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スタンド小説スレッド3ページ

602ブック:2004/06/14(月) 01:38
     EVER BLUE
     第三十一話・MIGHT 〜超力招来〜


「『ネクロマンサー』!!」
 ニラ茶猫が、右腕に生やした刃を福男目掛けて薙ぐ。
「『テイクツー』!!」
 自身のスタンドで、その斬撃を苦も無く受け止める福男。
 そのまま、受けに使ったのとは別の腕でニラ茶猫に拳を突き出す。

「くッ!!」
 左腕で、ニラ茶猫がその一撃を受ける。
 しかし生身の体では近距離パワー型のスタンドの力に敵う筈も無く、
 ニラ茶猫の体は勢いよく後方に吹っ飛ぶ。

「がはッ…!!」
 壁に叩きつけられ、ニラ茶猫が苦悶の声を上げる。
 受けに使用した左腕の骨は無残に砕け、
 その皮膚はない出血でどす黒く変色していた。

「ちッ!
 この野郎が…!」
 打撃による損傷は、斬撃や銃撃のそれと比べて修復が難しい。
 『ネクロマンサー』を砕けた骨などに擬態させて治癒を行うも、
 その再生速度は遅かった。

「…!オオミミ!!」
 と、ニラ茶猫がヒッキーと闘っているであろうオオミミの方を心配そうに見やる。
 しかし、オオミミは既に闘いの場を移したらしく、
 既にさっきまで居た場所には居ない。

「…人の心配をしている余裕があるのかな?」
 福男が嘲笑を浮かべながら口を開いた。
「へっ、ほざいてろ。
 さっきのはラッキーパンチってやつだフォルァ。
 手前なんざ、あと一分で蹴散らして…」
 そこでニラ茶猫はようやく自分の左腕の異変に気がついた。
 左腕の『テイクツー』の拳を受けた部分が、締め付けられたように縮んでいる。
 普通骨折をした場合には、その箇所が腫れ上がるものなのだが、
 今回は逆にしぼんでいるのだ。
 これは、明らかに異常だった。

「なっ!?
 これは…!!」
 ニラ茶猫が驚くのとはお構い無しに、左腕はどんどん圧縮されていった。
「うあああああああああああああああ!!!」
 肉が、骨が、中心めがけて収縮していく。
 その圧力に耐え切れなくなり、皮膚が裂けて血がそこから噴出する。

 ―――グシャリ。

 音を立てて、ニラ茶猫の左腕がレモンの絞りかすのように潰れきった。

「ぎゃああああああああああああああ!!!」
 ニラ茶猫が発狂したかの如く叫んだ。
 打撃、斬撃、銃撃。
 彼も今までに幾つもの痛苦を味わってはきたものの、
 流石に今回のそれは初めて受ける痛みであった。
 当然といえば当然である。
 体の一部が圧縮されるなど、余程の拷問でもない限り味わう事は無い。

「『テイクツー』!」
 痛みに苦しむニラ茶猫に、福男が止めを刺すべく飛び掛かる。

「うあああああああああああ!!!」
 身を捩じらせ、ニラ茶猫が寸前で追撃を回避する。
 いや、それは最早『回避』というよりも『避難』といった方が近かった。


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