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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

70ブック:2004/04/19(月) 00:06
     救い無き世界
     第七十話・空高くフライ・ハイ! 〜その三〜


 気がつくと、俺はぃょぅに担がれたまま運ばれていた。
 どうやら気を失っていたみたいだ。
 やはり、あれだけ強烈な風を俺達に届く前に全て『終わらせる』のは無理があったか。
「……」
 体が鉛のように重い。
 これでしばらくあの能力は打ち止めだ。
 少なくともこの闘いの最中にもう一度使う事は出来ないだろう。

「くっ…!」
 ぃょぅがコンビニの中へと駆け込む。
「きゃああああ!!」
「おわ!?」
 店員と客が、俺達の有様を見てたじろいだ。
 呑気なものだ。
 外にはとんでもない鬼畜生が飛び回っているというのに。

「……」
 俺はぃょぅの体を軽く叩いた。
「!でぃ君、起きていたのかょぅ?」
 ぃょぅが俺の体をそっと床に下ろした。

「さっきはすまなかったょぅ。
 守るつもりが守られるなんて…」
 ぃょぅがばつが悪そうに頭を掻く。
 本当に、後一瞬でも遅かったらぃょぅは砂になっていた所だ。
 みぃを置いて行くのは心配だったが、ぃょぅを助けに来て良かった。

「!!!!!!!!」
 次の瞬間、コンビニの自動ドア付近が砂子となって吹き崩れる。

「そこのお二人さ〜ん!
 隠れていると関係無い人が次々死にますよ〜!」
 上空から、女の声が聞こえてくる。
 糞、あの外道め…!

「……!」
 俺は居ても立ってもいられなくなり、すぐさまその場を立とうとした。
 それを、ぃょぅが後ろから引き止める。

「駄目だょぅ、でぃ君!
 これ以上あの力を使ったら、君は―――」
 俺はぃょぅの手を払い、静かに首を振った。

 心配してくれて感謝している、ぃょぅ。
 だけど、もう遅い。
 もう、遅すぎるんだ。
 『デビルワールド』はもう手のつけられなくなるくらいに大きくなり過ぎた。
 今更俺が闘うのを控えた所で、
 『デビルワールド』は周りから負の思念を取り込んで大きくなり続ける。
 こいつはそれ程までに力を取り戻しているんだ。

 …そして、何となくだが分かってきた。
 『デビルワールド』の目的が。
 こいつは、
 こいつは―――

71ブック:2004/04/19(月) 00:07


「……!!」
 俺はコンビニを駆け出した。
 これ以上この中に留まっては、店の中の連中まで巻き添えになってしまう。
 数瞬目を閉じて体の調子を確認する。
 大丈夫。
 疲労と消耗が激しいだけで、外傷は全く無い。
 闘える。
 まだ、闘える…!

「でぃ君!」
 後ろからぃょぅが駆け出して来る。
 頼むぜ、ぃょぅ。
 これでも頼りにしてるんだからな。

「お出ましのようね、『デビルワールド』。
 あのお方の為にも、あなたはここで私が喰い止める!」
 女が翼で風を起こす。
「『ザナドゥ』!!」
 ぃょぅが逆方向の風を発生させ、女の風を相殺する。
 一先ずぃょぅの近くに居れば、あの風は大概無効化出来るみたいだ。

「……」
 しかし、どうする?
 確かに敵の攻撃は防御出来るが、それだけだ。
 こちらからも決定打になるような攻撃は加えられない。
 かと言って、持久戦に持ち込むのも得策ではない。
 『矢の男』のスタンドが徐々に完成に近づいていっているのが、
 『デビルワールド』を通して伝わってくる。
 そして、『デビルワールド』も急激に成長し続けている。
 時間が経てば経つ程状況は悪くなっていく。
 糞、どうすれば…

「でぃ君…!」
 ぃょぅが俺に視線を投げかけた。
「?…―――!!」
 刹那の思考の後、俺はぃょぅの考えを理解した。
 そうか、これなら…!

「!!!!!!!」
 俺は腕をスタンド化させてぃょぅの体を掴むと―――

 ―――空中の女に向かって思い切り投げつけた。

「なっ!!?」
 女が驚愕する。
 その間にも、ぃょぅは猛スピードで女に向かって突進する。

「『ウインズノクターン』!!」
 女がぃょぅに向かって風を放つ。
「『ザナドゥ』!!」
 ぃょぅが推進力を完全に殺さない程度に風のバリアを張り、
 女の攻撃を防御する。

「貰ったょぅ!!」
 ぃょぅが女に拳を突き出した。
「甘く見ないで!!」
 女が翼を動かし、急旋回する。
 ぃょぅの拳は後少しの所で空を切った。
 まずい、このままでは…!

「砂になりなさい!」
 女がぃょぅに向かって風を起こそうとする。

 ―――させるか!
「……!!」
 俺はそこらにあった石を拾って、女に投げつけた。
「!!!!」
 女がそれに気づき、直撃する前に砂に変える。
 ああ、そうなる事は容易に想像出来たよ。
 だが、お前の注意を逸らす位は出来たようだな。

「『ザナドゥ』!!」
 ぃょぅが再び女に一撃を加えんと振りかぶる。
 よし、今度こそ…

72ブック:2004/04/19(月) 00:07

「『ウインズノクターン』!!」
 しかしぃょぅの攻撃はまたしても届かなかった。
 女が翼で直接ぃょぅに打撃を加えたのだ。

「がっ…!!」
 ぃょぅが体勢を崩して地面に落下していった。

「翼にはこういう使い方もあるのよ…?」
 女が今度は俺に狙いを移す。
 ヤバイ。
 俺ではあの風を防げない。

「……!!」
 脚をスタンド化。
 即座にその場を跳躍する。
 俺の居た場所に烈風が叩きつけられ、その余波が俺を襲った。
 俺の表皮が砂になって崩れていく。

 …!
 余波でこの威力。
 直撃を受けるのは相当危険だ…!

「!!!!!」
 続け跳躍して追撃をかわす。

(糞、何て様だ。)
 心の中で悪態をつきながらぃょぅの元へと急ぐ。
 ぃょぅが居なければ、この闘いはこっちが不利だ。
 一刻も早く合流しなければ。

「……!」
 探す。
 ぃょぅを探す。
 おかしい、確かこの辺りに落ちて…

「!!!!!」
 その時、俺の目に「ある物」が飛び込んできた。
 …そうか。
 そういう事か。

「……」
 俺は脚を止めて、女の方に向き直った。
「どうしたの?鬼ごっこは終わりかしら?」
 女が嘲る様な口調で言う。

 そうさ、鬼ごっこはここで終わりだ。
 ただし、手前の負けという形でな…!


「!!!!!!!!!」
 体に残された力を総動員して、近くにあった車を持ち上げた。
「―――ッ―――ァ―――!!!」
 そして、それを女に向かって投げつける。
 大きな鉄の塊が意思を持つ獣のように女に襲い掛かった。

「ふん、大方大きい物なら砂にしきれないと思ったんでしょうけど…」
 女は笑いを崩さずに呟いた。
「別に命中する前に砂にするだけが防御じゃないのよ?」
 余裕綽々といった様子で女が車をかわす。
 俺はそれと同時に女に向かって跳躍する。

「お馬鹿さんねぇ。
 自分から砂になりに来るなんて…」
 言ってろ。
 もう手前の負けは決定している。

「『ウインズノクターン』!」
 女が翼を俺に向けた。

 …今だ、ぃょぅ!!

73ブック:2004/04/19(月) 00:08

「!!!!!!!!!」
 女のかわした車のドアが開き、その中からぃょぅが飛び出した。
 そのままぃょぅは女に向かって急降下する。

「なっ…!」
 女が顔を強張らせた。
「『ザナドゥ』!!」
 ぃょぅが女の上から突風を叩きつけ、女が大きくバランスを崩す。

「『ウインドズノクター』…!」
 女がたまらずそこから逃れようとするが、もう遅い。
 俺の腕はすでに女の足首を掴んでいた。

「…!こ……!」
 女が俺を振り払おうとするが、一度接近戦に持ち込んだらこっちのものだ。
 もみ合いになりながらも、スタンド化させた腕で女の肩翼を引き千切る。
「うあ!!!!!」
 スタンドの翼へのダメージがフィードバックし、女が痛そうな悲鳴を上げる。
 悪いな。
 でも安心しろ。
 これからこの世の痛みが存在しない世界に連れて行ってやる…!

「!!!!!!!!」
 女の頭を掴み、顔から地面に叩きつける。
 上空からの自由落下速度は、すでに人間の頭蓋を粉砕するには充分な程ついていた。
 嫌な音と感触。
 鮮血が撒き散り、それきり女は動かなくなった。

74ブック:2004/04/19(月) 00:08



「……!」
 女を仕留めた事で安心して気が緩んだ所為か、
 溜まりに溜まった疲労が一気に俺の体に押し寄せた。
 司会が白くぼやけ、思わずその場に膝をつく。

「!?」
 その時、俺は自身の体に起こる異変に気がついた。
 ―――疲れが、引いていく?
 いや、寧ろ力がどんどん漲っていくような…

(これは…!)
 見ると、俺の周りにどす黒いものが渦巻き、それが俺の中へと入り込んでいた。
 これは、そうか、この騒ぎで傷ついた人々の思念…!?

「!!!!!」
 怒り、憎しみ、悲しみ、恨み、痛み、無力感、絶望感、喪失感…
 そのあらゆる感情に飲み込まれそうになる。

 破壊が負の感情を生み、それが『デビルワールド』の力となり、
 更なる破壊をばら撒いて、更なる負の感情を生み出してそれを喰らって力とする。
 そして更に更なる破壊をばら撒いて、更に更なる負の感情を喰らって―――

 ―――行き着く場所は何も無い。
 そこにあるのは、何一つ残らない、絶対たる終焉。
 終わりが終わりを呼び、それが新たな終わりを呼ぶ、
 全てが終わりに向かって進み続ける終わりへの連鎖。
 これが、これが『デビルワールド』の望むもの。
 そして、間も無くこいつは俺から…


「!!!!!!!」
 俺は意識を何とか持ち直して、必死に『デビルワールド』を押さえ込んだ。

 まだだ。
 まだ出てくるな。
 手前が出るのは、『矢の男』と向かい合った時だ。
 その時、『矢の男』もろとも一緒に消えやがれ…!

「でぃ君!」
「でぃさん!」
 ぃょぅがみぃ俺に駆け寄って来た。
 ぃょぅが俺の肩を支え、みぃが俺に自分の生命エネルギーを送り込む。


 …下らない。
 世界平和だの、神の意志だの、人助けだの、正義だのなんざ、下らない。

 ああ―――
 でも、
 こいつらの為なら、
 …あいつの為なら……
 俺は、命を懸けられる。
 俺の全てを懸けられる。

 …残り少ない自我の中で、俺は心からそう誓った。



     TO BE CONTINUED…


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