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スタンド小説スレッド3ページ

34ブック:2004/04/11(日) 21:34



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 Z武は体を激しく震わせて、腕を切断した痛みに耐えていた。
「何だ…何なのだ、さっきのはぁ!!?
 何故空間が閉じなかった!!!」
 半狂乱の表情でZ武が叫ぶ。
 腕からは、止めど無く血が流れ続けていた。

「…あれが、あの『化け物』の能力か……!
 糞!糞糞糞糞糞!!!
 忌々しい!!
 何故あんな『化け物』がその存在を許されているのだ!?」
 Z武は叫び続ける。
 それはあたかも駄々っ子のようでもあった。

「…仕方が無い。
 『デビルワールド』をこの手で始末出来ないのは残念だが、
 このまま奴に攻撃をしかけるのは危険過ぎる…
 あのお方の邪魔をさせない為にも、ここは空間に閉じ込めたままにして―――」
 その時、Z武の頭を何者かの腕が掴んだ。

「!?」
 Z武がギョッとしてそちらを向こうとするが、出来ない。
 そこには、彼の『エグゼドエグゼス』が生み出すものと同じような空間の亀裂から、
 異形と化した腕が突き出ていた。

「―――なっ!?これは…!!」
 驚きを隠せないZ武。

「…空間を『終わらせて』、お前の開いた亜空間を突き破った。」
 空間の裂け目から、何者かの声が聞こえてくる。
 その声に、Z武は以前聞き覚えがあった。

「『デビルワールド』…!」
 Z武の頭蓋がから、みしみしと嫌な音が立ち始める。
 頭を砕かれそうな痛みに、Z武は顔を歪ませた。

「狂ったまま大人しくしていれば、もう少し長生き出来たものを…」
 『デビルワールド』が哀れむように呟く。
 しかし、手に込められた力は全く緩めない。

「ひぃ!!ひいぃ!!
 ひいあああああああああぁぁぁああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
 Z武が絶望にまみれた悲鳴を上げる。
 『デビルワールド』はその叫びを陶酔した表情で聞いて―――
 そして、一言呟いた。
「『終われ』。」
 その言葉と同時に、Z武の体が塵一つ残さず消え去った。
 まるで、最初からそもそも存在していなかったかのように。

「存在の終了…
 果たして奴は何処にいくのだろうな…?」
 『デビルワールド』は空間の亀裂からZ武の居なくなった場所を見つめながら、
 邪な笑みを浮かべるのであった。


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