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スタンド小説スレッド3ページ
1
:
新手のスタンド使い
:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●
このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。
◆このスレでのお約束。
○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。
○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。
○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
望ましくない。
○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
発動させるのも自由。
★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。
636
:
丸耳達のビート
:2004/06/16(水) 01:18
むかーし昔十六世紀、イタリアはベネツィアのお話。
ベネツィアの貿易商アントーニオは、親友バッサーニオの為に金貸しのシャイロックから結婚資金を借りてやる。
しかしバッサーニオの船が難破し、借りた金を返せなくなってしまった。
その上彼は、金貸しシャイロックから金を借りるときの証文にこう書いている。
『期限までに全額を返せなければ胸の肉一ポンドを差し出す』―――と。
裁判の場で胸にナイフを突き立てようとするシャイロックだが、裁判長はこう言った。
「待つがよいシャイロック。確かに胸の肉一ポンドはお前の物だ。しかし、皮や肉、骨はその限りではない。
一筋でもその皮に傷をつければ、一滴でも血をこぼしたなら、私達はお前を捕らえ、牢へ入れる―――」
シャイロックはどうすることもできず、アントーニオは金も返さずにめでたしめでたしどっとはらい。
637
:
丸耳達のビート
:2004/06/16(水) 01:19
「―――『ベニスの商人』って…なんで『ベネツィアの商人』って言わないのかねぇ。
昔ずっと『ぺ』だと思ってて仲間内から大笑いされて…あーいや、ンな事ぁともかく」
ぷらぷらと六本指の手首を揺らしながら、ッパがマルミミへと近づいてくる。
「あれに出てくる金貸しのシャイロックって、さも悪徳商人みたいに書かれてやすよね?
…けど、彼はなーんも悪いことなんてしておりやせん。…実は彼、ユダヤの人種だったそうなんです。
そう考えると酷い話でしょ?胸の肉一ポンド…要するに、『命張って返せよゴルァ』って証文まであったのに、
裁判官の贔屓で踏み倒されちまった。…あっしみたいなッパ族もね。結構そんな感じですよ」
よっこらしょ、と気を失ったマルミミを担ぎ上げる。
先程スリ取った心臓をスタンドの掌で転がしながら、マルミミに向けて語りかけた。
「ふぐりだの何だのと結構迫害受けてましてね…その上あっしはこんな六本指でしょ?
底辺の更に底辺扱いされて…気が付きゃいつの間にか橋の下。
けど、あっしの『プライベイト・ヘル』ならね。血も流さず、皮も切らずに、胸の肉をえぐり出せる…ん?」
ぷにぷに、とマルミミの心臓を『プライベイト・ヘル』で軽くつつくが、スタンドの気配がない。
辺りを見回すと、少女の乗っていた車椅子がどこかに消えていた。
「…ッチ。油断しちまったねぇ…あのスタンド…女のカラダに入って逃げたかい」
前と後ろは舗装されていない、平坦な田舎道。右手には田んぼが広がっている。
どれも、隠れられる所はない。
「っつーと…こっちの竹林か」
一人呟き、ガサガサと音を立てて左手の竹林へ足を踏み入れた。
―――何なんだ、あの男は。
しぃの鼓動を借りながら、B・T・Bが冷や汗を流した。
掌を広げて、鼓動を感知する。探るのはリズムではなく、『生命のビート』の正確な位置。
通常なら胸の真ん中よりも少し左寄りにある、鼓動の中心部…
・ ・ ・ ・ ・
それがどういう訳か、尻にあった。
「―――ヤハリ…!」
638
:
丸耳達のビート
:2004/06/16(水) 01:21
肌に一筋の傷さえも付けずにマルミミの心臓を抜き取った所を見れば、
おそらく能力は『対象の中身を抜き取る』事。
それで本体の心臓を抜き取って、静寂のビートをやり過ごした。
心臓を抜き取られる瞬間にしぃの体へと潜り込まなければ、自分も一緒に捕獲されていただろう。
「シカシ…取リ出シタ 心臓ヲ ドコニ シマッテル カト 思エバ ヨリニヨッテ 尻ノ ポケット……」
…いや、確かに理にはかなっている。
B ・ T ・ C
静寂のビートは、心臓に衝撃を与えないと効果はない。
心臓など大抵は左胸にあるのでいちいち何処にあるかなど調べはしないし、
よもや尻に心臓があるなど逆立ちしても思いつくまい。
「ダカラト イッテ 尻…」
鼓動を扱うスタンドとして、敵の物とはいえあんまりな扱いをされている心臓に同情しかけてハッと我に返る。
いやいやいやいや、考えるべき事は尻がどうこうではない。
B ・ T ・ C
自分の心臓を取り出して、静寂のビートを無効化。
しぃの鼓動をエネルギー源にしているのを判っていたかのような言動。
私が本体から離れて活動できるスタンドだと一瞬で見抜き、追ってきている。
これらから考えられる結論はただ一つ。
あの男は静寂のビートの特性を…B・T・Bの能力を知っていた。つまり…
(能力ガ…バレテイル !?)
639
:
丸耳達のビート
:2004/06/16(水) 01:22
B・T・Bの白塗りメイクが青ざめる。
心拍を停止させるには、その特性上何回かに分けて衝撃を与えなくてはならない。
マイクロセカント
単純なスピードなら一万分の一秒単位で動ける自信があるが、問題は本体。
車椅子で気を失っている病み上がりのしぃと、パッチリ起きている健康体のあの男。
油断させての不意打ちならともかく、一から十まで見抜かれてる今では―――
(圧倒的不利…ト、言ウワケカ…)
ッパが尻ポケットから、アクリルケースに入った自分の心臓を取り出した。
フタを開けると心臓がふわりと舞い上がり、ッパの胸へと吸い込まれる。
代わりにスタンド…『プライベイト・ヘル』と言ったか…の持っているマルミミの心臓を中に放り込み、フタを閉めた。
ケースの中でびくびくと脈動しているが、血は血管の断面から一滴も流れていない。
「さーて…もう気付いてやすね?ビート・トゥ・ビート君。アンタの主人の心臓は預からせて貰ってやす。
辛うじて生きてるくらいに血流は通してやっておりやすが…大人しく出てきて捕まるなら、コレは返してあげやすよ?」
余裕たっぷりのッパの声に、B・T・Bが小さく舌を打った。
―――大人しく出てくれば捕まれば心臓を返す?
そんな約束を守るほど紳士的な物腰では無かったろうに、何を言っているやら。
ここで出て行こうものなら、ほぼ間違いなく御主人様ごと縛られて拉致される。
そうなってしまえば銃を向けられても平然としていた奴らのこと、何をされるか判らない。
…と言うかそもそも、あいつらは何者だろう。先程は、『うちらの御大の命令』と言った。
『御大』というのが<インコグニート>の事だとしても、御主人様を殺さないのはおかしい。
あそこまでプッツン切れた奴が、わざわざ生け捕りにするものだろうか…?
がさっ。
笹の葉を踏みしめる音で我に返る。
後ろを見ると、ッパはもう数メートル程に迫っていた。
「見つけやしたよ。遮蔽物の多いトコなら…逃げ切れるとでも思いやしたか?」
「Oh Shit―――Son・of・a・Biiiiitcccch…!」
640
:
丸耳達のビート
:2004/06/16(水) 01:23
「さーて…もう気付いてやすね?ビート・トゥ・ビート君。アンタの主人の心臓は預からせて貰ってやす。
辛うじて生きてるくらいに血流は通してやっておりやすが…大人しく出てきて捕まるなら、コレは返してあげやすよ?」
竹林から、男の声が聞こえてくる。
かひ、かひ、と、途切れ途切れの呼吸音。
口元を流れる涎と鼻水が気持ち悪い。
「く…そぉ…っ!」
銃の一丁も扱えなかった。
吸血鬼化できずに、肉弾戦でも役に立たなかった。
挙句の果てに心臓を奪われて、棺桶に片足を突っ込んだ状態でB・T・Bの足を引っ張っている。
B ・ T ・ H
情熱のビートを使っていたときでさえ、自分の弱さに嫌気がさしたのに。
何にも助けて貰えない僕だけの僕は、それよりも更ににちっぽけな存在だった。
酸欠と涙で、視界が滲む。
また、九年前と同じ。
誰かを守るなんて、軽々しい覚悟でできる事じゃ無いんだ。
そう、生きていくだけで精一杯の弱い僕は。
自分以外は何も守ることなど出来ないから。
641
:
丸耳達のビート
:2004/06/16(水) 01:24
―――だから僕は。
―――――弱い、僕が。
――――――――何かを守ろうと、思ったのなら。
(…命を捨てる覚悟で…守らなくちゃいけなかったんだ…!)
キヒィ―――ッ…と自分でも心配になるような音と共に息を吸い、肺から血液へと酸素を溶かし込む。
(確かに…僕は弱い)
ゼンドウ
体内に意識を集中する。血管壁を蠕動させて、滞っていた血流を僅かずつだが巡らせていった。
(…だけど、それでも、だからこそ―――――)
靄のかかった思考が、だんだんと晴れてくる。
それでも呼吸はキヒィ―――ッ、キヒィ―――ッ、と半死人。
不随意筋を動かすのは神経を使う。
激しい運動の中では、この処置も出来なくなるだろう。
(僕は……)
だが、その目に宿るのは強靱な意志。
チャンスは一回。少しでも酸素を巡らせておいて、一気に仕留めなくてはならない。
ジャケットの裏に吊った、格闘用ナイフに手を伸ばす。
メリケンサックの端から刃が伸びているような感じの品で、力が入らなくても取り落とすことはない。
涙と鼻水と涎を乱暴に拭い、ぎゅっ、と目を瞑り、開き―――気合いと共に、体を起こした。
(強く、なりたい…!)
/└────────┬┐
. < To Be Continued... | |
\┌────────┴┘
642
:
丸耳達のビート
:2004/06/16(水) 01:25
(丸)
( ´∀`)<今回のスペシャルサンクスー!
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 提供してくれた新手のスタンド使いさんミテルカナ?
| 『プライベイト・ヘル』、アイデア提供ありがとうございます!
\ ___________________
 ̄ ̄ ̄|/
∩_∩ オ茶ドゾー
( ´∀` )つ旦~
m9 =============
(丶 ※※※※※ゞノ,)
643
:
丸耳達のビート
:2004/06/16(水) 01:26
武器いろいろ。
╋━━━
『三段式警棒』
いつもマルミミのジャケット裏に吊ってある特殊警棒。
振ると小気味よい音を立てて伸びる。
特に仕掛けがあるわけでもないが、SPM財団の最先端技術を使っているため強度は高い。
∞∞二フ
『格闘用ナイフ』 ∩_∩
今回初登場、マルミミのサブウエポン。 ( ´∀`)<コンナカンジデス。
メリケンサックの端から刃が出ているような感じで、逆手に持って使う。( つ
(丸) リ
…AAがショボい?聞こえなーい。( ;´3`)〜♪
『セラフィム』
スピードモナゴン謹製の拳銃。
454カスール弾使用、装弾数六発のリボルバー。
象狩りに使われるような銃弾で、パワー型のスタンドでも撃ち抜ける。
『銃の一丁も扱えなかった』と言われてるけど、
初心者が打てば狙いより肩が外れる。
興味ない人は、『デカくて重い凄い銃』と思って下さい。
『ケルビム』
スピードモナゴン謹製の拳銃その二。
38SP弾使用、装弾数十八発のオートマチック。
人は充分殺せるが、スタンドにはあまり効かない。
反動が少なく軽いため、B・T・Bでも撃てる。
興味ない人は『扱いやすい豆鉄砲』と思って下さい。
(丸)
(;´д`) 拳銃のAAは勘弁して〜。
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