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スタンド小説スレッド3ページ

425:2004/05/23(日) 21:40

「そして、対地ミサイル。地上攻撃用だ。
 まあ爆弾のようなもので、破片榴弾が主流だ。
 対地ミサイルというのは、さらに用途が分かれるので一概に説明は出来ない。
 射程1万kmを超える対地ミサイルはICBM(大陸間弾道ミサイル)と呼ばれるな」
 ほう。
 対地ミサイルは、種類も一杯…と。

「最後に、対戦車ミサイル。その名の通り、戦車を破壊するミサイルだ。
 現代の第三世代MBT(主力戦車)は、通常の砲撃では撃破し難いからな。
 このミサイルには、HEAT弾と呼ばれる成形炸薬弾を使用している。
 言わば、対装甲用に特化した専用弾頭だな」
 ふむ。
 対戦車ミサイルは、戦車破壊に特化したミサイル…と。そのままだが。

「これらのミサイル攻撃を防ぎ、また自らも幾多のミサイルで武装した艦が、このイージス艦だ」
 いよいよ本題という風に、解説に力を入れるリナー。
 俺は、何となく姿勢を正した。
 リナーは解説を続ける。
「このタイコンデロガ級イージス艦には、スタンダード艦対空ミサイルとハープーン対艦ミサイル…
 そしてトマホーク巡航ミサイルが装備されている」

「でも、どこにあるモナ?」
 俺は、『アウト・オブ・エデン』で艦の外観を視る。
 ミサイルの発射台のようなものはどこにも見当たらない。
「前部と後部の甲板に、正方形で区切られた区画が見えるだろう…?」
 リナーは言った。

 確かに、前部甲板の真ん中に1.5mほどの正方形の部分がズラリと並んでいる。
 その数、約60個。これは、何かのフタか…?
 後部甲板にも同じものが並んでいるが。

「それが、VLS(垂直発射システム)。ミサイルの格納庫と発射口を兼ねている」
 リナーは解説した。
 なるほど…
 あのフタがパカッと開き、ミサイルが飛び出すわけか。
 フタは、とんでもない数である。
 あの中に、無数のミサイルが…

「で、他の武装だな。艦の前後に1門ずつ装備されているのが、127mm単装艦載砲だ。
 対艦ミサイル、水上艦、陸上目標の破壊とオールマィティに使える。
 君はたった1門しかないとか不平を垂れていたが、1門しかないのは増やす必要がないからだ。
 あの砲は、イージス・システムとのリンクにより同時に100以上の目標を捕捉・撃破できる」

「それは、すごいモナね…」
 俺は、素直に感嘆した。
 砲門数が少ない=弱いという考えは、それこそ大艦巨砲主義の過ちそのものだろう。
 戦闘に於いて、外見で判断するというのは論外である。
 俺は大いに反省した。

「で、艦橋に備え付けられているのがCIWS20mm機関砲だ」
 リナーは説明を続ける。
 あの、ガトリング砲のオモチャみたいなやつか。

「あれは近距離防衛用だ。寸前まで迫った航空機やミサイルを叩き落す役目だな。
 射程距離は1.5Kmと短いが、毎分3000発の発射速度と高い命中率を誇る。
 捜索・探知・脅威度評価・追尾・発砲・弾着修正・撃破確認・次目標探知を全て自動でこなし、
 イージス・システムとリンクして、多数の目標を同時捕捉できる。
 航空機10機程度なら、20秒で叩き落せるな。
 とは言え、この兵装には威力の低さという弱点があるが」
 リナーは一息で言った。
 聞いているこっちも、段々疲れてくる。

 リナーは、言葉を切るとお茶を口にした。
 やはり、喋り続けていると喉が渇くのだろう。
「他にも、対潜ロケット・アスロックを装備しているので、潜水艦とも互角以上に戦える」
「対潜ロケット…? ミサイルとは違うモナか?」
 俺は訊ねた。
「まあ、魚雷のようなものだ。ロケットとミサイルの区別は非常にややこしい。
 映画はもちろん、報道メディアでも混同している場合が多いな。
 無反動砲や携帯ミサイル、誘導と非誘導ミサイル、さらにグレネードランチャーまでごっちゃになっている場合がある。
 さらに、バズーカと呼ばれる対戦車ロケットの固有名詞呼称問題なども無関係ではない…」
 リナーは言った。
 俺はふと時計を見る。何と、もう12時。
 すでに昼時だ。

「リナー、昼食を食べに行かないモナ?」
 俺は、リナーの話が途切れるタイミングを見計らって食堂に誘った。
「あまり食欲はないが… まあ、たまには普通の食事も悪くないな」
 リナーは承諾したようだ。
 俺とリナーは、連れ立って部屋を出た。


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