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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

217ブック:2004/05/04(火) 21:47
     EVER BLUE
     第四話・FATE REPEATER 〜黄泉還りし者〜 その二


 一体…
 一体、何が起こったというのか。
 さっき青年の体を銃弾がすり抜けた。
 そうかと思ったら、青年の姿が消えてしまったのだ。

 そして―――
 それから一分もしないうちに、『紅血の悪賊』(クリムゾンシャーク)の下っ端達は、
 引き金を引く間も無く全員地面に倒れたのだ。

 何者だ。
 あの青年は、一体何者なんだ!?

「…二十六秒ですか。
 ふむ、まだまだ勘を完全には取り戻していないようですね。」
 と、青年が再び姿を現した。
 先程と変わらぬ、人の好さそうな微笑み。
 やや背が高めの優男。
 その姿からは、とてもこの荒くれ共を完膚無きまでに叩きのめした者と
 同一人物だとは、想像もつかない。

「あ…あの……」
 オオミミが、青年に話しかけようとする。
「しっ、静かに…」
 青年はそんなオオミミの口に指を当てた。

「おい!
 こっちの方で銃声がしたぞ!!」
「探せ!!」
 野太い罵声。
 『紅血の悪賊』の仲間達だ。
 まずいな。
 早くここから動かなくては…

「あの、急いで逃げないと…!」
 オオミミが不安そうな顔を青年に向ける。

「…大丈夫です。
 少し、じっとしてて貰えますか?」
 そう言うと、青年の周りに銀色の飛行物体が出現した。



     ・     ・     ・



「こっちだ!!」
 『紅血の悪賊』の面々が倒れている現場に、
 他の場所を探していた仲間達が駆けつけた。

「…!こりゃあ…」
 その場に転がる仲間達を見て、絶句する『紅血の悪賊』達。

「…幸い気絶してるだけのようですけど……」
 『紅血の悪賊』の一人が、仲間の呼吸や脈拍で生存を確認する。

「まだ遠くには行ってねぇ筈だ!!探せ!!!」
 一人の男が叫ぶ。
 それに合わせて、『紅血の悪賊』達はその場から走り去って行った。

218ブック:2004/05/04(火) 21:47



     ・     ・     ・



「…行ったようですね。」
 『紅血の悪賊』の奴等が倒れている場所のすぐ脇から、
 オオミミと天と青年の姿が浮かび上がってきた。
 これが、青年の力なのか?

「あの…ありがとうございます。」
 オオミミが青年にペコリと頭を下げる。
「なあに、礼には及びませんよ。」
 微笑みながらそう返す青年。

「本当にありがとうございました…」
 船の時と同様、オオミミ以外の奴に天の奴がぶりっ子ぶった。
 この、二重人格者め。

「どういたしまして、お嬢さん。
 ですが、自分を偽るのは良くありませんね。」
 その青年の言葉に、天が目を丸くする。

「お…仰っている意味がよく分かりませんわ……」
 あからさまに動揺する天。

「それがあなた本来の話し方ではないでしょう?
 隠しても分かる人には分かりますよ。」
 青年が紳士的な口調で告げる。

「…何で分かったの?
 これでも猫を被るのには自身があったんだけど。」
 観念したのか、天がオオミミと話す時の口振りに戻った。

「ふふ、私も人を騙すのが得意技でしてね。
 蛇の道は蛇、という訳です。」
 おかしそうに笑う青年。
 騙す事が得意技って、善人っぽい顔をしていながら何て得意技だ。

「さて…いつまでもここにこうしている暇はありません。
 どこか安全な場所に移動しないと。」
 思い出したように青年が言った。

「じゃ、じゃあ、僕達の船に行きましょう!
 あそこなら、安全です。」
 オオミミがそう提案する。

(オオミミ、何を言ってるんだ!?
 サカーナの親方は天を捨てて来いって言ったんだぞ!
 それなのに、逆に人数増やして帰って来るなんて駄目だろう!!)
 僕は語尾を荒げながらオオミミを叱りつける。
 それに、せっかくこの女ともおさらば出来ると思ったのに、
 これでは元の木阿弥だ。

「今そんな事を言っている状況じゃないだろう!?
 『ゼルダ』、君は人を見殺しにする様な事をして平気なのか!?」
 僕は言葉を詰まらせた。
 …そりゃあ、少しは心が痛むけど、
 でも、僕は君の事を心配して……

(…分かったよ。今回は目を瞑る。
 それに、こうなったら君は梃子でも動かないんだろう?)
 結局、最後は僕が折れる形で終わった。

「ありがとう。だから俺、『ゼルダ』の事好きだよ。」
 オオミミがはにかみの笑顔を浮かべた。

 …卑怯だよ、オオミミ。
 そんな顔でそんな事言われたら、僕は君に何も言えなくなるじゃないか。

「決まりね。
 それじゃあ、ちゃっちゃと進みましょうか。」
 天が誰も頼んでないのに仕切り出す。
 やっぱり、こいつ嫌いだ…

「あ、そうだ。」
 オオミミが青年の方に顔を向けた。
「どうしたんです?」
 聞き返す青年。

「いや、そういえば自己紹介がまだだと思って。
 俺、オオミミです。よろしくお願いします。」
 オオミミが青年に手を差し出した。

「ふふふ、珍しい位に礼儀正しい少年ですね。
 嫌いではありませんよ、そういうの。」
 青年が感心したように呟いた。
「私はタカラギコと申します。
 以後、お見知りおきを。」
 オオミミと青年が、固く握手を交わした。

219ブック:2004/05/04(火) 21:49



「オオミミ!手前嬢ちゃんを置いて来いって言ったのに、
 何で逆に一人多くなって帰って来るんだよ!!」
 案の定、天とタカラギコと名乗った青年を連れて帰って来たオオミミに、
 サカーナの親方の雷が落ちる。

「ごめん、親方。
 でも、それどころじゃないんだ!
 『紅血の悪賊』が、俺達の事を探し回ってる!」
 そのオオミミの言葉に、クルー全員の顔色が変わった。

「何ぃ!?
 そりゃ本当か!?」
 オオミミに詰め寄るサカーナの親方。

「本当だよ!
 早くここから出発した方がいい!!」
 オオミミが親方を急かした。

「成る程、通りで島が騒がしいと思った…」
 三月ウサギが納得したように呟いた。

「糞、ツイてねぇぜ。
 高島美和!
 船の修理はどうなってる!?」
 親方が高島美和さんに大声で聞く。

「一応ですが完了しています。
 いつでも出航出来ますよ。」
 冷静な声で答える高島美和さん。

「おい、こいつらはどうするんだフォルァ?」
 ニラ茶猫が天とタカラギコの見据える。

「仕方がねぇ。状況が状況だ。
 取り敢えずこの島を離れてからそういう事は考えるぞ!」
 ちょっと待ってくれ、親方。
 それじゃあ、もう暫くこの女と一緒に居なければいけないって事か!?

「よろしくお願いしますわね。オオミミ、『ゼルダ』。」
 天が、小癪な程にっこりと僕とオオミミに対して微笑む。
 オオミミは屈託の無い笑顔で返すが、僕としては憤懣やる方無い。
 悪夢だ。
 これは、悪夢だ…!

「改めてよろしく、天。」
 天に手を差し出すオオミミ。
 やめろ、オオミミ。
 こんな女と握手なんかするんじゃない!

「こちらこそ。」
 天がオオミミの手を握り返した。

 …その時の笑顔はとても透き通ったように見えて、
 不覚にも僕は一瞬だけ彼女に心を許しそうになったのだった。

220ブック:2004/05/04(火) 21:49



     ・     ・     ・



「あいつらはまだ見つからないのか!?」
 マジレスマンが乱暴に机を叩いた。
 その音に、周りの兵士がビクッ体を震わせる。

「も、申し訳ありません!!
 近隣の島に在中していた『紅血の悪賊』の一派に連絡は入れたのですが、
 まだこれといった報告は…」
 そう言いかけた兵士を、マジレスマンは殴り飛ばす。

「言い訳など聞きたくないわ!!
 早くあいつらを探し出せ!!
 でなければ、俺の進退に関わるのだぞ!!!」
 大声で怒鳴り散らすマジレスマン。

「し、失礼しましたーーーーー!!!」
 とばっちりを受けては叶わぬと、部屋にいた兵士達は我先にと部屋を飛び出して行く。
 部屋の中に、マジレスマンだけが取り残された。


「…糞。
 早く奴らを見つけ出さなければ。
 もしこの事があの御方にバレたら、どうなる事か…!」
 机の上で手を組み、マジレスマンは唇を噛む。
 彼は今更ながら、自分の軽率さを呪っていた。

「大変な事になってるみたいだね?マジレスマン。」
 その時、マジレスマンの後ろからいきなり声が掛けられた。
 マジレスマンが驚愕しつつ振り返る。

「山崎渉…!」
 マジレスマンが背後に立っていた男を見て呟いた。

「君の帰りが遅いんで、様子を見て来るように言われて来てみれば…
 全く、とんだ事をやらかしてくれたものだ。」
 山崎渉と呼ばれた男が、一歩マジレスマンに近づいた。

「ま、待ってくれ。
 すぐに俺達を襲った奴は見つける。
 だからもう少しだけ時間を…!」
 マジレスマンが顔を引きつらせながら懇願する。
 しかし、山崎渉はそんな彼の言葉など耳にも入っていない様子だった。

「悪いけど、君の言い訳を聞くという任務は与えられていない。
 大人しくあの御方の所まで来て貰うよ。」
 山崎渉がマジレスマンの目前まで迫る。

「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!」
 マジレスマンが、豚のような悲鳴を上げた。



     TO BE CONTINUED…


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