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スタンド小説スレッド3ページ
114
:
ブック
:2004/04/27(火) 02:19
「でぃさんは『化け物』なんかじゃありません!!」
その時、部屋の中に一つの叫びが飛び込んできた。
その場の視線が、一斉にその声の場所へと集中する。
「みぃちゃん…!」
ふさしぃが驚いた顔で呟いた。
あの馬鹿。
危ないから来るなと、あれ程念を押していた筈だのに…!
「これは異な事を言うお嬢さんだ。
あなたには、こんなおぞましい姿の男が『化け物』ではないとでも?」
『矢の男』が俺を指差した。
「…そうです、でぃさんは『化け物』なんかじゃありません。
傷つく事に臆病で、外の世界を恐れて、自分の力に悩んで、人を信じられなくて、
…それでも、それでも誰かの為に悩み、傷つき、闘う事の出来る人間です!!」
みぃが『矢の男』に向かって一歩進み出た。
「私はそれをずっと傍で見てきました!
そんなこの人をずっと信じてきました!
もしそれでもでぃさんが『化け物』だと言うのなら、
私一人で世界の全てを敵に回しても、
でぃさんを人間だと言い続ける…!!」
「……!」
俺の視界が水の中にいるみたいにぼやけた。
何で、こいつは、
こいつは、そこまでして、俺なんかを…
「…一人じゃなくて、二人だぜゴルァ。」
と、いつの間にか吹き飛ばされた所から戻ってきたギコえもんが、
みぃの肩に手をおいた。
「二人じゃなくて三人だモナー。」
小耳モナーが笑顔を浮かべながらギコえもんの横に立つ。
「さっきあなたは『デビルワールド』に比べれば自分はまだまし、
みたいな事を言っていたけれど、
だからと言ってあなたのやって来た事が帳消しにはなりはしないわ。
論点のすり替えもいい所ね。」
ふさしぃが『矢の男』をキッと見据えて言い放った。
「すまなぃょぅ、でぃ君。
一瞬でも『矢の男』の口車に乗って、君を疑ってしまったょぅ。」
ぃょぅが俺に軽く頭を下げて謝った。
…馬鹿だよ、お前ら。
何で、何でそんなに俺の事を信用出来る。
どうしようも無い程の『化け物』のこの俺を…!
「つーわけで、さっきの手前の申し出だが、謹んで辞退させて貰うぜ。」
ギコえもんが『マイティボンジャック』を発動させ、
『矢の男』の前に立ちはだかる。
「…愚かな。
あなた達は『デビルワールド』に世界を蹂躙されても構わないというのですか?」
『矢の男』が哀れむような目でぃょぅ達を見つめる。
「それならあなたを倒した後に『デビルワールド』を倒せば済む話だわ。
勿論、でぃ君を傷つけずにね。」
ふさしぃが当然のように言い切った。
「そんな事が本当に出来るとでも?」
『矢の男』が嘲笑する。
「ああ…出来るモナ。
モナ達が誰だか分かっているモナか?
天下無双の特務A班モナよ!!」
小耳モナーが気持ちいい位の笑みを浮かべながら大見得を切った。
「お前は倒す。
でぃ君の中の『デビルワールド』も倒す。
それで、全てに決着をつけてやるょぅ!
でぃ君は、決して『デビルワールド』なんかに負けたりしなぃょぅ!!」
ぃょぅが『ザナドゥ』を発動させた。
強風が、部屋の中に吹き荒れる。
「…やれやれ。どうやらこれ以上の議論は無駄のようだ。
ならば、あなた達には『デビルワールド』諸共消えて貰おう…!」
『矢の男』がゆっくりと俺達に向かってくる。
圧倒されてしまいそうな程のプレッシャー。
ぃょぅ達はそれを真正面から受けても、なお歯を喰いしばりながら踏みとどまる。
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