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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

553ブック:2004/06/09(水) 00:02
     EVER BLUE
     第二十八話・LUCK DROP 〜急転直下〜 その二


 『フリーバード』の中に警報機が鳴り響く。
 船員達が、それを聞きつけて慌しく戦闘態勢を取る。

「親方!」
 オオミミが、ブリッジへと駆けつけた。
「おお、来たか。」
 サカーナの親方が待ちかねていたかのようにオオミミの方を向いた。

「…ついに来たか。
 『紅血の悪賊』が…!」
 ニラ茶猫が武者震いをする。
 僕も、深呼吸をしながら気合を入れていく。

「…敵は戦艦級が三隻と言っていたな。
 高島美和、どうするよ?」
 サカーナの親方が高島美和に尋ねた。
 いや、あんた船長なら少しは自分で考えろよ。

「先程も述べましたように、向こうはこちらを即座に討ち堕とす事はしない筈です。
 恐らく、急襲用迫撃射出錨(アサルトアンカー)による拿捕。
 もしくは前回のように吸血鬼が直接この船に飛び移るなど、
 内部から制圧する手法を取ってくると思われます。」
 高島美和がお茶を飲みながら告げる。

「へっ!殴り合いなら俺達の得意技だぜ!!」
 ニラ茶猫が拳を打ち合わせた。

「殴って倒す、そんな簡単な問題ではありません。
 まず、戦闘要員の数は向こうが圧倒的に上。
 しかも、その中にはスタンド使いもいるでしょう。
 私達の船にスタンド使いが居るというアドバンテージなど、無いものと思ってください。
 それに、あなたなら兵士を何人相手にしても大丈夫なのかもしれませんが、
 人質を取られたらどうしますか?
 見殺しにして闘うだけの覚悟はおありですか?
 仮にあなた一人が生き残ったとして、船の操縦はどうするつもりですか?
 機関室を破壊されたら、どうするつもりですか?
 もしくは、敵が私達が奪ったものを取り返すのを諦めて、
 『他の勢力に目当ての物が渡る位なら』と、
 一気に攻め立ててくる事も充分に有り得るのですよ?
 そうなっては、こんな船などあっという間に空の藻屑ですね。」
 ニラ茶猫の軽薄な言動を攻め立てるように、高島美和がまくしたてる。

「ご…ごめんなさい……」
 しょぼんとしょげ返るニラ茶猫。

「分かればよろしいのです。
 兎に角、向こうの歩兵をこの船に入れてしまった時点で、
 私達の負けはほぼ確定します。
 加えて、私達が向こうの船を撃沈するのは不可能。
 以上から、いかにして憲兵の到着まで持ち堪えるかが今回の勝利条件と考えます。」
 高島美和が大きく息をついた。

「…俺に異論は無い。
 で、どうするのだ?」
 三月ウサギが高島美和に聞いた。

「…本来ならこんな状況に陥らない事が一番の作戦なのですけど、
 こうなってしまっては四の五の言っていられません。
 三月ウサギ、船長、
 急襲用迫撃射出錨(アサルトアンカー)はあなた達に何とかして貰うとして、
 残るは上から飛び降りてくる吸血鬼ですが…」
 高島美和が視線を落として考え込む。

554ブック:2004/06/09(水) 00:03

「でしたら、それについては私に任せて貰えませんか?」
 そこに、タカラギコが立候補してきた。

「あなたが?」
 聞き返す高島美和。

「ええ。
 射撃には少し嗜みがありまして。
 なに、心配はいりません。
 残らず射ち堕としてごらんにいれますよ。」
 パニッシャーを担ぎながら、タカラギコが微笑んだ。

「…では、お願いしましょうか。
 信用がおけるかどうかは別として、あなたの腕前は確かなようですし。」
 躊躇いながらも、高島美和がタカラギコにお願いする。
 まあ、三月ウサギとあそこまで張り合える男だ。
 かなり心強い戦力という事は間違い無い。

「それではオオミミ、ニラ茶猫、
 あなた達は船内の警備をお願いします。
 万一船に敵が侵入してきた場合、あなた達が頼りですよ。」
 高島美和がオオミミとニラ茶猫の顔を見据えた。
 オオミミとニラ茶猫が、小さく頷く。

「カウガールはいつも通り船の操縦、
 私は、『シムシティ』を展開させながら皆さんのサポートを行います。」
 高島美和の周りに、四匹の目玉蝙蝠が出現した。

「敵機、接近中!
 間も無く戦闘射程圏に入ります!!」
 カウガールが舵を握りながら叫んだ。

「…よっしゃ、それじゃあそろそろ往くか!
 野郎共!!
 …死ぬんじゃねぇぞ!」
 そのサカーナの親方の言葉が終わると同時に、
 皆はそれぞれの持ち場へと散ってゆくのだった。

555ブック:2004/06/09(水) 00:03



     ・     ・     ・



「……」
 包帯とベルトでグルグルに巻かれた、とてつもなく巨大な何かを担いだ女、
 『ジャンヌ・ザ・ガンハルバード』が、小さな商船の甲板の上に佇んでいた。
 今は夜の為全身をコートで包む必要もなく、
 その美しい要望を余す事無く周囲に晒している。

「キイ、キイイ。」
 と、そこに小さな蝙蝠が女の下へと舞い戻って来た。
 蝙蝠はジャンヌの肩にとまると、キイキイとか細い声でジャンヌに何かを伝える。

「…そうか。
 よし、ご苦労じゃったな。」
 ジャンヌは蝙蝠の頭を指で撫でると、褒美にお菓子の欠片を与えてやる。
 蝙蝠が、嬉しそうにお菓子を頬張り始めた。

「あんたのペットかい?
 随分と変わったもの飼ってるんだな。」
 船の主らしき男が、後ろからジャンヌに声を掛けた。

「…親仁、頼みがある。」
 男の質問には答えず、ジャンヌが男の目を見て尋ねる。

「…?
 何だい?」
 きょとんとした顔で聞き返す男。

「この船を、ここから北東辺りの『ヌールポイント公国』の国境沿いにまで
 動かしてくれんか?」
 そのジャンヌの言葉を聞いて、男は見る見るうちに顔色を変えた。
「じょ、冗談じゃねぇや!
 あそこら辺には今、『紅血の悪賊』がたむろしてるんだぜ!!
 そんな所、自殺志願者でもなきゃ行かねぇよ!!」
 男が怒鳴るようにジャンヌに答えた。

「約束の金の倍…いや、三倍の額を支払うが、駄目か?」
 平然と口を開くジャンヌ。
「駄目なもんは駄目だ!
 幾ら金を積まれようが、命には代えられねぇよ。」
 男がつっけんどんに返す。

「…仕方が無い。
 まあ、ここまで近づければ大丈夫か…」
 と、ジャンヌがぶつぶつと独り言を言い出した。

「ああ?
 何だって?」
 怪訝そうに男がジャンヌに尋ねる。

「いや、こちらの話じゃ。
 親仁、無理言って送って貰ってすまなんだ。
 ここまでで結構じゃ。」
 ジャンヌが金を男に渡しながらそう言った。

「ここまで、って…
 あんた、こんな周りに島も無い所で一体どうする―――」
 そこで言うのを止めて、男は大きく目を見開いた。
 何と、ジャンヌは平然と甲板の柵の上に昇ったのだ。
 下は落ちたら助からない雲の海だというのに、である。

「お、おい!あんた!!
 危ないぞ!!!」
 男は必死に呼びかけるも、ジャンヌはそ知らぬ顔で柵の上に立ち続ける。
 彼女自慢の金髪が、夜風を受けて煌びやかにたなびいた。

「ラ・ウスラ・デラ・ギポン・デ・リルカ…」
 ジャンヌが呟くように呪文を唱えると、彼女の影から大量の蝙蝠が飛び出した。
 そしてそれらは次々と一つ所に集まり、
 黒い閃光と共に大きな一匹の蝙蝠へと姿を変える。
 『使い魔』(サーヴァント)。
 上級の吸血鬼だけが使える、吸血鬼の特殊能力の一つだ。

「な…あ……あ……」
 男が、その超常の光景を目の当たりにして放心状態に陥る。

「では親仁、世話になった。」
 ジャンヌはそんな男に一瞥をくれると、
 大きな蝙蝠の背に乗ってすぐさまその船から飛び去っていった。



     TO BE CONTINUED…


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