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スタンド小説スレッド3ページ

604ブック:2004/06/14(月) 01:39


「!!!!!!!!!」
 その瞬間、ドリンク剤の瓶が大爆発を起こした。
 ガラス片が飛び散り、血飛沫が周囲に舞う。

「…ニトログリセリン。
 大変危険な為、その扱いには充分注意を払いましょう。
 俺の切り札は、ドリンク剤の中身じゃなくて空き瓶の方だったんだよな。」
 そう、ニラ茶猫は空になった空き瓶の中に、
 『ネクロマンサー』をニトログリセリンに擬態させて入れておいたのだ。

「さて、オオミミの方に加勢しに行く…」
 そこで、ニラ茶猫は言葉を止めた。
 爆発時に生じた煙の中に、立ち上がる人影を発見したからだ。

「…やって……くれたな…」
 全身を黒こげにしながらも、福男がよろめきながら立ち上がる。
 火傷が、徐々にではあるが回復していった。

「…だからお前らって嫌いなんだよ。」
 呆れたように肩を竦めるニラ茶猫。
 だがそんな軽薄な態度とは裏腹、その首筋には冷や汗が伝う。

「『テイクツー』!」
 目を血走らせ、福男がニラ茶猫目掛けて突進する。
「ちっ!!」
 接近戦では分が悪いと判断したニラ茶猫が、後方へ飛びずさる。
 しかし急所には命中しなかったものの、
 『テイクツー』の拳はニラ茶猫の右足を捉えた。

「!!!!!!
 ぐああぁッ!!!!!!!」
 悲鳴と共に、ニラ茶猫の右足が音を立てて潰れていく。
 片足を失ったニラ茶猫は、バランスを崩して地面に倒れた。

「死ね…!」
 そこに襲い来る福男とそのスタンド。
「おわあア!!」
 床を転がりながら、ニラ茶猫が何とかその一撃をかわそうとする。
 しかし完全には避け切れず、修復したばかりの左腕が再び圧壊していった。
 それでもなおニラ茶猫は転がり続け、
 その勢いを利用して地面を跳び、片足で着地する。

「逃がすか!」
 福男がニラ茶猫を追いかけながら、スタンドの拳を繰り出す。
「!!!!!!!!」
 刹那、福男の眼前で閃光が迸り彼の目を灼いた。
 マグネシウム。
 火を点ける事で、激しく発光しながら燃え上がる金属。
 ニラ茶猫は着火剤としてリンを使う事で、
 マッチやライター不要のお手製閃光弾を作ったのだ。
 リンならば、指先で擦るだけでも充分に発火させられる。

「なッ…!
 糞…!!」
 視界を奪われ、一時的に前後不覚になる福男。
 ニラ茶猫は、その隙に福男から命辛々距離を取って再生を始める。
 このダメージは、かなり大きい。


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