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スタンド小説スレッド3ページ

250ブック:2004/05/05(水) 19:57

「…正気かや?お主。
 いくら聖十字騎士団とは言え、夜に『吸血鬼』と一人で相対するとは。
 それとも儂を見くびっておるのかのう?」
 男を睨みながら背中の得物に腕を伸ばす。
 『ガンハルバード』。
 我の振るう、鋼の牙。

「いやいや、貴女を見くびってなどおりませんよ。
 三下を何人連れてきた所で、被害が増大するばかり。
 それに情報の指す人物が本当に貴女なのかも、
 正直こうして面と向かって見るまで半信半疑でしたからね。
 それにもうすぐ夜も明ける。
 そうなれば貴女にとっては圧倒的に不利。
 本当は夜が明けるまで待ちたいのですが、
 ここで貴女を見失うのもまずい。
 そんなこんなの理由があって故の一対一です。
 どうか気分を害されずに。」
 慇懃無礼な態度を取る男。
 間合いが、少しずつ詰まっていく。

「…そういう訳で、そろそろ始めましょうか。
 この身を正義の刃と変えて、貴女を討ち滅ぼさせてもらいます。」
 その言葉が、私の激情を刺激した。

「…『正義』…?
 『正義』じゃと…!?」
 必死で溢れそうな怒りを抑える。
 こいつらが、こいつらが自分を『正義』だと!?
 心の底から笑えない冗談だ。

「そうです。
 あなた達吸血鬼は紛れも無い『悪』。
 ならばそれを打ち倒す我々こそが『正義』。
 最期の時を迎える前にじゅんさいでもどうですか?」
 男が自身に満ちた声で答える。
 変わっていない。
 こいつらは、何も変わってなどいない…!

「…いいじゃろう。
 ならば儂は絶対の『悪』となりて、
 貴様ら『正義』とやらを漆黒の煉獄に叩き堕として焼き尽くしてくれる…!」
 包帯とベルトを剥ぎ取り、『ガンハルバード』の姿を顕にする。
 ハルバードのグリップ部分にマシンガンが取り付けられた無骨な凶器が、
 男に向かって牙を剥いた。
「来い、『人間』。
 『人間』、来い。
 殺劇の顎は、今この時より開かれた。」



     TO BE CONTINUED…


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