないだけで、起こらないとは言い切れないと主張しておられるのなら、上のAとBは絶対に起こらないといえるのかが問題になるでしょう。

>>769>>770で述べたように、AもBも、シミュレーションが作る仮想世界なら容易に実現できるのです。よって、エントロピーの減少を可能にするどのような条件を想定しようと、その想定条件が、すくなくとも仮想世界よりは現実的であると論証する必要があるはずです。

790diamonds8888x:2020/12/27(日) 15:17:57 ID:Qix9q/lA
>>788
>>778は〜基準05に関連する話ではないように私には見えます〜

 まあ、これは前振りですからね。この3件は起源問題ではありませんから論点1ではありません。どちらかと言えば、kenさんも「天動説から地動説への転回のようなコペルニクス的転回が起きたのだから、現在正しいとされている科学理論も将来はひっくり返るかも知れない」という考えを持ってるのではないかと疑ったもので、前振りとしただけなのです。
 その意味では余談とも言えますけど、>>778には概ね同意するか否かくらいは教えてもらえると嬉しいですね。後の参考にできますから。

>>781は起源問題を扱っている点で、論点1に対応〜同列に扱えるのか、私には疑問です。〜

 そりゃ全て同一に扱える問題などありませんよ。起源問題を扱っている点が同列だと御理解いただけば十分です。では[>>781]はまた参照して使います。

>ですが、エントロピーが減少するには、「奇跡」という表現でも〜〜

 起源現象とでも言いましょうか、エントロピーの減少や生物の自然発生のメカニズムが【現在の科学の知見では】考えにくいかどうかは関係ありません。「論理的には起源現象は存在するはずだ」という点がポイントなのでしょう? だからこそ、存在するはずの起源現象を否定する理論は自己矛盾しているというのがkenさんの推論だったのでしょう?
 推論の構造は両者とも全く同じではありませんか。

 私が提案したエントロピーの減少問題の回避案は「今の熱力学第2法則」の矛盾とは関係ないとのことでしたが、ならばkenさんの示した自然発生のメカニズムだって「パスツールの自然発生否定理論」の矛盾とは関係ない、ですよね?

791diamonds8888x:2020/12/27(日) 15:19:30 ID:Qix9q/lA
>>789
 以降の説明で示しますが、起源問題と基準05との関係は、AやBとは本質が違います。まあ、どう違うかを示す段階で対比することになるでしょう。そこは明示するようにしましょう。

 えーと、kenさんの考えは[>>787]のまとめで合っている、という点はよろしいのですね?

792Ken:2020/12/27(日) 17:34:00 ID:l3c2r2bk
>>790

>>778には概ね同意するか否かくらいは教えてもらえると嬉しいですね。

>>778のポイントはこの部分でしょうか?↓

>こうして第3期の仮説Bが覆ることはあり得ないのですが、さらに精密な観測事実、または新たな領域での観測事実が得られた場合に、仮説Bが修正されて仮説B’が登場することはよくあります。この場合、仮説Bはより正確な仮説B’の近似という位置づけになります。

こういう話になると、「否定」と「修正」がどう異なるのかを論じねばならなくなります。1つの具体例を挙げますので、考察してみられてはどうでしょうか。

20世紀の初めにハッブルが、遠方の銀河が距離に比例して遠ざかることを発見し、宇宙は膨張するという理論が現れました。そして、その後ずっと論争されたのは、宇宙は永遠に膨張するという「開いた宇宙説」と、宇宙はいずれ収縮に転じるという「閉じた宇宙説」でした。1992年に亡くなったアジモフの解説書でも、この両説が紹介されています。両説に共通するのは、宇宙の膨張は重力のせいで減速しているという点で、対立するのは、膨張速度がいつかはゼロになるのか、それとも距離の拡大で重力が先に減衰し、速度がゼロにはならないのでは、という点でした。

ところがアジモフの死後、21世紀直前になって、新しい事実が観測されました。宇宙の膨張は減速しておらず、逆に加速しているというのです。これはそれまでの理論の「修正」なのでしょうか? 膨張が減速するという従来の理論は、加速するという新しい理論の「近似」ですか?

私には修正ではなく「否定」に思えるのですが。

ただし、この問題はdiamonds8888xさんが言われるように、現時点では「余談」だと思います。上の発言に回答されてもけっこうですが、それに対して私がさらに回答するかは分からないと、承知してください。


>>791

>kenさんの考えは[>>787]のまとめで合っている、という点はよろしいのですね?

よいと思いますが、論点3で基準01つまり反証可能性を論じるときには、私が>>786で列挙した各理論を反証する具体事象とはどういうものかを、まず尋ねます。まず具体例を出し、それからそれぞれの事象が反証である理由を説明するという形をとっていただけますか?

793Ken:2020/12/28(月) 14:18:59 ID:l3c2r2bk
>>790

>推論の構造は両者とも全く同じではありませんか。

そもそもパスツールは何を証明しようとしたのかが問題でしょう。これは私の理解ですが、当時は、長時間放置したスープに微生物が生じる現象などが、自然発生の実例とされていたのが、それは実例ではないことを証明したのがパスツールの実験ではないのでしょうか。要するに、自然発生が日常的に起こるという理論に根拠がないことを示したのであって、自然発生がありえないという証明ではないはずです。

閉鎖系のエントロピーが減少することはありえない、という熱力学第2法則とは、その点が異なると思います。

もしも、パスツールが、生物が自然に生じることはありえないと主張したのなら、たしかにこれも基準05違反です。

794diamonds8888x:2020/12/30(水) 17:22:05 ID:Qix9q/lA
>>792,>>787,>>786
では論点1のエントロピー極小状態の起源問題について述べます。

 まず[>>750]でも述べた2つの熱力学(thermodynamics)を説明します。これは見通しをよくするためです。カルノーサイクルの研究に始まりクラウジウスにより確立された熱力学をマクロ熱力学と呼び、第2法則と分子集団の状態の確率との関係を明らかにした熱力学を統計熱力学と呼んで区別することにします。本来なら単に熱力学と言えば前者を指すのですけど、前者のことをよく知らないらしいkenさんと話が通じやすくするために「マクロ熱力学」として「統計熱力学」と区別します。

 マクロ熱力学ではエントロピー(慣用的に記号Sとする)は次のように定義されます。(クラウジウス,1856年)。
  S=Q/T Q:熱量 T:温度

 第2法則の前に熱力学第1法則(エネルギー保存則)が確立しましたが、これはつまりは熱と力学的仕事とが相互変換しうるという定量的観測事実の確定に他なりません。(マイヤー、ジュール、ヘルムホルツ,1843-1847年)。まさしく「熱(thermo)の力学(dynamics)」の誕生です。そして理想気体では熱エネルギーと気体分子の運動エネルギーとが等価であることが理論的に導かれています。

 「統計熱力学」はボルツマン、マクスウェル、ギブス等により発展させられたもので、上記のようにマクロに定義されたエントロピーSとミクロな状態数分布を結びつけました。そしてミクロな分子運動に確率論を応用して第2法則を説明しました。

 このスレッドの本論にとっては、上記のポイントは「マクロ熱力学」は確率論は使っていませんから、論点3は問題になりませんが、論点1の起源問題は持っているということです。

【続く】

795diamonds8888x:2020/12/30(水) 17:32:58 ID:Qix9q/lA
>>794
マクロ熱力学の第2法則
 エントロピー(S=Q/T)は増加することはない
  (平衡状態でなければ一般には減少する)
 起源問題:全宇宙のエントロピー最小状態の起源は?

統計熱力学の第2法則
 エントロピー(ln[Ω])は増加することはない :Ωは状態の数 (注)
  (平衡状態でなければ一般には減少する)
 起源問題:全宇宙のエントロピー最小状態の起源は?

自然発生の否定
 生物は自然発生しない
 起源問題:世界最初の生物の起源は?


 どのテーマでも論理構造は同じで、「Sn=>S(n+d) (d>=0)の変化しか起きない」という理論が「最初のS0以前も成り立つ」と主張すると矛盾が起きます。矛盾を解消するには、たぶん以下の2つしかありません。
 1a) S0以前はずーーっとS0だった(時間無限と仮定)
 1b) S0は世界の始まりと共に誕生した(時間有限と仮定)
 2) この理論はS0以前には破れていた

 1a,1bは真偽のつけ難い話なので考えないことにして、2と考えるのが妥当です。というか論理的必然と言ってもいいでしょう。
 逆に言えば「最初のS0以前も成り立つ」と主張するような無茶は誰もしません。もちろん統計熱力学の第2法則もそうです。しかしこの点にkenさんは異議を唱えています[>>782,>>793]。

熱力学第2法則については
>その答えは簡単です。今の第2法則は、それが成立することに何の条件もつけていません。よって、遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってるからです。
>閉鎖系のエントロピーが減少することはありえない、という熱力学第2法則とは、その点が異なると思います。

自然発生の否定については
>自然発生が日常的に起こるという理論に根拠がないことを示したのであって、自然発生がありえないという証明ではないはずです。


 まとめると、「熱力学第2法則は遠い過去には成立しないかも知れない」という条件が入っていれば、基準05には違反していないというのはkenさんの考えでもあるのですよね?


(注) ln[Ω]とQ/Tとを区別して、前者を統計力学的エントロピー、後者を熱力学的エントロピーと呼ぶことがあります。統計力学的エントロピーと熱力学的エントロピーとが同じ量であると主張するのがボルツマンの原理と呼ばれる仮定です。

796Ken:2020/12/30(水) 19:38:39 ID:l3c2r2bk
>>795

>「熱力学第2法則は遠い過去には成立しないかも知れない」という条件が入っていれば、基準05には違反していないというのはkenさんの考えでもあるのですよね?

たしかに、それが私の考えです。さらに言えば「遠い過去」という制約条件も不要と思います。遠い過去だろうが、未来だろうが、私たちが生きる今の時代だろうが、私が>>674で紹介した小説で、人工知能が発見したとされる

〜エントロピーを減らす方法

を具体的な理論として提示できるのなら、第2法則は基準05違反ではありません。その方法が今の教科書に載っている熱力学と矛盾しない、というのが唯一の条件です。

そんな方法を提案できるのなら、(もし私が選考委員だったら)ノーベル賞の3つ4つを贈呈しますが、とにかく、お考えをおきかせください。

797Ken:2020/12/30(水) 19:49:34 ID:l3c2r2bk
すみません。1つ言い忘れました。>>796では

>その方法が今の教科書に載っている熱力学と矛盾しない、というのが唯一の条件です。

といいましたが、条件はもう1つあります。

A:太陽は東から昇る。かつ西から昇る
B:この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

エントロピーの減少は起こりえても、この2つの事象は起こらないという、そういう理論であるのも条件です。むろん、私の頭には仮想世界があるわけですが、要するに、エントロピーを減少させる条件とは、AやBを起こす条件よりも、現実的でなければなりません。

798 diamonds8888x:2021/01/01(金) 13:45:12 ID:Qix9q/lA
>>795,(>>796,>>797)

 では、マクロ熱力学でも統計熱力学でも、「"エントロピー減少の禁止則"は遠い過去には成立しないかも知れない」という条件は入っているということを説明します。正確にはどちらの理論も「"エントロピー減少の禁止則"の適用範囲としてあらゆるすべての世界を想定していることはない」ということです。

 要は[>>782]の以下の認識がポイントです。
>今の第2法則は、それが成立することに何の条件もつけていません。よって、遠い過去だろうがビッグバン以前だろうが成立する、という法則になってるからです。

 こんな硬直した解釈は普通の人の会話でも、科学者による法則の解釈でもやりません。この解釈がなされるとすれば数学か純粋論理の世界か法律の解釈くらいじゃないでしょうか? 数学においてならこれが正しい解釈ではあります。それも文脈によっては必ずしも正しいとも限りませんが。

 自然科学の法則というのはひとつの仮定だというのは現代では常識と言ってもよい世界中の科学者の共通認識です。多くの法則はひとまず適用範囲の制限など付けないで提唱されます。つまりあらゆる範囲で、というか可能な限り広い範囲で適用できるという形で提唱されます。けれどもちろん、何らかの適用範囲はあるかも知れないというのも常識的な共通認識であり、それを確認するためにさま様な検証実験や研究が行われているのです。重力や静電気力の逆2乗則なども現在でも検証が行われていて、近距離ではどうだとか遠距離ではどうだとか、はては宇宙史的時間では重力定数が変化しているのではないかとか、適用範囲の確認が考えられているのです。

 以上の例はkenさんの認識では「(ある条件下では)間違っているか否かの検証」であって基準05違反にはならないということなのでしょう。それは私も同意します。

 またその理論の範囲では基準05違反の矛盾はなく、観測事実も説明できている複数の理論を組み合わせると整合性がなくなるという場合もあります。例えば量子力学と一般相対性理論とを統一した量子重力理論の構築は未だなされていません。これは両理論が働く領域では、両理論またはどちらかの理論が修正されざるをえないことを示しています。
 しかしこのことをもって、量子力学や一般相対性理論に基準05違反の矛盾があると解釈する科学者はいません。量子力学と一般相対性理論とは相矛盾する、くらいの表現はするでしょうけれど。

 起源問題というのは、"エントロピー減少の禁止則"や"エントロピー減生物の自然発生の禁止則"が「エントロピー最小状態や最初の生物以前にも時間は続いていた」という理論と整合性がないという問題なのです。この場合、あまりにはっきりとわかりやすいので、素人でもすぐに思いつくというのが、量子力学と一般相対性理論とが相矛盾するという問題との違いにはなります。

 これでわかりましたか? この状況を「熱力学の第2法則(を掲げた理論)そのものが基準05違反の矛盾を含む」と認識する科学者はいません。

 なお、>>770の、A理論、B理論、との違いは御自分で考えてみてください。ヒントは起源問題をP∧¬Pの形式で表現してみることですね。A理論とB理論はそのままP∧¬Pの形式だから基準05違反は明らかなのですけどね。

余談) 数学や記号論理学では∀xというのはまさしくあらゆるxを指しますが、実はその前に対象とする全体集合を設定します。例えば実数の集合とか論理式の集合とかです。対象とする全体集合が実数であるときには∀xと書かれていてもxに複素数は含まれません。
 自然科学では数学ほど明示的に全体集合を示しませんし、そもそも定まっているわけでもありません。科学の進歩による観測事実の集積により、理論が適用される全体集合そのものが広がったり限定されたりするものです。

799 diamonds8888x:2021/01/01(金) 13:59:56 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

 ニュートン力学や相対性理論は1人の人がほぼ全てを作り上げたので誕生の歴史も一言で済むほどにわかりやすいのですが、熱力学や量子力学は何人もの科学者が長期間にわたって少しずつ作り上げたものなので、歴史も複雑ですし理論の全貌もいくつものバージョンが重なり理解が難しくなっている面があります。

 統計熱力学の内容も含めた歴史については以下が適切なようです。
 [〜tp://www.amsd.mech.tohoku.ac.jp/Thermoacoustics/contents04.html]
  富永昭氏による「誕生と変遷にまなぶ平衡系の熱力学」
   『誕生と変遷にまなぶ熱力学の基礎』内田老鶴圃(2003/11/01)
 各章の終りに「まとめ」という節がありますので、それだけ読めば大まかな流れがわかると思います。

 wikipediaの次の項が参考になります。
 「熱力学の年表」 事項だけなので、その意味がわかっていないと使いづらいかも
 「カロリック説」 熱学から熱力学の歴史が詳しい
 「熱」 統計力学ではない熱力学の概要

 さて統計力学は確率論という数学を使っていますが、他の科学理論同様に、ある数学を使えるためにはいくつかの仮定をおいています。その一番基本的なものが「衝突する分子の位置と速度の間には相関がない」つまりは「分子運動はランダムである」という仮定でwikiの「分子的混沌」の記事に記載されています。ここからボルツマンのH定理が証明されますが、これは統計力学における熱力学第2法則そのものです。wikiの「H定理」の記事参照。またエルゴード仮説というものもあります。wikiの「エルゴード理論」の記事参照。
 初期の統計力学は気体分子運動論の試みであり、これは気体分子集団の熱力学的振る舞いをニュートン力学から誘導しようという試みだったのですが、そこにランダム性の仮定を取り入れて確率論を適用することにより、個々の運動を追跡するなどという超多体系では無茶な方法を使わなくても済むようになったわけです。

 御承知の人も多いでしょうが、ニュートン力学も量子力学も時間反転対称性があり時間の向きを区別できません。にもかかわらず、分子の超多体系にニュートン力学を適用している統計熱力学でエントロピー非減少則を導けるのは、上記の「分子的混沌」の仮説を使っているからです。これまでに人類が観測できている熱現象などからは、仮説演繹法により「分子的混沌」の仮説は正しいと考えられるのですが、ニュートン力学や量子力学からは導くことはできていませんし、たぶんならかの条件を入れて時間反転対称性を破らない限り導くことはできないでしょう。kenさん流に言えば、「の第2法則はニュートン力学と矛盾するから基準05違反だ」ということになりましょうかねえ。

 起源問題なんぞよりも、こちらの時間の矢の問題のほうが、よほど重要な問題なのです。

800Ken:2021/01/01(金) 19:33:40 ID:l3c2r2bk
>>798

まず、尋ねられていることに回答します。

>A理論、B理論、との違いは御自分で考えてみてください。ヒントは起源問題をP∧¬Pの形式で表現してみることですね。

Pに該当するのは、エントロピーが減少することはないという法則です。では、¬Pは何かといえば、エントロピーが現実に増大していることでしょう。

diamonds8888xさんは>>795で、エントロピーは、

>平衡状態でなければ一般には減少する

と言われました。そのとおりで、第2法則が存在しても、熱平衡状態だけが続くのなら、起源問題は生じません。ですが、観測される現実は平衡状態ではないのだから、起源問題が生じます。


>>798のそれ以外の部分は、エントロピーがどうすれば減少するのかという私の問いかけには答えず、相対論と量子論の例などを挙げて、今でも整合のとれない部分がある、と言われているようです。相対論と量子論の不整合部分はよく知りませんが、もしも上に挙げた例のように、論理的に両立できない理論が2つあるのなら、その両方が正しいと主張するのは基準05違反でしょう。現実の科学者がそう思っているかどうかは、本スレッドの論点ではありません。


熱力学第2法則が対象としない範囲があるといわれるなら、対象か対象でないかを決める基準を提示されるべきでしょう。たとえば>>778で挙げられたニュートン力学と相対論の対比は、論点1(基準05)からは余談なのでしょうけど、2つの理論の対象範囲を分けるのは、速度が大きいか小さいかという基準を挙げておられます。

なお、理論には対象とする領域があるといわれるのなら、基準違反の例に挙げられたAとBも、仮想世界が対象なら基準違反にはなりません。それなら、第2法則もAもBも、違反になる対象領域とならない対象領域がある点で同じです。むしろ「第2法則が対象にしない」というだけの正体不明の領域よりも、実例がある仮想世界の方がよほど具体的かつ現実的と、私には思えるのですが。

801Ken:2021/01/02(土) 00:27:17 ID:l3c2r2bk
>>800

いやあ、私としたことが・・・

>>795で誤って記述された第2法則を、そのまま引用してしまいました。

>エントロピー(S=Q/T)は増加することはない
>エントロピー(ln[Ω])は増加することはない
>(平衡状態でなければ一般には減少する)

もちろん、正しくは、

エントロピーは減少することはない
(平衡状態でなければ一般には増加する)

です。

ひょっとして、私の理解を試すための、ひっかけ問題だったのでしょうか?

802diamonds8888x:2021/01/28(木) 05:54:17 ID:Qix9q/lA
>>801
 失礼しました。私のポカです。どうも右左の選択とか2者択一で勘違いすることが多くて自戒が必要ですね。


>>800
 うーん、「基準05に違反する理論」の具体的実体がずれているのが誤解のポイントですね。このことを頭において、よく私の書いた意図を読み取ってください。Kenさんの「基準05に違反する理論」のイメージぱ間違いですからね。お願いですから、自分の理解が間違っていることを前提に考えてください。
 「基準05に違反する理論」の具体的意味はKenさんの考えている具体的意味とは違うのですよ。

1) >では、¬Pは何かといえば、エントロピーが現実に増大していることでしょう。

 「現実に増大している」というのは観測事実であって理論でも理論の一部でもありません。(実は宇宙全体のエントロピー総量の観測なんて誰もしていませんけどね)。
 質問の意図は、熱力学第2法則、またはそこから導かれる定理を、P∧¬Pの形式できちんと表現しなさいと言うことです。曖昧さなく正確にね。できるもんならですけど。
 もしできなれれば、それは熱力学第2法則が基準05に違反していないことを意味します。

2) >>>798のそれ以外の部分は、エントロピーがどうすれば減少するのかという私の問いかけには答えず、

 熱力学第2法則が基準05に違反するか否かを決めるには、そんなものに答える必要がないからです。これもKenさんの誤解のポイントですね。

3) >もしも上に挙げた例のように、論理的に両立できない理論が2つあるのなら、その両方が正しいと主張するのは基準05違反でしょう。

 「論理的に両立できない理論が2つあるのなら、その両方が正しいと主張するのは基準05違反」というのはその通りです。しかし[>>798]では「論理的に両立できない理論が2つあるのに、その両方が正しいと主張する」ことを正当化してはいません。「これは両理論が働く領域では、両理論またはどちらかの理論が修正されざるをえないことを示しています。」と書いています。片方だけで十分な領域ではどちらも観測事実と一致しています。

4) >熱力学第2法則が対象としない範囲があるといわれるなら、対象か対象でないかを決める基準を提示されるべきでしょう。

 それが人間業では不可能だというのが>>798の趣旨です。人は未だ観測も想像もできなかった世界や条件を理論に組み込むことはできません。ゆえに「すべての」と言っていたとしても、それは実際には真の∀ではありえないのです。
 あー、ちょっと哲学的に響いたきらいはありますが、考えればこれが真実だとわかるでしょう。人は無限を認識することはできないのです。あー、かえって難しいかなあ。困ったもんだ。

 ではニュートン力学と相対性理論を例にしてみましょうか。 (続く)

803Ken:2021/01/28(木) 23:12:49 ID:l3c2r2bk
>>802

(続く)で終わっているので一連の投稿を待つべきかと思いましたが、私に問われている部分には答えておくのがよいでしょう。

>質問の意図は、熱力学第2法則、またはそこから導かれる定理を、P∧¬Pの形式できちんと表現しなさいと言うことです。

起源問題の性質は、>>674で初めて持ち出してから何度も論じてきたので明らかになっていると思いましたが。
では、このように表現したらどうでしょうか?

P:エントロピーが減ることはない → エントロピーの極小状態(ファインマンがいう「秩序の起源」)は生じ得ない
¬P:エントロピーが増大している → エントロピーの極小状態が過去に存在した → エントロピーの極小状態が生じた

ちなみに、ビッグバンの元になったとされる「cosmic egg」(日本語では何と言いますか?「宇宙卵」?)は、宇宙の全エネルギーが集中した、まさしくエントロピーの極小状態でしょう。そういうものが生じ得ないというのが、第2法則のはずです。

>「現実に増大している」というのは観測事実であって理論でも理論の一部でもありません。

??1つの例外もなく、あらゆる観測で確認される事実を理論としたのではないのですか?

>>795の記述がポカであるなら、

〜平衡状態でなければエントロピーは増大する

という理論があるというのが、diamonds8888xさんの真意だと思います。そして私たちの世界が平衡状態にないことは明らかでしょう。熱平衡状態(=熱的死)のもとでは、一切の事象は起こらず、本スレッドで議論している私たちだって存在できないのですから。

ゆえに、エントロピーは増大している、という理論があると考えます。

それに、そもそも「理論」か「事実」かはともかくとして、

*エントロピーが減ることはない
*エントロピーが増大している

という両方の主張をする人は多くいるし、両方が記述された教科書も世にあふれています。それが基準05違反ではないかというのが私の問題提議なのです。一方が「理論」で他方が「事実」であるからといって、両者がPと¬Pの関係にあってよい、というのは基準05で否定されるのではありませんか?

804diamonds8888x:2021/01/29(金) 06:42:41 ID:Qix9q/lA
>>803
 また拙速なレスを・・。せめて2-3日くらいじっくり推敲した方がいいですよ。
 私も拙速に返すので失礼な表現が増えますが御容赦を。
 明らかに異なる概念をどうしてそうも混同するかなあ??

>P:エ 〜(以下略)

 これって命題ではなくて推論過程ではありませんか。やり直し。


>>「現実に増大している」というのは観測事実であって理論でも理論の一部でもありません。

>??1つの例外もなく、あらゆる観測で確認される事実を理論としたのではないのですか?

 そうですよ。だから同じものだとでも?!!
 公理から正しい論理に従って導いたものが定理です。でも公理と定理とは別の命題です。

 (それ以前の)あらゆる観測で確認される事実に反しない理論が組み立てられ、理論は未だ観測されていない事実をも予測します。
 (それ以降に)観測される事実が予測と一致することで理論の正しさが検証されます。

 本当に理論と事実を混同して平気なの??!!

805Ken:2021/01/29(金) 22:30:16 ID:l3c2r2bk
>>804

>これって命題ではなくて推論過程ではありませんか。やり直し。

命題はPと¬Pのそれぞれの行の最後に示し、説明として推論過程も書きましたが、それではだめですか?
では、推論過程を省略して結論のみ書きます。

P:エントロピーの極小状態は生じえない
¬P:エントロピーの極小状態は生じる(現に生じた)

>本当に理論と事実を混同して平気なの??!!

理論と事実を混同したのではなく、

>「現実に増大している」というのは観測事実であって理論でも理論の一部でもありません。

という、diamonds8888xさんの主張に、

「いや、それは理論でしょう」

と反論したはずなのですが。

>>795の記述から、

〜平衡状態でなければエントロピーは増大する

という理論には、同意をいただけるはずです。そこに、

〜この世界は平衡状態にはない

という観測事実が加わることで、

〜この世界のエントロピーは増大している

という理論が得られます。>>803の文章は、そうなってませんか?

もう1つ付け加えれば、エントロピーが増大するという理論があるからこそ、その理論にもとづいて、遠い未来に宇宙は熱的死にいたるという予測がされているのではないのでしょうか?

806名無しさん:2021/01/31(日) 05:40:02 ID:Qix9q/lA
>>800,>>802
 理論と観測事実の区別をよーく考えながら、以下を読んでください。

【矛盾と間違いの違い】 {以下のn1について最後に述べた(*)}
 1つの理論の中では「P∧¬P」という命題は存在できません。
 1つの理論A(の予測)が観測事実n1と食い違う場合、理論Aは間違いとされます。
  (命題群Aと命題群n1を同時に主張すれば矛盾となるが、理論Aは矛盾していない)
 2つの理論A,B(の予測)が食い違う場合、A,Bを同時に主張する理論は矛盾しています。でも理論Aは矛盾していませんし、理論Bも矛盾していません。

 定量的観測事実では測定誤差があるので、理論Aの予測と理論Bの予測と観測事実n1が互いに区別しにくいことがあります。例えば高精度測定では理論Aの予測値と観測値n1との差がわかるが、極めて値が近いとき、理論Aは近似理論と呼ばれて、実用範囲で正しいとみなすこともあります。

【ニュートン力学】
 ではニュートン力学と相対性理論を例にしてみましょうか。以下では、2つの理論の違いがもっとも際立つ部分を公理とみなしています。そして多くの予測のうちのひとつを例示しました。

 ニュートン力学
  ・相対速度の異なる座標系同士はガリレイ変換で変換される {公理}
  ・運動量は、p=mv {定理}
 特殊相対性理論
  ・相対速度の異なる座標系同士はローレンツ変換で変換される {公理}
  ・運動量は、p=mv/(1-(v/c)^2) {定理}

 万有引力の法則
  ・2つの質点間の重力は、F∝m1*m2/r^2 {公理}
 一般相対性理論
  ・重力は空間の曲率で表せる(式は略) {公理}
  ・2つの質点間の重力は〜(略)  {定理}

 ニュートン力学は「P∧¬P」という命題は含んでおらず矛盾していません。しかしその予測は様々な観測事実と「矛盾して」います。これは「ニュートン力学が矛盾している」のではなく、間違っている(観測事実と一致しない)のです。

長文なので続きは別コメントで[>>807]


(*) 命題群n1は観測事実n1を表現した命題です。そして命題群Aと命題群n1を同時に主張する理論A'は、理論Aとは異なり矛盾します。命題群Aはむろん、理論Aを成しているすべての命題を指しています。

807diamonds8888x:2021/01/31(日) 05:42:31 ID:Qix9q/lA
[>>806](失礼、私のコメントです)からの続き。

【熱力学第2法則】
 では熱力学に行きましょうか。わかりやすいように統計熱力学とマクロ熱力学[>>795]を共に示しましょう。2つの区別はさすがにもう理解してますよね? 調べればわかることですし。

 マクロ熱力学
  ・エントロピー(S=Q/T)は減少することはない(第2法則) {公理}
    (これは経験則と言える )第2法則
    (ニュートンの作用反作用則や運動方程式が経験則と言えるように)
 統計熱力学
  ・系の各状態Ωのそれぞれの実現確率は等しい {公理}
    (分子的混沌の仮定[>>790])
  ・エントロピー(ln[Ω])は減少することはない(第2法則) {定理}
    (ln[Ω]がQ/Tに一致するというのも定理のひとつでしょう)

【ここからが大事だよ】
 さてどちらの第2法則にしても現時点では矛盾するような観測事実はありません。しかし遠い過去を想定すると矛盾が出てくるというのが起源問題です。整理すると遠い過去については以下のケースが考えられます。

 a1) 過去のどの時点でも第2法則が成立する(無限の過去まで)
 a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
 b1) 過去は無限である(世界は無限の過去から存在していた)
 b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

 ご覧のように、{a1.a2}は互いに対立する公理であり、ある理論ではどちらかひとつしか採用できません。さもないと基準05に違反します。{b1,b2}についても同様にどちらかひとつしか採用できません。しかし{a1.a2}のどちらかひとつと{b1,b2}のどちらかひとつは同時に主張できます。

 しかし少し考えればわかりますが、{a1.a2}と{b1,b2}との組み合わせでa1とb1を組み合わせた理論(同時に主張する理論)は矛盾しており基準05に違反します。残り3通りの組み合わせによる理論は矛盾していませんので基準05はパスします。
 そして熱力学第2法則自体は{a1.a2}および{b1,b2}のいずれも主張してはいませんので、基準05はパスしています。

 なおa1はいわゆる(時間的な)斉一性原理と呼ばれるものです(Ref; wikipedia「自然の斉一性」)。斉一性原理には時間的なものと空間的なものとがありますが、どちらも破れる可能性があることは、現代(20世紀以降)ではよく認識されています。


 以上、きちんと整理して考えればいいだけですが、整理できない自称論理的人間のkenさんの間違った反論が予想できそうになってきた。整理できない理由のひとつが見えてきた。
 まあ具体例は示したので、理論と観測事実の区別などの原則を抽象的にまとめてみましょう==>(続く)

808diamonds8888x:2021/01/31(日) 05:44:17 ID:Qix9q/lA
>>806,>>807
 理論と観測事実の区別などの原則を抽象的にまとめてみました。

【理論とは】
理論: 一群の正しい命題の集まり。公理とおよび、定理とその推論過程から成る。
定理: 他の正しい命題から正しい論理法則により推論された命題
公理: 定理ではないが、理論の中で正しいとみなされている命題
  つまり、理論の中では公理を推論することはできない(証明できない)

 以上の理論の典型的なものは数学理論です。そして自然科学理論も性質は、まさに数学理論そのものです。理論と言えば例えば法理論や宗教的理論(宗教内部での理論)などもあり、それなりに正しい論理法則が使われているはずですが、数学理論や自然科学理論ほどに厳密なものではなさそうです、たぶん。

 さて上記の「正しい命題」とはあくまでもひとつの理論の中で「正しいさされている命題」の意味であって、他の理論の中では正しくないこともありますし、観測事実に比べて正しくないこともあります。
 そしてひとつの理論の中で、命題Pが「正しい命題」ならば、その否定¬Pは「正しくない命題」となります。ここで基準05そのものである「¬(P∧¬P);矛盾の否定」は推論に使われる正しい論理法則のひとつなので、公理の中で矛盾がない限りは定理には矛盾は生じません。
 そして公理の中で矛盾がある理論は、まさに基準05違反であり、正しい数学理論や正しい自然科学理論としては採用されません。(法理論や宗教的理論では知らないよ)。

【自然科学理論では公理はどのように決められるか】
 1)観測事実を抽象的にまとめて公理にする
 2)観測事実を推論できそうな命題を公理にする

 1の例は、天球上の太陽や恒星の日周則・年周則、振り子の等時性、気体の状態方程式、メンデレーフの周期律、(エネルギー保存則、マクロ熱力学の第2法則)などがあります。
 2の例は、プトレマイオスの法則、ケプラーの法則、ニートンの万有引力の法則、相対性理論、統計熱力学の第2法則などがあります。
 実のところ1と2の違いは「観測事実と公理との関係がすぐに簡単にわかるかどうか」という違いなので、区別しにくいこともあるでしょう。

【理論の対象や適用範囲は公理で決まる】

 数学理論では公理で指定される対象は無定義用語とされ、公理によってその性質が決まるものです。幾何学理論なら点・線など、自然数理論なら0や1などの自然数、集合論なら集合です。そして適用範囲は対象の性質みたいなものなので特に決めることもありません。・・としておきましょう。

 自然科学理論では対象は実在する何かです。適用範囲とは対象が存在する場所や時間や環境条件などですが、一般にはすべてを明確に規定することはありません。だからといって、「これこれの場所や時間では間違っているはずだから基準05違反だ」などと言うのは揚げ足取りの典型です。
 自然科学理論の公理は既知の観測事実と一致するように作られます。未知の観測事実と一致するかどうかは将来の観測に委ねるのであり、一致しなければ、その範囲では間違いと判明するだけです。

 起源問題のように、ある範囲では間違いとなる可能性が示唆される場合もあります。しかしそれは理論が矛盾を含んでいるのではなく、その範囲では適用できない可能性があるというだけのことなのです。


 まったく・・単純で基本的なことだけに同じことを繰り返して説明するだけになっていそう。

809diamonds8888x:2021/01/31(日) 05:52:48 ID:Qix9q/lA
>>805
>>795の記述から、〜(中略)〜
>〜>>803の文章は、そうなってませんか?

 なってますよ。まさしく理論と事実を混同している文章です。あまりに平然と混同していてこちらの頭がおかしくなりそうです。

 先のコメントをよく読んで考えてくださいね。[>>806,>>807,>>808]
 同じ記号で命題、事実、理論と使い分けている部分がありますが、これは同じ内容ではあっても違う概念だからこそ、使い分けているのです。そこをきちんと読み取ってください。

810diamonds8888x:2021/01/31(日) 06:01:08 ID:Qix9q/lA
>>805

>P:エントロピーの極小状態は生じえない
>¬P:エントロピーの極小状態は生じる(現に生じた)

 ここは厳密にいかないとKenさんは勘違いのポイントがわからないでしょうから厳密に。「(現に生じた)」なんてのは観測事実であって理論の中にはありません。

 それを除けば上記でOKです。
 さて、この2つを同時に主張する命題が熱力学理論の一体どこで主張されているのですか? 「熱力学に別の理論を付け加えたり組み合わせたりした理論」を持ち出さないようにね。

 先のコメントをよく読んで考えてくださいね。[>>806,>>807,>>808]
 先のコメントでは主に、命題・理論・事実の違いに焦点を当てていますが、[>>805]の文章では公理と定理と推論過程を混同していますね。

811diamonds8888x:2021/01/31(日) 06:12:16 ID:Qix9q/lA
>>800,>>798 【整合性の件】
 量子力学と一般相対性理論との整合性の件ですが。

 そもそも[>>798]の趣旨は冒頭の部分「〜どちらの理論も「"エントロピー減少の禁止則"の適用範囲としてあらゆるすべての世界を想定していることはない」〜」なのですが、理解できてますか? 挙げたのはすべてその例示です。量子力学と一般相対性理論との整合性の件もそうです。

 量子力学と一般相対性理論とを共に使わなくては予測ができないような観測事実の領域については、両理論またはどちらかの理論が修正されざるをえない、つまり間違っているかも知れません。でも量子力学のみで予測可能な範囲では現時点では量子力学は正しいし、一般相対性理論も同様です。

 【そして大事な点は】、いずれにせよ両理論とも単独では基準05はパスしていることです。熱力学第2法則も同様です。

 なお量子力学と一般相対性理論との整合性については、「量子力学と一般相対性理論とを組み合わせた理論を未だにうまく作ることができていない」というのが正確なようです。もしできていれば、後は観測の仕事だけのはずですが、こちらは未だ理論家の仕事のようですから。まあ、詳しくは私も知りませんが。

 なお念の為に、量子力学と特殊相対性理論とはバンバン組み合わせて使われています。

812diamonds8888x:2021/01/31(日) 06:21:20 ID:Qix9q/lA
>>810,>>805
> ここは厳密にいかないとKenさんは勘違いのポイントがわからないでしょうから厳密に。「(現に生じた)」なんてのは観測事実であって理論の中にはありません。

 いやはや観測事実でさえありませんでしたね。もとの意図は「エントロピーの極小状態は、過去に生じたはずだ」という過去の事実の推論でしかありません。それも採用した公理を曖昧にしていますから、正しい推論でもありません。

 「エントロピーの極小状態が現に生じた」なんて観測事実が未だにないからこそ、熱力学第2法則は正しいとされているのですからね。

813diamonds8888x:2021/01/31(日) 09:59:17 ID:Qix9q/lA
 過去発言のkenさんの勘違い部分をいくつか。当面の議論に関係あったりなかったりはしますが忘れそうなので。絡み合ってたりするし。

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>>803
>一方が「理論」で他方が「事実」であるからといって、両者がPと¬Pの関係にあってよい、というのは基準05で否定されるのではありませんか?

 [>>779]では理解してたはずなのに。
>相対論登場前のニュートン力学を挙げておられますが、ニュートン力学が基準05違反で、相対論で違反が解消したのではありません。ニュートン力学では物体の質量は不変なので、力に比例した加速度が必ず生じ、速度はどこまでも大きくなります。このこと自体は「(¬P)∧P」に該当する論理矛盾を含みません。ただ、それとは異なる観測事実があることが20世紀に判明しただけです。

 一方が「理論」で他方が「事実」であれば、両者がPと¬Pの関係にあれば理論が間違いとなるだけでしょう?

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>>789
>>769>>770で述べたように、AもBも、シミュレーションが作る仮想世界なら容易に実現できるのです。

 できません。ひとつの仮想世界は、その世界の自然法則に沿って構築されるのであり、そこには矛盾はありえません。もちろん、異なる仮想世界同士では自然法則は互いに異なります。

 [>>723]のように緩んだ解釈はだめですよ。
 {「2.ある時は粒子であり、ある時は波動である」が基準05違反という主張。ゲジゲジさんも[>>772]で指摘。}

A:太陽は東から昇る。かつ西から昇る
   別の日に昇なら構わない。
B:この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない
   別の時刻で異なる結果は構わない。

 日によって太陽の昇る方向が違うという現象なら、仮想世界でなくても三体問題になっているような惑星系なら起きることが予想できます。
 ある日には貫かれなかったのが次の日には貫けたという現象だって現実に起こりえます。それはちっとも矛盾ではない。

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>>780
>つまり第2法則を反証する観測事実はないことが前提になるわけで、そうなると、「なんらかの基本原理から誘導されたものではない」ことが、まさしく、いかなる物理条件でも第2法則が成立するという理論構成になるはずです。

 「第2法則を反証する観測事実はない」というのは既知の観測の範囲内に決まっているでしょうよ。「いかなる物理条件でも」なんて条件はありませんよ。何を混乱したことを・・。

814diamonds8888x:2021/01/31(日) 10:03:54 ID:Qix9q/lA
>>812
 またポカをやってしまった。以下は削除してください。
>「エントロピーの極小状態が現に生じた」なんて観測事実が未だにないからこそ、熱力学第2法則は正しいとされているのですからね。

815diamonds8888x:2021/01/31(日) 10:12:06 ID:Qix9q/lA
 パスツールの実験に関して、私も理論と観測事実との区別をはっきりさせてはいなかったので訂正を兼ねてのコメントです。
[>>795,>>793,>>788,>>781]
> 自然発生の否定
>  生物は自然発生しない
>  起源問題:世界最初の生物の起源は?

 パスツールの実験に対する[>>793]の理解は正しいです。「熱力学第2法則とは、その点が異なる」という点を除けば。

 パスツールの実験は「(時代を問わず自然発生は起きないという)理論の提唱」ではなく「(現在の時代に自然発生が起きているという)理論の反例を示した」ものですね。
 確かに「パスツールの自然発生否定理論[>>788]」は勇足でした。パスツールが始めて提唱したのではありませんからね。そして自然発生説も種によって正しいとか正しくないとかという認識がありましたし。

816Ken:2021/01/31(日) 21:43:20 ID:l3c2r2bk
>「(現に生じた)」なんてのは観測事実であって理論の中にはありません。
>それを除けば上記でOKです。

ではあらためて下のように書きます。

P:エントロピーの極小状態は生じえない
¬P:エントロピーの極小状態は生じる


さて、

>【ここからが大事だよ】

に続く部分が、まさしく問題の核心であると、私も思います。

>a1) 過去のどの時点でも第2法則が成立する(無限の過去まで)
>a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
>b1) 過去は無限である(世界は無限の過去から存在していた)
>b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

問題は、a2とb2ですね。まず、a2について。

第2法則が成立しない条件とは何ですか? そこが明らかでないと、a2を想定してもよいのか検証ができません。私は>>800でも、

>熱力学第2法則が対象としない範囲があるといわれるなら、対象か対象でないかを決める基準を提示されるべきでしょう。

と言いましたが、>>802で、

>人間業では不可能

と返されただけです。

次に、b2について。

有限な過去とは具体的にどういうものですか? ある時点より前には時間が存在しないという意味ですか? そんな状態が成立する条件はなんですか?

上の2つの質問は、a2とb2には具体性があるのか、それともただの空虚な言葉なのかという検証です。そして私は、具体性を評価する比較対象として仮想世界を提示しています。ティレルの理論が正しいとは思いませんが、それでもa2やb2を想定するよりは「よほどまし」ではないかと思うからです。

ところで、その仮想世界について、誤解を生じているようです。

>日によって太陽の昇る方向が違うという現象なら、仮想世界でなくても三体問題になっているような惑星系なら起きることが予想できます。
>ある日には貫かれなかったのが次の日には貫けたという現象だって現実に起こりえます。それはちっとも矛盾ではない。

そんな事象は想定していません。AとBをより明確に表現してみましょう。

A:同じ太陽が東と西に同時に現れる
B:盾に突っ込んだ矛が、盾の前後両方に現れる

こういう事象を起こせるのが仮想世界という意味です。

817ゲジゲジ:2021/02/05(金) 00:25:37 ID:3TXZAXsY
ヨコからですが、まず感想です。
Diamonds8888x様が808〜812まで、「科学理論は未知の領域を対象にしない」という事を色々な角度から説明されているのに、そこはことごとくスルーですか・・・

さて、ヨコから見ていてKen様に質問したい事があります。
私が質問してもKen様は答えてくださらないでしょうから、よろしかったらDiamonds8888x様から訊いてみてください。

<質問1>
>第2法則が成立しない条件とは何ですか? そこが明らかでないと、a2を想定してもよいのか検証ができません。

なぜ、第2法則が成立しない条件を明らかにする必要があるのでしょう?
なぜ、a2を想定してもよいのか検証する必要があるのでしょう?


<質問2>
>次に、b2について。
>有限な過去とは具体的にどういうものですか?(略)そんな状態が成立する条件はなんですか?

なぜ、有限な過去を具体的に提示する必要があるのですか?
なぜ、そんな状態が成立する条件を提示する必要があるのですか?


<質問3>
>上の2つの質問は、a2とb2には具体性があるのか、それともただの空虚な言葉なのかという検証です。

なぜ、a2とb2に具体性があるのか、それともただの空虚な言葉なのかという検証をする必要があるのでしょうか?


<質問4>
>A:同じ太陽が東と西に同時に現れる

ではこの発言はどういう趣旨でしょう?
[>>769]
>そんな仮想世界なら、太陽が2つ昇ることも、(略)すべて可能です。
[>>770]
>太陽が2つ東と西から昇るくらい簡単です。


<質問5>
>パソコンショップで売られているパッケージソフトやオンラインゲームに見るように、仮想世界では、あらゆるファンタジーや不合理事象が可能です。

仮想世界で起こる、あらゆるファンタジーや不合理事象のうち、「¬P∧P」に該当すると思われる具体例を2、3挙げて頂きたいです。


〜〜ひとまずココまで〜〜
質問4と5は、差し当たっての論点「熱力学の第2法則は基準5に違反するか?」からすれば余談ですね。
Ken様の816コメントを読む限り、どうやら本気で仮想世界なら「¬P∧P」現象が起こせると考えていらっしゃるように読み取れるのですが・・・
Ken様がイメージされている「¬P∧P」がどういうものか、ますます分からなくなってきました。

コンピュータープログラムは論理で構築されていますから、論理的にあり得ない事象を起こすプログラムなど作れるはずがないのですけれど。
人間が妄想する世界も「仮想世界」と呼ぶなら、そんな仮想世界だったら「¬P∧P」も起こせるでしょうか?
少なくとも私が妄想する「仮想世界」では起こせそうにありません。「¬P∧P」状態が具体的にイメージできないので。そもそもあり得ない状態なわけですから、イメージできるはずもないと思うのですけれど・・・

818diamonds8888x:2021/02/06(土) 05:56:15 ID:Qix9q/lA
>>816
 [>>802]でも「そんなものに答える必要がないからです」と伝えたのですがね。どこからそんな奇妙な理屈を出してくるのか理解に苦しみますが、ひとまず次のことをよーーーく考えてください。

> 第2法則が成立しない条件とは何ですか? そこが明らかでないと、a2を想定してもよいのか検証ができません。

 「a1∨a2」なので2つに場合分けしたのであり、この段階では成立条件を考える必要はありません。それともa1の方の「過去のどの時点でも第2法則が成立する」条件は何かあるのですか? あるなら挙げてみてください。

>有限な過去とは具体的にどういうものですか? ある時点より前には時間が存在しないという意味ですか? そんな状態が成立する条件はなんですか?

 2問目はその通り。有限な過去とはある時点より前には時間が存在しないという意味です。(*)

 1問目と3問目は「a1∨a2」のときと同様で成立条件を考える必要はありません。それとも以下の設問の答えはありますか?
 無限の過去とは具体的にどういうものですか? そんな状態が成立する条件はなんですか?


(*) これは一応、「何物も存在しない」という場合と「時間が経過しない(なんの変化もない)」という場合がありそうですね。本論にはそんなに関係ありませんが。

 ゲジゲジさん[>>817]の<質問1>〜<質問3>は、上記設問の半分を言ってますから参考までに。Kenさんは例えばa1とa2とが「対等ではない」と思い込んでいるので、[>>817]の<質問1>〜<質問3>だけでは勘違いから抜け出せそうにありませんが。

819diamonds8888x:2021/02/06(土) 06:04:10 ID:Qix9q/lA
>>817
>そこはことごとくスルーですか・・・

 容量オーバーしたんだから仕方ないのでしょう。関連があるテーマにもかかわらず、一緒に議論すると混乱するからやめてほしいとか、よく言ってますから。納得するならともかく、事細かに理解しにくい勘違いの文章を並べられても処理に困るし。

><質問4>
>>A:同じ太陽が東と西に同時に現れる

 どの方向からにせよ「太陽が2つ昇る」くらいなら現実のどこかの惑星系で起こっているでしょうね。その2つが「同じ太陽」かどうか確認は不可能ですが。というか、同時刻に観測された空間座標が異なる物体は、見かけがどれほど似ていようとも「別の物体」だと定義されますけどね。あちゃー、「"同じ"とはなんだ?」とか難しすぎる。
 この辺にもKenさんの混乱が見られます。

 ついでに言えば、「太陽は毎日東から昇る」という法則(理論)が成立しない惑星系だっていくらでも実在することでしょう。近年の話題作「三体」なんてのは、まさにそんな物語でした。

820Ken:2021/02/06(土) 17:04:11 ID:l3c2r2bk
>>818
>Kenさんは例えばa1とa2とが「対等ではない」と思い込んでいるので

はい、そのとおりです。対等とは思いません。

第2法則が成立する世界は私たちが観測する世界ですが、第2法則が成立しない世界なるものを私たちは知りません。存在可能かどうか以前に、その具体像もないのです。

時間についても同様です。時間が存在する世界は現存しますが、時間が存在しない世界には具体像すらありません。あるいは熱平衡状態が該当するかもしれませんが、エントロピー極小を想定する「起源」とは対極に位置します。

第2法則が成立しない世界や、時間が存在しない世界は、絶対にありえないのか。そこまでは分かりません。そもそも具体像がないものを考察するのは不可能です。

重要なのは、今の私たちが具体的に理解し、存在を確認しているのは、第2法則が成立し、時間が存在する世界だけということです。それなら、その世界を前提に考察するしかないではありませんか。ありえないという証明がないという理由で、a2やb2を想定することは、diamonds8888xさんの基準では許されるのですか? それなら神だって否定証明はないはずです。

それを考えるための参考として、私は仮想世界を挙げるのです。何度も繰り返してますが、2ヶ所に昇る太陽は基準違反だが、熱力学第2法則は違反ではないと主張するには、

〜a2とb2は想定が許されるが、仮想世界は許されない

と、両者に差をつける必要があります。そんなことが可能ですか? むしろ、具体性と現実性でまだしも想定が許されるのは仮想世界のほうでしょう。

821diamonds8888x:2021/02/07(日) 05:59:24 ID:Qix9q/lA
>>820
 あきれはてましたね。[>>818]でも書きましたが、どこからそんな奇妙な理屈を出してくるのか理解に苦しみます。

>そもそも具体像がないものを考察するのは不可能です。

 まさに自分の狭い常識に固執して新しい科学理論を受け付けないという、進歩を阻害してきた考え方ですよね。さてさて。

> 第2法則が成立する世界は私たちが観測する世界ですが、第2法則が成立しない世界なるものを私たちは知りません。存在可能かどうか以前に、その具体像もないのです。

 ・1.第2法則が成立する世界はニュートンも知りませんでしたよ。
 ・2.第2法則が成立しない世界の具体像とはエントロピーが減少することもある世界です。例えば、砂糖水が砂糖と水に分離する現象、熱平衡状態で一箇所の温度が上がっていく現象、などなどいくらでも具体像は考えられます(*1)。
 ・3.「第2法則が成立しない」ことの具体像がわからずに、どうやって第2法則の成立を観測的に確認できるというのですか? (・2.と同じことだけど)

>ありえないという証明がないという理由で、a2やb2を想定することは、diamonds8888xさんの基準では許されるのですか? 

 もちろん許されます。正しい科学的方法では、当たり前の常識です。

>それなら神だって否定証明はないはずです。

 正しい科学的方法では、当たり前の常識です。もちろんこの場合、神なるものの性質を具体的に示しておく必要はありますよ。a2やb2と同じくらいにね。おっとkenさんのこの文章はもしかして、「否定証明」と「反証可能性」を混同しているのかな?? もしそうなら勉強し直してみてね。

>それを考えるための参考として、私は仮想世界を〜むしろ、具体性と現実性でまだしも想定が許されるのは仮想世界のほうでしょう。

 ここでの「具体性と現実性」なるものは、仮想世界ごとに具体的に違いますよね。どんな仮想世界のことか決めないと何を言ってるのかわかりません。もっと緻密に議論してください。
 「2ヶ所に昇る太陽」ということは想定するのは[>>814]での例でしょうか?

[引用]   A:同じ太陽が東と西に同時に現れる

  これこそまさに「具体像がないもの」ですよね。東と西に同時に現れた太陽の像が、"同じ"太陽の実体であることは、どのようにして確かめるのでしょうか?(*2)


---------
 *1) これらの現象が観測されて、しかも他の現象によるエントロピー増加で補償されているのでもない、とわかれば、熱力学第2法則の破れが観測できたことになります。
 なのにkenさんは「これら具体像の原因まで想像できないと考察できない」などと馬鹿げたことを言っているのですよ。違いますか?

 *2) もちろん現れたことは光学的視覚的に観測したのでしょう。どちらか、またはどちらも実体ではなく光学的な像だけかも知れない。 おなじ太陽の像であることの確認もなかなか面倒そうだけど、重力レンズの観測では実際に行われている。でも像ではなくて"同じ"太陽だという検証は光学測定だけでは原理的に不可能にも思える。いや光でもニュートリノでも重力波でも遠隔観測だけでは無理なのではないかな?

822diamonds8888x:2021/02/07(日) 07:36:45 ID:Qix9q/lA
>>820,>>821
 なおb2の有限な過去についてなら、古代の多くの神話では採用されている理論です。kenさんの想像力は古代人にも劣るとはね。ま、想像力の乏しい人に限って古代人を見下してたりするのは珍しいことではないけれど。
 ビッグバン理論だってビッグバン以前の過去のことは何も述べてはいませんからね。もしかしたらビッグバン以前の過去というものも存在する可能性もあるから、ということでビッグバン以前の理論的考察が行われるわけです。ビッグバン以前の具体像なんてまさしく何もなかったんだけれど、無から有を生み出さんとして努力するのが理論家の仕事なんですよ。

Ref-1) wikipedia 「時間:古代宗教における時間」
Ref-2) wikipedia 「創造神話」
 「」現代科学の描像における宇宙・生命の起源については、それぞれビッグバン・生命の起源などを参照」なんて記載もある。

823diamonds8888x:2021/02/07(日) 08:13:11 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。

[>>820]より
>そもそも具体像がないものを考察するのは不可能です。

 うわー、まいった。知性と論理に自ら枠をはめてるよ。自ら科学の限界を設けてるわけだ。なるほど「18世紀の知見によれば」とか百済ない条件をまじめに語るのも納得。以下の論理になるというわけですね。

 18世紀の知見によれば媒体のない波の具体像はない。(確かにないよね)。
 だから媒体のない波は考察できず、それを含む理論は基準05違反だ。(アホか)。

 個人の想像力により異なる「具体像」なんぞに左右されるようでは基準の名が泣きますよ。
 それまで誰も思いつかなかった「具体像」が新しく提示されることで科学が進歩するのであり、その新しい「具体像」は天から降ってくるのではなく、時代を先取りした誰かが考え出すものです。18世紀から19世紀になったら自然に生まれるわけでもない。


 以下のように基準05違反についての具体像も混乱してるし。たぶん、今でもわかってない。

[>>723]より
>古典力学では、同じものが粒子でありかつ波動であると主張するのは、
>1.同時に粒子であり波動である
>2.ある時は粒子であり、ある時は波動である
>のどちらの場合でも「(¬P)∧P」に該当する「疑似科学」になるといいました。

 これはゲジゲジさん[>>772]指摘の通りの勘違い。

> ↓
> 古典力学において、「2.ある時は粒子であり、ある時は波動である」は「(¬P)∧P」に該当しません。
> 古典力学において「ある時は粒子である時は波動である存在」など全く荒唐無稽な発想で、他の基準に違反して「疑似科学」になったかもしれませんが、少なくとも基準05には違反しないはずです。

 昇る太陽については[>>814]で「同時に」との言葉をきちんと入れているのに、実は「同時に」が重要ではないとでも思っているのでしょうか?


 アホなだけで悪意もないし誠実だし、科学大好きという意味では同好の士の善人ではあるから何とか勘違いから救い出して挙げたい気持ちにはなるんですけどねえ。

824Ken:2021/02/07(日) 10:11:08 ID:l3c2r2bk
>>821
神の存在を想定してもよい、という話が出るとは思いませんでした。どうやら、仮想世界を詳細に説明する時がきたようですが、その前に、重要な点を明らかにしておきましょう。

>例えば、砂糖水が砂糖と水に分離する現象、熱平衡状態で一箇所の温度が上がっていく現象、などなどいくらでも具体像は考えられます
>kenさんは「これら具体像の原因まで想像できないと考察できない」などと馬鹿げたことを言っている

>>ありえないという証明がないという理由で、a2やb2を想定することは、diamonds8888xさんの基準では許されるのですか?
>もちろん許されます。正しい科学的方法では、当たり前の常識です

問題は、そのような「具体像」を根拠にさらなる事象を予測できるか、ということです。a2であれb2であれ、はたまた神であれ、「何が起こるか」という事象を示せばよいので、「なぜそうなるか」という理由は示さなくてもよいという意味ですか? 今の教科書に載っている第2法則は、「エントロピーは増えるのみで減ることはない」という事象と、確率論にもとづく、そうなる理由を語りますが、ここで言われているのは、事象のみを語れば、それが未観測の事象で、かつ理由が不明でも、その事象が可能という想定に立って、さらなる事象を予測してもよいという意味ですか?

今の例でいうと、

[未観測事象]
  a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
  b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)
[理由]
  不明
[予測される事象]
  エントロピーが減少する

あるいは、こういう例も考えられます。

[未観測事象]
  宇宙のエントロピーを減らせる神が存在する
[理由]
  不明
[そこから予測される事象]
  エントロピーが減少する

このようなロジックによって、エントロピーの減少が起こりうると主張することが可能なのでしょうか?

いずれにせよ、仮想世界の説明はします。コンピュータ・プログラミングの話になるので、説明の仕方に工夫が必要でしょうが。やれないことはないでしょう。

*同じものが複数の場所に存在することを、どうやって実現するか
*複数の場所に存在するのが同じものと、どうやって判断するのか

このような切り口になることでしょう。

825diamonds8888x:2021/02/07(日) 19:59:19 ID:Qix9q/lA
>>824

>a2であれb2であれ、はたまた神であれ、「何が起こるか」という事象を示せばよいので、「なぜそうなるか」という理由は示さなくてもよいという意味ですか? 

 正解。

>今の教科書に載っている第2法則は、「エントロピーは増えるのみで減ることはない」という事象と、確率論にもとづく、そうなる理由を語りますが、

 そりゃあ、わかったからです。既にのべたマクロ熱力学の段階では事象だけを法則にしています。[>>794,>>795]

>ここで言われているのは、事象のみを語れば、それが未観測の事象で、かつ理由が不明でも、その事象が可能という想定に立って、さらなる事象を予測してもよいという意味ですか?

 正解。なお、マクロ熱力学では第2法則は既に観測された事象から導かれた経験則です。それを分子運動と結びつけて説明したのが統計熱力学での第2法則です。いい加減にこの2つの違いを教科書読み直して理解してくださいね。

>このようなロジックによって、エントロピーの減少が起こりうると主張することが可能なのでしょうか?

 「主張」? 可能性を列挙するだけですよ?

>説明の仕方に工夫が必要でしょうが。やれないことはないでしょう。

>*同じものが複数の場所に存在することを、どうやって実現するか
>*複数の場所に存在するのが同じものと、どうやって判断するのか

 それは非常に楽しみですね。緻密にやってね、緻密に。

826diamonds8888x:2021/02/07(日) 20:06:43 ID:Qix9q/lA
>>825

>神の存在を想定してもよい、という話が出るとは思いませんでした。

 何か問題でも? もちろんコメントしたように、科学的理論と認められるためには、神なるものの性質を具体的に示しておく必要はありますよ。どうすれば神なるものを観測できるのか、とかね。
 言うまでもなく、既存の神話や宗教に登場するような「神」の存在は現在までの科学的観測事実とは一致していないでしょうけど。

827Ken:2021/02/09(火) 01:19:47 ID:l3c2r2bk
仮想世界の話は、まだ説明の方法を考慮中です。

起源問題については、diamonds8888xさんが、

a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

という想定をすることで、矛盾ではないと考えていることは分かりました。

1つ確認したいのですが、a1やb2はdiamonds8888xさん個人もしくは世間のごく一部が、起源問題への回答と考えているのですか?
それとも、広く知られ、多くの人が可能性を認めていることですか?

私自身はどちらも聞いたことがありません。

紹介したようにファインマンは、大学の講義で起源問題を取り上げながら、a2もb2も言及しませんでした。

起源問題はアジモフも論じているのです。「In the Beginning」という著書で、彼は旧約聖書の創世記の記述を現代科学で考察していますが、宇宙の起源はエントロピー極小状態が必要と認めつつも、なぜそれが生じたかは分からないといいます。彼もまたa2やb2を語りません。

ファインマンとアジモフという、私にとっての2大師匠が、ともに起源問題を論じながら、a2とb2に言及もしないとなると、世間的には非常にマイナーな意見ではないかと思えるのですが。

828diamonds8888x:2021/02/09(火) 06:20:08 ID:Qix9q/lA
>>827
>ファインマンとアジモフという、私にとっての2大師匠が、ともに起源問題を論じながら、a2とb2に言及もしないとなると、世間的には非常にマイナーな意見ではないかと思えるのですが。

 あきれはてますね。2つの点で間違い。ふざけるなと言いたい。

 ひとつ)ファインマンとアジモフだけが情報源なんて狭すぎてふざけてる。(*)
 ふたつ)a1,b1に言及することは、その否定であるa2,b2にも言及することになる。P∨¬Pなのだから。子供でもわかる当たり前の話。

 科学のプロの世界で言えば、第2法則だろうがなんだろうが、既存の理論が破れる現象が起きたりしないかな、などと虎視眈々と狙ってるのが実験科学者というもの。


 *) 要するに私が過去に示してきたRefは何も勉強してないわけだ。むなしい、実にむなしい。[>>825]でもa2の例を示したのに。ファインマンとアジモフの著書だけに全ての真実が載っているとでも思ってるのかな。


 でもふざけてるのではなくて天然なんですよねえ。どうすればこんな思い込みをするんでしょう?? 特にふたつめ。kenさんだってa2とb2の意味は理解できるでしょうに。
 頼むから、ファインマンとアジモフ以外も勉強してくださいよ。

829Ken:2021/02/09(火) 23:24:13 ID:l3c2r2bk
>>828
そういう意味で「言及」と言ったのではありません。

たしかに、a1を考えるときにはa2を、b1を考えるときにはb2を、あわせて考察するでしょうが、問題は、考察の結果、a2やb2に成立の可能性を見たか、それとも、ありえないと考えたか、です。

起源問題の解決には、a2とb2の、すくなくとも一方が成立する必要があります。私の質問は、現在の第2法則と矛盾しない形でa2やb2が成立する可能性を、講義や著書で「言及」する人がいるのか、ということです。とりわけ、起源問題への解として、「言及」したのか。

それが「言及」の意味です。
ファインマンやアジモフでないとすると、それに「言及」したのはどういう人ですか?

結局、理由も不明な架空の事象を想像で語るだけでよい、ということですよね。a2とb2には、観測と理論のどちらもないわけでしょう? ただ、絶対にありえないとはいえないだけ。

それを問題の解にできるなら、もう何でもありになりませんか? 2つ見える太陽が同じものだと示す事象など、仮想世界を持ち出すまでもなく、考えつくはずです。たとえば、

〜巨大な天体が、2つの太陽の一方と衝突して破壊したら、もう一方の太陽も同時に破壊された。

とか。

私自身は、仮想世界の説明で、事象と理由の両方を語るつもりです。しかも、コンピュータの中で起こることがよく知られているものです。いますこしお待ちください。

830 diamonds8888x:2021/02/10(水) 05:58:26 ID:Qix9q/lA
>>827
>宇宙の起源はエントロピー極小状態が必要と認めつつも、なぜそれが生じたかは分からないといいます。

 なんだa2に言及してるも同然でしょう。ある時点でエントロピー極小(値はS0)とすれば、それ以前の過去のエントロピーは(b2を否定するとして)S0に等しいか、S0より大きいかです。どちらかに決める理由はないのでどちらも可能性として想定できます。S0より大きいという想定を許すなら、エントロピー減少を許すことになり、第2法則の破れを想定することになります。

 ここまで丁寧に説明すればわかるかな? アジモフは「エントロピーの減少が起きた(第2法則が破れた)」はずだと認めつつも、なぜ破れたかは分からないと言ったのです。そりゃあ、わかったら、いやわからなくても説得力のありそうな理論を提示できたら、アジモフ氏も一流の理論物理学者の仲間入りですよ。(*)

 原文は知りませんが、エントロピー極小状態が「生じた」と言うならば、生じる前のエントロピーは極小状態ではないと想定されているのが普通であり、すなわちエントロピー減少が起きたことを意味します。生じる前にはエントロピー値というものが存在しなかった、とか言葉の上でなら言うことはできますが、それこそまさに具体像がありえない状態です。


*) いうまでもなくアジモフは一流の作家であり一流のサイエンスコミュニケーターではあるけれど、一流の科学研究者ではありませんでした。大学の教育者としては優れていたのではないかとは想像できますけど。wikipediaによればコロンビア大学医学部の生化学講師から教授にまでなっていますが、准教授の時に「1958年に肩書きのみを保持することで合意し、教壇を降りた」そうです。知らなかった。まるでプロ棋士の肩書きのみを保持して大学の研究者になった飯田博士みたいだ。

831 diamonds8888x:2021/02/10(水) 06:03:42 ID:Qix9q/lA
>>829

>たしかに、a1を考えるときにはa2を、b1を考えるときにはb2を、あわせて考察するでしょうが、問題は、考察の結果、a2やb2に成立の可能性を見たか、それとも、ありえないと考えたか、です。

 やれやれ、やっと自分の思考の筋道が明示できましたね。前半の「あわせて考察」までで何も矛盾はなかったでしょう? これでまず>>807で示したように可能な理論が提示できたのです。どれが正しいかを検討するのは、次のステップです。
 後半の「問題は、考察の結果」は、理論を提示した後の正しいかどうか、どんな観測事実と突き合わせられるか、などを考察するステップであり、理論提示とは別のステップです。

 我々がテーマにしている基準05は理論提示の段階でのスクリーニングのためのものです。

>a2とb2には、観測と理論のどちらもないわけでしょう?

 何言ってるんですか? どちらも理論です。違うというなら、a1もb1ではありません。いやこの文で言いたいのは、a2やb2以外に何か別の理論をもたないといけないんだあ、゜という意味? この段階では、そんなの関係ない!

832diamonds8888x:2021/02/11(木) 09:43:54 ID:Qix9q/lA
 [>>831]で単語が1個すっぽり抜けた箇所がありましたね。失礼しました。「理論」という単語が。

>>829
>私の質問は、現在の第2法則と矛盾しない形でa2やb2が成立する可能性を、

 言葉使いをきちんとしてくれないと意味が曖昧です。

 矛盾しない形=>食い違う形、でしょう? 矛盾(P∧¬P)と食い違い(間違い)が別であることはkenさんも心得ていると言っていますが、ここは矛盾ではありませんよ。矛盾(P∧¬P)と食い違い(間違い)の区別を間違える場合があるのが、kenさんの勘違いの大きな要因と考えられます。

 "現在の第2法則"とは以下のどちらですか?
  ・現在はエントロピー減少は起きない
  ・全ての時間でエントロピー減少は起きない
 後者であればa2と食い違うのは当たり前でしょう? a2は後者の対立仮説なんですから。


>理由も不明な架空の事象を想像で語るだけでよい、ということですよね

 正解。ど正解。それが理解できればOKですよ。

 ニュートンの3法則も、万有引力の存在も、理由は不明です。まあ理由として何を挙げるかにもレベルがありますから「理由を求める」行為には大いに意味はあります。でも○○の理由を考えるにはまず、○○をきちんと示さねばなりません。それが例えばa1,a2,b1,b2の分類です。
 エントロピー減少という事象は、観測されたことがないという意味では架空です。未だ観測されていない事象をなんとか観測しようする研究などいくらでもあります。
 理論とは論理的かつ科学的な想像から生み出されるものです。

 さらに言えば、a1の想定だけで事が足りているならば、わざわざa2を想定した場合を真剣に検討する意味は科学研究としてはないでしょう。例えばa1として「地球生物の進化に介入した意思ある知性体(例えばいわゆる創造主)は存在しない」とした場合は、多くの進化生物学者はわざわざa2を想定した場合を真剣に検討する意味はないと考えているのです。a1だけで事が足りてるから。

 しかしa1の想定だけでは事が足りない、というのが起源問題です。だったらa2も想定してみるのは当然の論理的帰結です。a2の成立条件とかを考え出すのは、その後の話。

833diamonds8888x:2021/02/11(木) 09:54:36 ID:Qix9q/lA
>>832
kenさんは誤解しそうだから念の為。

 a2として「地球生物の進化に意思ある知性体(例えばいわゆる創造主)が介入したことがある」という理論を考えた場合、a2には矛盾はなく基準05に違反してはいません。過去の歴史についてのこれまでの膨大な科学的観測事実とは非常に多くの食い違いがあるでしょうけれど。

834Ken:2021/02/11(木) 10:31:33 ID:l3c2r2bk
今は、仮想世界の説明を完成させることに注力しています。

書き始めると、仮想世界よりも、基礎となるコンピュータ・プログラミングの説明が難しい。私の体験では、コンピュータ内部の働きを知らずに、プログラムを書いてる人がけっこういます。それが可能なほど、現在のプログラミング言語は進歩しているのです。

学校などでは、理論を説明し、例題のプログラムを書いて、実際に走らせるという形が一般的でしょうけど、ここでは言葉だけの説明になりますから。

明日(金曜日)か土曜日にはアップできることを目標にします。

>>830以降の投稿には、説明文を投稿した後に回答します。

835diamonds8888x:2021/02/11(木) 18:44:54 ID:Qix9q/lA
>>834
>>830以降の投稿には、説明文を投稿した後に回答します。

 了解です。仮想世界の話は楽しみです。決して皮肉ではなくて、そんな話の方がおもしろそうなので。

 なお私もBasicやFORTRANくらいは結構長いプログラムも作った経験はありますからご承知おきを。もちろん、というべきか、構造化して見やすくを心がけてね。「コンピュータ内部の働き」というのが素子レベルとかマシン語レベルの理解という意味で言ってるとしたら、それは仮想世界の考察とはあんまり関係はなさそうに思えます。もし必要と考えるならすれば良いですが。

836diamonds8888x:2021/02/12(金) 05:39:10 ID:Qix9q/lA
>>834
> 明日(金曜日)か土曜日にはアップできることを目標にします。

 決して慌てなくていいですからね。アップの前によく推敲して、つまらないミスは潰しておいてくださいね。私もまたしばらくは読む暇がなくなるかも知れませんし。

>>830以降の投稿には、説明文を投稿した後に回答します。

 御自分の思い込みが100%正しいという前提の「回答」はもう願い下げですからね。私が散々述べてきたことの3分くらいの理は考慮してみてくださいね。

> 基礎となるコンピュータ・プログラミングの説明が難しい

 もしも論理回路の基礎とかのことでしたら、むしろkenさんの理解を是非知りたいものです。基準05の基礎でもあるから。なんだか論理というのがコンピュータ内部でしか通用しないとかいう根本的な勘違いをしてそうな気もしますが、まさかそんなことないよね。

837Ken:2021/02/13(土) 20:01:34 ID:l3c2r2bk
では、仮想世界の話をします。今回は、すべての文章を完成させてから投稿することにしました。

これまでの私の説明の多くがそうだったように、初歩の初歩から冗長な話し方をします。特にコンピュータ・プログラミングは、本スレッドで扱ったことがないので、読み手に最低限の基礎知識があることも前提にはしません。中学生を相手にするような説明がいくつもあるでしょうが、忍耐をお願いします。


まず、コンピュータで行なうシミュレーションは、私たちが認識する現実世界と、条件を同じにする場合としない場合があります。

例えば、私たちは地球上では約9.81m/s²の重力加速度が働くことを知ってます。よって物体の落下をシミュレートする時、地球上の条件で行なうなら、その重力が物体に働くようにプログラムします。大雑把な計算でもよいなら10m/s²と値を丸めることもあるでしょう。またシミュレーションは、条件を変えても行なえます。もしも地球の重力が半分になったら? その条件でやるなら、重力加速度を5m/s²にします。

ここで、注意を要するのは、私たちが認識する現実の地球で重力が半分になれば、物体の落下に影響する他の因子も変わるだろうことです。すぐに思いつくのは、大気密度が大きく変わるので、落下の空気抵抗も変わることでしょう。実際に、そういう影響まで含めて半重力環境での落下をシミュレートすることもあるのでしょうが、より単純に、重力以外の条件は同じにするプログラムも可能で、後者の場合には、

1.重力の値が現実世界と異なる
2.重力と大気密度の関係が現実世界と異なる

という、現実世界との2つの相違が生じます。ここで注意を払うべきは、1と2は性質が異なることです。

1は環境条件が地球と異なるだけですが、2は物理法則自体を変えているのです。地球の大気組成や太陽の輻射等、他の条件が同じで重力が半分になれば、私たちが知る物理法則では、大気密度は確実に変わりますが、それが変わらないという仮想の条件を設定します。それでもシミュレーションは走りますし、たとえば百メートルの高さから落下する物体が、何秒後に地上に達するかの答えも出します。

以上の例から、シミュレーションが作る仮想世界は、現実世界とは、重力加速度のような物理量が異なるのみならず、物理法則自体も異なり得ることが分かります。


はじめにこの話をした目的は察しがつくことでしょう。

私たちが認識する現実の物理法則では、同じ物体が同時に複数の場所に存在するのは、量子でもないかぎり不可能です。同じ条件をシミュレーションで再現するなら、シミュレーション内でも不可能と制約をつけるべきですが、その制約を外すことを禁じる法はありません。ゆえに、制約を外した条件で動作するプログラムを作れるのなら、作ればよいわけで、問題は、「作れるのか?」という点になります。

838Ken:2021/02/13(土) 20:04:01 ID:l3c2r2bk
基本中の基本ですが、コンピュータ・プログラムの中で何かが存在するとは、それを表すデータが存在することです。より詳しく言うと、メモリやハードディスクのような記憶媒体の一部が、そのデータに相当する状態になることを意味します。

例を挙げましょう。重力加速度をいろいろ変えてシミュレーションを行なうなら、最も一般的な方法は、プログラムを書く中で重力加速度を表す変数を定義し、その変数の値を変えることです。変数の定義には、まず名前を決めます。重力加速度なので、ここは「g-kasoku」としましょうか。

名前だけでなく、変数の「型」と「大きさ」も定義します。重力加速度を「10」や「5」のように整数で表すなら整数型の変数だし、「9.81」のように小数点以下まで表すなら小数型(浮動小数点数といいますが)になります。

「大きさ」とは変数の値の大小ではなく、その変数が表せる数値の範囲です。大きさが1バイト(8ビット)の整数なら、2⁸ = 256だから256種類の整数つまり0から255までを表せる変数になります。2バイトなら0から65535までが範囲ですね。

注:ただし、変数の「型」と「大きさ」をプログラマが自分で定義できるかは、プログラミング言語で異なり、1980年代頃まで多用された昔のBasic等ではできなかったと思うのですが、それでも見えないところでコンピュータが定義しています。

g-kasokuを1バイトの整数として定義すると、g-kasokuのデータを入れるメモリ領域はオン・オフを切り替える8つの電気スイッチで構成され、オンは2進法の1を、オフは0を表します。もし重力加速度が10m/s²、つまりg-kasokuの値を10にするなら、このメモリ領域は10を2進法で表した「00001010」、つまりオフ4つの後にオン・オフ・オン・オフと続く状態になります。プログラムはg-kasokuを表すメモリ領域を参照し、「00001010」の状態になってることを知り、それを「10」と解釈し、重力加速度が10m/s²という条件で計算をするのです。

もう1つ大事な点があります。g-kasokuの内容を参照するには、メモリ全体の中で、g-kasokuがどこにあるかの情報が必要です。メモリの中の特定の場所を「メモリ・アドレス」といいますが、プログラムが走ると、g-kasokuのメモリ・アドレスもコンピュータが記憶します。多くのプログラミング言語は、変数のメモリ・アドレスまではユーザに見せませんが、C言語のような一部の言語ではメモリ・アドレスも見えるし利用可能です。メモリ・アドレスを表す変数を、プログラミングの世界では「ポインタ」といい、C言語なら、g-kasokuのポインタは先頭に「&」を付けて&g-kasokuと表記します。ややこしいかもしれませんが、ポインタは後で重要な意味をもつので、必ず理解してください。

例えば、メモリの「3790」のアドレスにg-kasokuのデータがあり、そのg-kasokuの値が「10」とします。プログラムはg-kasokuに対応するポインタの値が「3790」と知り、そのアドレスのメモリ内容を参照し、そこの値が「10」と知るわけです。上の例では、

&g-kasokuの内容は「3790」
g-kasokuの内容は「10」

になります。

これ以降の説明を読むには、今回の投稿内容の理解が必要条件です。

839Ken:2021/02/13(土) 20:06:26 ID:l3c2r2bk
先の例では、重力加速度を「g-kasoku」という1バイト整数型の変数で定義しました。むろん有効桁数を増やすために小数型で定義もできますが、とにかく重力加速度なら1つの数値型変数で定義ができます。一方、変数には数値以外を表すものもあります。

例えば英文字なら1バイトの文字型変数になります。そんな変数があり、値が「01001011」としましょう。これが整数型変数なら「75」という数として解釈されますが、文字型変数として定義されてる場合は「K」という文字と解されます。ワードやメモ帳を開いて「K」のキーを押すと画面に「K」と表示されますよね。あれは、キーボードから「01001011」の信号が行き、ワードやメモ帳のプログラムが「K」と解釈しているのです。

文字の集合である文字列も変数になります。例えば10文字の文字列変数があり、最初の3つに「K」と「e」と「n」が入り、後の7つは空であるなら、文字列変数の値は「Ken」になります。

もっと複雑な形の変数も可能です。数値でも文字でもなく、例えば「恒星」を表す型の変数を考えましょう。むろん数値や文字と違って、そんな型の変数は予め用意はされてません。用意されてる変数型を使って、プログラマが自分で定義するのです。

恒星には、名前、等級、半径、スペクトル型など複数の属性が考えられますから、「恒星」型の変数は、各属性変数を定義して、まとめることで定義されます。たとえばこのように。

変数型:恒星
  属性1 「名前」 文字列変数
  属性2 「等級」 小数型変数
  属性3 「半径」 整数型変数
  属性4 「スペクトル型」 文字列変数

具体的な記述法はプログラミング言語で異なりますが、論理構造は上のとおりです。型を定義したら、実際の変数を作ります。star_Aと名付けて、属性値を入れましょう。もしstar_Aが私たちの星系の恒星を表すなら、こうなるはずです。(半径の単位はメートル)

恒星型変数:star_A
名前 = "太陽"
等級 = 4.83
半径 = 696000000
スペクトル型 = "G2"

変数ができれば、半径やスペクトル型のような属性値を、プログラムで参照できます。そして、恒星型変数も変数なのだから、値を参照するには、データが格納されたメモリ・アドレスへ行かねばなりません。star_Aのポインタ値(C言語なら&star_A)を参照して、必要な情報の位置にアクセスするのです。

840Ken:2021/02/13(土) 20:09:19 ID:l3c2r2bk
自分で定義した型は自由に変えられるので、さらに1つ「質量」という属性を加えてもかまいません。

変数型:恒星
  属性1 「名前」 文字列変数
  属性2 「等級」 小数型変数
  属性3 「半径」 整数型変数
  属性4 「スペクトル型」 文字列変数
  属性5 「質量」 小数型変数

質量の単位を「×10³³グラム」にすれば、star_Aは、

恒星型変数:star_A
名前 = ″太陽″
等級 = 4.83
半径 = 696000000
スペクトル型 = ″G2″
質量 = 1.99

となります。さらに、位置情報も加えてみましょう。

変数型:恒星
  属性1 「名前」 文字列変数
  属性2 「等級」 小数型変数
  属性3 「半径」 整数型変数
  属性4 「スペクトル型」 文字列変数
  属性5 「質量」 小数型変数
  属性6 「x座標」 整数型変数
  属性7 「y座標」 整数型変数
  属性8 「z座標」 整数型変数

これで、太陽がどの位置にあるかも表せます。

今回の目的は、1つの太陽が複数の位置にある状態の実現ですが、まずは、2つの太陽がある場合を考えましょう。恒星型の2つの変数をstar_A、star_Bとし、座標以外は全属性値を同じにします。

恒星型変数:star_A
名前 = ″太陽″
等級 = 4.83
半径 = 696000000
スペクトル型 = ″G2″
質量 = 1.99
x座標 = 1000
y座標 = 1200
z座標 = 900

恒星型変数:star_B
名前 = ″太陽″
等級 = 4.83
半径 = 696000000
スペクトル型 = ″G2″
質量 = 1.99
x座標 = 1500
y座標 = 800
z座標 = 1300

仮想世界の「住人」が2つの太陽を観測すれば位置以外はまったく同じです。どれだけ詳細に観測しても違いは分かりません。このケースはひとまずおいて。

いよいよ、同じ太陽が2つの位置にある場合です。そのためには恒星型変数の構造をさらに変え、2つの位置をもてるようにします。ここで、物理法則を現実世界と変えるわけです。

変数型:恒星
  属性1 「名前」 文字列変数
  属性2 「等級」 小数型変数
  属性3 「半径」 整数型変数
  属性4 「スペクトル型」 文字列変数
  属性5 「質量」 小数型変数
  属性6 「x座標1」 整数型変数
  属性7 「y座標1」 整数型変数
  属性8 「z座標1」 整数型変数
  属性9 「x座標2」 整数型変数
  属性10 「y座標2」 整数型変数
  属性11 「z座標2」 整数型変数

この型で変数star_Xを作ります。属性変数の値はstar_A、star_Bからコピーしましょう。

恒星型変数:star_X
名前 = ″太陽″
等級 = 4.83
半径 = 696000000
スペクトル型 = ″G2″
質量 = 1.99
x座標1 = 1000
y座標1 = 1200
z座標1 = 900
x座標2 = 1500
y座標2 = 800
z座標2 = 1300

2ヶ所に存在する1つの太陽は、このようなデータとして、プログラム内に存在します。

841Ken:2021/02/13(土) 20:11:28 ID:l3c2r2bk
2つの場合を挙げました。

第1の場合: star_Aとstar_Bの2つの太陽が存在する
第2の場合: star_Xの1つの太陽が2ヶ所に存在する

どちらの場合でも、仮想世界の住人にはまったく同じ属性の太陽が2つあると見えるでしょうから、このままでは、第1の場合と第2の場合は区別がつかず、1つの太陽が2ヶ所にあるという判断もできません。

しかし、このプログラムが走るコンピュータのメモリ状態は、第1と第2で全く異なるのです。

第1の場合は、恒星型の変数が2つメモリにあり、当然、ポインタ変数も2つ必要です。
第2の場合は、恒星型の変数も、そのポインタ変数も、1つしかありません。

2つの太陽があるのではなく、1つの太陽が2ヶ所にあると判断する決め手はこれです。一見、2つの太陽に見えても、そのポインタを調べると同じメモリ・アドレスを指している。よって、太陽は1つしかないのです。

私たちが認識する現実世界でも、異なる2つのものが同じ位置に存在するのは、原則不可能ですが、量子なら可能かもしれません。しかし、コンピュータの中で、異なる2つのデータが同じメモリ・アドレスに存在するのは、絶対に不可能です。金輪際、ありえません。たとえそれが量子を表すデータであってもです。

注:混乱を生じないように注意してください。2つのメモリ・アドレスに存在する2つのデータに同じ値を与えるのは可能です。不可能なのは、2つのデータを同じメモリ・アドレスに存在させることです。

ただし、仮想世界の住人は、その判断に必要な、ポインタ変数の値を見られるのでしょうか?

答えは、原理的には可能、ということです。そして、原理的に可能なら、プログラムで実現できます。

考えてみれば分かることですが、仮想世界の住人(実はプログラム)が何かを観測してデータを得るとは、そのデータが格納されたメモリを参照しているのであり、当然、ポインタを辿ってメモリにアクセスしているわけです。仮想世界の住人が、そのことを意識しようがしまいが。それなら、仮想世界の住人が、自分が見ているポインタを意識できるようにプログラムを書けばよいだけです。仮想世界の住人が、リチャード・ティレルがそうであるように、自分たちが仮想世界の住人と思えば、存在するはずのポインタ変数の観測を試みることでしょう。

842Ken:2021/02/13(土) 20:14:02 ID:l3c2r2bk
わずか1つの事例では分かりにくいかもしれないので、仮想世界で実現できるP∧¬Pをもうすこし考えてみましょう。ただし、矛と盾の例は、同じもの(矛)が2つの場所(盾の前後)に存在する点で、太陽と同じなので、異なるものを。もちろん基本原理は同じですが。

たとえば、

P:太郎は花子の兄である
¬P:花子は太郎の姉である

これの実現には、「人物」型の変数を定義し、名前のほかに生年月日を2つ設定します。

変数型:人物
  属性1 「名前」 文字列変数
  属性2 「生年月日1」 時間型変数
  属性3 「生年月日2」 時間型変数

そしてこの型の変数を2つ作ります。

人物型変数:person_A
名前 = ″太郎″
生年月日1 = 2010-04-01
生年月日2 = 2020-04-01

人物型変数:person_B
名前 = ″花子″
生年月日1 = 2020-04-01
生年月日2 = 2010-04-01

その結果、2020年の仮想世界では、

10歳の太郎、0歳の花子、0歳の太郎、10歳の花子

がいるように見えることでしょう。同じ名前の子供が2人ずついるだけなら、P∧¬Pではありませんが、仮想世界の住人が「2人の太郎」のポインタを調べると、値が同じでした。(それは「person_A」が格納されたメモリ・アドレスです。)つまり1人の人物が2人いるように見えているのです。2人の花子もまったく同じ事情です。

2つの例から基本パターンを認識されたことでしょう。

要は、太陽であれ人物であれ、1つの変数を作り、そこに、位置であれ年齢であれ、Pと¬Pに該当する2つのデータを属性として与えるのです。現実世界の私たちがそれを「矛盾」と見なすのは、人類史を通してそのような、同一人が2つの年齢をもつような、状態が1度として観測されたことがないから、ありえないという常識を公理としているにすぎません。

843Ken:2021/02/13(土) 20:15:55 ID:l3c2r2bk
分かりやすさを心がけながら書いてきましたが、私の説明がどれだけ伝わったか、いまひとつ心もとないので、最後に私の実体験を語りましょう。自慢できる話ではないのですが。

私は仮想世界のプログラムを作った経験はありませんが、20年以上も製造業で勤務し、工場の稼動をシミュレートするシステムなら、いくつか手掛けました。その中の1つを開発中に発生したことです。

ある工場の稼動をシミュレートした結果を見たら、工場内の同じ生産設備に、Aという機種の製品を作る仕事と、Bという機種の製品を作る仕事が割り当てられ、しかも2つの仕事の時間が重複していたのです。

ちなみに、Aを作るのとBを作るのでは、設備に装着する工具も、走らせる制御プログラムも、供給する材料も異なり、Aを作った後Bを作るには、数十分を要する切り替え作業が発生します。つまり、AとBを同時進行で作るのは物理的に不可能なのです。

そうなると、この時のシミュレーション結果は、同じ太陽が同時に2ヶ所に位置するのと、本質を同じくするのではないでしょうか?

私たちのプログラムは、同じ設備が同時に2つの製品をつくることなど想定したものではなく、star_Xのようなデータ構造も、当然持っていません。それでもそんな結果を出したのは、ただのプログラム・ミス、いわゆる「バグ」というやつです。バグの原因を見つけた時、開発チームのメンバーが爆笑しながら「間抜け」と言い合ったのを覚えてます。

しかし、この時のプログラムがコンピュータ内で実現したものを、ある種の仮想世界とみるなら、その仮想世界では、1つの太陽が2ヶ所に存在するのに匹敵する事象が起きたことになります。そういうことが起こりうるのが仮想世界というものです。

ある意味、仮想世界とは、一般的なプログラムが起こしてはいけない「バグ」と見なす事象を、意図的に起こすともいえるでしょう。

844Ken:2021/02/13(土) 20:18:57 ID:l3c2r2bk
1点、付け加えておくことがあります。

この話の本題は、現実世界では「P∧¬P」になる事象でも、仮想世界では実現可能というものです。言い換えれば、仮想世界では、どんな事象も基準05では禁じられない、という意味です。たしかに、

〜同じ1つの太陽が、東と西に、同時に現れる

というような事象は可能ですが、仮想世界でも不可能なことが1つあります。

つまり、同じ太陽が2つのメモリ・アドレスに存在するのは不可能なのです。もし、存在したら、座標まで含めた一切の属性値が同じでも、それは2つの太陽と見なすべきです。いわば、現実世界で2つの位置に太陽があれば、あらゆる属性が同じでも、2つの太陽と見なすべきであることに対応するといえるでしょう。

なぜなら、太陽や、人物や、それ以外の万物がシミュレーションでも、プログラムが走るコンピュータは、シミュレーションではなく、現実世界の存在だからです。よって、

〜同じ1つの太陽が、メモリ・アドレスAとメモリ・アドレスBに、同時に存在する

これこそが、正真正銘の基準05違反でしょう。

ただし、1つの太陽を2つのアドレスに存在させる方法が絶対にないか、といえばそうでもない。非常に複雑な思考実験になりますが、シミュレーションを走らせるコンピュータ自体が仮想世界の存在、というものです。つまり、その仮想コンピュータが存在する仮想世界を作っている「真のコンピュータ」があり、真のコンピュータの「真のアドレス」の1箇所にただ1つの太陽のデータがある。そして、真のコンピュータで定義された変数型には、仮想コンピュータのアドレスが2つ定義され、AとBの値が入っている。

これなら、太陽の数は1つです。

それでは、

〜同じ1つの太陽が、真のアドレスAと真のアドレスBに、同時に存在する

これこそが、基準05違反でしょうか? でも、もし「真のコンピュータ」も仮想の存在で、「真の真のコンピュータ」があれば違反になりません。

このように外の世界を無限に拡大させることに合理性があるかは、私にも判断がつきません。合理性がないのなら、同じものが複数のメモリ・アドレスに存在するのは、基準05違反でしょう。

ただ、元々基準05は、科学と疑似科学を区別するために設けられたものですから、唯一の疑似科学理論が、「同じものが複数のメモリ・アドレスに存在すること」では、本来の目的にかなうのか、私には疑問です。

私からの説明は以上です。

845Ken:2021/02/13(土) 20:23:09 ID:l3c2r2bk
投稿件数が多いと、最初の方の投稿はスクロールして消えるようですね。

今回の私の投稿番号は、

>>837
>>838
>>839
>>840
>>841
>>842
>>843
>>844

の8件になります。

846diamonds8888x:2021/02/14(日) 13:11:13 ID:Qix9q/lA
>>845
 お疲れさまでした。なかなか楽しそうな世界です。もっと詳しく知りたいくらいですね。
  W_str:天体が2つの位置座標を持つ世界[>>840]
  W_bth:人物が2つの生年月日を持つ世界[>>841]

 とはいえ、個別の仮想世界は別として、一番大事な点だけ

>この話の本題は、現実世界では「P∧¬P」になる事象でも、仮想世界では実現可能というものです。言い換えれば、仮想世界では、どんな事象も基準05では禁じられない、という意味です。

 「現実世界では「P∧¬P」になる事象でも、仮想世界では実現可能というものです」なんて当たり前です。基準05の適用とはそんな意味ではありません。

>言い換えれば、仮想世界では、どんな事象も基準05では禁じられない

 ある仮想世界Xで基準05が働くという意味は、仮想世界Xで設定された法則のもとで「P∧¬P」が生じないという意味です。現実世界も含めて他の世界では「P∧¬P」であることも、法則が違う世界ならありえても当然です。

  ここんところ【混乱を生じないように注意してください】

 どんな事象を持ってきたとしても、無数の考えうる仮想世界のどれかでは実現されているでしょう。しかし、特定の仮想世界Xでは、その世界で設定された法則に反する事象は許されません。


 では改めて、kenさんが想定した2つの仮想世界において「P∧¬P」に該当する命題を示してください。上記の説明で次の命題は該当しないことはわかったと思いますが。

  同じ太陽が同時に2ヶ所に位置する 
    => W_strでは「P∧¬P」に該当しない
    => W_bthでは、まだ決まっていない

  太郎は花子の兄である、かつ、花子は太郎の姉である
    => W_strでは、まだ決まっていない
    => W_bthでは「P∧¬P」に該当しない

【以下は上記ほど大事なことではなくて、後回しでいいことなんですが】
【でも考えてみることで目から鱗が落ちる可能性もあるくらいには大事】

 実は2番めの命題では、W_bthにおける「兄である」「姉である」の定義が不明確なのですけど、それは理解していますか? まあ生年月日がひとつしかない世界でも定義を明示してはいないけれど、現実世界の意味から推定した定義は明確ですからそこはいいとしても、生年月日が2つ以上の世界ではちゃんと定義しないと不明確でしょ?

 ついでに、W_strではニュートンの運動法則を書き換える必要があることも理解していますか? もしもW_strで天体運動のシミュレーションをするのならば、ですけれど。

847diamonds8888x:2021/02/14(日) 13:14:30 ID:Qix9q/lA
>>845
>投稿件数が多いと、最初の方の投稿はスクロールして消えるようですね。

 例えば画面右上の「Last50」をクリックすると50件表示できますよ。

848Ken:2021/02/14(日) 17:49:02 ID:l3c2r2bk
>>846

この回答は、ここまでの議論の流れからずれていませんか?

>現実世界も含めて他の世界では「P∧¬P」であることも、法則が違う世界ならありえても当然です。

ティレルの主張は、われわれが存在するこの現実世界が、実はシミュレーションが作った仮想世界というものです。そして私は、現実世界が仮想世界であるなら、太陽が2ヶ所に存在するような、これまでは観測された事象といえども、将来は起こりうると述べました。私が、現実世界を対象にしていることは、文脈から明らかではありませんか。

私は、「太陽が同時に2ヶ所に存在する」という事象が、現実世界で起こりうるといったのであり、どうすればそれが起こるかのメカニズムを説明するために、既知の知識体系で説明できる仮想世界のことを述べたのです。


要するに、仮想世界とは、

a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

に対応するものです。diamonds8888xさんは、これを仮想世界ではなく、現実世界で生じる事象として提示されたはずです。私もまた、現実世界がシミュレーションの産物である可能性を提示しました。これまでに観測事例がない点では、a2もb2も、現実が仮想世界という想定も同様です。a2b2と仮想世界が異なるのは、後者の場合は、それが生じるメカニズムが説明されてることです。

849Ken:2021/02/14(日) 17:55:05 ID:l3c2r2bk
>.848

すみません。編集ミスがありました。下の段落の、「これまでは観測された事象といえども」は誤りで、「これまでは観測されなかった事象といえども」が正しい形です。

ティレルの主張は、われわれが存在するこの現実世界が、実はシミュレーションが作った仮想世界というものです。そして私は、現実世界が仮想世界であるなら、太陽が2ヶ所に存在するような、これまでは観測された事象といえども、将来は起こりうると述べました。私が、現実世界を対象にしていることは、文脈から明らかではありませんか。

850Ken:2021/02/14(日) 20:23:48 ID:l3c2r2bk
>>848の説明では、言葉足らずかもしれません。もう一度、順序だてて、整理してみます。

まず、ティレルのような例外を除いて、今の私たちは、私たちが「現実」として観測する世界が、コンピュータ・シミュレーションとは思いません。

よって私たちは、シミュレーションではない、という前提に立ち、観察と考察を重ねて、私たちが知る知識体系を構築してきました。

その知識体系では、同じ太陽が同時に2ヶ所に存在することを可能にするメカニズムを想定できません。

しかし、それなら、これまで想定から外してきた「この世界=シミュレーション」説を想定したらと、思い至りました。

ティレル主張の「量子=ピクセル」説を排するなら、「この世界=シミュレーション」説を支持する観測事象はありません。

ただし、「この世界=シミュレーション」説を、否定証明もできません。

その意味では、「この世界=シミュレーション」説は、a2、b2と同じく、積極的な証拠はないが、否定証明もないことになります。

それゆえ、

1.a2、b2を根拠に、遠い過去にエントロピー極小状態がありえた、と主張する
2.「この世界=シミュレーション」説を根拠に、同じ太陽が同時に2ヶ所に存在しうる、と主張する

という2つの主張は、一方は可能だが、他方は不可能という、差をつけることができません。

ただし、補足事項として、シミュレーションが作る仮想世界は、現実に観測されており、そのメカニズムも解明されています。その点がa2、b2との違いです。

851diamonds8888x:2021/02/15(月) 05:30:23 ID:Qix9q/lA
>>846
 厳密性を欠いたので補足しておきます。以下は厳密には「P∧¬P」ではありません。

 [>>846]より
>太郎は花子の兄である、かつ、花子は太郎の姉である

 つまり[>>842]の以下が厳密ではありません。¬Pは「太郎は花子の兄ではない」です。
> P:太郎は花子の兄である
> ¬P:花子は太郎の姉である

 ここでkenさんが言おうとしているのは「花子は太郎の姉である」という命題から「太郎は花子の兄ではない」という命題、つまり¬Pが演繹できるということです。だから私も、その意味で「P∧¬P」だと書きました。

 ですので、厳密に書けばこうなります。なお"演繹される"を"シミュレートされる"に変えた方が適切かも知れません。

  太郎は花子の兄である、かつ、花子は太郎の姉である
    => W_strでは、今示されているルールだけでは演繹できるか否かは不明
    => W_bthでは演繹される。つまり「P∧¬P」に該当しない。

 途中の演繹をすっ飛ばして仮定と結論とを同一視しているところが危ういので、しつこいですけど念押しします。

  ここんところ【混乱を生じないように注意してください】

852diamonds8888x:2021/02/15(月) 05:33:40 ID:Qix9q/lA
>>848,>>849,>>850

>diamonds8888xさんは、これを仮想世界ではなく、現実世界で生じる事象として提示されたはずです。

 そんなこと言ってませんよ。「生じうる事象」とは言いました。それは「理論的可能性として考慮してもいい」という意味です。「生じうる事象」なのかどうかは観測により決めることです。

  ここんところ【混乱を生じないように注意してください】

 まあ、コンピューターシミュレーションを持ち出すことで何を言いたいのかはわかりました。ではKenさんの議論の中の仮想世界を理論(から予測される世界)に置き換えてください。それで私の主張とほぼ重なると思います。
 違うのは、メカニズムをコンピューターシミュレーションなどとイメージする必要などないということだけです。メカニズムまで考えないと、【理論の提示もできない】という主張はいわば、シミュレーションのある設定をする妥当な理由(メカニズムに該当)がないと【シミュレーションをしてみることもできない】と主張するようなものです。

 天動説の描く天上世界と地動説の描く天上世界とは全く異なる世界です。それはまさに、設定の異なる2つの仮想世界です。もちろんどちらもコンピューターシミュレーションで再現できるでしょう。

853diamonds8888x:2021/02/15(月) 19:50:59 ID:Qix9q/lA
>>845
 ところでシミュレーションとは時間軸に沿って何がどう変化するのかとか、中学生を相手にするような説明が必要ではないでしょうか? 時間は離散的(デシタル)になるなんてことも。

 それと変数名は属性nだけでも構わないのに、質量とか位置座標とか生年月日とか、いかにも現実の何かとの関係を゜適用匂わせる変数名を持ってきた、その心は?

854diamonds8888x:2021/02/17(水) 05:07:12 ID:Qix9q/lA
>>845,>>840

>恒星型変数:star_A
>名前 = ″太陽″
>   (他略)
>恒星型変数:star_B
>名前 = ″太陽″
>   (他略)

 ちょっと統一性に欠ける気がしてわかりずらいのですが、以下の理解でいいですか?
  ・star_A、star_Bは変数名であり、恒星型の変数である
   (恒星型変数として、star_A、B、C、D、・・・、が用意されている)
  ・恒星型の変数とは属性1〜11に属する変数の集合から成る変数である。
  ・名前は属性1の変数名であり、属性1は恒星型変数の1番目の変数の意味である。
   (区別のために順序付けされていると仮定)
   (順番つまり1〜11を参照して呼び出されるとか)
   (区別しやすく書けば、star_A#名前 = star_B#名前 = ″太陽″)
   ( つまり名前は異なる恒星でも同じこともある    )

 そして、star_A、star_Bという文字列(と言えば意図はわかるかな?)はデータとしてどこかにあるのですか? それとも単にわかりやすく表現しただけで、kenさんの文章にはあっても、実際のシミュレーション用コンピューターのメモリ内には書いてないものですか?
 ある型を持つ変数の個別の"変数名"が単なるアドレスなのか、"star_A"とかいう固有の文字列になっているのか、という問いです。どちらにしても変数名が異なるものは異なる変数であるようにはなっているのでしょうけれど。

855diamonds8888x:2021/02/17(水) 05:13:56 ID:Qix9q/lA
>>848,>>849,>>850
 [>>852]では「何を言いたいのかはわかりました」と言ったものの、kenさんの考えの筋道は私にはよくわかってないことが、わかりました。

>>848
>私は、「太陽が同時に2ヶ所に存在する」という事象が、現実世界で起こりうるといったのであり、どうすればそれが起こるかのメカニズムを説明するために、既知の知識体系で説明できる仮想世界のことを述べたのです。

 あくまでも「現実世界で起こりうる」メカニズムですよね?
 「コンピューターシミュレーションでstar_Xを設定したら"太陽が同時に2ヶ所に存在する"と定義できる事象のシミュレーションができた」ということはわかりますが、それは「現実世界で"太陽が同時に2ヶ所に存在する"事象が起きた」ことと同じではありませんよね? メカニズムと言いますが、シミュレーションで何を再現しようとも、それが現実のメカニズムにはなりませんよね? 何が言いたいの?

>>850
 つまり、「この世界=シミュレーション」説を想定できるのだから、この世界で"太陽が同時に2ヶ所に存在する"事象が可能である、と言いたいのですか?

 しかし「この世界=シミュレーション」説が正しいとしても、この世界では恒星型変数に2つの位置座標は設定されてはいないみたいですけど?
 もしも恒星型変数に2つの位置座標の設定されたシミュレーション世界が"この世界"以外にもシミュレートされていて、しかもかつ、"この世界"の観測者(我々にほかならない)がその世界(star_Xの世界)をも観測可能だとするならば、"この世界"の観測者も"太陽が同時に2ヶ所に存在する"事象も観測できるでしょうけれど。


 以下の点を明確にして、一体何が言いたいのか説明していただけませんか?
 「起こりうる」「〇〇しうる」という言葉の意味がなんだか色々あって誤解のもとになっていそうな気がします。
  ・対象とする"事象"は何か?
  ・kenさんが示したいことは何か?
    その"事象"が現実に起きること?
    現実には起きないが仮想世界でならシミュレートできること?
    想定可能であること? (想定可能の意味は?)
  ・その"事象"が観測される場合の観測者とは何者か?
    現実世界の人? 仮想世界の人? コンピューター操作する人?

856Ken:2021/02/17(水) 22:59:42 ID:l3c2r2bk
複数の質問が出ているので、問われた順に答えます。

>>852
>仮想世界を理論(から予測される世界)に置き換えてください

仮想世界で何が起こるかという質問ですか? それはプログラマがどのような仮想世界を作るかによります。現実世界では「P∧¬P」と見なされる事象が、仮想世界で起こるのは、そういう仕様のプログラムを書いた場合です。2ヶ所の太陽や、10歳と0歳の太郎はその例です。

>>853
>時間は離散的(デシタル)になるなんてことも

これは、>>852で、

>メカニズムをコンピューターシミュレーションなどとイメージする必要などない

と言われた「メカニズム」の話ではないのでしょうか?

まず、「時間」の意味を、明確にしましょう。コンピュータが動作する現実世界の「時間」と、仮想世界の住人が認識する「時間」は別物です。同じ速さで進む理由もありません。

例えば、自動車の開発チームが衝突事故をシミュレーションするとします。衝突後の、1秒の何分の1という短時間で車体や搭乗者に起こることを仮想世界で再現するわけですが、複雑な条件を設定すれば、計算に数分を要することもあるでしょう。つまり、現実世界で数分の時間が進むあいだに仮想世界では1秒未満の時間しか進まないことになります。

逆の場合もあります。カール・セーガンの「コスモス」では、2つの銀河が接近したり衝突したときの動きをシミュレーションしてましたが、コンピュータが存在する現実世界では数分が進む間に、仮想世界では数億年が経過したことになります。

今、問われているのは、仮想世界で進行する時間のことですね。

仮想世界では時間もデータですから、メモリの中で有限なバイト数で表現されるでしょう。つまり有効桁数が有限なのだから、離散的というのはそのとおりです。注意を要するのは、現実世界のアナログな時間もまた、ある限界以上には細かくならない離散値だということです。私たちは、教科書などで「∆t→0」や「dt」のような記述を見るので、つい忘れがちですが。

現実世界で「時間」を認識するには、何らかの形で時計が必要です。古代人の時計は太陽の動きでした。17世紀に振り子の原理が解明されると、振り子の1周期が時間を計る基礎単位になりました。その後、振り子は電気回路になったり、水晶になりましたが、基本原理は同じ単振動です。放射性元素の崩壊で時間を計ることもします。すべてに共通するのは、何らかの事象を観測して、ある状態から別の状態までの変化を、時間を計る単位にすることです。

しかし、この方法で計測できる最小の時間には限界があるのです。これは計測技術の問題ではなく、原理的なものです。ファインマン物理の5章4節の末尾に「TIMES」という表があり、光が(水素の)原子核を横切る、10の24乗分の1秒より短い時間は計測不可能とあります。(www.feynmanlectures.caltech.edu/I_05.html)たとえ、陽子よりさらに小さいクォーク等が観測されても、最小単位がさらに小さくなるだけで、最小単位があることには変わりません。

つまり、現実世界のアナログ時間も実際は離散的なのであり、仮想世界の時間がそれより大まかになるか細かくなるかは、変数の大きさつまり有効桁数で決まります。

>変数名は属性nだけでも構わないのに、質量とか位置座標とか生年月日とか、いかにも現実の何かとの関係を゜適用匂わせる変数名を持ってきた、その心は?

むろん、現実世界では「P∧¬P」とされる事象が、仮想世界で実現できることを、具体イメージで示すためです。


以下の質問も「メカニズム」の話と思うのですが。

>>854

>ちょっと統一性に欠ける気がしてわかりずらいのですが、以下の理解でいいですか?

に続く部分は私の理解と一致しています。「star_A#名前 = star_B#名前 = ″太陽″」は、Visual Basicなら「star_A.名前 = star_B.名前 = ″太陽″」という記述になるでしょう。

>そして、star_A、star_Bという文字列(と言えば意図はわかるかな?)はデータとしてどこかにあるのですか?

ソースコードの中です。ソースコードは人間が理解する言語で書かれており、そのままではコンピュータは動きません。コンピュータを動かすには、ソースコードをコンパイラまたはインタプリタで、コンピュータが(より正確にはOSが)理解できる形に翻訳します。翻訳が生成するのが実行モジュールです。ネットでプログラムをダウンロードするとファイルが保存されると思いますが、あれが実行モジュールです。「翻訳」によってソースコードの「star_A」のような人間が認識する名称が、コンピュータが認識する実行モジュールの情報(アドレス、型、大きさ)に変わります。

>変数名が異なるものは異なる変数であるようにはなっているのでしょうけれど。

そのとおりです。

857Ken:2021/02/17(水) 23:01:59 ID:l3c2r2bk
「メカニズム」の話ではない本質的な論点は、ここからですね。

>>855

>しかし「この世界=シミュレーション」説が正しいとしても、この世界では恒星型変数に2つの位置座標は設定されてはいないみたいですけど?

まず、>>850で述べた、最も肝心な点を、繰り返します。

ティレルの主張は、私たちが存在する「この世界」はシミュレーションだが、ティレルのような例外を除いて、だれもそのことに気づいてない、というものです。SimCityのような既知のシミュレーションソフトの中の人物が、自分たちが仮想世界の住人と知らないのと同じです。

ゆえに、「この世界=シミュレーション」説の要点は、もし我々の世界でstar_Xのような事象が起こりえても、これまでのところは、観測されていないという点にあります。

つまり、観測可能ではあるけれども、観測する方法を私たちはまだ知らない、ということです。例えば、紀元前のデモクリトスは原子の存在を想定しながら、その観測方法を知りませんでした。

a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)
その結果、エントロピー極小状態が生じる

という想定をしながら、今は観測できないのと同じです。

>「起こりうる」「〇〇しうる」という言葉の意味

まさしく、a2やb2が「起こりうる」、つまり絶対に起こらないとはいえない、という意味です。

>・対象とする"事象"は何か?
>・kenさんが示したいことは何か?

この質問には上記の説明で答えていませんか?

>・その"事象"が観測される場合の観測者とは何者か?

仮想世界の住人である、私たちです。

858diamonds8888x:2021/02/19(金) 19:10:53 ID:Qix9q/lA
>>856

>>仮想世界を理論(から予測される世界)に置き換えてください

>仮想世界で何が起こるかという質問ですか? 

 違います。困ったな。わからないのですか。
 理論も仮想世界も似たようなものだと理解してほしいという意図なんてすけどね。

>と言われた「メカニズム」の話ではないのでしょうか?

 あれ? なんだか「メカニズム」は本質的ではないと言いたそうな雰囲気ですが、「メカニズム」を示さないから私の主張は受けて入れられないという御意見ではありませんでしたっけ? ちょっと整理してくださいな。

>今、問われているのは、仮想世界で進行する時間のことですね。

 はいそうです。「最小の時間には限界がある」という原理は未だ定説として認められたものではなかったと思いますけど、まあそれは今の本論には関係ないからいいですが、一応は注意しておきますね。

>>変数名は属性nだけでも構わないのに、質量とか位置座標とか生年月日とか、いかにも現実の何かとの関係を゜適用匂わせる変数名を持ってきた、その心は?

>むろん、現実世界では「P∧¬P」とされる事象が、仮想世界で実現できることを、具体イメージで示すためです。

 いやそういう答えを求めてるのではなくて。
 うーん、答えを示してみましょう。

859diamonds8888x:2021/02/19(金) 19:12:09 ID:Qix9q/lA
>>857

> この質問には上記の説明で答えていませんか?

 全然わかりません。根本的にどこかで何かの捉え方がずれている、らしいことはわかりました。

> >・その"事象"が観測される場合の観測者とは何者か?

> 仮想世界の住人である、私たちです。

 つまり、[>>]で示したコンピューターシミュレーションの世界の住人ではない、と。
 つまり、この私たちの現実世界が、何らかの意味での「仮想世界」であるとの仮定をおいてみる、と。その上での推論ということてすよね?
 で、その推論の結論は何を言いたいのでしたっけ? もうすこし丁寧に、結論と、そこへの推論過程をお願いします。数式の誘導をきちんと経過を書くようなつもりでお願いできればありがたいのですが。

 なお「という想定をしながら、今は観測できないのと同じです。」と書いてありますが、私たちの現実世界が、何らかの意味での「仮想世界」とした場合には、「今は」どころか原理的に未来永劫観測不可能じゃありませんか?

 さらに私たちは、別の異なる仮想世界の観測も原理的に未来永劫観測不可能じゃありませんか? つまりそれは私たちにとっての科学の対象ではない、ですよね?

860diamonds8888x:2021/02/19(金) 19:22:05 ID:Qix9q/lA
>>856,>>858
 「シミュレーションとは時間軸に沿って何がどう変化するのか[>>853]」という初歩的基本的な説明については以下のようなものだと思いますが、違いますか?

 ひとまず天体だけ考える。小石とか生物とか原子とかは考えない。

 恒星型変数として、star_A、B、C、D、・・・、が用意されている
 各恒星型変数には属性変数として、属性1、2、・・・、が用意されている
  別名以下の属性変数が用意されている
   「質量(M)」、「x座標」、「y座標」、「z座標」
   、「x方向速度(Vx)」、「y方向速度(Vy)」、「z方向速度(Vz)」
   、「x方向力(Fx)」、「y方向力(Fy)」、「z方向力(Fz)」

 シミュレートされる仮想世界の"状態"とは、上記すべての変数が所定値を取っているような状態である。すべての変数が所定値を取っているときに、この仮想世界がそういう状態として"存在している"とも言える。
 時刻tの状態から次の時刻ステップ(t+Δt)の状態を決定する「ルール」が設定されている。例えば、次のような例。
   x(t+Δt)=x(t)+Δt*Vx
   Vx(t+Δt)=Vx(t)+Δt*(Fx/M)

 ここまで準備してから実際のシミュレーションを始める。まず、全ての変数に所定値を入力する。これらの値を初期値という。次にルールに従いtをΔt増やして(t+Δt)の状態を決定することを行う。これがシミュレーションである。

 以上で間違いありませんか?


 シミュレーション世界では過去の時間は無限ではなくて初期値設定から始まるということになっちゃいますね(~_~)。どうでもいいですけど。


 ここで属性6-8に「x座標」、「y座標」、「z座標」という別名を付けただけでは、属性6-8を現実世界の位置と似たものにしたいという意図は伝わりますが、具体的にはシミュレーションへの効果は何も変わりません。属性6-8が変化するルールを定めることで初めて、属性6-8が実際に現実世界の位置と似た変数となるのです。
 [>>853]の「〜関係を匂わせる変数名を持ってきた、その心は?」という質問の意図はこういうことです。ソースコードに書かれた「人にわかりやすい変数名」はあくまでも読む時の理解を助けるためのものであり、シミュレーションにおける変数の機能はルールによって定まることを忘れてはいけないよね、ということです。

 プログラマーのkenさんには当たり前過ぎて説明するまでもないと考えたのでしょうけれど、知らない人への説明には基本として押さえておくべきかなと思ったのですが。

861Ken:2021/02/20(土) 00:10:02 ID:l3c2r2bk
>>858
>あれ? なんだか「メカニズム」は本質的ではないと言いたそうな雰囲気ですが、「メカニズム」を示さないから私の主張は受けて入れられないという御意見ではありませんでしたっけ?

私の本来の考えは、どんな事態を想定するにも、それが実現するメカニズムが必要というものです。だからこそ、a2やb2のような事態がどうすれば生じるのか、diamonds8888xさんに尋ねましたし、私自身は仮想世界で、2ヶ所の太陽が実現するメカニズムを説明しました。

ところが、diamonds8888xさんは、メカニズムの説明は必要ないと言われていると、私には思われます。

>>832
>>理由も不明な架空の事象を想像で語るだけでよい、ということですよね
>正解。ど正解。それが理解できればOKですよ。

もしそうなら、シミュレーションのメカニズムを説明する必要もなかったということでしょう。だから、>>853>>854で、より詳しい説明を求められたとき「あれ?」と思ったのです。

やはりメカニズムの説明は必要なのですか? それなら、a2とb2の事態がどうやって生じるのかを、あらためて尋ねることになります。


>>859
>私たちの現実世界が、何らかの意味での「仮想世界」とした場合には、「今は」どころか原理的に未来永劫観測不可能じゃありませんか?

ティレルは量子の存在が、この世が仮想世界と示す根拠といいます。その説に同意するかは別にしても、1つの可能性ではあるでしょう。

一方、私自身の回答は>>841で示しました。もし、この世がシミュレーションで、私たちがプログラムなら、私たちが何かを観測するとき、必ずポインタ変数を参照して、メモリにアクセスしているのです。つまり、私たちはポインタ変数を知覚しているのであり、今はまだそれに気づいていないだけです。

不用意に比喩を使うのは危険ですが、昔の人間は、音を聞きながらも、それを可能にしているのが大気の振動とは気づいていませんでした。大気の振動がポインタに該当するといえるでしょう。

SimCityのような既存のプログラムの中の人物が、どのように彼等の世界を観測しているか、つまり、どのようにメモリを参照しているかは、私自身のプログラムではないので分かりませんが、今の彼らが、データにはアクセスしても、ポインタを認識してないのなら、最も常識的なプログラムの作り方は、人物(プログラム)の「意識」を2重構造にして、意識できる部分と、意識しない部分に分けることだと思います。その無意識の部分が、決して意識部分に反映されないデータ構造になっていれば、彼らがポインタに気づくことは未来永劫ありません。もし、何かの条件を満たせば意識部分に反映されるようにプログラムが書かれていれば、気づくでしょう。

やはり、これも「メカニズム」の話ですよね。a2、b2も含めて、メカニズムの説明は必要なのではないでしょうか?

>で、その推論の結論は何を言いたいのでしたっけ?

これまでは観測されたことがない、「太陽が同時に2ヶ所に存在する」という事態が、いつかは観測されるかもしれないと言いたいのです。

>>860で述べられたのは、シミュレーションの1つの形ですが、唯一の形ではないでしょう。たとえば、時間がステップを踏んで進むかどうかは、プログラムの書き方によりますから。ただし、私たちの世界がシミュレーションなら、おっしゃるようなプログラムにするのが、最も合理的と思います。

>シミュレーション世界では過去の時間は無限ではなくて初期値設定から始まるということになっちゃいますね

そのとおりです。
ただ、もしかして、これはb2が実現するメカニズムとして提示されたのでしょうか? もしそうなら、以下の点にご注意ください。

もしも、私たちの世界がシミュレーションなら、閉鎖系ではなく、コンピュータが存在する外の世界があり、そこからエネルギーが入りますから、エントロピーの減少は起こります。

しかし、最初に起源問題を提唱した>>674で述べましたが、外の世界を想定するなら、起源問題は、外の世界を含めた全体系で考えるべきなのです。外の世界からエネルギーが入るには、外の世界にエントロピーの小さい状態が必要です。それはどうやって生じたのか?と。問題を1段階先送りするだけなのです。

つまり、外の世界で、無限ではない過去が存在しうるかが、問題になります。

862diamonds8888x:2021/02/20(土) 07:19:04 ID:Qix9q/lA
>>861

 双方の主張がごっちゃになって混乱したみたいですね。[>>858]での私の書き方も不十分だったかも知れません。

 [>>858]ではkenさんの考えを知るために、kenさんが説明しようとしているシミュレーション世界(仮想世界)の「メカニズム」について質問しました。もちろん私自身は、科学的理論であるa2,b2を提唱するのに「メカニズム」なるものは不要と考えています。
 しかるに[>>856]での言及の仕方がなんだか「メカニズム」は本質的ではないと言いたそうな雰囲気に感じられたので疑問が生じただけです。でもそれは私の誤解だったということでよろしいですね? kenさんは一貫して「メカニズム」は必須と考えているということならOKです。

>>832
> >>理由も不明な架空の事象を想像で語るだけでよい、ということですよね
> >正解。ど正解。それが理解できればOKですよ。

> もしそうなら、シミュレーションのメカニズムを説明する必要もなかったということでしょう。

 私が科学を考える際には別に必要ありませんけど、kenさんの考え方をもっとよく知るためには必要です。

***次は***
> >で、その推論の結論は何を言いたいのでしたっけ?

> これまでは観測されたことがない、「太陽が同時に2ヶ所に存在する」という事態が、いつかは観測されるかもしれないと言いたいのです。

 現実世界で、ですよね? 全然説明になってません。理解できません。この結論への推論過程をお願いします。数式の誘導をきちんと経過を書くようなつもりでお願いできればありがたいのですが。

***次は***
> やはり、これも「メカニズム」の話ですよね。a2、b2も含めて、メカニズムの説明は必要なのではないでしょうか?

 メカニズムの説明は必要というのはkenさんの考えであり、私は不要と考えています。それは上記で説明したとおりです。ではここでお尋ねします。
 kenさんの考えでは、a1もb1もメカニズムの説明は必要ですね? a1もb1も既に提唱されているのはメカニズムの説明が既になされているからと考えてますよね?
 では、a1とb1のメカニズムを教えてください。実のところkenさんの考える「メカニズム」のイメージが具体的にわからないので、具体的な実際の「メカニズム」を教えてもらえば具体的イメージがはっきりしそうですから。

863diamonds8888x:2021/02/20(土) 07:59:12 ID:Qix9q/lA
 用語の問題で、たいしたことでもありませんが。「メカニズム」なる言葉がいつ出てきたんだっけとログを見直したら私自身の発言が初出でした。(*1)

[>>790]エントロピーの減少や生物の自然発生のメカニズムが【現在の科学の知見では】考えにくいかどうかは関係ありません

 次に出てきたのはkenさんの仮想世界の説明に関する発言です。

[>>848]a2b2と仮想世界が異なるのは、後者の場合は、それが生じるメカニズムが説明されてることです。

 理論の中で演繹的に証明される定理、つまり推論される定理、の場合には「推論過程」「推論」「証明過程」「証明」というところ、現象とか事象が起きることの説明という意味合いでは「メカニズム」と言いたくなります。ということで、推論とか演繹とほぼ同じとしておきましょう。
 kenさんも、それでよろしいですね?


*1) [>>790]は[>>788]へのレスですが、[>>788]で、生物の自然発生のメカニズムをDNAの存在を前提に説明するという、ヘンテコな発言があったのを見つけてしまった。反省しといてくださいね。

864diamonds8888x:2021/02/20(土) 15:18:01 ID:Qix9q/lA
【論点整理】
 今、何を問題としているのかという点と、それについての私の主張とkenさんの主張をまとめておきます。kenさんの主張は私の理解が不十分なので、表現が不適切かも知れませんから、適宜訂正を入れてくださるとありがたいです。

 誤解を与えているかも知れないので明言しますが、「同じ太陽が東と西に同時に現れる」という理論(命題)が基準05違反であるとは考えていません。もしも、そう考えていると受け取れる発言があったとしたら勇み足でした。この命題自体は「P∧¬P」にはなっていませんので。しかし、現実には他の理論と組み合わせると矛盾が生じます。「(マクロな物体や粒子は)1つの時刻には1箇所にのみ位置する」という理論(一般則)です。量子力学では、ある意味ではこの理論が破れているともみなされることがありますが、そこは観測が絡んだ微妙なところがあります。ともかく、マクロな物体や粒子についてはこの理論は経験則として成立しているとして良いでしょう。実は位置という属性の定義が絡むとも考えられますが、まあ・・。


熱力学第2法則について

 a0) 現在は(ある程度の過去から現在までの期間では)第2法則が成立している
 a1) 過去のどの時点でも第2法則が成立する(無限の過去まで)
 a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない

 diamonds8888x(私)
  定説の熱力学第2法則はa0を主張するが、a1もa2も主張していない
  理論a0は矛盾がなく基準05をパス
  理論a1は矛盾がなく基準05をパス
  理論a2は矛盾がなく基準05をパス
  理論a1は起源問題解決が難しくなるが不可能とまでは言えないので、間違っているとは断定できない
  理論a2は起源問題解決ができる

 kenさん
  定説の熱力学第2法則はa0を主張し、さらにa1も主張している
  理論a1は矛盾を含み基準05違反である
  理論a2は"具体像がないから"提唱できない[>>820,など]
    メカニズムがないから[>>850,など]


同時に2箇所に昇る太陽について

  p) 同じ太陽が東と西に同時に現れることがある(という理論)
  p') 同じ太陽が東と西に同時に現れる(という事象)

 diamonds8888x(私)
  理論pは事象p'が観測されたことがないので、現時点では間違いと判定できる。
  理論pの文言自体は基準05違反ではないが、言葉の定義、または他の理論次第では矛盾となる
    (説明は略)
    (理論pが基準05違反との誤解を与えたかも知れない)
  
 kenさん
  シミュレーションによる仮想世界ではp'が可能であり、ゆえに理論pは正しい
  (シミュレーションによる特定の仮想世界ではp'が可能な設定にできて、その特定の仮想世界の内部だけなら理論pが正しい)
  シミュレーションによる仮想世界ではp'が可能であり、シミュレーションによる仮想世界は具体像がある。ゆえに、現実世界で起こりうる[>>848]。現実世界ではp'は観測されてはいないが、起こりうる。


  これでいいでしょうか?

865diamonds8888x:2021/02/20(土) 15:40:31 ID:Qix9q/lA
 kenさんの主張の基本部分に、理論の提唱には具体像、メカニズム、なるものが必要だとの主張があります。[>>824]の文が、まさに「数式の誘導をきちんと経過を書くような」表現だったので、これを使わせてもらいます。

------引用開始------
  [未観測事象]
     a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
  b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)
[理由]
  不明
[予測される事象]
  エントロピーが減少する (*1)

あるいは、こういう例も考えられます。

[未観測事象]
  宇宙のエントロピーを減らせる神が存在する
[理由]
  不明
[そこから予測される事象]
  エントロピーが減少する (*2)
------引用終り------

 kenさんはここで、[未観測事象]を理論の仮定としても良いのか? という疑問を呈しています。もちろん問題はありません。理論の仮定は経験則を作るときでもない限りは未観測事象です。そこから予測される事象が観測と一致するかどうかを確認することで、未観測事象である仮定が正しいかどうかを判定するのです。

 この場合、現在の時点ではエントロピーが減少するという事象は観測されてはいません。また既知の過去にエントロピーが減少するという事象のあった痕跡も発見されていません。ゆえに上記の仮定は間違いと判定されるでしょう。普通は。

 しかし、起源問題を考えると、もしb2を採用しなければ、過去のある時点でエントロピー極小が実現したはず。ゆえにb2を否定すれば矛盾が導かれる。
 ==>ゆえに背理法により、b2が成立する。

 要するにkenさんは、普通の論理的知性体なら背理法での推論に入るところで、背理法を使わずに基準05違反だと言っていたことになります。

 そういうことだったんだ。やれやれ。


----------注意-------
  今後、下記を注意してコメントをお願いします==>kenさんへ

*1)
 a2を採用すれば、過去のある時点でエントロピーが減少した痕跡が、今も残っていれば見つかるかも知れない
 b2を採用すれば、エントロピーが減少したことがなくてもいい

*2) こちらは現在のことらしいから、エントロピーが減少する、でOK

866diamonds8888x:2021/02/20(土) 15:45:15 ID:Qix9q/lA
>>861
> ただ、もしかして、これはb2が実現するメカニズムとして提示されたのでしょうか? 

 kenさんの考えである「仮想世界が実現するというメカニズムの存在で基準05違反の理論の存在を示す」という試みに沿うと、b2が実現するメカニズムも存在しますよね、ということです。
 半ばはジョークだけど、意外と的を得てるのかも?

>もしそうなら、以下の点にご注意ください。

> もしも、私たちの世界がシミュレーションなら、閉鎖系ではなく、コンピュータが存在する外の世界があり、そこからエネルギーが入りますから、エントロピーの減少は起こります。

 つまりkenさんの考えである「仮想世界が実現するというメカニズムの存在で基準05違反の理論の存在を示す」という試みでは、仮想世界の外部も考慮するということですね? それは推論の組み立てがすごく難しい。私にはとうていできませんので、きちんと示してください。
 結論への推論過程をお願いします。数式の誘導をきちんと経過を書くようなつもりでお願いできればありがたいのですが。

867Ken:2021/02/20(土) 21:23:59 ID:l3c2r2bk
〜a2とb2は観測されない事象で、メカニズムの説明もないが、絶対にありえないという否定証明もないのだから、この2つを想定し、それを起源問題の解とできる

という主張をされていることは、あらためて了承しました。

それは私の考えとは異なりますが、元々このスレッドは、diamonds8888xさんの基準を前提にするのが大原則ですから、基準が明らかになれば、本スレッドでそれに反対することはありません。本スレッドで私がやってるのは、提示された基準に何が違反し、何が違反しないのか、を明らかにすることだけです。

では、あらためて、この基準を「同じ太陽が東と西に同時に現れる」という命題に適用します。

>(マクロな物体や粒子は)1つの時刻には1箇所にのみ位置する (>>864

という表現でもかまいません。

2つの太陽があるのではなく、1つの太陽が2つの位置に存在することが確認されるのは、以下のような事象が観測されたときです。
  *2つの太陽の大きさ、等級、質量、スペクトル型等が同じ
  *黒点やフレアが同じ形状で同じタイミングで現れる
  *巨大天体が衝突してどちらか一方が破壊されたら他方も同時に破壊される

メカニズムの説明が不要であるなら、上のような事象を想定するだけで、命題は基準05違反ではないと結論されることでしょう。
しかし、同様の想定をあらゆる理論に行なうと、基準05に違反する理論は存在しえなくなり、基準05自体の存在理由がなくなるでしょう。


仮想世界で、上記事象のメカニズムを明らかにする必要もないでしょうから、以下の説明は余談かもしれません。念のために述べておきますが、無視していただいても結構です。

プログラマが恣意的に物理法則を決められる仮想世界では、2ヶ所の太陽は実現できるし、メカニズムも明らかである。このことは、納得いただけたと思います。

私たちが認識するこの世界は、シミュレーションが作る仮想世界と想定します。現時点でそう想定できる根拠は、a2、b2と同じです。ありえないという証明がないからです。

加えて、太陽に、というよりあらゆる観測対象に、ポインタ変数という属性が観測されたら、世界がシミュレーションであることの根拠になります。

その上、2つの太陽のポインタ変数が同じ値であれば、実は1つの太陽であることの決定的な根拠になります。

仮想世界の住人(プログラム)が、ポインタ変数を観測できるかについては、何かを観測すること自体が、ポインタを知覚し利用している、というのが答えです。そのことに気づかないのは、古代人が音を知覚しながら、その正体が大気の振動と気づかなかったのと同様の事情です。

868diamonds8888x:2021/02/21(日) 05:57:26 ID:Qix9q/lA
>>867

>仮想世界で、上記事象のメカニズムを明らかにする必要もないでしょうから、以下の説明は余談かもしれません。念のために述べておきますが、無視していただいても結構です。

 わかりました。無視します。このメカニズム説明は私には単なる比喩にしか見えません。kenさんの主張の正否判断には使いませんから、御承知おきください。

>仮想世界の住人(プログラム)が、ポインタ変数を観測できるかについては、何かを観測すること自体が、ポインタを知覚し利用している、というのが答えです。そのことに気づかないのは、古代人が音を知覚しながら、その正体が大気の振動と気づかなかったのと同様の事情です。

 何が言いたいのか全くわかりません。無視して使いませんからいいですけど。
 結局、仮想世界の住人にはポインタ変数は観測できないとの結論になるの? ならないの?

869diamonds8888x:2021/02/21(日) 05:58:11 ID:Qix9q/lA
>>867
 こちらは本論です。

>1つの太陽が2つの位置に存在することが確認されるのは、以下のような事象が観測されたときです

 この3つでは不十分だと言うでしょうね。以下の属性の観測値も同一である必要がある、と多くの人は言うでしょうね。

    位置、運動量

870diamonds8888x:2021/02/21(日) 07:56:13 ID:Qix9q/lA
 [>>869]について補足します。

 理論を立てるのは仮定(公理、仮説)の設定から始まりますが、実はその前に用語などの定義も必要です。例えばエネルギーの定義、エントロピーの定義、など。むろん一番基のところには数学で言う無定義用語はあって、それらは既によく観測されている物理量や対象であるのが普通です。

 「1つの(同一の、同じ)太陽が2つの位置に存在する」との命題の場合は、「同じ」とはどういう意味かの定義が必要です。[>>867]の3条件は、位置が異なって観測された2つの像が、"同じ太陽である"ことの定義をしたのだと言えます。

 一般に我々が観測できるのは、対象自体ではなくて対象の何らかの属性です。では「同じ対象」とは何か? 万人が認めるのは、(未だ観測されていないものや知られていない属性も含めて)全ての属性が同じ、というものでしょう。

  対象  属性1、・・・、属性n、・・
  (対象自体は観測できない)

 kenさんのシミュレーション世界の比喩では
  ポインター  属性変数1、・・・、属性変数n、・・
  (ポインターは仮想世界の住人には観測できない)

 しかし理論によっては、一部の属性が異なっている対象でも「同じ対象」と定義する理論もあります。
   生物学での同じ犬は、異なる個体でもいい
   化学での同じ物質は、異なる物体のものでもいい

 そこで[>>867]の3条件は、たぶん以下の定義をしたいのです。3条件は例示というのが本意ではないかと想像します。

   [定義]位置以外のすべての属性が同じなら同じ天体である

 別の言い方では、天体は位置という属性を2つ持つと定義したいとも言えます。

  天体  位置1、位置2、・・・、属性n、・・

 kenさんのシミュレーション世界の比喩では
  ポインター  座標変数1、座標変数2、・・・、属性変数n、・・


 定義と公理とは実質は同じものとも見なせて、自由に設定していいとは言えますが、それが観測事実を説明するのに適切かどうかは問われるでしょうね。生物学理論での定義をするのに数学だけの言葉を使っても仕方ないし(うまい例えが見つからなくてスミマセン)。普通に我々が「同じ太陽」「同じ天体」と言うときのイメージと一致してた方がいい、と考えればいいかな?


 細かく考えると、「一方が破壊されたら他方も同時に破壊される」として、その後の破片の軌道が違っていたらどうなのよ、とか。片方の破片が天体Bに衝突したら、他方の同じ破片も同じ天体Bに衝突するのか、とか。

 これは「東と西の太陽が同じ太陽である」と判断したら、何が予測できるのか? という話にもなるのかな?

871Ken:2021/02/21(日) 21:17:03 ID:l3c2r2bk
>>869
>位置、運動量

運動量はともかく、位置が同じでは、2つの位置にあるという命題が成立しません。>>870

>[定義]位置以外のすべての属性が同じなら同じ天体である

と言われるとおりです。

>>867で、同じであるべき事象を挙げました。整理のために番号を振ります。

(1)2つの太陽の大きさ、等級、質量、スペクトル型等が同じ
(2)黒点やフレアが同じ形状で同じタイミングで現れる
(3)巨大天体が衝突してどちらか一方が破壊されたら他方も同時に破壊される

この3つは、それぞれ性質が異なります。

(1)は、恒星が恒常的に持つ属性で、運動量を加えてもかまいません。これらの属性がすべて同じ恒星が2つ観測されるだけなら、2つの恒星が2ヶ所にあると考えるのが、合理的だと思います。

(2)は、恒星の内的要因で起こる現象ですが、2つの異なる恒星に、同じタイミングで同じ形状の黒点やフレアが現れるなど、エントロピーが減少するのと甲乙つけがたいほど、確率的にありえないことです。

(3)は、外的要因で起こることで、確率の問題ですらありません。巨大天体が一方の太陽にのみ衝突するなら、もう一方の太陽が壊れる理由はないのですから。

結局、(2)と(3)が観測された場合の合理的な解釈とは、2つの太陽があるのではなく、1つの太陽が2つあるように見えてるだけというものになります。私たちが日常的に経験することで、比較的に似ているのは、実像と鏡像でしょう。

ただし、私たちが知る実像と鏡像と異なるのは、対称性があることです。私たちの日常経験では、実像が壊れたら鏡像もなくなりますが、何かが鏡像に突っ込んでも実像はそのままです。(3)が想定する事象とは、2つのいずれかが壊れたら他方も壊れる、というものです。

>その後の破片の軌道が違っていたらどうなのよ、
>片方の破片が天体Bに衝突したら、他方の同じ破片も同じ天体Bに衝突するのか

その問題の最も簡潔な解決法は、太陽が壊れた直後に、どちらか一方の太陽の破片が消滅することです。言い換えれば、2つの位置に存在する機能は、恒星が恒星としての実態を有する場合にのみ働くというものです。その意味では、核融合反応と共通するともいえるでしょう。

むろん、物質が消滅すれば、質量保存ないしはエネルギー保存が破れます。熱力学第2法則が過去に破れたというのがa2の想定ですが、第1法則も破れる場合がある、という想定をするわけです。

このように、メカニズムの説明が不要となると、都合のよいストーリーを無限に出せることになります。

872diamonds8888x:2021/02/23(火) 07:08:39 ID:Qix9q/lA
 私の理解が混乱してますので、シミュレーション世界の話で何を主張したいのかを整理してください。{>>864}【論点整理】でkenさんの主張として書いたものはたぶん違うでしょうから、kenさんの言葉で説明してください。さもないと[>>871,>867>,>>857]が何を主張するためのものかわからないのです。[>>856]はだいたいわかります。シミュレーション世界が如何に具体像のあるものであるかという説明なのだと思います。

 {>>864}で書いた熱力学第2法則についてのkenさんの主張はたぶん合っていて、その根拠として、「同時に2箇所に存在する太陽をシミュレーション世界で実現する」という話をしていると理解していますが、いいのかな?

 だとすると「a2やb2をシミュレーション世界で実現する」という話をした方が直接的ではないかという気がしますが、なぜそうしないのか? できないのか? [>>861]ではできないと書いているみたいですが。

 そこで以下の主張が思いつくのだけれども、kenさんの主張はどれなのか? 別のものなのか? 見当外れの可能性が大きそうだけど・・。以下では短くするために{>>864}【論点整理】の記号を使って、"同時に2箇所に存在する太陽"の理論をp、事象をp'と書きます。

----------------
 1.理論pは基準05違反である
   (理由は? どこにも明記されてなかったかな?)
 2.理論pはシミュレーション世界で実現できる
   (事象p'が? )
 3.ゆえに理論pは方法論的に正しい科学理論である
 4.ゆえに基準05違反でも方法論的に正しい科学理論が存在する

 1.理論a1は基準05違反である
 2.理論a1は方法論的に正しい科学理論であるとされている
   (a1=a0であり、a0は現在の定説だから?)
 3.ゆえに基準05違反でも方法論的に正しい科学理論が存在する

 1.理論a1はシミュレーション世界で実現できない[>>861]
   (a2,b2ともに実現できないと言ってますよね? )
  だから、どうしたの?

 1.理論a2は、基準05の検討以前に、提唱ができない
   (具体像がないから  )
  つまりkenさん独自の方法論的に正しい科学理論の基準を提案したことになりますね?
  うーん、そのように明確に言ってもらえばわかるのに、やっと気づいた。
   (気づいたと思ったのも私の誤解なのか?  )

--------
 また、次のどちらの場合の話をしてるのか、両方混ぜて話をしてるのか明確にしてほしいです。前者はkenさんが[>>824]で示した[未観測事象]をそのまま理論にする流れと似てますよね?
 ・事象p'が観測されたことはないが理論pを立ててみた
 ・事象p'と解釈したくなるような事象p"が観測されたので、理論pを立ててみた

--------
 また、[>>867]ではkenさん解釈の基準05ではなく、私の定義通りの基準05に従うとおっしゃっていますが、するとkenさんの主張の筋道も変化するはずで、どう変化するのかも示していただけるとありがたい。

----------------

 見当外れでしたら無視して、きちんとkenさんの主張を整理していたたければいいですから。きちんとわかりやすい説明文を作るのは手間がかかりますから、気長に待ちますので。

 なお[>>867]でkenさんは書いてますが。
>しかし、同様の想定をあらゆる理論に行なうと、基準05に違反する理論は存在しえなくなり、基準05自体の存在理由がなくなるでしょう。

 例えば次の2つの理論は、どちらも明らかに基準05に違反していますよ。

  ・a1∧a2 である
  ・b1∧b2 である

873diamonds8888x:2021/02/23(火) 07:35:34 ID:Qix9q/lA
>>872 【呼称問題:正しくない科学理論と正しい科学理論】

 kenさんとの間では、理論の正否を決める分類法には以下の2つの異なる分類法があることは同意ができていると思います。呼称が取り違えやすいので整理しておきます。ついつい意図とは異なる呼称を使ってしまって誤解を呼びそうなことがあります。

 1.正しくない科学理論(と正しい科学理論)
  (方法論的に正しくない理論、疑似科学理論、などの呼称)
   観測事実による検証が原理的に不可能な理論が含まれる
    (ポパーの反証可能性がない理論、など )

 2.間違った科学理論(と間違ってない科学理論)
  (間違いとされる理論、反証された理論、観測的に正しくない理論、などの呼称)
  (方法論的には正しい理論である  )
  (将来、間違ってないとされる可能性もある )
   観測事実と一致しない理論
   既知の正しいとされる理論と一致しない理論
    (既知理論と組み合わせた予測が観測と一致しない)
    (該理論の予測が既知理論からの予測と一致しない)

 間違ってない科学理論はつい正しい科学理論と呼びたくなるので、観測的に正しい、方法論的に正しい、と区別すると紛れないかなと思ったのですが、どうでしょうね? kenさんはつい疑似科学と呼んでしまうことが多いみたいですけど、なんなら「疑似科学」を「方法論的に正しくない理論」と同義語として使うというのでもいいですけど。短くなるし。も少し広義の「疑似科学」と混同しなければいいので。


 【重要】私の示した基準01〜は、1の正しくない科学理論と正しい科学理論との区別をするためのものだという点でも同意ができていると思います。

874diamonds8888x:2021/02/23(火) 19:34:10 ID:Qix9q/lA
 そもそも「同じ太陽が東と西に同時に現れる」という理論だか事象だかは何の説明のために使ってるんでしたっけ? 改めて考えると、この命題自体はP∧¬Pではありません。何らかの他の法則と合わせることでP∧¬Pが推論されるから矛盾となるわけです。

 ログを見ると初出は私でしたね。
[>>568] diamonds8888x :2020/02/09(日) 11:43:59 ID:Xkb9K42c
>・太陽は東から昇る。かつ西から昇る。
>・この矛はどんな盾でも貫ける∧この盾はどんな矛にも貫かれない

 早とちりで「P∧¬P」の例に出してしまいました。後者の矛の例は確かに「P∧¬P」ですが、前者は「P∧¬P」ではありません。[>>578]では「これは別に「P∧¬P」ではありませんよね?」と否定したのですが、その後徹底してませんでした。失礼しました。


 どんな法則と合わせることでP∧¬Pが推論されるのかを示してみましょう。

  (法則a) 同じ物体は同時に2箇所以上に位置することはない。ある物体は所定時刻には唯一の位置にだけ存在する。

 こういう法則が理論としてあれば組み合わせてP∧¬Pが推論されます。そしてこの法則は少なくともマクロな物体では観測事実と一致しつづけていると考えられています。

 ともかく、私が提示した基準05の私の意図する解釈では、「太陽は東から昇る。かつ西から昇る」という命題自体は「P∧¬P」ではなく、この理論は基準05違反でもありません。ただまあ、(法則a)があまりにも基本的に認められている理論なので間違った理論であることは誰の目にも明らかな理論ということになります。

 [>>568]では混乱を与えて失礼しました。

875Ken:2021/02/24(水) 21:58:51 ID:l3c2r2bk
>>872
なぜまたここでシミュレーションについて尋ねられるのでしょうか?
私は>>867で仮想世界を語る必要はなくなったといい、>>868で diamonds8888xさんからも、

>kenさんの主張の正否判断には使いません

という回答をいただきました。

私が仮想世界を持ち出した理由は、エントロピー減少や2ヶ所の太陽のように、観測されたことがない事象が起こると想定するなら、それが起こるメカニズムを既存の知識体系を用いて説明する必要があると考えたからです。例えば、遠い未来の熱的死は未観測事象ですが、既存の理論から予測されます。よって私は、仮想世界という既存の知識体系の理論を使って、2ヶ所の太陽が存在できるメカニズムを説明しました。

ところが投稿のやり取りを通して、そのようなメカニズムの説明は必要ないというのが、diamonds8888xさんの考えだと分かりました。それなら、仮想世界の話などせずに、>>871で挙げた、

(1)2つの太陽の大きさ、等級、質量、スペクトル型等が同じ
(2)黒点やフレアが同じ形状で同じタイミングで現れる
(3)巨大天体が衝突してどちらか一方が破壊されたら他方も同時に破壊される

のような事象が観測された場合を考察すればよいのではないですか?

まずこの点に答えていただけますか? それを受けて>>872で尋ねられたことに回答します。


>>873の内容には同意します。もっとも私自身の「正しくない科学理論」(=疑似科学)の基準はdiamonds8888xさんとは異なりますが、本スレッドではdiamonds8888xさんの基準を前提にしますから、>>873のとおりでよいと思います。何度か例に挙げましたが、地球が太陽を回るという結果的に正しい主張でも、理由が「ガイアよりアポロが偉い神だから」というのでは、diamonds8888xさんが見れば疑似科学でしょう。


>>874
太陽の例で「P∧¬P」を正確に表現するなら、

P:太陽は東に昇る
¬P:太陽は東に昇らない

になるのでしょうね。でも、「同じ太陽が、東と西に同時に昇る」といえば、その1つの具体例になりますし、「P∧¬P」が本当に起こりえないのかを検証するには具体例で考えるのがよいでしょう。

876diamonds8888x:2021/02/26(金) 17:26:12 ID:Qix9q/lA
>>875
 シミュレーションの件はなかったことにするということで、了解です。それは失礼しました。単純にシミュレーションの部分だけ「それはなしでしたよね?」として無視して、他の部分だけに答えてくださって構わなかったんですけどね。

 では[>>872]の「 そこで以下の主張が思いつくのだけれども、」以降でシミュレーションに触れていない部分には、答えてほしいのですが?

 ( 番号付けて推論を並べた部分はkenさんの論理を想像しただけですから、)
 (違ってたら内容は無視してkenさん自身の理由付けを書いてほしいのです。)
 ( ただあんな書き方だとわかりやすくてありがたいのです。   )

 要は、「同じ太陽が東と西に同時に現れる」という命題について検討する理由がわからなくなったのです。本来は熱力学第2法則が基準05違反か否かというテーマを検討したいはずなのに、このテーマを使う理由がわからなくなったのです。

 [>>867]では、「あらためて、この基準を「同じ太陽が東と西に同時に現れる」という命題に適用します。」と書いてますが、どう適用して何が結論されたのか不明瞭です。[>>867]内での結論としては、diamond8888x解釈の基準05には「同じ太陽が東と西に同時に現れる」という理論は違反しておらず、さらに、他のどんな理論も違反することはありえない、という結論でしょうか?
 その結論の1番目には同意します[>>874 参照]。2番めの結論には[>>872]の最後に反例が書いてあるのは目に入ってますよね?

 なお結論の1番目を述べたということならば、[>>875]での最後のkenさんの言葉は食い違ってます。
 [>>875]では「P∧¬P」を正確に表現されてます。そのとおりです。
 そして「同じ太陽が、東と西に同時に昇る」という命題は、kenさんが書いた正確に表現された命題とは別のものであり、基準05には違反していません。この件については私が最初に[>>568]で早とちりした発言をしたことが混乱の一因でした。お詫びします。

877diamonds8888x:2021/02/26(金) 17:30:46 ID:Qix9q/lA
 私とkenさんとの考え方の大きな違いがひとつ見えたような気がしますので、書いてみます。kenさんの意見を伺いたい。

 まず、"太陽は毎日東から昇る"理論を例にして、科学的方法の手順を書いてみます。[>>123]の手順をモディファイしてます。

  [事実、ヒント、きっかけ] 過去n日間の朝は、太陽は東から昇った。
  [理論、仮説、公理] 太陽は毎日(すべての日に)東から昇る。
 [演繹、推論] 未観測の日(未来のすべての日と過去の観測しなかった日)にも東から昇るだろう。
 [予測] 明日の朝も太陽は東から昇るだろう。
 [観測、検証] 明日の朝に太陽が昇るのを観測する。

 この例では[演繹、推論]部分はなきに等しくて[予測]と同じようなものですが、無理やり作ってみました。しかし、ニュートン以降の多くの基礎的物理化学理論では[演繹、推論]部分が高度な数学を駆使した長い過程になっています。この部分を主に行う科学者が理論家と呼ばれています。

 さて私の提案してきた基準は[理論、仮説、公理]をスクリーニングするためのものです。その前の[事実、ヒント、きっかけ]は何でも構わないし、何ならなくても構いません。頭の中でポッと浮かんだだけでも[理論、仮説、公理]が明確であればそれでいいのです。

 しかるにどうもkenさんは、[事実、ヒント、きっかけ]のところに妥当なものとか正当なものとか合理的なものとかがないと、[理論、仮説、公理]部分を提唱してはいけない、と考えているらしい。

 ログを読み返していたら随分初期の頃にも、そのことを伺わせる発言があったのです。
 [>>125]その理論を構築するには「5分よりも前には世界は存在しなかった」という事実を観測する必要があるのではないですか?
 [>>146]〜B、CどころかAの事実も観測されないのに理論を立てる

事例が多すぎるのではと問題提議をしています
 [>>146]〜事実A不在のまま、物体は単純な動きをするという理論を立てた(もしくは当然視した)


 また以下の2つの理論が「提唱できない?」と考えているらしき理由も、理論を立てるめの[事実、ヒント、きっかけ] 部分がないということらしい。
a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
 b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

 こういうことなんでしょうか? =>kenさん

878Ken:2021/02/26(金) 23:19:28 ID:l3c2r2bk
>>876
とりあえず、この質問に答えます。

>「同じ太陽が東と西に同時に現れる」という命題について検討する理由がわからなくなったのです。本来は熱力学第2法則が基準05違反か否かというテーマを検討したいはずなのに、このテーマを使う理由がわからなくなったのです。

私が明らかにしたいのは、

a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

のように、いまだ観測されたことがない事象を、そのメカニズムも説明せずに想定することで、

〜エントロピー極小状態が生じた

という、これまた観測されたことがない事象が起こりえたという主張をすることが、diamonds8888xさんの基準で許されるのか、という点にあります。もし許されるなら、

(1)2つの太陽の大きさ、等級、質量、スペクトル型等が同じ
(2)黒点やフレアが同じ形状で同じタイミングで現れる
(3)巨大天体が衝突してどちらか一方が破壊されたら他方も同時に破壊される

のような、いまだ観測されたことがない事象を想定することで、

〜同じ太陽が2ヶ所に存在する

という、これも未観測の事象が起こりうると主張できるではないか、という問いかけです。


>「同じ太陽が、東と西に同時に昇る」という命題は、kenさんが書いた正確に表現された命題とは別のものであり、基準05には違反していません。

そうでしょうか? 同じ太陽が同時に東西に昇ったら、必然的に、

P∧¬P (P:太陽は東に昇る、¬P:太陽は東に昇らない)

が実現されるのではありませんか? 同じ太陽が2ヶ所に昇っても、上記のP∧¬Pが実現されないのは、どういう状況でしょうか?

879diamonds8888x:2021/02/27(土) 08:08:22 ID:Qix9q/lA
>>878
 とりあえず[>>876]に答えるとのことですから、[>>977]への御意見は検討中だと期待しています。

>という、これまた観測されたことがない事象が起こりえたという主張をすることが、diamonds8888xさんの基準で許されるのか、という点にあります。

 Yes。まさしくYes。その通り。観測されたことがない事象を予測する理論こそ、意義のある理論ではありませんか。

>のような、いまだ観測されたことがない事象を想定することで、
>〜同じ太陽が2ヶ所に存在する
>という、これも未観測の事象が起こりうると主張できるではないか、という問いかけです。

 Yes。まさしくYes。その通り。[>>874]はそう言っています。

>そうでしょうか? 同じ太陽が同時に東西に昇ったら、必然的に、
>P∧¬P (P:太陽は東に昇る、¬P:太陽は東に昇らない)
>が実現されるのではありませんか?

 「¬P:太陽は東に昇らない」は実現されていませんよ???


【重要かもしれない蛇足?】
> (1)2つの太陽の大きさ、等級、質量、スペクトル型等が同じ
> (2)黒点やフレアが同じ形状で同じタイミングで現れる
> (3)巨大天体が衝突してどちらか一方が破壊されたら他方も同時に破壊される

> のような、いまだ観測されたことがない事象を想定することで、

 2や3はともかく、1は既に多数の例が観測されているのは御存知ですか? 我らが太陽についてではなく遠方の天体についてですけれど。天文に興味のある人なら何のことかはピンとくるはず。

880Ken:2021/02/27(土) 11:14:12 ID:l3c2r2bk
>>879
>「¬P:太陽は東に昇らない」は実現されていませんよ???

「西に昇る」ということは「東には昇らない」ということでしょう。

「東に昇らない」というだけなら、複数の場合が考えられ、1つに特定できません。

*西に昇る
*北に昇る
*昇らない

ですから、「東に昇らない」から「西に昇る」は導けませんが、「西に昇る」から「東に昇らない」は導けます。太陽は1つしかないのですから。

なぜ、このことが問題になるのか分かりませんが、挙げられたもう1つの例。

矛は盾を貫く ∧ 矛は盾を貫かない

ならよいのでしょうか? でも、同じもの(矛)が2つの場所(盾の前面と背面)に存在する点で、東西の太陽と同じですし、結局は(1)〜(3)と同様の事象で、そういう事象が起こったという判断が可能です。

>2や3はともかく、1は既に多数の例が観測されているのは御存知ですか?

(1)は1つの太陽が2ヶ所にあると判断するための、十分条件ではありませんが必要条件です。だから含めました。

881Ken:2021/02/27(土) 16:13:03 ID:l3c2r2bk
もしかして、キーとなるのはこの部分でしょうか?

>(法則a) 同じ物体は同時に2箇所以上に位置することはない。ある物体は所定時刻には唯一の位置にだけ存在する。

太陽が西に昇ることから、太陽が東に昇らないことを導くには、たしかに法則aが必要です。法則aを否定するなら、それは導けないでしょう。

でも、それを言うなら、「東に昇る」と「東に昇らない」の並立を禁じるのは、よく似た別の法則です。

(法則b) 同じ物体は同時に2つの異なる運動はできない。

法則aが破れてもよいのなら、法則bが破れていけない理由はないでしょう。そもそも「運動」とは、時間で変化する位置の集合ですから、一方は2つ存在できて他方はできない、という論理はおかしいのではないでしょうか。

882diamonds8888x:2021/02/27(土) 18:03:48 ID:Qix9q/lA
>>880,>>881
>もしかして、キーとなるのはこの部分でしょうか?

 Yes。まさしくYes。その通り。これまで気が付かなかったのかあ。

>法則aが破れてもよいのなら、法則bが破れていけない理由はないでしょう。

 もちろんです。どんな法則であれ、破れていけない理由はありません。

 「同じ太陽が同時に東西に昇ったら」というのは「同じ太陽が同時に東西に昇るのが観測されたなら」(*)ということですよね?
 すると、(法則a)は観測事実と一致せず間違いと判定されます。観測された事例により反証されたのです。

>でも、それを言うなら、「東に昇る」と「東に昇らない」の並立を禁じるのは、よく似た別の法則です。

 「東に昇る」と「東に昇らない」の並立はまさに「P∧¬P」ですから基準05違反です。以下の件の説明にはなっていません。

>「西に昇る」ということは「東には昇らない」ということでしょう。

 違いますと何度も言ってるでしょう? それが演繹されるのは(法則a)を仮定した場合です。お好みなら(法則b)でも構いません。「同じ太陽が同時に東西に昇るのが観測されたなら」(法則a)も(法則b)も反証されるということです。どんな法則であれ、破れていけない理由はありません。
 (法則a)や(法則b)が反証されたのだから、そこから演繹された「「西に昇る」ということは「東には昇らない」ということである」という命題も間違った命題と判定されます。


*)【補足】一応、次のことも考えてみてください。混乱しそうなら後回しでいいですけど。

 さらに厳密には、「同時に東西に昇った太陽が、実は同じ太陽である観測結果が得られた」と言えるかも知れません。微妙に違いますけどね。どんな違いがでるでしょうねえ?

883Ken:2021/02/27(土) 18:48:41 ID:l3c2r2bk
私が法則bを出した理由は分かりませんか?

*太陽は東に昇る
*太陽は東に昇らない

この2つはP∧¬Pの関係にある。つまり同時には起こらないのだから、基準05違反になるわけですよね?

でも、元々の命題と併せて考えてみてください。

もし、

(法則a) 同じ物体は同時に2箇所以上に位置することはない。ある物体は所定時刻には唯一の位置にだけ存在する。

が破れたら、

*太陽は東に昇る
*太陽は西に昇る

この2つは、基準05違反ではない、というのがdiamonds8888xさんの指摘でしょう。

それなら、応用問題で、

(法則b) 同じ物体は同時に2つの異なる運動はできない。

が破れるなら、

*太陽は東に昇る
*太陽は東に昇らない

この2つも基準05違反にはならないのではないでしょうか?

884diamonds8888x:2021/02/27(土) 19:12:17 ID:Qix9q/lA
>>883

 同じ間違いを何度も繰り返さないでください。

>*太陽は東に昇る
>*太陽は西に昇る

>この2つは、基準05違反ではない、

 Yes。まさしくYes。その通り。この2つの並立は「P∧¬P」ではありませんから。

>*太陽は東に昇る
>*太陽は東に昇らない

>この2つも基準05違反にはならないのではないでしょうか?

 No。徹底的にNo。この2つの並立は「P∧¬P」です。
 それとも、「*太陽は東に昇らない」は誤植ですか? どうして「*太陽は西に昇る」が別の命題に化けたのですか?

885diamonds8888x:2021/02/27(土) 19:19:34 ID:Qix9q/lA
>>881
 ところで「運動」と書いたのは、ある時刻での速度や運動量のことですか? それとも過去から未来へ続く一連の軌道、相対性理論でいうなら4次元時空の中の世界線のことですか?

>そもそも「運動」とは、時間で変化する位置の集合ですから、

 との記載からは世界線を指していると思っていいみたいですね? それで[>>882]が変わることはありませんけれど。

>一方は2つ存在できて他方はできない、という論理はおかしいのではないでしょうか。

 「位置が2つ存在できて運動は2つ存在できない、という論理はおかしい」との趣旨だと思いますが、私は「運動は2つ存在できない」などとはどこにも書いていません。むしろ、位置が2つ存在するなら運動も2つ存在するのが必然、と推論していることは[>>882]からわかると思います。おっしやる通り運動(世界線)とは「時間で変化する位置の集合」ですからね。

886Ken:2021/02/27(土) 20:00:51 ID:l3c2r2bk
私の文意が伝わったとは思えません。順を追って説明します。目的は、基準05に違反せずに、

太陽は東に昇る ∧ 太陽は東に昇らない

を実現することです。

まず、同じ太陽が同時に2ヶ所にあるのは、基準05違反ではない。ゆえに、太陽が東西にあることが許される。これは間違いありませんね?

では、同じ太陽の2つの座標をz₁、z₂とします。昇る昇らないが問題になってるのでz座標としましょう。

z₁とz₂がどちらも0の場合を起点とし、時間tの経過で、以下のように2つのz座標が変化すると想定します。

t = 0 z₁ = 0 z₂ = 0
t = 1 z₁ = 1 z₂ = 0
t = 2 z₁ = 2 z₂ = 0
t = 3 z₁ = 2 z₂ = 0
t = 4 z₁ = 4 z₂ = 0
t = 5 z₁ = 5 z₂ = 0

つまり、z₁で見れば太陽は昇っているが、z₂で見れば昇っていないことになります。昇る状態と昇らない状態の並立です。

x, y座標が、観測者から見て東の方向に該当するなら、まさしく、

太陽は東に昇る ∧ 太陽は東に昇らない

が実現してませんか? 言い換えれば、この想定を基準05違反として禁じるには、法則aは破れても、法則bは破れないという想定が必要ではないのでしょうか?

887diamonds8888x:2021/02/28(日) 08:49:30 ID:Qix9q/lA
>>886
 こちらからも数式による表現を提案しようかと思っていたら、先に思いついてくれて嬉しいです。さすがは数式の得意なkenさんです。これではっきりしましたね。

>つまり、z₁で見れば太陽は昇っているが、z₂で見れば昇っていないことになります。昇る状態と昇らない状態の並立です。

 つまり、以下の命題において「昇る」の定義が不完全だったのです。すなわち命題の意味が不明瞭だったのです。

>*太陽は東に昇る
>*太陽は東に昇らない

 (法則a)が破れて2箇所に同時に存在できると仮定すれば、(昇る)と(昇らない)の2状態ではなく4状態が考えられるようになります(*1)。すると2つの言葉だけでは全状態を表すには不十分だし、(昇る)と(昇らない)の2つだけに分類するのなら、それぞれの定義をしないと命題が曖昧になります。

 では改めて、(法則a)が破れたと仮定して(昇る)と(昇らない)の言葉は4状態とどのように対応させるのですか? お好みなら(法則b)が破れたと仮定、でも構いません(*2)。どちらにせよ、定義によっては「太陽は東に昇る ∧ 太陽は東に昇らない」が文言上は成立することはあるでしょうね。実質的には無意味ですが。

 [>>886]の例で一番素直にいくなら、(z₁で昇る)、(z2で昇る)とかの組合わせを使うのでしょうかねえ。あくまで(昇る)と(昇らない)の2状態だけの分類にしたいなら、4状態をどう振り分けるのかを定義しておかないとね。


(*1)【蛇足】3箇所以上だった場合にも容易に拡張できる

(*2)【念の為】
>この想定を基準05違反として禁じるには、法則aは破れても、法則bは破れないという想定が必要ではないのでしょうか?

 法則aが破れたら必然的に法則bも破れますよ? [>>885]
 [>>881]ではkenさんも気づいている・・と思ったけど、もしかして・・

 同じようなものである法則bをわざわざ持ち出した理由に戸惑っていましたが、こういうこと?
  (東に昇る)と(西に昇る)   位置の違い(xy座標)
  (東に昇る)と(東に昇らない) 運動の違い(垂直運動の違い。xy座標は等しい。)

 それは以下のようにも言えるから、法則aか法則bの片方だけで議論すれば十分ですよ。
  (東に昇る)と(西に昇る)   運動の違い(水平運動の違い)
  (東に昇る)と(東に昇らない) 位置の違い(z座標)

888diamonds8888x:2021/02/28(日) 09:07:51 ID:Qix9q/lA
>>887,>>886
 ちなみに[>>880]ではまさに複数の状態を(東に昇る)と(東に昇らない)の2分類にしようとしていますね。ここの命題も曖昧になってますから数式で表してみるといいと思います。
   *東に昇る
 *西に昇る
 *北に昇る
 *昇らない


>>880【いちいち指摘するのも面倒くさいけど、気づいてしまったものは仕方がない。】

> 矛は盾を貫く ∧ 矛は盾を貫かない

> ならよいのでしょうか? でも、同じもの(矛)が2つの場所(盾の前面と背面)に存在する点で、東西の太陽と同じですし、

 (盾の前面と背面)に存在するのは、同じもの(矛)の2つの部分です。先端と後端とは盾を貫こうが貫くまいが、いつでも2箇所に同時に存在してます。東西の太陽とは違います。

 もしも矛は盾を貫く話をすることになったら思い出してくださいね。

889Ken:2021/03/01(月) 00:39:59 ID:l3c2r2bk
いきなり「4状態」という言葉が出てきたので、どう解釈するのかよく分かりません。もう少し、具体的に書いてもらえませんか?

文脈から察するに、「東」と「昇る」の2項目の組み合わせで4状態になるのですか?

でも、考えてみれば、Pと¬Pの関係を作るなら、

*太陽は昇る
*太陽は昇らない

でよいわけです。この2つはPと¬Pですよね?

そして、この2つの並立なら、私が>>886で述べた条件で実現できるのではありませんか?

現下の論点は、P∧¬Pに該当する状態を実現できるのか、という点にありますから、まずは、このシンプルな形で考察し、必要があれば、より複雑な条件に進んではどうでしょうか?

890diamonds8888x:2021/03/01(月) 05:57:53 ID:Qix9q/lA
>>889

 (z₁ = 1 z₂ = 0),(z₁ = 1 z₂ = 1),(z₁ = 0 z₂ = 1),(z₁ = 0 z₂ = 0)
 (東に昇る)  =>この4状態のうち、どれ?
 (東に昇らない) =>この4状態のうち、どれ?


 こちらは、
   *東に昇る
 *西に昇る
 *北に昇る
 *昇らない

 例えば、以下で表す。
  東のz座標 Ez1,Ez2
  西のz座標 Wz1,Wz2
  北のz座標 Nz1,Nz2

891diamonds8888x:2021/03/01(月) 06:05:10 ID:Qix9q/lA
>>889

> でよいわけです。この2つはPと¬Pですよね?

 普通に解釈すればね。普通に定義されているのならね。
 しかし、[>>886]では定義が普通ではありません。

>つまり、z₁で見れば太陽は昇っているが、z₂で見れば昇っていないことになります。昇る状態と昇らない状態の並立です。

 この場合、[>>890]のような定義が不明確だと、意味が曖昧。

892diamonds8888x:2021/03/01(月) 20:14:18 ID:Qix9q/lA
>>889,>>890,>>891
 考えてみると、地上から見た太陽や天体の位置は天球上の位置で示すことになるので、方位角φと高度角θで表すのがわかりやすいでしょう。まず東西南北のそれぞれの方位角φの範囲を互いに重ならないように定義しておかないといけませんが、面倒なので適当に定義されたものとして、φ=東、西、南、北、と4つの値を取るものとします。もちろん4つの範囲をすべて合わせると全周になるようにします。
 高度角θについては、
   θ>0 昇っている
   θ<0 昇っていない
 と定義すればいいでしょう。0は好きな方に入れればいい。

 すると2つの位置を持つ場合は、
  (φ1,θ1)=(東,正)、(西,正)、(南,正)、(北,正)、(東,負)、(西,負)、(南,負)、(北,負)
  (φ2,θ2)=(東,正)、(西,正)、(南,正)、(北,正)、(東,負)、(西,負)、(南,負)、(北,負)

 ゆえに8☓8=16通りの状態があります。
 まあ南北は省いたほうが数が減って考えやすいかも知れませんね。


【驚愕の事実(単なる無駄話)】
 地球上のある地域ではある期間にわたって、毎朝どこからも太陽が昇らないという現象が起きていたのだった。すっかり忘れていたよ。ここで毎朝とは例えばグリニッジ標準時刻での毎朝と定義する。

893Ken:2021/03/01(月) 23:20:00 ID:l3c2r2bk
それでは、

*太陽は昇る
*太陽は昇らない

を、座標系を使って表現してみます。おっしゃるように、太陽の位置は角度で表しましょう。観測点を中心に水平方向の角度を真東を起点にφ、仰角をθとします。角度は「ラジアン」で表します。むろん「度」でもよいですが、もし今後いろいろな計算をする場合も考えると、ラジアンがよいでしょう。

太陽が真東の水平線上にあれば、φ = 0, θ = 0
太陽が真北の水平線上にあれば、φ = π/2, θ = 0 (むろん、そんな位置に太陽が存在できれば、ですが)
太陽が天頂にあれば、θ = π/2
太陽が真西の水平線上にあれば、φ = π, θ = 0

最もシンプルなケースとして、観測点は赤道上、観測日は春分または秋分の日。日の出から日没までφは0のままで、θは0からπ/2まで上がり、その後0まで下がります。この場合φは考察と無関係です。

また、私の日本語センスでは「昇る」「昇らない」は位置ではなく運動を表します。位置なら「昇っている」「昇っていない」となるのではと思われます。

さて、太陽の2つのθ座標をθ₁、θ₂とします。日の出の時刻をt = 0とし、tの単位をh(時間)で表すと、

t = 0,  θ₁ = 0  θ₂ = 0
t = 3,  θ₁ = π/4  θ₂ = 0
t = 6,  θ₁ = π/2  θ₂ = 0
t = 9,  θ₁ = π/4  θ₂ = 0
t = 12,  θ₁ = 0  θ₂ = 0

θ₁とθ₂に基づく2つの角速度をω₁ = θ₁/t、ω₂ = θ₂/tとすると、

ω₁ = π/12
ω₂ = 0

となります。ω₁が「太陽が昇る」、ω₂が「太陽が昇らない」に該当しますが、厳密に両者をPと¬Pの関係にするなら、

P:太陽の角速度はω > 0
¬P:太陽の角速度はω ≤ 0

と定義するのがよいでしょう。結局、太陽がθ₁とθ₂という2つの位置に存在できるので、2つの角速度が可能になり、「太陽は昇る」「太陽は昇らない」が並立することになります。

∴ P∧¬P

894diamonds8888x:2021/03/02(火) 05:54:53 ID:Qix9q/lA
>>892
>P:太陽の角速度はω > 0
>¬P:太陽の角速度はω ≤ 0

 ωはω₁なの? ω₂なの? ωだけでは命題Pの意味が不明瞭です。

895diamonds8888x:2021/03/02(火) 06:56:50 ID:Qix9q/lA
>>894
 丁寧に問わないとわからなさそうなので。

 (P:太陽の角速度はω > 0)[>>893]が意味するのは以下の4つの命題のうち、どれどれですか?

  (ω₁ > 0)∧(ω₂ > 0)、(ω₁ > 0)∧(ω₂ ≤ 0)、
  (ω₁ ≤ 0)∧(ω₂ ≤ 0)、(ω₁ ≤ 0)∧(ω₂ ≤ 0)

896Ken:2021/03/02(火) 22:51:03 ID:l3c2r2bk
そんなに複雑な問題でしょうか? 「東と西の太陽」以来ずっと論じてきたことの応用だと思うのですが。

要するに、2つの太陽が観測され、一方は ω > 0 の角速度を、他方は ω ≤ 0 の角速度を示すのです。
これだけなら、角速度の異なる2つの太陽があるだけですが、この2つの太陽は、

(1)2つの太陽の大きさ、等級、質量、スペクトル型等が同じ
(2)黒点やフレアが同じ形状で同じタイミングで現れる
(3)巨大天体が衝突してどちらか一方が破壊されたら他方も同時に破壊される

という特徴を示すので、同じ1つの太陽と考えられます。ゆえに、

*太陽は昇る (正の角速度をもつ)
*太陽は昇らない (ゼロまたは負の角速度をもつ)

というPと¬Pに該当する2つの事象が並立しています。そんなことがなぜ並立できるかという説明は不要です。

私たちがすでに合意していることに基づけば、容易に到達できる結論ではありませんか?

897diamonds8888x:2021/03/03(水) 07:00:48 ID:Qix9q/lA
>>896
 観測できたのは(1)〜(3)とω₁とω₂、ですね? (*)

  命題P=「*太陽は昇る (正の角速度をもつ)」

 の意味が曖昧です。丁寧に言えば、
  命題Pは何が観測されたという意味なのですか?
  命題Pが検証できたのは何が観測されたときなのですか?
  (正の角速度をもつ)と書いてありますが、角速度にはω₁とω₂がありますから、どちらのことかわからず不明確です。

 (法則a)が破れていないならば角速度は1つだけなので意味は明確ですが、破れていますからね。

 命題とは「意味がはっきりわかっている文」のことです。「真偽がはっきりしている文」と書いてある文書もあります。論理学の基本についてはいくらでも参考書が出ているので、ネットでも本屋の店頭でも図書館でも至る所にありますけど、大抵は最初に書かれてますよ。


(*)蛇足だが、(3)は破壊検査なのでやめとくのがいいと思います。もう観測できないとなって、話がややこしくなるから。

898Ken:2021/03/04(木) 22:44:23 ID:l3c2r2bk
>命題P=「*太陽は昇る (正の角速度をもつ)」
>の意味が曖昧です。

>>893の内容では不足ですか? 時間の経過で太陽位置の仰角θ₁が増大しています。そこから角速度ω₁が算出され、それが正の値です。
正の角速度はω₁の方です。θ₂から算出されるω₂は正ではありません。

なぜ、ここでこれほど話が滞留するのでしょうか?

太陽が2つの位置を取りうることは認めておられるのですよね?

それで、なぜ2つの速度がこれほど問題になるのですか? 速度とは位置を時間で微分したものです。θ₁、θ₂という2つの位置があれば、当然、

ω₁ = dθ₁/dt
ω₂ = dθ₂/dt

という2つの速度があるでしょう。その一方が正で、他方がゼロまたは負なら、Pと¬Pの関係になるはずです。

899diamonds8888x:2021/03/05(金) 05:37:13 ID:Qix9q/lA
>>898

>という2つの速度があるでしょう。その一方が正で、他方がゼロまたは負なら、Pと¬Pの関係になるはずです。

 つまり、

  命題P=((ω₁ > 0)∧(ω₂ > 0))∨((ω₁ > 0)∧(ω₂ ≤ 0))

 という定義なのですか? 違うのですか?


 本当にまだ、私の言ってることの行きつく先は見えていないんですね?
 2つの速度を認める(その理論では)からこそ、命題Pの意味の曖昧さが問題になるのです。

900diamonds8888x:2021/03/05(金) 05:48:07 ID:Qix9q/lA
>>898

>その一方が正で、他方がゼロまたは負なら、Pと¬Pの関係になるはずです。

 論理式できちんと証明してみてください。え、慣れてない?
 数式が得意なんだから、勉強してください。

901Ken:2021/03/05(金) 22:30:40 ID:l3c2r2bk
2つの太陽、「太陽1」と「太陽2」が観測され、太陽1はω₁という角速度、太陽2はω₂という角速度を持ちます。そして、ω₁の値はω₁ > 0であり、ω₂の値はω₂ ≤ 0です。

ただし、2つは実は同じ1つの太陽なので、ω₁とω₂は同じ太陽の角速度になります。よって、その太陽の角速度をωとすると、ω₁とω₂はどちらもωの値であり、

ω = ω₁ > 0、 ω = ω₂ ≤ 0

∴ (ω > 0) ∧ (ω ≤ 0)

以下のように説明することもできます。

*太陽が1つしかないのだから、角速度はωの1つ。
*2つの太陽が見えるのだから、角速度はω₁とω₂の2つ。

よって、この状況を統合的に表現すると、

(ω = ω₁ > 0) ∧ (ω = ω₂ ≤ 0)

∴ (ω > 0) ∧ (ω ≤ 0)

ω > 0がP、ω ≤ 0が¬Pに該当するするので、

P∧¬P

902diamonds8888x:2021/03/06(土) 08:49:59 ID:Qix9q/lA
>>901
 自分の文章を読んでて、何かがおかしいとは思いませんか? ちゃんとまじめに考えてください。

> ω = ω₁ > 0、 ω = ω₂ ≤ 0

 単純に、ω = ω₁ ≠ ω₂ = ω、で話がわかりやすいのでは?
 数式の得意なkenさんには、何かがおかしいとは思えませんか?
 こういうひっかけ数式みたいなのはパスル本とかで見たことありませんか?

 ωは変数ですか定数ですか? (*)
 変数なら、ω = ω₁とω = ω₂は別の状況というだけのこと。文字通り変わるんだから、「ω ≠ ω」のこともある。でもこんな式には意味がない。

> ただし、2つは実は同じ1つの太陽なので、ω₁とω₂は同じ太陽の角速度になります。よって、その太陽の角速度をωとすると、ω₁とω₂はどちらもωの値であり

 (法則a)が破れているのだから、「同じ太陽の角速度」はω₁とω₂の2つがあるのですよね? どちらとも異なる記号で示されたωとは一体何?
 素直に読めば単に、「ω₁とω₂はω(という分類)に含まれる」という意味にしか読めません。

 それとも「ω₁もω₂もωである」がいいのかな? この場合、ωという表記だけでは「ω > 0」の意味が曖昧になります。既に述べたように4状態の可能性がありますからね。



*)【答え】
 「ω₁とω₂は同じ太陽の角速度になります」=> 2記号とも変数とも定数とも解釈可能。定数としてもω₁とω₂は異なる変数の値であることは確か。
 「ω₁とω₂はどちらもωの値であり」=> ω₁とω₂は定数、ωは変数としか解釈できない

903diamonds8888x:2021/03/06(土) 09:17:17 ID:Qix9q/lA
>>901
> ただし、2つは実は同じ1つの太陽なので、ω₁とω₂は同じ太陽の角速度になります。よって、その太陽の角速度をωとすると、ω₁とω₂はどちらもωの値であり

 「その太陽の角速度をωとする」は普通に読めば、「変数ωに"その太陽の角速度"を代入する」となる。

 しかし"その太陽の角速度"にはω₁とω₂があるとのことだから、意味が不明確になる。変数ωに同時に2つの値を代入はできませんから。

 そもそも「ω₁とω₂は同じ太陽の角速度になります」という文もトリッキー。「ω₁とω₂は同じ太陽の、異なる2種類の角速度になります」と正確に書かないと、[>>901]みたいな混乱が起きるのです。
 わざとか天然かはともかく「ω₁とω₂は、同じ、"太陽の角速度"になります」とか解釈したりしてませんでしたか?

904Ken:2021/03/06(土) 13:26:56 ID:l3c2r2bk
>ωは変数ですか定数ですか?

ωは1つしかない太陽の角速度です。ω自体は値を観測されるものではなく、観測値から推定されるもので、観測値によってωの値は変わるから、変数です。

ω₁とω₂は、実際の観測値です。観測を繰り返して、

太陽1の角速度の観測値(ω₁): {0.26, 0.33, 0.16, 0.20, ....}
太陽2の角速度の観測値(ω₂): {-0.10, -0.23, 0.00, -0.16, ....}

のように異なる値が観測されることもありますが、1度の観測では、ω₁ = 0.26、ω₂ = -0.10のように特定されるから、定数になります。

要するに観測者は、

2つ見える太陽の2つの角速度を観測して、
1つしかない太陽の1つの角速度ωの値を、

推定しているのです。ある時点の観測で、

太陽1の角速度の観測値 = 0.26、太陽2の角速度の観測値 = -0.10

であったなら、1つの太陽の角速度ωの推定値は、

(ω = 0.26) ∧ (ω = -0.10)

ですし、別の時点の観測で、

太陽1の角速度の観測値 = 0.16、太陽2の角速度の観測値 = 0.00

であったなら、ωは、

(ω = 0.16) ∧ (ω = -0.00)

となります。観測を繰り返した結果、太陽1の角速度は常にゼロより大きく、太陽2の角速度は常にゼロ以下であるなら、

(ω > 0) ∧ (ω ≤ 0)

という理論が導かれます。

905diamonds8888x:2021/03/06(土) 19:40:45 ID:Qix9q/lA
>>905
 たいへんよくわかりました。

>太陽1の角速度の観測値 = 0.26、太陽2の角速度の観測値 = -0.10

 この場合は  ω=(ω = 0.26) ∧ (ω = -0.10)

>太陽1の角速度の観測値 = 0.16、太陽2の角速度の観測値 = 0.00

 この場合は    ω=(ω = 0.16) ∧ (ω = -0.00)

 つまりωは角速度の値という数値で示されるものではなくて、命題だったのですか!? 命題の大小は・・・・、まあ無理矢理に定義はできるかも知れませんが、数の大小とは別の概念になるでしょうね。

 ω={(ω = 0.16) ∧ (ω = -0.00)} > 0

 これ一体どういう意味?


【ご注意】コメントが1000件を超えると書けなくなるようですから、新しくスレッドを立てます。999件までは書き込めるみたいです。

906diamonds8888x:2021/03/06(土) 20:25:31 ID:Qix9q/lA
>>905,>>904
 [>>902]で"定数"という言葉は意味は通ったとは思いますが、普通の数学用語としては若干使い方が変だったかも知れません。kenさんの使った"観測値"の方がいいですね。もっといいのは単に"(変数の)数値"とか"(変数の)値"がぴったり。まあ同じ記号を使っていても普通は文脈で、変数を指すのか、その特定の値を指すのかはわかるものだけど、そこが曖昧な文章だってありますから困るのです。

 [>>904]の事例では、観測時刻ti{i=番号}として

 ω₁:太陽1の角速度の観測値、観測時刻tiによる変数(関数)
  その値は ω₁(t1) = 0.26,ω₁(t2) =0.33 ,ω₁(t3) =0.16 ,・・・
 ω₂:太陽2の角速度の観測値、観測時刻tiによる変数(関数)
  その値は ω₁(t1) =-0.10 ,ω₁(t2) =-0.23 ,ω₁(t3) =0.00 ,・・・
 ω :1つしかない太陽の角速度、観測値(ω₁,ω₂)から推定される値
    (ω₁,ω₂)が変数(関数)なら変数、(ω₁,ω₂)が数値なら数値。
  その値は ω(t1) =?? ,ω(t2) =?? ,ω(t3) =?? ,・・・

 推定値であるωの値は推定方法に依存しますから、ここでは不明としておきます。しかるに[>>904]では数値であるはずのωがなぜか命題になっているのが不可解です。上記のω(t1)とω(t3)を例に使っていることは明らかですが。

907Ken:2021/03/06(土) 22:12:28 ID:l3c2r2bk
>>905

>ωは角速度の値という数値で示されるものではなくて、命題だったのですか

「命題」とはどういう意味でしょうか?

私が「推定値」といったのは、観測値及び特定の理論にもとづいて得られる数値のことですが。

例えば、10人の子供の身長を測定して、

120, 125, 118, 122, 124, 117, 117, 127, 122, 120

だったとしましょう。これらは実際に観測された値です。これを平均して、同年齢の子供の身長は、約121と考えます。121は観測値ではありませんが、観測値から得られる推定値になります。平均を計算して推定値を得る背景には、観測対象をランダムにサンプリングすれば、データの偏りはないから、平均値で代表的な値を推定できるという理論があるわけです。

より多くのサンプル数を観測すれば、平均だけでなく、信頼できる分散値も得られますから、例えば、身長が125以上の子供は、全体の何パーセントという推定値も得られます。これの背景には、ランダムにサンプリングすれば、正規分布をするはずという理論があるわけです。

それでは、ある観測時点で、

太陽1の角速度の観測値 = 0.26、太陽2の角速度の観測値 = -0.10

だったとしましょう。この観測者は、私が(1)(2)(3)で述べたような事象を示す2つの太陽は実は1つの太陽で、1つの太陽が2つの角速度をもつと知ってるわけです。つまり、これが、その観測者が持っている背景理論になります。

よって、その理論と、上記の観測値にもとづいて、1つの太陽が0.26と-0.10という2つの角速度を持っていると推定します。最初の例のように平均するのではなく、2つの観測値をそのまま推定値として用いるのです。よって、角速度の推定値をωとすると、

ωは0.26であり、かつ-0.10

つまり

(ω = 0.26) ∧ (ω = -0.10)

となります。



>ω={(ω = 0.16) ∧ (ω = -0.00)} > 0
>これ一体どういう意味?

私はそんな数式は書いてませんが?

908Ken:2021/03/06(土) 22:49:19 ID:l3c2r2bk
私の文章が誤解を招く原因(の1つ?)が分かりました。

>(ω = 0.26) ∧ (ω = -0.10)

こういう書き方をするから、だめなんですよね。

太陽の角速度の2つの推定値をωa、ωbとしましょう。(ω₁とω₂は観測値に使ったので)

(ωa = 0.26) ∧ (ωb = -0.10)

これなら、論理式として問題ありませんよね?

大切なのは、ωaとωbは、同じ太陽の角速度という点にあります。その数値から、ωaは太陽が昇ることを、ωbは太陽が昇らないことを示します。

よって、上記の式は、

太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない

という、基準05違反の例に挙げられた事象を表すわけです。

仮想世界の話までして、延々と説明してきたのは、要するに、同じものが2つの位置に存在したり、2つの速度をもつ、ということでした。ですから、東西に上る太陽、矛が盾を貫く貫かない、太陽が昇る昇らないといった、基準05違反とされた事象が、実は起こりうるのだ、と言いたかっただけなのです。

909diamonds8888x:2021/03/07(日) 10:07:41 ID:Qix9q/lA
>>909

>太陽の角速度の2つの推定値をωa、ωbとしましょう。(ω₁とω₂は観測値に使ったので)

 同時刻における推定値ωは【2つの数値だ】ということですね? [>>906]の表記を使わせてもらえば、時刻(t1)の推定値ω(t1)は 0.26と -0.10との2つだと?
  ω(t1)=(ωa = 0.26, ωb = -0.10)

 この値から想像すると、ωの推定方法は、
  ωa = ω₁(t1) = 0.26、ωb = ω₂(t1) = -0.10
 すなわち
  ω(t) = (ω₁(t), ω₂(t))
 と推定するのですね? 間違いありませんか?

>その数値から、ωaは太陽が昇ることを、ωbは太陽が昇らないことを示します。

 すると、以下で間違いないですね?
  ω₁(t) >0 ならば P(太陽が昇る)
  ω₂(t) ≤0 ならば ¬P(太陽が昇らない)
 では以下の場合は、どうなるのですか?
  ω₁(t) ≤0 ならば ?
  ω₂(t) >0 ならば ?


 具体的数値の方がわかりやすければ、ω₁ = -0.10、ω₂ = 0.26、と観測された場合はどうなのかということです。

910Ken:2021/03/07(日) 13:13:31 ID:l3c2r2bk
> では以下の場合は、どうなるのですか?
>  ω₁(t) ≤0 ならば ?
>  ω₂(t) >0 ならば ?

質問の意図がよく分かりませんが。

1とか2といっても、区別のために任意に番号をふっただけなので、番号を入れ替えたても、同じことでしょう。

ω₁(t) ≤0 → ¬P(太陽が昇らない)
ω₂(t) >0 → P(太陽が昇る)

結局、

太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない

が実現されることに変わりはありません。

911diamonds8888x:2021/03/11(木) 06:00:05 ID:Qix9q/lA
>>910
 失礼しました。[>>909]は舌足らずでわかりにくいところがありましたから無視してください。ただωの2つの数値は順序を【明確に区別できるのだから区別しても構わないはずなんだけど】区別しないという定義をするという点は、はっきり理解できました。ありがとうございます。

 さらに失礼しましたが、[>>907]を見落としてました。[>>910,>>908,>>907,>>904]を再読してコメントします。
 [>>907]は推定値を求める方法には平均値を使う方法もある(その他の色々な方法だってある)と認識した上で、「1つの太陽が2つの角速度をもつ」との理論の基での推定値ωの推定法をしっかりと書いてあります。

>よって、その理論と、上記の観測値にもとづいて、1つの太陽が0.26と-0.10という2つの角速度を持っていると推定します。最初の例のように平均するのではなく、2つの観測値をそのまま推定値として用いるのです。

 これは私が[>>909]で想像したのと全く同じ推定法だということになります。ただし、2つの推定値は【両者を明確に区別できるのだから区別しても構わないはずなんだけど】区別しない[>>910]。この点はよろしいですね?

> この値から想像すると、ωの推定方法は、
>  ωa = ω₁(t1) = 0.26、ωb = ω₂(t1) = -0.10
> すなわち
>  ω(t) = (ω₁(t), ω₂(t))
> と推定するのですね? 間違いありませんか?

 であれば、以下の文章におかしな所がありますので探してみてください。時間がないのて、ひとまず指摘だけしておきます。

>よって、その理論と、上記の観測値にもとづいて、1つの太陽が0.26と-0.10という2つの角速度を持っていると推定します。最初の例のように平均するのではなく、2つの観測値をそのまま推定値として用いるのです。よって、角速度の推定値をωとすると、

> ωは0.26であり、かつ-0.10
> つまり
> (ω = 0.26) ∧ (ω = -0.10)

912diamonds8888x:2021/03/11(木) 06:07:01 ID:Qix9q/lA
【To All】この投稿はKenさん向けではなく、ご覧になっている他の人達向けです。
[>>911]の文末のパズルに挑戦してみましょう。

 簡単に思えるけど、意外と難しいのかな?

913Ken:2021/03/11(木) 22:37:46 ID:l3c2r2bk
>以下の文章におかしな所がありますので探してみてください。

(ω = 0.26) ∧ (ω = -0.10) はすでに>>908で、

(ωa = 0.26) ∧ (ωb = -0.10)

と書き直しました。それ以外の部分であるなら、指摘をお願いします。

ですが、今はなにより1つの具体例に結論を出してはどうでしょうか?

以下の特徴を示す2つの太陽が観測され、

(1)2つの太陽の大きさ、等級、質量、スペクトル型等が同じ
(2)黒点やフレアが同じ形状で同じタイミングで現れる
(3)巨大天体が衝突してどちらか一方が破壊されたら他方も同時に破壊される

この2つの太陽が、ある時刻tに、

一方は0.26 rad/hという角速度を、他方は-0.10 rad/hという角速度を

示すという観測がなされた場合、その時刻tにおいては、

太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない

という状態が実現されていた。

このように結論してもよいのか、よくないのか、問題はここです。

この具体例に関する合意が得られたら、論点1の解決に向けて大きく前進すると思うのですが。

914diamonds8888x:2021/03/17(水) 05:32:34 ID:Qix9q/lA
>>913 [>>911]
【ヒント】(法則a)が破れて2つの位置(角速度)を持てるなら、角速度ωは(法則a)が破れていないときの単一の数値で表せる量とは異なる量になる。量子力学では例えば原子内の電子の位置は全空間での確率分布であり、古典的な位置とは異なる量になる。

【提案】「(3)巨大天体が衝突して・・」という破壊検査は考えにいれるのはやめときませんか? どこからであれ現在昇る太陽を観測している場合、それ以前に(3)の観測がなされたはずがないのですから。それを思うと頭が痛くなります。まさに観測が状態を変えてしまうという余計な不確定性理論みたいなのが出てきて頭が痛くなります。破壊されたらもはや太陽の運動予測はできなくなりますし。

【余談】
 あと、ファィンマンとかだけじゃなくて私の紹介した科学哲学本とか少しは勉強してますか? 買いたくないとかなら、私のブログの「科学的方法とは何か」シリーズも参考になりますよ。kenさんの大好きな科学史上の新しい知見も得られるはずです。歴史研究は新しい史料や研究で結構変わりますから、20世紀の知識からブラッシュアップしないとね。私だって素人ですから自分の知見が正されたことは多いです。

915Ken:2021/03/17(水) 23:20:34 ID:l3c2r2bk
>(法則a)が破れて2つの位置(角速度)を持てるなら、角速度ωは(法則a)が破れていないときの単一の数値で表せる量とは異なる量になる。

それはそうでしょう。でも、今は法則aが破れるという想定をしているのに、なぜ破れないという話が出てくるのでしょうか?

法則aが破れると想定する理由は説明しました。

a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

このように、観測されたことも、既知の理論でメカニズムを説明されることもない想定をすることで、熱力学第2法則が基準05違反でないといえるのなら、同様に、法則aや法則bが破れると想定して、

太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない

も、違反ではないと主張できるのではありませんか、ということです。

とにかく、私は具体例を挙げているのですから、まずは、そちらを考察してはどうでしょうか? 具体例とは、>>913で述べたような事象が観測された場合です。


>破壊検査

でも、現実に破壊検査は行なわれていますし、その多くは破壊前の状態を調べるためのものですからね。

以前にも例を挙げたかと思いますが、分子構造を調べるには、化学反応を重ねて、分子を破壊してゆくのではありませんか? 例えば、蛋白質の構造を調べるには、まずアミノ酸に分解することから始めますよね。分解した時点で、元の蛋白質は消滅してるのですが。

あるいは、素粒子を観測したというとき、実際には素粒子が消滅した後に、素粒子が残した軌跡を調べて、消滅前の質量や電荷を明らかにしませんか?

私自身も、機械技術者だった時に、破壊検査はよくやりました。繊維強化プラスチックが広汎に応用されだした時代でしたが、条件を変えて作った試験片に力を加えて破壊し、破壊モードだけでなく、破壊前にどういう構造変化を起こしていたかも、調べるのです。

要は、破壊前の記録をとっていればよいのです。太陽が消滅したという事実と、消滅前に記録された事実を合わせて、「昇る ∧ 昇らない」という状態があったと結論できます。

916diamonds8888x:2021/03/19(金) 05:34:20 ID:Qix9q/lA
>>915
 同じものがいくらでもある分子や素粒子や試験片と、1個しかない太陽とは事情がちがうのはわかりますよね?

>要は、破壊前の記録をとっていればよいのです。太陽が消滅したという事実と、消滅前に記録された事実を合わせて、「昇る ∧ 昇らない」という状態があったと結論できます。

 1度しか行えず再現不可能な実験をどう解釈するかはややこしそうですが、まあいいです。最重要ポイントではありませんから。


>それはそうでしょう。でも、今は法則aが破れるという想定をしているのに、なぜ破れないという話が出てくるのでしょうか?

 「異なる量になる」ことは理解したのですね? よかったよかった。ならば、破れない場合のωの性質(単一の数値で表せること)を前提にした論理展開はやめてください。なんのことかわからないとか思考放棄しないで、よーーく考えてください。

---------
 なお忘れそうなのでメモしますが、ここ一連の議論は直近では[>>878]の以下から始まってます。
>そうでしょうか? 同じ太陽が同時に東西に昇ったら、必然的に、
>P∧¬P (P:太陽は東に昇る、¬P:太陽は東に昇らない)
>が実現されるのではありませんか?

---------
 [>>877]の質問にはっきりとは答えてもらってない。以下はそうなのか、そうではないのか?
>しかるにどうもkenさんは、[事実、ヒント、きっかけ]のところに妥当なものとか正当なものとか合理的なものとかがないと、[理論、仮説、公理]部分を提唱してはいけない、と考えているらしい。

 [>>878]「いまだ観測されたことがない事象を、そのメカニズムも説明せずに想定することで、」とか書いてますから、上記の考えなんでしょうけど。

917Ken:2021/03/19(金) 23:06:31 ID:l3c2r2bk
>破れない場合のωの性質(単一の数値で表せること)を前提にした論理展開はやめてください。

???
すでに>>908で、
「(ω = 0.26) ∧ (ω = -0.10)」

「(ωa = 0.26) ∧ (ωb = -0.10)」
と書き直していますが、これでも不十分ということでしょうか? それなら、どういう記述にするのですか?

>kenさんは、[事実、ヒント、きっかけ]のところに妥当なものとか正当なものとか合理的なものとかがないと、[理論、仮説、公理]部分を提唱してはいけない、と考えているらしい。

[事実、ヒント、きっかけ]という言い方は曖昧です。要するに、

a2) 過去のある時点では第2法則は成立しない
b2) 過去は有限である(世界は過去のある時点から始まった)

のように、観測事実もないし、既知の理論からも予測されないことを想定して、基準違反の是非を判断してもよいのか、という疑問はあります。

ただし、何度も言っていますが、本スレッドではdiamonds8888xさんの基準を前提にしますから、私自身の思想は問題になりません。根拠のないことでも想定してよいと言われるのなら、それが前提になります。

本スレッドで私がやってるのは、diamonds8888xさんの基準に従えば、何が疑似科学と判定され、何がそう判定されないのか、具体例を挙げて明らかにすることだけです。

問題は、具体例なのです。抽象論ではなく、具体例を明らかにするのが目的です。

その具体例として、いまは以下の条件を満たす2つの太陽が観測されたとき、「太陽が昇る∧太陽が昇らない」という、基準違反とされる事象が実現したと考えてよいのですかと尋ねています。

(1)2つの太陽の大きさ、等級、質量、スペクトル型等が同じ
(2)黒点やフレアが同じ形状で同じタイミングで現れる
(3)巨大天体が衝突してどちらか一方が破壊されたら他方も同時に破壊される

そして、

一方は0.26 rad/hという角速度を、他方は-0.10 rad/hという角速度を示す

ずっと、お尋ねしていることですので、回答をお願いします。

918diamonds8888x:2021/03/20(土) 05:48:07 ID:Qix9q/lA
>>917,>>913
>一方は0.26 rad/hという角速度を、他方は-0.10 rad/hという角速度を示す

 そこからP∧¬Pと即断する推論が「破れない場合のωの性質(単一の数値で表せること)を前提にした論理展開」になっています。では、説明しましょう。


【再掲】[>>874,>>883](法則a) 同じ物体は同時に2箇所以上に位置することはない。ある物体は所定時刻には唯一の位置にだけ存在する。
【再掲】[>>881](法則b) 同じ物体は同時に2つの異なる運動はできない。

 (法則a)と(法則b)は実質同じものですから片方だけ考えれば十分です[>>885,>>887]。運動とは位置の時間微分ですから。

 以上は前振りです。さて。

 (法則a)が成立するとき、ひとつの物体(質点)の所定時刻における位置や速度や角速度は1個の実数値で表せる量です。いわゆるスカラー量です。しかし(法則a)が破れていれば事情が変わります。この理論のもとでは位置や速度や角速度は無数の数値で表すことになりますが、我々の議論では話を簡単にするために同時に2つの値だけを持てると仮定しています。[>>908,>>909]

 するとωは1個の数値だけでは表せず、2つの数値が必要になります。例えば、この2つの数値を(ωa,ωb)[順序入れ替えたものは同じとみなす]として、次のように表せばいいのです。端的に言えば、ωは2次元ベクトル量になりスカラー量ではありません。
  (ωa = 0.26) ∧ (ωb = -0.10)
   ω(t1)=(ωa = 0.26, ωb = -0.10)
   ω(t) = (ω₁(t), ω₂(t))

 ゆえに「ωは0.26であり、かつ-0.10」というのはおかしいのです。ωは1個の数値だけでは表せないからです。ちなみに量子力学では、例えば原子内の電子の位置は全空間での確率分布という、いわば無限次元ベクトル量になります。

 ということは理解できたようで[>>915,>>916]、訂正して[>>908]では(ωa,ωb)を使い、そこは良かったのですが。

> (ωa = 0.26) ∧ (ωb = -0.10)
>   〜
> よって、上記の式は、
> 太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない

 最後の結論を導くには命題P「太陽が昇る」の定義をはっきりさせないといけません。[>>911]で示したようにωaとωbとは【両者を明確に区別できる】のでひとまず区別しておいて考えます。
  ω=(ωa,ωb)
  ωa = ω₁ :観測値ω₁からの推定値
  ωb = ω₂ :観測値ω₂からの推定値

 ここでω₁とω₂の観測による区別は、例えば2つの太陽のうち北寄りに昇る太陽の角速度をω₁と定義して区別することができます。

 このとき命題P「太陽が昇る」の定義としては以下の命題が候補になります。
  p1= (ωa >0) ∧ (ωb >0)
  p2= (ωa >0) ∧ (ωb ≤0)
  p3= (ωa ≤0) ∧ (ωb >0)
 さすがに次の命題は「太陽が昇る」とは定義しないでしょう。
  p4= (ωa ≤0) ∧ (ωb ≤0)

 さらにp1を「太陽が昇らない」とは定義しないでしょうから、p1に加えてp2とp3を「太陽が昇る」ことの定義に含めるかどうかの選択になります。
 また(ωa,ωb)の順序を区別しないのであればp2とp3は同じ意味にすることになるので、次の命題だけ考えることになります。
  p23=p2∨p3 =((ωa >0)∧(ωb ≤0)) ∨ ((ωa ≤0)∧(ωb >0))

 ということで、命題P「太陽が昇る」の定義としては2つの候補があります。
  1) P= p1= (ωa >0) ∧ (ωb >0)
   このとき ¬P= p2 ∨p3 ∨p4
  2) P= p1∨p23=p1∨p2∨p3
   このとき ¬P=p4

 どちらの定義を採用した場合でも「P∧¬P」にはなりません。

919Ken:2021/03/20(土) 10:21:54 ID:l3c2r2bk
最も基本的な点を確認しますが、

〜ωaとωbという2つの角速度は、同じ1つの太陽の属性である

ということは、>>918で展開された論理式に含まれているのでしょうか?

太陽は1つしかなく、1つの太陽が2つの角速度をもっているのです。法則aが破れるとはそういうことでしょう。

すると、

>命題P「太陽が昇る」の定義としては以下の命題が候補になります。
>p1= (ωa >0) ∧ (ωb >0)
>p2= (ωa >0) ∧ (ωb ≤0)
>p3= (ωa ≤0) ∧ (ωb >0)

太陽が2つあるのなら、上のとおりかもしれません。でも1つしかないのなら、(ωa >0)だけで「太陽が昇る」という命題を満たすはずです。同様に、(ωb ≤0)だけで「太陽が昇らない」という命題を満たします。

たとえば、1つの太陽が、等級は4.83、スペクトル型がG2という2つの属性をもつなら、ただちに、

太陽の等級は4.83 ∧ 太陽のスペクトル型はG2

が成立しますよね。同様に、1つの太陽がωa(>0)とωb(≤0)という2つの属性をもつなら、

ωa>0 ∧ ωb≤0

が成立し、ωa>0が「太陽が昇る」ことを、ωb≤0が「太陽が昇らない」ことを意味するなら、

太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない

になりませんか?

まずは、冒頭の質問を考えてください。太陽は1つしかないということは、>>918でどのように反映されているでしょうか?

920Ken:2021/03/20(土) 10:38:42 ID:l3c2r2bk
diamonds8888xさんと同様の論理式で、私の論点を表現してみました。太陽は1つしかないのだから、2つの角速度のどちらか一方が正の値をもつなら、太陽が昇るという条件が満たされます。よって、

「太陽が昇る」の定義は、

(ωa >0) ∨ (ωb >0)

これは>>918で挙げられたp1、p2、p3を合わせたものですね。

同様に、「太陽が昇らない」の定義は、

(ωa ≤0) ∨ (ωb ≤0)

これは、p2、p3、p4を合わせたものでしょう。よって、p2とp3を合わせた領域が、

太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない

になるはずです。

921Ken:2021/03/20(土) 15:38:05 ID:l3c2r2bk
>>918の内容を、さらに検討してみました。おそらく、問題はここですね↓

> 1) P= p1= (ωa >0) ∧ (ωb >0)
>  このとき ¬P= p2 ∨p3 ∨p4

この場合、Pが「太陽が昇る」ことを表すとして、¬Pは「太陽が昇らない」ことを表すのですか? 「昇る」ことの定義は、2つの角速度がどちらも正であることなのに、「昇らない」の定義は、どちらか一方でも正でなければよいというのは、両者を同じ条件で対比してないでしょう。

> 2) P= p1∨p23=p1∨p2∨p3
> このとき ¬P=p4

も同じ問題を抱えています。

「昇る」と「昇らない」の条件の性質を変えるのなら、つまり一方は純粋状態を求めるが、他方には混合状態を認めるなら、そもそも1つの太陽が2つの角速度もつと想定することが無意味になります。

2つの角速度を想定する理由とは、純粋状態であれ混合状態であれ、「昇る」と「昇らない」に、同じレベルの条件を設定することでしょう。そうなると、私が>>919>>920で述べたように、

「昇る」ことの定義は、(ωa >0) ∨ (ωb >0)
「昇らない」ことの定義は、(ωa ≤0) ∨ (ωb ≤0)

になりませんか?

922Ken:2021/03/20(土) 22:47:52 ID:l3c2r2bk
すこし心もとないので、確認です。

>>918で、
>>一方は0.26 rad/hという角速度を、他方は-0.10 rad/hという角速度を示す
>そこからP∧¬Pと即断する推論が「破れない場合のωの性質(単一の数値で表せること)を前提にした論理展開」になっています。

と言われていることから推測すると、「太陽が昇る∧太陽が昇らない」は実現したが、それは「P∧¬P」ではない、という意味にも受け取れます。

>>884で、

>*太陽は東に昇る
>*太陽は東に昇らない

について、

>No。徹底的にNo。この2つの並立は「P∧¬P」です。

と言われて以来、「東に」が外れて、

*太陽は昇る
*太陽は昇らない

になっても、「P∧¬P」であることに変わりはないと思いますが、それでよろしいですか?

923diamonds8888x:2021/03/21(日) 09:54:49 ID:Qix9q/lA
>>922
>と言われていることから推測すると、「太陽が昇る∧太陽が昇らない」は実現したが、それは「P∧¬P」ではない、という意味にも受け取れます。

 「太陽が昇る∧太陽が昇らない」は「P∧¬P」です。
 「太陽が昇る」の定義がポイントです。
 それとkenさんは「¬」の定義を知らないらしいのが問題ですね。

924diamonds8888x:2021/03/21(日) 09:56:01 ID:Qix9q/lA
>>921,>>920,>>919
 「〜ωaとωbという2つの角速度は、同じ1つの太陽の属性である」ということは、>>918で展開された論理式に含まれています。それは「同じ1つの太陽の角速度」であるωがスカラー量ではなく「ω=(ωa,ωb)」である、という点です。

>でも1つしかないのなら、(ωa >0)だけで「太陽が昇る」という命題を満たすはずです。

 ωaは「同じ1つの太陽の角速度」であるωではありませんから、(ωa >0)だけで「太陽が昇る」という命題を満たすとは言えません。ωa,ωbの4つの組み合わせについて「太陽が昇る」に該当するのか否かを定義する必要があります。

 普通に考えれば、「(ωa >0) ∧ (ωb ≤0)」なら「太陽が半分だけ昇る」とか定義しませんかねえ。

>>921
>この場合、Pが「太陽が昇る」ことを表すとして、¬Pは「太陽が昇らない」ことを表すのですか? 「昇る」ことの定義は、2つの角速度がどちらも正であることなのに、「昇らない」の定義は、どちらか一方でも正でなければよいというのは、両者を同じ条件で対比してないでしょう。

 「昇らない」の定義は、「昇る」の定義に当てはまらない運動のすべてです。
 ¬Pに当てはまる命題の定義は、Pに当てはまらない命題のすべてです。
 否定するといのは、そういうことです。¬、∧、∨などの意味はベン図でわかりやすく教えられているのは御存知でしょう? 世界共通の定義ですよ?

 ¬PとPを同じ条件で対比するとは、何を対比するのですか? ¬Pの定義は上記の通りで、定義のときに何かを対比する必要はありません。

>「昇る」と「昇らない」の条件の性質を変えるのなら、つまり一方は純粋状態を求めるが、他方には混合状態を認めるなら、そもそも1つの太陽が2つの角速度もつと想定することが無意味になります。

 量子力学は関係ありませんが? 混合状態とはなんですか? いきなり妙な概念を作らないでください。2つの角速度を持つ太陽は、p1〜p4の4つの純粋状態を持つだけのことです。

>2つの角速度を想定する理由とは、純粋状態であれ混合状態であれ、「昇る」と「昇らない」に、同じレベルの条件を設定することでしょう。

 定義のときに「同じレベルの条件を設定」とは???
 上記の通り、¬Pに当てはまる命題の定義は、Pに当てはまらない命題のすべてです。
 結果として多くの場合に、¬Pに当てはまる命題はPに当てはまる命題よりも多くなることが普通です。

  私という人間は1人、私ではない人間は・・・
  カラスは何億羽かしらないけど有限数、カラスではないモノは・・無限

925Ken:2021/03/21(日) 12:09:03 ID:l3c2r2bk
>「同じ1つの太陽の角速度」であるωがスカラー量ではなく「ω=(ωa,ωb)」

角速度ωは、2つの成分を持つベクトルということですか?
今の場合、ωaとωbは同じ軸上だから線形独立になってませんが、それでもベクトルの2つの成分とみなすわけですか?

すると、たとえば、ωa = 0.26、ωb = -0.10、として、1つの角速度ωは、

ω = 0.26 - 0.10 = 0.16

になるのですか?

言い換えれば、1つの太陽が、上向きに0.26、下向きに0.10という2つの角速度を持つのは、その太陽が上向きに0.16という角速度を持つのと同じ意味なのですか? ω = 0.16と同じ意味だから、「昇る(0.26)」と「昇らない(-0.10)」という2つの状態の並立とは認めない。

そういうことなのでしょうか?

926diamonds8888x:2021/03/23(火) 05:16:28 ID:Qix9q/lA
>>925
 まず基本的なことですが、この場合ベクトルというのは単に「2つの成分で表される量」という意味で、物理的に意味のある「方向」を示すものでもないし、例えばベクトル積は意味を持ちません。統計や数表の扱いでは、例えば1行に並んだn個の数値列をまとめてn次元ベクトルと扱うのは普通のことです。
 重要なのは、ωは1つの数値では完全に表すことができず、2つの数値がわからなければωの値は不明であるという点です。

 「ω = 0.26 - 0.10 = 0.16」ではありません。(これ何を求める計算??)
 「ω=(ωa, ωb)=(ω₁, ω₂)=(0.26, -0.10)」です。[>>918,>>909]
 ちゃんと書いてあるのに、どうして見落とすのですか??

>「昇る(0.26)」と「昇らない(-0.10)」という2つの状態の並立

 この「昇る」の定義が不完全だと言っています。
 「昇る(+a,+b)」だけならば、「昇らない(+a,-b)」、「昇らない(-a,+b)」、「昇らない(-a,-b)」です。
 「昇る(+a,+b)」、「昇る(+a,-b)」、「昇る(-a,+b)」ならば、「昇らない(-a,-b)」です。

 むろんここで、a,b は正の実数です。

927Ken:2021/03/23(火) 23:45:50 ID:l3c2r2bk
問題は、diamonds8888xさんが言われていることと、法則aが破れることが、私の中で整合しないことなのです。

抽象論では前進しないので、徹頭徹尾、具体例で論じます。次のような属性をもつ恒星を定義しましょう。

名称はX、等級は4.83、スペクトル型はG2

ここから直ちに以下の命題が成立します。ここに問題はありませんね?
  〜Xの等級は4.83 ∧ Xのスペクトル型はG2

次にこの恒星の角速度を定義しましょう。

名称はX、等級は4.83、スペクトル型はG2、角速度は0.26

そして、以下の命題も問題ありませんね?
  〜Xの等級は4.83 ∧ Xの角速度は0.26

この恒星には2つの惑星があることが発見され「X-α」「X-β」と名付けられました。

名称はX、等級は4.83、スペクトル型はG2、角速度は0.26、惑星は「X-α」と「X-β」の2つ

よって、以下の命題も成立するはずです。
  〜Xは「X-α」という惑星をもつ ∧ Xは「X-β」という惑星をもつ

むろん、以下の命題が成立するのと、完全に同じ事情です。
  〜太陽は「地球」という惑星をもつ ∧ 太陽は「金星」という惑星をもつ

そして本題です。Xはもう1つの角速度をもつことが分かりましたので、以下のように定義します。

名称はX、等級は4.83、スペクトル型はG2、惑星は「X-α」と「X-β」の2つ、角速度は0.26と-0.10の2つ

一見して明らかなように、2つの惑星を持つのと、2つの角速度を持つのは、データ構造として何の違いもありません。おっしゃるようなベクトル表記をしてみましょう。惑星をp、角速度をωとすると、

  p = (p₁, p₂) = (X-α, X-β)
  ω = (ω₁, ω₂) = (0.26, -0.10)

それなら、
  〜Xは角速度「0.26」をもつ ∧ Xは角速度「-0.10」をもつ

となるはずです。ところが、この命題は成立しないというのが、diamonds8888xさんの主張ですよね。

2つの惑星で成立することが、2つの角速度では成立しない。その違いはどこからくるのでしょうか?

両者の違いを生むのは、法則aが破れないという想定ではないのですか?
2つの惑星を禁じる法則はないが、2つの角速度は禁じられているからでなありませんか?

928diamonds8888x:2021/03/25(木) 06:49:00 ID:Qix9q/lA
 [>>927]で述べられている内容は、わずかな注意点以外はすべて認めますが、私の疑念のポイントを外しています。何度も言うように、

[>>926]この「昇る」の定義が不完全だと言っています。
[>>923]「太陽が昇る」の定義がポイントです。
[>>887]つまり、以下の命題において「昇る」の定義が不完全だったのです。すなわち命題の意味が不明瞭だったのです。

 [>>927]には「昇る」の定義問題がまったく触れられていません。


【注意点1】「〜X」という記号の意味がわからないのですが教えてください。

【注意点2】
> 〜Xは角速度「0.26」をもつ ∧ Xは角速度「-0.10」をもつ

 記号「〜」の意味がわからないので無いものとして解釈します。そのうえで、"角速度"という言葉で2つの異なるものを示してしまうので、言葉を替えて区別してみます。
  
  ω = (ω₁, ω₂) = (0.26, -0.10) :"角速度対"
  ω₁やω₂ :"成分角速度"。角速度対ωの2つの成分という意味を込めて。

> 〜Xは成分角速度「0.26」をもつ ∧ Xは成分角速度「-0.10」をもつ

 その通りで、問題ありません。

> 〜Xは角速度対「0.26」をもつ ∧ Xは角速度対「-0.10」をもつ

 今度は、2つの文のどちらも意味をなしません。「0.26」も「-0.10」も角速度対ではなくて、その成分角速度ですから。

【具体例の提案】惑星は「X-α」と「X-β」の例で「昇る」の定義問題と同様な問題を出しましょう。以下の命題Qと命題¬Qが意味するのは、4つの命題q1〜q4のうちのどれですか? あるいは、どれにしたいですか?

  命題Q=「恒星Xは惑星を持つ」
  命題¬Q=「恒星Xは惑星を持たない」

  q1)恒星Xは惑星X-αを持ち、かつ惑星X-βを持つ
  q2)恒星Xは惑星X-αを持ち、かつ惑星X-βを持たない
  q3)恒星Xは惑星X-αを持たず、かつ惑星X-βを持つ
  q4)恒星Xは惑星X-αを持たず、かつ惑星X-βを持たない

929Ken:2021/03/26(金) 00:08:00 ID:l3c2r2bk
おっしゃる意味が分かってきました。

でも、お待ちください。0.26や-0.10を単独の速度ではなく「成分」と見なす時点で、すでに法則aが破れないという想定に戻っていませんか?

今の私たちが認識する世界は法則aに従いますが、それでも1つの物体で複数の速度値が観測されることはあります。たとえば、ある飛翔体を、直交する3方向から観測して、速度の観測値がvx、vy、vzだったとしましょう。私たちは、この3つを成分と見なして、飛翔体の1つの速度vを求めます。

v、vx、vy、vzがどれもベクトルなら(本掲示板ではできませんが、上に矢印記号をもつか、ファインマンのように太字で表すなら)、
  v = vx + vy + vz   (私が>>925で挙げたのは、同じ原理を表したものです)

v、vx、vy、vzがどれもスカラー量なら、
  v = √(vx² + vy² + vz²)

このように、速度の値がvx、vy、vzのように複数観測されるのは、法則aが破れない前提でも起こります。しかし、それを「成分」とみなして1つのvを求めるのは、vが1つしかないという法則aが前提でしょう。角速度でも話は同じです。たとえ言葉では「角速度対」と呼称しても、

>Xは角速度対「0.26」をもつ

のように、1つの数値で表そうとする時点で、結局、法則aが復活し、1つの角速度しかない想定に戻っています。

私の意図は伝わるでしょうか? 複数の角速度が観測されても、1つの角速度の「成分」と見なすだけなら、法則aが破れたことにはならない、ということです。

法則aが破れ、1つの物体が複数の角速度をもつというのは、0.26や-0.10が「成分」ではなく、それぞれが独立した1つの角速度であり、ゆえに、0.26だけで「昇る」を表し、-0.10だけで「昇らない」を表すのでなければ、意味が通らないと思うのですが。


>記号「〜」の意味がわからないので無いものとして解釈します

それで結構です。その都度「命題」と書くのが面倒なので、無精をしていました。「*」という書き方もします。

930diamonds8888x:2021/03/26(金) 05:30:13 ID:Qix9q/lA
>>929
> >Xは角速度対「0.26」をもつ

> のように、1つの数値で表そうとする時点で、

 そんなことをどこで私が書いていますか?
 角速度対は2つの数値で表すべきものであり、1つの数値では表せません。

931diamonds8888x:2021/03/26(金) 05:31:36 ID:Qix9q/lA
>>929
それと惑星問題の方を、じっくり考えてみてください。

932Ken:2021/03/26(金) 23:49:38 ID:l3c2r2bk
>角速度対は2つの数値で表すべきものであり、1つの数値では表せません。

それなら、問題は、0.26と-0.10という2つの値を、どう解釈するかです。これをωという1つのベクトルの成分と見なすのなら、それは2つの値から特定できる1つの状態があるということでしょう。ベクトルとはそういうものですから。

たとえば、法則aが破れないという現在の想定のもとで、1つの物体の直線運動を3方向から観測し、得られた3つの速度値が10と20と30だったとします。

v = (10, 20, 30)   (vはベクトル)

このvの大きさは、

||v|| = √(10² + 20² + 30²) ≈ 37

となります。つまりこの物体は37という速度で運動しているのであり、速度10で運動しているのでも、速度20や速度30で運動しているのでもありません。速度は37だけだから、法則aは破れてないことになります。

法則aが破れるとは、10、20、30が、1つの運動の3方向からの観測値ではなく、3つの運動のそれぞれの速度という場合です。もし1つの速度を特定するのに3方向からの観測が必要なら、3つのそれぞれが3方向から、つまり9回の観測がなされたことになります。その場合、10と20と30は、ベクトルの成分ではありません。それぞれが1つの速度ベクトル、もしくはその大きさです。

この両者の観測事象で最も異なる点は、前者は1つの物体しか見えないが、後者は複数の物体が見える点です。私が「太陽が昇る∧太陽が昇らない」を表す事象として、2つの太陽が見えることを、ずっと挙げてきたことを、思い出してください。

2つ見える太陽の一方が0.26、他方が-0.10の値を示すのなら、0.26と-0.10のそれぞれが独立した角速度で、「昇る」と「昇らない」に該当します。一方、おっしゃるような、

ω = (0.26, -0.10)

を考えるとして、ωはなにの、どういう動きを表すのですか?


>それと惑星問題の方を、じっくり考えてみてください。

>>928で挙げられたQと¬Qなら、

Q = q1 ∨ q2 ∨ q3
¬Q = q4

だと思います。

でも、これは、現在の論点とは切り口が異なるのではないですか。今の論点は、太陽が「0.26」と「-0.10」という2つの角速度を(1つの角速度の2つの成分ではなく)持ちうるかなのですから、惑星問題に応用するなら、

恒星Xは、惑星X-αと惑星X-βを同時に持ちうるか

になるはずです。

933diamonds8888x:2021/03/27(土) 17:17:31 ID:Qix9q/lA
>>932
>それなら、問題は、0.26と-0.10という2つの値を、どう解釈するかです。これをωという1つのベクトルの成分と見なすのなら、それは2つの値から特定できる1つの状態があるということでしょう。ベクトルとはそういうものですから。

 [>>926]冒頭をお読みください。ここではベクトルとは一列の数値が揃っているもの、くらいの意味です。>>922のような余計な誤解を避けるために「角速度対」などという言葉も使ってみたのです。
 重要なのは、(同時2つの値を持つ)(恒星xの)角速度ωは1つの数値では完全に表すことができず、2つの数値がわからなければωの値は不明であるという点です。


> でも、これは、現在の論点とは切り口が異なるのではないですか。今の論点は、太陽が「0.26」と「-0.10」という2つの角速度を(1つの角速度の2つの成分ではなく)持ちうるかなのですから、惑星問題に応用するなら、

> 恒星Xは、惑星X-αと惑星X-βを同時に持ちうるか

> になるはずです。

 惑星問題と角速度問題が「何の違いもない」と提案したのはKenさんですよ。

[>>927]
> よって、以下の命題も成立するはずです。
>   〜Xは「X-α」という惑星をもつ ∧ Xは「X-β」という惑星をもつ
>    (中略)
> 一見して明らかなように、2つの惑星を持つのと、2つの角速度を持つのは、データ構造として何の違いもありません。
>    (中略)
>   〜Xは角速度「0.26」をもつ ∧ Xは角速度「-0.10」をもつ

【重要】最後の文は、[>>917,>>908]で訂正したはずの以下と紛らわしいですね。
    「(ω = 0.26) ∧ (ω = -0.10)」

  もちろん訂正後の以下の意味なんでしょうね?
    「(ωa = 0.26) ∧ (ωb = -0.10)」

 念押ししますが、変数ωは変数ですから任意の値を取れます。が、普通の数式の使い方では、一連の証明や式の誘導の中でひとたびω = 0.26という式が出てきたら、一区切り着くまではω = -0.10なんて式が出てきたら、どこかで間違えています。
 訂正前の式は、普通の数式の使い方では、使えないものです。

934diamonds8888x:2021/03/27(土) 17:21:17 ID:Qix9q/lA
>>932
>>928で挙げられたQと¬Qなら、

> Q = q1 ∨ q2 ∨ q3
> ¬Q = q4

> だと思います。

 ふーん、3:1で非対称でもいいんですか?

 では昇ると昇らないとの場合はどうして対称でなくてはいけないのですか? 惑星問題と角速度問題が「何の違いもない」と提案したのはKenさんですよ。

[>>919]
>太陽が2つあるのなら、上のとおりかもしれません。でも1つしかないのなら、(ωa >0)だけで「太陽が昇る」という命題を満たすはずです。同様に、(ωb ≤0)だけで「太陽が昇らない」という命題を満たします。

【もちろん私は】惑星問題ではKenさんの[>>932]の見解が妥当だと思いますよ。

【謝罪】[>>919,>>920,>>921]でKenさんの論理の真髄がはっきり見えていたことに気づいていませんでした。すみません。後ほどコメントしますが、まあ、この発言と[>>933]にもお考えをお願いします。無関係ではありませんから。

935diamonds8888x:2021/03/27(土) 18:39:43 ID:Qix9q/lA
>>932,>>934
 惑星問題を角速度問題により近づけるなら、次の問題がよさそうですね。

 恒星Xは2つの惑星X-αとX-βを持つとします。

 以下の命題Qと命題¬Qが意味するのは、4つの命題q1〜q4のうちのどれですか? あるいは、どれにしたいですか?

  命題Q=「恒星Xの惑星は赤い」
  命題¬Q=「恒星Xの惑星は赤くない」

  q1)惑星X-αは赤い、かつ惑星X-βは赤い
  q2)惑星X-αは赤い、かつ惑星X-βは赤くない
  q3)惑星X-αは赤くない、かつ惑星X-βは赤い
  q4)惑星X-αは赤くない、かつ惑星X-βは赤くない

936Ken:2021/03/27(土) 22:12:58 ID:l3c2r2bk
行き違いを重ねないように、1点ずつ確認します。まずは、今、最も重要と思われるこれです。

>ベクトルとは一列の数値が揃っているもの、くらいの意味です。
>2つの数値がわからなければωの値は不明であるという点です。

この場合、2つの値とは、例に挙げた「0.26」と「-0.10」と考えてよろしいですか?

では、その2つを用いて、ωの値を算出していただけますか?

もしも、過去にやっておられたなら、すみません。投稿番号を示してください。

937diamonds8888x:2021/03/28(日) 08:48:33 ID:Qix9q/lA
>>936
[>>926]
> 「ω=(ωa, ωb)=(ω₁, ω₂)=(0.26, -0.10)」です。[>>918,>>909]

説明は[>>924]
>「〜ωaとωbという2つの角速度は、同じ1つの太陽の属性である」ということは、>>918で展開された論理式に含まれています。それは「同じ1つの太陽の角速度」であるωがスカラー量ではなく「ω=(ωa,ωb)」である、という点です。

これは[>>907]のKenさんの推定法に素直に従っているのですけど?
>よって、その理論と、上記の観測値にもとづいて、1つの太陽が0.26と-0.10という2つの角速度を持っていると推定します。

938Ken:2021/03/28(日) 11:49:34 ID:l3c2r2bk
>「同じ1つの太陽の角速度」であるωがスカラー量ではなく「ω=(ωa,ωb)」である、という点です。

質問の意図をより丁寧に説明するべきでした。

現時点で、私とdiamonds8888xさんの間に生じている認識の違いは、以下のようなものであろうと考えます。

基本となる事実は、ω₁ = 0.26とω₂ = -0.10という2つの角速度が観測されることですが、私は、これを2つの角速度の並立とみなすだけです。ω₁とω₂から、さらに別のωという値が導かれるとは思いません。ゆえに、「昇る(>0)」と「昇らない(≤0)」の並立であると、ストレートに考えているのです。

一方、diamonds8888xさんの考えを、私が正しく理解しているなら、ω₁とω₂から、第3の存在であるωが導かれ、「昇る」「昇らない」の判定は、ωという1つの変数の値が「ω>0」「ω≤0」のどちらなのかで行なうべき、という点にあろうかと思います。ちがいますか?

でも、そうであるなら、ωを数値化せねばならないはずです。それにはω₁とω₂からωを導く方程式が必要なはずです。

たとえば、ω₁とω₂がどちらも正ならωも正といえますか? あるいは、ω₁とω₂がどちらも負ならωも負と言い切れるでしょうか? もしもωを導く方程式が、

ω = ω₁ × ω₂

だったらどうするのでしょうか? ω₁とω₂がどちらも負ならωは正になります。

もしもω₁とω₂からωを導く方程式を提示できないのなら、それはωという1つの変数を考えること自体が無意味であり、「昇る(>0)」と「昇らない(≤0)」の並立であるという、私の解釈に落ち着きませんでしょうか?

939diamonds8888x:2021/03/28(日) 12:57:27 ID:Qix9q/lA
>>938
>一方、diamonds8888xさんの考えを、私が正しく理解しているなら、ω₁とω₂から、第3の存在であるωが導かれ、「昇る」「昇らない」の判定は、ωという1つの変数の値が「ω>0」「ω≤0」のどちらなのかで行なうべき、という点にあろうかと思います。ちがいますか?

 ちがいます。ω₁とω₂との両方から判定すべきだと言っています。[>>914]
 ω=(ωa, ωb)=(ω₁, ω₂)=(0.26, -0.10)」。このωが【1つの数値】に見えるんですか? いやならωなんて記号は使わなければいいでしょう? (ωa, ωb)や(ω₁, ω₂)で十分なんだから。1つの太陽なり恒星なりが2つの異なる位置なり角速度なりを持てるのですから、素直に2つの記号を使えばいいだけです。

940diamonds8888x:2021/03/28(日) 13:22:22 ID:Qix9q/lA

 [>>934]で謝罪下通り、[>>919,>>920,>>921]でKenさんの論理の真髄がはっきり見えていました。特に[>>920]をまとめると次のようになりますね。

 p1の場合 「太陽が昇る」
 p2の場合 「太陽が昇る」「太陽が昇らない」
 p3の場合 「太陽が昇る」「太陽が昇らない」
 p4の場合 「太陽が昇らない」

 では、「太陽が昇る」が正しいのはどの場合ですか?
 また、「太陽が昇る」が正しくない(間違いである)のはどの場合ですか?


 なお、同じ考え方を惑星の色問題[>>935]に当てはめると次のようになりそうですが、よろしいですか?

 q1の場合「恒星Xの惑星は赤い」
 q2の場合「恒星Xの惑星は赤い」「恒星Xの惑星は赤くない」
 q3の場合「恒星Xの惑星は赤い」「恒星Xの惑星は赤くない」
 q4の場合「恒星Xの惑星は赤くない」

941Ken:2021/03/28(日) 20:53:35 ID:l3c2r2bk
それでは、ωは用いず、(ωa, ωb)や(ω₁, ω₂)だけにしましょう。それと、ベクトルも数学上の定義がはっきりしており、複数の成分から1つの状態を定量的に特定するものですから、この言葉も使わないのがよいと思います。

さて、また1つ行き違いが見えました。

>「太陽が昇る」が正しくない(間違いである)のはどの場合ですか?

この表現では、私たちがこれまで論じてきたことと、切り口が異なります。私たちは、

太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない

が基準05違反になるかを論じてきました。>>884で、

>No。徹底的にNo。この2つの並立は「P∧¬P」です。

と言われた命題は

太陽が東に昇る ∧ 太陽が東に昇らない

でしたが、同じことでしょう。しかしながら、

太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない
「太陽が昇る」が正しい ∧ 「太陽が昇る」は正しくない

この2つが論理構造上、同じであるとは思えません。もっとも、

太陽が昇る
「太陽が昇る」が正しい

の2つは同じもので、>>940の例では、

p1 ∨ p2 ∨ p3

になります。問題は、

太陽が昇らない
「太陽が昇る」は正しくない

の2つです。法則aが破れず、1つの物体が1つの速度しかもてないなら、この2つは同じですが、法則aが破れるなら、異なるものになります。なぜなら、太陽が昇らない、は、ω₁≤0かω₂≤0のどちらかを含めばよいのに、「太陽が昇る」は正しくない、となると、ω₁>0が入るのを排除せねばならないからです。>>940の例でいえば、

太陽が昇らない → p2 ∨ p3 ∨ p4
「太陽が昇る」は正しくない → p4

ゆえに、

(太陽が昇る ∧ 太陽が昇らない) = p2 ∨ p3
(「太陽が昇る」が正しい ∧ 「太陽が昇る」は正しくない) = ∅

になるはずです。

942diamonds8888x:2021/03/29(月) 05:35:05 ID:Qix9q/lA
>>941
 いやあ、よかったよかった。[>>941]は内容としては正しいですよ。たったひとつの言葉(論理記号)の解釈間違いだけを除いてね。

> 太陽が昇らない → p2 ∨ p3 ∨ p4
> 「太陽が昇る」は正しくない → p4

 「〇〇ではない」という言葉をそういう意味に解釈するなら、その通りです。そしてその場合は、論理記号による¬P、基準05で使っている記号は「Pではない」という意味ではなく、「命題Pは正しくない」という意味になります。

【再掲】[>>353]
  基準05: P∧¬Pは間違いである。言い換えれば、¬(P∧¬P)
  基準06: P∨¬P


 もちろん通常は、「Pではない」「Pは正しくない」「Pは成立しない」「¬P」などは同じ意味で使われます。いきなり[>>941]で使うような意味に切り替えられたら、普通の人にはわかりませんよ。

 紛らわしい表現はやめてください。そもそも論理記号"¬"の意味をちゃんと正しく使ってくたざい。

【参照】[>>924]
> ¬Pに当てはまる命題の定義は、Pに当てはまらない命題のすべてです。
> 否定するといのは、そういうことです。¬、∧、∨などの意味はベン図でわかりやすく教えられているのは御存知でしょう? 世界共通の定義ですよ?

943Ken:2021/03/29(月) 22:43:05 ID:l3c2r2bk
結局、言われているのは、こういうことですか?

今の私たちが認識する世界では、法則aが成立し、1つの物体は同時に1つの速度しかもてない。

その場合、「昇る」の定義は物体の速度が正(ω>0)、「昇らない」の定義は速度がゼロ以下(ω≤0)。

もし、法則aが破れ、1つの物体が同時に2つの速度をもてるのなら、「昇る」「昇らない」の定義が変わる。

その場合は、2つの速度の一方が正、他方がゼロ以下という状況(ω₁>0, ω₂≤0)は、「昇る」か「昇らない」のどちらかに含める。

ゆえに、「昇る ∧ 昇らない」という状態は、生じ得ない。

944diamonds8888x:2021/03/30(火) 05:32:54 ID:Qix9q/lA
>>943
>結局、言われているのは、こういうことですか?

 まったく違います。[>>942]をどう読めばそうなるんですか?
 あっ、もしかして[>>942]を読まずに投稿したのでしょうか?

>今の私たちが認識する世界では、法則aが成立し、1つの物体は同時に1つの速度しかもてない

 1つの物体が同時に2つの速度を持つという理論が正しいとしての話をしています。つまり、1つの物体が同時に2つの速度を持っている世界の話をしています。今更なにを?

 【重点項目】Kenさんは言葉の使い方を間違えてますよ、と言っているのです。
 
>論理記号による¬P、基準05で使っている記号は「Pではない」という意味ではなく、「命題Pは正しくない」という意味になります。


 そもそもKenさんの使ってきた意味で「〇〇ではない」を使うならば、1つの物体が同時に2つの速度なり位置なりを持つという現実の科学とは相反する理論など持ち出さずとも、現実の科学とは相反しない惑星の色問題[>>935,>>940]で考えればわかりやすいでしょうに。

 [>>940]ではq2とq3とが
 (恒星Xの惑星は赤い)∧(恒星Xの惑星は赤くない)
 となりますよね? Kenさんの使い方に従えば、ね。

 もちろんこれは、【私が意図している】基準05が意味することとは違います。

945Ken:2021/03/30(火) 23:14:26 ID:l3c2r2bk
>>944
>1つの物体が同時に2つの速度を持つという理論が正しいとしての話をしています。つまり、1つの物体が同時に2つの速度を持っている世界の話をしています。今更なにを?

>>943で言ったのは、法則aが破れず、1つの物体は同時に1つの速度しかもてない、と想定することから始めようということです。まず、この条件で整理をし、次に法則aが破れる条件に勧めます。

法則aが破れない条件では、

「昇る」の定義は物体の速度が正(ω>0)、「昇らない」の定義は速度がゼロ以下(ω≤0)。

ゆえに、「昇る ∧ 昇らない」という状態は、生じ得ない。

ここまではよろしいですか?

946Ken:2021/03/30(火) 23:21:21 ID:l3c2r2bk
すみません。また変換ミスがありました。

>>945
誤:次に法則aが破れる条件に勧めます
正:次に法則aが破れる条件に進めます

947diamonds8888x:2021/04/02(金) 06:05:30 ID:Qix9q/lA
>>945,>>943
 失礼しました。私も読みが粗くて、特に[>>943]後半部を誤読していました。[>>944]の「【重点項目】」よりも前の部分は撤回します。

 [>>943]は全文その通りです。それが、[>>939,>>937,>>928,>>926,>>918]特に[>>918]で書いたことです。そして[>>942]で書いた通り、そのことをKenさんが誤解していた原因、逆に言えば私がKenさんの発想がさっぱり理解できなかった原因は「〇〇ではない」という表現の解釈の違いのせいだったのです。

 私は一貫して「Pではない」という表現を「命題Pは正しくない」という意味で使って来ました。なので、次のことは当然のことになります。

[>>943]
> その場合は、2つの速度の一方が正、他方がゼロ以下という状況(ω₁>0, ω₂≤0)は、「昇る」か「昇らない」のどちらかに含める。

 お互いに、「相手の考えがこうではないか?」というコメントが錯綜してややこしくなったかも知れませんが、[>>942]と[>>944]の「【重点項目】」以降の文章についても、合わせてのレスをいただけますか? 複数にわたっていいですから。

948ミケ:2021/07/11(日) 20:40:48 ID:???
もうこのスレッドは使っておられないので議論の邪魔にはならないでしょうからメモ代わりに一つ。
見やすい位置に必要だと思ったので。
※このスレッドの議論の続きは「科学と疑似科学とを判別する(2)」をご覧ください。

このスレッドでは
Kenさんに対して、diamonds8888xさんが、化学的に正しいと考えるルールを挙げていくことになった。
>>54>>55より)

※疑似科学の基準ではなく「正しい科学の基準」

基準01. へそ理論(オムファロス)や世界五分前仮説のような形の理論は、科学的ではない。
基準02. 理論Aと対立する理論Bを否定しても理論Aの検証にはあまりならない。
>>56参照)

基準03. 理論Aの論理学的意味での対偶を検証して理論Aの検証とすることは、科学的に正しい。
基準04. 理論Aの論理学的意味での逆を検証しても、理論Aの検証にはならない。
>>59参照)

基準05: P∧¬Pは間違いである。言い換えれば、¬(P∧¬P)
基準06: P∨¬P
>>352参照)
※基準05は無矛盾律、基準06は排中律のこと。


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