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スタンド小説スレッド3ページ
535
:
丸耳達のビート
:2004/06/06(日) 10:58
「水ですっ!」
ひったくるようにコップを受け取り、口に含んで痙攣を繰り返すフサに流し込んでやった。
咳き込みながらも口移しで薬と水を飲み下し、ようやくフサの震えが収まったのは数分が経過した後。
「…大丈夫?」
「はい。…心配、かけましたね」
真面目な口調で、フサが頷く。
何が起こったのか理解しかねている構成員に、『チーフ』が向き直った。
「そこの君…今起こった事は、誰にも言わないようにして貰えるデチか?」
「な…今のは、何なのですか!?」
直後、構成員は自分の愚かさを後悔した。
外見だけなら自分の息子と大して変わらない『チーフ』からの殺気が、爆発的に膨れ上がったのだ。
「質問を質問で返すな。学校じゃ疑問形に疑問形で返せって教わったのか?
これは頼みじゃない。命令だ。もしうっかり口を滑らせたりしてみろ…!
クソの世話すらできない廃人に変えてやる」
「―――――ッ !! !!」 ・ ・ ・ ・ ・
心の底から、恐怖がわき出てきた。コイツは、いざとなれば躊躇なくそれをやる。
スタンド使いではない彼にもわかる。今自分が対峙しているモノは、もはや人間ではない。
反射的に腰のホルスターに手を伸ばしかけ―――
「…ぎゃぁ…」
―――フサの呻きで、二人が我に返った。
「…イヤ、悪かったデチね。ゴメンゴメン。ともかく、誰にも言っちゃダメデチよ?…じゃ、また」
そう言うと、まだぐったりをしているフサを担いでドアを出て行った。
SPMの廊下で『チーフ』の背中におぶわれたまま、フサが小さく声を漏らした。
「…貴方まで…私に付き合う必要は無かったのですよ?
いつ私のようになるやも解らないし…普通に歳を取れないのは、とても辛い事」
「馬鹿。死ぬときも生きるときも一緒だよ」
「………‥‥ぎゃあ」
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