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スタンド小説スレッド3ページ
482
:
ブック
:2004/05/28(金) 22:56
「あ、そうだ。タカラギコさん。」
と、オオミミが思い出したようにタカラギコに言った。
「はい?」
きょとんとした顔でタカラギコが答える。
「さっきの女の人からこれ貰ったんです。
これでタカラギコさんの武器を買いに行きませんか?」
オオミミが懐から金貨の詰まった巾着袋を取り出した。
オオミミ、君は何を言ってるんだ?
せっかくの大金を他人の為に使うなんて。
それだけのお金があれば、何回フルコースを食べられるか分かっているのか!?
「いえ、そんなの悪いですよ。」
口では遠慮しながらも、明らかに嬉しそうな顔をするタカラギコ。
「お、おい、オオミミ!
お前どこでそんな金…」
吃驚した様子でニラ茶猫がオオミミに質問した。
「さっき恐い女の人に誘拐されちゃってね、
それで、その人に貰ったんだよ。」
オオミミが答える。
「ああ!?
誘拐されて金を貰うってどういうこった!?
普通逆だろ……ってまあいいや。
それよりオオミミ、ものは相談だがその金を少し俺に預けて…」
下品な顔でニラ茶猫がすりよってくる。
どうせ、ろくな事を考えてはいないだろう。
「駄目。
ニラ茶猫に渡したって、どうせ博打かエッチな事にしか使わないもん。」
にべも無くオオミミが断った。
「…!
馬っ鹿野郎!
オオミミ、お前俺を何だと思ってやがるんだ!!」
ニラ茶猫が必死に否定する。
「図星だろう?
何せお前のベッドの下には『無毛天ご…」
「わーーー!わーーー!!わーーー!!!」
三月ウサギが何か言おうとした所に、
ニラ茶猫が大声を張り上げてそれを妨害した。
『無毛天ご…』?
一体何の事だ?
「いやはやすみませんね、オオミミ君。
私が女性であれば、迷わず抱かれたい男ナンバーワンに君を投票しますよ。」
タカラギコがこれ以上無い笑顔を見せる。
まるで、新しい玩具を買って貰う子供のように。
「…自分で買い与えた武器が、自分に向けられなければいいがな。」
三月ウサギがぼそりと呟く。
「そういう事言うの、やめてよ…」
オオミミが悲しそうな顔をした。
「ふん。」
三月ウサギがオオミミから視線を逸らす。
個人的には僕も三月ウサギと同感だ。
いくら敵意が見られないからとはいえ、オオミミは無防備過ぎる。
「…そういやオオミミ、女に誘拐された、っつてたけど、
どんな奴だったんだ?」
重苦しくなった空気を察したのか、ニラ茶猫が話題を変えた。
「あ、うん。
確か、コートに全身をすっぽり包んでて、
それから、凄く大きな武器を持ってた。
何か、銃とハルバードがくっついたみたいな…」
「…!?」
その時、ニラ茶猫の表情が一瞬だけ変わった。
「…?
どうしたの?」
不思議そうに、オオミミがニラ茶猫に尋ねる。
「…いや、何でもねぇ。
多分、思い違いだ。」
ニラ茶猫が会話を打ち切る。
それにしてもさっきの彼の表情は?
何か思う事でもあったのだろうか。
「どうでもいいが、買い物に行くなら早くしろ。
『紅血の悪賊』が居たと分かった以上、のんびりは出来んぞ。」
低い声で三月ウサギが告げる。
「あ、そうだね。」
頷くオオミミ。
そうだ、今は考えていたってしょうがない。
とにかく先に進まなければ。
(オオミミ。何があろうと、君は僕が守ってみせるからな。)
色々と解けない問題を山積みにしながらも、
僕はそこで思考を中断させるのであった。
TO BE CONTINUED…
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