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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

75ブック:2004/04/20(火) 00:08
     救い無き世界
     第七十一話・決死


「……」
 女を倒した後、私達は足早にその場を後にした。
 新しい車を手配し、ひたすら東へと進む。

「……!」
 私は車を減速させた。
 道の脇に馴染みの深い顔の面々が揃っていたからだ。

「ギコえもん、無事だったのかょぅ!」
 車を停めてギコえもん達の元に駆け寄る。
「まあ、何とかな。
 それよりそっちこそ大事無いかゴルァ?」
 ギコえもんが鼻をならして答えた。

「ああ、さっきしぃエルとかいう『矢の男』からの刺客が襲ってきたょぅ。
 でぃ君のお陰で何とか撃退出来たょぅ。」
 私はでぃ君の方を見やりながら言った。
「そうか。
 車のラジオから何かとんでもない騒ぎが起こってる、
 みたいなニュースがバンバン流れて来たんだが…
 やっぱりお前らだったんだな。」
 ギコえもんが煙草を咥えて火を点けた。

「…ま、どうやら五体満足なようだし、先ずは合流出来て一安心と言った所か。」
 ギコえもんがぷかぷかと煙の輪っかを浮かべる。

「皆無事で良かったモナ〜。」
 小耳モナーが嬉しそうな笑顔を見せた。
 こんな時でも心の底からの笑顔が出来る彼が、とても羨ましい。

「…ここでのんびり再会の喜びに浸っている時間は無いわよ。
 すぐにでも先に進まないと。」
 ふさしぃが釘を刺すように言った。

「…だな。」
 ギコえもんが煙草を地面に捨てて、靴底で火を揉み消した。
「ポイ捨て禁止。」
 ふさしぃがギコえもんを睨む。
「固い事言うなよゴルァ…」
 ギコえもんが渋々吸殻を拾って車の灰皿へと移した。
「ふ……」
 一時間後に命があるという保証すらない状況さというのに、
 いつもと変わらない二人のやりとりについつい口元が緩んでしまう。

「さ、お喋りはここで終わり。早く車に乗って。」
 ふさしぃが私達を急かした。
 でぃ君とみぃ君がそれぞれ車に乗り込み、
 私もそれに続こうと…

「……?」
 と、いきなりギコえもんに肩を掴まれた。
「どうしたんだょぅ、ギコえもん?」
 私はギコえもんの方を向いて尋ねた。

「…でぃの奴、大丈夫なのか?
 よく分からねぇが、とてつもなくヤバそうなもんが奴の周りを覆ってる気がするぞ…」
 ギコえもんがでぃ君達に聞こえないような声で聞いてきた。
「…気がついていたのかょぅ。」
 私は重い声で呟くように言う。

「あんだけ物騒な気配が漂ってりゃあ誰でも、な。
 ふさしぃだって、口には出さねぇが感づいてる筈だ。」
 ギコえもんがでぃ君の方に目をやりながら答える。
 でぃ君の周りには、目には見えないが、確実に醜悪な何かが存在していた。
 例えるなら、そう、この世の悪意のような…

76ブック:2004/04/20(火) 00:09

「…どうやら二重の意味で時間が無いようだな、ゴルァ。」
 ギコえもんが肩をすくめる。

「ギコえもん、でぃ君は…」
 でぃ君は…

「…言うなよ、ぃょぅ。
 もう個人的な感傷でどうこうするような問題じゃなくなってる。」
 ギコえもんは私から目を背けながら呟いた。

「二人とも、何してるモナ〜!」
 小耳モナーが車の窓から顔を出して私達を呼んだ。

「…と、急いだ方がよさそうだな。」
 ギコえもんが車へと体を向けて歩き始める。
「ギコえもん…」
 私はギコえもんの背中に言葉を投げかけた。
 ギコえもんがそれを受けて足を止める。

「…覚悟だけは決めとけ、ぃょぅ。
 もしかしたら、ラスボスは俺達の身内になるかもしれねぇんだからな。」
 ギコえもんは振り返らずに私に言った。
「……」
 私はそれに何も答えられない。

「…ま、そう心配ばかりすんなよ。
 きっと何とか出来るさ。
 なんたって、俺達は無敵の特務A班だろ?」
 ギコえもんが顔だけ振り向かせてにっこりと微笑む。
「ああ…そうだったょぅ。」
 …そうだ。
 私にはこんなに心強い仲間達が居る。
 彼らと一緒なら、何だって出来る。
 絶対に、『矢の男』は倒す。
 そして、でぃ君も助けてみせる…!

「二人とも早くするモナ〜!」
 小耳モナーが再び私達を呼ぶ。
「今行くょぅ!」
 私はギコえもんと共に車に向かうのであった。



     ・     ・     ・



 目を瞑っていた『矢の男』が、不意に目を開けた。
「…ギコエルもしぃエルも、天に召されましたか。」
 確かめるように『矢の男』が呟く。

「それでは、私もそろそろ出陣いたします。」
 『矢の男』の前に跪いていたモララエルが立ち上がり、恭しく一礼した。
「…頼りにしていますよ。
 最早あなたとトラギコだけが、私の支えなのですからね。」
 『矢の男』がモララエルにその眼差しを向ける。

「承知しております。
 あの『化け物』に勝てないまでも、
 必ずや『神』の覚醒までの時間まで奴らを喰い止めてみせましょう。」
 モララエルが『矢の男』の顔を見ながら答える。

「そういえば、トラギコが見当たりませんが…」
 モララエルが思い出した風に『矢の男』に聞いた。
「ああ、彼なら用事があると言って少し前に出て行きましたよ。」
 『矢の男』が何事も無いかのように答える。

「なっ…!何故行かせたのですか!?
 トラギコめ、恐れをなして逃げ出したか…!」
 モララエルが激昂する。
「…大丈夫ですよ。
 彼は必ず戻って来ます。
 あのでぃとの因縁が、否応無しに彼をこの場に呼び寄せる…」
 『矢の男』が愉快そうに呟いた。

「…分かりました。
 では、私はこれで…」
 不服そうな顔をしながらも、モララエルは部屋を後にした。

77ブック:2004/04/20(火) 00:10



     ・     ・     ・



 俺達は街外れの波止場に到着していた。
 日は既にとっぷりと暮れ、波の音が辺りに響く。

「…本当にこっちでいいのか?」
 ギコえもんが俺に尋ねた。
「……」
 俺は頷いて答える。
 間違いない。
 『矢の男』はこの海の向こうだ。

「…船がいるわね。」
 ふさしぃが呟いた。
「だけど、船で行くとなると…」
 小耳モナーが不安そうな顔をする。

「…間違いなく格好の標的になる事請け合いだょぅ。
 かなり危険な行為と見るべきだょぅ。」
 ぃょぅが重い声で告げた。
 確かに夜の海では視界も利きにくいし、回りが海では逃げ場も無い。
 いわゆる決死行というやつか。

「…さてと、ここまでね。」
 ふさしぃがみぃの方を見て言った。
「え…?」
 みぃが思わずきょとんとした顔になる。

「ここからは冗談抜きで命懸けになるわ。
 あなたはここに待っていなさい。
 さっき連絡を入れておいたから、SSSの職員が迎えに来てくれるわ。」
 ふさしぃが穏やかな顔でみぃに告げる。

「そんな、私も―――」
 みぃが食い下がろうとするが、ふさしぃは首を振ってみぃの申し出を退けた。
「…いい子だから、大人しくしていて。
 これ以上私達を困らせないで。」
 ふさしぃはいつになく厳しい口調でみぃに言った。

「……!」
 みぃが俺を見つめてくる。
『ここに残ってろ、みぃ。』
 俺はホワイトボードにそう書いてみぃに見せた。

「でも…!」
 みぃが俺に詰め寄ろうとした。
『…邪魔なんだよ。
 役立たずが周りでうろちょろされると。』

「―――!」
 みぃが今にも泣き出しそうな顔になり、
 そして、俯く。

 …これで終わり。
 これが多分みぃとの最後の会話。
 これでいい。
 これで、いいんだ。

「……」
 夜の闇が沈黙をさらに加速させる。
 波の音だけが、うるさい位に耳に木霊し続けた。



     TO BE CONTINUED…


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