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スタンド小説スレッド3ページ

1新手のスタンド使い:2004/04/10(土) 04:29
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

577:2004/06/12(土) 20:55

「―― モナーの愉快な冒険 ――   吹き荒れる死と十字架の夜・その7」



          @          @          @



「敵は、吸血鬼ですッ!!」
 背後から、慌しい声が響く。
 ブリッジに駆け込むなり、艦員が叫んだのだ。
 立派な椅子に座っている男が、ゆっくりと顔を上げた。
 そして、息を切らしている艦員の顔を見据える。

「…確かに吸血鬼だな? スタンド使いでもその他の何かでもなく、吸血鬼なんだな?」
 第1護衛隊群の旗艦『しらね』。
 その艦を任されている海将補は、椅子から立ち上がって言った。

 ――吸血鬼。
 一般人ならいざ知らず、国防にかかわっている人間ならその実在は知っている。
 だが… 奴等は闇に潜む存在。西洋の古い町などで、ひっそりと屍生人を増やす連中なのだ。
 その吸血鬼が集団で襲撃を掛けてきたという事例など、初めて耳にする。

「間違いありません! 銃器で武装した吸血鬼です!」
 艦員は慌てた様子で告げる。
「すでに多数が艦内に侵入しています。指示をお願いします、司令!」

「軍律によって統制された吸血鬼か…」
 海将補は立ち上がると、ブリッジに備え付けられているコンソールを操作した。
 彼の肩章には、2つの桜が並んでいる。
 単にこの『しらね』の艦長というだけでなく、第1護衛隊群そのものの司令でもあるのだ。
 ここで判断を誤れば、艦隊は全滅する。

「僚艦は――?」
 コンソールを素早く操作しながら、海将補は訊ねる。
「大規模な爆撃と侵攻を受けていますが…
 ASAのミサイル攻撃を受けた『たかなみ』を除き、全艦がなんとか健在です。
 ただ、第2護衛隊群の旗艦『くらま』の損傷は大きく、すでに退艦命令が出されています…!」

「指揮権移譲か…」
 海将補は呟いた。
 自分の肩に、第2護衛隊群の運命までもがのしかかってしまったようだ。
 このままでは、制圧されるのも時間の問題。
 余裕があるうちに全員退艦の命を出すか?

 ――いや。
 15艦に及ぶ大艦隊の総艦員が退艦すれば、誰がそれを救助するのだ?
 4500人を超える人員だ。
 それだけの大人数を救助など、どう足掻いても不可能。
 まして現在の海水温度は低く、2時間も持たないだろう。
 本土からの救助船など、確実に間に合わない。
 下手に退艦すれば、全滅どころか全員死亡の可能性も――

 防衛庁のデータベースに接続し、情報を引き出す。
 ディスプレイに大量の文字が躍った。
 それを素早く参照する海将補。
「…よし」
 あらゆる情報を叩き込んで、海将補は視線を上げた。

 吸血鬼…
 その言葉に惑わされるな。
 相手は、ゴシックホラーの主役である妖怪などではない。
 闇夜にマントを翻す、貴族然とした不死の超越者などでは断じてない。
 石仮面により、未知の脳の機能を発揮した『元人間』なのだ。

 連中は、銀の弾丸もニンニクも流水も白木の杭も恐れない。
 ただ、日の光に身を焼くのみ。
 目から体液をウォーターカッターのように放ったり、体毛を刃物のように扱ったりするという例もあるが…
 己の身体を武器にするのは、野生動物の牙や爪と同じ。
 一般的な伝承のように、魔術を使ったりコウモリや霧に変化したりする訳ではない。

 吸血ならコウモリでもやる。
 再生なら原生生物ですらやってみせる。
 生物的強度は人間を遥かに越えるが、生物そのものを超越した訳ではない。
 確かに脅威の化物だが… 決して殺せない相手ではないのだ。

「艦内の発光信号用大型ライトを掻き集めて、予想侵攻ルート上に並べろ」
 海将補は部下に命令を下した。
 あれなら、微量ながら紫外線を照射できるはず。
 足止め程度にはなるだろう。
 あとは…

「艦員からただちに射撃経験者を集め、要所に配置だ。
 7.62mm弾で頭部のみを狙え。決して近接戦闘には持ち込むな。こちらに勝ち目はない。
 以上の内容を、至急全艦に通達せよ!!」
 海将補は指示を出す。
「はっ!!」
 艦員は敬礼すると、素早くブリッジから出ていった。

「外国との交戦経験は一切なく、スタンド使い、そして吸血鬼と初めて戦った軍になるとは…
 つくづく数奇な運命だな、我が国の軍隊は…」
 呟きながら、海将補は時計を見る。
 現在、午前5時。
 あと1時間30分ほどすれば、太陽が昇る。
 それまで何とか持ちこたえれば…

578:2004/06/12(土) 20:56



          @          @          @



「ゴルァ!!」
 『レイラ』の刀が一閃し、軍服の吸血鬼の上半身と下半身が真っ二つに分かれた。
 そして、甲板に転がった上半身の頭部に刀を振り下ろす。

 そのギコの背を襲う、機関銃の弾丸。
 俺はその射線に割り込むと、弾丸をバヨネットで叩き落した。
 弾きそこなった弾丸が、幾つか俺の身体にめり込む。

「…痛いモナッ!!」
 俺はすかさず踏み込むと、吸血鬼の顔面にバヨネットを突き立てた。

「ったく… キリがねぇな、これじゃ!!」
 ギコはM4カービンライフルを構えると、正面の吸血鬼の群れに掃射した。
 致命傷にはならないものの、向こうの体勢を崩す事はできる。
 俺はその隙に飛び込んで、次々に吸血鬼の頭部を『破壊』した。

 それでも、吸血鬼達は次から次へ降下してくる。
「ギコ! 後ろッ!!」
 俺は叫んだ。
 ギコの背後から、吸血鬼がスコップを振りかざしてまっすぐに接近している。

「直線の攻撃が、俺に通じるかゴルァァァァァッ!!」
 ギコは吸血鬼の腕を掴むと、そのまま背負い投げを掛けた。
 吸血鬼の体は甲板に叩きつけられ、そのまま柵を破って海面に落下していく。

「ハァハァ… 向こうの艦は大丈夫なのかよッ!!」
 ギコは、息を切らしながら叫んだ。
 俺は、『アウト・オブ・エデン』で『フィッツジェラルド』の様子を視る。

 甲板上を舞い躍るバヨネットとハンマー、そして山積みになった吸血鬼の骸。
「本当にもう… 次から次へとッ!!」
 しぃ助教授が、ハンマーを振り回している。
 次々に潰されていく吸血鬼。

「――我に求めよ。さらば汝に諸々の国を嗣業として与え地の果てを汝の物として与えん。
 汝、黒鉄の杖をもて、彼等を打ち破り、陶工の器物の如くに打ち砕かんと。
 されば汝ら諸々の王よさとかれ、地の審判人よ教えを受けよ――」
 リナーも、バヨネットで吸血鬼達を斬り刻んでいた。

「…どうだ、向こうは?」
 ギコが訊ねる。
「…詩篇2・8〜10節のフレーズも飛び出してノリノリモナ。あっちのコンビは、全然大丈夫!」
 俺は、バヨネットを構えて言った。
 ギコが、目の前の吸血鬼を斬り倒す。
「ヤバいのはこっちか… 今でこそまともに戦えてるが、長期戦になると…」

 そうだ。
 俺はともかく、ギコの肉体は普通の人間だ。
 何時間も戦い続けられるはずがない。
 ましてや、刀を振るうには多大な集中力も必要だろう。

「しかしこいつら、一体何なんだ!!」
 ギコは大きく刀を薙ぐ。
 俺は身を翻すと、正面の吸血鬼の首を斬り落とした。
「多分、『教会』の奴等モナ…」

「教会だと…ッ!」
 ギコの背後で、吸血鬼が短剣を振りかざす。
 ギコは素早く懐から拳銃を抜くと、振り向き様に射撃した。
 吸血鬼がほんの少しよろけた瞬間、『レイラ』の刀が脳天に振り下ろされる。
「畜生、くっちゃべってる余裕もないか…!」

579:2004/06/12(土) 20:59

 …!?
 不穏な気配を感じる。
 これは… 何だ…?
 とても、巨大な…

「どうした、モナー?」
 俺の動揺を感じ取ったギコが、声を掛けてきた。
 『アウト・オブ・エデン』が、またしても巨大な艦艇の接近を捉えたのだ。
 かなりの速度で、こちらに接近してくる。
 もう、今さら何が来ても驚かないと思っていたが…

 それは、350mを越える大きさの空母だった。
 『スーパー・キャリアー(巨大空母)』というヤツだ。
 おそらく、吸血鬼達の母艦…
 艦横部には、『Graf ZeppelinⅡ』と刻まれている。
 たぶんドイツ語だろう。
 『グラーフ・ツェッペリンⅡ』と読むのか…?

「ギコ、『グラーフ・ツェッペリンⅡ』について薀蓄を頼むモナ!」
 俺は、吸血鬼の攻撃を避けながら言った。
「『グラーフ・ツェッペリンⅡ』なんぞ知らんが… 『グラーフ・ツェッペリン』なら有名だ。
 ナチスドイツ初の航空母艦になる予定だったが、戦況の悪化にしたがって計画が中止になった…ッ!」
 背後に立った吸血鬼を斬り倒すギコ。
「もう少し語りてぇが、今は余裕がねぇッ!!」

 またナチスか。
 すなわち、『教会』の艦。
 カトリック教会とナチスドイツは、ある程度癒着していたという話は聞いた事がある。
 虐殺を黙認し、ナチス残党の国外脱出に手を貸したとか…

 …?
 妙な気配に、俺は空を見上げた。
 1機のヘリが飛行している。
 それも、押し寄せる航空機とは逆行する方角に…
 そう。『グラーフ・ツェッペリンⅡ』の方向だ。
 撃墜されないところを見ると、『教会』側の機体なのだろう。
 中に乗っているのは…

 …!!

「Sieeeeeeeeeeeeeeg Heeeeeeeeeeeil!! Uryyyyyyyyyyyyyyyyy!!」
 吸血鬼が奇声を上げながら飛び掛ってくる。
 俺は、その額にバヨネットを突き刺した。

 ヘリは一瞬のうちに飛び去っていく。
 中に乗っていたのは、5〜6人。
 その中に、よく知った顔があった。
 奴は微かな笑みを浮かべながら、この『ヴァンガード』を見下ろしていたのだ。

 独特にカールした前髪。
 ありふれた眼鏡。
 一見、知的そうな瞳。
 そして、見覚えのあるTシャツ。
 そう。ヤツも、『教会』側の人間なのだ。

「キバヤシィィィィィィィッ!!」
 俺は、ヘリが去った方角に叫んでいた。



  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
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