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スタンド小説スレッド3ページ

125ブック:2004/04/28(水) 00:21

「…そんな御託は、私を倒してからにするのだな!!」
 『矢の男』が『デビルワールド』に飛び掛かった。
 迎え撃つ『デビルワールド』。
 しかし、その攻撃は『矢の男』を空しくすり抜けた。

「どうだ、当たるまい!
 私はここに渦巻く想念を吸収し、幾らでも力を高める事が出来るのだ!!
 貴様等、所詮は乗り越える為の試練に過ぎん!!!」
 『アクトレイザー』の腕が『デビルワールド』の肉体を抉る。
「これで終わりだ!!
 この本に、『デビルワールド』の消滅を書き記して―――」



「―――な、何だ…
 何だこれはァ!!!!!?」
 『矢の男』の動きが突然止まった。

「本が…本の未来が書かれているページが真っ黒じゃないか!!
 これでは、これでは続きが書き換えられないじゃないかああァ!!!!!」
 錯乱する『矢の男』。
 その間にも、『アクトレイザー』の持つ本は
 全てのページに渡って黒く塗りつぶされていった。

「…『デビルワールド』。
 お前の存在を…
 過去現在未来全ての時間軸において『終わらせる』。
 お前が幾ら未来を見ようと、幾ら未来を書き換えようと、
 未来に進む以上その先に『終わり』があるという事実は変わらない。
 その『終わり』を今この場まで与えてやろう…」
 『デビルワールド』が『矢の男』の頭を掴む。
 『矢の男』が必死に逃れようとするも、その手は決して外れなかった。

「ば…馬鹿な!
 『アクトレイザー』は、救いを求める思念を得て、
 更に力を得ていた筈だ…!
 それが、何でお前如きに…」
 その時、『矢の男』はかっと目を見開いた。
 『デビルワールド』の体に、『アクトレイザー』が吸収しているものとは違う、
 どす黒い思念が纏わりついていたからだ。

「他者の想念を得て力を得るのが、お前だけだとでも思ったか?
 どうやら、お前の力となる想念に混じって、
 別の想念が混じっていたのに気がついてはいなかったようだな。」
 『デビルワールド』が『矢の男』を掴む手に力を込める。

「この…『化け物』めええええええええええええええええええええええええええええ
 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 ええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!」
 『矢の男』が、絶叫する。
 その顔は恐怖に引きつり、あたかも笑っているようにすら見えた。

「…『終われ』。」
 その言葉と共に、『矢の男』の姿が消え去った。
 その場に、『矢の男』の持っていた『矢』がカランと音をたてて落ちる。
 寄る辺となる本体を失った『アクトレイザー』は、
 想念の渦の中へと消え去っていった。


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