したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

スタンド小説スレッド3ページ

672:2004/06/24(木) 22:01

「知らん! あんな呪われた島の事など、ワシは何も知らんぞッ!!」
 そう言って、老婆は背を向けた。
 そのまま、ちらりとこちらへ視線を向ける。
「あんたら、命が惜しかったらあの島に近付くでないぞッ!!」
 そう言い残して、老婆はそそくさと去っていった。
 まるで、関わり合いになりたくないといった具合に。

「…判で押したような反応だな」
 ギコは呆れたように言った。
 そして、おそらくボートで迎えに来た現地の人とやらが、この島の因縁について語ってくれるのだろう。

「…そう言えば、Mr.Zとやらが手紙に同封したUFOの写真ってのは?」
 俺は、キバヤシに訊ねた。
「おっと、忘れるところだった…」
 キバヤシはポケットから1枚の写真を出すと、俺に渡す。

 俺は、その写真を見た。
「どれどれ…?」
 ギコ達が、俺の背後から写真を覗き込む。
 不鮮明だが、妙な物体がかなり大きく写っていた。
 まさに、円盤型。
 キバヤシの言った通り、その下部には砲台のような物がついていた。
 まるで、戦車の砲塔を逆さにしてくっつけたみたいな…

「何だこれ、パンターじゃねぇか」
 ギコは言った。
「…パンター?」
 俺は振り返って訊ねる。
「ドイツが、ナチス時代に開発した戦車だよ」
 ギコは告げた。
 何だ、本当に戦車の砲塔だったのか…

「じゃあ、合成したトリック写真って事?」
 しぃは訊ねる。
「ああ、本当にこんなモンを作ったんじゃない限りはな…」
 ギコは馬鹿馬鹿しそうに言った。
 それも当然だ。
 未知の飛行物体を製造しておきながら、パンターの砲塔を逆さにしてくっつける馬鹿が存在するとは思えない。

「じゃあ、無駄足だったって訳?」
 モララーは不服そうに言う。
 俺は、そっちの方が有難いんだがな。
「あきらめない…」
 キバヤシは呟きながら顔を上げた。
「『あきらめない』というのが、俺達に出来る唯一の戦い方なんだよ!!」
 …つまり、調査を止める気はないらしい。

「つーか、Mr.Zとかいうヤツ、怪しすぎないか…?」
 ギコは言った。
 何を今さら。その名前で怪しまない奴は失格だ。
「手紙の方も見せてくれないか?」
 ギコは、キバヤシに手を出した。
「ああ… どこに仕舞ったかな」
 カバンをごそごそするキバヤシ。
「あった、これだこれだ…」
 キバヤシは封筒から手紙を出すと、ギコに渡した。

「うおっ!! 怪しッ!!」
 それを見て、俺は思わず叫んだ。
 まるで一昔前の脅迫状のように、手紙の文字は切り抜いた活字の貼り付けだったのだ。
「…今どき、こんなことするヤツいるんだね…」
 モララーは呆れたように言った。
 字の大きさもマチマチで、所々ずれている
 もう、怪しさ大爆発だ。

「…ん、迎えが来たようだ」
 キバヤシは腰を上げた。
 海面に古臭いボートが浮いている。
 俺達全員+荷物が乗ったら、沈んでしまいそうな…

 現地の人と思われる筋肉質のニワトリが、キバヤシと視線を絡めた。
 ゆっくりと頷くニワトリ。
「じゃあみんな、ボートに乗ってくれ」
 そう言いつつ、キバヤシがボートに乗り移った。
 その衝撃だけでボートは大きく揺れる。

「オイオイ、こんなボロで大丈夫なのか? みんな乗ったら沈んじまうんじゃねーか?」
 三角頭は言った。
 ってか、いたのか。

「…」
 ニワトリが、三角頭を睨んだ。
 そして地上に飛び移ると、腕をクイクイさせる。

「左側の海苔頭! きさまの頭の形が気にくわん! 今から痛メツケテヤル!! …だそうだ」
 キバヤシはボートに腰を下ろして言った。

「はァ〜〜〜〜? おれのことか? なんだてめー! いきなり何いいだすのん? 頭パープリンなのか?」
 ニワトリを挑発する三角頭。
 パープリンなのは、間違いなくお前だ…


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板