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スタンド小説スレッド3ページ

55ブック:2004/04/17(土) 00:03



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 車のスピーカーから少し古めのヒット曲が流れてくる。
 私達はひたすらに東を目指して走っていた。
「…ふさしぃ達の話だと、あと二・三時間もすれば合流出来るみたいだょぅ。」
 私は後部座席に座るでぃ君とみぃ君に話しかけた。

 先程のふさしぃから電話で、ギコエルという奴から攻撃を受けたという連絡が入った。
 やはり二手に分けられた所を襲って来られたみたいだ。
 という事は、私達の所へも刺客が来る可能性が高い。
 気を引き締めてかからなければ…

「……」
 車の窓からは沈みかけの太陽が見える。
 この様子だと、ふさしぃ達に会えるのは夜になってからになりそうだ。


「でぃさん…」
 不意にみぃ君がでぃ君に心配そうに声をかけた。

 …理由は、分かっている。
 車の中の空気が、重い。
 私達…
 いや、でぃ君の周りに、
 見えない「何か」が確実に渦巻いている。
 何か、得体の知れない怨念めいた何かが…

「……」
 でぃ君は何も答えず、心配無いという風に頭を振った。

 嘘だ。
 彼は今闘っている。
 自分の中に潜むあの『化け物』を自分の中に押し込めようと、
 精神をすり減らしながら必死に闘っている。

「……」
 私はアクセルを踏み込んだ。

 急がなければ。
 一刻も早く『矢の男』の処へ行って、全てにケリをつける。
 そして、でぃ君の中の『化け物』も絶対に何とかする。
 私に出来るのは、それだけだ。



「……?」
 と、フロントガラスが急に曇った。
 よく見ると、砂みたいなものがガラスに張り付いている。

「これは…」
 外を見ると、砂のような粒が大量に宙に舞っている。
 どうやら、砂嵐が吹いているみたいだ。
 それにしても、ずいぶんといきなり強い風が吹き始めたな…

「!!!!!!」
 その時、信じられない光景が目に飛び込んできた。
 通行人の一人の体が、突然崩れ始めたのだ。
 何が何だか分からないといった表情のまま、通行人が砂へと変わる。

 いや…!
 通行人だけじゃない。
 周りのもの全てが、徐々に崩れ始めている…!

「!!!!!!!!」
 次の瞬間、フロントガラスにいきなり穴が開いた。
 まさか、この車も崩れ始めている!?

「……!!」
 私は慌ててブレーキをかけた。
 フロントガラスの穴から、少しずつ風が吹き込んでくる。
 間違いない。
 これは敵の攻撃だ。
 だが、これは一体どういう能力…?


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