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スタンド小説スレッド3ページ
315
:
さ
:2004/05/10(月) 23:57
「…!」
思わず息を呑むギコ。
尋常ではないスピードだ。
普通の人間には残像も見えないだろう。
いくら何でも、あの速度は異常である。
スタンドによる身体能力とは思えない。
あの高速移動も、スタンド能力の一環か…
acht neun
「8…、9…」
リル子は、次々と兵を駆逐していった。
あそこまで高速で移動している以上、体そのものが凶器である。
近距離パワー型のスタンドを持つ自分ですら、あの相手は捉えきれないとギコは悟った。
しかも、動きに全く無駄がない。
いや… 無駄がないというには語弊があった。
方向転換に蹴った壁の破片が、正確に兵に命中している。
敵兵がよろけて逸れた弾丸が、他の兵を射抜く。
全ての弾道や射線、敵兵の予想攻撃位置を計算しているのか…?
sechsundzwanzig Ende
「 …26。 …攻撃終了」
リル子の動きが止まった。
軽く息を吐き、髪を掻き上げるリル子。
その漆黒のスタンドはすでに解除されている。
エントランスホールに、立っている兵はいなかった。
「さて、面倒な事になりましたね…」
そう言いながら、局長は救急車から降りた。
ギコ達も後に続く。
「…殺したのか?」
ギコはリル子に訊ねた。
「いえ、全員息はあります。枕元に立たれても困るので」
リル子は当然のように答える。
その傍には、元の形に戻ったアタッシュケースがあった。
「まあ、この方が面倒がなくていいんじゃない…?」
レモナは手を軽く回して言った。
「ソウダゼ! アヒャ!」
つーが同意する。
まあ、潜入よりは正面突破の方がこの2人の性に合っているだろう。
「お前ら、最近仲良いな…」
ギコは思った事を口にした。
「ほら、共通の敵ってのがね…」
レモナはそう言って笑う。
「要人が監禁されているのは、おそらく4階の大会議室でしょう。
広い上に、見張るのも容易ですからね…」
局長は腕を組んで言った。
「こうなった以上、敵兵は全て倒します。覚悟はいいですか?」
一同は頷いた。
見つからないように苦心するより、一点突破の方が気が楽だ…
ギコ自身、その方がやり易い。
「さて、行きますか…」
局長がネクタイの位置を正した。
リル子がアタッシュケースを持つ。
一同は、首相官邸の奥に足を踏み出した。
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. < To Be Continued... | |
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