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スタンド小説スレッド3ページ

88ブック:2004/04/25(日) 00:29

「くっ!!」
 飛びのいて、かわす。
 だが―――
 男の拳は俺の脇腹を「かすった」。
 『マイティボンジャック』で能力に侵される結果を先送り。

「!!!!!!」
 男が即座にその場を離脱しようとする。
 まずい。
 俺の『マイティボンジャック』が先送り出来る限界は五分。
 その間に逃げられたら、もう打つ手は無くなる。
 ここで奴を逃がしたら、俺達の敗北だ!

「がっ…!!」
 と、モララエルが動きを止めた。
「『ファング・オブ・アルナム』…」
 小耳モナーが呻きながらスタンドを発動させていた。
 『アルナム』が、自分に襲い掛かる負荷に苦しみながらも
 モララエルの影に牙を突き立て、その所作を封じている。

「でかした、小耳モナー!」
 俺はその隙を逃さずらモララエルにタックルをしかけた。
 そのまま揉み合いになり、船の床を転がる。
 逃がすか。
 何としても、ここで喰い止め…

「……!!」
 だが、迂闊にも俺はモララエルにマウントポジションを取られてしまった。

「ぬありゃあ!!」
 モララエルが、上からスタンドでのパンチを次々と浴びせてくる。
「くわあ!!」
 こちらも必死にスタンドの腕で防御する。
 しかし、いかんせん体勢が不利過ぎる。
 一発はガード出来ても、その一発を防ぐ間に三発は顔面に貰う。
 俺の顔がたちまちに腫れ上がっていくのが実感出来た。

「ぬあ!ぬあ!ぬあ!ぬあ!ぬあ!ぬあ!」
 男が遠慮無しに拳を撃ち下ろし続ける。
「くふあ!くふあ!くふあ!くふあ!くふあ!くふあ!」
 俺はそれを何とか防御し続ける。
 ヤバいぞ、こりゃあ。
 奴を逃がすとかそれ以前に、このままじゃあ撲殺されてしまう…!

「りゅあああ!!」
 俺は渾身の力を振り絞って、俺の左親指をモララエルの脇腹にぶち込んだ。
 脇腹に俺の親指が根元の部分まで突き刺さる。
「ちゅわああああああああ!!!」
 そのまま親指を折り曲げ、肋骨に引っ掛けて無造作に折る。
 骨の折れる感触が、俺の指に伝わってきた。

「くわああああ!!!」
 奴が叫び声を上げる。
 よし、今だ!

「るううううう!!」
 モララエルの腕を掴んで、腰を浮かしながら体勢を入れ替える。
 今度は逆に俺がマウントポジションの上に立った。

「きゃおらああああああああ!!!」
 そのまま右拳を撃ち下ろす。
 小気味いい感触と音と共に、俺の拳が奴の顔にめり込んだ。
 さっきのお返しとばかりにさらに上からパンチを叩き込んで
 奴の顔を男前に変えてやる。

「ちいいぃぃぃ!!」
 モララエルが吼えた。
 それと同時に股間に強い痛み。
 モララエルが、俺の睾丸を右手で掴んでいた。

「あわわわわわわわわ!!!」
 俺はすぐさま立ち上がってその手を振り解いた。
 幸いにして俺の男としての象徴がお釈迦になる事は無かったが、
 かわりにマウントポジションを崩してしまう事になった。

「のおおおおおおお!!!」
 モララエルが再び逃げようとする。
「させるかあ!!」
 後ろからモララエルに襲い掛かる。
 腰に手を回し、そのまま背筋を総動員してモララエルを持ち上げ、
 ブリッジの要領で地面に叩きつけようとする。
 俗に言う、バックドロップという奴だ。

「うおああああ!!」
 しかし、モララエルも黙って投げられるばかりではない。
 その足を俺の胴体に絡みつける。
 それにより俺は体勢を崩し、バックドロップは不発のまま二人とも地面に倒れこんだ。

「ぬううううう!!!」
 奴が体をひこずりながら俺から逃れようとする。
 逃がさない。
 モララエルの上に覆いかぶさり、その動きを止める。
 だが、どうする。
 このままじゃジリ貧だ。
 いずれ時間切れになって―――


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