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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

436ブック:2004/05/24(月) 01:38
     EVER BLUE
     第十六話・TALK 〜探り合い〜


 オオミミと天が一緒に甲板に出て来た。
 天が甲板の手すりに背中を預ける。

「そういえば、あの時の天のスタンドって凄かったね。
 あれ、一体どういう仕組みなの?」
 オオミミが天に尋ねた。
 僕の予想では、これは本題ではない。
 いきなり本題を切り出すのも何なので、軽い世間話から入ろうという腹だろう。

「…自分の能力をペラペラ話すスタンド使いが居ると思うわけ?」
 不機嫌そうな顔で、天が答える。
 内心ムカついたが、天の言う事も尤もだ。

「ご、ごめん。
 でも、あんなに凄い力があるのに、
 どうして捕まってた時に能力を使って逃げなかったんだろう、と思って…」
 オオミミが言葉を濁す。
 言われて見ればその通りだ。
 あれだけの力、使わずに大人しく捕まるなんて、この女の性格から見ても考えられない。

「何でアタシが一々あんたの疑問に答えないといけない訳?」
 オオミミを見据える天。
 糞生意気な女め。
 鼻から親指突っ込んで、奥歯ガタガタいわせたろか。

「ごめん…」
 オオミミがしょぼくれる。
 だから、君がそうやって下手に出るからこの女が付け上がるんだよ。
 何回言ったら分かるんだ?

「…アタシの能力は、二重の意味で一人じゃ使えないのよ。」
 天がやれやれといった風に口を開いた。

「え…?」
 オオミミが不思議そうに聞き返す。

「だーかーら、アタシのスタンドは個人プレイが出来ないって言ってるの!
 同じ事何回も言わせる気!?」
 天がやや怒り顔になる。
 こいつがオオミミの質問に答えるとは、意外だ。

「特別にもう一つだけヒントあげるわ。」
 そう言って、天は懐から何やらごそごそと取り出した。
 それをオオミミに突きつける。

「傘…?」
 オオミミが呟く。
 そう、何の変哲も無い折り畳み傘。
 これが、能力と何の関係があるのだ?

「そう、傘よ。
 じゃあ、何であんたはこれを傘だと思ったの?」
 天がオオミミに質問した。
「え?だって、これどっからどう見たって傘…」
 オオミミが訳が分からないといった顔で答える。
 何を言ってるんだ、この女は。
 禅問答でもするつもりか?

「…つまりは、そういう事よ。
 これがアタシの『レインシャワー』の力。
 後は自分で考えなさい。」
 天がそう言って会話を打ち切る。
 結局どういう事なのか皆目見当がつかない。
 全く、勿体つけやがって。

「あの、何で俺にこんな事を?」
 オオミミが尋ねた。
「別に。あんたになら少々教えた所で害は無さそうだし。」
 そっけなく答える天。
 つまりは、オオミミが自分にとっては敵にすらならない腑抜けと言いたい訳か?
 どこまで厭味な女なんだ。

437ブック:2004/05/24(月) 01:39

「…そんな事より、こんな事を聞くためにわざわざ呼びつけたんじゃないんでしょう?」
 天がオオミミに向き直る。
 やはり、天も今のが本題ではない事には気づいていたみたいだ。

「…うん。」
 オオミミが天から視線を逸らす。
「あの、さ。
 天はサカーナの親方には、あの『紅血の悪賊』が何を運んでいたのか知らない、
 って言ってたよね。
 でも、あの女吸血鬼も、男の吸血鬼も、天に変な視線を送ってただろ?
 だから…」
 意を決したようにオオミミが口を開いた。
 というかオオミミ、こんな女に遠慮する必要は無いぞ。

「だから、何よ?
 本当は何か知っているのかこっそり教えてくれ?
 教えないと酷いぞ?
 それともアタシの弱みでも握ったつもりかしら?」
 天が責めるようにオオミミをなじる。

「違う!
 俺は、天が言いたくないなら皆にはこの事は黙っておくつもりで…」
 オオミミが必死に否定する。
 馬鹿、オオミミ。
 そんな事、皆の前でバラしてやればよかったのに。

「…呆れたお人好しの偽善者ね、あんたって。」
 天が大きく息を吐いた。

「ごめん。こんな事、聞かない方がよかった。
 だけど、『紅血の悪賊』や帝國の狙いが何なのか分かれば、
 対策の立てようがあるかもしれない。
 だから、出来れば教えて欲しいと思って…」
 オオミミが呟くように天に言う。

「…悪いけど、本当にアタシは何も知らないわ。
 大方、『紅血の悪賊』が何か勘違いしてるんでしょ。」
 天がもたれ掛かっていた手すりから離れる。
「話は終わり?
 なら、そろそろ部屋でゆっくりさせて貰うわね。」
 天はそう言い残すと、そそくさとその場を離れようとした。

「ごめん…」
 天の背に、オオミミが何度目かの謝罪の言葉を向ける。

「……」
 と、天が急に足を止めた。
「…アタシこそ、ごめんなさい。」
 …ごめんなさい?
 何に?

「天―――」
 オオミミが天を引きとめようとしたが、天はそのまま走り去ってしまった。
 オオミミが一人、その場に取り残される。

(オオミミ、何であんな奴にそんなに気を使うんだよ。)
 僕はオオミミに文句を言った。
 オオミミはあの女の尻にしかれてばっかりだ。
 ここは一つ、僕がきっちり言っておかねば。

「…ごめん、『ゼルダ』。」
 オオミミが呟いた。
 本当に君は、そうやって誰にでも謝ってばっかりだな…

438ブック:2004/05/24(月) 01:40



     ・     ・     ・



 オオミミが甲板から降りてから少しして、三月ウサギが物陰からぬるりと現れた。
 三月ウサギのマントが、風を受けて緩やかにはためく。

「盗み聞きなんて、趣味が悪いですよ。」
 と、後ろから軽い声がかかった。
 大して驚きもしない様子で、三月ウサギがゆっくりと振り返る。

「人の事は言えないだろう。」
 三月ウサギが静かに告げた。
 後ろに立っていたのは、タカラギコだった。

「あらら、ばれちゃってましたか。
 姿だけでなく、気配も消しておいた筈なんですけどねぇ。」
 タカラギコが笑いながら頭を掻く。
 三月ウサギは、そんなタカラギコを冷ややかに見つめた。

「…で、どうするんですか?
 今のを、サカーナさんに伝えておくんですか?」
 タカラギコが三月ウサギに尋ねた。

「…ふん。
 あの親父だって間抜けじゃない。
 あの女の嘘なんざ、とっくに見抜いているだろう。
 それに、無理矢理秘密を聞き出した所で、
 『紅血の悪賊』に狙われている事は変わらん。
 それに相手は、『盗んだものを返すから見逃してくれ』、
 などという取引が通用するような相手じゃない。
 どの道戦うか、逃げるか、死ぬかしか選択肢は無いんだからな。
 ならば奴らが何を狙っているかなど、今の所聞くだけ無駄だ。」
 事も無げに、三月ウサギが答える。

「兎に角今は安全な場所に移動して、
 詳しい事を聞くのはそれから、ですか。」
 タカラギコが肩をすくめた。
「ふん、さてな。」
 三月ウサギが手すりに腕を置く。

「しかし、内心気が気ではないのではないですか?
 オオミミ君があなたを差し置いて女の子と二人っきりでお喋りして。」
 タカラギコがからかうように言った。

「…今ここで死ぬか?」
 三月ウサギがマントの中から剣を取り出す。
 無数の刃物が、甲板に突き刺さった。
「ちょ、ちょっと、冗談ですよ!
 暴力はいけません暴力は。」
 タカラギコが慌てて三月ウサギをなだめる。

「……」
 タカラギコの余りに情けない声に気を削がれたのか、
 三月ウサギは無言で刃物をマントの中に戻した。

「いや失敬。
 どうも昔から私は一言多いみたいでしてね。
 同僚にもよく注意されましたよ。」
 タカラギコが剣を収める三月ウサギを見て胸を撫で下ろす。
 三月ウサギは完全にやる気を無くして溜息を吐いた。

439ブック:2004/05/24(月) 01:40

「…貴様、どこまで知っている?」
 三月ウサギが、話題を変えた。
「知っている、と言いますと?」
 そう聞き返すタカラギコ。

「とぼけるなよ。
 帝國の軍事機密が何なのかは私にも全く分からない、
 などという言葉を、完全に信用しているとでも思っているのか。」
 三月ウサギがタカラギコを睨む。
 しかしタカラギコはその視線を軽く受け流した。

「そんな恐い顔しないで下さいよ。
 ただでさえ、さっきのサカーナさんの気迫に圧されて
 肝を冷やしたばかりなのですから。」
 よくもまあ抜け抜けと、と三月ウサギは思った。
 タカラギコは意図的に自分の実力を隠していると、三月ウサギは考えていた。
 むろん、彼もタカラギコと闘って負けるとは考えてはいない。
 だが、何と言うかタカラギコは底が知れないのだ。
 強いとか弱いとかという問題では無く、もっと、別の何か…

「…前に言ったように、こちらもまだ手札を全て見せるという訳にはいきません。
 色々ややこしい問題もありますので。
 ですが、今の所私はあなた達の敵ではありません。
 その点だけは、信用して頂けませんか?」
 タカラギコが三月ウサギの顔を見た。
「『今の所』、か。
 ずいぶんとまあ胡散臭い言葉だな。」
 皮肉気に三月ウサギが呟く。

「すみません。
 こちらもこれから状況がどう変わっていくのか分かりませんので、
 どうしても曖昧な言葉を使わざるを得ないのですよ。」
 タカラギコが申し訳無さそうに言う。

「信用がならない、という点においては信用出来るというやつだな。」
 三月ウサギがタカラギコを見据える。
「これは手厳しい…」
 タカラギコが苦笑する。

「まあ、私があなたの立場なら、矢張り私のような人間は信用しませんけどね。
 ですがまあ、ご一緒させて頂く以上は全力であなた方を護衛させて頂きます。」
 タカラギコが微笑みを浮かべた。

「好きにしろ。」
 三月ウサギがそっぽを向いて答える。
「…だが、少しでもおかしな真似をしてみろ。
 その瞬間、貴様の頭と胴が切り離されるぞ。」
 三月ウサギが低い声で告げた。

「…肝に銘じておきます。」
 タカラギコは相変わらずの笑顔のままでそう返す。


「…そろそろ、島に上陸のようだな。」
 三月ウサギが呟く。
 甲板からは、島の港がすぐそこまで近づいているのが見て取れるのだった。



     ・     ・     ・



 ややくたびれた感じのホテルの廊下を、数人の男が慎重に歩いていた。
 その手には、十字架を模した銃や剣が握られている。
「……」
 先頭を歩いていた男が、手を出して後続の進行を止めた。
 そして、廊下の奥の方にある部屋の一つを指差す。

「…これより、突撃する。
 いいか、相手はあの『ジャンヌ・ザ・ガンハルバード』だ。
 決して気を抜くな。
 日中とはいえ、並みの吸血鬼以上の力を持つと思え。」
 先頭の男の言葉に、後ろの男達が頷く。

「行くぞ…!」
 男達が、部屋のドア目掛けて駆け出した。



     TO BE CONTINUED…


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