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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

123ブック:2004/04/28(水) 00:20
     救い無き世界
     第七十八話・終結 〜その三〜


「終われ…!!」
 『デビルワールド』が『アクトレイザー』に向かって腕を振るった。
「私の頭を掴み、私の存在を終了させる。
 しかしその事象も書き換える。」
 『矢の男』のスタンドが、その手に持つ分厚い本を開き、それに指を這わせた。
 すり抜ける『デビルワールド』の腕。

「そしてあなたの腹部を『アクトレイザー』の腕が貫く。」
 『アクトレイザー』が再び本に指を這わせる。
 先程でぃの左腕を切断した時と同じ様に、
 『アクトレイザー』の攻撃を避けた筈の『デビルワールド』の腹に、
 『矢の男』の言葉通りに『アクトレイザー』の腕が突き刺さった。

「……!」
 後退し、その腕を引き抜く『デビルワールド』。
「その傷は瞬く間に再生する。
 …が、その結果には至らない。」
 『矢の男』が『デビルワールド』を見据える。

「…どういう手品なのかな?」
 『デビルワールド』が『矢の男』に顔を向けた。
 腹部に開けられた穴は、徐々にではあるが塞り始めている。
「…傷の治りが遅い。
 成る程、大した能力だ。」
 『デビルワールド』がぞっとするような笑みを浮かべた。
 体に開けられた穴など、微塵も気にしていない様子である。

「この本に『絶対に再生しない』と書いた以上、
 傷は決して再生しない筈なのですがねぇ。
 あなたこそ流石ですよ、『デビルワールド』。」
 『矢の男』が心から感心しながら言った。

「…しかし、哀しいかなあなたは未だ不完全のようだ。
 今の所、我が『アクトレイザー』の力の方が圧倒的に上回っている。
 すました顔をしていますが、傷の修復だけで相当の力を使っているのでしょう?」
 『矢の男』が嘲りの笑みを浮かべる。
 『デビルワールド』は、何も答えない。

「あなたには、勝ち目など何一つありません。
 復活したばかりの所悪いですが、あなたにはここで消え去って貰う。」
 『矢の男』が『デビルワールド』に向けて手をかざす。

「…くっくっく、くははははははははははははははははははははははは……」
 その時、『デビルワールド』がやおら笑い出した。
「…何が可笑しいのです?」
 『矢の男』が不快そうに眉をひそめる。

「私が不完全と言うか。
 確かにその通りだ。
 だが、お前もまた不完全なのではないのかな?」
 『デビルワールド』が挑発するような身振りで『矢の男』に話しかける。

「…何?」
 聞き返す、『矢の男』。

「言った通りだよ。
 お前がもし完全だと言うならば、何故その本に『私が消える』と書かない?
 そうすれば一瞬でカタがつく筈だ。」
 『矢の男』の顔が強張る。
「出来ないんだ。
 お前はまだ、そこまで深く事象に干渉する事は。
 つまり、それっぽっちの能力という事だ。
 その程度で『神』を名乗ろう等とは、思い上がりも甚だしい。」
 『デビルワールド』が『矢の男』の前へと進み出る。

124ブック:2004/04/28(水) 00:20

「私を…『神』を愚弄する気かァ!」
 激昂する『矢の男』。
 直後、『アクトレイザー』が『デビルワールド』の右腕を斬り飛ばした。

「…くくく、図星のようだな。」
 腕を斬り落とされながらも、顔色一つ変えずに『デビルワールド』が呟く。

「だからどうした?
 確かに私はまだ、直接存在を消去するだけの力は無い。
 しかし、それでもこうして少しずつお前の命を削ぎ落としていけば、結局は同じ事。
 そして、ここには世界中から人々の救いを求めし想念が集まっている。
 それらは全て、我が『アクトレイザー』の力となり、私はさらに大きくなる。
 故に、ここで私がお前に負ける事など決して在り得ない!!」
 『アクトレイザー』の腕が次々と『デビルワールド』の体を引き裂く。
 『デビルワールド』が、それに圧倒されて後ろに下がっていった。

「どうした、『デビルワールド』?
 世界に、『神』に弓引く『悪魔』なのだろう?
 やられるばかりでなく、少しは一矢報いてみたらどうだ!?」
 『アクトレイザー』はなおも『デビルワールド』の肉体を傷つけていった。

「……!!」
 と、『デビルワールド』がいきなり『矢の男』に向けて拳を放った。
「それもこの本に書かれている。
 そしてその事象はたった今書き換えられる。」
 『矢の男』はその拳をかわそうともせず―――


「!!!!!!」
 『矢の男』の表情が一瞬にして驚愕の色に染まった。
 彼の右頬には、『デビルワールド』の拳によって切り傷がつけられている。

「なっ……!?」
 動揺を隠せない『矢の男』。

「馬鹿な…
 在り得ない!
 この私が!!
 『悪魔』に触れられるだと!!!?」
 『矢の男』がよろよろと後ろに下がる。
 絶好の追撃の機会ではあるのだが、
 『デビルワールド』もまた先程の『アクトレイザー』の攻撃によるダメージが深く、
 攻撃を続ける事は不可能だった。
 しかし、その代わりにと『デビルワールド』は凄絶な笑顔を『矢の男』に叩きつける。

「…言っただろう。
 お前もまた、不完全なのだと……」
 全身から血を流し、傷口を嫌な音を立てて再生させながら、
 『デビルワールド』が口を開く。

「き…貴様、一体何を……」
 『矢の男』が信じられないといった風に『デビルワールド』に尋ねた。

「貴様がさっき言った通りだ。
 私は世界に弓引く『世界の敵』。
 そして…同時に『世界の最も親しい隣人』でもある。」
 『デビルワールド』が体を引きずりながら答える。
 心なしか、再生の速度が僅かずつだが上がっていた。

「この世界の万物は、等しく『終わり』を内包している。
 いや、『終わり』を内包しているからこそこの世界に存在出来る。
 終わる為に始まり、始まる故に終わる。
 永劫に続く終焉の螺旋…虚無への回帰。」
 斬り落とされた『デビルワールド』の右腕が再生を完了した。

「馬鹿馬鹿しい、本当に馬鹿馬鹿しい喜劇だとは思わないか!?
 この世界に生まれ、始まりしモノ共は、須らくその存在が続く事を望む。
 それ故に先に続く未来を望む。
 だがしかし、その先には絶対に終わりが存在しているのだよ!!
 ははははは!!
 これは傑作だ!!!
 つまり、この世界の全ては、
 いいや、この世界そのものまでもが、
 意識的に無意識的にその存在の終焉を望んでいるのだ!!!
 つまり我こそが世界の願望の具現!!!!
 それを叶える事こそが、我の力!!!!!
 望みを叶える事こそが、救いを与える事なのであれば、
 我こそが『神』であり、救いそのものよ!!!!!!」
 笑い続ける『デビルワールド』。
 その笑いは大気を揺らし、そこに渦巻く想念すらも揺るがすようだった。

「そして、貴様の『アクトレイザー』も、
 世界に存在するモノ共により産み出された存在だ!!
 ならばそこに存在する以上、私に終わらせられぬモノは無い!!!」
 『デビルワールド』が『アクトレイザー』を睨みつけた。

125ブック:2004/04/28(水) 00:21

「…そんな御託は、私を倒してからにするのだな!!」
 『矢の男』が『デビルワールド』に飛び掛かった。
 迎え撃つ『デビルワールド』。
 しかし、その攻撃は『矢の男』を空しくすり抜けた。

「どうだ、当たるまい!
 私はここに渦巻く想念を吸収し、幾らでも力を高める事が出来るのだ!!
 貴様等、所詮は乗り越える為の試練に過ぎん!!!」
 『アクトレイザー』の腕が『デビルワールド』の肉体を抉る。
「これで終わりだ!!
 この本に、『デビルワールド』の消滅を書き記して―――」



「―――な、何だ…
 何だこれはァ!!!!!?」
 『矢の男』の動きが突然止まった。

「本が…本の未来が書かれているページが真っ黒じゃないか!!
 これでは、これでは続きが書き換えられないじゃないかああァ!!!!!」
 錯乱する『矢の男』。
 その間にも、『アクトレイザー』の持つ本は
 全てのページに渡って黒く塗りつぶされていった。

「…『デビルワールド』。
 お前の存在を…
 過去現在未来全ての時間軸において『終わらせる』。
 お前が幾ら未来を見ようと、幾ら未来を書き換えようと、
 未来に進む以上その先に『終わり』があるという事実は変わらない。
 その『終わり』を今この場まで与えてやろう…」
 『デビルワールド』が『矢の男』の頭を掴む。
 『矢の男』が必死に逃れようとするも、その手は決して外れなかった。

「ば…馬鹿な!
 『アクトレイザー』は、救いを求める思念を得て、
 更に力を得ていた筈だ…!
 それが、何でお前如きに…」
 その時、『矢の男』はかっと目を見開いた。
 『デビルワールド』の体に、『アクトレイザー』が吸収しているものとは違う、
 どす黒い思念が纏わりついていたからだ。

「他者の想念を得て力を得るのが、お前だけだとでも思ったか?
 どうやら、お前の力となる想念に混じって、
 別の想念が混じっていたのに気がついてはいなかったようだな。」
 『デビルワールド』が『矢の男』を掴む手に力を込める。

「この…『化け物』めええええええええええええええええええええええええええええ
 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
 ええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!」
 『矢の男』が、絶叫する。
 その顔は恐怖に引きつり、あたかも笑っているようにすら見えた。

「…『終われ』。」
 その言葉と共に、『矢の男』の姿が消え去った。
 その場に、『矢の男』の持っていた『矢』がカランと音をたてて落ちる。
 寄る辺となる本体を失った『アクトレイザー』は、
 想念の渦の中へと消え去っていった。

126ブック:2004/04/28(水) 00:21



「……!」
 膝をつく『デビルワールド』。
「…ふん、殆どの力を使い果たしたか。
 簡単には『終わらせ』てはくれなかったようだ……」
 『デビルワールド』が息を切らしながら呟く。

「…は、はぁははははははははははははははははははははは!!!!!!
 未だ聞こえているかな、でぃよ!?
 残念だったな!
 私と『神』とをぶつけ、諸共に消滅させるというお前の目論見は完全に潰えた!!
 確かに力の大半は失ったが、そんなものこの世界の全てから簡単に搾取出来る!!!
 でぃ、お前の敗北だ!!!!」
 『デビルワールド』がゆっくりと立ちあがった。

「でぃ君!!」
 ぃょぅ達が、『デビルワールド』に向かって構える。

「ああ…そう言えば、お前達が居たのだったな。
 今まで宿主を守って頂き実に御苦労。
 褒美に、お前達には世界の終わりの瞬間をその目で見せてやろう。」
 『デビルワールド』がぃょぅ達に向いて笑う。

「そんな事させるかよ!!」
 ギコえもんが飛び掛かった。
「ふん…」
 『デビルワールド』が無造作にギコえもんに向かって手を突き出す。
 ギコえもんが、『アクトレイザー』の時と同様、壁の方まで吹っ飛ばされた。

「…そう死に急ぐな。
 せっかく最後まで『終わらせない』と言っているのに。
 もう少しで、殺してしまう所だったではないか。」
 『デビルワールド』が呆れたように肩をすくめる。

「でぃ君!
 気をしっかり持つょぅ!!」
 ぃょぅが『デビルワールド』に…
 いや、その中にいるでぃに向かって叫んだ。

「無駄だよ。
 最早でぃの意識は我が支配下にある。
 お前達の声は届きはしない。」
 『デビルワールド』が勝ち誇ったように言い放った。

「…でぃさんは、負けない。」
 その時、みぃがぃょぅ達の前に踏み出した。
「みぃちゃん!!」
 ふさしぃがみぃを止めようとする。
 しかし、みぃは構わず『デビルワールド』の前に進み出て行った。

「でぃさんは、あなたなんかに負けたりしない!
 あなたみたいな『化け物』に、負けたりなんかしない…!!」
 涙を流しながら、みぃが叫ぶ。
 しかしその瞳に、諦めの色は全く無かった。

「…やれやれ。
 現実の見れないお嬢さんだ。」
 と、『デビルワールド』が何かを思いついた顔つきになる。

「そうだ…
 そういえばお前は、あのでぃのお気に入りだったな。
 …面白い。
 お前を終わらせたら、あのでぃは一体どんな顔で哭いてくれるのかな…?」
 『デビルワールド』が、その腕をゆっくりとみぃに伸ばした。



     TO BE CONTINUED…


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