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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

49ブック:2004/04/16(金) 03:10
     救い無き世界
     第六十七話・迷宮組曲 〜その三〜


 私とギコえもんは何とか穴からよじ登る事が出来た。
 足元には、小耳モナーが鼻血を流して倒れている。

「…酷いモナ…皆。」
 小耳モナーが低く呻いた。
 酷いとは心外な。
 寧ろあれだけの事をしておいて命がある事を感謝して貰いたいものだ。

「…さてと。どうする、ふさしぃ?」
 ギコえもんが私の方を向いて言った。

「決まってるわ。すぐに探索を開始するわよ。
 大分時間をロスしてしまったし。」
 時計を確認する。
 この迷宮に入った時の時間から計算すると、残り時間はおよそ後五十分弱。
 もたもたしている暇は少しも無い。

「ほら、小耳モナー。
 早く出発するぞゴルァ。」
 ギコえもんが小耳モナーの肩を支えて立たせる。
 一応手加減はしておいたから、行動に支障が出る程の怪我はしていない筈だ。

「…ああ、ふさしぃ。」
 と、ギコえもんが何かを思い出したように私に振り返った。
「何?」
 私はギコえもんに問い返す。

「お前いい歳こいて苺柄パンツはねーだろう。
 それとも、丸耳ギコの趣味か何かか?」
 ギコえもんが呆れたように答える。

 …二秒後、地面にギコえもんの体が転がった。



「全く…どさくさに紛れて何見てるのよ、この助平!」
 廊下を進みながらギコえもんを睨む。
「こっちも見たくて見た訳じゃ無ぇよ!
 穴の中で上を見上げたら仕方無くだなぁ…」
 ギコえもんが先程拳骨を喰らった頭をさすりながら弁解する。
 こんな事なら、助けてやるんじゃなかった。

「…お二人さん、扉が。」
 『ファング・オブ・アルナム』が立ち止まる。
 見ると、右側の壁と左側の壁にそれぞれ扉が備え付けられていた。

「…どうする?さっきみたいに開けた途端に罠が発動するって事も考えられるぜ。」
 ギコえもんが声を押し殺しながら言った。
「…それでも、本体が部屋の中に隠れている可能性が高い以上、
 開けずに通り過ぎる訳にもいかないわ。」
 私は首を振りながら答える。

「…時間制限が有る以上、私達に悩んでいる時間は無いわ。
 まず私が右の扉を開けてみる。」
 私は扉に向かって進み出した。
「ふさしぃ、気をつけるモナ…」
 小耳モナーが心配そうに言った。

「なあに、大丈夫よ。
 これでも近距離パワー型のスタンド使いなんだし、
 とっさの罠にも何とか対処出来るわ。」
 そして私はゆっくりと扉のノブに手をかけ―――

50ブック:2004/04/16(金) 03:11


「ふさしぃ!!後ろだ!!!」
 ギコえもんが、叫んだ。
 それと同時に後ろから襲い来る殺気。

「『キングスナイト』!!」
 後ろは向かないまま、気配を頼りに『キングスナイト』の剣を突き出す。
 剣から、何かを貫く手応えが伝わってきた。

「……!!」
 何が襲って来たのか確かめようと後ろを向く。
 剣には、鋭い牙を生やした扉が突き刺さっていた。
 まさか、扉に擬態していた化け物(ドア・イミテーター)だったとは…

「ふさしぃ!!!」
 今度は小耳モナーが叫ぶ。
 即座に剣を化け物から引き抜き、新たに後ろから迫るもう片方の扉の化け物を一閃。
 扉の両方が罠とは、この迷宮の支配者の陰険さの程が知れる。

「…行くわよ。立ち止まっている時間は無いわ。」
 『キングスナイト』の剣を納め、私達は再び進みだした。



 進む。
 罠を掻い潜り、罠を退けながら、ひたすらに進む。

 カチリ

 足元からの作動音。
 横から飛び出してくる槍。
「『マイティボンジャック』!!」
 ギコえもんが槍を叩き折る。

 扉を開ける。
 開けた瞬間に部屋の中から飛び掛かる矢。
「『ファング・オブ・アルナム』!!」
 『アルナム』が飛び掛かり、矢を口でキャッチする。
 用心深く部屋の中に踏み込むが、中には誰も居ない。
 これで十部屋目だ。

「……!」
 時計を覗く。
 残り時間は後二十分少々。
 早く、早く見つけないと…!

「扉があったモナ!」
 小耳モナーが指差した。
 突き当たりに古びた扉が見える。

「…ここに、本体が居るのか?」
 扉の前に立ち、ギコえもんが呟いた。
 ここに来るまでの道はあらかた調べつくした。
 突き当たりの横には特に道は見当たらない。
 という事は、事実上これが残された最後の扉という事になる。

「…みんな、気を引き締めて行くわよ。」
 注意深く扉を開く。
 …罠は、作動する気配は無い。

「……!」
 扉を開け放ち、外から部屋の中を見る。

「…居ない!?」
 小耳モナーが思わず声を上げた。
 部屋の中には、誰も居なかった。

「どういう事だ、ゴルァ!」
 ギコえもんが苛立たしげに叫ぶ。
「落ち着いて。部屋の中に隠し扉があるのかもしれないわ。
 とにかく中を調べてみましょう。」
 そして私達は部屋の中へと足を入れ―――

51ブック:2004/04/16(金) 03:12

「!!!!!!」
 全員が入った所で、いきなりドアがひとりでに閉まった。
 そして、頭上から重苦しい音が響いてくる。

「なっ……!!」
 上を見上げると、何と天井が徐々に下りてきていた。
 このままでは、押し潰されてしまう。

「早く外に…!」
 急いでドアノブに手をかける。
 しかし、扉は押しても引いてもビクともしなかった。

「ちょっ…!
 冗談じゃ無いわよ!?」
 しかし、ありったけの力を込めてもドアは決して開かなかった。

「どけ!!ふさしぃ!!!」
 ギコえもんが『マイティボンジャック』を発動させた。
 そして、その拳を扉に叩きつける。
 しかし、扉には傷一つさえつける事が出来なかった。

「『キングスナイト』!!」
 今度は私が扉に斬撃を放つ。
 しかし、同じように扉は一切の攻撃を受け付けない。
 そうしている間にも、天井はぐんぐん下がってくる。

「糞が!!
 どうすりゃいいってんだ!?」
 ギコえもんが壁を殴りつける。
 しかし、扉同様破壊は不可能なようだ。

「嫌だモナ!死にたくないモナ〜〜!!!」
 小耳モナーが泣き叫んぶ。

「……!」
 慌てるな。
 考えろ。
 考えろ。
 脱出の手立ては必ずある筈だ。
 解除方法の無い罠などありえない。
 何か、必ずここから出る方法が…!

「!!!!!!!」
 突如、私の頭に一つの考えが閃いた。
 そういえば、私はドアを『押したり引いたり』しかしていない。

 ……!
 まさか、もしかすると!

「!!!」
 私はもう一度ドアノブに手をかけた。
 そして、押したり引いたりするのではなく、
 ふすまを開ける要領で横に滑らせる。

「やったわ!!」
 あっけないくらいあっさりと、扉が開く。
 成る程。
 扉は押したり引いたりして開けるものという思い込みを利用した、
 一種の心理的な罠だった訳か。

「皆、急いで!!」
 間一髪、私達は部屋から飛び出した。
 重い音を立てて、天井が地面に着く。

52ブック:2004/04/16(金) 03:12


「…今度ばかりは死ぬかと思ったモナ。」
 小耳モナーが溜息を吐いた。

「…しかし、どうするんだゴルァ。
 結局この部屋にも本体は居なかったぞ。」
 ギコえもんが焦りの汗を流しながら言う。

「『アルナム』、本当に匂いは無いの?」
 私は『アルナム』に尋ねた。
「…はい。姐さん達以外の匂いは全くありやせん。
 どこかの部屋に隠れているのは間違い無いんです。」
 『アルナム』が首をうなだれる。
 どこだ。
 本体は一体どこに…


「!!!!!!!!!」
 突如、地面がぐらりと揺らいだ。
 それと共に、壁のあちこちに罅が入り始める。

「残り時間が十五分を切りました。
 これから、少しずつ迷宮が崩壊していきます。」
 後ろから突然声がかかる。
 そこには、私が倒した筈のターバンを巻いた男が立っていた。

「手前!今すぐ本体の居場所を教えやがれ!!」
 ギコえもんがスタンドの腕で男を掴む。
「私への脅しは無意味ですよ。
 そんな事をしている暇があるのなら、ギコエル様を探した方がよろしいのでは?」
 男が顔色一つ変えずに答える。

「―――!!」
 私は男の首を切断して黙らせた。
 これ以上この男の不愉快な声を聞いていては、冷静な判断が下せなくなる。

「畜生め…!
 急がないとやべぇぞ!!」
 ギコえもんが舌打ちをした。
「だけどどこを探すんだモナ!?
 今までの部屋はどこを探しても居なかったモナ!
 それに、もう一度全部の部屋を探す時間は―――」
 そうだ。
 もう一々じっくりと部屋を調べなおしている時間は無い。
 それに、部屋の中に隠し部屋があった様子も無い。
 だが、それなら本体はどこに居る!?
 『ファング・オブ・アルナム』は、通路に匂いは流れていないと言った。
 どこかの部屋の中に本体が隠れているのは間違い無い。
 どこに。
 本体は一体どこに―――


「!!!!!!!!!!」
 ―――いや、「一つだけ」あった。
 まだ、開けていない扉が…!

「小耳モナー!」
 私は小耳モナーの肩に手をおいた。

53ブック:2004/04/16(金) 03:13



     ・     ・     ・



「くくく…
 あと、二分だ。
 あと二分であいつらを全員始末出来る。」
 ギコエルは椅子に座ってほくそ笑んでいた。
「奴らがこの部屋を見つける事は不可能。
 なぜなら、奴らにしてみれば思いもよらない所にあるのだからな…!」
 ギコエルが読んでいた本を机の上に置く。
「…さて、あと一分。
 楽なものだ。奴らの死に様が見れないのは残念ではあるが―――」

 その時、ギコエルの背後のドアが扉が開け放たれた。
「見つけたモナ…!」
 小耳モナーと『ファング・オブ・アルナム』が、そこには立っていた。

「なっ…!」
 ギコエルが驚愕する。
「…ふさしぃの言う通りだったモナ。」
 小耳モナーがギコエルに歩み寄る。

「最初ここに連れて来られた時、入り口の扉が消えたと思ったモナ。
 でも、それは違った。
 消えたんじゃない。見えなくなっていただけなんだモナ。
 お前はその扉の中の部屋に隠れていた!
 そしてそれこそが、この迷宮最大の罠だったんだモナ!!」
 小耳モナーが喋りながらギコエルに歩み寄る。

「おのれえぇあ!!!」
 ギコエルが懐から拳銃を取り出そうとした。
「のろいモナ、ギコエル。」
 しかし、ギコエルが引き金に指をかけた時には既に、
 『ファング・オブ・アルナム』はその頚動脈を噛み切っていた。



     ・     ・     ・



 突然真っ暗になったかと思うと、私達は扉に飲み込まれた場所に戻されていた。
 そのすぐ傍には、血塗れの男が横たわっている。

「…どうやら、ちゃんと仕留めてくれたみたいね。」
 私は小耳モナーの方を向いて言った。
 恐らく、この死んでいる男がギコエルだろう。

「モナに感謝するモナ!
 モナの『ファング・オブ・アルナム』じゃなかったら、
 時間内に迷宮の奥からスタート地点まで辿りつけなかったモナ!」
 小耳モナーが胸を張ってえばる。
 そんな彼にギコえもんが拳骨を浴びせた。

「ったく、俺達を見捨てて逃げようとした事棚に挙げて威張んじゃ無ぇよ。」
 ギコえもんがやれやれといった風に呟く。

「ひ〜ん。ギコえもん酷いモナ〜…」
 頭に出来たこぶに手を当てながら、小耳モナーがすすり泣く。

「…さて、車も無事みたいね。」
 どうやら車もちゃんと元の世界に戻って来たらしい。
 足早にその中に乗り込み、エンジンをかける。
「先を急ぐわよ、皆。」
 そして私達は再び『矢の男』の元へと走り出した。



     TO BE CONTINUED…


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