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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

251ブック:2004/05/06(木) 16:09
     EVER BLUE
     第六話・GUN=HALBERD 〜血塗れの鋼〜 その二


「IIIEEEEEYYYYYYAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」
 大きく踏み込み、『ガンハルバード』の斧の部分での右肩口からの袈裟斬り。
 スウェイバックにより、紙一重でかわす岡星精一と名乗った男。

「『ヘッジホッグ』!!」
 岡星精一が青い半獣人のような姿をしたスタンドを発動させ、
 攻撃を外した私の隙を突き、懐へと侵入して攻撃を加えんとする。
 近寄って来るという事は近距離パワー型か。
 大方、この長物では接近戦に対処出来ないと踏んだのであろう。
 だが―――

「甘い!!」
 『ガンハルバード』を手元で半回転させて持ち替え、
 柄の根元の部分で男の鳩尾を打つ。
 その衝撃で岡星精一は後方へ吹き飛んだ。

「ごえええええ!!!」
 岡星精一が腹部を強かに打ち、胃液の口から出しながら悶絶する。

「散れぃ!!」
 倒れた岡星精一に向かって『ガンハルバード』の刃先を突き出す。
「おわあ!!」
 だが、あと一歩の所でその場から飛びのかれてしまった。
 しかし、仔細無い。
 『ガンハルバード』の銃口を岡星精一に合わせ、グリップ部分の引き金を絞る。

「うおわああああああああ!!!!!」
 鋼鉄の獣の咆哮が、岡星精一に襲いかかった。
 雨のように降りかかる銃弾を、岡星精一はそのスタンドでガードする。
 が、矢張り全ては受け切れなかったみたいで、
 彼の肩や腕の部分から赤い液体が散る。
 しかし急所には一発も当たっていない所は、流石といった所か。

「あ、危ないじゃないですか!
 本当、死ぬかと思いましたよ!」
 儂と大分距離をはなした所で、岡星精一が息を切らした。
 殺し合いをしておきながら『危ない』などとは、つくづくふざけた男だ。

「いやしかし…凄まじい得物ですね、その『ガンハルバード』は。
 槍の刺突に、斧の斬撃、さらには接近戦での柄の部分による打撃、
 それだけでも充分恐ろしいのに、
 挙句の果てには遠距離での銃撃まで兼ね備えている。
 狭い屋内ならばいざ知らず、このような開けた場所では死角がどこにも見当たらない。
 まさに全距離対応型兵器(オールレンジウェポン)。
 これはじゅんさい並に素晴らしい存在ですよ。」
 感心したように口を開く岡星精一。

「…今更命乞いをした所で無駄じゃぞ?
 『正義』という言葉を口にした瞬間、お主の命運は潰えたのじゃ。」
 儂は『ガンハルバード』を構え直した。
 油断は出来ない。
 こいつの顔には、まだまだ余裕の色が残っている。

「命乞い…?まさか。
 ですが正攻法で貴女に勝つのは私には無理のようなので、
 そろそろズルをさせて貰います。」
 岡星精一が飛び上がった。
 そして瞬く間に近くの建物の上に駆け上がり、
 その屋上から儂を見下ろす。

「人間である私が、夜に吸血鬼である貴女と闘うのに、
 何も下準備をしていない訳が無いでしょう。」
 その言葉と同時に、岡星精一のスタンドがその建物の屋上に取り付けられていた
 貯水タンクを私に向けてひっくり返した。

「!!!」
 貯水タンクの中の液体が儂に浴びせられ、
 その上辺り一面は水浸しになってしまった。

 …!?
 待て、この匂い。
 まさか…重油!?

「点ではなく、避けられない面攻撃。」
 岡星精一が、建物の上から火のついたライターを投げ落とした。

 まずい。
 これでは―――

 火―――重油―――

 着火

      今

  熱

252ブック:2004/05/06(木) 16:09


「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!」
 儂の体を紅蓮の炎が包み込んだ。
 さらに炎は周りの空気を奪って呼吸を困難にし、思考回路を減退させる。

「UUUUUUWWWWWWWWWWAAAAAAAA!!!!!!!!」
 無様に転がりながら、体についた火を何とか消し止める。

「!!!!!!」
 その時、背中にゾクリとするものを感じた。

 殺気―――

 反射的に、体を動かす。
 同時に、さっきまで儂の頭があった場所に、
 岡星精一の『ヘッジホッグ』の拳が穴を開けた。

「外しましたか…」
 業火を背に、岡星精一が呟いた。

「きゃああああああああああ!!」
「うわああああああああああ!!」
 いきなりこの場を埋め尽くした炎に、住民たちが悲鳴を上げながら逃げ惑う。

「…貴様……自分が何をしたか分かっておるのか……!?」
 岡星精一を睨みつける。
「…?何の事です?」
 しかし岡星精一は訳が分からないといった顔をする。

「この火事の事じゃ!!
 貴様は、自分の守るべき民草まで巻き込んでおるのじゃぞ!!!」
 火傷の痛みも忘れて、叫ぶ。
 今この火災で苦しんでいるのは、何の戦う力も無いか弱気者達だ。
 それを、こいつは喰う為でも生きる為でもないのに平気な顔で巻き込んだ。
 そしてそんな奴が、済ました顔で『正義』を名乗る。
 これが、これがお前ら『聖十字騎士団』のやり口か…!

「何、貴女という厄災を祓う為の尊い犠牲ですよ。
 ここで貴女を生かして帰す方が、そり人々の不利益になりますのでね。」
 一つも悪びれない顔で岡星精一が答える。
「人々の不利益じゃと!?
 はっ、白々しい!!
 『聖十字騎士団』(お前ら)の不利益であろうが!!!」
 『ガンハルバード』の剣先を岡星精一に向ける。
 これが『正義』か。
 これが『正義』だというのか。

「ふふ。『聖十字騎士団』の不利益は、
 それに縋る人々の不利益も同然ですよ。
 それよりお喋りをしていてよろしいのですか?
 もうすぐ日も明けますよ。」
 癪に障るくらいに丁寧な口調で、岡星精一が儂を挑発する。

「この…下種が……!
 『限命種』(ニンゲン)がああああAAAAAAAAAAA!!!!!」
 跳躍。
 岡星精一の首筋目掛けて迫る迫る迫る迫る―――

「!!!!!」
 その時、儂の足元が突然滑り、動作が中断された。

「!?」
 足元を見てみると、水溜りがまるで油のような質感に変わっている。

「『ヘッジホッグ』!!」
 その一瞬の隙を狙って、岡星精一が拳を放ってくる。

「くっ!!」
急いで後方にジャンプ。
 間一髪の所で攻撃をかわす事が出来た。

 …しかし、これで分かった。
 さっきの貯水タンクの重油。
 今の油みたいな水溜り。
 これは―――

「…液体の変質化。」
 儂は岡星精一を見据えながら言った。

「その通り。
 まあここまで見せればバレて当然ですか。」
 続けざまに『ヘッジホッグ』が儂に向けて透明なカプセルボールを投げつける。

「!!!!!」
 眼前で破裂するカプセルボール。
 そこから飛び散った液体が儂の肌を灼いた。
 これは、酸か…!

「UUOOOOOOOOOOOOO!!!!!!」
 しかし痛みにかかずらわっている暇は無い。
 痛覚を遮断(き)る。
 そのまま、儂は岡星精一に向かって飛び掛かった。

253ブック:2004/05/06(木) 16:10



     ・     ・     ・



 上段、中断、下段、右、左、正面。
 あらゆる方向から超高速での斬撃、打撃が飛んでくる。
 流石は『ジャンヌ・ザ・ガンハルバード』。
 これが、『常夜の王国』の懐刀の実力か。

「RRRRRYYYYYYYYYAAAAAAAAA!!!!!!」
 攻撃がさらに速度と重さを増す。
 矢張り、接近戦では敵わない。

 並みの相手ならあの水を重油に変えての攻撃で難無く焼却出来た筈なのだが、
 そう簡単には殺(と)らせてくれないようだ。

「WWWWWWRYAAAAAAA!!!!!」
 どんどんジャンヌからの攻撃を捌き切れなくなってくる。
 だが、いい。
 もう間も無く夜が明ける。
 そうなれば、こちらの勝利は揺るがない。
 夜明けまでおよそあと一分。
 それ位なら、攻撃を凌ぐ事に徹すれば生き延びる事は充分に可能だ。
 勝てるぞ。
 あの『ジャンヌ・ザ・ガンハルバード』に。


 …しかし妙だな。
 私の『ヘッジホッグ』が見えているという事は、奴もスタンドを使える筈だ。
 なのに、先程から向こうがスタンドを使ってくる様子は無い。
 肉体強化型の能力なのか?
 いや、考えるな。
 今は、相手の攻撃を受け切る事に専念しろ。

 だが、やっぱりおかしい。
 そういえば、今までの『ジャンヌ・ザ・ガンハルバード』との交戦記録によると、
 日中の闘いにおいても『聖十字騎士団』の手練が、奴に返り討ちに遭っている。
 これは、異様だ。
 日中の闘いで、『聖十字騎士団』がいくら強いとはいえ吸血鬼に敗れるなどと―――


「!!!!!!」
 その時、私の体を電流のようなものが走った。
 何だ。
 何だ、今のは。

 …これは、恐れ?
 私が、恐れている?
 何に?
 『ジャンヌ・ザ・ガンハルバード』か!?
 いや、確かに奴は恐ろしい。
 だが、もうあと三十秒もしないうちに夜は明けるのだ。
 最早彼女を恐れる理由は微塵も無い。
 無い筈なのだ。
 なのに…何故私は彼女を恐れている!?
 まるで、このまま夜が明けないような、
 覚めない悪夢を見るかのような、
 そんな恐れ―――

254ブック:2004/05/06(木) 16:10



     ・     ・     ・



「!!!!!!!」
 いきなり、岡星精一が大きく退いた。

「待て!逃げるのか!?」
 大声で奴を呼び止めるも、岡星精一は構う事無く私から離れていく。

「今回は逃げさせて貰います。
 どうも、貴女が恐いので。」
 そう言い残すと、岡星精一は瞬く間に逃げ去って行った。

「くっ…!」
 もう夜も明ける。
 奴を追うのは余りにも無謀だ。

 …しかし、奴が儂の『ブラックオニキス』の能力を知っていたとは思えない。
 にも関わらず、不安という漠然な理由で逃げたというのか!?

 成る程。
 戦闘能力だけでなく、危険回避能力も一流という事か。
 これだから、『聖十字騎士団』は侮れない。

「…兎に角、『聖十字騎士団』が出てきた以上のんびりとはしていられぬ。
 一刻も早く、『紅血の悪賊』を襲った連中に接触せねば…」
 そう独りごちながら、儂は日光から逃れる為に取っておいた宿へと急ぐのであった。



     ・     ・     ・



「うっまーーーい!!」
 オオミミが次々と料理を口の中へと運んでいく。

「本当に美味しいですわ、タカラギコさん。」
 『フリーバード』の乗組員の中で一番料理の上手い高島美和さんですら、
 タカラギコを手放しで褒める。
 この人、強いだけでなく料理も上手なんだ。

「いえいえ、それ程でもありませんよ。」
 タカラギコが謙遜しながら笑う。

「そんな事ありませんよ〜。
 誰かさんとは大違いですね。」
 カウガールがニラ茶猫へと目を向けた。
「どういう意味だフォルァ!!」
 ニラ茶猫が憤慨する。
 まあ確かに、彼には料理のセンスがあるとはお世辞にも言えないから、
 僕もカウガールの意見には賛成だ。

「……」
 と、今まで料理には手をつけていなかった三月ウサギが、
 ようやく料理を食べ始めた。

「…?三月ウサギ、お前食欲無かったんじゃなかったのか?」
 サカーナの親方が、三月ウサギに尋ねた。

「…誰もそんな事は言っていない。
 食べても大丈夫かどうか観察させて貰っただけだ。
 毒を盛られでもしていたら堪らんのでな。」
 その三月ウサギの言葉に、場の空気が凍りついた。

「三月ウサギ!!
 そんな言い方は無いだろう!?」
 オオミミが三月ウサギに向かって叫んだ。

「俺にしてみればお前らの方が信じられんよ。
 よくもまあ見ず知らずの胡散臭い男に、そこまで親しく接せれるものだ。」
 冷たい目で三月ウサギが言い放つ。

「三月ウサギ―――」
 オオミミが三月ウサギに掴みかかろうとする。
「!!」
 しかし、そんな彼を止めたのはタカラギコだった。

「およしなさい、オオミミ君。
 彼の言う通りですよ。」
 タカラギコが柔和な声でオオミミをいさめる。

「でも…」
 納得のいかないような顔をするオオミミ。

「…付き合いきれんな。
 俺は一足先に休ませて貰う。
 精々、寝首を掻かれぬように用心する事だな。」
 三月ウサギはそう吐き捨てると食堂から出て行ってしまった。

「……」
 皆が一様に押し黙ってしまう。
 先程までの楽しい雰囲気は何処へやら。
 今は、思い沈黙だけが食堂を黒く包み込んでいた。



     TO BE CONTINUED…


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