Data link green
「目標26。距離12〜20。指揮管制連動確認。
Manual mode on Data
全機関手動管制に切り替え。緒元入力開始…!」
Illuminater data link
誘導信号、接続。 …第1目標、左方76度・距離18。第2目標…」
リル子は、宙に浮いているスクリーンに入力を続けた。
小銃の一斉射撃を浴びて、車体がベコベコに凹む。
「だ、大丈夫なのか…!?」
ギコは思わず声を上げた。
もう、救急車は限界だ。
Data Ready…
「…第26目標、右方168度・距離16。全目標、緒元入力完了。攻撃態勢移行――」
スクリーンに大きくノイズが走った。
まるでPCのタスクウィンドウを閉じるように、スクリーンが次々に消えていく。
「く…そぉ…っ!」
銃の一丁も扱えなかった。
吸血鬼化できずに、肉弾戦でも役に立たなかった。
挙句の果てに心臓を奪われて、棺桶に片足を突っ込んだ状態でB・T・Bの足を引っ張っている。
B ・ T ・ H
情熱のビートを使っていたときでさえ、自分の弱さに嫌気がさしたのに。
何にも助けて貰えない僕だけの僕は、それよりも更ににちっぽけな存在だった。
酸欠と涙で、視界が滲む。