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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

43ブック:2004/04/13(火) 15:04
     救い無き世界
     第六十五話・迷宮組曲 〜その一〜


「…分かったわ。気をつけて……」
 そう言ってふさしぃが電話を切った。
 どうやらぃょぅ達は何とか無事らしい。

「ふさしぃ、ぃょぅ達は…」
 小耳モナーが心配そうにふさしぃに尋ねる。
「大丈夫。誰も死んでいないわ。ただ…」
 ふさしぃが言葉を濁した。

「…戦力の二分。状況は以前悪いままって事か、ゴルァ。」
 俺は本日五本目の煙草に火を点けた。
 敵さんも馬鹿じゃない。
 この絶好の機会を逃しはしないだろう。

「兎に角、でぃ君は東と言っていたわ。
 ぃょぅ達は逐次現在位置を報告すると言っていたし、
 移動しつつ合流する事にしましょう。」
 ふさしぃが暗い空気を払拭するように快活な声で音頭を取る。
「…だな。じっとしてればしている分だけ、こっちが不利になる。」
 俺は車の運転席に乗り込んだ。
 キーを差し込み、車のエンジンをふかす。
「行くぞ、ゴルァ。」
 小耳モナーとふさしぃが車に乗ったのを確認し、
 アクセルを入れて車を発進させる。

「鬼が出るか邪が出るか…」
 呟きながら、俺は車を走らせるのであった。

44ブック:2004/04/13(火) 15:04



     ・     ・     ・



 部屋の中、『矢の男』は椅子にもたれ掛かり、何をするでもなくただ座っていた。

 ―――渦。
 思念の渦。
 『矢の男』の周りに可視出来そうな程に思念が渦巻き、異様な力場を形成している。
 そして、それらが少しずつ『矢の男』の中へと染み込んで言った。

「ギコエルとしぃエルが、それぞれあの悪魔に肩入れする者共の討伐へと向かいました。」
 モララエルが恭しく『矢の男』に進言した。
 それを聞こえているのかいないのか、
 『矢の男』はモララエルに薄靄のかかった目で見つめる。

「―――失礼。お邪魔でしたか。」
 モララエルが頭を下げた。
「…構いませんよ。私も、ぼんやりしていました……」
 『矢の男』は気だるそうに口を開いた。
 しかしそこから発せられる威圧感は尋常のものでは無い。

「…トラギコは?」
 『矢の男』は思い出したようにモララエルに尋ねた。
「ようやく闘える程には回復したようです。
 現在、こちらに待機させておりますが。」
 モララエルが『矢の男』の表情を窺いながら答える。

「…そうですか。
 それでは、彼にいつでも闘えるように準備しておくように伝えて下さい。
 ギコエルもしぃエルも、恐らく負けるでしょう。」
 『矢の男』がモララエルに告げた。

「…何故に、そう重われるのですか?」
 モララエルが驚いた顔で『矢の男』に聞いた。
「そう『書かれている』からですよ…
 そして私にはまだ、『書き変える』だけの力は無い…」
 モララエルが黙ったまま『矢の男』の話に耳を傾ける。

「…犠牲になると分かって彼らを止めなかった私を憎みますか?」
 『矢の男』がモララエルを見据えて言った。
「…私達はもとより今この場に居る事さえ無い筈の存在です。
 あなた様の為に命を捨てる事に、今更疑問は持ちません。
 彼等とて、それは同じでしょう。
 『神』の完全なる降臨の為ならば、喜んで人柱にもなる覚悟は出来ています。」
 モララエルは即答する。
 その瞳に偽りの色は全く無い。

「礼を言いますよ…モララエル。」
 『矢の男』はそれを聞いて満足そうに微笑んだ。
「必ずや、あなた様と『神』が完全に同調するまで
 あの者達を足止めして見せます…」
 モララエルはそう言って『矢の男』の前から去った。
 『矢の男』は、その姿をじっと見つめる。
 そしてまた、彼も敗れ去る事を『矢の男』は知っていた。


「…同胞は全て死に絶え、独り山の頂に虚しく立ち尽くす。
 これが『神』の境地とやらですか…」
 『矢の男』は天井を向いて呟いた。
 思念はなおも『矢の男』の中へと入り込み続ける。
「くくっ…それも、悪くは無い―――」
 『矢の男』は狂気を孕んだ目で一人ほくそ笑むのであった。

45ブック:2004/04/13(火) 15:05



     ・     ・     ・



 俺達は近くにあったレンタカー屋で借りた車に乗って、東へと向かっていた。
「こっちでいいかょぅ、でぃ君。」
 ぃょぅがハンドルを握ったまま俺に尋ねる。
 ぃょぅは車内のバックミラーで俺が頷くのを確認すると、頷きを返した。

「…いつ敵が襲ってくるか分からなぃょぅ。
 くれぐれも、気を抜かないようにするょぅ。」
 ぃょぅのその言葉にみぃが不安そうな表情をする。
 本当はこの危険な道中に連れて来たくは無かったが、
 かと言って放っておいては人質に取られる可能性もある。
 そして俺達にある程度安全なSSSまで引き返している時間は無い。
 それ故、ある程度の危険はあっても一緒に行動する他無かった。
 そう、俺達には…いや、俺にはもう、時間が―――


「……!」
 車の窓ガラスを透き通って、周りからどす黒い思念が俺の体に入ってくる感触。
 ぃょぅ達には気づかない位にゆっくりと、少しずつ。

 …しかし、『デビルワールド』は着実にそれを喰らい、
 それを糧に徐々に徐々にだが大きくなり続ける。
 少しずつ。少しずつ。少しずつ。少しずつ。
 そして俺が俺であるという自我は、それと共に蝕まれ…

「でぃさん…?」
 俺の異常を感じ取ったのか、みぃが心配そうに俺に声をかけた。
『大丈夫だ、何でも無い。』
 俺はみぃとは目を合わさずにそう答えた。

 ―――時間が、無い。
 俺にはもう、僅かな時間も残されていなかった。



     ・     ・     ・



「あったまてっかて〜か、さ〜えてぴっかぴ〜か、
 そ〜れがどぉし〜た、ぼく…」
 鼻歌を歌いながら車を運転する。
 ただでさえ暗い状況なのだ。
 歌でも歌わなきゃやってられるもんか。

「ギコえもん音痴だモナ〜。」
 小耳モナーが笑いながら突っ込む。
「うるせえ!手前に言われたかねぇよ!!」
 こいつ、俺が今運転していて反撃出来ないからって調子に乗りやがって。

「ちょっと、もう少し緊張感を持ちなさい!
 いつ敵が襲ってくるかもしれないのよ!?」
 ふさしぃが怒鳴る。
 そんなに怒ると皺が増えるぞ、と思ったが、
 殺されるのは確実なので口に出すのはやめておく。

「…さてと、そろそろぃょぅ達が今どこら辺か聞いてみましょうか。」
 ふさしぃが携帯電話を取り出した。
 そしてボタンに指をかけ―――

「!!!!!」
 突如、目の前に大きな扉が現れた。

 何だ―――敵―――!?
 ハンドルを―――間に合わな―――…



「…!?」
 気がつくと、俺たちは奇妙な空間の中に入っていた。
「!!!!!!」
 と、俺達が入って来た扉がみるみる姿を消す。
 すぐに外に出ようとしたが、車を降りた時にはすでに扉は跡形も無く消え去っていた。

「…これは、敵の攻撃か……!?」
 俺は注意深く辺りを見回した。
 何だ、ここは。
 まるで、ピラミッドの中のような…


「いらっしゃいませ、SSSのお客人方。」
 と、いきなり後ろから声をかけられた。
 振り向くと、いつのまにかターバンを頭に巻いた男のような奴が後ろに立っている。

「…あなた……!」
 ふさしぃが『キングスナイト』を発動させて身構える。
 俺と小耳モナーも、各自のスタンドを出現させた。

「私への攻撃は無意味です。
 私はただの案内役。いくら倒した所で何度でも復活しますし、
 本体であるギコエル様には傷ひとつつけられませんよ?」
 ギコエル…?
 それが、敵の名前か。

「あなた、何者…?」
 ふさしぃが警戒しながらその男に尋ねた。

「ですから、先程も述べましたように案内役です。
 本当はあなた達に有利になる事は言いたくないのですが、
 これも能力の内なのであなた達にこのスタンドの説明をさせて頂きます。」
 男は厭味な位丁寧に話してくる。
「それでは説明を始めましょう。
 このスタンド、『プリンス・オブ・ペルシア』の能力を…」
 男は俺達に一礼し、ゆっくりと口を開き始めた。



     TO BE CONTINUED…


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