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スタンド小説スレッド3ページ

578:2004/06/12(土) 20:56



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「ゴルァ!!」
 『レイラ』の刀が一閃し、軍服の吸血鬼の上半身と下半身が真っ二つに分かれた。
 そして、甲板に転がった上半身の頭部に刀を振り下ろす。

 そのギコの背を襲う、機関銃の弾丸。
 俺はその射線に割り込むと、弾丸をバヨネットで叩き落した。
 弾きそこなった弾丸が、幾つか俺の身体にめり込む。

「…痛いモナッ!!」
 俺はすかさず踏み込むと、吸血鬼の顔面にバヨネットを突き立てた。

「ったく… キリがねぇな、これじゃ!!」
 ギコはM4カービンライフルを構えると、正面の吸血鬼の群れに掃射した。
 致命傷にはならないものの、向こうの体勢を崩す事はできる。
 俺はその隙に飛び込んで、次々に吸血鬼の頭部を『破壊』した。

 それでも、吸血鬼達は次から次へ降下してくる。
「ギコ! 後ろッ!!」
 俺は叫んだ。
 ギコの背後から、吸血鬼がスコップを振りかざしてまっすぐに接近している。

「直線の攻撃が、俺に通じるかゴルァァァァァッ!!」
 ギコは吸血鬼の腕を掴むと、そのまま背負い投げを掛けた。
 吸血鬼の体は甲板に叩きつけられ、そのまま柵を破って海面に落下していく。

「ハァハァ… 向こうの艦は大丈夫なのかよッ!!」
 ギコは、息を切らしながら叫んだ。
 俺は、『アウト・オブ・エデン』で『フィッツジェラルド』の様子を視る。

 甲板上を舞い躍るバヨネットとハンマー、そして山積みになった吸血鬼の骸。
「本当にもう… 次から次へとッ!!」
 しぃ助教授が、ハンマーを振り回している。
 次々に潰されていく吸血鬼。

「――我に求めよ。さらば汝に諸々の国を嗣業として与え地の果てを汝の物として与えん。
 汝、黒鉄の杖をもて、彼等を打ち破り、陶工の器物の如くに打ち砕かんと。
 されば汝ら諸々の王よさとかれ、地の審判人よ教えを受けよ――」
 リナーも、バヨネットで吸血鬼達を斬り刻んでいた。

「…どうだ、向こうは?」
 ギコが訊ねる。
「…詩篇2・8〜10節のフレーズも飛び出してノリノリモナ。あっちのコンビは、全然大丈夫!」
 俺は、バヨネットを構えて言った。
 ギコが、目の前の吸血鬼を斬り倒す。
「ヤバいのはこっちか… 今でこそまともに戦えてるが、長期戦になると…」

 そうだ。
 俺はともかく、ギコの肉体は普通の人間だ。
 何時間も戦い続けられるはずがない。
 ましてや、刀を振るうには多大な集中力も必要だろう。

「しかしこいつら、一体何なんだ!!」
 ギコは大きく刀を薙ぐ。
 俺は身を翻すと、正面の吸血鬼の首を斬り落とした。
「多分、『教会』の奴等モナ…」

「教会だと…ッ!」
 ギコの背後で、吸血鬼が短剣を振りかざす。
 ギコは素早く懐から拳銃を抜くと、振り向き様に射撃した。
 吸血鬼がほんの少しよろけた瞬間、『レイラ』の刀が脳天に振り下ろされる。
「畜生、くっちゃべってる余裕もないか…!」


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