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スタンド小説スレッド3ページ
571
:
丸耳達のビート
:2004/06/12(土) 01:38
「おぉ〜い」
―――どこからか聞こえて来た声で、ふと我に返った。
しぃに向けてパン屑袋を投げ返し、足を止める。
「マールミーミしゃぁーん」
声のした方を見ると、髪を両側で束ねた幼い感じの少女と、丸耳のモララーが軽く手を振っていた。
「丸茂と…ののちゃん」
「よ、久しぶり。マルミミは今日学校いいの?」
「丸茂こそサボりでしょ。僕は休み…あ、紹介するね」
二人の視線に気がついて、鳩と戯れるしぃを指し、
「シュシュ・ヒューポクライテ…ウチの患者さん。んで、」
くるり、としぃに向き直って二人を指し、
マルモ リョウイチ ジン ノゾミ
「コイツが『丸茂 良一』で、こっちが『辻希美』ちゃん」
「初めまして」「よろしくなのれす〜」
長身を折りたたんで丸茂が、舌っ足らずな声でののが頭を下げる。
「あ、こちらこそ」
体中に鳩を止まらせたまま、しぃが恐縮したようにお辞儀を返した。
マルミミ以外に同世代の人間と付き合っていなかった反動か、他愛もない雑談が始まった。
趣味は何だの、好きなタレントは誰だの、どのくらいで退院できるだの―――
「―――ちょっとマルミミ借りてっていい?」
そんな下らない話を続けて数分程経った頃、急に丸茂がそう言った。
きょとんとした二人の視線に、笑って手を振る。
「ホラ、男同士女同士でしか喋れないこともあるし、十分くらいしたらまた戻ってくるから」
「…わかりました。行ってらっしゃいなのれす」
「うん、それじゃ」
そう言うと、マルミミの手を強引に引っ張って公園の奥へと消えていった。
「…どうしたんだろ?」
「ンフフン。男同士で秘密の会話なのれすよ〜」
どこかわかっていない様子のしぃに、ののが楽しそうに笑った。
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