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スタンド小説スレッド3ページ

527ブック:2004/06/05(土) 02:10
     EVER BLUE
     第二十六話・GUN&BLADE HIGH−TENSION 〜試し合い〜 その二


 三月ウサギとタカラギコが、得物を握ったまま向かい合っている。
 ふたりは、まるで彫刻のように微動だにしない。

「……!」
 最初に均衡を破ったのは三月ウサギだった。
 両手に持っていた剣をタカラギコに投げつけ、
 さらに地面に突き刺さっている剣を取っては次々と投擲する。

「勘弁して下さいよ…」
 タカラギコが、それらを全て銃で撃ち落としていく。
 なんという精密射撃。

 しかし銃で剣を打ち落とすという事は、
 それだけ三月ウサギへの攻撃が手薄になるという事でもあった。
 三月ウサギがその合間を縫ってタカラギコとの距離を詰める。

「喰らえ…!」
 充分に接近した所で、三月ウサギが剣を振るった。
「くッ!」
 タカラギコが、その剣を右手の銃で受ける。
「!!!」
 三月ウサギが、もう片方の剣でタカラギコに斬り掛かる。
 タカラギコは、それも別の手の拳銃の銃身で防御した。
 響き渡る金属音。

「!!!!!」
 銃声。
 タカラギコが拳銃を発砲した。
 だが、攻撃の為に発砲したのではない。
 発砲の反動を利用して、受け止めている三月ウサギの剣を弾き返したのだ。

「ちッ!」
 三月ウサギがやや体勢を崩した。
 タカラギコはその隙にバックステップ。
 三月ウサギとの距離を取って、剣の間合いから離脱する。
「逃がすか…!」
 すぐさま三月ウサギはタカラギコとの間合いを詰めた。
 そのままタカラギコの胴体を左から切り払い―――

「!?」
 しかし、三月ウサギの剣はタカラギコの体をすり抜けて、
 次の瞬間タカラギコの体が消失した。
 これはッ!?
 いや、似たようなものを僕は一度見た事がある。
 確か、tanasinn島で『紅血の悪賊』に襲われた時に…

「!!!!!」
 刹那、三月ウサギの背後にタカラギコが出現した。
 三月ウサギに向かって銃の照準を合わせている。
「くっ…!」
 三月ウサギが振り向きながらタカラギコに剣を投げつける。
 だが、またもやタカラギコの体を剣がすり抜ける。
 これも虚像(フェイク)…!

「……!」
 三月ウサギがタカラギコを探して周囲を見回す。
 しかし、タカラギコの姿はどこにも見えない。
 音で探ろうにも周りには物音一つ立たず、
 気配でさぐろうにも嘘みたいに気配が掻き消えている。
 完璧な隠身術。
 本当にタカラギコはここにいるのかという錯覚すら覚えてしまう。

「!!!!!」
 三月ウサギの死角からあの光の線が発射される。
 まずい。
 このままだと、三月ウサギは―――


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