[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
スタンド小説スレッド3ページ
31
:
さ
:2004/04/11(日) 00:10
「…それは違う。私も、お前を親友だと思っていた」
男は、視線を落としたまま告げる。
「もういい、もう嘘は充分ですよ。あの時の教室の言葉も、全て嘘だったんですからね――」
『蒐集者』は、月を見上げた。
「――私が、愚かだった」
「『蒐集者』、私は…」
男の言葉を、『蒐集者』は遮った。
「すると、エイジャの赤石と『矢』を奪ったのも貴方か…」
男は答えない。
その通りだからだ。
「では、貴方が『私を殺す者』なら…」
『蒐集者』は、憎しみを込めた目で男を睨んだ。
「…なぜあの時、私を殺してくれなかったァァァッ!!」
『アウト・オブ・エデン』は、壮絶な怒りと苦痛を感じ取った。
発狂する程の苦痛。
全てを焼き尽くす程の怒り。
これは、元々の『蒐集者』の感情か…
それとも、壊れてしまった事によるものか。
分からない。
もう分からない。
「――さよなら、我が友ブラム」
『蒐集者』は、バヨネットを構えた。
その背後に、『アヴェ・マリア』が浮かび上がる。
「やめろ、『蒐集者』!!
私は、『お前を殺す者』と言ったはずだ! 相対消滅を望むか!?」
『蒐集者』の殺気に押され、男は一歩下がる。
「…それもいいでしょう。そんな結末も、なかなかに面白い!!」
『蒐集者』は退かない。
彼は、もう一歩も退かない。
「止むをえんか…!」
男は、説得を諦めた。
そして、サングラスを外す。
「アウト・オブ・エデン――」
全てが視える眼。
その視線を、世界を覆う程に展開させる。
「――レクイエム」
* * *
…
……
………
…目が覚めた。
ここは… 俺の家?
俺は頭を上げた。
俺は、誰だ…?
目をこすりながら、ゆっくりと周囲を見回す。
「…おはよう。よく眠れたか?」
横から声がした。
…リナーだ。
「…おはよう」
俺の枕の横に座っていたリナーに挨拶した。
「…ブラムって何?」
なんとなく、リナーに訊ねる俺。
リナーは、少しだけ眉を吊り上げた。
「ユダヤ系の一般的な名前、『エイブラハム』の愛称だが… それが何だ?」
「いや、何でもない…」
俺は布団から身体を起こした。
リナーが寝かせてくれたのだろう。
「公安五課局長が待っている。全員揃ったところで、話があるそうだ」
リナーは無表情で言った。
という事は… 全員、俺が起きるのを待っていたという訳か。
随分とみんなに迷惑をかけたようだ。
俺は立ち上がると、ドアを開け…
ふと思い立って、背後にいるリナーに告げた。
「リナーは、何があっても俺が守るからな」
「…と、突然何を言い出すんだ?」
そう言って目を逸らすリナー。
「…それより、さっさと居間に行くぞ。みんな待ちくたびれている」
リナーはそう言って、俺より先に部屋から出ていってしまった。
リナーは、絶対に俺が守ってみせる。
…そう、今度こそは。
/└────────┬┐
. < To Be Continued... | |
\┌────────┴┘
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板