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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

108ブック:2004/04/26(月) 01:37
     救い無き世界
     第七十六話・終結 〜その一〜


 …後悔は無い。
 今日この場に至るまでの人生の道程に、後悔はしていない。
 正しい事ばかりではなかったかもしれない。
 楽しい事ばかりではなかったかもしれない。
 間違った事だらけだったのかもしれない。
 だけど、それでも私は後悔していない。
 私は、これまでの人生を、
 闘ってきた事を、
 守ってきた事を、
 負けてしまった事を、
 逃げ出してしまった事を、
 SSSで、皆に逢えた事を、
 心の底から誇りに思っている。
 だから、ここまで来れた。
 だから、ここで闘える。
 皆が、私を今日この場に立たせてくれているんだ。
 だから、私は、
 ここで命が尽きる事になっても、後悔は、無い。



 私は扉をゆっくりと押し開けた。
 何も無い、殺風景な広い部屋の奥に、
 『矢の男』は静かに椅子に座っていた。

「お待ちかねみたいだな、ゴルァ。」
 ギコえもんが『矢の男』を見据えて言った。

 私はいつ戦闘が始まってもいいように、
 先程みぃ君にくっつけて貰ったばかりの右足の状態を確かめた。
 …多少痛むが、闘う分には問題無い。
 切り口がきれいだったのが、幸いしたようだ。

「…ここに来た、という事は……
 モララエルもトラギコも、敗れてしまったのですね。」
 『矢の男』が座ったままで答える。
 渦。
 奴の周囲に渦巻く膨大な渦。
 しかし、それだけの威圧感にも関わらず、周囲は不気味な位の静寂に包まれている。

「…残っているのは、お前だけかょぅ。」
 私は『矢の男』に尋ねた。
「ええ、そうですよ。」
 『矢の男』が眠そうな目で答えた。
 周囲には私達以外の人の気配は無い。
 おそらく、こいつの言っている事は本当だろう。

「それなら大人しく観念なさい。
 一人じゃ何も出来ないでしょう。」
 ふさしぃが『キングスナイト』の剣の切っ先を『矢の男』に向けた。

「…観念する?
 ふ…ははははは。それは遅かったですね。
 もはや、私の能力は完成した。」
 『矢の男』のすぐ傍に、分厚い辞典のような本と、
 光り輝く翼を持った男のようなビジョンが浮かび上がった。

109ブック:2004/04/26(月) 01:37



「我が銘称(な)を呼べよ。
 我が業(な)を呼べよ。
 我が概念(な)を呼べよ。」

「我を信奉(もと)めよ。
 我を切望(もと)めよ。
 我を懇願(もと)めよ。」

「我を自覚(し)れよ。
 我を直感(し)れよ。
 我を盲信(し)れよ。」

「我は『段落の頭』。
 我は『始めの一文字』。
 我は『鉤括弧開く』。
 我は『A』。
 我は『α』。
 我は『あ』。
 我は『広がる空』。
 我は『天のさらに向こう』。
 我は『果て無き世界』。」

「我は我が我こそが、
 幾千万の希望により、魂を現世に賜りし我こそが、
 『矢』により、肉を現世に賜りし我こそが、
 『無限の使者』、『可能性の権化』、『誕生の化身』、
 ―――『アクトレイザー』。」

110ブック:2004/04/26(月) 01:38



「……!!」
 ただ、それがそこにいるというだけで、
 意識ごと持って行かれそうな絶対的存在感。
 これが、『神』の力とでもいうのか…!

「…そういえば、『デビルワールド』はどうしたのです?
 この近くに居るのは感じていますが、どこに隠れているのですか?」
 『矢の男』が不思議そうな顔をして聞いてきた。

「手前に教える必要は無いモナ!!」
 小耳モナーが叫んだ。
 その横で、『ファング・オブ・アルナム』が低く唸る。

「そうですか。
 いや、それは残念だ。
 今すぐにでも逢いたいというのに…」
 『矢の男』が肩をすくめた。

「手前は…
 神になって何をしようっていうんだ?」
 と、ギコえもんが『矢の男』に言った。

「中々鋭い事を聞いてくれる!
 そう、問題はそれなんですよ!!」
 『矢の男』が目を輝かせながら答えた。

「…何?」
 私はそう聞き返せずにはいられなかった。

「私はねぇ、ずっと『神』をどうやって降臨させようか、そればかり考えていたんですよ。
 その為に四方八方あらゆる手を尽くしました。
 しかし、『神』を実際降臨させてみて、ある重大な事に気づいてしまったんです。
 『神』は降臨した。
 で、それからどうすればいい?」
 『矢の男』は身振り手振りを添えながら演説するように喋る。

「全く笑えない話です。
 『神の降臨』という手段が、いつの間にか目的にすりかわっていたのですからね。」
 『矢の男』が自嘲気味な笑みを浮かべた。

「…というわけで、あなた達も『神』になったからには何をすべきなのか、
 私と一緒に考えてはくれませんか?
 あのモララエルやモナエル達を退けた力の持ち主だ。
 必ずや私の役に立ってくれる筈です。
 望むものならば、何だって与えてあげますよ?」
 『矢の男』が冗談とも本心とも取れない口調で私達に言った。

「…お前は、そんな事で……」
 私は拳をわなわなと振るわせた。
「そんな事で、何人もの人の命を奪ったのかああああぁ!!!」
 私は怒りを抑え切れなかった。

 『神』になったはいいが、何をすればいいのか分からない!?
 何だ、それは。
 貴様はその程度の考えで、
 何の意思も意志も信念も信条も思想も理想も理由も目的も持たないまま、
 ただ『神』を降臨させたいというだけで、
 永きに亘って人々を犠牲にしてきたというのか!?
 許さない。
 絶対に許さない。
 これでは、そんなチンケな理由で死んでいった人々が浮かばれない…!!

111ブック:2004/04/26(月) 01:39

「行くぞ!ぃょぅ、ふさしぃ、小耳モナー!!
 こいつはここで殺す!!!」
 ギコえもんがスタンドを発動させて、『矢の男』に飛びかかった。
 我々も、同様にそれに続く。

「『マイティボンジャック』!!」
 ギコえもんが『矢の男』に殴りかかる。
 しかし、『矢の男』は椅子から動こうともしない。
「『アクトレイザー』。」
 『矢の男』のスタンドが、ギコえもんのパンチを片手で受け止めた。
 そして、そのまま無造作に押し返す。
「!!!!!!」
 ギコえもんが、ただそれだけで遥か後方へ吹っ飛んだ。

「この…!」
 ふさしぃがその隙に横から斬りかかる。
 しかし、その瞬間『矢の男』の姿は掻き消えた。
「なっ!?」
 驚愕するふさしぃ。
 その背後から、いつのまにかふさしぃの後ろに回った『矢の男』が腕を振り下ろす。

「『ファング・オブ・アルナム』!!」
 『アルナム』が『矢の男』に襲い掛かり、ふさしぃへの攻撃を止めた。

「『ザナドゥ』!!」
 そこに生まれる一瞬の隙。
 これ以上無い程の突風を『矢の男』にぶつける。
 体勢を崩す『矢の男』。

 いける。
 確かに『矢の男』とそのスタンドのパワーとスピードは驚異的だ。
 しかし、全く対処が不可能という程ではない。
 一対一ならともかく、人数で押し切れば倒せる…!

「…それで、『次にふさしぃが後ろから私を斬りつけるのをかわした所に、
 下の階に隠れていた『デビルワールド』が襲い掛かってくる』訳ですね。」
 …!?
 なんだって…!?
 今、こいつ何を―――

「余所見している暇は無いわよ!!」
 『矢の男』の言葉通り、ふさしぃが背後から『矢の男』に斬りかかった。
「待て、ふさしぃ!!
 何かがヤバぃょぅ!!!」
 しかし私の制止も時既に遅く、ふさしぃはそのまま『矢の男』を斬り裂こうとした。
 苦も無い様子でそれをかわす『矢の男』。
 その瞬間、『矢の男』の足元に罅が入り…



     ・     ・     ・



 俺の中に潜む『デビルワールド』からの感覚を頼りに、
 俺は下の階から『矢の男』の位置を探って真下から奇襲をかけた。
 床を突き破って上階に飛び出すと、『矢の男』の姿が眼前に出てくる。
 貰った。
 このタイミングでならかわせまい。
 防御した所で、大ダメージを…

「!!!!!!!!」
 しかし、俺の腕は空しく『矢の男』をすり抜けた。
 馬鹿な。
 どういう事だ!?
 こいつは間違いなく、この場所にいる筈だ。
 『デビルワールド』も奴の存在を認識している筈なのに、
 何故、何でパンチが当たらなかった!?

「本当は『私はここであなたに殺される』筈だったのですが、
 その事象は書き換えさせて貰いました。」
 『矢の男』が呟く。

「…the world is mine.(かくて世界は我が手の中に)」



     TO BE CONTINUED…


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