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スタンド小説スレッド3ページ

110ブック:2004/04/26(月) 01:38



「……!!」
 ただ、それがそこにいるというだけで、
 意識ごと持って行かれそうな絶対的存在感。
 これが、『神』の力とでもいうのか…!

「…そういえば、『デビルワールド』はどうしたのです?
 この近くに居るのは感じていますが、どこに隠れているのですか?」
 『矢の男』が不思議そうな顔をして聞いてきた。

「手前に教える必要は無いモナ!!」
 小耳モナーが叫んだ。
 その横で、『ファング・オブ・アルナム』が低く唸る。

「そうですか。
 いや、それは残念だ。
 今すぐにでも逢いたいというのに…」
 『矢の男』が肩をすくめた。

「手前は…
 神になって何をしようっていうんだ?」
 と、ギコえもんが『矢の男』に言った。

「中々鋭い事を聞いてくれる!
 そう、問題はそれなんですよ!!」
 『矢の男』が目を輝かせながら答えた。

「…何?」
 私はそう聞き返せずにはいられなかった。

「私はねぇ、ずっと『神』をどうやって降臨させようか、そればかり考えていたんですよ。
 その為に四方八方あらゆる手を尽くしました。
 しかし、『神』を実際降臨させてみて、ある重大な事に気づいてしまったんです。
 『神』は降臨した。
 で、それからどうすればいい?」
 『矢の男』は身振り手振りを添えながら演説するように喋る。

「全く笑えない話です。
 『神の降臨』という手段が、いつの間にか目的にすりかわっていたのですからね。」
 『矢の男』が自嘲気味な笑みを浮かべた。

「…というわけで、あなた達も『神』になったからには何をすべきなのか、
 私と一緒に考えてはくれませんか?
 あのモララエルやモナエル達を退けた力の持ち主だ。
 必ずや私の役に立ってくれる筈です。
 望むものならば、何だって与えてあげますよ?」
 『矢の男』が冗談とも本心とも取れない口調で私達に言った。

「…お前は、そんな事で……」
 私は拳をわなわなと振るわせた。
「そんな事で、何人もの人の命を奪ったのかああああぁ!!!」
 私は怒りを抑え切れなかった。

 『神』になったはいいが、何をすればいいのか分からない!?
 何だ、それは。
 貴様はその程度の考えで、
 何の意思も意志も信念も信条も思想も理想も理由も目的も持たないまま、
 ただ『神』を降臨させたいというだけで、
 永きに亘って人々を犠牲にしてきたというのか!?
 許さない。
 絶対に許さない。
 これでは、そんなチンケな理由で死んでいった人々が浮かばれない…!!


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