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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

388ブック:2004/05/23(日) 01:18
     EVER BLUE
     第十五話・CLOUD 〜暗雲〜


 薄暗くじめじめした石造りの牢獄のような部屋の中に、一人の男が投げ込まれた。
 すぐさま鉄格子が施錠され、男が部屋の中に閉じ込められる。

「…が……」
 男は力なくうつぶせに倒れ、低く獣のように呻く。
 男の体には、二つの頭と口、そしてみっつの耳と足があった。
 それは紛れも無い奇形だった、

「ふん。たったあれしきで力を使い果たし、
 あまつさえろくな成果も残せぬとは…やはり、出来損ないだな。」
 メタリックカラーのドラム缶のような体の男が、部下らしき者を横に倒れた男を見下す。
 その声には、電子音が混ざっていた。

「……ねぇ…」
 男の目がギラリと光った。
 次の瞬間、奇形男がドラム缶男目掛けて飛び掛かる。

「俺は出来損ないなんかじゃねぇええぇ!!!」
 しかし、男の突進は堅牢な鉄格子によって阻まれた。

「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」
 ドラム缶男が取り出したスイッチを押すと、
 奇形男につけられた首輪から高圧電流が流れた。
 男が苦悶の表情を浮かべて絶叫する。

「それだけの力が残っているならば、少しは成果を残したらどうだ、奇形モララー?
 『カドモン』を創るのも、育てるのも、飼うのも、只ではないのだぞ。
 それを、貴様は失敗の為だけに使いおって…」
 悶絶する奇形男を、ドラム缶が睨みつけた。

「…歯車王様、そろそろ。」
 と、ドラム缶男の横に居た長耳の男が、ドラム缶男に声をかけた。

「ああ、そうだな。
 いつまでもこんな出来損ないに構っている暇は無い。」
 歯車王と呼ばれた男が奇形男に背を向けた。

「てめえええええええええぇぇぇぇぇああぁ!!!!!」
 奇形モララーが食い下がろうとする。
「GHAAAAAAAAAAAAA!!!」
 しかし、再び電流が彼の行動を封じた。
 黒焦げになり、奇形モララーは今度こそ失神した。


「…やれやれ。手間のかかる奴だ。」
 気絶した奇形モララーを一瞥もしないまま、歯車王は歩き出した。
 その横を、長耳の男が併行する。

「しかし、あの『カドモン』を失ったのは正直痛いな。
 あれ程の成功例、果たして再びあ奴に生み出せるかどうか…」
 歯車王が顎に手を当てる。

「ご安心を。
 選りすぐりの腕利きを寄越しましたので、必ずや手元に戻ってくるかと。」
 長耳男がうやうやしく進言する。

「…だが、いかんせん時間がかかるのではないか?
 時は、無限ではないのだぞ。」
 歯車王が渋る。

「その点はいたしかたありません。
 あまり派手に動いては、他の国に感づかれてしまう可能性がありますので…」
 長耳男が諌めるように告げる。

「…ままならんものよな。」
 歯車王が溜息をついた。

「焦っても解決はしません。
 今は、吉報を待ちましょう。」
 長耳男はそう言って、不気味な笑みを浮かべるのであった。

389ブック:2004/05/23(日) 01:19



     ・     ・     ・



 僕とオオミミ達はこれから先の進路を定めるべく、ブリッジに集合していた。
「…で、どうするんだ?」
 三月ウサギが、サカーナの親方の方を向く。

「取り敢えず、これを見てくれ。」
 サカーナの親方が高島美和に指示を促す。
 すると、ブリッジのディスプレイに世界地図が映し出された。

「いいか、野郎共。
 俺達は、今この辺りにいる。」
 赤いマーカーが地図のやや南東部分を指差した。
 その部分の周りは空の海だらけで、申し訳程度に小さな島がポツポツとある位だ。

「見ての通り、ここら辺には大きな島も無く、治安もあまり良ろしくねぇ。
 こんな所をちんたら渡ってたら、『紅血の悪賊』(クリムゾンシャーク)の連中に
 どうぞ襲って下さい、って言ってるようなもんだ。」
 誰の所為で襲われる破目になったんだ、とも思ったが、
 言っても事態は大して変わらないので黙っておく事にした。

「そこで、だ。
 まずは近くの国の勢力圏に入るのが先決だと思うんだが、どうだ?」
 サカーナの親方が皆の顔を見回した。

「私は特に異論有りませんね。
 一度どこかの国家勢力圏に入れば、
 『紅血の悪賊』も憲兵を気にして大きくは出て来れないでしょうしね。」
 高島美和が静かにお茶を啜った。

「問題はどこの国に行くのか、だなフォルァ。」
 ニラ茶猫が軽く背伸びをした。

「だったら、『ヌールポイント公国』はどうですか?
 あそこならある程度の力もありますし、
 中立的な立場の国ですから『紅血の悪賊』以外にも、
 他の国からも手出しし難くなると思いますし。」
 カウガールがはきはきとした声で答えた。

「俺もそれが良いと思う。」
 オオミミもカウガールの意見に賛同した。

「私はそういう事には疎いので、皆さんにお任せしますよ。」
 この船の乗組員でもないのに、何故かしたり顔でタカラギコが口を開いた。
 その背中にはあの巨大な十字架を担いでいる。
 どうやら、サカーナの親方から正式にパニッシャーを貸し出して貰えたらしい。

「…しかし、いいんですか?
 私にこんな大層な武器を渡してしまって。」
 タカラギコが試すような視線をサカーナの親方に向けた。

「なに、使って貰えた方が、その得物だって嬉しいだろ。
 それに…」
 サカーナの親方が目を細める。

「そんな得物を使った所で、俺の『モータルコンバット』は殺れねぇよ。」
 一瞬サカーナの親方から湧き出る殺気。
 直接殺気を向けられた訳でもないオオミミの背筋に、ぞわりと鳥肌が立つ。

「それはこわいですねぇ…」
 対して、殺気を直接受けた筈のタカラギコは普段と変わらぬ感じで飄々と返す。
 あれだけの殺気を受けて平気とは、この人本当に何者なんだ?

「…それで、結局『ヌールポイント公国』に行くのか?」
 サカーナの親方の殺気のせいで固まってしまった空気を払拭するかのように、
 三月ウサギが尋ねた。

「そうですね…
 恐らくそれが無難な線でしょう。」
 高島美和が頷いた。

「ま、それがいいんじゃねぇか?」
 ニラ茶猫も首を縦に振る。
 つーかお前何も考えてないだろ。

「…おっしゃ、決まりだな。」
 サカーナの親方が近くの手すりを一度叩いた。
「あと一時間程で『あぼ〜ん島』ってとこに着く。
 本来なら寄り道してる暇は無いんだが、どうやらガス欠みたいだからよ、
 そこで燃料、武器の補給だ。
 そっからはノンストップで『ヌールポイント公国』まで突っ切るぞ!」
 サカーナの親方が激を飛ばした。

「それじゃ、各自解散!!」
 その親方の鶴の一声で、各人がそれぞれの持ち場へと戻って行った。
 さてオオミミ、まだ少し時間があるみたいだし、部屋でゆっくりと…

「天、ちょっと待って。」
 と、オオミミが思いもよらぬ行動に出た。
 オオミミ、何だってそんな女に話しかけるんだ?

「何よ?」
 迷惑そうな顔で、天がオオミミに聞き返した。
 こいつ、人にはずけずけと話しかけるくせに、何て態度だ…!

「少し聞きたい事があるんだけど、いいかな…」
 オオミミが、真面目な顔でそう天に告げるのだった。

390ブック:2004/05/23(日) 01:19



     ・     ・     ・



「マジレスマンを連れて参りました。」
 縛られたマジレスマンを引っさげて、山崎渉が男の前へとひざまづいた。

「ご苦労だったな。」
 男が山崎渉を下がらせる。
 男の瞳はまるで猛禽類のような鋭さで、その口からは二本の牙が覗いていた。

「お…お許しを…!
 しばし時間を下さい!
 そうすれば必ず取られたモノを取り返して…」
 しかし、マジレスマンの言葉はそこで止まった。
 それと同時に、マジレスマンの首が独りでに後ろに曲がっていく。

「あ…やめ……助け…!」
 マジレスマンが必死に許しを懇願するも、
 その首は止まる事無く後ろに捻じれ続けた。

「ひぎぃ!」
 ついに負荷に耐えられなくなったマジレスマンの首の骨が、鈍い音を立てて破壊された。
 それでもなおマジレスマンの首はさらに捻られ、
 丁度一回点半した所でようやく動きを止めた。

「…捨てておけ。」
 汚い物でも見るような表情で、男が山崎渉に告げた。

「はっ。」
 山崎渉がマジレスマンの死体を担ぐ。

「後の指揮はお前に任せる。
 せいぜいそこの死体の尻拭いをしてやる事だ。」
 男が山崎渉に顔を向ける。
 その目は、まるで氷の様に冷たかった。

「はっ…」
 山崎渉は一礼すると、男の前から去って行った。
 部屋の中に、男だけが残される。

「…さて、この失策がどのような方向に転がるのか……」
 男が呟いた。
 その言葉は、薄暗い部屋の闇の中に静かに溶け込んで消えていくのであった。



     TO BE CONTINUED…


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