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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

308ブック:2004/05/10(月) 17:07
     EVER BLUE
     第十話・NIGHT FENCER 〜夜刀(やと)〜


 響き渡る金属と金属との衝突音。
 三月ウサギが、女の爪とスタンドの鉈と激しく剣を打ち合わせていく。
「SYAAAAAAAA!!」
 次々と繰り出される女の攻撃。
 三月ウサギは、それら全てをかわし、受けながら、さらに斬撃を返していく。
 人間業じゃない。
 普段は愛想が悪いが、彼ほど心強い仲間などそうは居ないだろう。

「SYAGYAAAAAAAAAA!!!」
「ふん…」
 打ち合いながら、三月ウサギと女はそのまま僕達の向こうへとなだれ込んで行った。
 多分、三月ウサギが僕達からあの女を引き離してくれたのだ。
 ありがとう、三月ウサギ。

「さて、恐いおばさんが向こうに行ってる間に、治療しとくか。」
 廊下の向こうへと行ってしまった三月ウサギ達を尻目に、
 ニラ茶猫はオオミミの千切れた腕を切断面に押し当てると、そこに自分の手を置いた。

「『ネクロマンサー』。」
 ニラ茶猫の手から無数の蟲が湧き出し、オオミミの傷口へと入っていく。
 傷口に潜り込み、擬態を繰り返してオオミミの肉や骨に変化していく蟲達。
 程無くして、オオミミの腕はくっついた。
 同様に、足の方も接着させる。

「…よし、こんなもんか。」
 ニラ茶猫が額を拭った。
 そして、くっついたばかりのオオミミの腕を抓る。

「痛っ!」
 小さく叫ぶオオミミ。

「よし、神経もちゃんとくっついたみたいだな。」
 ニラ茶猫が安堵の溜息を吐く。
 良かった。オオミミの腕と足が元に戻って、本当に良かった。

「ありがとう、ニラ茶猫。すぐに三月ウサギを……痛っ…!」
 オオミミが立ち上がろうとして、痛みに顔を歪めた。
「おい、無茶するなフォルァ!
 今は抜き差しならない状況だから、細胞が壊死しないように
 取り敢えずの応急処置程度にひっつけておく位しかしてねぇ。
 あんまり動くとまたもげるぞ。」
 ニラ茶猫がオオミミを座らせる。

「でも…!」
 食い下がるオオミミ。
 馬鹿、さっきコテンパンにやられたばっかりだというのに、無茶をするな。
 今は大人しく休んでいろ。

「…つーわけで、よ。
 悪いが嬢ちゃん、こいつをどっか安全な場所にまで連れてってくんねぇか?」
 ニラ茶猫が天を見やる。

「は、はい。」
 猫を被った大人しい声で答える天。
 こいつ、絶対ニラ茶猫が居なかったらオオミミを見捨てた筈だ。

「サンキュー。
 それじゃ俺は、三月ウサギの野郎の所へ加勢に行ってくるわ。
 俺が居ねぇと負けて泣いちまうだろうからよ。」
 ニラ茶猫がそう言って振り返る。
 いや、あの三月ウサギに限ってそれは無いだろう。
 それはどちらかと言えば、ニラ茶猫の役割だ。

「ニラ茶猫…」
 オオミミがニラ茶猫の背中に不安気な声を向ける。
「心配すんなって、俺がそう簡単にくたばるかよ。
 何たって、俺と俺の『ネクロマンサー』は…」
 ニラ茶猫の右腕から蟲が湧き出す。
 そしてそれらが一つ所に集まり、擬態し、一本の刃物へと変貌する。
 それはあたかも、ニラ茶猫の腕から刃が生えているかのようであった。

「『無限の住人』(blade of immortal)なんだからよ。」
 ニラ茶猫が、腕と一体化した刃を大きく振るった。

309ブック:2004/05/10(月) 17:07



     ・     ・     ・



 俺は吸血鬼の女と、廊下を駆け回りながら何度も剣を打ち合わせた。
「SIIIIIIIIIEEEEE!!!!!」
 女のスタンド『ベアナックル』の右手の大鉈を、左腕のロングソードで受ける。
 重い。
 これが吸血鬼の膂力か。

「AHHHHHAAAAAAAAA!!!」
 さらに左の鉈が俺の喉下を狙う。
 それを右手に持ったサーベルで受ける。

「……!!」
 既に何度もあの大鉈を受け止めている事で疲弊しきっていたサーベルが、
 ついに衝撃に耐え切れなくなり真ん中辺りでポッキリと折れる。
 これで、十五本目。
 全く、これだけの短時間でここまで剣をお釈迦にされるとは思わなかった。
 新しい剣を買う金を寄こせと高島美和に言っても、恐らく却下されるだろう。
 糞。
 たまらんな。

「ちっ…!」
 追撃が来る前に、女の腹を足の裏で蹴飛ばして強引に距離を取る。
 鳩尾に蹴りを入れられた女が、後方に吹っ飛んで腹をおさえる。
 その間に、『ストライダー』を発動させたマントの中から新しい剣を取り出す。

「…あと何本かしら?あなたの剣は。」
 女がゆっくりと立ち上がる。
「安心しろ、まだ半分も使ってはいない。
 お替りは幾らでもあるぞ。」
 両手に剣を構えながら、女を見据える。

「ふふ…マントの中で無限剣製でもしてるのかしら?」
 女が薄ら笑いを浮かべる。

「さて、と。」
 と、女が俺に向かって突進した。
「『ベアナックル』!!」
 女のスタンドの二刀流の鉈が両サイドから俺に襲い掛かる。

「……!!」
 両手の剣で、それらの鉈を受け止める。
 剣の刃に半分近く食い込んでくる鉈。
 これで更に二本の剣が再起不能となった。
 しかし、これだけでは終わらない。

「SYAAAAAAAA!!!」
 スタンドの鉈を受け止め二本の腕が封じられた所に、
 本体である女の爪が突き出されてくる。
 この、本体とスタンドとの連携攻撃。
 スタンドには特殊な能力は備わっていないみたいだが、
 それでもこのコンビネーションはかなり厄介だ。

「『ストライダー』!」
 マントを翻し、そこに生み出した異次元への扉に女の腕を突っ込ませる。
 女の腕がマントに吸い込まれ、俺にはその爪は届かない。

「死ね…!」
 そこに向けて、女の頸部目掛けて剣を凪ぐ。

「!!!!!!」
 しかし、女は首を切り落とされる直前で瞬間的に後ろへと跳んだ。
 浅い。
 今ので、仕留められなかった。

310ブック:2004/05/10(月) 17:08

「…便利なマントね。」
 半分近く斬り込まれた首を再生させながら、女が俺のマントを見る。

「…だけど、どうやらスタンドとかのエネルギー体までは、
 その中に取り込めないみたいね。
 もし出来るならば、私の『ベアナックル』の鉈もそのマントで防御すればいいだけだもの。」
 女が嘲るかのような笑みを浮かべる。
 あれだけ剣を交えていれば、流石にばれてしまったようだ。

「…だからどうした。」
 俺は半ばまで切れ込みの入った剣を捨て、マントから新たな得物を取り出して女を睨む。
 だからどうした。
 それで俺に勝った心算か?

「…いい目ね。
 気に入ったわ。あなた、私の奴隷にならない?」
 奴隷?
 奴隷だと!?
 笑える冗談だ、売女。
 いいだろう。
 俺にそんな言葉を喋った事を、地獄で後悔させてやる…!

「…教えてやる、女。」
 俺は剣を女に向けて、言い放った。
「何かしら?」
 女が聞き返した。

「お前の命は、後十秒だ。」
 女に向かって、右手に持っていた剣を投擲した。
 回転しながら、剣が女の頭部目掛けて襲い掛かる。
 それと同時に、俺は剣を追う形で女に向かって突進した。

「……!!」
 スタンドで、その剣を上に弾く女。
 そうさ、そうなる事は読んでいた。

「はあああああああああ!!」
 一気に女の懐にまで飛び込む。
「『ベアナックル』!!」
 それをスタンドで迎撃してくる女。
 読み通りだ。
 この女は恐らく、再び俺が剣で鉈を防御すると思っているのだろう。
 だが、それは大外れだ…!

「……!」
 俺は攻撃を喰らうのを覚悟した。
 攻撃を完全に回避するのではなく、急所だけは外れるように敢えて受ける。

「!!!!!!!!!」
 斬り落とされる俺の両腕。
 思いがけない俺の行動に、女の動きが一瞬止まった。
 こいつは今考えている。
 俺が何故わざと攻撃を喰らったのか。
 両腕を失って、どのように攻撃するつもりなのか。
 そこに生まれる、僅かな、しかし死神が振り向くには充分な隙。
 それこそが、俺の狙っていたものだった。

「はぁっ!!」
 跳躍。
 まだ女は思考が行動に追いついていない。
 女は考えてしまった。
 俺の次の行動を。
 女は見ようとしてしまった。
 俺の次も行動を。
 そして女は知らなかった。
 それが、命のやりとりでどれだけ致命的な事なのかを。
 いいさ。
 見せてやる。
 俺が、何をしようとしたのかを。

「……!!」
 空中で、さっき女が弾いた剣の柄を口に咥える。
 女がようやく俺の狙いに気づいたらしい。
 だが、もう遅い。
 数瞬の逡巡が、お前の命の灯火を消し去った。
 そして、そのまま剣を女の頭目掛けて―――

「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
 俺の着地と同時に、女の体が頭の天辺から股にかけて奇麗に真っ二つに斬断された。
 薪割りのように、そのまま女の体が二つに分かれて地面に倒れる。

「ふん…」
 念の為、右側左側それぞれの頭を足で踏み潰しておく。
 これ位しておかないと、吸血鬼は安心できない。

「……」
 女の体が、煙を立てながら塵へと還っていく。
 どうやら、完全に殺しきれたらしい。

311ブック:2004/05/10(月) 17:08



「おい、三月ウサギ。助太刀に来たぜ…ってもう終わってるじゃん!」
 今頃になってニラ茶猫がやって来た。
 相変わらずうだつのあがらない男だ。

「ふん。今更のこのこと、何をしに来たんだ?」
 俺はせせら笑いながらニラ茶猫を見やる。

「お前何一人で片付けてるんだよ!
 俺はさっきオオミミと天の嬢ちゃんに、格好よく大見得切ってここに駆けつけたんだぜ!?
 それなのにすでに闘いは終わってました、って、
 これじゃまるで俺が馬鹿みたいだろうがフォルァ!!」
 訳の分からない事で怒り出すニラ茶猫。
 馬鹿みたいも何も、お前は最初から馬鹿だろう。

「ごちゃごちゃうるさい事を言うな。
 喚いている暇があったら、さっさと腕を直してくれれば助かるのだがな。」
 本当はこいつにお願いをするのは嫌なのだが、背に腹は変えられない。
 それに先程の闘いでの作戦も、こいつがいなければ実行出来なかった。

「…お前、それが人に物を頼む態度かよ?」
 と、ニラ茶猫が急に渋り出した。
「…何が言いたい?」
 俺はニラ茶猫の顔を見ながら聞き返す。

「人様にお願いをする時はよ〜、
 それなりのお願いのしかたってもんがあるんじゃねぇのか〜?
 例えば土下座とか土下座とか土下座とか。」
 下品な笑顔を浮かべるニラ茶猫。
 やれやれ、こういう時だけ優位に立った気分になっていい気になるとは、
 つくづく器の小さい男だ。


「…『背徳のおままごと 〜お兄様やめてっ!!〜』。」
「!!!!!!!!!!!!」
 俺のその言葉に、ニラ茶猫が硬直した。

「…な、何でお前がそれを……!」
 震えた声で俺に尋ねるニラ茶猫。
 あからさまに動揺している。

「『妹学園・陵辱の宴』。」
 俺は構わず言葉を続けた。
 ニラ茶猫の顔から冷や汗が噴き出す。

「『無毛天国・小さな天使達』。」
「や、やめろ!!やめてくれ!!!」
 ニラ茶猫が俺のマントにしがみついた。

「『ロリロリ倶楽部・小○生の痴態』。」
「分かった!治すから!!治すから!!!
 だから皆には秘密にしといてくれええええええええ!!!!!!!」
 ついにニラ茶猫は泣き出した。
 やれやれ、こいつが変態的趣味の持ち主で助かった。
 こいつに頭を下げるなど、死んでも御免だからな。

「『お兄ちゃん!ボク妊娠しちゃうぅぅ!!!』、
 『初めてのお医者さんごっこ』。…まだまだあるぞ?」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
 ニラ茶猫が、顔面を蒼白にしながら絶叫するのであった。



     TO BE CONTINUED…


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