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スタンド小説スレッド3ページ

266:2004/05/07(金) 20:08

「ここがブリッジです。艦長が指揮を取るのは主にここですね」
 ねここは、ブリッジに俺達を招き入れた。
 眼前に並ぶいくつもの窓。
 そこから映る、大海の風景。
 この場所は、俺のイメージにも合致した。
 ここからなら、かなり遠くまで見通せるだろう。
 機械類は、さっきの部屋に比べると少ない。
「私は、CICよりこっちの方が好きなんですよ」
 ねここは言った。
 それも分かる気がする。
 何と言うか、この場所はいかにも『船』という感じだ。
 先程のCICは、言うなれば『秘密基地』だろうか。

 真ん中の窓の傍には、赤いシートで覆われた立派な椅子があった。
 他の椅子とは一線を駕している。
 そこには、三幹部の一人であるありすが座っていた。
「あれは、館長専用の椅子です」
 ねここはそう解説してくれた。
 椅子に座ったまま、クルクルと楽しそうに回転するありす。
 長いスカートがふわりと舞う。
 そう言えば、この子が館長だったか。

「どうコミニュケーションを取っていいか困るモナね…」
 くるくる回るありすを尻目に、俺は呟いた。
「ありすは私の友達だから、モナーさんも友達みたいに接したらいいですよ」
 ねここは楽しそうに言った。
 友達みたいにって言われてもなぁ…

「まあそういう訳で、モナはありすの友達モナ。よろしくモナ…」
 恐る恐る、俺はありすに声をかけてみた。
「ともだち…?」
 きょとんとした表情を浮かべるありす。
「そう、友達モナ」
 俺は微笑む。
「…ともだち」
 ありすはこくこくと頷いた。
 意思の疎通が出来たかどうかは微妙だが、まあ良しとしよう。

「大体、案内はこんな所です。居住区まで戻れますか?」
 ねここは俺達に訊ねた。
「ああ。大体の構造は把握した」
 リナーは頷く。
 俺一人だと、間違いなく迷子になるだろう。
 じゃあ、部屋に戻るか。
「おやすみモナ」
 俺は、ねこことありすに言った。
 ありすは、俺の言葉に反応してこくこくと頷いている。
 …何だ。可愛いところもあるじゃないか。

「…そう言うのを、ありすに直に言ってあげると喜びますよ」
 いきなり、俺の心中を見透かしたかのようにねここは言った。
 リナーはと言えば、怪訝そうな表情を浮かべるばかり。
 どうやら、ねここはかなり察しがいいらしい。
 ねここ……、恐ろしい子……!


 こうして、俺とリナーはブリッジから退室した。
 少し遠回りになるが、甲板に出る。
 冷たい夜風が気持ちいい。
 星空の下で、リナーと2人きり…
 ここでロマンティックな話の1つや2つを繰り出せれば一流なのだが。


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