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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

32ブック:2004/04/11(日) 21:33
     救い無き世界
     第六十四話・常闇 〜その三〜


 俺は手足をスタンド化させ、注意深く辺りを警戒した。
 どこだ。
 奴はどこから来る…!?

「!!!!!」
 と、いきなり俺の右足が沈み体勢を崩した。
 見ると足元に空間の裂け目が生まれ、俺の右足がそこに飲み込まれている。
 こいつ、下から…

「……!!」
 すぐに脚を引き抜こうとしたが遅かった。
 空間の裂け目が閉じ、その面で俺の脚を切断する。
 激しい痛みと共に、傷口から血が噴き出した。

「でぃさん!!!」
「でぃ君!!」
 みぃとぃょぅが俺に駆け寄る。
 馬鹿。
 来るな。
 こいつは俺を狙って…

「!!!」
 突然背後に出現する殺気。
 振り向くと、またもや空間の裂け目から腕が―――

「でぃ君!!」
 ぃょぅが俺を突き飛ばした。
 俺を掴む為に伸ばされてきた腕が俺という目標を失い、
 代わりにぃょぅの体を掴む。

「くっ…!『ザナドゥ』!!」
 引き込まれる寸前、ぃょぅが空間の裂け目の中に向かって突風を打ち込む。
 敵はその風を喰らって怯んだのか、ぃょぅを掴む腕の力が弱まり
 その隙にぃょぅが空間の裂け目が閉じる直前でそこから逃れる。

「ぐああぁっ!!!」
 しかし、ぃょぅ完全には攻撃を避けきる事は出来なかったようで、
 ぃょぅは肩口の肉をごっそりと抉り取られた。
 傷口を押さえ、ぃょぅが叫び声を上げる。

「ぃょぅさん…!」
 みぃがスタンドを発動させ、ぃょぅの治療を始める。
 それでいい。
 奴の狙いはただ俺一人のみ。
 近くにさえ居なければ、恐らくみぃ達は安全だ。


「…邪魔が入ったか。」
 遠くに空間の裂け目が生じ、男がそこから顔を覗かせた。
 糞。この距離じゃ、届かない…!

「しかし、邪魔者をしばし戦闘不能には出来たようだ。
 ならば、ゆっくりと貴様を屠るまでよ…!」
 …まただ。
 またこの男から、何かが流れ込んでくる。
 これは、一体…

「この亜空が貴様の墓場となる…」
 男は俺を睨みつけると、再び裂け目を閉じて姿を消した。

「……」
 俺は先程斬り飛ばされた脚を見やった。
 新しい脚がもう生えかけているが、まだ完全ではない。
 まずいな。
 このまま再生するより早く攻撃を受け続けたら…

33ブック:2004/04/11(日) 21:33

「……!!」
 と、いきなり俺の目の前の視界が全く別のものに切り替わった。
 いや、この景色は、多分俺が元居た空間の…

「!!!!!!」
 俺はすぐさま危険を察知し、首を引っ込めようとした。
 まずい。
 俺の頭だけが外の世界に戻っている。
 このまま空間の裂け目を閉じられたら、俺の首が―――

「!!!!!」
 俺の頭が男のスタンドの手によって掴まれ、俺の動きを封じる。
 閉じ始める空間の裂け目。

(終われええええええ!!!!!)
 俺は心の中で絶叫した。
 同時に空間の裂け目が、閉じていくのを「終えて」動きが止まる。

「なっ…!?」
 その現象に動揺する男。
 今だ!
 ここで、こいつを仕留める!

「……!」
 俺の頭を掴んでいる男のスタンドの腕を、逆に掴み返す。
 良し。このままこいつをこっちの空間に引きずり込んで、
 ぶち殺…

「うぬあああああああああああ!!!!!」
 男が叫んだ。
 そして俺に掴まれていない方の腕で、俺に掴まれている腕を切り離す。

(しまっ―――!)
 しかしもう間に合わなかった。
 奴の右腕だけが、俺と共にこちらの空間に入って来る。
 そして『デビルワールド』の能力の持続が終わり、
 空間の裂け目が閉じてしまう。

 しくじった…!
 今のが、多分最初で最後のチャンスだったのに。

「……!」
 急激な脱力感。
 全身から力が抜け、再生しきっていなかった腕や脚の傷口が次々と開く。
 鋭い痛みが俺を襲い、視界が白くぼやける。
 『デビルワールド』の能力を使う事による反動か…!


(ここまでだな。)
 内側から響いてくる声。

(後は私にまかせて、ゆっくりと休んでいるがいい…)
 やめろ。
 出て来る―――

34ブック:2004/04/11(日) 21:34



     ・     ・     ・



 Z武は体を激しく震わせて、腕を切断した痛みに耐えていた。
「何だ…何なのだ、さっきのはぁ!!?
 何故空間が閉じなかった!!!」
 半狂乱の表情でZ武が叫ぶ。
 腕からは、止めど無く血が流れ続けていた。

「…あれが、あの『化け物』の能力か……!
 糞!糞糞糞糞糞!!!
 忌々しい!!
 何故あんな『化け物』がその存在を許されているのだ!?」
 Z武は叫び続ける。
 それはあたかも駄々っ子のようでもあった。

「…仕方が無い。
 『デビルワールド』をこの手で始末出来ないのは残念だが、
 このまま奴に攻撃をしかけるのは危険過ぎる…
 あのお方の邪魔をさせない為にも、ここは空間に閉じ込めたままにして―――」
 その時、Z武の頭を何者かの腕が掴んだ。

「!?」
 Z武がギョッとしてそちらを向こうとするが、出来ない。
 そこには、彼の『エグゼドエグゼス』が生み出すものと同じような空間の亀裂から、
 異形と化した腕が突き出ていた。

「―――なっ!?これは…!!」
 驚きを隠せないZ武。

「…空間を『終わらせて』、お前の開いた亜空間を突き破った。」
 空間の裂け目から、何者かの声が聞こえてくる。
 その声に、Z武は以前聞き覚えがあった。

「『デビルワールド』…!」
 Z武の頭蓋がから、みしみしと嫌な音が立ち始める。
 頭を砕かれそうな痛みに、Z武は顔を歪ませた。

「狂ったまま大人しくしていれば、もう少し長生き出来たものを…」
 『デビルワールド』が哀れむように呟く。
 しかし、手に込められた力は全く緩めない。

「ひぃ!!ひいぃ!!
 ひいあああああああああぁぁぁああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
 Z武が絶望にまみれた悲鳴を上げる。
 『デビルワールド』はその叫びを陶酔した表情で聞いて―――
 そして、一言呟いた。
「『終われ』。」
 その言葉と同時に、Z武の体が塵一つ残さず消え去った。
 まるで、最初からそもそも存在していなかったかのように。

「存在の終了…
 果たして奴は何処にいくのだろうな…?」
 『デビルワールド』は空間の亀裂からZ武の居なくなった場所を見つめながら、
 邪な笑みを浮かべるのであった。

35ブック:2004/04/11(日) 21:34



     ・     ・     ・



 …気がつくと、私達は元居た世界に戻されていた。
「……!!」
 急いででぃ君の方を見やる。
 さっき、でぃ君の体があの時の『化け物』の姿に変わって―――

「……っ…」
 でぃ君が片膝をついて息を荒げている。
 彼はすでに元の姿に戻っていた。

「でぃさん…」
 みぃ君が、彼の肩に手をやろうとする。
「……!!」
 でぃ君は、悲痛な眼差しでその手を振り払った。
 …彼の内に眠る力で、みぃ君を傷つける事を恐れているのか。

「……」
 彼に拒絶され、みぃ君が悲しそうな顔で俯く。
 私は、彼等を直視する事が出来ない。


「…!!」
 と、私の携帯電話が振動するのに気がついた。
 どうやらあの空間から脱出して、機能が回復したみたいだ。
 慌てて電話に出る。

「もしもし、ぃょぅだょぅ。」
 私は受話器に向かってそう言った。
「もしもし、ぃょぅ!?大丈夫なの!!?」
 この声は、どうやらふさしぃのようだ。
「大丈夫だょぅ。問題は無ぃょぅ。」
 肩口の傷はまだ痛むが、みぃ君のお陰で大分回復している。
 これならば、これからの闘いに支障が出る事は無さそうだ。

「それはそうと、あなた達一体どこに居るの!?」
 ふさしぃのその質問で、私はようやく一番大事な問題に気がついた。
 そういえば、ここはどこだ?
 私達があの妙な空間に引きずりこまれた場所とは、明らかに違う。

「え〜と…」
 私は周りを見回して、現在位置を特定できるものが無いか探した。
 そして、首を三十度程捻った所で一つの看板が目に入る。

「ああ、どうやらここはヌルポ町みたいだょぅ。」
 私は電話の向こうのふさしぃにそう告げる。
「ヌルポ町!?そんなに遠くに!?」
 ふさしぃが驚くのも無理は無い。
 たった数十分の間に、私達はかなりの距離の開いた場所に移動させられたのだ。
 そして、それは―――

「…どうやら、戦力を分断されてしまったみたいね。」
 ふさしぃが重く口を開く。
 そう、私達は否応無しに二手に分けられてしまったのだ。
 そしてそれを見逃す程、敵も甘くは無いだろう。

「…兎にも角にも時間のロスになってしまったょぅ。
 取り合えずこちらはでぃ君に『矢の男』の居場所を聞きながら、
 『矢の男』の所に向かうょぅ。
 随時こちらの現在位置を報告するから、ふさしぃ達もすぐに合流してくれょぅ。」
 急がねば。
 恐らくすぐにでも新手はやってくる。
 このまま戦力を分かたれたままではあまりにも危険だ。

「…分かったわ。気をつけて……」
 ふさしぃがそう言って電話を切った。
(そっちも気をつけるょぅ。)
 心の中で、ふさしぃ達の無事を祈願する。

 頼む。
 死ぬなよ、皆…!

「…さて。」
 私はでぃ君とみぃ君の方に向き直った。
「いつまでもじっとしている訳にはいかなぃょぅ。
 すぐに新しい車を手配して、『矢の男』の所に急ぐょぅ。」
 不安を振り切るように、私は無理して明るい声で彼らに告げるのだった。



     TO BE CONTINUED…


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