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スタンド小説スレッド3ページ

473:2004/05/28(金) 22:16

 しぃ助教授の艦『フィッツジェラルド』が、『ヴァンガード』の横に並んだ。
 艦橋のてっぺんに立つしぃ助教授が見える。
 そして、その後ろに影のように控える丸耳。

「気を抜くな! まだまだ来るぞ!!」
 リナーはガトリングを構えて叫んだ。
 俺は素早く前方に視線を戻す。
 もっとも、俺が気合を入れても仕方がないが。

 後ろの1艦が艦砲射撃を放ってきた。
 ありすの『ゴッド・セイブ・ザ・クィーン』の掌が、その砲弾を叩き落す。
「距離が遠い。これでは、あそこまで届かんな…」
 リナーはアヴェンジャー機関砲を構えたまま呟いた。

 『アウト・オブ・エデン』が、ミサイルの接近を感知する。
「ミサイルが来たモナ! 数は1、2、3、いや、もっと… 50発以上!!」
 俺は叫んだ。
 ねここも、ありすも、リナーも、驚きの表情を見せる。
 隣の艦でしぃ助教授が息を呑むのが、無線越しに伝わってきた。
 今から来るのは、まるでミサイルの雨だ。それが、あと30秒後に…!!

「…飽和攻撃! こちらのミサイル処理能力を上回る物量で押してきたか!」
 リナーは、ガトリング砲を仰角30度に向けた。
「構わんさ。落とせるだけ、落としてやろう…」

「サムイ…」
 ありすの周囲に、無数の巨大な掌のヴィジョンが浮かぶ。
 かなり射程の長いスタンドだが… それでも、ミサイル攻撃に対しては余りにも不利だ。
 ありすの身ひとつではなく、艦そのものを防衛しようと言うのだから。
 ねここは無線を操作して言った。
「ウェポン・オール・フリー(全兵装使用自由)。砲雷長の判断で、迎撃及び攻撃を行って下さい」
『了解。 …そちらも健闘を祈ります』
 CICからの応答。
「駄目な時は、総員の退艦を速やかに…」
 そう告げて、ねここは無線を切った。
 そして、前方を見据える。

「…来たぞ!!」
 リナーは叫んだ。
 視認範囲にミサイルの大群が…!!
 それは、星のように正面に点在していた。
 広がった点にしか見えない物体が、徐々に大きくなっていく。
 前方の艦も、ミサイル攻撃とタイミングを合わせるかのように艦砲射撃を繰り出してきた。
 空を切るようなミサイルの飛来音と、単装砲の太鼓のような音が闇夜に響く。

「はいだらー!!」
 ねここは、ミサイル群を見据えて叫んだ。
 『ヴァンガード』と『フィッツジェラルド』から、同時に多数の対空ミサイルが発射される。
 こちらの対空ミサイル、リナーのアヴェンジャー機関砲弾、ありすのスタンド…
 それらが、一斉にミサイルの大群に向かった。
 前方で次々に巻き起こる爆発。
 それは、まるで花火のように俺の目に映った。

 それをかいくぐって、数発のミサイルが飛来する。
「この…ッ!!」
 リナーが、素早くアヴェンジャー機関砲を向けた。
 かなり付近まで接近していたミサイルが、弾丸を喰らって爆発する。
 その爆風に、俺はよろめいた。

「まだ来るのか…!!」
 リナーは、アヴェンジャー機関砲で接近してきたミサイルを次々と撃ち落していく。
 だが、それでも迎撃が追いつかない。
 『ヴァンガード』のCIWS20mm機関砲もフル作動しているが、それでも…
 アヴェンジャー機関砲の射撃を逃れたミサイルが、寸前まで迫る…!!

 轟音と共に、ミサイルはそのまま水没した。
 こちらに迫るミサイルは、次々とあらぬ方向に逸れていく。
 これは、しぃ助教授の『セブンス・ヘブン』…!!

「さすが、しぃ助教授!! 助かりました!!」
 ねここは無線で言った。
『余り私を頼らないで下さい。遠距離になれば、当然精度も弱まりますからね…!』
 しぃ助教授は告げる。
 さらに、しぃ助教授は仮にも人間。
 スタミナにも限界はある。

 向こうは、それでも遠方から次々にミサイルを放ってくきた。
 もう、100発はとっくに越えているはずだ。
 リナーのガトリング、両艦の兵装、そしてしぃ助教授とありすのスタンドを持ってしてもなお、迎撃しきれない。
 飛来したミサイルのうちの1発が、艦首部分に直撃した。

「うわァッ!!」
 『ヴァンガード』がぐらぐらと揺れる。
「大丈夫、これくらいじゃ沈みません!!」
 ねここは叫んだ。


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