したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

スタンド小説スレッド3ページ

89ブック:2004/04/25(日) 00:30

 …!!
 そうだ!
 この手があった!!

「『マイティボンジャック』、解除!!」
 俺は先送りにしていた奴の能力を解除した。
「!!!!!」
 俺の体にとてつもない負荷がかかる。
 そして、当然俺の下に居るモララエルにも…

「があああああああああ!!!」
 モララエルが絶叫する。
「…はっ!どうよ、自分の能力に攻撃される気分は!?」
 激しい負荷に襲われながらも、俺は無理矢理奴に笑顔を見せてやった。
 そして、右の肘の部分を奴の喉下に押し当てる。

「―――ご―――あ!!!!!」
 モララエルの首から、ミシミシと骨が軋む音が聞こえてきた。
「ゴルァああああああああああああ!!!!!!」
 全体重を肘の部分に乗せる。

 ゴギン

 その音と共に、俺の体を襲っていた重みは消え去った。



「…!ギコえもん!」
 負荷から開放されたぃょぅ達が、俺の元へと駆け寄って来た。
「おお。お前ら、大丈夫か?」
 俺はそいつらに向かって声をかける。

「……どうやら…ここまでの…ようです……
 お役に立てなくて…申し訳……」
 と、モララエルが何やらぶつぶつ呟き始めた。
 何だ。
 まだ死んでなかった―――

 ―――!!

「皆!!今すぐ船から飛び降りろ!!!」
 全身を危険信号が駆け巡った。
 ヤバい。
 何か分からないが、とにかくヤバい。
 こいつ、最初から死ぬ気で―――

 刹那、モララエルの体が激しく発光した。



     ・     ・     ・



「……」
 俺は水面から顔を出しながら、木端微塵になった船の残骸を見つめていた。
 あの男…自爆なんてはた迷惑な真似しやがって…!

「でぃ君、大丈夫!?」
 ふさしぃが俺に声をかけてきた。
 頷いて、それに答える。

「他の皆は…」
 ふさしぃが心配そうに辺りを見回す。

「…酷い目に逢ったモナ〜。」
「死ぬかと思ったぜ…」
「全く…やってられなぃょぅ。」
 ぃょぅ達が、それぞれ水中から顔を出した。
 どうやら、皆無事みたいだ。

「…しかし、面倒な事になったわね。」
 ふさしぃがうんざりといった顔で呟く。
「ああ。こっからは水泳大会をしなきゃならないようだな、ゴルァ。」
 ギコえもんが肩をすくめた。
 しかし困った。
 こんな所で時間と体力を無駄にする事になるのはかなり痛い。

「―――皆、あれを!」
 その時、ぃょぅが不意に向こうの方を指差した。
 見ると、一艘のボートが俺達に近づいてくる。
 良かった。
 渡りに船とはまさにこの事…


「―――!!!」
 しかし、その俺の希望は無残にも打ち砕かれた。

 ボートに乗っていたのは、トラギコと、倒れているみぃだった。
 俺は思わず我が目を疑う。
 何故だ。
 何故、あのボートに「奴」が「あいつ」と共に乗っている!?

「―――ッ―――!!」
 腕をスタンド化。
 強化した腕で水を掻き分け、水面を弾いてトラギコに飛び掛かる。

「『オウガバトル』!」
 奴の目前まで迫った所で、俺の両腕が切り飛ばされた。
 バランスを崩して水面に激突し、腕だけが遥か彼方へすっとんで行った。

「ここではやらねぇ。
 この女が大事なら、精々追いかけてくるんだな…」
 トラギコが嘲りの笑みを浮かべて呟く。
 させるか。
 脚をスタンド化。
 脚の力だけで再び突っ込む。

「……!!!」
 しかし、今度は両足をちょん切られた。
 文字通り手も足も出せなくなり、俺は無様に海を漂う。

「っ貴様!待つょぅ!!」
「待ちなさい!!」
 ぃょぅ達が追いかけようとするも、
 流石に人間の泳ぎの速さではボートには追いつけない。
 見る見る距離は引き剥がされ、そしてついにはボートは見えなくなった。


「―――ァ―――ッ―――!!!」
 俺の心にどす黒い感情が渦巻き、闇に向かって、ただ、叫ぶ。
 そしてそれしか出来ない自分に、俺は心の底からの憎しみをぶつけた。



     TO BE CONTINUED…


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板