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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

447ブック:2004/05/25(火) 01:44
     EVER BLUE
     第十七話・TROUBLE MAKER 〜歩く避雷針〜


 僕達を乗せた船は、無事島の港まで着いた。
「よし、錨を下ろせ。」
 サカーナの親方の声に従い、乗組員が錨で船体を港に固定する。

「さて、それじゃあ俺は、燃料だの砲弾だのの交渉に行って来るわ。」
 サカーナの親方が上着を羽織る。
「それでは私もご一緒させて頂きます。
 あなただけに財政を任せては不安ですので。」
 高島美和がサカーナの前に出た。
 まあ、彼女が一緒なら安心だろう。

「2〜3時間は停泊しているのだろう?
 ならば俺は少し島の街に寄らせてもらう。
 剣の補充をしたいのでな。」
 マントをたなびかせながら、三月ウサギが告げた。

「構いませんが、個人の武器の購入は自腹ですよ。」
 冷たい声で高島美和が返す。
「分かっている。」
 無表情で答える三月ウサギ。

「それじゃ、俺もちょっくら外へ散歩に行くとするか。
 この島を出たら、当分娑婆の空気は吸えそうにないしな。」
 ニラ茶猫が軽く背伸びをした。
「あ、なら俺も一緒に行くよ。」
 オオミミが続く。
 全く、君といいニラ茶猫達といい呑気なものだな。
 君達は、『紅血の悪賊』に狙われている真っ最中なんだぞ?

「でしたら、私もご一緒させて頂きましょう。」
 タカラギコが包帯とベルトに巻かれたパニッシャーを手に取り、背中に担ぐ。
 いつも思うのだが、
 この優男のどこにこれだけの大きさの得物を振り回すだけの力が隠されているのだ?
「この得物だけではどうにも小回りに欠けますしね。
 手頃なサイドアームを手に入れなければ。」
 タカラギコが巨大な十字架をコツコツと手で叩いた。

「…外に出るのは勝手だが、お前ら絶対に目立つような事するんじゃねぇぞ。」
 サカーナの親方が僕達を睨む。

「ふん。こいつらと一緒にしないで貰おうか。」
 三月ウサギがオオミミとニラ茶猫の方に視線を移す。

「おい、そりゃどういう意味だフォルァ!」
 ニラ茶猫が三月ウサギに突っかかった。
「事実を述べたまでだが?」
 皮肉気に返す三月ウサギ。
 それにしても失敬な。
 この僕がついているのに、オオミミをニラ茶猫と同列に語るとは。

「まあまあ、二人とも落ち着いて…」
 オオミミが険悪なムードになった二人の間に入る。

「ふん。」
「けっ。」
 ニラ茶猫と三月ウサギはしばし目線を合わせて火花を散らした後、
 ほぼ同時にお互いそっぽを向いた。
 この二人、仲がいいのか悪いのか…

「…そんなんだから心配なんですよ。」
 高島美和が呆れたように呟く。

「天はどうする?」
 オオミミがふと天に尋ねた。
「アタシは遠慮しとくわ。
 また前みたいに恐いおじさん達に追いかけられちゃたまんないし。」
 天が首を振る。

 良かった、こいつが一緒じゃなくて。
 僕は密かに胸を撫で下ろした。

「兎に角、だ。
 くれぐれも騒ぎは起こすなよ?」
 サカーナの親方が念を押す。

「心配すんな。
 俺が居る限り大丈夫だって。」
 胸を張るニラ茶猫。
 いや、お前が一番心配なんだって。

448ブック:2004/05/25(火) 01:45



 僕とオオミミと三月ウサギとタカラギコの三人で、街中の刀剣屋の品を物色していた。
 ニラ茶猫は三月ウサギと一緒に歩くのが嫌だったのか、船を降りたとたん
『ロイヤルミルクティーと生ハムメロンで潤ってくるぞフォルァ。』
 などと訳の分からない事をぬかしてさっさと行ってしまった。
 まあ三月ウサギとニラ茶猫が一緒だと、
 サカーナの親方が心配していたように騒ぎを起こしてしまう可能性があるので、
 一人でどっか行ってくれて内心ほっとしているのだが。

「ふあ〜ぁ。」
 戦闘に武器を使わないオオミミが、退屈そうに欠伸をついた。
 僕もこういう分野には興味が無い為、いささか辟易している。

「ふむ…」
 タカラギコが大刃のナイフを手に取り、軽く手の平で遊ばせる。
 握り心地を確かめているのだろうか?

「……」
 と、タカラギコが何か訴えるような目で三月ウサギを見つめた。
 何だ?
 こいつらホモか?

「…何だその目は。」
 迷惑そうな顔で、三月ウサギが言う。

「いや、あのですね、恥ずかしながら私、一文無しなのですよ。
 ですから、優しい足長おじさんが何かプレゼントしてくれないかな〜、と。」
 縋るような視線を三月ウサギに送るタカラギコ。
 あんた、金も持ってないのに買い物について来たんかい。
 つーか、最初から人に奢らせるつもりだったのか?

「親父、そこの棚にある剣全部寄越せ。」
 三月ウサギがタカラギコを無視して店主にそう言った。

「ああ、そんな…」
 恨めしそうな声を出すタカラギコ。

「そこの棚の剣を全部?
 お客さん、冗談も大概に…」
 そこで三月ウサギが金色に輝く像をカウンターに叩きつけ、店主の言葉を遮った。
「代金はこれで充分だろう。
 分かったらさっさと剣を売れ。」
 ちょっと待った。
 その金の像って、確か…

「やばいよ三月ウサギ。それ、確か『紅血の悪賊』の船から取ってきた…」
 オオミミが小さな声で三月ウサギに耳打ちする。
 それにしても、三月ウサギはいつのまにそんなもの持って来たんだ。
 それとも、最初からマントの中に隠していたのか?

「こんな趣味の悪い像が、軍事機密な訳はあるまい。
 それに、これぐらい正当な報酬の範疇の内だ。」
 涼しい顔で答える三月ウサギ。
 やれやれ、サカーナの親方がこの事を知ったらどんな顔をする事か。

「…分かりました。
 ですがお客様、こんなに沢山の剣をどうやって…」
 棚に掛けられた大量の刃物を見やりながら店主が尋ねる。

「ふん。」
 質問には答えず、三月ウサギは次々と剣をマントの中に入れ始めた。

「あ、あの、それは一体…」
 その光景に、目を丸くする店主。
「気にするな。ちょっとした手品みたいなものだ。」
 剣を収納しながら三月ウサギが口を開く。

「手品…手品…
 うん、そうだよな。
 こんなの手品に決まってる…」
 現実逃避しているのか、店主がブツブツと独り言を言い始めた。
 この異様な現象を、無理矢理手品とこじつけて納得するのに必死なのだろう。

「いやあ、便利な能力ですねぇ。
 本当に羨ましいですよ。
 私なんか、こんな重いものを一々担がないといけないんですから。」
 背中のパニッシャーに目を向けながら、三月ウサギが溜息を吐く。

「…おだてても、お前の武器は買わんぞ。」
 冷徹に三月ウサギが言い放つ。
 三月ウサギに図星を突かれたのか、タカラギコががっくりと肩を落とした。

「オオミミ君…」
 タカラギコが、今度はオオミミに目を向けた。
「…ご、ごめんなさい。
 俺も小遣い程度しかお金持ってないし、
 果物ナイフみたいなものしか…」
 手を振りながらタカラギコの期待を退けるオオミミ。
「そうですか…」
 タカラギコが残念そうに呟いた。

449ブック:2004/05/25(火) 01:45


「…俺、先に店を出とくよ。」
 退屈が限界に達したのか、タカラギコの視線に耐えられなくなったのか、
 オオミミが外に出ようとした。
 それがいい。
 三月ウサギが剣を全部マントの中にいれるにはまだまだ時間が掛かりそうだし、
 外で何か冷たいものでも飲むとしよう。

「ああ、お気をつけて。」
 タカラギコはオオミミにそう言うと、再び三月ウサギに訴えるような視線を向けた。
 どうやら、まだまだ武器を奢って貰うのは諦めていないらしい。

「うん。俺、この店を出た所から見える位置には居るから、
 終わったら声を掛けてよ。」
 そう言うと、オオミミは刀剣屋の出入り口のドアを潜った。

(さて、どうするオオミミ?)
 僕はオオミミに尋ねた。
「そうだね。
 前にパン屋さんがあるし、そこで何か食べ物でも買おう。」
 オオミミがパン屋を指差した。
(賛成。)
 僕とオオミミは一心同体。
 本来スタンドである僕は食べ物など必要無いが、
 オオミミの感覚を共有する事で味覚を楽しむ事も出来る。
 だから、オオミミが食べた物を僕が味わう事も可能なのだ。

「それじゃ、買いに行こうか『ゼルダ』。」
 オオミミが小銭の詰まった財布を握り締めてパン屋に向かう。
 早く、オオミミ。
 僕はもう待ちきれな―――


「!!!!!!!!!!!!」
 次の瞬間、オオミミの体が何者かの腕に掴まれた。
 驚く間も無く、首に腕を回されて体を捕らえられる。
「…!?」
 自分を捕まえた人を見ようと、咄嗟にオオミミが首を後ろに向ける。
 全身を分厚いコートに包んだ、奇妙な風貌。
 背中には、パニッシャーと同じ位に大きな何かを担いでいる。
 顔はフードを目深く被っている上に、サングラスまでかけているので、
 ぱっと見ただけでは判別がつかない。
 だがオオミミの背中に当たる柔らかな二つの膨らみからして、どうやら女性のようだ。

「…!貴様!!」
 と、そこに数人の男達が駆けつけてきた。
 その手には、十字架を模した武器を持っている。

「動くな!!」
 男達が詰め寄ろうとした瞬間、オオミミを捕らえた女が声を張り上げた。
 その言葉に動きを止める男達。

「動くでないぞ。
 妙な真似をすれば、この者の首をへし折る。」
 凍りそうな程冷たい声。

 …どうやら、騒ぎを起こすのは三月ウサギでもニラ茶猫でもなく、
 僕とオオミミになってしまったようだ。
 畜生。



     TO BE CONTINUED…


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