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【場】『私立秋映学園』 三学期

1『未来へつながる箱庭』:2014/11/12(水) 20:43:55
住宅街に存在する巨大な学園。
エスカレータ式であり、幼年部から大学部まで
黄金町の若者たちが集う学び舎となっている。
また、黄金町のみならず、世界各国から
多くの『留学生』を招いていることでも知られている。
他にも『家庭環境に問題がある子供』を
入学させ、学業をサポートする活動も行っている。

校章は黄金の林檎。
中等部、高等部は私服での通学も可となっている。
しかし、わざわざ制服を改造する学生が後を絶たない。

遠方からの学生は、同じく住宅街に存在する
学生寮『白亜荘』に住んでいることが多い。


前スレッド:
【場】『私立秋映学園』
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【場】『私立秋映学園』 二学期
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2嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/14(金) 00:43:16
「うースタンドスタンド……」

いまスタンドを求めて学園の図書館をさまよっているのは、一般の中学二年生。
強いて人と違うところをあげるとすれば、最近引っ越してきたっていう従兄に恋心を抱いてるってことかナー。
名前は嵐ノ宮 暁利(しのみや きらり)。ところで私の従兄どこにも見当たらないんですけど。

そんなわけで、フラフラと後期中間試験中の殺気立った図書館を歩いているのだ。
制服のアレンジもしてないし髪もありふれた茶髪ロング。至って普通な感じである。
でもずっと「スタンドスタンド」とぶつぶつ呟いているので、アレな人にはピンと来るかな?

3ココロ『RLP』【高二】:2014/11/14(金) 01:07:03
>>2

      ドサッ ドササ


近くを歩いていた女子生徒が、本を落とした音だ。

ハーフアップの茶髪。吊り目気味の緑色の瞳。
高等部の制服はほぼ原型のままだが、手指には一本一本異なるポップな指輪を嵌めている。

      「あっ、あ……」

背は高く、スタイルもよく、容姿端麗だが……見るからに精神の弱そうな表情だ。


「ご、ごめんなさい……」

特に咎められてもいないが、謝りつつ本を拾う。


(い、いきなりスタンドって言うのやめてよ……べつにダメじゃ、ないけど……)

         (可愛い電気スタンドが欲しいとか……そういう話だわ、きっと。)

ちら、と貴女の方を見た。
たぶん、無意識だろう。

4嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/14(金) 01:19:08
>>3

「ん?」
     「んー……」

重いものが落ちる音に反応して振り向き、落ちたものが本であることを視認したのが第一。
次に視認したものは、落とした本人のそのプロポーション。ヤッベ、激マブじゃん。
そして――思わず守ってあげたくなる、小動物的びくびくフェイス。
彼女の視線は……私?

「えっ、あっ」
「大丈夫ですか?拾いますよ」

なんだかよくわかんないけど、思わず本を拾うのを手伝う。
なんかあったらとりあえず大丈夫ですかって言っちゃうの、ほんとなんなんだろうね。

本を拾いつつ、こっちもちらりとココロの方を目で見る。
かわいい人だな、彼氏さんいるのかな……なんて考えつつ。

5ココロ『RLP』【高二】:2014/11/14(金) 01:40:25
>>4

「あ、ごめんなさい……その、ありがとう。わざわざ、こんな……」

(し、親切な子だわ……子って何よ。年下だと思ってナメるなんて失礼だわよ……)

申し訳なさげに本を拾うココロ。
手伝ってくれるなら、拒否はしないしできない。

「本当、ごめんなさいね……」

           「……?」

(……な、なんで、こっち見てるのかしら? いや別に見ておかしいわけでもないけど……へ、変な女だと思われてる……?)

(……もしかして、私の顔に何かついてるのかしら……?)

「……………」

拾い終えるのに、さほど時間はかからないはずだ。

「あ、ありがとう……とても、助かったわ。うふふ。」

(か、考え過ぎ……よね? 単にちらって見ただけ、よね?)

そのころには、何故か不安感の増したココロの顔。

……笑顔、なのだが。
なんだかぎこちない笑顔なのだ。

6嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/14(金) 01:57:00
>>5
ココロのとまどう思考も暁利には伝わらず、本を拾い終える。

「いえいえ、お礼を言われるほどではないですよ」

これ、人生で一回は言ってみたかった。
ドヤ顔で決め、……ココロの笑顔がぎこちないことに気づく。
これでも普通の女子中学生だ。他人の機微にはそれなりに察せるし、配慮することも当然。

「あの、身体のどこかが悪かったりしますか?本持ちましょうか?」

ぎこちない笑顔の理由として、パッと思いついたのが『体調不良』。
『女の子の日』だとしても本を落とすほど重いはずもないし。
そして、次に思いついたのが……。

「……あ。
 べ、別に私は頭が変な人じゃないですよ?独り言ブツブツ言ってたのは、アレですよ忘れないためでですね」

必死に取り繕う。両手を振って無害アピール。
そう、ココロの笑顔がぎこちないのは『中学生がブツブツと何かを呟きながらフラフラ歩いていたから』だと思いついたのだ。

「中二病とかじゃないです!普通です!ノーマルです!」

7ココロ『RLP』【高二】:2014/11/14(金) 02:43:54
>>6

「そ、そう……? でも、ありがとう、嬉しかったわ。」

ぎこちなく微笑む、が。

「……え、体調?」
「えっ……だ、大丈夫よ? 別にどこも……悪くないけど……」

(な、なにかしら、唐突に。)
(……あ、もしかして………)

「……も、もしかして、私、顔色悪かったりするかしら……?」

(それなら、見られたのにも、説明がつくわ……)

……などと、考えていると。両手を振って弁明する暁利。

「……あ」

ココロも、何かを察したように……

「……ああ、そうなのね! そうだったのね、忘れない……暗記……テスト、近いものね。」

何か、勘違いしているようだ。

「私ったら、な、なんだか勘違いして、びっくりしちゃって……ごめんなさいね。」
「べ、べつに貴女が変だなんて思ってないわ、本当よ。普通よ。」

こちらも弁明しておく。

8嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/14(金) 02:59:10
>>7
「ですよね?わたし、変な人には見えませんよね?
 よかったー、ふぅ……」

ココロに変な人と思われなかったことに安堵し、胸を撫で下ろす。胸は平坦だ。
……ふむ。このお姉さんなら、ちょっと暗い感じだけど信頼はできそうだ。
呟いてたのを聞かれたこともあるし、なにか知ってないか質問してみるのも悪くないでしょ。


「ところで、お姉さん」

ココロを上目遣いで見ながら、胸の前で手をすり合わせる。
これは『いつか従兄をモノにするぞ』と意気込んで可愛げのある挙動を学び、自然に出るように体得した技術の一つ。
その名も、『おねがいにゃん』だ!

「超能力……スプーンを曲げるとかのみみっちいやつじゃなくて、もっとダイナミックな超能力。
 そういうの、詳しかったりしないですか?」

ココロがこの言葉からスタンドを察するというのは、この場面だけなら難しいだろう。
けれど、ココロは『スタンド』という言葉がこの中学生から出てきたのを聞いている。
彼女の言う超能力と『スタンド』を結びつけるのは、さほど難しい発想ではないだろう。

加えて、同じ一般人ならスタンドってワードと超能力は結びつかない!完璧な作戦!

9ココロ『RLP』【高二】:2014/11/14(金) 03:17:39
>>8

「ええ、大丈夫よ。」

(この子が変なら私なんかどうなるって話よね……)

ぎこちなさの多少減った笑み。
……と。

「……な、何かしら? 」

『おねがいにゃん』に絆されるところがあったのか、 表情を少しほころばせる。

「答えられることなら、がんばって答えてみるけど……」

そして小さく首を傾げる。
……が、そこに投げ込まれたのは一種の爆薬。

「…………え?」
「えっ……ちょ、超能力……!?」

(い、いきなり、何……と、というか、やっぱり……さっきの、す、スタンドって……)

(……そ、『そういうこと』、なのかしら……? ……そうよね?)

「……」

あたりを見回す……

(きっとスタンド使い、だと、思うけど……)

「……きょ、興味……あるの? そういう、オカルティックな……」

核心に触れてはいない、だが態度で丸わかりだ。

10嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/14(金) 03:38:15
>>9
おっ、これはフィッシュですかなきらり殿?
超能力と聞いて、態度を一変させたココロ。すっごいキョドってる。いかにも知ってます知ってますって顔だ。

「興味あります。
 私だって女の子。恋をしてるんです」

唐突な自分語りが始まる。
顔を下に向け、ぽつぽつと話す。

「私が片思いしてる人は、10年だか9年だかくらい前に会ったいとこなんです。母の姉の息子で。
 その時は家が近くて遊べたんですけど、7年前には家の都合で離れてしまいました」

そして近親に恋愛感情を抱いている、というさらなる爆弾発言。
だが、彼女からは近親への恋慕に引け目を感じている様子はない。至って普通な、恋する乙女って風情だ。

「離れた時に気づいたんですが、私は従兄のことが大好きだったんです。
 それからは一年くらいずっと彼のことを思っていましたが、ここから関東は距離が遠すぎます。
 だから、諦めるしかなかったのかなって引きずったまま過ごしていました……最近までは」

顔を上げ、ココロを見る。その黒い目には、『何が何でも絶対にやるぞ』という桃色の意思があった。

「今年の5月頃に、彼がこっちに引っ越してきたらしいんです。
 それを知ったのは、後期が始まってから。親が私に教えてくれなかっただけなんですけど。
 彼が今住んでいる場所というのが――」

「『白亜荘』という、この学園の寮のようで」

11ココロ『RLP』【高二】:2014/11/14(金) 04:03:26
>>10

「そ、そう……あるのね……え? こ、恋……?」
(な、なんでいきなり恋……?)

……とりあえず話は聞くものだ。
なるたけ、口を挟まず聞く決意。

「……」

(い、従兄弟……まあ従兄弟ならいい……のよね? ……いいって何よ、いいって。)
(でも、良かったじゃないの……好きな人が近くにいるって、きっと幸せだわ。私は、経験ないけど……きっとよ。)

(で、でも……)

「……そ、それで……なんで、白亜荘で……超能力、なのかしら?」

だいたい、察しはつく。
あそこは……『奇想天外』だ。

スタンド使いも、多く住んでると聞いている。

(その従兄弟もスタンド使い……なのかしら?)

たぶんそうなのだろう。
なんにせよ。

「……お、想いを遂げたいって気待ち、わかるわ。私は……そ、そういうの、苦手だけど」

「……そ、それで……それに向けて貴女は、何をしようというの?」

暁利の決意の眼差しは、彼女に何か考えがある……と察するに十分なものだ。

12嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/14(金) 20:20:33
>>11

「『スタンド使い』になりたいです」 

  ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

     「知っているのなら、教えてください。その方法を」

暁利はココロの目を見つめて、芯の強い口調ではっきりと言った。
とてつもない決断力だ……そのためならば、腕が欠損しようが目が潰れようが厭わない。
そういう、盲目的に過ぎる決心を感じさせられる。

「教えてくださるなら、なんだってします。
 靴を舐めるのでも、一生パシリになるのでも、構いません」

彼女にとって『スタンド使いになる』ということは、『従兄に会う』という目的を達成するための一つの手段でしかないはずだ。
それなのに、その手段に全てを投げ打つという……手段が目的になっていることに、彼女は気づいていない。

「いくら調べても、スタンドというものを知ることはできませんでした。
 貴女が頼りなんです」

        ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

13ココロ『RLP』:2014/11/14(金) 22:59:37
>>12


「え……」

         「す、スタンド使い……に……」


(こ、この子の目……本気とかそういうのじゃ、無いわ……)

           (こ)      (『恋は盲目』)

「あぅ、ぅ……えぇ……」


        ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


じり、と後ずさる。

ココロは知っている。
スタンド使いになれる、『刺青屋』の事を。


(お……教える、べき、なんじゃないの……?)

(この子は本気)
(し、知った上で、この子が判断すべき、なんじゃ……?)

……己の指先を見る。
一本一本、形も色も異なる、凝ったハートのタトゥー。


「あ……」

         「危ない……ことだわ……」


己の『RLP』の力の、源泉。
……命がけで、得た。

そう、命。

(もしこの子が死んだら?)
(私が教えたせいで死んだら……)


(……あ、あ……)

「私……わ、私、無理……教え、たら、だめ……だめなの……」

(こ、これって保身……そうよ。 自己保身よ……この子のためなんかじゃない、自分のため……わ、私って、ほんと最低だわ……)

じり、じり。
少しずつ後退していく……

14嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/14(金) 23:20:55
>>13
ココロは自分の指先を見た。
無意識で行ったのであろうその行動は、しかし暁利に情報……それどころか、答えを教えてしまっているようなものだった。

暁利はココロの指先を凝視しながら、ココロの拒否を聞き届ける。
角度からして、ココロには暁利が俯いているようにしか見えない。

「……そうですか」

声音からは、落胆も失望も、その逆も感じ取れない。
先ほどの、ココロが本を落とした時に手伝うと申し出てきたような、至って『普通』の声音。

「どういう理由があって、ダメなんですか。
 もしかして生まれつきの才能がないとダメとか、もしくは教えたら貴女の身に何かが振りかかるとか」

ココロが一歩下がれば、暁利は一歩足を前に出す。
一歩下がれば、一歩近寄る。ココロと暁利の間にある二歩半ほどの距離を、暁利はキープしようとしてくる。

「私に何かあったらなんて考えてるなら、私の身のことは気にしないでください。
 あなたはあなたで、私は私です。私の身に何かあったところで、あなたには関係のないことでしょう」

15ココロ『RLP』【高二】:2014/11/14(金) 23:30:06
>>14

ゆえに、ココロは暁利の視線に気付けない。
……気づかれたことにも、当然気づけるはずもない。

にじり寄ってくるだけ、下がる。
少しずつ壁に詰められていく。


「……そ、それは……」

(そ、そうだわ、隠すこと、ないじゃない。言ったら、諦めるにきまってるわ……! そう、よね……!)

確信は、できなかった。どころか逆の確信さえあった。

「あ…………し、しっ…………」

「……っ、死ぬのよ……もし失敗したら、死ぬの……!」

      「才能とか」「そういうのじゃ、ないわ、た、多分……運が悪いと死ぬの。」

しかし、言うしか無いと思った。


「しっ……死ぬのよ? ね? 嫌でしょうそんなの?」

    .   「……嫌、よね?」

懇願するような口調だ。

「か、関係ないとか、そういう問題じゃ…………な、ない……わ……」

(でも、私に止める権利なんて無いわよ……で、でも……!)

否定も、強くはできない。
実際関係ないのだ。

この二人はついさっき会ったばかりで交友もない。

16嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/14(金) 23:49:10
>>15

「……」

ココロが全て言い終えるのを黙って聞いていた暁利は、不意に顔を上げる。
その表情には、『満面の笑み』と……『一筋の涙』。

  ┣¨┣¨┣¨┣¨
             ┣¨┣¨┣¨┣¨
  「よかった……
           ありがとう、お姉さん」

     ┣¨┣¨┣¨┣¨

いつの間にか、ココロの『指』は暁利の手の中に取られている。
慈しむように、感謝するように……とてもとても優しく、両手に包み込まれている。
暁利の親指も同じく、労るようにココロの指を撫で回している。
……ココロの指にある、『RLP』の『ハートマーク』を。

     「私の六年間を、取り戻せる」

  ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

17ココロ『RLP』【高二】:2014/11/15(土) 00:12:58
>>16


「…………え?」

(な、なんで、笑って……)

         
  ┣¨┣¨┣¨┣¨
             ┣¨┣¨┣¨┣¨


      『ぞわぁ』

それは寒気のような感覚だった。
いつの間にか取られた手。

優しく、撫で回される細指……指先の、タトゥー。


「ひ……!」

         「やっ、やめて……」

思わず、暁利の手を振り払う。

「……はぁーーっ、はぁーーっ…………」

            『どん…』

どんどん後ずさり、壁に背中がぶつかる……
心中は荒れ狂い、整理はつかない。

18嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/15(土) 00:27:10
>>17

「その『刺青』」

必死で後ずさったココロへ、暁利は……距離を詰めない。
ココロが手を取られた場所から、一歩も動かない。

  ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

 「綺麗ですねぇ……
   お姉さん、ただでさえ可愛いのに、そういうオシャレさもあって。
     すごく羨ましいです。よろしければ、今度洋服をいっしょに買いに行ってくれませんか?」

             ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

満面の笑みはそのままに、やけに親しげに話しかけてくる。
先ほどまでの態度とは、まるで違う。先ほどは、ココロのことなんてまるで関係ない他人だ、と言っていたのに。
それが今や、ココロが『親しい友人』であるように接しようとしている。

   「それに、お姉さん」

     ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

   「うっかりさんで、臆病で。性格まで小動物みたいで、かわいいですね」

にこやかにそう言い、暁利は不意に右手を自分の胸の高さまで持ち上げた。
暁利は自分の右手の甲を眺め、ポツリとつぶやく。

     「私はどんな『刺青』がいいかな」

19ココロ『RLP』【高二】:2014/11/15(土) 01:44:33
>>18

「はっ、はっ、はっ……」

恐慌的に息を荒げつつ、震える指先を見る。
……気づいたのだ。

これを、見られて、察された。刺青が鍵だと。

「いや、嫌……! 嬉しくないっ、そんな、褒められても……」

          「し、知らない……知らないわ、私……! 貴女なんか知らないっ! 」


      だっ

壁沿いに図書館の入り口へと一目散に向かう。
あまり全力疾走ではない……

   「……し、知らない……本当に知らないわ……」

         「死ぬかもしれないのよ……ちゅっ、忠告したわ、私! したのよ……!」

  「……か、かっ、考え直した方がいいわ、ね? ね……?」

なんだかんだで放っておけない、ということらしい。
図書館だから、というのもあるか。

(わ……わっ、私が、蒔いた種なんだもの……! 私が、あの子を放っておいていいわけがない……)

(……で、でも……怖いわ……この子、なんだか……と、止めたり、したら、私、どっ……どんな目に合わされ……)
   
      (……自分可愛さで退いちゃ、だ、だめ……よ……)

……入り口付近から、暁利の方をちら、と見ている。

20嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/15(土) 02:04:49
>>19

「物事には『優先順位』というものがあります」

ココロの恐れ具合にも、脱兎のごとくの逃走も、暁利は動じない。

「私の中の『優先順位』が、『いのちだいじに』よりも『スタンドを手に入れる』のほうが高いってだけ。
 それだけです。わかりますか?」

ずっと、にこにこ笑っている。
彼女は笑みを絶やさない。

身体の後ろで手を組んで、暁利はココロへと歩み寄る。
その足取りに、なんの含みも見られない。

「あ、そういえば名前も名乗ってませんでしたね」

こりゃうっかりした、なんてつぶやきながら、なおもココロへと歩み寄る。
一歩進むたびに彼女の栗色の髪が揺れ、室内灯の光を反射する。よく手入れされた髪だ。

「私の名前は、『嵐ノ宮 暁利』。
 嵐に宮殿の宮でしのみや、暁に利益の利できらり。お姉さんの名前は?」

ココロと暁利の視線が交わる。
暁利の目の中には、先ほどの驚くべき『決意』はないようだ。
涙はもう流れたのか、彼女の顔には見受けない。

21ココロ『RLP』【高二】:2014/11/15(土) 02:29:35
>>20

「わ……分からないわ……優先順位は分かる、けど……」

「命より重いなんて……」

(あ、ありえな……い、わ! きっとそうよ…………誰が決めたの? そんなこと……)

            (この子は本気だわ……私、本当に説得なんか出来るの……?)

スタンドを得る前の自分なら、あるいは分かったのか?

これほど確固たる覚悟あっての行動では、無かったが……

「す、す……スタンドが手に入らない事より、し、死ぬ方がマシ……だと、でもいうの……?」

            「そ、そっ……そんなの……」

馬鹿げてる、と言い切れるか? 言い切れない。

そんな権利は自分に無い。
あくまで、ココロの根底にあるのは自己保身だ。


「……………ココロ。」
「……水溜 意(みずたまり こころ)よ……」

(……本当に、とめなきゃ、だめなのかしら……?)

その目には、諦めのような感情が灯り始めていた。

22嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/15(土) 02:49:57
>>21
「ココロさん。素敵な名前ですね」

渡されたものを確かめるように、ココロの名前を口にする。
暁利はココロに歩み寄り歩み寄り、本を拾った後の距離……『二歩半』まで、近づいた。

「そう言って、私の身を案じてくれるのは嬉しいです。正直な話」

てへへ、なんて照れ笑いをしながら暁利は左手で自分の後頭部を撫でる。
斜め下に視線をやっている彼女。気恥ずかしい。そんな感情が見える。

「でも、ね」

右手を自分の右胸へ当て、左手をその上に重ねる。
そこには、『暁利』という『命』の源がある。

「私、あんまりこういうのもアレなんですけど。
 『彼』が大好き過ぎるあまりに、『空っぽ』なんですよ」

       ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

   「思い出とか、趣味とか、好きなものとか嫌いなものとか。
        そういうの全部、ないんですよね」

あ、もちろん『彼』の関連することは全部ありますけど、と慌てて付け足す。
そして、苦笑い。

「彼と離れた最初の一年で、何もかも無くしたというか。
 彼に会いたいと駄々をこねまくって、親と喧嘩して。
 それでご飯の味も面白いと思える物もわからなくなっちゃって」

23ココロ『RLP』:2014/11/16(日) 01:04:58
>>22

「え……あ……」

    「……わ、私…………」

   ズ…

もう下がれないにも関わらず、下がろうとする。

壁にぴったりとつく背中。

「ご、ごめんなさい、ごめんなさい……そんな、し、知らなくて」

            ズリ…

          「ごめんなさい……な、無かったわ、止める権利なんて……」


わなわなと震えている。
これは、『後悔』の震えだ。

ココロはおのれの浅はかさに、後悔しているのだ。


(こんなこと言われて、まだやめろなんて、い、言えるわけ無いじゃない……)

(きっとこの子は、そのほうが幸せなんだわ……わ、私が、偉そうに口出しするなんて、だ、ダメだったんだわ……)

「ごめんなさい……」

俯く。これ以上、自分が何かするべきでは無いと思った。

24嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/16(日) 01:20:21
>>23

「ココロさんが謝る必要はありません。
 っていうか、私が感謝してますよ」

そっとココロを抱きしめて、よしよしと頭を撫でる暁利。
その手から溢れるのは、泣いている赤子を宥める母親を思い出させるほどの優しさ。

「『彼』に近づくたびに、世界に『彩り』が戻ってくるんです。
 ココロさんが教えてくれたのもそう。歯車が少しずつ回りだしてる感覚があります」

ココロの耳元で囁かれる、ココロを肯定する言葉。

「私はココロさんに会えてすっごく良かったです。
 だから、ね?ほら、大丈夫だから」

ココロがどう思うかは定かではないが、彼女は本当にココロに感謝している。
ハグにはストレス減退効果もある。こう甘やかされれば、ココロも少しは『心』を開いてくれるんじゃないだろうか。
そう考えて、彼女はココロを抱きしめたのだ。

25ココロ『RLP』:2014/11/16(日) 01:45:47
>>24

「あ……」

         「う、あ……ぅ………」「や…」

抵抗できず、抱きしめられる。

頭を撫でられる。
……ココロは、身を縮こめる。

「や……」

「やめて」

      「や……やめてちょうだい……嫌よ、こんなの……」

力なくつぶやく。
突き飛ばしてやるほどの、気力はなかった。

「…………離れて……」

      「感謝してくれるのは嬉しいわ……けど、離れて……」

それ以上抵抗しない。
本気で暴れれば、あるいは力を使えば、逃げるのは容易いが……

(……私が、この子にそんなことしていいわけないわ。)

罪悪感のようなものが、ココロを縛っていた。

26嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/16(日) 01:55:15
>>25

「あららー、嫌われちゃったか」

離れてほしいのなら、しょうがない。
暁利は大人しくココロから離れて、それでも笑顔をココロに見せる。

「『友だちになる』っていうのも、ノーな感じですかねぇ」

頬を掻きながら、暁利は恐る恐るココロに尋ねる。
暁利としては、ココロには恩がある。仇で返す人間性ではないし、いつか報いたい。
そのために、友人関係になりたいのだ。

「『友だち』がダメでも、連絡先だけは交換させてください。
 恩返ししたいので」

スパムメールとかしないから、と念押ししてココロに頼む。

27ココロ『RLP』【高二】:2014/11/16(日) 02:40:51
>>26

「嫌いとか、そういうのじゃ……ないわ……違うの。」

「……友だち……」
「……連絡先は……教えるわ。」

フリーメールとかは、言わない。
昔よりは人を信頼出来る。

「『友だち』……」

         「……ええ、いいわよ。なりましょう。」

なって……悪い物では、ない。
無碍にもできない気がする。

(……恩返し、なんて……生きてなきゃ、出来ないのよ……?)

(……やめましょう。この子は生きて、思いを遂げるのよ。きっと。)

28嵐ノ宮 暁利『一般人』【中2】:2014/11/16(日) 03:07:03
>>27

「ありがとうございます、ココロさん」

連絡先を交換し、友だちにもなれた。
スキンシップしても許されるような、気心知れた仲になれたらいいな。
そう思う。

「じゃあ、私もそろそろ勉強に戻らないと。
 歴史がどうしても覚えられなくて」

暁利は踵を返し、恐らく自分の荷物があるのであろう方向へ足を向けた。
彼女の動きに合わせて、長い茶髪も艶やかに宙を舞う。
そして顔だけ振り向き左手を振り振り、ココロへ別れを告げる。
柔らかな微笑みと本を拾ってくれた時よりもすこしだけ輝いている黒目。

「またね、ココロさん。
             『また会いましょう』」

再会の約束。彼女は微塵も『自分が死ぬ』とは考えていないようだった。
そして事実、彼女は『生き続ける』だろう。

――例え死んだとしても、ココロの『記憶』の中で。

29ココロ『RLP』【高二】:2014/11/16(日) 05:27:51
>>28

「……ええ、勉強、頑張ってね。」

背中を見送る。



「きっと、『また』……また、会いましょう。」

(……貴女、幸せになるのよね?)

(それに……お洋服、買いに行きたいんでしょ……?)

緑の目には、恐怖や嫌悪ではない色が灯っていた。

30日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/17(月) 23:15:45

「このがっこうに、こんなところ、あったんだ…」  

   テクテク

『研究棟』の通路を歩く、『爆発ツインテ』の小学生。


「んむ〜〜〜……もーっ! むずかしい『かんじ』ばっかじゃん」

「ふりがなぐらい、ふっといてよ〜」

小声でボヤきつつ、壁やドアの表示板の文字と、
『謎のせんせい』からもらった名刺(ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/netgame/9003/1384355037/888-917)とを何度も見比べている。

31ようこそ、名無しの世界へ…:2014/11/17(月) 23:24:18
>>30


?:『えぇっと…大体椅子をこんな具合に並べて。そんで
大体このぐらいの割り箸でいいっか。よしっ! 完了ー!!』

 きみが謎のせんせいから貰った名刺を見比べて通路を歩いてると。
その近くの空き教室から女性の声がした。

 何やらひと仕事終えたと言う感じで大声を出してる。

32日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/17(月) 23:35:11
>>31
「……?」

声が聞こえた方に目をやり、
教室ならたいていドアかその上にある「表示板」を見る。

次に、ドアが引き戸か蝶つがい式か、
閉じているか開いているか、の順で確認したい。

33ようこそ、名無しの世界へ…:2014/11/17(月) 23:45:54
>>32

 表示板に書かれていたのは『科学実験室』だ。
どうやら、理科室やらと同じでここで色々生き物の解剖やヨウ素液の実験などしてるようだ。

 引き戸で、ドアは見たところうっすら開いている。用心してこっそり
覗き見する事も出来るし、堂々と入って何をしてるか確認するのも良い。

 声の主は何やら中でやってるようだ。

 「んー、もうちょいインパクト入れたほうがいいかなー?
 行き成り出したほうがみんなビックリする……んー、でも
 余りインパクト重視なのは止めるべきかな〜」

   ごぽごぽごぽごぽごぽ

 そう、水をどうも大量に入れる音と共に大き目の声がしている。

34日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/17(月) 23:57:46
>>33
(おぉ、わかりやすい)

どストレートな部屋名に好奇心を刺激される。
ただ、こういう場所では、見た目的にも自分のほうが『場違い』なので、ドカドカと入るのは控えよう。

まずは、ドアのすき間からそっと中を覗いてみる。

35貞菜 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2014/11/18(火) 00:06:36
>>34

 「よ〜し、よし。いい子達だね、私の可愛いドクターフィッシュちゃん達。
くすぐったい、くすぐったい。そう啄むなって! そんなに肌汚れてるかね? 私
いや、これが普通のはず…私、まだ22歳。…ふっふっ、これ毎回続ければ
エステ行かなくても十分若肌が保てるぜー」

 そう、何やら怪しい笑いを浮かてるのは、奇妙な女だ。

歳は20前半、ピンク色の髪で耳にはピアスが何個とも言う。どう考えても
校風に適さないファッションをしてる。

 そして、用意されてるのは大き目の子供が使う屋内用の水遊びで使う
ビニール袋だ。そして、ここからが一番『奇妙』なのだが

 スタンド使いには見える『網』それに幾つもの大小の割り箸が包まれてる。

それが十秒程度経過すると、たちまち『ドクターフィッシュ』になって
水の溜めたプールの中を元気よく泳ぎ、その女性が水をかき混ぜる手に
喜んで啄むのだ。

 「これ、見れば子供たちも少しは喜んでくれるかなー…
高等部の子供にも受ければ良いと思うけど。最近の子ってすさんでるって言うしなぁ」

 そう、ドクターフィッシュと戯れつつ。憂い顔でピンク髪の女は嘯いている

36日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/18(火) 00:33:59
>>35
(……でっかいこえで、ひとりごというなぁ)

「学校」に居る人は、ほぼ『生徒』か『先生』のどっちかなのだが、
『先生』にしては奇抜なファッションだし、『生徒』というには『びみょーなトシ』っぽい。
独り言の内容からすると、おそらく『先生』だろうと思うのだが……

 (……!!)

  (あれって…!)

割り箸が『魚』に変わる光景を見て、

  「んぐ…っ」

声を飲み込んだ…つもりだったが、もしかしたら聞こえてしまったかもしれない。

37貞菜 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2014/11/18(火) 00:38:35
>>36

 「…ん〜、一匹ピラニアでも泳がせて吃驚させ…ぉ?」

 どうやらナツの声が聞こえたようだ。少しだけ目を見開いてから教室の
入口へ視線を向ける。

 「 ん〜誰が居るのかなぁ? ほーれ、とって食ったりせんから
近くで来てみないー? まぁ、食べるまえに啄まれる可能性はあるけど」

 そう、笑いながら教室の入り口においでおいでと手招きする女性。

 「怪しいもんじゃないよー、こんど此処で働く貞菜って言う教師だから
そっちにいる名無しちゃんは誰かな〜」

 そう、尋ねる声がする。もしも正体を知られるのが御免なら逃げるのも構わない

38日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/18(火) 00:53:17
>>37
(げ、みつかった)

やっぱり先生だったか…
が、だとすると『やばそう』だと思う点がある。
どこのクラスの担任かわからないが、『あれ』を本当に授業で見せるつもりなのか――ということ。


「ごめんなさーい…どあが、あいてたもんで、つい」

「あたし、しょうとうぶ4ねんの、『ひゅうが なつ』です」

手招きに応じて素直に中へ入る。

「それ、『どくたーふぃっしゅ』って、いうんですよね」

「てれびで、みたことあります」

「ちょっと、『けんがく』させてもらっても、いいですかー?」

39貞菜 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2014/11/18(火) 01:10:46
>>38

 「『なつ』ちゃんかぁ〜。初等部の子ねぇ。
私、貞菜 綾女ね。自己紹介がちゃんと出来る子は好きよぉ」

 (初等部の子かぁー。小学生の子って最近だとゲームっ子が多いって
言うのが私の認識だけど。この子はどうなんだろうねぇ?)

 そう、笑いかけつつ内心ではそんな事も考える。

「うーん、大感激大歓迎よぉ〜。ほな、見ててね〜。私の手品ぁ」

 日向ナツがスタンド使いであると貞菜は全く知らない。
だから、子供が好きだと思える事をただただするだけ。

 「『ドクターフィッシ』てのはねぇー。セラピー言って
触れ合うと肌の美容効果だけじゃなく心も癒されるらしいからねー」

 試しに触ってみなー。危なくないから と貞菜はやんわり勧める。

 『ドクター・フィッシュ』たちはナツが手を水面に入れれば興味津々と
いった具合で群がり手を啄んでくる。でもそれは肌の角質を食べる為であり
少しくすぐったく感じるものの全くの無害、だ。

 手品こと『ルーン・レイン』で生み出した魚は普通の魚となんら変わりない
やろうと思えば危険な魚を生み出す事も出来る。だが、それは海などで危険な
魚に出会った時、または引くに引けぬ事情がある時の防衛手段のみだ。

 この学び舎『秋映』では、自分は一介の教師。子供たちに自分の
スタンド『手品』が喜ばれれば、それで良いと思う。

 「私の手品はねー。結構すごいよ? 種も仕掛けもなく、ほれっ!
たちまちこの割り箸がぁ〜?」
 
 と、妙なパフォーマンスを織り込み、ナツへと『ルーン・レイン』を振舞う。

「ほら、『金魚』『グッピー』『カラシン』『シクリッド』
おまけに鯉にフナにハリセンボンだぁ〜〜〜!!」

 ・・・魅せるは『ルーン・レイン』による割り箸を色とりどりの
熱帯魚の群れにする『魚化』

 ちょっぴり危険なハリセンボンなどの魚も生み出すも、そこは
自由操作可能な能力で操作し、ナツや他の魚には全く危険が起きないよう
配慮はされてる。

 「どう? 綺麗でしょ」

 そう、二ヒヒと悪戯っ子な笑みをナツに向ける。

 子供は純粋だ、そして、子供は夢を大きく咲かせる事のできる宝石箱だ。

 それは何時の時代でも変わりない、だから大人になって子供に憧れる。

 いつか白馬の王子が迎えに来てくれる。そう純粋に思えた時代は輝かしい原石だ

 見えないと思い込む『漁網』で廃棄済みの割り箸で美しい魚のアートを
プールの中に発現させる貞菜

 それを、スタンドの能力の一環である故にナツは容易に見抜ける
だが、その子供を喜ばせたい想いが本物な事は感じ取れる筈だ

40日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/18(火) 23:10:44
>>39
そっと水中に手を差し入れて、

「……ほ? おほひゃはっ!?
 ふひゃぁ!? あひゃひゃひひひひひひゃひひひ」

ありえないような叫び声……が、表情はまんざらでもなさそうだ。

 「ほわぁぁぁぁ…」

割り箸が次々といろいろな魚に姿を変えていくのを見て、目をキラキラと輝かせる。
その様子は、まぎれもなく『子供』そのもの。

「すごぉぉぉい…
 これ、あたし、かなり、すきかも……」

感嘆の息をついて、手を水から出し、

「でもね、あやめせんせー」

―――ふと、真顔になって、『綾女』の顔を見上げる。

「これ、『ほかのこたち』のまえでは、やらないほうが、いいとおもいます」

41貞菜 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2014/11/18(火) 23:19:20
>>40

 手を入れてドクターフィッシュたちの群れはナツの手に対し群がり
小さなその口先で肌の表面の人には見えない汚れを食べていく。

 その酷くじれったい、猫じゃらしがすっと敏感な部分を撫でつくような感じは
堪らない。ナツの、そんなくすぐったさと楽しそうな笑顔を見て綾女も共感して笑み浮かべる。

 (良かったぁ、どうやら受けてくれてるらしいね。これなら…)

 学校でも生徒たちに披露しても問題ないかも知れない。

そう思った矢先だ。

>「これ、『ほかのこたち』のまえでは、やらないほうが、いいとおもいます」


 「…んぅぅん、そりゃ、またどうしてか聞いて良いかな?」

 その声と顔つきが真剣そのもので。子供のお節介な言葉と受け止めるれない。

 体を低くして、跪くようにしてナツと目線を合わせる。

 「どうして、そう思うのか? 教えて教えてくれないかな? ナツちゃん」

 「先生と生徒、って感じじゃなく。ナツちゃん自身の言葉を。
この貞菜 綾女に教えてほしい、かな」

 私はまだこの学校の気風も、生徒たちの暮らす背景も全く見通せてない。

 なら、たとえ初等部の子であれ。この子はこの学校の先輩であって
その子が『やめるべき』と思える程の何かあると言う事だ。

 なら、知るべきだ。私のこの力『ルーン・レイン』が。
ただの手品として披露するに、何か誰にとっての脅威になるかを。

 そう、同じく真面目な顔をつくり日向ナツに質問する。

42日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/18(火) 23:52:55
>>41
「んっと…」

「この『あみ』のなかに、はいると、『さかな』になる……たぶん、せんせいの『ちから』ですよね?」

上目遣い。
魚たちの周りの『網』が、『見えている』――という口振り。


   ヴ  ォ

「『あたしも』…にたような『ちから』があるから、『みえる』んです」

ナツの隣に、いつの間にか同じくらいの背丈の『人のような影』――古いアニメに出てくる『忍者』を思わせる格好をしている――が佇んでいるのが、
綾女の目に移るだろう。

「この『ちから』をもってるひとって、『ひきあう』んですよ」

「いいひとも、わるいひとも」

「なかには、『やばいやつ』もいて、
 『ちからをもってる』って、しっただけで、へいきで、けんかふっかけてくることもある」

「まきこまれなくていい『じけん』に、まきこまれちゃったりもするんです」


『モンスターペアレント』その他諸々…
子供であれ、否応なく耳に入ってくる事柄。
『先生』という仕事は、そのような事態に巻き込まれた時に、失うものが非常に多い立場。


「あたし、せんせいは、『いいひと』だとおもう」

「だから、そういうめに、あってほしくないんです」

綾女の目を真っすぐ見て、
これだけスゴイ『手品』を見せてくれた人への、日向ナツなりの『感謝のしるし』としての忠告。

43貞菜 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2014/11/19(水) 00:23:32
>>42

「…成程ねぇ」

 ナツの言葉に腕を組んでうなずく。漁網も解除してプールの中では
熱帯魚やドクターフィッシュ達が自由に戯れてるのが鑑賞出来る。

 力のありそうなヴィジョン。ナツの傍らに佇むその力『スタンド』と
言葉に偽りはない。

 けど、それでも貞菜 綾女には引けない『事情』もある。

 「…確かにねぇ。周囲にあんまり見せるものではないかもね」

「うん、それは気をつける。でもねぇナツちゃん、私は教師なんだ。
子供たちを守る人なんだよ。だから…私は『じけん』に巻き込まれる事も辞さない」

「私が首を突っ込む事で、泣かなくて良い子が泣くような目に遭うのが避けれるなら
私は教師冥利に尽きるってもんなんだ」

 私の人生に何があって教師を目指したのか。等と言うのは蛇足 話す事でもない。

けれど想いは本物。深海の暗闇で唯一目指せる光があるとすれば。今の私にとって
それは子供たちが笑顔で生きるのを見る事だと、そう思う。

 「うん、だからね。『ちょっぴり』自粛はする。けど・・・」

「私の見える限りでの波乱はさ…私が抑えるよ。ナツちゃんの事も含めて」

 そう、約束する。そう、小指を立てて指切りげんまんの形をとる。

 これで納得してくれるとは思わない。けどナツちゃんが真摯に私を心配
してくれる気持ちが、私にとっては何よりの奮起剤となれる。
 明日も私があう『未来』を守る為に、頑張るぞーっと思えるのだ。

44日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/19(水) 22:43:10
>>43
「………!」

小指を立てる綾女の顔をまじまじと見つめる。

  「……せんせー……!」


『覚悟』を持っている大人は、子供の目には、理屈を飛び越えて『カッコいい』と映る。

おばあちゃんは、もちろん人生の師匠だ。
だが……周りから『せんせい』と呼ばれる大人で、これほど『カッコいい』と思える人には、今まで出会わなかった。
「子供たちを守る」―――少なくとも、そんなことを面と向かって言う人には。


  「……あたしも」

  「なんかあったら、せんせーのこと、『まもる』よ」
 
  「こうみえても、けっこー、つよいんだから」

   「にひぃ」

照れを隠すように、鼻の下を人差し指でこすり、


  「…うん!」

大きく頷き、もう片方の手の小指を差し出す。

   ――― キュッ

思いを込めて、強く、しっかりと指切りを交わす。

45貞菜 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2014/11/19(水) 23:00:43
>>44

「うん、よしっ! ゆ〜び切千万〜嘘つーいたら
ハリセンボン飲〜ます。指、切った! ・・・丁度、ハリセンボン泳がせてるけどね」

 そう、笑いつつナツと約束を交わす。

 (あ―   良いな。うん)

 (この子は 『光』だ  私が守る 守らなくちゃいけない海路『人生』の)

 今日 私は光に出会いました。

 何処かに居るかもしれない神様 私はこの子の道筋に叶うならば

 「約束するよ、ナツちゃん。この、『ルーン・レイン』
私の『力』に誓ってね!」

 叶うならば、この子の光が 私の心の一抹にも届くほど 輝きますように

貞菜 綾女は『光』日向 ナツに出会った。

 この先には波乱が待ち受けている。かと言って立ち止る訳にはない、既に船出はされた

 泳ぎ続けるだけ 死するまで。『光』へ向けて 暗黒『未知』の海を

46日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/19(水) 23:18:40
>>45
「……」

外は凍えそうに寒いのに、なんだか心がポカポカする。

『引き合う』――それは、決して悪いことばかりではない。
この『せんせい』と導き合わせてくれた『ちから』に、日向 ナツは、心から「ありがとう」を言いたい。

「よろしく…あやなせんせー!」


「あ、ねーねー、ほかに、どんな『さかな』、だせるのー?」

「もっと、みたーい! ねー、いいでしょー?」

理科の成績はいい方ではないが、『図鑑』は好きなのだ……とくに『水の生き物』関係は。

47日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/19(水) 23:22:34
すみません。訂正
>>45
「……」

外は凍えそうに寒いのに、なんだか心がポカポカする。

『引き合う』――それは、決して悪いことばかりではない。
この『せんせい』と導き合わせてくれた『ちから』に、日向 ナツは、心から「ありがとう」を言いたい。

「よろしく…あやめせんせー!」


「あ、ねーねー、ほかに、どんな『さかな』、だせるのー?」

「もっと、みたーい! ねー、いいでしょー?」

理科の成績はいい方ではないが、『図鑑』は好きなのだ……とくに『水の生き物』関係は。

48日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/21(金) 02:16:19
『渡積教授』の名刺を片手に、また研究棟にやってきた爆発ツインテ。

「こーゆーとこも、なかなかおもしろいかもね〜」

『出会い』というお宝は、どこに転がっているかわからない。
読めない漢字は、『古代文字』の類と思えば、それなりにスリルもあるというものだ。

49日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/22(土) 01:04:06
「けっこう、ひろいな〜」

奥へ進んでいく。

50『渡積教授の日記』:2014/11/22(土) 01:52:27
>>48-49
「失礼、お嬢さん」

        『スス』

君の前を通り過ぎる男が一人。
白衣に眼鏡の若い男だ。

「教授は――こっちだったかな」

51日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/22(土) 02:02:50
>>50
(おっと)

男の服装を見て、「普段ここに出入りしてる人」だろうと当たりをつけ、

「あ、あのー、すいません」

声をかける。
相手が立ち止まったら、

「この『せんせい』を、さがしてるんですけど」

「ごぞんじ、ないですかー?」

『渡積教授』の名刺を見せて尋ねる。

52『渡積教授の日記』:2014/11/22(土) 02:21:02
>>51(ナツ)

「ん。小等部だろ、君は。
 ここはロクでもない場所だ。戻ったほうが――」

         『ヒョイ』

名刺に気づき、男はそれを摘まんで手に取った。

「ああ、ここか。また場所が変わってる?
 増改築を繰り返しすぎているからな……」

「実質死んだ教室もあるというのに。
 理事も把握できないというじゃ問題だ。一度マップを作らせるか」

独り言をつぶやくと、君に名刺を返した。


「ここに行く理由でもあるのかい?」

53日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/22(土) 02:39:46
>>52
確かに、『ここ』では場違いな見た目だろう。

(つーか…『ろくでもないばしょ』って、すごいいいかただな)

そういえば、『あいつ』のことを他の人に話してもいいかどうか聞かなかった。

「ちょっと、せんせいに、『ほうこく』することがあって」

「『いつでもきていい』って、いわれたんです」

54『渡積教授の日記』:2014/11/24(月) 23:01:56
>>53(ナツ)
『白衣の男』は肩を竦め、ズレた眼鏡を直す。
どことなく疲れた雰囲気が漂っている。

『白衣の男』:
「なにせ、だ。

 益体もない研究をしている連中をとりあえず集めた。
 そして、何かが成せるのではないかと援助している。
 僕の姉さんの『道楽』にして『実験用フラスコ』。

 そういう場だからね、ここは。
 君には意味が分からないだろうが――」

「と、お嬢さんをエスコートしないのは失礼だったか。
 挨拶が遅れました。九ノ部 理玖と申します」

          『スゥ』

男は手を大きく振って胸元に引き寄せてから、一礼。
役者めいた仕草だが、スイと君に向けて肘を突き出す。

「よろしければご案内させていただけますか?」

55日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/25(火) 02:33:23
>>54
「あ、ごていねいに、どーも」

「『ひゅうが なつ』です」

急に相手の態度が変化したのに戸惑う。
が、断って一人で探すのはそうとう時間がかかりそうだ。

「よろしくですー」

身長差的に電車のつり革にぶら下がるような見た目になるだろうが、
男の腕を取り、エスコートを受けよう。

56『渡積教授の日記』:2014/11/25(火) 23:32:57
>>55(ナツ)
君は男と連れ立って、『研究室棟』を移動していく。
途中で階下に降り、地下のフロアへと移動した。


        コツコツコツ

『理玖』:
「ここかな。渡積教授の研究室は」

君は引戸の前に立っている。
『理玖』が軽く触れたところ、容易く開くようだ。

        カラカラカラ

「お先にどうぞ。僕の用は後でいいよ」

57日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/11/25(火) 23:55:57
>>56
(おぉ、なんかそれっぽい)

地下にある研究室というのはやっぱりロマンだ。

「あ、どーもです」

『理玖』に会釈し、入ろうとするが、
許可なく入ったらレーザーか何かが降ってくるかも……とか心配したりする。

 コン コン

開いた引き戸の端をノックし、

「『なつ』ですー」

「こないだのけんで、ほうこくにきましたー」

声をかけ、返事を待つ。

58『渡積教授の日記』:2014/12/01(月) 00:17:18
>>57(ナツ)
戸を叩いたが、応答はない……


        『ガラガラガラ』

が、『自動的に開いた』。
機械の仕掛けはないはずだが。

研究室内は非常に温暖だ。
暖房が効いているというより――

      『ム ワァアア』

さながら温泉か? 湯気が纏わりついてくる。
入った直後に奥が見えず、進むのに邪魔だ。

『理玖』:
「また機材を増やしたのか……勘弁してくれないかな。
 予算上限というものを考えてないから彼らは」

『理玖』は眼鏡を外すと、胸ポケットに落とした。

「『飛ぶ』のも厳しいな。足元には気を付けて。
 スパゲッティの親玉みたいなコードが張り巡らされてるはずだ」

59日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/12/03(水) 01:03:59
>>58
「えぇ!?」

へたなトラップよりやばい…この湿気の中で、むき出しの電線を踏んづけたら……
しかし、ここまできて引き返すなど『忍び』の沽券にかかわる。

(……いってやろーじゃん)

何かが爪先に触れたらすぐに跳び下がれるように神経を張りつめ、すり足で湯気の中へと進む。

60日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/12/08(月) 00:28:05
age

61日向ナツ『ニンジャマン』【小4】:2014/12/16(火) 23:05:42
>>58
(……いない、みたい?)

(でなおそう)

「えっと、おじゃましましたー」

奥に声をかけ、すり足で引き返す。

「あの、あんないしてくれて、ありがとです」

「つぎから、まよわないように、じぶんで、きますね」

『理玖』に頭を下げ、来た道を記憶しながら帰った。

62来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/16(火) 23:38:55
『☆私立秋映学園教育相談室の開室日及び時間 毎週月、火、木、金 8:15〜17:00
 ご相談は1回1時間程度を目安としております』

『★スクールカウンセラーから児童の皆さんへ
 胸に溜まった黒い気持ち、人間関係の悩み、担任にすら出来ない相談事、愚痴を聞かせていただきたい』

教育相談室の扉に紙が貼られており、真っ黒な狼がプリントされている。

63青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/17(水) 00:01:24
>>62
偶然通りすがり、立ち止まってその張り紙を見る。

一通り読んだ後だろう、その張り紙を、
剥がして破り捨てようとする。

64来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/17(水) 00:18:17
>>63
真っ黒な狼と視線が交差――気のせいだった。
誰も見ていない、誰もいない廊下。
咎める学生や先生はいない。

65青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/17(水) 00:32:50
>>64
「なるほど」「そういう手合い」「『プッシュ・イット・アロング』」
「『スタンド攻撃』と見做す」「今ちょっと過敏なんだ」

紙に直に触れるのはやめよう。スタンドが潜んでいる。
但し、ttp://www.diamond-ant.co.jp/product/ama/handy/handy_1wjyu.html
のSRHF1439を発現し、自身に設置して、射出型に変形させて射出せず、
その先端の刃で紙を真っ二つにする。
能力で潜んでいる場合、元になる物質を破壊されて潜んでいられるタイプかを確かめる。

この間に狼が姿を現した場合、そちらへの攻撃を優先する。
発現が間に合わない場合は一旦飛び退く。

66来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/17(水) 01:01:56
>>65
音も出さず貼り紙を真っ二つに切断すると、紙そのものに『同化』していたらしき真っ黒な狼が消滅する。

〈何かに怯える者は攻撃性が高くなる。そのように張りつめていると炸裂してしまう〉

何者かがスタンド会話を試みようとしている。
重く沈むような男性の声だ。

〈あれかね? 放送で侵略者を名乗った集団に気を張っていると〉

足元から金属の擦れる音を伴い真っ黒な狼が姿を現した。
ぺらっ、と真っ黒な狼はお辞儀をした。

〈寒くはないかね。さ、入りなさい〉

67青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/17(水) 01:17:13
>>66
「違うな」「あんた、その張り紙で何をやってた?」
「おっと、破られそうになったからなどとほざくなよ、あれはもともと仕込んでなきゃ起きないだろ」
警戒や猜疑というものは、他の誰でもなく黒い狼に向いている。
気を張っている、恐れている、としたら、『スタンド』そのものにだろう。

「外の確認か?違うよな、そんなもの少しドアを開ければ簡単だ。それに、
そんな事にスタンドを使う理由が無い。であれば当然、スタンドを発現した理由は別。
『能力で何かをするため』だ。恐らくは、入室するためドアに触れた人物に」

「それと、さっきの台詞が聞こえなかったか」「俺は『攻撃とみなす』と言ったんだ」

黒い狼に携帯電話のアンテナを発現して投げつけ、設置したい。
設置の成否を問わず、携帯電話のアンテナを出来るだけ右手甲に発現する。
この間黒い狼が接近してくるようなら、距離をとりつつ>>65で発現したアンテナを射出して、
黒い狼を射抜くつもりだ。

68来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/17(水) 01:51:55
>>67
薄い小さな真っ黒な狼に携帯電話のアンテナを投げ、設置するとそのまま倒れてしまった。
携帯電話のアンテナを持ち上げる力を持たない、べったりと床に真っ黒な狼は倒れている。

〈残念だがね。私の能力は触れたり、破壊しても意味が無い。本来は『隙間』に潜伏しているべきスタンドだからだ〉

〈貼り紙は囮だ。侵略者を警戒していたのだよ。『群像型』が真っ正面から戦うなど自殺行為。死は恐ろしい〉

ヤカンの沸騰した汽笛を思わせる音が室内から聞こえる。

69青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/17(水) 02:17:47
>>68
「侵略者を警戒?にしちゃ反応が鈍すぎるな。俺の動きも決して速いもんじゃあない。
それにそもそも、俺みたいな手合いでない限り、『そこ』は真正面みたいなもんだ。
よって侵略者対策とはとても思えん。特に、あんたが言うような存在への対策には、な」

声が一気に小さくなる。
しかし、来生には声が届く。狼の聴覚が、小さくなったその声を捉えている。
一応、アンテナで自身の聴覚を受信させている。

(触れる必要のないタイプのスタンド。認識発動って奴か?
俺も術中にある可能性は否定できん。
そしてフィードバックが無い?ま、それは確かめれば済む事だ)

「そしてそもそも」「警戒でスタンドを出しておく事は余り得策じゃあない。
『何かしてる』か『しようとしてる』って事だからな。自然、見た側は警戒する」

無論、周囲を警戒する事は忘れない。今既に室内に居ない可能性も大いにあるからな。

70来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/17(水) 03:50:08
>>69
不意に音が止んで、何かを取り出して容器に水を注ぐ音がした。
靴音が行ったり来たりしては止まる。

〈君は『サディスティック・フォレスト』の能力にビクビクしている。得体が知れなくて不気味だと。隙が多く、貧弱で、人並みにしか動けない〉

〈だからこそ凶悪な能力があるはずだとか、切り札があるに違いないとか――むむっ?〉

ほんの少しの間、聴覚に狂いが生じたことに戸惑っている。

〈アンテナか。警戒心と探求心が旺盛、裏を返せば臆病であるということ。ヴィジョンは色々なことを教えてくれる〉

〈私のスタンドは一匹ではない。紙に注意が向く間、君は足元の警戒心が薄れる。靴裏にスタンドを潜伏させることは簡単だ〉

真っ黒な狼は薄く小柄だ。『隙間』に潜むなど、そういったことが得意そうだ。

(敵であれば容赦なく仕掛けていたがね)

71青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/17(水) 09:36:23
>>70
ク、と笑いが漏れる。
「ほお、で?」
今この流れで、靴に仕込んでいたならば。切り捨てた時点で攻撃していなければおかしい。
少なくとも、切り捨てた時点で敵だと認識していなければならない。スタンドがやられてるんだからな。
よって、これはただのへたな脅しだ。

それだけ呟き、続ける。
「そうだな、何らかの能力はある。俺のスタンドに能力があるようにな。
そして、どんなに力のないスタンドでも『人は殺せる』。
こんな所でスタンドを出してるあんたはどうなのか、気になったのさ」

72来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/17(水) 16:32:37
>>71
また、足音が移動すると蛇口を捻る音がした。

〈スタンドの真価は殺傷能力には無い。影響力にある〉

〈ビクビクしていても無駄だ。無い物は無い。本当に危険な人物であると判断したならば、四匹は送り込むさ〉

〈『サディスティック・フォレスト』は、受動的で、殺傷能力は無きに等しく、脆弱〉

『サディスティック・フォレスト』と名付けられた真っ黒な狼達。
こんなにも小さなスタンドが何匹も向かって来たところで、スタンドを発現せずとも勝てるだろう。

〈通常の精神状態にない生徒は『相談』に来ることさえ難しい。この扉の前で独り立ち尽くすような生徒。彼等には私から手を差し伸べる必要があるのだ〉

入口の扉上に二匹、靴裏に一匹、新聞紙に一匹、袖に一匹。
至る所に『サディスティック・フォレスト』が仕掛けられている。

73青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/17(水) 20:46:44
>>72
周辺への警戒は欠かさない。
「精神・あるいは人格に関わる能力って所か。そして、それを一般人に使うことに躊躇いが無い」
言葉に対し曲解で返す。

(スタンドで人が殺せても、殺すかどうかは定かでない、が。こいつは『殺す』タイプと見た。
そして、人間一人なら4匹あれば殺せる、少なくとも無力化できる)

より周辺警戒を厳に。現時点で一匹視認している。そして、四匹視認した時点で殺せる可能性がある。
……そろそろ引き時ではあるかもしれないな。

74来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/17(水) 21:52:42
>>73
ぼーっと、窓を眺めている。
水洗いした葡萄を口に運ぶ。

〈通勤中に暴力行為を働いた不良に行使した。一般人を追い払う程度なら一匹で充分。スタンド使いを沈静化する場合、全ての『刃狼』を使うだろう〉

〈君にはスタンドを使うまでもない。既に、自滅しているのと同じだ。今の君こそが『サディスティック・フォレスト』の本質そのもの〉

「これは不味いな。犬の餌にするしかあるまい」

葡萄をパックに戻し呟く。
ボヤけていたピントが合うかのような、思考が鋭利な刃物のように研ぎ澄まされる。

〈それで、君はどうしたいのかね?〉

75青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/17(水) 22:18:00
>>74
「降ってわいた見知らぬスタンドを警戒する事が、術中も同然、と?
能力は警戒、恐れ、猜疑、といった所か」

(そしてもう一つ、さっきから発言がフラフラしている。
猫を被り切れていないのか、こいつが本性か)

さてはて真に術中ならば、あるいはどうするか。
決まっている。攻撃だ。だが一応、こいつは攻撃に踏み切ってはいないらしい。
であれば、少し試す程度でいいだろう。

八木アンテナを発現、動けなくなっている狼に設置し、ひょいと持ち上げたい。

「どうしたい?そうだな、あんたがこのまま静かに自衛以外でスタンドを使わないでくれると一番いい。
スタンド能力で相談援助を行うのは二番目にいい。俺は普通に学園生活を送る。
だが、そのスタンドであんたを攻撃するつもりじゃない奴を追い込んだら最悪だな。
その場合、俺はあんたを攻撃するつもりでいる。」

設置に成功したら、狼に触れないようアンテナを担ぎ、
全く別の方向に歩き出す。射程を確かめるためだ。

76来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/17(水) 22:50:33
>>75
真っ黒な狼は軽くて薄い。
設置したアンテナで持ち運ぶのに苦労は無い。

〈射程を試した事はない。しかし、学校の敷地を脱出する覚悟が必要だ〉

〈持続性にも自信がある〉

ゆっくりと椅子に座り編み物を始める。

「黒より緑だ。黒は良くない物を連想させる」

77青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/17(水) 23:34:28
>>76
「そうかい」

至極どうでもよさそうに、距離を取るように歩く。
次の授業まで時間もあるし、数km歩いて行くくらいは問題にはならない。

「ところでそう、思い出した。あの張り紙だがな、あれでは悪いモノをため込んでいる者、
だけを呼んでいるように見える。それは良くない。実際にため込んでいる奴は入らない。
そして付け加えるなら、さっきの俺のように紙に手を伸ばしもせず立ち去る、と思う。」

「『悪いモノ』を溜めている奴に限って『悪いモノ』があると周囲に思われたがらないからだ。
『悪いモノ』を溜めていようがいまいが、人を寄せるには『気安くどうぞ』みたいにした方がいい」

その道すがら、最初に紙を破ろうとした理由を狼に伝えよう。

78来生 正毅『サディスティック・フォレスト』【SC】:2014/12/18(木) 02:16:53
>>77
真っ黒な狼が目を細めて喋る。
笑っているようにも見える。

〈そうだ。本当に悪い者を溜め込む者ほど周囲を気にする。だからこそ内心でビクビクする〉

〈貼り紙は呼び水。君は反応してしまった。実験としては成功である〉

マフラーを編む手が止まる。

〈それに――来る生徒は手遅れであることが殆どで、手に負えないと判断された生徒が教師に送られて来る〉

〈以前の職場に「面倒だな」と思った生徒をわざと叩きのめし送って来る教師がいた〉

〈皆が来たくて来るのではない。ここに追いやられて来るのだ〉

〈私も、結局はそいつに負けた。救えなかった〉

『サディスティック・フォレスト』は目を瞑り、黙ってしまった。

79青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/18(木) 23:24:24
>>78
「どうかな。保健室なんざそれこそ本来何かがあって初めて行くもんなのに人が多いしな」
「入りやすい、駆け込み寺にしやすい雰囲気づくりとか幾らでも改善点は」

なにやらそっち方面の勉強でもしているのか、という内容になってきたところで狼が消えた。
流石にkm単位の射程距離は無かったらしい。(Bとあったので、そう推測させてもらった)

消えたのを確認した後、スタンドを解除し自分の教室に戻った。

80青田『トライブ・コールド・クエスト』:2014/12/18(木) 23:26:30
>>79
メール欄を書き忘れていた、申し訳ない

81中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/22(月) 23:17:54

                 ジジジ…

紙切れを覗き込みながら屋上でタバコをふかす女生徒の姿。

  「ッベェー……」

 「完全に留年コースじゃねーの……」

冬休み前の最後のテストの結果にガクゼンとしていたのである。
年のころは『19』だが、編入時の学力テストの結果…『高1』に編入。
順当に頑張ったとしても、『21』でやっと高卒。これ以上の留年はマズいのだ。

 「それにしても……スカートってのは慣れねー」
 「別に私服で構わねーと思ッけどなー」
                             ヒラ

学校には、鋲(スタッズ)の撒き散らされたデザインの改造制服で登校している。
しかし体制には意味もなく『NO』と言いたいジェネレーション。

82貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 00:03:23
>>81
    「フゥーッ……」

 「アイツら騒がしいから、たまには一人でご飯食べたいわ」

                『ニャウニャウ』

   「やかましいわよ。だって、イェンと音々ちゃんってば
    放っといたらすぐ痴話げんかしだすし……」

とか言いながら、屋上へやって来たわ。
ちなみにお弁当はちゃんと食べたわよ。
……みんなでね。
今は、ちょっと一人になりたかったから屋上に来たってわけ。
やだ、あたしってばなんかアンニュイ?(意味をよく分かっていない)

                「……ん?」

ここまでやって、先客に気付いたわ。

83ようこそ、名無しの世界へ……:2014/12/23(火) 00:04:31
>>81

 「おうおーうっ。 不良非行少女発見ー★」

「いけないんじゃないかなー? こんな場所で煙草はー」

 そう、屋上の扉が僅かに軋む音とともに開いてから君に声が掛かる

84ようこそ、名無しの世界へ……:2014/12/23(火) 00:06:43

 三人会話は流石に長引くからねー。ここは空気を読んで
暖かい目と共に青春を見守りつつ屋上の扉を閉める

85中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 00:15:38
>>82

  「はァー……頭悪ィってのはラクじゃねーな」

なんとなく壁によっかかって、
答案用紙を太陽に透かしてみたところで貝橋に気付く。


  「…っと、チョリィーッス」    ピース

咥えタバコでピースしてくる女生徒。
貝橋より背は低いし、まだ着慣れていなさそうな制服。年下かもしれない。

  「アンタいくつ?タブン『高等部』だろーケドさァー……って」

              チョイ  チョイ

タメ口ききながら『バベッツ』と貝橋を交互に指差す。
「これ、アンタの?」というニュアンスだ。

86貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 00:24:26
>>85
「……高二だけど」

そう言って、制服を確認。
(きっとリボンの色だか何だかで学年を確認する術があるはず)

   「……あなたは一年よね」
   「屋上で隠れてタバコって、まるで一昔前の青春ドラマの不良みたい」

             『ニャ〜ゴ』
                     、、 、 、、 、
タバコを見て言うと同時に、見られていることに気付いた『バベット』が会釈する。

         「別に、わたしはタバコ吸ってるヤツを見て注意するとか、
          そーゆー熱血じみたことしないけど」
         「……せめて慌てるくらいの可愛げがあっても良いんじゃないかしら」

まったくもって悪びれてない、むしろ開き直っている調子の
目の前の少女に、半ばあきれた感じで言うわ。

87ようこそ、名無しの世界へ…:2014/12/23(火) 00:26:02
>>all

ビュ   オ ッ

風が吹いて、『中山』のタバコが飛ばされた。
―――と、『見えて』いなければ感じたかもしれないが二人ともばっちり『見えている』タイプの高校生だから問題はないね。

   カッチ☆  カッチ☆  カッチ☆

抜く手も見せぬ超神速、『中山』のタバコを奪い、その頭上であぐらを組んだような格好で浮かんでいる『骸骨』のヴィジョン。

   『カカカー』

タバコをつまんだままで、けたけた笑っている。

88中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 00:43:02
>>86

 「やー、誰も来ねーと思ってたんやんな」
 「アンタ、チクったりしなそーやし」

悪びれる様子はない。むしろ「生徒だったので一安心」ってカンジだ。
灰皿代わりに買っておいた缶ジュースの中に吸殻を入れて微笑む。

 「そんなコトよっかさァ、期末テストがさァー……」

                   ピラ

 「一応、範囲はちゃんとベンキョーしたんよ?」

貝橋の目の前に答案用紙を突き出して見せる…コイツはヒデェ。
便所のネズミもゲロを吐くようなドス黒い点数…とまではいかないが、
「予習した」にしてはあまりにあまりすぎる。

>             『ニャ〜ゴ』

  「ウィーッ」

会釈するスタンドに呼応。

89中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 00:49:57
>>87

   「うおッとォ!」

缶の中に入れたと思ったら取られてた。
何か見たことあるヤツだな。

  「あれェー…?どっかで会ったことある?」

90貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 00:55:10
>>87-89
目の前の少女の危機感のなさに毒気を抜かれて、
思わず肩の力を抜いちまうわ。ま、あたしは困らないから別に良いけど。
ただ、煙がこっちに漂ってくるようならちょい考え物だけどね。

「ま、確かにテストの結果も大事だけどさぁ――――」

そこまで言いかけ、煙草が吹っ飛び――
いや、『感覚の目』で、『何者か』がそれを奪い去って行ったのを見る。

        バッ

              『フゥゥ〜〜〜〜ッ……!!』

  「そんなことよりも『今』、『この時』。
   そこをどう切り抜けるかが、重要なんじゃあないかしら……」

    ゴ       「――忘れもしねーわよその『骸骨』!」
        ゴ
      ゴ

本体は――どこにいる?
『バベット』は『骸骨』の方を注視させつつ、
本体のあたしだけが視線を巡らして本体を探すわ。

91烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/23(火) 01:18:43
>>89-90
「会った事あったかな?」「よく覚えてないけど、そう構えるなよ。リラーックス」

どこにいると言われてもここにしかいないよ。

「タバコは灰皿」「うん、それより制服着てないときに吸おうな」

注意もする。先生だから。
全身黒スーツに黒眼帯のサワヤカ先生の登場だ。

「ちょっとした注意だけと思ったんだけど、何だい両方ともアレか?『スタンド使い』?いやぁ」

会った事は、ある。
あるが、完璧に『忘れている』感じだ。『骸骨』も・・・
姿形は禍々しいイメージがあるが、仕草そのものはとぼけて陽気だ。

   カラカラカラカラカラ

首を回している。

92中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 01:23:29
>>90-91

  「えっ、『教師』?」  「ウソやん」

思い出せば公園で見たことあるかも。何でここにいるのかは知らない。
確か襲ってきたし、何となくアブねーヤツだったような気もするが……教師?

そして、貝橋とそのスタンドが臨戦態勢に入ったのを見て――

  「マジかァ、参ったな」
                 ズギュッ!

――『マダガスカル』を頭上に発現。

  「いちおう、まだ『卸したて』だからな」
  「穴ァ、空けたくねーんだケド」

                 『時間ノ問題ダロ、素行的ニ』

ま、それもワイルドでイイかも、と右腕を頭上に伸ばし、
手の甲に『血印』を描き始める。臨戦態勢というヤツだ。
視線は『教師』と『骸骨』から外さないでおくが、フツーに速ェんだよな。

93貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 01:32:37
>>91(烙)
     「…………」 ジリ ・・・

相手の言葉に混乱するわ。
……覚えてない? マジに? 殺人鬼が、殺し損ねた相手を覚えてない?
嘘でしょ。普通に考えて、人殺しってそんな簡単なことじゃない。
コイツ、すっとぼけてあたしの油断を誘おうとしてるわね……!

とりあえず油断せず引き下がって相手の射程距離(『湖畔』のとき確認済み)から
出て、相手の出方を伺うとするわ。此処で逃げても、アイツが殺人を犯してるっていう
決定的証拠はない。『特別クラス』ならともかく、すぐに対応が来るとは思えないわ。

      「……あんた、『前』はその眼帯、なかったわよね」

        『……』 ズギュッ

『バベット』はその手に『トランク』を出す。

>>92(中山)
   ヒョイヒョイ

  「(あんたもこっち来なさい)」

      「(ソイツの射程距離は『六メートル』)」

   「(そこに入るのは、自殺行為みたいなモンよ)」

もう猫被りしてる余裕もないから、素に戻って言うわ。
逃げろ、とは絶対言わないわよ。むしろ『逃げるな』って感じね。
アイツと一人でやり合って勝てる気はしないし。

94烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/23(火) 01:39:33
>>92-93

 ヒュ

「・・・ン」

傍らに『骸骨』を戻し、手持ちの携帯灰皿に吸い殻をイン。

「眼帯?」
「ああ、最近ちょっと怪我をしてさ」「ほれ」

ぺろりとめくる『右目』。そこに埋まった『ボルト』。

「よくわからないんだけど、頭蓋骨とか留めてるのかな」
「って、いうーか」
「そんなイキナリやる気満々でこられたらなんか傷つくじゃぁ〜ん」「暴力的なのは先生良くないと思うなあ」「うん」

 『カカ♪』『カカ♪』

『骸骨』は、おどっている。

95中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 01:48:53
>>93(貝橋)

  「『射程6m』ってマジか」
  「あの『骸骨』、結構速ェのにな」

年下だけど先輩なので言うコトは素直に聞いておくか。
口ぶりからも、アタシよりも闘い慣れてそうだしな。
…というわけで『血印』を描きつつゆっくりと貝橋の方へ後退りする。


>>94(烙)

  「ロボットみてーになってるな」

その『ボルト』を、チラリと『見る』。
インダストリアルでなかなか良いファッション。

96貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 01:55:41
>>94(烙)
「……見境なく人の事襲うからそうなんのよ」
「少しは懲りたかしら?」

ま、その分だと懲りちゃあいないだろうけどね、って言葉は呑み込みつつ。
ちょっと怪我、なんて言い分を信じるほどあたしは馬鹿じゃないわ。
スタンドのスペック的に言っても、事故でどうにかなるようなタマじゃあないでしょ。
どう考えても、スタンド使い同士の戦闘でああなったとみるのが自然。
(あたしがスタンド使いだから、そう思うのかもしれないけどね)

『バベット』は手に『紅茶パウダー』を出す。

>>95(中山)
「スタンドってのは精神で動かす才能(らしい)だからね。
 殺人なんて頭のイカれたことするヤツなら、
 そのくらいになってもおかしくないでしょ」   「個人的には、もっとイカれたヤツも知ってるし……」

『自分自身がスタンドになる』スタンド使い。
二体の格闘型スタンドを長射程で扱うあの男も馬鹿げてるけど、
『スタンドを消すスタンドになる』能力とか、『肉体をいくらでも治療する』能力とかのがよっぽど馬鹿げてるわ。

97烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/23(火) 02:05:03
>>95-96
「ロボット。いいねえぇ〜。でもロボットくらい頑丈じゃあないんだよな」  『カカカカー』

笑う。『骸骨』もいっしょになって笑う。

「おいおいそっちの子、襲うとか見境無くとか人聞き悪い事を言わないでくれよ」
「オレにだって好みはあるんだから」「さ」

    ――――――

         シィ  〜 ン

『骸骨』がゆらりと立つように浮かび、
そしてそのまま『停止』。
『本体』もまた止まっている。『一触即発』―――と、見るべきか?

98中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 02:12:27
>>96-97

  「やっぱ通り魔じゃねーか!」
  「アブねーヤツだとは思ってたケドさァ」

貝橋との会話から烙の所業を推し量る。
アタシ自身『正義の味方』でもねーし、
自分の周りで被害がなきゃあ取り立てて騒ぐつもりもないが…
さすがに目の前にいる『そいつ』をそのまま放置ってのも、ちょっとねェ。


         シィ  〜 ン


あっ、なんかヤな予感。

  「……センパァイ、あの『ボルト』ってさァー」

  「『新しい能力』とかじゃあねーの?」
                           ヒュ

『マダガスカル』を頭上から自身の胸の前に位置取らせる。

99貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 02:17:22
>>97-98(烙、中山)
一触即発――――そう考えた瞬間に、
後輩ちゃん(名前分かんないからそう呼ぶことにした)の言葉にハッとする。

『新しい能力』――『成長』。
それは、あたしも経験してる。正確には『真の能力』だけれど……。
このあたしの『記録食』のように、目の前の殺人鬼も『真の能力』に目覚めたのだとしたら。
この動きの停止は、スタンド攻撃の前触れなのかもしれない。

       「――――――――ッ!!」

咄嗟に、ナイフを発現させて構えさせるわ。

100烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/23(火) 02:32:03
>>98-99
「やだなァ〜」
「ほんと、そーいうんじゃあないんだってばァ〜」

『スタンドを解除して、歩み寄る』。

「『タバコ』」
「別にオレは気にしないけど、気をつけてくれよ?」

喫煙者に注意もする。先生だから。
ただそれだけだ。本当に―――それだけ。二人の間を抜けていこうと、する。

101中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 02:44:23
>>99-100

  「お?」  「お?お??」

汗マークを浮かべながら、2人の間を抜けようとする殺人鬼の…いや、『間は抜けさせない』。
道は譲るが、アタシ自身が『センパイ』の前に立ち塞がるようなカタチだ。
『センパイ』っつっても年下だろうしね。それに、アタシには『血印』がある。
それでも『センパイ』が前に出るってんなら止めはしねーけど。

   「『タバコ』」

  「…へへ」  「『次はない』ッてか」

アタシだって、普段は飄々としてるフウに見られるけど、
この状況に、それなりに恐怖とか焦燥とかしてるワケで。

                    『………』

だから、『マダガスカル』も警戒態勢を解かない。
少なくとも、その背中を完全に見送るまでは、な。

102貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 02:53:54
>>100-101
         「――――ッ!」

   「ばか、そうじゃないでしょ!!」

相手が何を言っていようと、こういうときは『事実』だけを見るのよ。
『射程距離内に入り込んできた』。今回のアイツの行動はそういうことよ。
スタンドなんか、いつでも発現できるし、あの『骸骨』は発現した直後の
一瞬の隙があっても、『集中』してないあたしじゃ反応できるか分からない。

だから、手に持った『紅茶パウダー』を地面に叩き付けて、
同時に袋を解除することであたり一帯全体を煙幕で覆い尽くす。
そして、この中での事象を探知できるのは『能力感覚』のあるあたしのみになる。
この間に、後輩ちゃんの手を引いてヤツから少しでも離れる。

もちろん、この間ヤツの挙動は『探知』し続ける。

103烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/23(火) 03:07:28
>>101
「いや、別に『次は無い』とかじゃあなくて」「気をつけて」「ってだけさ」

道をーー『遮った』わけではない。
ちょっとズレて、歩み去ろうとして、

「タバコ、見つかったら『全校集会』とかさ」「めんどーくさいだろ?」

笑いかける『眼帯』が、『煙幕』に覆われた。


>>102

「お――?」

『紅茶パウダー』の煙幕は、特に目も鼻も口も侵さない。
攻撃的な(催涙性があったり)ものでは無いからだ。だが『煙幕』に隠れる前、『貝橋』とその『スタンド』は臨戦態勢にあり、
『ナイフを持っていた』。

「(   )」

        キュル・・・

『感知しえない状態』で、『敵意ある相手』が、『武装している』状況は、
かつてないほどでは無いにせよ、『十板部 烙』をして

「(マズいな)」
                     ル ルルル
と、思わせるに、足る。                     『   ガ   ィ   〜         ン   』    カツン

『鎧』によって、『首筋を防ぐ』動き。それだけだ。
そして『貝橋』は・・・後輩の手を引いて離脱するその間際、足で何かを蹴飛ばした事に気付く。

104貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 03:19:31
>>103
         コツッ

足元で『何かを蹴飛ばした』感覚を理解した瞬間、総毛立つような感覚を覚えた。
何故って――接触ってことはつまり、位置が把握されたから。
攻撃対象として、その居場所が把握されることへの、反射的な反応。つまり――

     「ッッ、しまった、『甲冑』!!」

          「野郎は『骸骨』と『甲冑』の二体組のスタンド……」

      「既に、足元に――――!!」

叫びながら、思わず飛び退いて回避。
屋上っていう屋外……おそらく、煙幕は数秒と持たないでしょう。
煙幕が晴れるその前に、足にナイフを投げつけ、最低限『脚』は殺しておく。

105中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 03:32:40
>>103

  「ま、気ィつけるわ」

  「全校集会とかメンドーだし……うおっ」  グイッ

突然のコトなのでそのまま手を引かれる。

                    『ウシャァアッ!』

『煙幕』が降り注いだ瞬間、警戒を続けていた『マダガスカル』が
前方の、恐らくは烙がいた方向に前進、身体を、あるいは衣服を掴む。(パス精CBC)
見えていないため期待は出来ないが、全身で行うコトでどこかしらは掴めるだろう。

  「好戦的だなァ!センパァイ」  「ちっと放せッ!」

貝橋が引いた手を見ることが出来るならそこに『血印』が描いてあるのが分かるだろう。
(〒)←こんな感じの意匠だ。

本体は『マダガスカル』の位置からおよそ烙の位置を感知、
貝橋の手を振り解いて、右手側から飛び込み、とりあえずその『脚』を掴む。

106烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/23(火) 03:44:59
>>104
蹴っ飛ばしたものは・・・
『ネジ』だ。そいつは転がって、屋上のスミへ。

そしてナイフが『烙』の左足を切り裂く。どうってことのない切り傷だ。だが血は出るし、動くと痛む。


>>105
    ガシ ィッ

『マダガスカル』の伝える『感触』は・・・
服。そして『鋼鉄』の感触。
本体を抱き締めるように『甲冑』が防御している。そこに抱きついた形になる。それは、煙幕が晴れて、明らかになった。
ナイフが切り裂いた脚とは逆側(右足)を掴む―――


>>all

『ガ』『カ』『ガガカカガガカカカカカカガガカカカカカカカ――――』


「痛いじゃないか」


首だけで振り返り、『貝橋』を。そして『中山』を見て、

   「あっ」「でも動けるぞ。『クライムウェイヴ』」

ごく軽い気持ちで、『鎧』と『骸骨』を重ねた。『合一』。
甲冑に髑髏の模様が浮かびあがり、哄笑が禍々しさを増す。『クライムウェイヴ』。『鎧/骨』のスタンド。
『マダガスカル』を掴み剥がそうと、手を伸ばす・・・(スC

107<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

108中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/23(火) 04:38:56
>>104
>>106

   「ばかっ!」

  「『火に油』ってやつじゃねーのかコレ!」

むしろ『油に火』ってぐらい藪蛇な状況。どんなバトルジャンキーだよ!
とはいえ、自分もしっかり攻めの姿勢に入ってる以上『同類』と見做されても仕方ない。

だが『煙幕』は晴れた。『右足』に取りつくことも出来た。
可能ならば、そのまま『右手』でアキレス腱の辺りを力いっぱい掴む。

                         グググゥ

   「ナイフ!まだ出せんならアタシにブッ刺せッ!思いッきりだ!」

貝橋に向かって叫ぶ。出来れば『貫通』するぐらいの勢いでブッ刺して貰いたいところ。
彼女に説明している時間はなかったが――『第一の血印』。その能力は『破壊エネルギーの転移』。
転移した『破壊エネルギー』は血印へとフィードバックされるという寸法なのだが、
触れているものまでならそのエネルギーを伝えることが出来る。
畢竟、『脚』に触れていれば脚を。急所に触れていれば急所を。ナイフを投擲するより確実に『脚を殺せる』。

一方の『マダガスカル』だが、『合一体』となった『髑髏甲冑』に引き剥がされる可能性は『極めて低い』。

>本体を抱き締めるように『甲冑』が防御している。そこに抱きついた形になる。

ということは『甲冑』の背中側に『マダガスカル』が抱きついていたというコト。
つまり『合一体』となった『クライムウェイヴ』が、『マダガスカル』の方を向くのはワンテンポ遅れる。
また、斯様に不安定な位置取りのため、『マダガスカル』のスピード(スB)で迫り来る手(スC)をかわすのは容易い。

                               シュル   タッ

『小動物並み』の身のこなしを活かし、『髑髏甲冑』の背中を蹴飛ばし後方へと着地、本体の元へ戻る。

109貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/23(火) 22:49:58
>>106>>108
「…………」

え……ネジ?
あたしてっきり『甲冑』だとばっかり……過敏すぎ?
……ええい! 『やり過ごせばよかったのにとんでもない藪蛇だった』なんて思ってないわよ!
逆に考えなさいあたし! 『いずれかち合う相手と今戦うことになっただけだわ』って考えるのよ!

それよりも――――

   「まずいわあんたッ」 「今すぐ離れなさい、すぐにッ!!」

      「ヤツの能力は……とくに『合体』するとマズイ!」

  「よく分からないけど、電柱を粉々に吹き飛ばすほどの破壊力を得るのよ!」

後輩ちゃんに忠告しつつ、さらに――できるだけ――『バベット』と共に距離を取る。
……けど、なんかナイフでブッ刺せとか指示されたし……ああもう!
そんな攻撃が上手くいくとは到底思えないんだけど――――やるしかないか!

『バベット』は『テーブルセッティング』でナイフを一〇本、紅茶を発現。
あたしは紅茶を飲んで、『バベット』はナイフを一本、後輩ちゃんの足に投擲する。
命中後は、ナイフを逆用されないように解除。あと、さっき刺した一本も解除しておくわよ。
胴体とかなら咄嗟にあの『髑髏甲冑』にガードされそうだけど、足を狙えば腕も届かないでしょ。

110烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/23(火) 22:59:07
>>107-108

 スカ

『マダガスカル』を捉える事は出来なかった。速度の差だ。そして視界の問題で、『カップ』を避けることも出来ない。
頭だけで振り返っている状態では、正面から迎撃するように対処することはできない・・・左側頭部に『カップ』があたり、熱々の『中身』が頭にブチ撒かれる。
『ちょっとくらいは口に入るかもしれない』。不思議ではない。

「熱っつ!」「何だよ、熱湯のコントか? 熱っついなあ、もう!」

慌てて頭を払う・・・。『貝橋』や『中山』に向かう攻撃は、今は無い・・・

111烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/24(水) 00:14:19
>>108-109>>110変更)
 スカ

『マダガスカル』を捉える事は出来なかった。速度の差だ。
そして『ナイフ』は問題なく命中する(深々と突立つ、ほどのパワーは無いだろうが)。

「き みら、この」「お転婆め」

   『カ』『ガ』  『カカカカ』   『ィィ〜 ン』

『鎧』と『骨』に『再分離』。さらに『鎧』を『両腕』『胴』『両脚』に五分割。『中山』の手足に絡み付かせる。
そして通常の関節技のいずれにも有り得ない方向に、四肢それぞれを捻りあげるッ(破ス精CCC

『骸骨』は――
むろん、『貝橋』を追う。いや、『バベッツ』を追う。
肉薄する。(スA

112ようこそ、名無しの世界へ…:2014/12/24(水) 23:14:23
>>108(中山)
『合一体』に捕まるより早く、
その背中を蹴り、『マダガスカル』は本体の元に戻った。

   ──ズキィ!

右手の甲に鋭い痛みが走る。
『血印』によって転移した『投げナイフ』の傷は、
当然だが中山の体を傷つけている──
注文通り、手の甲を貫通する程の傷をだ。
今はまだ大丈夫だが、長引けば指の動きに影響するかもしれない。

   『カ』『ガ』  『カカカカ』   『ィィ〜 ン』

『クライムウェイヴ』の『合一体』が分離し、
さらに『両腕』『胴』『両脚』に五分割した。
『骸骨』は貝橋に向かい、
五つの部位は、一斉に中山に向かってくる──!(スC)
絡との距離は『5m』。

>>109(貝橋)
テーブルセッティングを終え、
本体は紅茶を一口、飲み込んだ。

『バベット』は投擲したナイフが首尾よく『マダガスカル』の背中に当たり、
その傷がスタンドの手の甲に現れるのを目の当たりにする。
中山はその傷を貫通させ、烙の左足に打ち込んだが、
『バベット』の投げナイフ、かつ手の甲を通しては、
たいしたダメージにはなっていないと思われた。

現に、烙の表情はまるで変化なく、

   『カ』『ガ』  『カカカカ』   『ィィ〜 ン』

『クライムウェイヴ』の『合一体』が分離し、
さらに『両腕』『胴』『両脚』に五分割した。
五つの部位は、一斉に中山に向かい、
そして『骸骨』は貝橋に向かってくる──!(スA)
絡との距離は『7m』。
敵は『超高速』だが、分離の間がある為、
その動きは、比較的『見えて』いる──

>>111(烙)
右のアキレス腱に痛みを覚えるが、たいした傷ではない。
むしろ逃げ去った『小悪魔』のスタンドの方が、
右手に重傷を負っているように見える。

   『カ』『ガ』  『カカカカ』   『ィィ〜 ン』

『クライムウェイヴ』の『合一体』が分離し、
さらに『両腕』『胴』『両脚』に五分割した。
『骸骨』は貝橋に向かい、五つの部位は、中山に向かわせる──!
当然、先に到達するのは『骸骨』だが、
この距離ならテンポの差は考えなくてよさそうだ。

貝橋までの距離は『7m』。中山までは『5m』。

互いの現在位置:


         中
     鎧    
  烙
         骸  貝

113『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/24(水) 23:18:00
>>112
名前欄変更。

114貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/24(水) 23:28:22
>>112
質問よ。

・あたしは今、屋上のどのあたりにいるのかしら?
・屋内へ続く階段がどの方向何メートル先にあるのかしら?

115『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/24(水) 23:37:39
>>114
貝橋らの背後、『8m』に鉄柵がある。
屋上から降りる階段は、絡の背後。距離は『20m』。
(隠れて煙草を吸える程度に離れていたため)

116貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/24(水) 23:53:41
>>115
回答感謝。


>>112
くそ……あれホントに聞いてんの!? アキレス腱でも切れてりゃ言うことなしだけど……、

     「ンなラッキーに期待してたらダメか!」

既に十分な距離はとってあるけど、遠距離攻撃ができないっていう保証はないわ。
とくに、ナイフとか回収されてたらマジヤバだから、能力感覚でこっちに向かってくるナイフがあったらそれはあたしの判断で即解除。
『バベット』はテーブルセッティングで出したナイフを全部回収しておくわ。
あたしはその場に紅茶を垂らして、空っぽにしてから『骸骨』の顔面に思い切り振りかぶってから投げつける。(破ス精CCC)

117烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/24(水) 23:58:40
>>112
『骸骨』は・・・

 『カ! カ! カ!』

射程距離ギリギリ・・・つまり『6m』跳んでその場で止まる。『1m』の間合いで。
『貝橋』と『バベッツ』の、すべての動きは『見逃さない』位置だ。
そして『烙』の前進によって『射程』の問題は解決する。ただし寄らない。位置はキープしたままだ。『骸骨の視界』で注視する。


『甲冑』は・・・

   『ガ  ガ  ガ  ィ  〜       ン』

『分離』した『甲冑各部位』の移動能力は、『浮いて動く』ことを考えれば人を越える。
速度もそこそこ(スC)だ。『射程』も問題は無い。予定通り『拘束』するべく両腕・脚を、そして『マダガスカル』のジャマになるように『胴』を。
『中山』は後退するかもしれないが、それは『烙』の前進によって解消出来る距離の差でしかないだろう。

『烙』は前に歩く。二人に・・・どちらかといえば『中山』に向かっていく。
『射程距離』の問題もあるし、好みの問題でもある。このへんは無意識だ。ともかく『6m圏内』は『クライムウェイヴ』の領地。

「最近、思ったんだけどね。
 『二つ以上のもの』を別々に動かすのは難しい。両手で別々の作業をするようなものだ」
「だが素晴らしいことにオレの『クライムウェイヴ』はごく普通に、自然に、『別々』なんだよ」「スゴいことだと思わないか?」
「脳ミソが三つあるようなもんさ。君たち二人はもうちょっと先だけど、卒論とかさ。めちゃくちゃラクだと思うんだよ。調べものしながら書いたりできる」「うん」

「進路相談なんかはちょっとまだ無理だけどさ」

視線は『中山』に合わせ、歩み寄る。

118中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/25(木) 00:20:07
>>112

                   ザグ!
  「あ…ぐッ!」
                       ブシュゥゥーッ!

貝橋のスタンドは『手の甲を貫通するほどの傷』をつけてくれたが、
目的を成し遂げるにはパワーが足りなかった――…というかそもそもが『失敗』だったかもしれない。
『やらかした&痛ェなチクショー』の入り混じった気持ち。


                  『頭悪ィッツーノハ損ダヨナァーッ』
                  『下策バッカデ…「血マミレ」デヨォーッ』

 「うッせーなァ!気ィ散ッから黙っとって!」

   「…ッとォォ」


        『カ』『ガ』  『カカカカ』   『ィィ〜 ン』


 「『別々に動かす』……それ、見たことあんぜ」

公園で見たことがある。知ってる。
それだけで即応出来るというワケではないが、速度も大したものじゃあない。
意表を突かれて対応が間に合わないというコトはないだろう。
本体はとりあえず軽く後退しつつ『甲冑』から、また『骸骨』からも距離を取る。
必然、回り込むような動きになるかもしれない。

                タタタ

  「『マダ』ッ!」
                   『オウ』

                     タッ!  ド ヒュ!

スピードならこっちが上だ。少なくとも『甲冑』、あるいは本体相手なら。
『マダガスカル』をけしかけ、『甲冑』の群れに突っ込ませて弾く。タックルのような動きになるだろう。
本当は本体めがけて突っ込ませたいところだが、こちらも本体を守らなくてはならないのが弱いところだ。

119『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/25(木) 00:52:59
>>116-117(貝橋、烙)
貝橋は投げたナイフを解除。
バベットは貝橋の足元でナイフを拾い始め、
貝橋自身は、
            バシャ!

紅茶を足元にぶちまけた後、カップを頭上に降り上げる。

その間──
貝橋の目前『1m』で停止した『骸骨』は、その一部始終を観察していた。
貝橋の行動は、『骸骨』にとっていかにも遅い。
あのカップを投げつけるつもりだろうか?
絡が歩を進めだことにより、貝橋もバベットもすでに『射程内』だ。

>>117-118(烙、中山)
中山は後退しつつ、『マダガスカル』を突っ込ませる。
絡は中山本体を『鎧』で拘束するつもりだったが、
そこにスタンドが突っ込んでくるとは思わなかった。

           ガ シィィイイ──ン!

『両脚』に命中し、『2m』ばかり弾いた。
だが『両腕』と『胴』がまだ残っている。
『マダガスカル』のサイズでは、分離した全てを弾くのは無理がある──

     ギュ ォオオオオオ

『マダガスカル』の頭上を越え、後退する中山に肉薄する!

互いの現在位置:


      腕   中
     脚マ    
   烙
          骸 貝

120『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/25(木) 00:54:29
>>119訂正

互いの現在位置:


        腕 中
     脚マ    
   烙
          骸 貝

121貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/25(木) 01:10:55
>>119    、 、 、、
「――――その強みは、多分あんたよりもあたしのが知ってるわ」

射程内に入っても攻撃しないのは、余裕から? それともあたしのリズムを乱す為?
どのみちこの距離だと先手を打たれるのはあたしの方なんだろうけど、そこはもう諦めるわ。
どっちにしろ――――行動は変わらない。
あたしは、目の前にいる『骸骨』目掛け腕を振りおろしてカップを投擲する。(破ス精CCC)
骨に思いっきりカップが直撃すれば、そのダメージそのものでヒビがいくかもしれないし、
砕けた破片が傷をつけるかもしれない。どっちにしろ、痛みが走るはずよ。対処はせざるを得ない。

『バベット』は、一瞬待機して『骸骨』の回避する先を見極め、
その先に右肩でタックルを繰り出す。(破ス精CCC)

122烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/25(木) 01:14:55
>>119
『甲冑』:

「『見た事ある』のは厄介だけど、それでどうにかできるかっていうと違うよな」

現に・・・
『マダガスカル』は『両脚』が。『中山』へは『両腕と胴』が。
と見せかけて『両脚』で必死こいて『マダガスカル』を妨害し、その背後から『胴』を突っ込ませてぶつける。
『両腕』はとにかく『中山』の手か足を引っ掴み、『両腕』を使って『捻り上げる』ことを目指す。(破ス精CCC)


『骸骨』:

  『カカ  カァ〜  ァ』

『あくびが出るぜ』とでも言いたげに『骸骨』は笑い、
いきなり『動く』。地を這うように『貝橋』の後ろに回り込む。(スA

  『カ カ カカ』    ル  ルルル ルルルルルルルル

その両腕、肩・肘・手首は『自由自在の球体関節(フリ〜ダムジョイント)』。上腕・下腕・握り拳を順々に『回転』、回転、また回転。
加速音は聞こえるかもしれない。だが『貝橋』に、眼前1mの神速を捉える事はできない筈だ。人間だから。捉えられずに、後ろを取れる筈だ。

123中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/25(木) 01:18:34
>>119

  「手数…多すぎっ!」

『甲冑』の多段攻撃に畏怖するも、考えているヒマはない。
本体は迫り来る『甲冑』をかわすように南西へ走る。烙の方へ向かうような動きだ。
この位置取りなら、不可能ではないと思いたい。
仮に『甲冑の両腕』がこちらを掴むとしても『右腕』ぐらいだろう。

                     シュタ  タ!

その間にも『マダガスカル』は敵本体との距離を詰める。
『甲冑』の脚に軽く手をかけてその上へあがった勢いのまま、烙の顔面にニードロップでもかませれば上々。
脚が何か行動を起こしてくるとしても、スピードの差から対応は容易いだろう。

124『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/25(木) 02:04:00
>>121-122(貝橋、烙)

──ヒュッ!

『骸骨』めがけてカップを投げつける貝橋。
その回避を見越して、『バベット』がタックルを仕掛けるが・・・・

  『カ カ カカ』    ル  ルルル ルルルルルルルル
                              ──ビュン!

超人的な加速と、『球体関節』のトリッキーな動き!
ナイフを拾うため、しゃがんでいた『バベット』では、
方向を見切った攻撃でさえ、回避されてしまう!

                     ゴ   ウ  !!

次の瞬間には、『骸骨』は貝橋の視界から消えていた。
絡は『骸骨』の視界に入った、貝橋のうなじを確認する。

>>122-123(烙、中山)
南西方向、烙本体に駆け寄る中山。
だが、空中を動く『鎧』の両腕が、それを阻む。
掌を広げ、明らかにこちらを掴むつもりだ──

        ガシィィン!

『鎧』の指は、空しく空を切った。
同時操作における『クライムウェイヴ』の弊害・・・・
精密性が明らかに低下している。

一方、烙本体を目指す『マダガスカル』だが、
当然、その行く手を、後退させた『両脚』が阻む!

           バッ

『両脚』に手をかけ、跳び箱よろしく踏み台にしようとした、
その瞬間──
               バッ キャ!

後頭部に『金属』による衝撃。
絡は『胴体』のみ引き戻し、『マダガスカル』の背中を狙っていた!
スタンドが跳び上がった為、後頭部を打たれるはめになったのだ。
(『胴体』も精密性が落ちているが、当てる程度は問題ない)

本来であれば、中山の視界に入っているはずだが、
絡への接近と腕の攻撃に気が行き、絡の奇襲を見落としたのは失敗だった。

         グラ・・・・

スタンドとともに、中山の足が止まる。
眼前に星が散り、ぐらりと地面が近づいてくる感覚・・・・!
その様子を、絡はしっかりと我が目で確認している。

互いの現在位置:


        
     脚マ 中    
   烙
            貝骸

・バベットは貝橋の足元
・『胴体』はマダガスカルと同じ位置
・『両腕』は中山と同じ位置

125貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/25(木) 02:17:42
>>124
「そう、躱すわよね――でも、あたしは馬鹿じゃあないわよ」
             、、 、 、、、、 、 、
あたしの記憶には、とあるスタンド使いの姿が強く焼き付けられている。
まだ未熟だったころではあるけれど、あたしと、ジョセフィーヌと、ロイドパの三人がかりでも
全く以て翻弄されっぱなしだった、あのスタンド使い。猛獣のような身のこなしの『ヤツ』。

だから、あたしは自分より速い相手に生半可な工夫の攻撃が当たるとは思わない。
カップの回避を見越した『バベット』のタックルだって、当てるつもりだったけど、
本命はそこじゃあなかった。本当の狙いは……、あの殺人鬼。
『素早さ』という防御を持たない――

            「あんたよ!!」

最初から(>>116>>121メール欄)、あたしの投げたカップの狙いは
素早くて当てづらい『骸骨』なんかじゃなく、本体の方だったのよ!!
『骸骨』は自分への攻撃には警戒しているはずだけど、
反面遠くにいる本体に対しては何の警戒もしていないはずよ。
つまり、この攻撃を防御するのは、相手には不可能ってこと。(予想してたら別だけど)

そして、『バベット』。
相手が土壇場でカップに気付いて防御するにしても、
あるいは全く気付かず命中して怯むにしても、
どちらにせよ確実に、『骸骨』には一瞬『隙』が生まれるはず。

『バベット』はその一瞬の隙を突いて、足にしがみ付くようにタックルし、あたし本体から引き離す。(破ス精CCC)
『バベット』の身体能力は既に(>>109メール欄)『お茶』の効能によって人類最高峰に到達している。
『一瞬の隙』を突くのに十分な瞬発力は獲得しているはずよ。

126烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/25(木) 23:29:31
>>124

『骸骨』:

 『カッ☆ カッ★ カッ♪』

『骸骨』は――
『関節』の『回転』による、打撃威力の増加が可能(破壊力:C)だ。連続使用は『骨格を損傷する』可能性があるわけだが、何発もは必要ない。
敵は『急所』を曝している。正確に『経絡』を射抜くようなマネはできないし知識もないが、それでも『うなじ』は、首は当然人体の急所だ。
『思い切り殴りつければ』、みんなが思う以上に脳みそを揺さぶり尽くすだろう。

   ド ヒュ ヒュッ !!!

だからそうする。『貝橋』のうなじを思い切り殴り抜けるッ!とりあえず・・・左右の拳で、一発ずつだ!(破ス精CAB


『甲冑』:

「おっと・・・さすがに多すぎたか。だが」

問題はないようだぞ。
べつに『目眩まし』のつもりでもなかったが、『両腕』の動きは正しく『目眩まし』として作用し・・・
『マダガスカル』への一撃を導いてくれた。この流れでいくと、『中山』自身を掴むよりも効果的なやり方がある。『十板部 烙』は判断する。

   ヒュン   ヒュン ヒュ

『よく狙う』。『マダガスカル』を踏みつける(破ス精CCC)。操作の(甲冑の操作の、という意味だ)注意はすべてこの行動に注ぐ。
踏みつけに成功したら、『胴体』と『両腕』も『マダガスカル』の上に集合し、『甲冑』本来のヴィジョンへ。
『甲冑』本来の『パワー(B)』で踏み抑え、拘束。

127中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/26(金) 00:15:51
>>124
後方からの襲撃は予想外だった。
中山が襲い来る『胴』を目の端に捉えたころには、遅かった。

  「『マダ』、うしr……!!」

               バッ キャ!

                   『ギッ!?』

頭部に感じた金属の感触と共に目が眩み、同時に地面が近づく。
つまり、『前のめり』に、『うつ伏せ』に倒れる。
反射的に手が伸び、顔面への強打を防ぐ時間はあるとは思うが、
それでも寝転がったままでは分が悪い。

                 『…自由ダナ、イカニモ自由ッテ感ジダ』

   (見たまんま、やんね)

本体は、目を閉じたまま左方向へと身を転がしたい。
視界が幾つもあるのは気が散るし、行動に支障があると考えた。
自分の右側に『甲冑』がいるのは分かっているので、それ以外の視界は『マダガスカル』に任せる。

一方の『マダガスカル』は高い位置にいる。
後方に『胴体』が肉薄しているのも、かなりピンチって感じだが、絶対値的にチャンスでもあるだろう。
頭部へのダメージで本体と同時に倒れこむ瞬間、
後ろへ脚を突き出して『胴体』を『馬蹴り』する事で脱出、そのまま烙の方へと近づくカタチを取りたい。
馬蹴りついでに、飾り物のような翼を羽ばたかせることで『地面に直撃』ではなく、『一直線に』本体の方へと。

                 『タダ』  『ホント、気ィ散ルゼ』

…咄嗟の行動ではここまでは望めないかもしれないが、
スピードの差で何とか埋め合わせていきたい。

128『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/26(金) 00:41:21
>>125-127(全員)
貝橋と中山、両者を相手に優位に立つ烙。

貝橋の背後を取った『骸骨』は無防備なうなじに狙いを定め、
地面に崩れかけた『マダガスカル』には、真上から『胴体』による『圧迫』を狙う!

だが──その時だ。
                      ──ヒュ    ガコッ!

絡の右側頭部に激突する、『陶器』。
威力もあることながら、予期せぬ攻撃による『動揺』が、
二体のスタンドを動かす『殺人鬼』に隙を与えた。

結果──

         ブンッ!

『マダガスカル』の後ろ蹴りは空振るも、追撃を受けることはなく、
中山は床とキスする前に身を捻り、左方向に転がれた。

貝橋の『バベット』は、真後ろに立つ『骸骨』に、
『お茶』によって得た『敏捷性』をもって、『タックル』!
両足を抱え込み、倒すまでは至らなかったが、
貝橋から『2m』ばかりも引き離すことに成功した!

    ダラ・・・・

右頬に垂れてくる、赤い液体に烙は気付く。
頭への直撃だ。思いの外、効いている・・・・気がする。
──問題は、貝橋がさらに向こうにおしやった『骸骨』だ。
あれ以上押されると、『射程距離外』に差し掛かる。
ギリギリの距離で、相手の背後を取った『ツケ』がきている。

     マ胴     
   烙    中
            貝バ骸

・バベットは貝橋の足元
・『両脚』は『マダガスカル』と同じ位置
・『両腕』は中山と同じ位置

『マダガスカル』と絡の距離:『2m』
貝橋と烙の距離:『5m』

129烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/26(金) 00:57:00
>>128

「ぐ・・・」「!」

  ヌチャ

これは――『想定外』だ。
投げた先は『骸骨』・・・の先だった。いや、だが大した事は無い。驚きは大きかったが・・・
右目にはどうせ何も無い。血で視界がくもるだとかそういうことは無いし、いや、これは・・・

「フ   ゥー」

予想以上に

     「スゥー」「フゥ   〜」

『動揺』。しているな。
だがそれでも、『動く』。混戦こそ『クライムウェイヴ』の本領だ。とはいえ今は、一旦『攻守交代』のタイミングというべきだろう。
さすがにどれほど小さかろうが、『スタンド』相手に生身一つになりかねない状況は、困る。
今は、今すぐ、何がなんでも、

「戻れ、『クライムウェイヴ』・・・!」

『甲冑』はすべて『マダガスカル』に殺到するかのように。(スC)
そして『骸骨』は、その神速と自由自在関節を最大限に生かして『貝橋』を横に躱し、まっすぐ『本体』へと。(スA)
『スタンド』を、『戻す』。

130中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/26(金) 00:57:44
>>128質問。

・『マダガスカル』は、未だ『両脚』の上にいる?

131貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/26(金) 01:01:38
>>128
「今ので、『湖畔』の借りは返した。
 でも、まだまだやめてあげないんだからね」

あたしは、その場でくるりと半回転。

『骸骨』は射程外まで押し出されるのを警戒して、『バベット』を狙うでしょう。
それを読んで、『トランク』を自動で開閉。
これによって、自分の頭部を覆って守りたいわ。(破ス精CCC)
開閉のタイミングによってはガードはできずとも、カウンターにはなるかもね。
それに踏ん張ることで、相手の動きを抑制する効果も生まれるでしょう。
何せ『バベット』は、小さいナリでも大の大人と張り合えるほど強い力を持ってるんだからね。

そして――、

    「『バベット』、そのまま押しのけちゃいなさい!」

『バベット』はそのまま『骸骨』を射程外まで押し出すように指示。
射程距離的には、十分な余裕があることでしょう。
そしてあたしは――、

           「後輩ちゃん、助っ人に行くわよ!」

『クロス』を走りながら左手で掴みつつ、後輩ちゃんの方へ。

132『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/26(金) 01:05:54
>>130(中山)
>・『マダガスカル』は、未だ『両脚』の上にいる?
いない。
後頭部を攻撃された時点で、『鎧』のどのパーツとも
触れていない状態。

133貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/26(金) 01:06:08
>>132
色々おかしかったので訂正よ。

>>128
「今ので、『湖畔』の借りは返した。
 でも、まだまだやめてあげないんだからね」

『骸骨』は射程外まで押し出されるのを警戒して、『バベット』を狙うでしょう。
それを読んで、『トランク』を自動で開閉。
これによって、自分の頭部を覆って守りたいわ。(破ス精CCC)
開閉のタイミングによってはガードはできずとも、カウンターにはなるかもね。

そして――、

    「『バベット』、そのまま押しのけちゃいなさい!」

『バベット』はそのまま『骸骨』を射程外まで押し出すように指示。(破スCC)
射程距離的には、十分な余裕があることでしょう。
それに、さっきあっさり二メートルも押しのけられたあたりからして、あの『骸骨』多分パワーはそれほどでもないわ。
それでも素早いから油断はできないけど……きちんと防御を固めた上でなら、恐れることはないはず。

そしてあたしは――、

           「後輩ちゃん、助っ人に行くわよ!」

途中で『クロス』を左手で掴みつつ、後輩ちゃんの方へ走る。

134中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/26(金) 01:36:45
>>132回答感謝。

>>128

  「当てッ  」  「センパイ?」

『マダガスカル』の視界で烙に何かがブツケられたのを見て、本体も顔を上げる。
なるほど、ダメージがある様子を見るとやはり貝橋の攻撃が通ったようだ。
そしてこちらは烙と『2m』という距離。とりあえずニヤついておこう。

                『トモカク』  ニマ

    「やっとチャンスっ」 ニィィ

                   『到来?』

                キャ ドッ!

『甲冑』の追撃(特に後方からの)が不安材料ではあるが、
そこはさっきの経験を生かし、本体の目で確認することで対応させる。
具体的には、前進しつつも裏拳を打ち込むコトで弾けるハズだ。

つまり、今の『マダガスカル』は『後ろにも目がある』状態。
スピードの面から考えてもこちらが断然有利。

                      ヒュ  !

烙の左側を通り過ぎる間際、左腕は膝をくるむようにラリアットの動きを取る。(パス精CBC)
ミニサイズとはいえ『獣並み』の動き、かわすのは困難だろう。

135中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/26(金) 01:40:40
>>134言葉足りないので訂正。

>>128

  「当てッ  」  「センパイ?」

『マダガスカル』の視界で烙に何かがブツケられたのを見て、本体も顔を上げる。
なるほど、ダメージがある様子を見るとやはり貝橋の攻撃が通ったようだ。
そしてこちらは烙と『2m』という距離。とりあえずニヤついておこう。

                『トモカク』  ニマ

    「やっとチャンスっ」 ニィィ

                   『到来?』

                キャ ドッ!

『マダガスカル』を前進させる。
『甲冑』の追撃(特に後方からの)が不安材料ではあるが、
そこはさっきの経験を生かし、本体の目で確認することで対応させる。
具体的には、前進しつつも裏拳を打ち込むコトで弾けるハズだ。

つまり、今の『マダガスカル』は『後ろにも目がある』状態。
スピードの面から考えてもこちらが断然有利。

                      ヒュ  !

烙の左側を通り過ぎる間際、左腕は膝をくるむようにラリアットの動きを取る。(パス精CBC)
ミニサイズとはいえ『獣並み』の動き、かわすのは困難だろう。

136『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/27(土) 01:07:00
>>129>>131(烙、貝橋)
攻守が入れ替わったことを肌で感じ取り、
『骸骨』と『鎧』を引き戻しにかかる烙。

『バベット』はタックルした姿勢のまま、
『骸骨』の脚にしがみついており、
振りほどかねば戻るのは困難に思われたが──

           バッ! バクンッ

『バベット』は自身を護るため、トランクを頭上に翳し、『蓋』を開いた。
敵の攻撃を用心しての防御だったが、敵の判断は貝橋の読みと異なった。
防御に使った以上、バベットの拘束は『片手』のみ。
片手では力に於いて互角の相手を止められるものではない──!

        シュ バッ!

風のように素早く、『骸骨』は『バベット』の横を駆け抜けた。
クロスを拾い、中山に向かう貝橋すら追い抜いて、
一息に本体である、烙の傍まで到達する!

(描写をし損ねているが、『バベット』が拾えたナイフは3本のみ)

>>129>>135(烙、中山)
攻守が入れ替わったことを肌で感じ取り、
『骸骨』と『鎧』を引き戻しにかかる烙。

烙に命中した後、床に落ちて砕けた陶器の破片から、
中山は何が投じられたか理解する。

                キャ ドッ!

まっしぐらに烙本体目がけて突撃する『マダガスカル』。
頭痛の影響は残るが、突っ込むだけなら問題はない。
床に転がった中山の視界の方が、複数飛来する『鎧』の動きを、
確実に把握できるか怪しいぐらいだ。

圧倒的なスピード差もあり、
『鎧』が追い付くより早く、『マダガスカル』は烙に到達した。

          ガシィ ィ!

絡の右側(左とあるが、攻撃が当たらない為誤記と判断する)
を通過すると同時に、左腕を振り上げ、『ラリアット』を叩きつけた!
防御を考えていなかった烙は、獣並の動きに避けることも出来ず、
その右膝にまともに喰らう──
                    ビキッ

激痛とともに関節に異音が走る。
それでも倒れなかったのは、『マダガスカル』の腕が短く、
両足を捉えられなかったことと、中山の狙いが破壊ではなかったためだ。

          グルンッ

その左腕は、直撃と同時に曲がり、絡の左脚を捉えていた。

だが──それと同時に。

        シュ バッ!

中山の視界を一迅の風が吹き抜け、
次の瞬間には絡の横に『骸骨』の姿が現れていた。
『鎧』の一群も、すぐにも本体に合流する距離に迫る。

           「後輩ちゃん、助っ人に行くわよ!」

貝橋が背後から駆け付けたことを、声で知った。


互いの現在位置:

       
    鎧     
   烙   中
         貝  バ

・マダガスカルは烙の膝元
・骸骨は烙の正面至近
・中山は伏せた状態

中山と絡の距離:『4m』
貝橋と烙の距離:『4m』
『鎧』と絡の距離:『1m』

137貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/27(土) 01:18:49
>>136
『トランク』の大きさは縦横幅二五×五〇×一五センチだし、
脚に組み付いてる(両手を回している)体勢から考えても
組みついたまま開閉のみで頭部くらいは防御できると思うんだけど、
(普通の足なら微妙でも、『骸骨』は文字通り骨だけだし、
 できると思っていたからあえて翳すとかといった行動は書かなかった)
それでも頭部の防御はできないかしら。

あと、『クライムウェイヴ』は回転で力を上乗せして殴る場合のみ破Cになるのであって、
通常時では破D相当の力しか出せなかったという風に記憶しているわ。

138烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/27(土) 01:23:51
>>136
「――ッ」

ヒザか? 割れたか? 骨に破損でもあれば・・・『骸骨』を見れば分かる。
そう、『骸骨』は既に傍ら。そして『甲冑』も戻りつつある。
このヒザに一撃をくれたコ生意気な『スタンド』は、即ち、『風前の灯』だ。

「今の感じでは『骸骨』よりも腕力は上だろうが」
「しかしその状態はヤバいんじゃないか? 君、一瞬でオレのヒザをへし折ったりだとか、そういうのはムリだろ?」

『左足に絡み付く敵スタンド』。
『骸骨』が動く。『マダガスカル』の首を、裸締めに締め上げるように、絡み付く――(スA)

「そして『合一』」

殺到する『甲冑』の群れを『骸骨』に重ねる。(スC)
『骸骨』が『甲冑』を着込むことで『クライムウェイヴ』は無双の剛力を得るわけだが、何も本式に『鎧を着装する手順』は必要ない。
ただ、二つのヴィジョンが重なれば『合一』は完了する。『敵を締め上げている状態』で『合一』するなら、何もわざわざ相手に劣るスピードで勝負する必要もないわけだ。
『骸骨』を回避する『速度』は『マダガスカル』には無いし、『合一』を防ぐ手段は『中山』にはない。距離もタイミングも、問題は無い。一切の妨害は不可能なのだ。
殺人鬼は強いて言うなら、右ひざの痛みを我慢しつつ、左足を破壊されないように・・・まあ、力むくらいしかできないが・・・するだけだ。

139『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/27(土) 01:31:39
>>137(貝橋、解答)

『小学校低学年』の体格、腕の長さでは、
骨とはいえ大人の両脚に組みつけば、
両手は膝の裏側までしか回らないと判断する。
(両足を閉じた状態ならばわかるが、タックルし押し倒せなかった点からも、
 両足はある程度開いていたと考えるのが自然)

故に、『トランク』で防御するには、片手を離す必要があった。

『クライムウェイヴ』のパワーについては、GMの誤認。
こちらは謝罪し、以後Dとして判定するが、
Dでも片手の抱え込みならば逃れられると考える為、変更はなし。

140中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/27(土) 01:40:51
>>136

  「サスガやんなー!助かるぜ」   ザシッ

助っ人に声だけかけつつ、本体は立ち上がって前方へ。
『甲冑』はひとつ残らず通り過ぎたので、後方を気にすることはない。
むしろ注意すべきは前方だろう、今は。

                    『……「倒レネー」 カラ 「一安心」 カ?』
                    『正面カラ 叩イテ 倒ソーナンテ 考エテネェー』

   「そんなに『力持ち』じゃあねーし!」

だから『速度を減じ』(>>135メ欄)、『膝を包んだ』。
それは烙の後方へと、クルリと回り込むための行動だ。

                    『倒スノハ 「後ろ」 カラ』

『マダガスカル』は、左腕を烙から離しつつ、そのまま両方の膝裏に一発ずつグーパン。
人体構造は、膝カックンの動きに抗えるように出来ていないため、まず間違いなく膝を落とす。
行動後は、恐らく後ろ向きに倒れる烙をかわすため、烙の右半身から抜けるように移動したい。

141貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/27(土) 01:43:51
>>139
回答に感謝するわ。


>>136
   「チッ……」 (意外と強かだわ……!)

せっかく動きを止めた『骸骨』を、タダで解放しちまったのは痛いわ。
クロスを軽く振って(さっき零した紅茶がしみ込んでるから、振り回しやすくはなってるはず)、
腕に軽く巻きつつ、ダッシュを継続。
先程とは違って骸骨そのものに視線の狙いを定め、左拳を振りかぶり、殴りかかるわ。
まあ通用しないけど、陽動よ、陽動。
敵の注意をこっちに惹けば、後輩ちゃんだって動きやすくなるだろうしね。

142『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/29(月) 01:46:06
>>138>>141(烙、貝橋)
濡れたテーブルクロスを振り回し、左前腕に巻き付けながら、
貝橋は倒れた中山の横を駆け抜け、烙本体へと殺到する。

        ブ ン ッ

腕を大きく上に振りかぶり、絡の顔面へと殴りかかる!
体ごと突っ込むような、渾身の一撃だ──!

絡の前方には『骸骨』が戻ってきているが、
『マダガスカル』への対応を優先した為、絡の正面からは移動している。
(絡から見て左側面。『鎧』もほぼ同じ位置)

>>138>>140(烙、中山)
『神速』の勢いを駆り、自身の足元でうろちょろする
敵スタンドを捉えようとする烙。
だが、中山も単純に絡を攻撃したわけではなかった。

             ──グ ルンッ

絡の左脚を軸に『半回転』!
『骸骨』の手が届くより一瞬早く、絡の背後へと回り込む!

       ドン! ドン!

間髪入れず、拳の『二連撃』。
『膝かっくん』の要領で、男の膝裏にパンチを打ち込む。
これで男は倒れるものと確信していたが──

       ド ド ド     ド ド ド

多少揺らぎはすれど、『殺人鬼』は不動のまま。
絡は膝への攻撃を予想し、力を込めていた。
『膝かっくん』が成立するのは油断し力を込めていない場合だけだ。
力んでしまえば、膝を折る力は拳にはない・・・・!
(ダメージは相応にある)
                ──ヒュ  !

再度『骸骨』が動く。
攻撃を挟んだ分、今度は『マダガスカル』が遅れを取る番だ。
さらにその背後には、いつでも触れられる距離に『鎧』の部品たち。
『クライムウェイヴ』の総力が集ってしまっている・・・・

その時だ。
                       ダダダ ダダダ
        ブ ン ッ

接近してきた貝橋が、布地を巻いた左手を振り上げ、
渾身の力で、絡の顔面に振り下ろして来た!

互いの現在位置:

       
    鎧     
  マ烙貝  中
            バ

・骸骨は烙の左側面
・中山は伏せた状態

中山と絡の距離:『4m』
貝橋と烙の距離:『至近』
『鎧』と絡の距離:『至近』

143中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/29(月) 01:55:46
>>142確認。

・『本体は立ち上がって前方へ進む』旨のレスをしたが、
 まだ伏せているという事は動けていない状態だろうか?

144『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/29(月) 02:39:42
>>143(中山)
失礼。>>142レスを訂正する。


>>138>>141(烙、貝橋)
濡れたテーブルクロスを振り回し、左前腕に巻き付けながら、
貝橋は立ち上がる中山の横を駆け抜け、烙本体へと殺到する。

        ブ ン ッ

腕を大きく上に振りかぶり、絡の顔面へと殴りかかる!
体ごと突っ込むような、渾身の一撃だ──!

絡の前方には『骸骨』が戻ってきているが、
『マダガスカル』への対応を優先した為、絡の正面からは移動している。
(絡から見て左側面。『鎧』もほぼ同じ位置)

>>138>>140(烙、中山)
『神速』の勢いを駆り、自身の足元でうろちょろする
敵スタンドを捉えようとする烙。
だが、中山も単純に絡を攻撃したわけではなかった。

             ──グ ルンッ

絡の左脚を軸に『半回転』!
『骸骨』の手が届くより一瞬早く、絡の背後へと回り込む!

       ドン! ドン!

間髪入れず、拳の『二連撃』。
『膝かっくん』の要領で、男の膝裏にパンチを打ち込む。
これで男は倒れるものと確信していたが──

       ド ド ド     ド ド ド

多少揺らぎはすれど、『殺人鬼』は不動のまま。
絡は膝への攻撃を予想し、力を込めていた。
『膝かっくん』が成立するのは油断し力を込めていない場合だけだ。
力んでしまえば、膝を折る力は拳にはない・・・・!
(ダメージは相応にある)
                ──ヒュ  !

再度『骸骨』が動く。
攻撃を挟んだ分、今度は『マダガスカル』が遅れを取る番だ。
さらにその背後には、いつでも触れられる距離に『鎧』の部品たち。
『クライムウェイヴ』の総力が集ってしまっている・・・・

その時だ。
                       ダダダ ダダダ
        ブ ン ッ

接近してきた貝橋が、布地を巻いた左手を振り上げ、
渾身の力で、絡の顔面に振り下ろして来た!
中山はその背後。立ち上がり、烙に接近している。



互いの現在位置:

       
    鎧     
  マ烙貝 中
            バ

・骸骨は烙の左側面

中山と絡の距離:『2m』
貝橋と烙の距離:『至近』
『鎧』と絡の距離:『至近』

145貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/29(月) 23:12:30
>>144
        「いィち」

あたしは思い切り、身体ごと拳を振り抜いて――――

            ガ
             ク ゥ /
                ・

そのまま、前方に飛び込む。       、 、
さっき言ったわよね? あたしの行動は陽動。
クロスを巻いて、スタンドに攻撃できるようにしたあたしの拳は
フェイクで、その裏で(>>141メール欄)計画していた作戦――――

         シュドオオオ ッ

   『……ニャン』
   (……二、です)

向かっていったあたしの背中の後ろで、密かに『バベット』に投擲させていた『ナイフ』!

┌拍手部分開示――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|貝橋本体は次の瞬間、殴ると見せかけて前方に飛び込む。                               |
|そのタイミングにちょうど間に合うように、『バベット』は手に持ったナイフを投擲『しておく』。(ともに破ス精CCC).|
|これによって即席ではあるが、相手の虚をつく。                                          |
└――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┘

前に飛び込んだことで、射線上にいたあたしにナイフが命中することはなくなり、
殺人鬼ヤロー(ホントは骸骨に当てるつもりだったけど)を再度ナイフが襲うことになるわ!
……一応、ないとは思うけど、キコちゃんに当たりそうなら『バベット』の判断で
ギリギリまでキコちゃんが回避することを信じて粘って、それでも無理そうなら解除する。
指示したところで……このタイミングだったら、相手ですら回避できないわ。
距離の近いキコちゃんなら、なおさら『言ってからじゃ回避できない』わよ。何かの偶然で、自分から射線を出ない限りは。

146中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/29(月) 23:44:08
>>144

  「うおッ!やっぱ好戦的だなァ、センパイ」

                      『チッ…勘ノ良イヤローダ』

倒れないならば『骸骨』か?
貝橋の言っていたことが事実ならば『甲冑』を着込んだそれはパワーも相当なものだ。
その2つが『組み合わさる』のは避けたいが……『骸骨』とのスピード差を埋めるのは難しいかもしれない。

だが現状、手が届く範囲にいるなら、
そして『骸骨』がコチラに向かって手を伸ばしているならば。


  「即!対応は出来ねーけど!」  「『掴まれてから』ならいける」

つまり、『骸骨』が『マダガスカル』に触れた瞬間、逆にその腕なりを『掴む』。
掴むのに成功しようとしまいと『無心』で『バックステップ』。『骸骨』と『甲冑』に距離を取らせたい。
『骸骨』自体の力は決して強くない。掴まれたままでの綱引きならば『マダガスカル』に分がある。

また、仮に『骸骨』が『マダガスカル』の手をかわし『掴みなおす』ならば一瞬のタイムラグが発生するハズだ。
その刹那に『無心』で『バックステップ』する事で、この場合は『マダガスカル』が『骸骨』との距離を取るカタチになるだろう。

中山は、目の前に現れた貝橋の姿にヒキつつとりあえず歩みを止める。

147中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/29(月) 23:47:12
>>146追記。

『マダガスカル』は、『骸骨』が手を伸ばしてこないなら問題なく『バックステップ』する心積もり。

148烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/30(火) 21:19:42
>>144
「ム・・・!」

      『カ』『ガ』

本体に迫る『貝橋』。
しかし逡巡はしない。『目の前に敵が迫っている』状況だが・・・
このストレスに耐えるのはほんの一瞬で良い。
『既にもう一人を射程内に捉えた』。それは距離もあるし時機の意味でもある。
今、生意気にも膝カックンをかましてくれたこの敵に、『クライムウェイヴ』は完璧に手が届くのだ。即ち既に攻守は再び逆転している。

  バ !

『鎧/骨』の動きは――少しだけ変える。
『敵に絡み付く』その時間を惜しむ。『骸骨』が『頭を掴み』(破ス精DAB)、
『甲冑』が『合一し』(スC)、『クライムウェイヴ』が『地面に敵の頭を叩き付ける』(破壊力:A)。無論、握る力は渾身の一言。
『マダガスカル』の免れ得ぬ昏倒を、確実に実現する。

『本体』は――『防御』するだけだ。両腕で顔を庇う。
それだけ。この『敵』の能力は見た。『お茶』とか『カップ』を出しているが、つまりはそこに脅威の仕掛けがあるというわけだ。
だが即効性は無い。『たとえナイフを隠し持っていたとしても』、『たかだか肉を刺すだけだ』・・・
およそ腹の、肝臓だとかにブチ込まれない限り、致命傷にはならない。そしてそれでいい。『マダガスカル』を叩き付けるほんの一瞬、
その間だけ耐え凌ぐのは、意外にわりと頑丈な人間の体には充分だろう。何をされても、何があっても、倒れはしない。

149『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/30(火) 23:57:25
>>145>>148(貝橋、烙)

   バ ッッ

両腕を上げ、貝橋の攻撃に備える烙。
スタンドは『マダガスカル』への対処に全力を注いでいる。
敵の攻撃力のなさを見抜き、細かな防御は捨てた。

果たして──
            ガ
             ク ゥ /
                ・

貝橋の振り下ろす拳はブラフ。
体ごと前方に投げ出し、屈伸したその背後には、
すでに『バベット』の放っていたナイフ──!
 
         ──ス ド !

狙い過たず、ナイフの切っ先は、烙の胸に突き刺さった。
貝橋の狙い通り──そして烙の狙い通り。
刃は刺さり、血は噴き出せど、
『致命傷』ではない・・・・威力が足りていない。

>>146-148(中山、烙)
『骸骨』に先手を取られると悟った中山は、
無理な抵抗を捨て、『後の先』を取る。
掴まれた直後に、その腕を掴み『バックステップ』。
対応されても、その隙に『バックステップ』。
いずれにせよ、パワーに劣る『骸骨』を退ける作戦だ。

  バ !    ──ガシィ!

『骸骨』の指先が閃き、『マダガスカル』の頭部を掴んだ。

  カシィン   ヒュ!

直後、『マダガスカル』の手がその腕を掴む。
だが・・・・その感触は『骨』のそれではなかった。

       ガ ギギギギギ

──指に伝わるは、『鎧』の硬度と冷たさ。
『マダガスカル』を掴んだ瞬間、『合一』したのだ。
何処を掴むか待つ必要のある『マダガスカル』に対し、
背後で待つ『鎧』の動きが、刹那、優った──!

   ドゴォ オオオオ──z___________ン!!

渾身の威力で、
コンクリートの床に打ち付けられる『マダガスカル』。
『血印』は血で汚れ、効果をなさない。
人間であれば一撃で即死しかねない破壊力だが──



       バ   ン   !

貝橋の背後に立つ中山は、『無傷』だ。
『マダガスカル』はスタンド──
スタンドを通常物質にぶつけても、『受動透過』するだけだ!

150貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/31(水) 00:18:15
>>149
・質問なんだけど、胸に刺さってるナイフってどの位置に刺さってるのかしら?
 心臓のあたり? それとも、明らかに肺? あたしは無理でも、『バベット』なら確認できると思うんだけど。

151『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/31(水) 00:18:26
>>149(中山)
追加訂正。
『マダガスカル』が背中から叩きつけられたため、
中山も背後に転倒する。
角度が異なるため、叩きつけられはしなかった。

152『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2014/12/31(水) 00:19:06
>>150(貝橋)
胸の中心。
つまり『心臓』でなく『肺』の上。

153貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/31(水) 00:28:26
>>149
「後輩ちゃん」
           「ナァ〜イス、足止め!」

ここで打ち止めだったら――あたしは攻撃の直後で隙だらけ、
相手はダメージ軽微っていう絶望的な状態だけど………………

          「――行くわよッ!!」

    「 三ァあン!! 」

次の(>>145メール欄)行動は――『ハンドスプリング式浴びせ蹴り』。
     、 、
┌拍手部分開示――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|ちなみに、この飛び込み後はハンドスプリングからの蹴り(破ス精CCC+敏捷)をする予定だが、|
|妨害などで体勢が乱れることがあっても最低限上記の行動は成功するように、            |
|何を置いても前方に飛び込むことだけはできるように力は籠めておく。                |
└――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┘

『前方に飛び込み』っていうのはあくまであたしの動作の一部分を切り取っただけの話。
最初からあたしの行動は『殴ると見せかけてハンドスプリングからの蹴りを食らわせる』だけだったのよ。
軽い分プロレスラーをも凌ぐ人類最高峰の『身のこなし』を以て、身体を捻り、殺人鬼ヤローの顔面を蹴る。
脚へのダメージ、それから軽微とはいえナイフのダメージはそれなりに相手の体力を削ってるはず。
顔面を蹴られたりしたら、当然ながら意識は朦朧となり、後輩ちゃんのサポートにもなるわ。

『バベット』は刺さったナイフを即解除してから、蹴り終わりのあたしの隙をフォローするようにナイフを投擲(破ス精CCC)。狙いは同じよ。
あたしは蹴り終わった後、そのまま転がって後輩ちゃん(『バベット』情報)の方へ飛び込む。

154貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2014/12/31(水) 00:34:07
>>153
違う、訂正。色々勘違いしてたわ。


>>149
「後輩ちゃん」
           「ナァ〜イス、足止め!」

ここで打ち止めだったら――あたしは攻撃の直後で隙だらけ、
相手はダメージ軽微っていう絶望的な状態だけど………………

          「――行くわよッ!!」

    「 三ァあン!! 」

次の(>>145メール欄)行動は――『ハンドスプリング式浴びせ蹴り』。
     、 、
┌拍手部分開示――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
|ちなみに、この飛び込み後はハンドスプリングからの蹴り(破ス精CCC+敏捷)をする予定だが、|
|妨害などで体勢が乱れることがあっても最低限上記の行動は成功するように、            |
|何を置いても前方に飛び込むことだけはできるように力は籠めておく。                |
└――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――┘

『前方に飛び込み』っていうのはあくまであたしの動作の一部分を切り取っただけの話。
最初からあたしの行動は『殴ると見せかけてハンドスプリングからの蹴りを食らわせる』だけだったのよ。
軽い分プロレスラーをも凌ぐ人類最高峰の『身のこなし』を以て、身体を捻り、殺人鬼ヤローの側頭部を蹴る。
ホントなら顔面を蹴りたいところだけど、身体を捻る都合上どうしても側頭部になっちゃうのよね。(それに相手ガードしてるし……)
ともあれ脚へのダメージ、それから軽微とはいえナイフのダメージはそれなりに相手の体力を削ってるはず。
頭を蹴られたりしたら、当然ながら意識は朦朧となり、後輩ちゃんのサポートにもなるわ。

(体勢の参考ソース:ttp://twitpic.com/e7i3na)
↑分かりづらいけど、これの奥側の人が蹴りを放ってるわ。

『バベット』は刺さったナイフを即解除してから、蹴り終わりのあたしの隙をフォローするようにナイフを投擲(破ス精CCC)。狙いは同じよ。
あたしは蹴り終わった後、そのまま転がって後輩ちゃん(『バベット』情報)の方へ飛び込む。

155中山キコ『マダガスカル』【高1】:2014/12/31(水) 00:52:03
>>149

  「『マダガスカル』ゥゥーッ!『骸骨』をどけろッ!」

   「『甲冑』を触れさせるなァァーッ!」

           カシィン   ヒュ!

       ガ ギギギギギ
                     『!?』
                          『野郎ッ!』
     「あ、  遅ッ――

   ドゴォ オオオオ──z___________ン!!


『マダガスカル』がコンクリートに叩きつけられ、中山も伴ってコケる。
一撃死の圧殺……と思いきや、『マダガスカル』のヴィジョンは通常物質を透過した。
『僥倖』、わかりやすく言えば――『かなりラッキー』だ。

『合一』となった『クライムウェイヴ』に捕まってしまったのは『アンラッキー』。
こちらがかなり後れを取っているのに対して、敵は殆ど傷つけられていない。
つまり『敗色濃厚』、わかりやすく言えば――


  「――――ッッ!!」  「マジにヘヴィィー…ッ!」


本体である中山はとりあえず受身をとって過剰なダメージは避ける。

一方の『マダガスカル』は敵に掴まれた状態だ。
だが、『捕まってしまっている』といっても全身を拘束されているワケではない。
逆に考えれば、脱出は困難だが『こちらから相手の腕にしがみついている』とも取れる。

                         ガシ!   ガシィ!

―――ならばそれを『完遂』する。
幸い、掴まれている箇所は『頭部のみ』。
つまり手足の自由は利く……現時点では。

小柄な『マダガスカル』は全身を使って『合一体』の腕に絡みつく。
それこそ歯でも何でも使えるものは使って、何が何でも放さないつもり。
力負けしてしまう恐れは大いにあるが、たかだか『手で頭を押さえつけただけ』だ。そこから多段展開する行動は考えにくい。
仮に、頭部を握りつぶすとかそういう行動に出るとしても、
『合一時』は『骸骨時』と異なってそれほどスピードが出ないようだ。
こちらが先に行動に出ることは可能だろう。

156烙『クライムウェイヴ』@教師:2014/12/31(水) 10:32:06
>>149
『往々にして上手くいかない』。それはいつものことだし、大した問題でもない。
今現在の状況は把握している。『マダガスカル』は『クライムウェイヴ』が捕獲。この『握力』から逃れるだけのパワーも能力も無い筈だ。
『貝橋』は眼前で大きく空振り。『ナイフ』を隠すための動作だった。それが功を奏したが悲しいかな、肉をつらぬくパワーが足りない。

「あ」

  ニ タ

       『カ  ガ カ カカ ガ  グゲゲ ゲ  ゲ  ゲ  ゲ  ゲ  ゲ』

つまりこれは、今この瞬間、『人対人』のスピード差で行われる攻防。
違いがあるならそれは『飛び道具』の有無か。残念ながら――『ナイフ』と違って、『クライムウェイヴ』は『一撃必殺』。

『マダガスカル』を掴んだ腕、今床に叩き付けた腕を、『貝橋』に向け、

     ガ  チン

『撃発』。(破ス精ABC)
『マダガスカル』ごと、掴んだ腕を『甲冑射出』して『貝橋』に当てる。
この状況なら・・・『貝橋』が何をしてくるにせよ、『バベッツ』を呼ぶにせよ・・・『ひょいと腕を振り向けて、撃つ』ほうが、速い。

157<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

158『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2015/01/01(木) 00:50:16
>>154-156(貝橋、中山、烙)

   ドシュオオ オオォ──z_________ッ
                                  オオオオ

人気のない屋上で、三者三様の攻撃が交錯する。

逆立ち状態から連撃を締めくくる『浴びせ蹴り』を放つ貝橋。
掴んだ『マダガスカル』を持ち上げ、
烙の脚の間から『前腕』ごと『発射』する『クライムウェイヴ』。

『マダガスカル』は自身を掴む『合一体』の腕に
『血印』を描こうとする(『拍手』)が、
がっちりと頭部を掴んだ掌が『目隠し』となっている。
手探りでは『血印』は素早くは描けず、『合一体』の動きに間に合わない。
やむなく両脚を腕に絡ませ、妨害しようとするが──

          ドゴ ォ ン!!

その行為をあざ笑うように、腕は『マダガスカル』ごと発射された!
恐るべきそのパワーは、妨害していても無駄だっただろう。
烙の股間を通過したその先にあるは、倒立した貝橋の後頭部──!

                    ゴ ゴォン!!

次の瞬間、血飛沫を巻いて貝橋が吹っ飛んだ。
跳ね飛ばされたその体は、真後ろにいた中山に正面衝突し、
女生徒二人をまとめて数m離れた床面に投げ出した。

どちらも動かない・・・・
中山は倒れた際、後頭部を強打し、意識を失ったのだ。
『マダガスカル』は強制解除され、その姿を消してしまう。

だが・・・・コンクリートに崩れ落ちたのは、烙も同じだ。
貝橋の『浴びせ蹴り』は、あらかじめ勢いをつけた分、
振り向いて放つ『撃発』よりわずかに早かった。
さらに『撃発』を受けたことで、その体は風車のように『回転』し、
通常の数倍の威力を、蹴り足に与えたのだ。
それは烙のガードを弾き飛ばし、意識を刈り取るに十分なものだった。

音もなく、屋上に転がる三人──
誰のスタンドも残らず霧消する。
勝者なき戦いの結末を、風だけが眺めていた。


『ダンス・ウィズ・デビルズ』 ⇒ 『勝者なし』『終了』

159『ダンス・ウィズ・デビルズ』:2015/01/01(木) 02:00:44
『リザルト』:

貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』 ⇒ 『頭部挫傷』『頸椎損傷』
                      『全治40日』
                      (威力の半分が蹴りに回った為、一命を取り止める)

中山キコ『マダガスカル』 ⇒ 『後頭部打撲』『左手甲貫通傷』
                『全治12日』

烙『クライムウェイヴ』 ⇒『頭部裂傷』『右胸刺傷』 『左膝軽傷』『両膝関節打撲』『頭部挫傷』
             『全治54日』

160ようこそ、名無しの世界へ…:2015/01/01(木) 23:02:41


    クー 
                      クー
               クゥー

         クックゥー


人の姿がほとんど見られない、新年を迎えたばかりの校舎。

この年に限っては、不思議なほど『賑やか』だ。

161ようこそ、名無しの世界へ…:2015/01/02(金) 00:22:04
 クー 
               クー


バササッ


校庭の外れ、『ビオトープ』に囲まれた池の方から、賑やかな気配が伝わってくる。

162後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』:2015/01/02(金) 00:33:00
>>161

 「ん? 何やらあっちが騒がしそうだね」

 講義レポートの作成終了して、ひと休憩入れようとしてた時に
うろついてたら、何やら面白そうな事が起きそうだね。

 手提げ鞄を持って、その賑やかになりそうな方面に向かう

163ようこそ、名無しの世界へ…:2015/01/02(金) 00:47:38
>>162
  クー
      クー

小等部の校舎に程近い場所…四季折々さまざまな生き物の姿が見られる。
冬休みでなければ、子供達のはしゃぐ声であふれているだろう。


   −      −      −

澄んだ空気はしんと静まり返り、人の姿はない。

―――『静まり返っている』のに、『賑やか』。


     クゥー       
        クゥー

聞き慣れない『鳥』の声のように思える。
遠くでも近くでもない。
そちこちから感じる、『気配』。

164後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』:2015/01/02(金) 00:54:30
>>163 

 「ふむ・・・?」

 『鳥』の声が聞こえるね。それに、あちこちから『気配』がする。
 困ったね…この声は威嚇かな? だが『賑やか』って事は鳥類達に
とっていま現在の事象は楽しいと言う事だよね。

 「パンか何か鞄にあったかな?」

 そう、ごそごそと鞄に片手を入れつつ、その『気配』が一番近くに
感じる場所に歩み寄ってみよう。

165ようこそ、名無しの世界へ…:2015/01/02(金) 01:05:15
>>164
クゥー

『声』に、威嚇するような響きはない。
が、生命を持つものの『力強さ』を感じさせる。

気配の近く、池のほとり、
池に注いでいる人工の小川との境に近づく後藤。


   ピィィン     ピィン

水面に広がる小さな波。
リズミカルに、円を描くように繰り返す。
見えない何かが、水面の上で『踊っている』かのように。

     シュウゥゥ

その少し上で、空気の一部が人の吐く息のように白く煙る。


     ―――  ハ ラ

舞い落ちてきた枯れ葉が、一瞬、後藤の視界を遮った。

166後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』:2015/01/02(金) 01:11:14
>>165

 > ピィィン     ピィン

 「ん? …何か『居る』のかな」

 視覚で何も映らないと言う事は、余程小さな物体が水面を移動してるのか
それともそう言う現象を及ぼす作用を起こす『何か』が存在するのか。

 それに、白い煙 そして視界を舞い落ちた枯れ葉…

 「っと、枯葉か・・・」

 そう、その枯葉を無造作に片手で受け止めつつ周囲の変化を
観察するよ。スタンドで及ぼす『何か』の現象なら 興味深いしね

167月宮ホタル『エコー・スクリーン』:2015/01/02(金) 01:25:30
>>166
枯れ葉を指先でとらえ、視界から取り除けた。
――――次の瞬間、


    クー
           クーーー

眼前、2mとない距離に、

人ほどの背丈、長い首と脚を持つ、2羽の鳥。

  
    クー     クー

互いに向かいあい、嘴を天に向け鳴き交わしつつ、
白い翼を広げ、くるりくるりと、舞うように水面を跳ねている。


     クゥーーー 
          クゥゥーー

ttp://www.youtube.com/watch?v=2m2Wb06zfyo


2羽だけではない。
気がつくと、右にも左にも、何十羽ともしれない『鳥』の姿。
後藤の存在をまるで気に留めず、群舞している。


   「ふわぁぁぁぁ………」

小川の上流に置かれた、小さな滝を作っている岩の上から、感嘆の溜息をつくような声。

168後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』:2015/01/02(金) 01:29:52
>>166

「ほぉ…」

タンチョウ。実物をこれほど真近で見るのは中々無い。

 そして、人間に対してこうまで警戒心なく群舞している…と言う事は

>「ふわぁぁぁぁ………」

「…」

 声のする方向に顔を向けて、上流沿いに歩いて声のする方向へと行く。

 「やぁ、こんにちわ。良い景色だね」

 声の主には、そう当たり障りなく声をかけるよ。

169月宮ホタル『エコー・スクリーン』【小4】:2015/01/02(金) 01:39:55
>>168
岩の上に立つ、『三日月』のようにカーブしたポニーテールの髪をした、小学生と思しき幼女。
白い頬を林檎のように染め、目を輝かせて『鳥』の群れを見つめている。
――その手には、黒い帯を何本も束ねたような物体。

「……あ」

「あ、あの……あけまして、おめでとうございます!」

息を白く弾ませ、後藤に一礼する。
近づくにつれ、手の『黒い帯』が、数多くの『折り鶴』を繋いだものだとわかるだろう。

170後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/01/02(金) 10:11:56
>>169

 「あけましておめでとう」

 『黒い帯』 スタンド使いだね。初等部の子だね

 そう感覚的に理解しつつ新年の挨拶をする。それと事前に釈明もしておく

「すまないね、一人でいたかったかも知れないけど無粋に来てしまって。
僕の名前は後藤 成明と言う。大学 院生の三年生だよ
 この顔に書かれてるスタンド文字の裏切者とかは、まぁ罰ゲーム見たいな
ものだから気にしないでくれると助かる」

 そう前もって彼女『月宮』に告げる。まぁ、この顔の文字は第一印象としては
悪い方に傾くからね、数学的理論に基づき。

 「あと、興味本位で尋ねるけど。君はスタンド使いかい?」

 そう暗に自分もそうだと示しつつ尋ねる。

171月宮ホタル『エコー・スクリーン』【小4】:2015/01/02(金) 23:34:42
>>170
「あ…はじめまして。
 わたし、 しょうとうぶ4ねんの『つきみや ほたる』です」

「え……『うら、ぎり』……?」

名乗ってから、あらためて後藤の顔を見て、小首をかしげる。
文字が顔に書いてあるのに驚いたというより、
『漢字の読み方がわからなかった』――という様子。

「あ、は、はい。 そうです」

スタンド使いかとの問いに、あっさりと肯く。

「おりがみの、『せんばづる』は、よくみるけど、
 ほんとの『つる』が、『せんば』いたら、どんなかんじなのかなー、って……」

「ひとりで、おったから…『せんば』は、つくれなかったんですけど……」

確かに、手にした折り鶴は『千羽』にはだいぶ少ないようだが、
周りを舞う『鶴』は、いつの間にか、校庭さえ狭く感じられるほどの数になっている。

「……どうでしょうか?
 きれいに、みえますか?」

172後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/01/03(土) 19:10:17
>>171

 >「……どうでしょうか?
 きれいに、みえますか?」

 (中々難しい問いかけだ)

 綺麗に見えるか。それは主観的要素が多様に散りばめられた回答の含む
文法であり、まぁ客観的な要素及び状況的な事を含めれば
僕が彼女に対して言うべきは『勿論! こんな綺麗なものは初めて見たなぁ』
と答えるのが無難なのだろう。

 そう、後藤は思考をする。周囲に密集し始めた鶴達を見ながらだ

だが、これは総合的な一般評価であり、彼女自身が求める回答は個人としての
感想なのだろう。

そうなると多少意味合いも異なってくる。自分自身の感想

 (自分自身の感想…か)

 漠然と『綺麗だ』と長年の経験に照らし合わせた感情と思えるものは存在してる。

だが、それは本当に自分自身の『綺麗』と思える『感覚』なのか?
統計学的にまとめあげれば確率はいまの鶴を見たゆえの感情は『綺麗』と
反射的に思えるように化学物質が放射してるのだろう。

 だが、本当にそれは自分自身の基底となる部分は『綺麗だと理解』してるのか…?

 「… あぁー、うん。とても、ね」

 思考に数秒を費やして、彼女『月宮』に対し微かに微笑を浮かべ後藤は告げる。

 「こんなに綺麗なものを見るのは、生まれて初めてかもしれないな」

 そう、付け加えて鶴の群体を見る。

 「千羽鶴…紙で、この鶴達を作ったのかい?」

 鶴達を見つめつつ月宮に後藤は質問するだろう。

173月宮ホタル『エコー・スクリーン』【小4】:2015/01/03(土) 20:41:01
>>172
「よかったぁ……!」  パァッ

内側から輝くような喜びの表情。

「がくどうくらぶの、『おしょうがつかい』で、おともだちに、みせてあげたいな…って、おもったんですけど、
 うまくできるか、ちょっと、しんぱいで…」

「そういってもらえて、うれしいです!」

  クゥー
        クゥーーー

『鶴』の群れの声は、『三日月ポニテ』の喜びを反映するかのように、ひときわ伸びやかに空へ響く。

「はい」

「『このこ』が、だしてくれる、『かみ』で、おるんです」

「ほかにも、いろんなどうぶつが、できます」

幼女の背後に佇む、漆黒の影のような着物姿のスタンド。

174後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/01/04(日) 11:55:10
>>173

 漆黒の影のような着物姿のスタンド。

…この子は恐らくスタンド使いになって未だ日が浅そうだな。

 後藤は現在点でのやりとりから目の前の少女『月宮』の
スタンド使いとしての経験が薄いであろうと推測を兼ねる。

 利己的、何かしら目的がない限り普通のスタンド使いはその
スタンドの能力や姿を一般的に明かす事はしない。そう、今まで
行動を起こしてきたからこそ後藤はそう観察の結果を兼ねた結論。

 紙で折って実在するだろう生物を模倣させて動かすスタンド。

そう明け透けにまだ敵か味方かも知れない相手に対し能力を披露する行動さえ
見れば彼女自身の経験はかなり未熟に近いのであろう。
 いや、元々の人格が純粋であるからかも知れないが…。

 (さて、どうするか)

まだ子供、だがスタンドを行使出来る以上その年齢の差異は殆ど意味をなさない。
赤子であろうと大半のスタンド使いを無効化して抹消出来るスタンドを所有していれば
それはもはや脅威以外何物でもない。

 スタンド使いである。これだけの理由で瞬時に抹消しても言い訳が立つ
世界であるとすれば、この娘の行動は一般通路で拳銃を見える位置で振りかざして
歩いていると同義なのだ。

 とあれば、自分の取るべき行動は。

「…まず、一言だけ意見させて貰いたい。私見的なものだし気に障るかも知れない
だけど君の安全を考えた上で、と言うのも考慮に入れてだ」
 
 影ののような着物姿のスタンドを数秒見てから、少女『月宮』に口開く。

 「人気のない場所なら良いかも知れないし…僕のようにスタンド使いだけど
殺傷性が低い及び危険的思想が低い人物なら良いけど。
 余りスタンドは広くて、そう言う危険に逢う事が懸念されるなら使わないほうが良い。
君にも事情があっての行動だったかも知れないが」

 あと…と末尾に付けられ、後藤の意見は続く。

 「ここ最近のニュースで、そう言った思想の殺人組織と言って良い集団も
黄金町に堂々と一般市民に偽装的情報を流して侵入してきてる。
 『ヨハネスブルグ』と言う名でね、知っていたなら余計だったかも知れないが
黒人でほぼ構成されてると思われるスタンド使いを殲滅する事が目的らしい。
怖がらせる意図はないけど、そう言う存在も居る。だから、余りスタンドを
公の場では使わないほうが良いだろうと、僕なりに指摘させて貰ったよ」

 小さく吐息とともに後藤はそこで口を閉ざす。

少女『月宮』に対して、自分の取れる行動は一般的行動に基づくと
こう言ったものだ。あとは、外部かの情報を照らし合わせると黄金町の
スタンド使いで、まだ先進的な情報に疎い人物には一応警告するべきだ。

少女『月宮』が怖がっても、自分の言葉に対してストレスを感じても
現在の事実が変わるわけじゃない。ならば情報開示は取らなければいけない

175月宮ホタル『エコー・スクリーン』【小4】:2015/01/04(日) 22:44:09
>>174
「その『にゅーす』、みました」

「ひいおじいちゃんに、いわれてます。
 わたしの、『いちぞく』は、『かげにいきる、さだめ』だって…
 …でも、
 『かげにいきる』のは、『みられない』ことじゃなく、
 『みることも、みられることも、おそれない』こと……だって」

ニットの手袋を外し、自分の左の掌を少しの間見つめてから、

「『このこ』、たたかったりするのは、にがてだけど…  
 だれかを、『えがお』にすることなら、できる」

「わたし…おともだちや、みんなに、『えがお』で、いてほしい」

「せっかく、この『ちから』を、もてたんだから、
 じぶんが、『しんじること』のために、つかいたいんです。
 そうしないと、『このこ』に、
 それに、このこのちからを、『きれいだ』って、いってくれた、おにいさんにも、しつれいだから」

手をぎゅっと拳に握り、
漆黒のスタンドへ、それから後藤の顔へ、視線を向ける。

「ありがとうございます」

「おにいさんに、ごめいわく、かけないように、
 こんどから、きをつけて、つかうようにします」

後藤に一礼し、鶴の群れへ向き直ると、

    ―― サッ

右手の『折り鶴』の束を、空に高く掲げた。

176後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/01/04(日) 23:22:01
>>175

 パチパチパチ

「成る程、素晴らしい考え方だね」

後藤は小さく拍手をうって月宮 ほたるの発言に同意を示す。
 顔つきにも微笑を伴わせ
感慨深けに首は縦に数センチ肯定のパフォーマンスをする。

 人によっては眩いと感じさせられる思想。善意で構成されている感情

 そう思える発言、言葉に対して…後藤の返答はあくまでも『平坦』なものだ。

彼自体は別に宇宙人でも吸血鬼でもない、サイコパスでもなければ戦闘狂でも
ないし女性に対し積極的なアプローチをするようなものでもない。

 ただ、あくまでも純粋に『一般人』である事を『計算』して動いている。
悪意も善意もない、彼女『月宮』の発言に対して純粋に感動する気持ちは
実在しているし、言葉通り素晴らしいとも思えている。

 それに『自意識』が含まれてないだけであって。

 「あぁ、別に僕自身は迷惑とは思ってないよ。ただ
君の周囲と、君自身に危険が及ぶと考えての発言だからね」

 >右手の『折り鶴』の束を、空に高く掲げた。

 (…演出的な動作か、感覚的な行為でそうする事でスタンドを戻そうとしてるのか
それとも更に何か行おうとしてると見るべきか
 制止・傍観・攻撃・便宜上の理由及び退避…確率的に未来にこちらに被害を
及ぼす確率は著しい、傍観の選択がベター)

『月宮』の動作を後藤はあくまでも1、2者の視点でなく第三者として
見定める。そして、今思いついたとばかりに空高く腕掲げる少女に口挟んだ。

 「あー…そう言えば君のそのスタンドの名前を教えて貰っても?」

「無論、無償で披露して貰うと言うのも心苦しい。良ければこっちの
スタンドに関しても情報を提示するけど」

 そう、月宮に告げた。

 後藤にとってはスタンド使いとの交流はあればある程が望ましい、と考えている。
そして、そのスタンド使いの『情報』こそ、後藤にとってはスタンドの強化や
強い武器よりもまず一番に欲するべきものだと言うのが彼の考え方だから。

 (折り紙で動物の形を作る事によって、その動物を実現化する…だが
このように多量に作っても疲労などなく、そして最初に声だけのみを聞いた時
『鶴は存在しなかった』のに関わらず、枯れ葉が取れた瞬間に『実在していた』
これ等を考えれば彼女の能力はほぼ八割方は証明された。
 …『使える』、この能力はかなり僕と『相性』が)

177月宮ホタル『エコー・スクリーン』【小4】:2015/01/04(日) 23:37:24
>>176

 バサッ
      バ サ サ サ サ ァ ァ ァ

『ホタル』の腕の動きに合わせるように、『鶴』の群れは翼を広げ、次々と空へ舞い上がる。

    クー                クー
          クー

『V』の文字に似た形を描いて、群れが青空に浮かぶ雲の中へ姿を消すと、

    …  ボッ

幼女の手の『折り鶴』は、季節はずれの『蛍火』を思わせる、暖かな色の光の粒となって風に散った。

「このこは、『えこー・すくりーん』…
 …わたしは、『えこりん』って、よんでます」

「それじゃあ、おにいさん、また」

「いくよ、『えこりん』」

再び後藤に一礼し、
漆黒のスタンドと手を繋ぎ、木々の向こうへと小走りに駆け去った。

178後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/01/04(日) 23:48:27
>>177

 >「それじゃあ、おにいさん、また」

>「いくよ、『えこりん』」

 「あぁ、それじゃあまた」

 こちらのスタンドに対し何も開示しないまま立ち去ってしまった。

 それにしても、気になる事が言ってたな。『一族』がどうとか…

「ふむ…忍者とか、そう言った家系は日本にあったと言われるし。
既に廃退して現存するのが不明だと考えていたが…彼女もその類なのかな」

『月宮 ほたる』か…

「興味深いね。まぁ、いまは『ヨハネスブルグ』だ。
それに少々金銭もいる。そろそろ『刺青師』から援助して貰いたいところだね」

 手っ取り早く、100万ほど貯めれれば良いんだが…。

そう、頭を掻いて男は去る。

 どのような素晴らしく、そして傷つくような衝撃的な出逢いに対しても
彼は存続可能な限り、永遠にそのアプローチや反応は特例のぞき『変わらない』

 虚数は虚数でしかないのだ。

179立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/13(火) 23:33:52
猫の飾りのついた紐で縛ったみつあみに、
ピンク色のカーディガンを来た小学生の女の子が、
座って本を読んでいた。


「……」


ここは図書館。小学校の図書室とは違い、学年関係なく誰でも入れる場所だ。


  『〜〜〜〜♪』


隣に置かれた古めかしいラジオから、流行の音楽が静かに流れている。
一般人には聞こえない音で。

180石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/14(水) 00:15:27
>>179
そこへ秋映学園中等部の制服を着た猫っ毛ショートヘアの女の子が現れた。

    『〜〜〜〜♪』

(静かな図書館に謎の音楽!
        これは……
                  ……なんだろう?なんだろうね?)

(あそこかな?あの子かな?変なラジオだな?)

  シバッ
 猫足立ち! からの 

                          コッソ〜リ
抜き足、差し足、忍び足 で、立花の背後に近付く。

181立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/14(水) 00:21:21
>>180

   ペラッ

「……」


みつあみの女の子は気づいた様子もなく本をめくっている。
石動が隠密行動をしているというのもあるだろうが、
そもそも公共の場だ。普通に背後を通りかかったくらいでは気にしない。


   『〜〜〜♪』


よく見るとラジオは半分透けていた。

182石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/14(水) 00:31:03
>>181
そう考えると周囲から見ておかしいのは玲緒の方なのかもしれない。

   ヒソヒソヒソ ナニアノコー? ← 周囲の声

……のだが、玲緒は気にしない性格なのであった。

「ていっ!」

気合の声とともにぴょんと飛び出してラジオの適当な電源ボタンらしきところを叩く。

(本体 破ス精CCC − 機械には弱い − 古い機械は叩けばなんとかなる的な思考 = 精密Eくらい)

183立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/14(水) 00:39:29
>>182
スタンドは通常物質を透過できる!
が、透過する以前に気づいてもいなかった。

   べしっ

ボタンに見えた部分は、ダイヤルだったようだ。
押せるはずもなく、そのままの勢いで叩かれてラジオは倒れた。


    『〜〜♪ 〜ガピー』


「な、なにをするだ――!?」


女の子が驚きのあまりか裏返った声でそんなことを言いながら振り返る。

184石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/14(水) 00:53:04
>>183
しーっ、と口に指を当てる。

「図書館で音楽は禁止……!」
                     「……かも?……多分?」

「……うーん、禁止だったような。そうでなかったような」

「多分、禁止」

指で×マークを作る。

185立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/14(水) 01:02:04
>>184
「……ハッ」


裏返っていたおかげでそんなに大声ではなかったが、
女の子は口に手を当てる。確かに図書館で大きな音はよくない。


「あ、ああ、それはすまない……って……あ、聞こえてましたか?」

  『……』


女の子が(椅子に座っているため)上目遣いで石動を見つめた。
ラジオから出る音楽が止む。

186石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/14(水) 01:16:42
>>185
「うん。聞こえてたけど……」

「あれ?……もしかして」

「……ハッ」
              タンッ               ヒュパッ
何事かに気付き、一歩引きつつ、左手を前にして軽く構える。

187立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/14(水) 01:22:35
>>186
(しまったな……普通の人には聞こえないものだから、つい流してしまう……)

「!?」

(なんだ? まさかここで何かする気か!?
 だが人の目が……いや、それをごまかすことのできる何かがある……?)

「くっ」


女の子は慌てて本を机の上に置き、転げるように椅子を降りようとする。

188石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/14(水) 22:38:04
>>187
「あ……」
どうも警戒しすぎたらしい。考えてみれば怖いのは向こうも一緒か。

「ごめんね。怖がらせちゃった?」
一旦、構えを解く。
                                     ワラワラッ
玲緒の頭や肩の上に、小さな半透明のチアリーダーたちが5体現れる。

  『C・A』×5《 ゴメンネ☆ ゴメンネ☆ 》

    『C・A』×5《 テッキリ 似タ 能力ノ 持チ主カト 思ッテ 早合点シチャッタ ☆ 》

189立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/15(木) 00:03:26
>>188

       バッ

女の子が椅子から降りて素早く取った体勢、それは……体育座りだった。


「え? ……いえ、こちらこそ、すいません」


ちょこんと床に座った女の子は、チアリーダーを目で追った。
小さいチアリーダー達と相まって、お姉さんの人形劇を楽しんでる女の子、みたいな感じになっている。


(早とちり、か……?
 『スタンド』だよな。あのチアリーダー。
 小さくて可愛い見た目だし、一見して危険な感じはしないかな……)

190石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/15(木) 00:45:17
>>189
意外ッ!それは体育座りッ!

「恋姫ちゃんと、ちこりちゃんと、みどりさんと、ことりさんと……これで5人目かな」
1・2・3・4・5……指折り数えている。

「あなたのはラジオ型なんだ? なんか珍しい、ね」

「ええと……なんで体育座りなの?」

191立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/15(木) 00:56:58
>>190
(5人? ……今まで会ったスタンド使いの数ってことか?
 多いのか少ないのか判断がつかないな。
 俺はこの人で2人目だが……)


指折り数えてる少女を顔を上げて眺める。
通りかかった男子高校生が不思議なものを見る目で2人を眺めて、そのまま通り過ぎていった。


「体育座り……言われてみれば体育座りか……
 このポーズは私の……そう、警戒のポーズなんです」


他人から指摘されて始めて自分が体育座りしていることに気づいたかのような物言いだ。
古ぼけたラジオは机の上で倒れたままウンともスンとも言わない。

192石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/16(金) 23:07:41
>>191
「かわった警戒のポーズだね……」

「立たない? そのままじゃ目立っちゃう」
体育座りをしている立花に手を差し伸べる。

193立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/17(土) 00:15:31
>>192
女の子はほんの少し逡巡した様子だったが、
おずおずと伸ばされた手を掴んだ。


「……そうですね」


少し恥ずかしそうにうつむいてそう言う。
石動の手に感じる体重は軽かった。
まあ、小学生だから軽いという以前に、ぐいぐい引っ張って体重をかけていたわけではないので当然だが。

194石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/17(土) 00:38:56
>>193
「ひょい、っと」
立花の手を軽く引っ張って立たせる。

「私は、石動玲緒(いするぎ れお)だよ」

「そして、この子たちは『チア・アクシデント』」

  『C・A』×5《 ヨイショ ヨイショ ☆ 》
   小さなスタンドたちが倒れた『ラジオ』を立たせようとしている。(破ス精ECB×5)
   パワーはあまりないようだ……。

195立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/17(土) 00:49:08
>>194
「私は立花りっか……5年生です」


小さく会釈しながら名乗りを返した。
ラジオは一見金属と木で出来ているような見た目だが、スタンドだから重さは関係ないし、
抵抗するわけでもないのでわりと簡単に立った。


「あ。ありがとうございます。
 私の……コレは『リンネ・ラジオ』と言います。
 まあ、名前通りラジオを流すくらいしか出来ないんですけど……
 『チア・アクシデント』ですか。なんだか可愛らしいですね。
 喋ってますけど、個性があるのかな?」


関係ない話だが、一回、血亜・悪死伝と、とかいう変換になってしまった。悪そう。

196石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/17(土) 01:18:03
>>195
「私は中二だよ」

「えっと、この子たちは基本的には私の意志を代弁してるだけだよー。
 微かに個々の意思みたいなものはあるらしいけど、よくわからないんだ」

  『C・A』×5《 クララ ガ タッター ☆ タッター ☆ 》
   ラジオが立ったので喜んでいる。

試してみたら『血ああ駆使電と』になった。悪そう。

197立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/17(土) 01:24:22
>>196
「へえ……」

(なんだか陽気な様子だけど、石動ちゃんの意思なのかな。
 それとも『チア・アクシデント』を動かすとこうなるのか)


立花は椅子に座りなおした。
小学生には少し高い。足がプラプラする。


「あの、石動……先輩も刺青とかあるんですか?」

198石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/17(土) 01:38:02
>>197
「先輩とか言われるとなんかくすぐったいな〜。
 レオでいいよ、りっかちゃん」

「刺青〜? うーん、そういう趣味はないかな……というか、なんで刺青?」
『よくわからない』という顔をしている。

199<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

200立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/17(土) 01:46:44
>>198
(呼び捨てか……
 うーん、距離感が難しいな。いいって言ってるんだからいいのか?)

「はい……」


まあ、とりあえず了承した。


「ん? じゃあどうやって『スタンド』を……」

(と、しまった。失言だったか……
 俺が刺青入れてるみたいじゃないかこれでは。実際入れてるんだが)


立花は喋ってる途中で言葉を途切れさせ、眉根をかすかに寄せた。

201石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/17(土) 01:53:44
>>200
「あはは。難しいなら好きに呼んでいいよ」

  『C・A』×5《 ケタケタケタ ☆ 》
  笑っている。

「えっ、スタンドと刺青に何か関係が?」
『とてもよくわからない』という顔で首をかしげている。

202立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/17(土) 02:02:05
>>201
「いえ、その……なんでもないんです。なんでも」


手をヒラヒラ振って、半笑いで必死にごまかした。


「おっと……もうこんな時間です。
 冬は暗くなるのが早いからな。
 もうそろそろ帰らなきゃ母が心配しちゃうな……」


急に壁にかかった時計を確認したと思うと、そんなことを言い出す。
実際に結構いい時間なのだが。
フッと机の上の『リンネ・ラジオ』が消え、立花は本を持ってせかせかと椅子を降りる。

203石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/01/17(土) 02:19:15
>>202
「ほんとだ。もうこんな時間だ」

「そういえば、私も母さんに夕食の買い物頼まれてたんだった!
 急いで帰らなきゃ!」

「それじゃーねー、りっかちゃん!」
スタタッと走り去っていった。

204立花『リンネ・ラジオ』『XTC』@小五:2015/01/17(土) 02:23:03
>>203
「ああ、ではまた」


見送った後、本を返す。


「あまり出さないほうがいいのか……
 出しててもそんなに便利というわけでもないしな。
 ふー……」


どこか小学生にしてはくたびれたような吐息を吐きながら、図書館から出て行った。

205朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 09:52:49
学校の屋上。
涙音はここが大好きだった。
何かにぶつかる心配のないだだっ広い空間。
高い屋上からは黄金町を望む美しい風景が広がる。

さて、そんな彼女であるが…
「…チョコレート…」
そうつぶやいて、袋いっぱいに詰め込まれたチョコレートを抱えていた

「…友達め…」
自分のよく知る友達に半ば強引に(誰かにあげちゃいなよぉ!)なんて囃されて
つい勢いでチョコを買い占めてしまった。

「……今日はバレンタインだった。
 誰かにチョコをあげなければ…私の幸運が…不幸が…」
そう言ってフェンスの上に軽く額を擦りつけた。
「一体、どうすればいいかなあぁ…」
思えば、自分は友達は多いものの、好きな人間とまで言われると
それほどでも…な感じだったのだ。

明らかに気合が入っているこのチョコ…上げれば絶対に
恋人認定まっしぐらだ!

206青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 14:02:02
>>205
ことこの日の屋上という者は、存外に人が多い日でもある。
シチュエーション重視の奴が屋上を好むからだ。

そして、それとは別に屋上に居るやつもいる。甘ったるい空気が苦手な奴だ。

青年はどちらでもないが、ある程度涼しいのが好きなので屋上に居た。

(あー、あれはなんだ、前者か。この時期に外で告白なんて凄いね!
……それはそれとしてどうする。出て行けと言うのか、俺に、この状況で。)

少女は何か思い詰めているようだし、そういう事なんだろう。お邪魔にならないよう屋上を出ようとして、

カランカラーン

――空き缶を蹴り飛ばした。意識がそっちを向いていたが故の失敗である。

207朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 14:16:06
>>206
「…まぁ、いいか…
 適当に配っていれば本命かどうかなんて」
ふう、と溜息をついてフェンスから離れようと振り向く、
カランカラーン
「あれ?今の音…は…」
そして一歩踏み出したちょうどその場所にどういうわけか、青田の蹴り飛ばした空き缶が転がってきたのだ。
「はうぁっ!?」
おもいっきり踏みつけて、足をする―んとすべらせ。
  ドボォッ!
「グフッ!!」
たまたま地面においておいた自分の鞄の『角』に鳩尾から落下し、強かに身体を打ち付けた!

「…ぐうおお…
 一体誰が…何故こんなところに空き缶が…
 ついでになんでこんなところに私はかばんを…」
苦しそうに呻きながら
orz←こんなポーズをしてゆっくりと立ち上がる

「…あ、こ、んに、ち、は…」
ちょうどそこで、青田の姿を目撃したのであった。

208青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 14:42:47
>>207
「派手に入ったけど大丈夫?
あとうん、意図した事ではないよ。」
ないよ?

「そう、今のは事故だ。代わりに何か頼みを一つ聞いてあげよう。
だから今日この日に空き缶ぶつけられたとか言い触らさないように、いいね?」

209朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 14:46:44
>>208
「あ、は…
 そうですか…
 えっと…大丈夫です。」
そのままゆっくりと立ち上がる。

「うう、私の運の悪さが招いたものです…
 多分あなたのせいでは…」
それでも少し警戒した様子である。

「頼みを…ですか。」
そう言って自分の持っているチョコ袋を見てみる。
「では…せっかくなのでこれを…」
取り出したるは、そのへんの市販品とは異なる高級そうなチョコである。

「…とりあえず受け取って下さい…」
ほんとに困ってる。そんな表情だ

210青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 15:11:18
>>209
「あ、うん。……気合入ってそうだけどいいの?
なんかあったなら話くらい聞くよ?」

(振られたのかな、気合入ってるみたいだし、……さっきから居たし、すっぽかされた?)

取り出されて渡されたチョコを見て、それまでより優しいトーンで何があったか問う。

211朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 15:19:03
>>210
「いや、その…
 つい友達に囃し立てられて、こんなチョコを買ってしまって…」
オドオドした話し方のせいで、余計に誤解されそうだ。

「私、その…友達は多いんですけどね…
 付き合う人は?って話になると…その…
 全然ダメなんですよね。」

212青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 15:29:03
>>211
「あー……」
納得した。成程、イベント物だと当事者でもねーのに舞い上がっちゃう事、あるよな……。
まぁ、納得したので受け取る事にしよう。

「うん、まあ、なら運が良かったかもな、君の友達にも伝わらないだろうし。」
変な事にはなるまい。

「……ところで家族とかじゃダメだったの?」

213朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 15:35:15
>>212
「その、ありがとうございます。
 あとは…まぁ、そのへんの人に渡せば変な噂も立ちませんよね。」
軽く笑いながら答える。さっきまでの警戒はだいぶ薄まっているようだ。

「家族…」
ちょっと気難しそうな顔になった。
「ちょうど、
 白亜荘で一人暮らしするって話をした後で強引に決めてしまって…
 何だか顔を合わせづらいんですよね…」
その様子からすると、一人暮らしは大反対されたのだろうか。

214青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 16:17:03
>>213
「ああ、成程そりゃ仕方ねぇや」
元々家出して来た身、仲良くしろなどという気はない。

「それにま、変な噂が嫌だってのも解るしな。」
「それじゃ、また会う事があったら宜しく」
そう言ってチョコをしまい、背を向ける。

(と、そうだ)
携帯電話のアンテナを発現し、落とした風を装って落とそう。

215朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 16:29:39
>>214
「あ、でも…
 とっても優しいんですよ二人共…
 …優しすぎる…ともいいますけど…」
少し複雑な勘定があるようだ。

「世渡りは、上手なつもりなんですよ。
  その、変な噂はそういうのの天敵ですから」

「分かりました。また会いましたら…ん?」
背を向けて立ち去ろうとしたところに、アンテナがポロリと落ちる
「あの、すみません、これ…落としましたけど」
そう言って転がり落ちたアンテナを拾い上げる。

216青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 16:53:38
>>215
拾い上げた物をちゃんと見るならば、それがスタンド物質である事が解るだろう。
もっとも、

「落とした、って何を?」
振り向くまでに解除され、消えるのだが。

見えている事さえ解れば、解除しない理由も無いしな。
拾い上げたその手の内で、煙のように消えるだろう。

「そういえば、名乗ってなかったな。俺は『青田普』」
「『スタンド使い』だ。害はないよ、解除した」

217朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 16:57:33
>>216
「…あれ?」
拾い上げたそれは、どこか触ってみると違和感を感じる。
無機物とは思えないような…
「あっえっと…あれ?」
これです、と言おうとした瞬間に、アンテナはいつの間にか手元から消え去っていた。

「あ、えっと、青田さん…ですか
 私は、『朱鷺宮涙音』といいます」
少し混乱しながらも頭を下げて挨拶した。

「やっぱりさっきの『アンテナ』は…
 『スタンド』だったんですか」
スタンド使い。その言葉を聞いてさっきの行動が何を意味していたのか理解できた。
「その、私もスタンド使いです。
 …何かしかけられたのかと思いました…」
一瞬だけ、消えたアンテナの所在を心配していた。不安そうな顔なのもそのためだろうか

218青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 17:06:47
>>217
「ああ、そうだろう。ごめん」
「『何かされた』というその発想はおかしい事じゃない。
沸騰した薬缶の底に触らないような、賢明な発想だ」

「重ねて言うが、悪意や敵意は無いよ。信じられないかもしれないけどね」

先ほどまでと同じような、しかしすまなそうな表情で、
上記の言葉を口にする。

219朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 17:12:58
>>218
「こちらこそ、すいません。
 今のところ『敵』には出会っていないのですけれど…
 つい…」
そう言って頭を下げる。

「一応…学園の人にも何人かスタンド使いがいるかも、とは思ってましたけど。
 そうですね、…悪い人はいない、とは思いたいです。」
ずっと通っている学園なだけに、少し心配になっているのかもしれない。

「わかりました。
 あなたを信じます。悪い人ではなさそうですし…」
青田の顔をジーっと見てから答えた。

220青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 17:20:19
>>219
「ああ、ありがとう。そう思えるのはきっと、君がいい人だからさ。」
「僕も、君は悪い人物ではないと思うよ」

安心した表情で目線を受けてそう言う。
(善性であるからこそ、相手に善性を見て、善性と見做す。
さっきまでの流れもあるんだろうけどね)

221朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 17:24:05
>>220
「フヒッ…そう言われると…
 ちょっと嬉しいです。」
変な笑い方をしながら答えを返した。

「これから、どうにかして『いい人』になっていきます。
 せっかく手に入れた『力』…
 今までは…色々と脅えながら過ごすだけだったので。」
彼女の言い草を見る限りでは、最近になってスタンドを発現したようだ。

222青田『トライブ・コールド・クエスト』【大一】:2015/02/14(土) 18:25:59
>>221
「ああ、そうするといい。」「でも、何かあったら、他のスタンド使いを頼る事も重要だ」
そう言った時、ふと携帯を見る。時間的には……ふむ。

「話し込みすぎたかな。」
「ま、またどこかで会う事もあるだろう。同じ学校だしね」「それじゃあ」

そう言って、今度こそ立ち去ろう。

223朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/14(土) 18:31:37
>>222
「頼りになる人も、きっといっぱいいますよ…ね」
そう言って青田の顔も見る。

「大丈夫です。何だか、話すのも悪くなさそうです。
 …ありがとうございました。
 じゃあまた。」
青田の後ろ姿に軽く手をふり、見送っていった。

「チョコ…配りに行くか」
しばらくして、あっちこっちに涙音はチョコを預けまくったらしい。

224青葉『ピーチファズ』【高二】:2015/02/14(土) 23:51:48
 ガタ ゴトン   プシュ!  コクコク

「ふぅ」

自動販売機から取り出したお茶を一口飲んで息をつく。

「やっぱり、今日の空気はいつもと違いますね〜」
「あんまり好きな空気ではないですが」

他に自動販売機を利用する人のために脇に避けると、
ペットボトルをゆらゆら揺らしながら、壁にもたれかかる。

「チョコが貰える貰えないで雰囲気まで悪くなることもありますし、誰が考えたんでしょう」

225青葉『ピーチファズ』【高二】:2015/02/15(日) 02:46:14
>>224
「ま、なんだかんだ言って私もチョコを持ってきてるんですけど」「あ、時間」

ペットボトルを手にしたまま、教室へ帰っていった。

226百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/16(月) 21:22:03


        トボ  トボ トボ


「…………」

         ズズー


「あー……」

        トボ  トボ トボ

227朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/16(月) 21:30:59
>>226
「……」
(結局最後まで喧嘩しっぱなしだったな…
 引っ越し、…自分で決めたことなのに、今さらちょっとだけ後悔…)

「あー……」
(でも、最後には「体に気を付けてね」って行ってもらえたし…
 まぁ、いいかな)

上の空で千夜子の近くを通りすぎようとしている。気づいていない

228百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/16(月) 21:38:36
>>227
こちらも気づいていない。ということで。

        ボスッ

ぶつかることになるだろう。

      ベヂャ

          「あー……」

         「すません。……持ってないです」

229朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/16(月) 21:40:50
>>228
あまりに上の空の状態で歩いていたため
「おぐ…」
千夜子に身体をぶつけてしまった。
ドサッ
「あいたたた…今日は珍しく頭だった…」
軽く頭を抑えながら目の前を確認する。

「ん…持ってないって…何をですか?」
首を傾げながら彼女の顔をじっと見る

230百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/16(月) 21:48:58
>>229(朱鷺宮)
ぶつかったのは、同じ学年の女子生徒。
同じクラスかもしれないが、印象に残ってるは判らない。

褐色の肌。灰味を帯びた白い髪はショート。
分厚い瓶底眼鏡を掛けている。

「『拭くヤツ』」

「使い切ったんで」

        ボダ  ボダボタ

…………彼女の顔から鼻血が滴っている。
指さす先は、朱鷺宮に当たった個所。
そこにべっとりと血の斑点が染みついている。

231朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/16(月) 21:54:02
>>230
「ん…あーえっと…
 百井さん…でしたっけ?」
用心深く彼女の顔を見て思い出す。瓶底眼鏡の子で密かに覚えていた。

「…血が…出すぎでは…」
ずいぶんな量の鼻血が溢れており、同時に自分の顔とか、ブレザーにも血がくっついてしまった。

(…まぁ、黒いから目立たないけど)
当人はさほど気にしてはいない。ソレよりもあっちの鼻血量のほうが心配だ。

「これで鼻を塞いだほうがいいですよ」
そう言ってポケットの中からポケットティッシュを取り出して彼女に差し出した。
「…どこかにぶつけましたか?」

232百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/16(月) 22:00:47
>>231
「あー……すません」

受け取ると、ポケットティッシュを鼻に突っ込む。
無造作に鼻の周囲や口元にある血も拭った。

「ふぁー」

「ぶつけてないす。ビョーキ」
「髪色抜けちゃったし」

「たぶん死ぬやつ」

朴訥な口調で気負いもなく言ってのけた。
百井に見覚えがあるなら……確かに髪色がおかしい。
数日前までは茶髪であったような気がする。

233朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/16(月) 22:04:31
>>232
「いえ、どういたしまして。」

人当たり良さそうに声をかける。
ちなみに涙音は笑い方の割に親切な人で有名だった

「病気…?」
妙な表情を浮かべながら、彼女の髪を確認する。
明らかにおかしい、とは思った。

(…チラッとしか見たこと無いけど…
 確かこの子って茶髪だったはずじゃ?)
おかしい、そう思って彼女に問いかけてみる。

「他に何か症状はあるんですか?
 えっと…それと…」
少し考えてから答える

「その症状が出たのは、いつ頃からですか?
 きっかけとか…わかったらお医者さんに相談した方がいいと思いますけど」

234百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/16(月) 22:25:03
>>233

「うぇー?」

「『バレンタインの日』す。
 すっげ熱出てェー、汗超出てェ」

             「……べっくしょッ!」

    ポポーン
              ドグドグ・・・・

くしゃみをした拍子に、鼻から栓が引っこ抜けた。
再び鼻から血が溢れ出ている。

「医者ア? あー……」

「メンドっちいす。いま気分悪くないし」

235朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/16(月) 22:28:45
>>234
「2月14日…ですか。
 チョコの食べ過ぎ…なんてことはないですよね。」
そういえばあの日は誰かに囃し立てられてチョコを買いまくってたな…
なんて思い起こしていたところに

「あっ」
鼻の栓が抜けてまた血が流れ出す。

「そんなにだらだらと鼻血が出てるのに
 気分は全然、大丈夫なんですか?」
肌の色や唇の血色などもよく確認してみる。

236百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/16(月) 22:54:02
>>235
「チョコ上げても食べてもないす」

         ボダボダボダ

「…………さあ。
 気分は悪くないす。死ぬけど」

肌の色――褐色なので若干解りづらいが、血の気は引いていない。
少し厚ぼったい唇も、乾燥していることもなく、ピンク色だ。

「チョコ」

「あー……食べたいすね」
「朝も昼も吐いたし」

237朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/16(月) 23:02:35
>>236
「…鼻の粘膜が弱ってるとかは…」
もう可能性としては限りなく薄いが、なんとなく答えてみた。

「いやーその…とりあえず新しいので蓋を」
ポケットティッシュをまた取り出してみせる。

「チョコ…?食べたいですか…
 でもこの辺りにチョコなんて…」
チョコを食べて気分を変えれば少しはなんとかなるかも…
 そう思って鞄の中を探ってみる

「…ありましたよ、チョコ」
そう言ってかばんの中から取り出したのは…
ハートのマークで、上に白いあみあみがかけられたカラフルなチョコ。バレンタインの配りきれなかったもののあまりだ。

「これでよろしければ、どうぞ」
そう言って彼女へと差し出してみる

238百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/16(月) 23:16:32
>>237(朱鷺宮)
「サンクー、す」

    グイグイ

再度ティッシュを鼻に捻じ込んだ。
チョコを受け取ると外装を剥がす。

      バリバリ ビィ――ッ

「もんぐもぐ」  「はぐッ」

噛み砕くと一気に飲み下した。
ぺろりと唇をなめる。

「ウマー」
「吐き気しない」

「何食べても吐いたし、死ぬと思ってたす」

239朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/16(月) 23:19:08
>>238
「結構美味しそうに食べますね。」
 ずいぶんと豪快な食べ方に思わず感嘆する。

「とりあえず、餓死しないで済んだ、んでしょうか?」
ホット一息…つきそうになった所で
(あれ、よく考えてみたら、チョコ以外受け付けない体質ってことじゃあ…)
よく考えてみなくても根本的な解決にはなっていないようだ。

「えーっと、チョコ以外無理、そうなんですか?」
そう言いつつ、鼻の状態を確認しようと、鼻のあたりをジーっと見る

240百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/16(月) 23:47:45
>>239
「そすね。フィーリングで」

「これならいくらでも入るゥゥー……って感じ」

     ドグ  ドグドグ・・・・

        ジワァ

鼻の血が出る勢いが……増している気もする。
しかし、肌の血色はむしろ良くなっている。

「ふぁー。あったかい」
「なんかぽかぽかするすね」

241朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/16(月) 23:56:56
>>240
「やっぱり何か、やばい病気なのでは…」
特定のものしか受け付けない。そんな症状はさすがに妖しいと思う。そういうふうに問いかけようとして

ドックンドックン

「おわっ…!?」
鼻血がものすごい勢いで出始めている。
なのにずいぶんと当人は落ち着いているのだ。

「さすがにすごくヤバそうな気が…
 引っ張ってでも保健室に連れて行くべきか…」
尋常じゃない状況…何らかのスタンド攻撃を受けているかも、なんて考えだした。

「えーっと、途中で変な人に出会いませんでしたか?
 触られたり、あるいは触ったりとか…」

242百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/17(火) 00:05:08
>>241(朱鷺宮)

「ヘンなひとォ」

「あ」

     ズビ!

指で指し示してきた――朱鷺宮を。

「なーンてェ。ジョーダンす」

「この間ゴロゴロしてただけでェー。
 ソトに出なかったしィ。うーん?」

243朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/17(火) 00:10:27
>>242
「…私は、変な、人では、
 無いと思います。」
思った以上に動揺した様子で答える。

「ゴロゴロしてただけですか…
 それで突然そう、血がダバダバと…」
ますます良くわからない。このまま彼女を保健室に連れて行ったほうがいいのだろうか?
そう思い、念の為に、持ち運べるように
ギュン!
スタンド像を出現させておく。
「えーっと、とりあえず、血が止まりませんね。
 もうちょっと突っ込んでおきますか?」
ポケットティッシュをもう、全部上げるつもりで彼女に差し出した

244百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/17(火) 00:18:51
>>243(朱鷺宮)

「うぇいうぇーい」

「貰えるモンはビョーキ以外……」

ティッシュを受け取る、と――
『フォートレス・アンダー・シージ』を『観た』。


           「 う ぉ !? 」


    「ドッキリすか。うぇー」

 「誰すか。すげ。衣装? スーツ?」

「写メっときてー。そのまんま動かないでね。
 映研の人? 新作すか? 演劇部に話来てねェすけど」

スマホをカバンから取り出すと、カメラ越しに見る。

        「……映らねー。故障?」

245朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/17(火) 00:22:45
>>244
「とりあえず養生して…
 保健室にでも…」
と、そこまで言った所で突然千夜子が声を上げる。

「…へ?あ、もしかして…」
涙音はなんとなく、連れて行くための足としてスタンドを出しておいたのだが…
彼女の反応は明らかに『見えている』反応だ。

「え、あ、はい」
とりあえずスタンドをそのままの状態で固定する。
しかし、時折敬礼もさせてみる。

「あの、あなたには…
 『この人』が見えるんですか?」
改めて確認、後ろにいる『フォートレス・アンダー・シージ』を指さしてみせる。
スタンド使い…と見て間違いないのだろう

246百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/17(火) 00:49:57
>>245
「なんすか。知り合いすか」

「見えるけど」

百井はしばらくスマホを弄っている。
初めて表情が歪み、露骨に機嫌が悪そうになってきた。

 Damn it
「クソッタレ」

「ショップいかなきゃだめェー?
 欠陥品つかまされたって感じ。お年玉で買ったのに」

ポケットにスマホをぐいっと捻じ込み、歩きだそうとする。

「わりーィンすけど、伝言頼まれてくれねすか。
 今日部活出れねーって演劇部に」

247朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/17(火) 00:53:44
>>246
「し、知り合いというか…
 私の『スタンド』…です」
もしかしたら彼女は、自分と同じく「成り立て」なのかも。
そう思って専門用語も交えて話してみる。

「あ、でもそれ…
 別に正常だと思いますよ。
 その…普通の人には『見えない』ものですから。」
そう言ってスマホがダメになったわけではないことを伝えようとする。

「…演劇部ですか?
  ああ、あそこの場所なら知ってますからお伝えできると思いますけど…
   今の鼻の調子は、どうですか?」
改めて尋ねてみる。

248百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/17(火) 01:02:24
>>247
「はー」


「………………あー。
 『ズッ友』的な? 特別な友達?」

イマイチピンと来ていないようだ……

「よくわかんねーすけど、これ幻覚なんすね。
 また熱出てるっぽいし、超鼻血出るし」

                       serious
「…………あれ、鼻血出ねえす。マジかよ」

         ピタリ

鼻血が止まったようだ。

「うぇー? ブキミす」

「伝言だけ頼むす。やっぱ帰るす。
 家族に看取られて死ぬ方がイイす」

249朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/17(火) 01:06:27
>>248
「ある意味特別ですが…
 そうですね。『守護霊』だと思って下さい」
突拍子もない発言に思えるが、
事実でもある。

「…鼻血、止まりましたね。
 体調、大丈夫そうですか?」
改めて、様子の確認をするが

「分かりました。一応伝えておきますね。」
彼女が『スタンド』を持っているのであれば、きっといずれは…
そう思って言葉を告げる。

「いいことに、『使える』ことを私は願ってます!」
まだ『一般人』である百井には理解できないだろう。
だが、いずれきっとわかってくれる。彼女はそう考えた。

250百井千夜子『一般人』【中二】:2015/02/17(火) 01:21:28
>>249
「体調は悪くねえす。
 気分いいし。死ぬのも悪くねえすね」

「『いいこと』……ふぇー?
 鼻血の有効利用とかア?」

鼻に詰まった栓を引っこ抜く。

「次の公演までに治らねえかな。
 それまでに死なねーならイイのに」

「じゃ、帰るす。生きてたらお慰み。
 まだ生きてたら明日会いましょ」

ばいばい、と手を振ると百井は歩き去っていった。

―――――――――――――――――――――――――

【百井 千夜子の現状】

・『鼻血』が止まらない。
・食事は『チョコレート』しか受け付けない。
・『髪色』の変質(茶髪から白髪)へ。

――――スタンドの認識は可能。それのみ。
当人はあくまで『病気』と認識している。

251朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/02/17(火) 01:24:17
>>250
「安楽死…
 では少なくとも無いと思います」
まるで後輩を見つけたかのように気さくに話しかける。

「鼻血はわかりませんけど…
 まぁ、多分そうだと思います。」
鼻血が関係する能力なのかもしれない。
そう思って一応肯定しておく。

「あ、はい…
 さようなら〜。多分生きてると思いますよー」
そう言ってゆっくり手を振って見送った。

「どんなスタンドなのかなぁ…
 フヒッ、ちょっと楽しみ。
 もし使う時が来たら見せてもらおう…」
そう言いつつ彼女は自分のスタンドと一緒に掃除を始めたのであった。

252嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/19(木) 23:56:05

          「シノミヤはさぁ、あー……好きな人とかはいないの?」

「なーにそれ、話に繋がりなさすぎー」

談笑しながら廊下を歩く、一組の男女の生徒。
シノミヤ、と呼ばれた女性は常に前を見ながら歩き、男子生徒の方はいかにも女子生徒を気にかけている。
青春、という感じだ。女子生徒からすれば彼は友達で、男子生徒からすれば彼女に片思い。
バレバレの構図だが、この廊下は人通りが数人程度だ。
男子生徒も形振りかまってられないのだろうか。

          「だってさぁ、シノミヤに彼氏いるとかって噂きかないじゃん」

「ふっふ、噂を流させないと言ってほしいかなー」

だが、男子生徒の肩に『スタンド』の『水鳥』がとまっている。
色素異常を起こしたかのようにドス黒い、威圧的な『水鳥』。
それが頭を垂らし、男子生徒の首の『頸動脈』を摘むように『嘴』を突き刺している。

          「アレだぜ、もしかしてレズなんじゃないのとか言われたりしない?」

「しないし。それこそそういう噂立ちそうじゃん?」

男子生徒自体に異常は見られない。
痛みも不快感も感じてないようで、女子生徒との話を続けている。

253石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/20(金) 00:53:33
>>252(嵐ノ宮)
タタタッ  …… 軽い足音が聞こえた。

「あ、暁利ちゃんだ。暁利ちゃーん!」   どーん!

後ろから駆け寄って、元気よく暁利に抱きつく。

玲緒はスキンシップが大好きであった。      レズではない。   ※レズではない。   注:レズではない。

暁利の背中を見つけたら、つい反射的に駆け寄ってしまったので、『水鳥』にはまだ気付いてない。

254嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/20(金) 01:04:03
>>253

どーん!

  「うへあっ?!」

後ろから勢い良く抱きつかれてビックリしない人間はいない。
暁利もご多分に漏れず、玲緒の突進に驚いてつんのめる。
玲緒が抱きついたおかげで転倒はしなかったが……

「ちょっと『レオ』ちゃーん!不意打ちやめてってばー!」

          「おっ、カンフー部のパワフルちびじゃん」

ふたりとも玲緒の方に振り向き、声をかける。
男子生徒は玲緒の勇姿を見たことがあるのだろうか、知っているようだ。
『水鳥』は微動だにしない。

「どうしたのこんなところで、友達にフラれちゃった?」

ただ、『水鳥』の視線は玲緒に注がれている。それは警戒のようにも威圧のようにも、
もしくは観察なのかもしれない。

255石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/20(金) 01:22:24
>>254(暁利)
「あはは、暁利ちゃん驚いた?」
パッと抱きつきを解いて、少し距離を離して、笑う。

                                 「ちびじゃないもん」
                                 ボソッと。       ※ちびです。(145㎝)  ※恋姫はもっとちびです。(142㎝)

「ううん。ただの通りすがり。暁利ちゃんが見えたからつい飛びついちゃった」
行動原理が猫である。

「……あれ?」
……と、『水鳥』と視線が合って、目をしぱしぱさせる。

256嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/20(金) 02:08:54
>>255
「ついって何ー。私の背中からなんか出てるのかな」

                「なんかってなんだよ」

「こう、気迫みたいな」

玲緒の飛び入りも可愛いものだ。
いや、むしろ玲緒が加わったことでより一層和やかなムードが増したかもしれない。
男子生徒と暁利の距離が先ほどより数センチほどだけ離れているのがその証だ。
彼は今しばらくは言い寄るのをやめることにしたのである。(涙ぐましい)


>「……あれ?」

「……」
        『 バ 』

玲緒と『水鳥』の目が合う。
すると『水鳥』は一度両翼を開き、空気に溶け消えていった。
一瞬だけだが、『レオ』を射抜くような目を暁利は見せる。

257石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/20(金) 22:43:04
>>256(暁利)
「オーラとか出てるのかも。暁利ちゃんいい匂いするし。」
くんくんと暁利の匂いをかぐ。

「恋姫ちゃんとかすごいよね。時々アイドルオーラ出すの!
 前に一緒にレストランのお手伝いしたんだけど、ファンの人、大喜びですごかったよ。」

「アイドルといえば、私この前、すごい間近で≪紅夜(KUREYA)≫さん見ちゃったんだ!
 知ってる? 軽音楽部の剣淵 紅也さん! すっごい美声でね! ロックでね! かっこいいの!
 ちょっとそっけなくて、天上天下唯我独尊って感じなんだけど、それがかっこいいの!」

他愛のないアイドル話を始める。

秋映学園の中等部には『アイドル』が2人いる。
  ・『ご当地アイドル』の『稗田 恋姫』
  ・『インディーズアイドル』の『剣淵 紅也』
の2人だ。
『アイドル』だからか、周囲からは羨望と嫉妬の両方を受けている。玲緒はそんな2人に憧れている側の人間だ。


「……うん?」
突如消えた『水鳥』を見て、玲緒は目をこする。暁利の射抜くような視線には気付いていないようだ。

(『スタンド』? いや、『幻』だったのかな?
 寝ぼけてるのかも。昨日夜更かしして『アイドルバスター』見ちゃったからかな。)

258嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/20(金) 23:17:51
>>257
「そうかな」

匂いを嗅がれる。そういうの自分ではわからないもんね。

「あぁ〜、『恋姫ちゃん』とKUREYAさんかー。
 同年代なのに活躍しててホントすごいよねー!」

             「紅夜さんイケメンだしなぁ」

紅夜は男子からも羨望の的だ。
恋姫も、好きな奴は好きってアイドルではあるが……。

「『レオ』ちゃんもアイドルになっちゃえばー?
 こう、リング界のアイドルみたいなさ」

             「女子プロレスラーじゃねーんだから」

三人の他愛ない談笑は続く。
だが、今度は玲緒の足元にアルビノが如き真っ白い『水鳥』が佇んでいた。いつの間にかに。
その『水鳥』は玲緒を見上げ、じっと見つめる。
男子生徒も暁利も、見えているような装いはない。

259石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/20(金) 23:56:35
>>258(暁利)
「この匂いは〜ふかふか系かな。恋姫ちゃんはミント系だったけど」
適当に匂いを批評する。

「やっぱりまとってる『オーラ』が違うよね。
 『オーラ』を鍛えれば『アイドル』になれるのかな……」

「リ、リング界のアイドル!?
 わ、私はこう、もうちょっとインパクトというか、『色気』とか『大きさ』とか『オーラ』とか色々足りないと思うし……」
あたふた。

「がんばる!」
拳を振り上げて、宣言する。
『がんばる』が口癖の玲緒であった。


「……って、あれ?」
きょとん、と足元の『白鳥』を見つめる。

260嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/21(土) 00:05:57
>>259
「成長途中成長途中。
 私もちょっとガリだけど高校生になればだいじょぶだって」

              「……まあ、がんばれ」

発育の話題は男子には少し入り難い。
色気的には玲緒も暁利も変わんないものである。

              「あ、シノミヤ悪い俺トイレ行ってくるわ。またあとで」

「はいはーい。好きなだけ雉撃ってきて」

そう言って、男子は二人と別れてトイレに向かって歩き始める。
後に残されたのは暁利と玲緒と『白鳥』のみ。

     『…………』
              「……」

依然として玲緒を見上げる『白鳥』。
こいつも『スタンド』だ。『白鳥』が少し透けて床が見える。

261石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/21(土) 00:26:27
>>260
「早く大きくなりたいなぁ……」
執念の籠もった声で呟いた。

「いってらっしゃ〜い …… 雉撃ち?」
なにそれ、という顔をしながら男子を見送る。

そして、

スッ …… 玲緒は静かに構えた。臨戦態勢だ。

「『チア・アクシデント』」
玲緒の肩に猫耳でちょっと太めの小さな『チアリーダー』姿のスタンドが5体現れた。

   『C・A』×5《 白鳥サン アナタ 何処カラ 来タノ ? 》
   周囲に聞こえないスタンドの声で『白鳥』に話しかける。

262嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/21(土) 00:53:07
>>261

      『…………』

『チア・アクシデント』の問いかけに、『白鳥』は答えない。
だが、暁利は玲緒に話を続ける。

「雉撃ち、知らない?女の子がトイレに行くのをお花摘みっていうのは知ってる?
 それの男バージョンね」

玲緒の疑問にしっかりと答える、いつもの『暁利』。
その笑みは暖かくも、『瞳』が『底冷え』しているかのように見えるのは錯覚だろうか。

「イギリスのお上品な方々が使ってたらしいよー。  『……お前もだったか。
 ぶっちゃけ言ってみたかっただけなんだけどね」   私には争う気はない』

しばらくしてようやく、『白鳥』は口を開いた。
暁利との話と平行して喋っているせいだろうか、『白鳥』の口調の癖が少し暁利と『似て』いる。

263石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/21(土) 01:04:01
>>262(暁利)
「……へぇ、そう、なんだ」
少々鈍い玲緒でもさすがに異常に気付いた。
玲緒が構えていることに、何の反応もしていない暁利。冷静すぎて異常だ。

   『C・A』×5《 暁利チャン ナノ ? 》

少し安心したかのように玲緒は構えを解く。

264嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/21(土) 01:22:31
>>263
「――私もお嬢様になってみたかったわ……。     『……私の名は――
 白馬の王子様とか、こどもっぽいけど憧れちゃう」   「トワイライト・オペラ」』
                                     暁の独唱劇

玲緒が構えても構えを解いても、暁利は微動だにしない。
『トワイライト・オペラ』はじっと『チア・アクシデント』を見つめて語りかける。

    『私は「まだ」誰にも危害を加える予定はない。
     だから、「忘れ」ろ。「見た」ことを、「持って」いることを』

       『「敵」になりたいのならその限りではないが』

「あ、玲緒ちゃんにはいる?白馬の王子様。
 好きな人が迎えに来る妄想とかしてベッドで暴れたりしない?」

   「私はするけど」

265石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/21(土) 01:44:49
>>264(暁利)
「暁利ちゃん……?」
なにかが変だ。様子がおかしい。

    まだ危害を加えない?

    敵になりたいなら?

    何を言っているのだろう?

    友達なのに?

「暁利ちゃん……なにを言ってるの?」
混乱した顔つきで玲緒は言葉を絞りだす。

266嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/21(土) 01:59:25
>>265
それきり、『白鳥』は沈黙した。

「え、何って……ど、ドン引きした?
 ヤバい、墓穴掘ったわ私。下手なこと言っちゃった……」

暁利のテンションは変わらない。
変な素振りも何も見せず、いつもの『嵐ノ宮 暁利』だということが玲緒にはわかる。

「と、とにかくほら!『レオ』ちゃんには好きな人いるの?!」

自分のミスを取り繕うように、強引に話をつなげる暁利。
玲緒以外の周囲の人間がいれば、きっと暁利の素振りに楽しげな笑いを漏らしていただろう。

267石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/21(土) 02:10:56
>>266(暁利)
(???)

(よかった、いつもの暁利ちゃんだ。)

(今のはなんだったんだろう?)

「え、ええと。好きな人……?」

「と、父さんとか、兄さんとか……?」
ベタな答えが返ってきた。

268嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/21(土) 02:18:19
>>267

「ちがう、そうじゃない……そうじゃないんですよ『レオ』ちゃん……。
 恋愛感情、恋愛感情ね。『ギュンと来る』かんじの人いない?」

ベタベタすぎて思わず崩れ落ちる暁利。
普通の恋バナだ。

「私は『初恋』してから、それ以外全然『ギュンと』来ないんだよねぇ」

269石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/21(土) 02:31:00
>>268(暁利)
「まだ、いない……けど」

「『私より強い人』 かな!」
拳を握りしめつつ、答える。

いつもの『玲緒』のテンションだ。
いつもの『暁利』のテンションに引かれてテンションが戻ったらしい。

「『初恋』以来かぁ……よっぽどいい『初恋』だったんだね。」

270嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/21(土) 02:43:25
>>269

「街で歩いてる男の人のほとんどに惚れない?それ」

『私より強い人』、と言われても、ちっちゃい玲緒だとどうしても可愛げがある。
暁利は茶化すように返事しつつ、玲緒の頭に手を乗せた。
どうやら玲緒はまず身長をどうにかしないといけないようである。

「そうだねー、幼稚園児の頃なんだけどね。
 今でもまだ大好きだわー、会いたいなぁ」

はぁ、と深いため息を吐く暁利。
こういう姿の、『恋する』って風情の暁利は見かけない。珍しいことだ。

271石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/02/21(土) 02:59:38
>>270
「惚れない!小さくない!」
顔を真っ赤にして反論、頭を振って手を乗せるのに抵抗する。

「いい恋なんだね……がんばれ!『応援』するよ!」
拳を握りしめて『応援』する。

『いつもの友達』と過ごす『いつもの時間』だ。

…………

なんやかんやと話しながら時間が過ぎてしまった。


「あ、いけない!もう部活の時間!それじゃ、暁利ちゃん、またね!」

玲緒は現れた時と同様に嵐のように去っていった。

272嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』:2015/02/21(土) 03:16:51
>>271
「はーい、カンフー部がんばってねー」

去っていく玲緒に手を振り、見送る。
騒々しい子だが、優しい。玲緒はとても良い子である。

    『御しやすいというのはいいことだ』

         『あのネクラビッチクソオタクよりは遥かにマシだよなァ』

    『私達の敵になるということも早々無いだろうしな』

         『偽善者ぶってモウヤメテーとか言いそうだがなァあのクソチビ』

「……」

『トワイライト・オペラ』に自我は存在しない。
暁利は両脇に『白鳥』と『黒鳥』を従え、家路を歩き出す。
今日も学校楽しかったな、なんて言いたそうな笑顔で。

         『なァ、いい加減現実に向きあえよ腹黒女よォ』

         『テメーの王子様はホモ野郎の女装性癖なんだよなァ。聞いてっかァ?』

「……」

273ようこそ、名無しの世界へ…:2015/02/26(木) 11:21:08


     ――ギィ
                      ギィ

 秋映学園 特別教室『技術教室』

 その今は誰も生徒や教師が使われてない一室で何者かが
忍び込み何やらゴソゴソと物品を定め、そして作業をしている。

 「……ン」

 キリキリと糸を張るような音、何か木材を削るような音。
それらが響き その作業音は静かにその教室で唱えられている

274立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/02/26(木) 22:17:16
>>273
(『技術教室』……校内図で見ただけで実際に来るのは初めてだが)


ポニーテールの小学生女児がランドセルを背負って歩いてきた。
両手でぬいぐるみを抱くように座布団を持っている。


(小学校の家庭科室は鍵がかかっているからな。
 確かに勝手に入った子供が針や鋏で怪我をされたら困るだろうが。
 しかし、この部屋に裁縫道具はあるのか?)

「……ん、誰かいるのか?
 ここも使えないとなると他のあては無いぞ……」


少女は教室のドアを静かに少しだけ開き、中を覗き込む。

275ロンパリ? 『落伍人』:2015/02/26(木) 22:30:37
>>274

立花が見たものは・・・

 『異様』だった。

 「…まだ威力が足りネぇか? それに、矢も少し先端工夫するか…」

 黒いフードを覆った男とおぼしきものがボウガンらしきものと
技術室にあるものを使って矢らしきものを制作している。

 「チっ…面倒だナ。ロンパリのバ力がいりゃあこんなみみっちぃ
作業しネぇのによ」

 苛立った口調で作業を続けている。 容姿はフードで隠れていて
わからないが、これだけは確信できる。


 -まず『生徒』や『先生』ではない

 不法侵入だ

276立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/02/26(木) 22:40:54
>>275
(明らかに不審者だな。
 しかもなんてもん作ってるんだ、こいつは)


この時点でのこのこ技術室に入るとかいう選択肢は無くなった。
少女がよほど戦闘向きの『力』を持っていたらそれもありえたかもしれないが……


(さて、どうするか。
 時間的にも位置的にも、教師を呼んでくるにはちょっと時間がかかるな。
 まずは調べてみるか。無いとは思うが)


子供用携帯を操作して、ニュースを調べてみる。
学校に不審者が逃げ込んだとか、まあさすがに無いと思うが……
最近は道を聞いただの、すれ違っただけで事案にされることもある。何かしら情報があるかもしれない。

277ロンパリ? 『落伍人』:2015/02/26(木) 22:44:49
>>276


 カチャ  カチャ   トントン   キリギリ…

 「…こんなもんで良い力」

 立花が子供用携帯で操作してる側ら、その不審者はボウガンの支柱
らしき部分を仕上げる。もう少し手を入れたら完成出来そうと言う感じだ。

 「しっかシ、こんなんジゃ『スタンド』にも通じねェだろう。
・・・ノ\ぁ  やだねぇ。ダイナマイトでもありゃあいいんだけどよ」

 と、作業を続けている。子供用携帯のニュースには
学校に不審者が入りこんだというニュースは載っていない…

278立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/02/26(木) 22:54:49
>>277
(無いな、目立つ動きしてる奴じゃないってことか? そうは見えんが。
 まあいい、この時点で不審者だろう。
 まっとうな入校理由のあるやつじゃああるまい。ボウガン作ってる時点でな……
 ボウガンとなると教師には荷が重い。警察に通報するか)


座布団を抱きかかえた少女は、ちらちらと扉の隙間を覗きながら、
携帯を操作し、耳に当て……ようとして、動きを止める。


(……今、なんて言った?
 『スタンド』だって? 聞き間違いか……? いや、確かに言った)


『スタンド』関連だとすると、警察は役に立つのか?
少女はそこらへんの事情をよく知らない。しかし警察に電話して『超能力者かもしれないから気をつけてください』とは言えないだろう。


(となると、どうするか……)


知り合いのスタンド使いを思い浮かべるが、あまり荒事に向きそうに無いのばかりだ。
携帯をしまい、腰を落として廊下に片膝をついた。

279ロンパリ? 『落伍人』:2015/02/26(木) 22:59:40
>>278

  
    ノ\゛   キィ゛!!

 「……」

 立花が腰を落として様子を伺ってる間にも。制作してるボウガンの
試運転をしようとして引き金をひく不審者。

 だが、素人の腕前なのか容易に壊れた…組立てが甘すぎたんだろう。

 「…チっ」

 そう、舌打ちしつつゴミと化したものを乱暴にカゴへ捨てる。

 そしてキリやトンカチといったものを物色し始めた。適当な武器でも
入手する気なんだろうか・・・?

280立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/02/26(木) 23:12:00
>>279
(……他人には頼れない。かと言って見逃すのも……か)


     ズギャァン


腰を落とした少女は、ランドセルと座布団を廊下にそっと置くと、
次の瞬間、少女一人がやっと乗れるような小さな、しかし玩具とは思えない『レーシングカー』に乗っていた。
『レーシングカー』はしっかりとした質量を持ち、とても無から現れたとは思えない(実体化している)


(狭い場所では使いにくい能力だが、仕方ない。
 そして)


今度は古ぼけたデザインの『ラジオ』が空中に現れる。
それを掴んだ少女は、壁に向けて『ラジオ』を投げた。『ラジオ』は壁を透過し、技術教室へ転がる。


『おい、そこの不審者』


『ラジオ』が声を発する。超常の知覚能力を持つものならば、『ラジオ』を見、そして声が聞こえるはずだが……

281ロンパリ? 『落伍人』:2015/02/26(木) 23:19:40
>>280(黄金板では確かスタンドが壁とかを透過するのは
普通は無理だった気がするが……まぁ、今回はいい)

 「…アん?」

 黒いフードの不審人物は壁から突如出現してきた『ラジオ』が
転がってきたのを『見た』

 だが、不審者という声に反応したのか…その反応は芳しくない。

 「……」

 『ラジオ』に跪くようにして『不審者』は近寄る

282立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/02/26(木) 23:24:45
>>281
あれ……、と思ってみてみたらそうでした。記憶違いですいません。
とりあえずこのまま続けます。


『お前は何者だ? ここで何をしている?』


転がった『ラジオ』からさらに声が発せられる。

283ロンパリ? 『落伍人』:2015/02/26(木) 23:28:01
>>282

 「……  」

 フードを被った人影は 屈んで『ラジオ』を凝視してるように見える。
だが、立花のスタンド会話には反応が全くない。
 つまり『見えてるが聞こえていない』と言う状態だ…これはスタンド使いだと奇妙に感じられる。

 「…『ヨハネスブルグ』か? …いヤ、馬鹿な。
まず俺二ちょっかィかける理由がねぇな。…じゃあこいつノ\」

 そう、触れようとするように手を伸ばす。当然ながら触れない

 マンティコアは人間じゃなくもスタンド使いではないから

284立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/02/26(木) 23:38:59
>>283

『……? おい、何か言ったらどうだ?』


車体から身を乗り出して、ドアの隙間を覗く少女が訝しげに眉を顰める。


『何を言っている? 『ヨハネスブルク』?』

(なんだこいつは。単純に耳が聞こえないのか?
 目を閉じればスタンドも見えなくなるから、元から耳が聞こえなければ、スタンドの声だって聞こえなくなるか?
 そういえば発音も怪しいしな。ちょっと試してみるか)


「―――プツッ――ザーザー――ここでニュースをお伝えします。
 ○○私立中学校で発注ミスにより給食258人分が届かずに午後の授業が打ち切られたとのことです」


『ラジオ』は急にニュースを流し始める。一般人にも聞こえる、普通の、別のラジオでも聞ける、今流れているニュースだ。

285ロンパリ? 『落伍人』:2015/02/26(木) 23:43:25
>>284

>「―――プツッ――ザーザー――ここでニュースをお伝えします。
 ○○私立中学校で発注ミスにより給食258人分が届かずに午後の授業が打ち切られたとのことです」

 「あン…私…立? な二を行き成り…いや、能力か?」

 そう、立ち上がり技術室を見渡しつつ物色していたキリらしきものを
両手に持って構える。 スタンド攻撃と考えてるらしき行動だ。
 
 不審者はスタンドは見える。耳は聞こえる、だがスタンド音声は聞こえない

 どうも 中途半端で 危険な風貌だ。 だが技術室の物品を窃盗する以外では
とくに学園で何か事を起こすような感じもない…

286立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/02/26(木) 23:52:17
>>285
(普通の音は聞こえるのか。スタンド聴覚だけ失うとかあるのか?
 それに『リンネ・ラジオ』を警戒するわりにはスタンドを出すそぶりが無い)


そのまま普通のニュースを垂れ流し続ける『ラジオ』


(『リンネ・ラジオ』は壊されてもとりあえずダメージが無いから、出してみたが、
 壊されないとなると、それはそれで困るな。
 微妙に距離があって、解除もできない。手詰まりだ)


自分が直接出るのは危険だし、不審で危険そうなわりには反応が微妙で、
警察を呼ぶかどうか判断できない。頼れる知り合いもいない。
少女は困ってしまって、しばし考え込む。

287ロンパリ? 『落伍人』:2015/02/27(金) 00:01:36
>>286

 おレは考える。   暗がりしか見えず光は届かないこの浅瀬の果てで

 耳煩わしい電子機械はピーピーと鳴り立てている。
『ルンクス』  そいつが今俺が追う標的になりえる

 壁から出現したコレ『リンネ・ラジオ』はまだがなり立てている。

攻撃でも仕掛けてくると思ったが反応はない、飛ばしてきた奴は
壁の向こう側だろうか?

 考えるも、それが正解が外れなのか。考えノレ事もマンティコアは億劫だった。

 まず、コレ『リンネ・ラジオ』をどうするか?

 マンティコアでは触れない、スタンド視認コーグルなら当たるかもしれないが
破損する事を考えると余りする気も起きない。

 「…放置すノレか」

 フード越しに、イライラとした様子で頭部を掻いて
錐、ハンマーなどの物品を適当な袋に入れて背負う。

 そして、そのまま窓へと体を潜り抜け消え去って行った。

288立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/02/27(金) 00:07:22
>>287
(逃げたか……、いや、逃げてくれた、というべきか)


少女は車から降りると、
誰もいなくなった技術教室へ入り、『ラジオ』を拾い上げ、消した。


「裁縫……はもういいか。今日は。
 ……俺は無力だな」


窃盗なので、とりあえず通報しておいた。

289百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/05(木) 23:37:47

「ぬななーん。
 『射撃練習』はどこでしたらいいす?」

「やっぱ山登り? キツイなぁん」

学校の図書館。
褐色肌に青灰色を帯びた白髪の女子生徒。
長机に付近の地図を広げて読んでいる。

290立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/05(木) 23:54:06
>>289
「……」

       ペラ


近くの席に座って本をめくっている小学生の女の子が、
ちらっと百井を見た。


「……」


その後も本をめくりながらチラチラと百井に視線を向ける。
頭に入らないのか、時折めくったページを戻したりもしていた。

291百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/06(金) 00:08:22
>>290
「『人目』が一番問題すなあ。
 『銃声』が聴こえると『使うの』が寄ってくる」
      めんで
「ああ〜、面 倒ぇ。どうにかならねえすか。
 でも『練習もしねえもん』を使うワケにゃいかねえし」

  ゴロンゴロンゴローン

頭を机の上に置いて、ゴロゴロと揺らしている。
所詮下級生と見くびってか、意識の外に置いているようだ。

何かを仕掛けるなら今……かもしれない。

292立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/06(金) 00:18:52
>>291
「……」


女の子はサイドポニーにした髪の毛を指先でくるくるといじり、
じっと考え込んでいたようだったが、盛大に悩んでいる(?)様子の百井を見ると、
意を決して立ち上がり、ちょこちょこと近づいてきて、囁くような声で話しかけてきた(図書館だからか)


「あの……私も噂でしか聞いたことが無いので、言うかどうか迷ったんですけど、
 射撃場って場所があるらしい……ですよ、学園に」


噂の出所
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1414167533/265
265 名前:稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』【高2】[sage] 投稿日:2015/03/05(木) 01:28:58
18.休日は何をして過ごしたい?
 学園の射撃場で訓練だな……腕を上げてえ。自衛のために。

293百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/06(金) 00:23:41
>>292(立花)

    クルーリ

      really
「……マジかよ! それならそれでいいかも。
 でも人払いしねーとヤベえかなあ。うむむ」

「ところで君は誰す? 小等部の後輩?
 飴ちゃん食べる? 演劇部興味ねえ?」

      ゴソゴソ
                  ヒョイ

手づかみ山盛りのチョコを手渡そうとしてきた。

「お菓子を上げる時は日本人はこういうすな?」

294立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/06(金) 00:36:16
>>293
「ええ、はい。初等部です。5年生の立花といいます。
 演劇部……ですか? あんまりよく知りませんね」


胸につけた名札には 5年■組 立花立花 と書いてある。
クラスのところにネコのシールが貼ってあって、見えなかった。


「いえ、噂だけでどこにあるのか、本当にあるのかも知らないんですけど……
 あ、ありがとうございます。
 え? うーん、飴ちゃんという時は飴をあげるんじゃないですか?」


立花は、百井がわしっと掴んだ山盛りのチョコからひょいと1個だけ掴んで取ると、お礼を言った。

295百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/06(金) 00:45:42
>>294
「あよーん? 婆ちゃはいつもこう言ってたす。
 まあ、どっちゃでも気にしねえ。甘いから変わらねえし」

「まあ、探してみるとするかー。
 たーちばな……たちばな? ×2?」

「×2ちゃんは部活は何してるんす?」

読み方が分からないからテキトーなあだ名で呼び始めたぞ……

296立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/06(金) 00:52:06
>>295
「ああ、これ、りっかって読むんです。たちばなりっか」

(今度から読み仮名でも振るか……?
 しかしクラスじゃあもっと読みにくい子もいるからな。
 親は何を考えてあんな名前つけたんだか……)


名札を指差しながら訂正した。


「部活ですか?
 いえ、別に……部活には入っていませんね」

297百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/06(金) 23:17:40
>>296(立花)

「り――立花! リッカちゃんすな。 めんで
 わかった! 覚えたすよ。漢字は 面 倒 ぇす」
               ジュニア
「部活はまだすかー。小等部だから仕方ねえの?
 入れるようになったら演劇部がおススメす。
 超歓迎するすよ。部員が増えるとやれることも増えるし」

   ゴソゴソ

台本を取り出すと、それを見せた。

「舞台に立つばっかじゃあなくて、裏方もあるす。
 でも、今じゃみんな兼用って感じすなー」

298立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/06(金) 23:30:39
>>297
(外国の人だと、昨今の名前事情は余計に混乱するだろうな……。
 しかしフレンドリーな子だ)

「部活に入ってる子もいますけどね。
 入ってるのは男の子の方が多いですかね。やっぱりサッカー部とか野球部とか」


台本を見る。
やっぱり、台詞と動きがだーっと書いてあって、赤ペンで修正がしてあるとか
そういう感じなのだろうか。


「演劇部ですか。
 私はあまり目立つのは得意じゃないですが、
 人が足りなければ脇役とかでお手伝いもいいかもしれませんね」


ここら辺はリップサービスというやつである。
ちなみに立花の想像する演劇は、木の役とか石の役が出てくる文化祭の素人演劇レベルだった。


「次の劇は銃が出てくるということですか?
 練習場所を気にするということは、火薬を使って音を出したりするんだと思いますけど」

299百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/06(金) 23:52:56
>>298(立花)

「やっぱり運動系が多いすなー。
 あ、それは前の公演の時のやつす」

台本は概ね立花の想定に近いが――その『量』が異常だ。

   『大江戸大決戦 お菊VS累VSお岩』

        オォ  ォォォ  ォォ


書き込みは細かく、セリフの変更訂正も異常に細かい。
セリフの抑揚は波打つラインを書き足すことで表現。
字体から見て、複数人が書き込んでいるようだが……

ついで照明や音響に関しても、要望含めか丁寧に書いてある。
一部のページはシーンを無理やり追加して、ページを挟んである。


「部長厳しいんす。でもいい人すよ!
 判らない人にはスゲー丁寧に教えてくれるんす。
 毎日放課後から夜中までずーっと指導してくれたしィ」

「あと、予算を無理やりもぎ取ってセットを超豪華にしてるす。
 ニッポンだとそんな豪華じゃねーと聞いてたすがそんなことねえで」

>「次の劇は銃が出てくるということですか?
> 練習場所を気にするということは、火薬を使って音を出したりするんだと思いますけど」


            ピ  タァ

熱の籠った説明が途中で止まった。

「にょわああ……。ちゃ、ちゃうす。
 なんといったらば……ばー……うぬるぐわあああ」

思い悩み始めた。異様な唸り声と共に。

300立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/07(土) 00:01:15
>>299
(なんつうタイトルだこりゃ……しかし、想像よりも細かいな)

「そ、そうなんですか。
 私は……あんまり夜遅くまでとかっていうのは無理ですし、
 動物とか植物役でもないと無理そうですね、ハ、ハハ」

(厳しすぎだろ、熱血だな。というか予算もぎ取ってって……)


想定より大分ガチで、立花はごまかすように笑った。


「あ? あー、もしかして秘密でした?
 舞台の内容が漏れたら詰まらなくなりますもんね(?)
 私、聞かなかったことにしますから……」

301百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/07(土) 00:26:18
>>300(立花)

「得意なことでもあるならそっちで役に立ってもらっても……。
 衣装とか。裁縫出来るならそっちのが向いてるかもすな」

「にょろわあー。スゲエ困るんす。
 コーハイちゃんだけど……いいす、言っちゃうす」

やれやれと首を振って、手を見せた。

「よーく見てるすよ、よーく」

               メギャアアン

『百井』の手から『一挺の拳銃』が姿を現した。
『赤銅の銃身』に『白鑞のグリップフレーム』。
『象牙のグリップ』には『真珠珠』が象嵌されている。

銃身には『BFMV』と刻まれているのが読めた。

「『呪いの拳銃』す。でもうまく使えば超便利ィ〜」

302立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/07(土) 00:36:22
>>301
「裁縫ですか……この前やってみたんですけど……あんまり向いてないみたいですね」


さすがに指に針が刺さりまくるというベタなレベルの不器用ではないものの、
縫った箇所は結構雑だったことを立花は思い出した。


「う、うーん、プラモデルの塗装とかなら……え? はい」


お手と言われて前足を出す犬のように、立花は手に注目した。


「なっ……
 ……『呪いの拳銃』ですか。
 呪われているんですか?」

(実体があるな、『スタンド』? エリーちゃんが言うには妖怪だっているらしいからな。
 実際呪われた物品なんてものがあってもおかしくは無いのか?)


立花は少し怯えたように後ずさり、周囲を気にしてか、キョロキョロとあたりを見回した。

303百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/07(土) 00:48:27
>>302(立花)
「裏方なら細かい仕事を覚えつつやるといいす。
 で、これは『小道具』でもなんでもねえす」

「マジモンの『拳銃』なんすよ。
 『守護霊』で『拳銃』なんすけど……」

   チャ カキ ッ

弾倉のカバーを開くと、そこに持っていた『チョコ』を押しあてた。

       シュコ!
         シュコココココッ!

『チョコ』が吸い込まれて、弾倉の中に入っていった。
カバーを閉じると、撃鉄を起こしてから、銃口を床に向ける。

「リッカちゃんは美肌とか……若いから要らねえすな。
 うにゅぬん。『リラックス効果』とかのがいいかなァ〜?」

   チキ チキチキ

弾倉を回転しつつ、考え込んでいるようだ。

304立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/07(土) 00:56:23
>>303
「チョコ……? って、ちょ……ちょっと」


慌ててさきほど読んでいた本を持って盾のように構える。
が、文庫本だった。小さい。小学生である立花の顔も隠れない。


「何する気ですか……」

(『XTC』……は実際の車くらいの硬さはあるがここじゃ出せないぞ。
 あれも実体があるから、さすがに目立ちすぎる。
 というかなんで撃とうとしているんだ? 嫌だぞ。
 雰囲気的に撃たれても死にはしない……とは思うんだが、多分)


本を盾にしたままずりずりと少しずつ後ずさっていく。

305百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/07(土) 01:13:32
>>304(立花)
「にょわう! ダイジョブす!
 じゃあ見ててくれィ。スッゲえんす」

       ガボオッ

銃身を口の中に突っ込み――

             ガァアンッ!

撃鉄が落ちて――『撃った』!
当人は顔を仰け反らせたが、痛みはないらしい。

  ス      ォ  ワ ァ  ァア ア  ァ


『百井』の肌の色に『異常がある』。
顔の肌の色が……『薄れていく』。

「『美白効果』を『超一流』にしたす。
 『チョコの持ってる力』を『チョー強く』するんす」

306立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/07(土) 01:26:53
>>305
「わっ」


驚いて、後ずさっていた足が椅子に当たり、よろける。


「は、はあ……そうなんですか」

(俺が何も知らないただの子供だったら、
 こんなもの突然見せられたら騒ぎになるところだ……
 いや、案外、カッコイイとか興奮するものか? わからない)


とりあえず後ずさることは止めた。
そして再度周囲の目を気にする。


「それで、その……劇とは関係ないけど、
 その銃を練習できる場所を探していたってことですか。
 でもさっきも言ったけど、射撃場の場所は知らないのでこれ以上はお役に立てなさそうです」

307百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/07(土) 01:42:51
>>306(立花)
「そうすなあ。
 部員に使うなら、ちゃんと当てる練習しねえとならねえ」

「どーにか部長の伝手でなんとかするすー。
 リッカちゃんは今度の公演には来てくだっさい」

      ズギュ!


            ボロボロ

スタンドを解除すると、手の中に『チョコの弾』が零れ落ちた。
うーんと背伸びをすると、凝ったように首を回した。

「これ元に戻らねえから、靴墨でも顔に塗るしかねえすか。
                      F u c k
 ……『ミンストレル・ショー』みてえでクソタレだしなァ。
 しばらく寝て、解除されるのを待つとするす」

「リッカちゃんは早く戻ったほうがいいすよ」

308立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/07(土) 01:51:27
>>307
「ああ、劇には出さないけど、部員に使うんですね……」

(ん? そうすると部員も知ってるってことだよな。
 じゃあ演劇部の部室で練習したらいいんじゃないか?)


なにか色々誘われたが、一回見に行くくらいいいだろう。
立花は頷き、百井に促されて、文庫本を近くの棚に返却し、図書室を後にする……


「はい……あの、お姉さんのお名前は?」


前に、振り返って、問いかけた。
おそらくここで聞かなくても、演劇部のポスターかなにかを見れば演者の名前も載っているだろうが。

309百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/07(土) 01:59:23
>>308(立花)
  モモイ  チヤコ
「『百井 千夜子』す。友達は『ももちー』とか呼ぶす。
 個人的にはニンジャかよって感じがしてビミョーすな」

「部室は部室長屋の端の方す。
 でも、体育館とかを主に使ってることが多いす」

ばいばい、と手を振ってきた。

「じゃあリッカちゃん。さよなら〜」

310立花『リンネ・ラジオ』『XTC』:2015/03/07(土) 02:04:37
>>309
「百井先輩ですね。
 はい、さようなら。公演、楽しみにしていますね」


立花はちょこんと一礼して、図書室を後にした。


(名前は日本語なんだな……)

311小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 00:16:51

『銀杏羽 あすの』の創る部活に入る事になった小角。

さっそく部員勧誘をしよう、と思いたったが……

「ううむ……」

(……しかし、勧誘するにしても、いきなり話しかけるのもなあ。)

正直なところ、難航していた。

……とりあえず、考えながら中等部の廊下を歩いている。

312朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 00:22:44
>>311
ちょうど向かい側の廊下から歩いてくる人影がある。
「…5日間も顔出さないと、あんなに心配されるなんて…」
頭を抱えながら前をはっきり見ないで先へ歩いて行く。

「ちゃんと手紙は送ってあった…ような気がするんだけど…」
スマホを確認する。ドナート、高天原、荒咬。それ以外にもスタンド使いではない友達の名前が幾つか。

「心配されるのはきらいじゃないけど…
 さすがに友達関係の話ってつかれるわ…」
このままだとぶつかりそうだ。

313小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 00:31:03
>>312

(そもそも、どうやって誘おう。うまくやれるだろうか……あ、あまり騙すようなのも、よくないだろうしなあ……)

と、考え事が深まりつつあって、前への意識は薄くなっていたが……

(そういえば、ポスターを作るとか言っていたな。まだ貼ってないのかな……)

と、顔を上げると――

「ん」

   「うわ、と、と!」

……『朱鷺宮』がいたので、避けようとした。
が、少しバランスを崩し、倒れそうになる。

「うわわわっ」

ちなみに、ポスターは既に貼ってあるようだ。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1331990770/375

314朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 00:39:24
>>313
(…こんな部活以前あったっけ?)
帰宅部である涙音は部活についてはよく知らない。
だが、金言部などという部活は正直聞いたことがない…

「…とりあえず心配しないでとか全員に送っとくか」
そうつぶやいて文章を打ち込もうとして…

「あっ」
気が付くと涙音の目の前に小角が立っていて…
 避けようとして倒れそうになっていた。

「これは仕方ない…!」
涙音は小角が倒れるよりも先に

「彼女を助けてあげて、『フォートレスアンダーシージ』!」

ド ォ ン !!

彼女が倒れそうになっているところを滑りこむように
涙音の『女性軍人』の姿をしたスタンドが現れ、彼女を受け止めにかかる。

「だいじょうぶ…ですか?
 あの、びっくりさせてしまったかもしれませんけど…
 身体が『浮いている』のは何にも問題ありませんので…」
驚かせないようにと、涙音は声をかける。

315小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 00:47:11
>>314

(ま、まずい、こけるっ……)

ド ォ ン !!

「……!」

目と口を閉じていたが……

「……ん?」

      「あ、あれ……」

目を開くと、見慣れないスタンドに支えられていた。

「わっ、わ……なんだ、なんだ……!?」

慌てて体勢を戻そうとしつつ……

「だ……だいじょうぶ、だ。すまない……き、きみは確か……」

朱鷺宮は見たことがある。
朱鷺宮も、小角を見たことはあるだろう。

あるいは、小角が『探偵キャラ』で通っているということも、知っているかもしれない。

「こ、これは、きみの……?」

思わず、スタンドが見えていることを素直に言ってしまっている。

316朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 00:55:22
>>315
「よし、良かった…間に合って…」
と、ひと安心した所で…驚いているのを確認。
彼女が体制を立て直すのを見計らってスタンドを解除する。
「落ち着いていいですよー。これは…」
と、説明しようとした所で

「ん…あれ?あなたは…」
彼女の顔をはっきりと確認して…あ、と思いだした。
「あなたもしかして…小角さん?ホームズさんとか言われてる…」
…ちょっと変なあだ名だ。とりあえずそれで話は通っているのかもしれない。

「ていうか…あなたにも『見えて』るんですかぁ?!」
涙音はひどく驚いた顔で彼女の様子を見た


(…ほんとにこの学校にはスタンド使いが多いんだ…)
びっくりした顔のままでそう考える。
小角の調査では、少なくとも数カ月前までは
スタンドが全く見えていない『単なる一般人』だっただろう。

317小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 01:05:12
>>316

「ええと、そういうきみは、『朱鷺宮』さん……」

    「って、ほ、ホームズ!? そう呼ばれるのは光栄だな。ふふん……」

小角自身が強く意識するあだ名では無いらしい。
陰口、ともまた違うだろうが……

「……おほん。ともかくいかにも、わたしが小角 宝梦だぞ。」

と、頷いた。

「……まあ、一応見えてるとも。」

「ま、まあ、あまり大っぴらにしたくはないのだけど……ね。」

と言いつつ、手袋越しに自分の手の甲を軽くさする。

ちなみに、小角の探偵力は『見習い』レベルだ。
スタンドも乱用はしない。

「きみこそ、驚いたよ。スタンド使い……だったなんて。」

「なんだか強そうなスタンドビジョンだなあ……」

なので、朱鷺宮がいつから『そう』なのかは、知らない。

318朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 01:13:05
>>317
「そうそう、朱鷺宮涙音が私の名前。」

 「と言っても…中等部の一部でそう言われてるだけみたいだけど…」
探偵力が足りない! まだまだホームズへの道は遠そうだ。

「小角 宝梦さん、ですね。
 どうも、です。」
彼女も頷いて答えた。

「…そうですね。
 あんまり見せびらかすものじゃない、なんてことはよく言われてます。」
自分の鳩尾の辺りを軽く撫でながら、同意するように答えた。

「私もオドロキましたよ。小角さんがそうだったなんて…
 まぁ、私はついこの間『なった』ばかりなんですけど。」
軽く笑いながら、返事を返す。
「ええ、たしかに強いですよ!特にパンチ力が…
 これで『災い』の回避も可能なはず、です!」

 ぐっと両手を握りしめながら力強く答えた。
  小角から見て、以前までは物がぶつかってくることに終始怯えまくってた彼女も
   すっかり今は元気そうだ。

「探偵さんに依頼しようかなーなんてずっと思ってましたけど…
 なんだか何とかなりそうですよ〜。」

319小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 01:24:25
>>318

「そ、そっか。でも嬉しいな……ふふん。」

単に名前と掛けただけのあだ名だろうが、小角は嬉しげだ。

「……あ、うむ、よろしく朱鷺宮さん。」

微笑む。

「なにかと物騒だからね、気をつけなくては。」
「でも、ありがとう。」

見せる危険を冒しつつも、助けてくれたこと……に対してだ。

「なりたてか。わたしは、なってからちょっと経つね。」
「きみのみたいに、パワフルではないけど……ふふん。」

なんだか自信ありげに、胸を張る。
……と、気になるワードだ。

「災い……?」
「探偵に頼むような災いって、いったいなんだい?」

「あ、いや、すまない。話せないことならいいぞ。」

ちょっと気になる話だった。

320朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 01:31:37
>>319
「いずれはその上に『名探偵』もつくかもしれません!」
励ますように声をかける。

「その、どういたしまして。
 咄嗟に守れたりすると、やっぱり持っててよかったな…ッて思います。フヒッ」
いいことを言っているのに、最後の不気味な笑い方で台無しである。

「へぇ…どんなスタンドなのか気になります…」
涙音はスタンドを知るのもなんだか楽しみになって来たようだ。

「あーその…毎日、鳩尾に物がぶつかってくるのをどうにか出来ないかなーってずっと思ってまして…
 でもこれって、良く考えたら探偵のお仕事とは違います…よね?」
何度か鳩尾をさすりながら答える。
 そういえば以前姿を目撃した時にもボールが彼女の鳩尾にめり込んでたかもしれない。

321小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 01:40:38
>>320

「こ、こらっ。それはおだて過ぎだよ、きみぃ……」

などと言いつつ嬉しげだ。
ノセられやすいタチらしい。

「……おほん。」

「うむ、やはり持っていて良かったとは思うことも多いね。知り合いも増えたし……」

(なんだか不気味な笑い方だなぁ)

「……で、でも、怖いことも増えたからなぁ……だから、あまり出したくない。」
「ビジョンくらいなら、こっそり見せてもいいけど……」

一応ちょっとした恩人だし、警戒心は薄れ気味のようだ。

そして朱鷺宮の災いについてだが……

「……そ、それは、オカルトな話なはないのか……?」

「すまないが、探偵はあまりそういうのは得意じゃあ、ない。……痛いのか? 大丈夫?」
(み、みぞおちかぁ……そういえば、あの時も……うう、とてつもない災いだ。)

心配げな顔で朱鷺宮を見る。

322朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 01:46:53
>>321
「まぁ、いずれですよいずれ。」
軽い感じで言葉を返す。

「私もだいたいそんな感じです。
 『スタンド使い』の知り合いの人も割と増えたというか…」
ちらっと自分のスマホを確認しながら答える。

「あー…まぁそうですね。
 ヤバい人間が居るっていうのもわかってきますよね…
 とんでもない奴とか…」
スタンドを持っている人間の中には悪人も居る。
身にしみて彼女自身もわかっている。

「今ならきっと誰も見てません。
 ちょっとだけ見せてくだされば…」
軽く手を合わせながら、ちょっとお辞儀をしてみせる…

「ですよね…明らかにオカルトですよ。
 …それはまあ痛いですが…
 だんだんと慣れてきてしまって…鍛えられてきたんでしょうかね、これって…」
ほぼ毎日喰らっているせいだろうか。
随分と余裕が見受けられる。

「まぁ、こうして注意していればきっと大丈夫ですよ。」
軽く周囲を確認。同時に『金言部』のポスターにも顔を向けた
「そいえばあれって、最近出来たんですか?」

323小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 01:59:33
>>322

「そ、そうだね、いずれ……」

「ふふん……」

未来予想図を展開する小角。
ニヤケ顔だ。

と、すぐに頭を振って現実に復帰。

「うむ、友達も、仲間も増えた。」
「嫌な事もあるけど……それだけじゃあ、ない。」

いろいろな知り合いが出来た。
かけがえの無い人も。

だけど、知りたくなかった恐怖も知ってしまった。
巻き込まれてしまった。

齎されたのが不幸なのか、それとも幸なのかはまだ、分からない。

「……む、しょうがないねきみ、少しだよ……」

    「ちらっと、だよ。」

と、手を前に翳すと――

   ズオォ…

奇妙な四角い『盤』が現れた。
その四隅に『はい』『いいえ』『保留』『無関係』の文字。

中央部は、小角の手に隠れて見えないようだ。

「これがわたしの『イル・ソン・パティ』……だ。」

と、すぐに解除した。

「い、いやな慣れだね……まあ気をつけたまえ」「……と。」

小角の目がポスターを見つけた。

(な、なんだあの内容は……いや聞いてたとおりか?)
(……そ、そうだ。)

「……お、おほん。」

「じつはあれ、まだ出来ていない部活なんだ……わたしの、先輩が主導でね。」
「……興味あるかい?」

なんだか怪しい宗教勧誘みたいな空気になってきた。

324朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 02:07:34
>>323
「それがいつなのかはわかりませんが」

「確かに…頼れる人もきっと大勢いますよね。
 どんな怖いことも乗り越えられますよ…
 私は、少なくとも5人以上は見つけています。」
嬉しそうに答える。おそらくスタンド使いのことなのだろう。

そして、彼女が出したスタンドをじっと見つめる…
「これは…まるで『こっくりさん』みたいなスタンドですね…
 オカルトっぽい…です。」
無機物のようなスタンドは初めて見る。
彼女も興味津々でその姿を見た。

「慣れって…怖いですね。」
軽くつぶやいてみる…

「まだ出来てない部活?
 随分とでかでかとしたポスターですね。
 それになんだか…迫力もあるというか」
堂々とした佇まいのポスターを確認して…

「興味…たしかにありますね。
 言葉を学ぶ?なんて勉強になりそうです。」
どうやら興味津々のようだ。一気に押せばこのまま部員の仲間入りになる可能性が高い、

325小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 02:48:43
>>324

「うむ。いずれなってやるぞ。」

頷く。すごい探偵になるのは、小角の目標だ。

しかし。

「それは……どう、だろう。わたしにはわからない……」

……『小角 宝梦』は臆病だ。
慎重というより、臆病なのだ。

心の底から信頼してる人がいても、怖い物は怖い。
それは、探偵としてはどうなのだろう? 小角には分からない。

「お……オカルト…………こっくりさん……」
「……うう、そうだろう、そう見えるだろう。……見た目は探偵らしくない能力なのだ。」

人は見かけに寄らない、という。このスタンドも、その能力はじつに探偵的だ。

もっとも、軽々しく明かす気はしないのだが……

「……おほん。おほん。」

「まあ、そんな堅苦しい部活ではない……らしいぞ。」
「いろんなことをみんなでして、楽しむ……みたいだ。まずは、部員集めだけどね。」

「…………どうだい?」

本格的に勧誘に入った。

326朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 18:08:24
>>325
「頑張ってください!」
ぐっと拳を握ってエールを送り出した!
 気合を注入してるつもりなんだろう。

「不安はわかります…
 それでも、何とか今日を生きていくためには、
 そう思っていくのが一番だと思います。」
楽観視しすぎ、とも思えるであろうその言葉。
怯えていても始まらない。という一種の開き直りなのだろう。

彼女もかつてはひどく恐れていた。
でもこの町を愛するがゆえに、ウラもオモテも等しく愛することを決めたのだ。

「あー、でも探偵の人もダウジングをしてモノ探しをすることがあるみたいですし…
 こっくりさんも結構探偵らしいんじゃ…ない…でしょう…か」
とりあえず自分が昔見たことのある探偵アニメやドラマを思い返して答える。
まぁ、自信はないがきっと探偵らしいんだと思う。

「…確かにレクリエーションだったりキャンプだったり海水浴だったり…
 結構伸びやかな部活っぽいですね。
 ちょっとそういうのも楽しみ…フヒッ」
詳しくポスターの内容を見終えると、なるほどと頷いた。

「私がどこまでお役に立てるかわかりませんけど…」
どうやら興味津々。むしろ入りたいなーなんて思ってるようだ。
「とりあえず、部活が指導するときにはぜひとも参加させてもらっても…いいでしょうか?」
むしろこっちから頼んできた。

327小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 22:57:56
>>326

「ああ、がんばる……けど。」

「わたしは……」
「……大丈夫、と言い切れるような自信は、ないかな。」

と、少し俯く。

「……ああいや、すまない。すこしネガティブすぎたね。」

「…………ふふん、ダウジングなんかよりずっと優秀なんだよ。もっとも、こればかりは本当に見せられないけどね。」

先ほどよりは多少意思の強そうな顔で言い切った。
本当に隠したいところなのだ。

「うむ、決まりだね。ありがとう朱鷺宮さん。うれしいぞ。」

微笑む。副部長(予定)の役目を果たせたのは嬉しいところだ。

「……あ、そうだ。一応、連絡先を交換しないかい?」

スマートフォンを取り出す。

328朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 23:03:14
>>327
「…まぁ、言い切らなくていいです。きっと。」
彼女も色々と知ってしまった身だが…少なくとも今は穏やかに過ごしている。

「まぁ、今を生きましょう。」
と、彼女の不安な言葉を締めくくった。

「へー…ダウジング以上ですか。
 能力は見せてもらえなくても…興味を惹かれますね。」
感心した様子だ。
(…実際テーブルだとまるで能力が思いつかない…
 私のみたいな人型だと殴る蹴るは思いつくけど…)

「ええ、これからよろしくお願いします。
 どんな部活なのかなんだか楽しみですよ」
そう言って、彼女がスマートフォンを取り出したのを確認する。

「勿論、部員同士はしっかり連絡交換できないといけませんね。」
彼女は気にすることなく自分のスマホを取り出した。
ジャラジャラ
    ジャラジャラ
大量の開運キーホルダーがぶら下がっている。

「部員が集まったらご連絡して下さい。
 私も…できれば協力しますよ。」
そう言ってスマホを操作。自分の連絡先を見せる。

329小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 23:17:00
>>328

「うむ……」

小角は、朱鷺宮と同じか、それ以上に『危険』を感じている。

今この瞬間こそ、穏やかな暮らしの中にいるが……

「……そう、だね。今を生きる。大切なことだ。」

頷きつつ、スマホに朱鷺宮の連絡先を打ち込んで行く。

「すごい能力なのだ……っと、こんなものかな。」

登録が済んだようだ。

「ありがとう、あとでこちらからメールさせてもらうよ。」
「しかしすごい数のストラップだなあ……」

小角のスマホには、変なふくろうのようなキャラのストラップが着いている。

知る人ぞ知る、黄金町のマイナーゆるキャラ『こがねくろう』……だ。

「あと二人あつまれば、部活が動きだす……らしいぞ。そのときはまた連絡するよ。」

「……さて、そろそろわたしは行こうと思うのだけど。」

と、切り出した。

330朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 23:23:03
>>329
「守るべき時は、今の楽しい時間も其の一つですね。」
軽く呟きながら答えた。

「まぁ、いつか見せてもらいたいですね。
 と、こっちも出来ましたよ。」
こちらも登録を完了させ、ばっちりと連絡先をゲットした。

「ええ、お待ちしてます。
 …あ、これですか?まぁ…そうもなると思いません?」
とにかく見た目でご利益がありそうなストラップやキーホルダーばかりだ。

「『こがねくろう』ですか…UFOキャッチャーにもありましたが…
 なかなかいいものを持ってますねえ。」
楽しそうな顔で彼女の持っているストラップを見つめる。

「あと二人ですか…
 ならば始動はもうすぐというわけですね。
 楽しみです。」
改めて、『金言部』のポスターを確認。どんなことがあるだろうと期待している。

「なるほど、分かりました。
 私の方も、学校の中で興味持ってくれる人がいるか探してみますよ。
 これが部員の初仕事!という認識で!」

331小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/03/10(火) 23:40:01
>>330

「……その通りだ。わたしも、守りたいと思ってる。」

(こいつは……強いやつだ。)

その思いは小角にもあった。
ただ、怖いだけだ。

「ああ、それもそうか……」

災い除け、と判断した。

「……ん? これかい? ふふん、いいだろう……貰ったんだ。ふふ……」

キーホルダーを手で持ち、朱鷺宮に見せる。
どことなく小角に似てる気もする。

そして今、小角の顔はこの上なくうれしそうだ。
大切なキーホルダーらしい。

「お、おほん。まあともかく、その通り。もうすぐだ。」

スマートフォンをしまった。

「いっしょにがんばって集めようじゃないか。……じゃ、また会おう。」

そのまま、手を振りつつ歩き去る。

332朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/03/10(火) 23:45:12
>>331
「…大丈夫ですよ。
 きっと。」
励ますように答える。

「まぁその…ねえ。
 あんまりああいうことが起こるとこうなります。」
ジャラジャラとややうるさいストラップ達を見せる。

「いいなぁ…なかなかゲットできないものだというのに…
 にてますね。」
ぼそっとキーホルダーを確認して答える。

「ええ、あと2人…以外に速いかもしれませんよ!」
そう言って彼女も反対側へと歩き去っていった。

333ココロ『RLP』【高二】:2015/03/14(土) 23:44:51

「……」

     ガサ…

ここは校内の中庭。
ココロは買い物袋を持って、ベンチに座る。

時間は、昼休みが始まってすぐだ。
ベンチはまだまだ空いている。

334ココロ『RLP』【高二】:2015/03/16(月) 01:35:52
>>333

「……ご馳走様でした。」

何事もなくパンを二つほど食べ終え、教室に戻った。

(……平穏だわ……)

335銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/16(月) 23:09:13
「そろそろわたくしも部員集めをしないと、部長の面目がアレですわね」

  金の力でポスター貼りは終了している為、
  あとは部員勧誘である。
  ということで、校門周辺で押しの弱そうな生徒を探している。

336青田『トライブ・コールド・クエスト』:2015/03/16(月) 23:51:23
>>335
「何かお探しかな?」

高校生と大学生の中間大学生より、といった所だろうか。
改造が自由となっている制服を当然のように無改造で着ている青年だ。
その青年が君に話しかけた。

337銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/17(火) 00:35:10
>>336
「部員を探しておりますの」

  ちょうど押しの弱そうな少女(高校生)に逃げられたところで、話しかけられたので答える。

「『金言部』。わたくしが新しく作ろうと思っている部の名前ですわ」

  そう言って、ビラを渡す。
  なんかプロのデザイナーが作ったのか? って感じの出来栄えだ。

「貴方もいかが?」
   「部長が中等部だからといって気にする必要はありませんわ」

338青田『トライブ・コールド・クエスト』:2015/03/17(火) 00:42:43
>>337
「どうも」
ビラを受け取り、軽く流し見る。そういえばこんなのが張り出されていたか。

(……金を出してもらってレジャー、だったっけか?)
偏見交じりの自覚はあるが、以前見た限りだとそのようにみえた。

「ちょっと、幾つか質問いいかな?」
口元に右手を当て、目の前の少女にまず問う。

339銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/17(火) 00:43:49
>>338
「どーぞ、デリカシーのない質問でなければ何でも答えますわ」

  胸を張って応える。

340青田『トライブ・コールド・クエスト』:2015/03/17(火) 00:56:21
>>339
「ああ、有難う。それじゃあ……
・なぜ部の予算自体を使わないのか
・なぜ部を設立したか
・金言の定義
・もし入部する場合、君の私財以外で活動するつもりはあるか
の四つかな、取り敢えず思い浮かんだ疑問は。」

ビラを見ながらそれを問い、その後は真っ直ぐ目を見る。

341銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/17(火) 01:10:45
>>340
「気になり屋さんですのね」

  やれやれ、と言わんばかりに肩を竦め、質問に答え始める。
  説明は意外と懇切丁寧だった。まとめると以下の通りになる。


>・なぜ部の予算自体を使わないのか
特に理由はないですわ。
強いて言うなら部費には限りがあるから、ですかしらね。

>・なぜ部を設立したか
『金言』を学ぶ必要があるからですわ。
そして、どうせ学ぶならわたくし一人よりも大勢で学んだ方が
『面白い』し学ぶのもはかどると思いますしね。

>・金言の定義
簡単に言うと『お金にまつわる為になる言葉』ですわね。
お金をたとえにしたことわざ、お金に関係ある意味のあることわざ、
お金について説いた格言などなど……そんな感じですわ。

>・もし入部する場合、君の私財以外で活動するつもりはあるか
そのつもりですけれど、もし気が咎めるのであればお金のかからない活動や、
部費を徴収した上で活動するのもアリかもしれませんわね。
お金なら有り余っているので、そんなこと気にしなくて良いんですけれど。

342青田『トライブ・コールド・クエスト』:2015/03/17(火) 01:26:51
>>341
「何も払わずにそういう活動に参加すること自体に忌避がある人も居るものだしさ。
僕なんかもそうだしね。
それに取り敢えずは部費を使った方が、部自体のイメージが大分クリーンになるよ。」

最初と最後の質問の意図を説明するのと並行して、回答を吟味する。

(金言の定義が普通と違う。そして金言を学ぶ『必要がある』。それは相続などではなく、
かつ本来自身だけが解ればよい)(つまりごく個人的な事だ。なのに『必要』がある)
(面白そうだ。レジャーだのじゃあなく)(目の前の人物が駆られる『必要』とやらが)

「なら……」
「入ってみようかな、その金言部に」

そう言って、反応を見る。

343銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/17(火) 01:32:07
>>342
「本当ですの!」

  ぱあっと表情を明るくする。
  部員が増えるのは純粋に嬉しいものだ。

「部費についてはちょっと考えてみますわね。
 必要に応じて1000円くらい徴収することにするかもしれませんわ」

  勿論、それで間に合わせるつもりはない。
  銀杏羽的には『自分のやりたいことに巻き込んでる』時点で
  対価は十分にもらっている、という認識――なのかもしれない。

「確か宝梦が一人部員を確保したと言っていましたから、
 これで残るは一人ですわね。意外と早く部員が揃いそうですわ」

  誰に言うでもなく呟く。

344青田『トライブ・コールド・クエスト』:2015/03/17(火) 01:43:24
>>343
「うん、本当本当。部費についても了解したよ。」

表情が明るくなったのを見て取り、面白いからやっている、というのが嘘ではないと察する。
(であれば、より『必要』な理由が気になる。)

>宝梦
はて、どこかで聞き覚えがあるような。
そうか、先に入部していたのか。

345銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/17(火) 01:48:53
>>344
「あ、そうそう。自己紹介がまだでしたわね。
 わたくしは銀杏羽明日乃。中等部三年生ですわ」

  そう言って、白いドレスグローブに包まれた右手を差し出す。

346青田『トライブ・コールド・クエスト』:2015/03/17(火) 01:55:00
>>345
一瞬、『宝梦』が誰か思い出せず考えてしまい、反応が遅れる。
そうか、名字で呼んでる奴の名前出されたら一瞬思い出せないのも仕方がない……よな?
まぁ、彼女も金に煩いスタンドを持っているから、仕方ないといえば仕方ないだろう。

「僕は『青田普』『普く』のあまねに『青田刈り』のあおた。大学生。
それじゃあ、以後よろしく」

そう言いながら、握手しよう。

347銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/17(火) 01:59:29
>>346
「普、ですわね。よろしくお願いしますわ」

  がっちりと握手を交わす。
  握手が終わったら手を放し、懐から名刺を取り出す。

「これがわたくしの連絡先ですわ」

「それではわたくしは引き続き部員を探します。普も、あと一人ですが
 部員になりそうな人がいたら積極的に勧誘してくださって構いませんの」
                       「仲間は多いに越したことはありませんからね」

  そう言って、今度は中等部校舎へと向かう。

348青田『トライブ・コールド・クエスト』:2015/03/17(火) 02:08:34
>>347
「有難う。それじゃ、っと」

受け取った名刺を仕舞い、自分の連絡先を教えようとしたら行ってしまった。

「……部員になってくれそうな人が居たら勧誘、ねぇ。
 そんな知り合い居たかな……。」

あ、なんか自分で言って悲しくなってきたぞ……。
なんだかちょっぴり悲しくなったまま自分の次の授業の教室に向かおう。

349銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/20(金) 23:22:01
「さて最後の一人ですが……
 普のこともありますし、男性が良いかしら?」
        「でも、えり好みできる立場でもないですしねぇ」

  なんてことを考えながら、校門付近で部員を探している。

350ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』@臨時講師:2015/03/20(金) 23:32:34
>>349
「どうしマシタ?探し物デスカ?」

校門付近でうろうろしている生徒に、やや硬い日本語で、声を掛ける。

「最近、色々おかしな事件多いデス。
なるべく早く、お友達と帰るデスヨ、いいデスネ?」

351銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/20(金) 23:37:30
>>350
「部員を探しているのですわ」

  胸を張って応える。

   二コラは知っているかもしれない。
   最近、『金言部』という部を設立しようとしている少女がいるということ。
   その少女が金持ちで有名な銀杏羽明日乃という少女であること。
   強引な方法をとっているが、職員室では特に問題視されていないということ、などをだ。

「あと一人集めれば創部申請しようと思っているのですけれど……」

  早く帰るという二コラの言葉は、華麗にスルーしている。

352ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』@臨時講師:2015/03/20(金) 23:46:00
>>351
「なるホド、クラブ活動、とてもステキ」

銀杏羽の言葉に笑顔になる。
学生の内は、そういう活動はどんどんするべきだという主義だった。

「解りました、でもほどほどにしてくだサイネ?
それからメンバーの募集なら、掲示板も使う、いいデスヨ?」

着ていたダッフルコートを脱ぎ、銀杏羽の肩に掛けてやる。
春先とは言え、風が吹けばまだまだ冷えるだろう。北欧生まれの自分からすれば、大したものではないが。

「顧問の先生は決まっているのデスカ?」

353銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/20(金) 23:51:12
>>352
「既に、ですわ。少しでも早めたいから部長自ら広報活動していますの」
                        「これも『クラブ活動』の一環ですわ」

  肩にダッフルコートを掛けられながら言う。
  こう見えて、もらえるものならいくらでももらうタイプなのである。
  でなければ、親の金で富豪面なんてことはできないが……。

「そういえば顧問は決まっていませんでしたわね。
 そのへんは金の力で決めるつもりでしたが……」

  チラリ、とそちらを見る。
  顧問を依頼して受けてくれる人格かどうか、ということに
  考えを巡らせているのかもしれない。

354ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』@臨時講師:2015/03/21(土) 00:13:11
>>353
「そうデシタか。
早く集まる、いいデスネ。頑張ってくだサイ」

ドン

コートの下は薄手の縦縞セーターだったが、地味な顔に反してグラビアモデルも裸足で逃げ出すスタイルだ。
校門を通る、下校中の男子生徒の8割くらいがガン見している。

「?」

銀杏羽の視線にきょとんとする。空気は読めないタイプのようだ。

「まあ、顧問は無くても発足はできたハズ。ただ正式なものではないデスから、予算は下りませんケド…」

355銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/21(土) 00:21:07
>>354
「貴方、『金言部』の顧問をしてみる気はありまして?

  ご機嫌伺いをするような性格ではないので、直球で問いかける。
  部員と違い、顧問には依頼料以外に特にメリットを提示できないが、
  (活動に付き合う、という名目で一緒になって遊ぶことはできるだろうが)
  聞くだけ聞いてみる、ということはできる。

356ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』@臨時講師:2015/03/21(土) 01:53:58
>>355
「キン、ゲン…………?」

首を傾げる。

「…ワタシ、臨時講師デスから……。
契約延長の更新、しない限り、一年ほどしか教員は続けれないデス。
つまり、いずれ代わりを見つけないと、いけマセン。
それでも構わないなら、いいデスが……」

357銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/21(土) 01:58:20
>>356
「別に構いませんわよ? 更新し続ければ良いんでしょう?」

  臨時講師だからといって顧問が出来ないというルールは
  秋映学園には存在していなかったはずだ。
  更新できない理由があるならば別だが、そうでない限り問題はない。

「それとも、更新できない理由がおありでして?」

358ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』@臨時講師:2015/03/21(土) 02:06:57
>>357
「更新スルか、つまりワタシを雇い続けるか否かは、ワタシが決めることではありマセンから。
野球選手と同じ、デスね」

微苦笑しながら答える。

「…ワタシ、ニホン好きデス。
だから雇用し続けてクレる限りは、契約は延長し続けるつもりデス。

とは言え少なくとも、今年一年は大丈夫デスよ。『実家』で何事も無ければ、デスが…。」

359銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/21(土) 02:17:17
>>358
「ふぅむ」

  そういうことであれば、金の力で契約更新を打診することは容易い。
  容易いが、それを簡単に実行してしまっては『面白くない』と思う。
  何より仮に更新されても目の前の二コラが『どうせ……』と思って
  教員を自主退職する――ようなことがあれば、回り回って銀杏羽のマイナスだ。

(『金は万能。ただし全能ではない』ですものね)

  自らの座右の銘を思い返しつつ、内心で頷く。

「そういうことでしたら、全然かまいませんわ。
 ――ただし、もし更新に関係なく教員を辞めざるを得ない事態が
 起こったのでしたら、その時は遠慮なく相談してくださいまし」
         「せっかくの顧問が辞めてしまうのは『面白くない』ですし、協力しますわ」

360ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』@臨時講師:2015/03/21(土) 22:01:38
>>359
「解りマシた。では一先ず今年一年間、という事で、宜しくデス。
書類が出来たら、ワタシの所へ。
ただワタシ、臨時講師デスから、職員室にはデスクがありマセン。旧美術準備室を借りてイマスから、そちらに来てくれマスカ?」

指の長い、綺麗な爪をした手を差し出し、握手を求める。

「ええと………銀杏場サン?」

361銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/21(土) 22:11:48
>>360
「ええ。合っています。よろしくお願いしますわ」
                       「……ええと」

  真っ白いレースの長手袋で覆われた右手で、握手を返す。
  ……が、名前が分からない。
  中等部三年生の中でも比較的有名人の部類に入る銀杏羽は
  名前を知られても不自然ではないが、ニコラは臨時講師なので
  銀杏羽と接する機会はあまりなかった――。
  (彼女があまり他人に注意を払わない性格というのもあるが)

「名前、伺ってもよろしくて?」

362ニコラ・エバーホワイト『プリティ・メイズ』@臨時講師:2015/03/21(土) 23:05:57
>>361
「オー、先にワタシ、名前言うべきデシタ。ゴメンナサイ。
ニコラ、ニコラ・エバーホワイト、デス」

知名度は銀杏羽に比べれば低いだろう。
少なくとも─男子生徒ではない─銀杏羽は知らない程度に。

「頑張って、でも、日が落ちる前に帰る、いいデスネ?」

部員探しを手伝おうかと思ったが……止めた。
それも活動の一環であるし、必要ならば向うから申し出るだろう。

363銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/03/21(土) 23:27:47
>>362
「ええ。了解ですわ」
     「顧問の先生の言うことは聞かなくちゃ、ですもの」

「ねえ――二コラ先生?」

  そう言って握手を交わし、そして手を放す。

「それに、もう部員集めは良いかな……と思っているのですわ」
       「もう十分に人も揃いましたし、熱心になってくれる先生もいますので」

(メタ的に言うとそろそろわたくしのキャパ限界な気がするのですわ)

  そんな事情もありつつ。

「それでは、また後日お知らせしますわ。
 さようなら、ニコラ先生」

  手を振って、校舎へ向かっていく。

   カバンでも取りに戻ったのだろう――と思うかもしれないが、
   校舎に戻ったニコラは驚愕することになる。
   何故なら、戻るとそこには既に、創部手続きの書類が一式揃っていたのだから――。

364百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/23(月) 21:47:53
とー           こーこく
「塔のはーるかうーえ 広 告の  影」

「あーかいスーツのスナイパーを見よ」

放課後、屋上、双眼鏡。
下界を見下ろし、スタンドを発現する。

            メギャァアン

「遠のくキミを」  「飽くまで追う」

   シュコッ
        シュコシュコシュコシュコシュコッ

       effective range
「…………『有効射程距離』も理解しとかねえなー」

365甲三耀『ソナタ・アークティカ』【中2】:2015/03/24(火) 00:02:44
>>364

  バチバチバチバチ


見下ろす視線の先に貴女は見るでしょう。


      バチバチバチバチバチバチ


『校舎の壁面に仁王立ちする女子生徒』を!
『太陽電池』の髪留めに五本垂らした三編み。
同じ制服ですが小さな腕章には『風紀』の二文字。

「『スタンド使い』ですね」

366百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/24(火) 00:18:18
>>365(甲)
             ド ド ド ド ド ド
 HELL NO
「ありえねえ」   「スッゲ! スッゲえけど!」

       「『スタンド使い』ッ!」

         グルルンッ

掴んだ銃の銃口を、自分に向ける。
こちらの風貌は青灰色を帯びた白い髪、対照的な赤みを帯びた褐色の肌。

お互いに制服の袖の線から観て同級生のようだが――

        「『逃げなきゃマズいッ』」

                 ガアアンッ
                     ガアンッ

367甲三耀『ソナタ・アークティカ』【中2】:2015/03/24(火) 01:04:48
>>366
「驚くにはおよびません」
「こんなものは『太陽のビート』の『引力』操作によって壁面に立っているだけ・・・簡単な仕掛けです」

   バチバチバチバチ ッ!!

「そして『斥力』との複合作用! 『その銃で何をしようというのか知りませんが』ッ!!」

    シュバウ!!

一足で『飛び上がり』、『百井』と同じ目線の高さに! そして『ソナタ・アークティカ』、稲妻紋様の黒い甲冑様の『スタンド』!!
神速の指先(ス精AB)が、銃に手をかけます。『撃鉄を落とさせない』ためにッ!

「まずは学籍番号と学級、お名前を伺いましょうか・・・!」

368百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/03/24(火) 22:16:08
>>367(甲)
  Serious
 「マジかよ……この距離一足飛びとかァー。
  クンフーマスターでもなきゃありえねェー」

連射は元より――相手を狙ったモノではないッ!
撃ったのは己の両脚。『逃げるための備え』はしてあるッ!

「『マカチョコ弾』――『筋力強化』してるすよ!」

    スタ  タンッ

バックステップで間合いを詰めるのを回避!
撃鉄を起こしたまま、制止させる。
    Freeze
   「止まんな」  「弾ぁ残ってんす」

動くようなら迷いなく発砲。
どうせ『大したことにはならない』。

369甲三耀『ソナタ・アークティカ』【中2】:2015/03/25(水) 20:49:48
>>368
『強化』――するとしても(その能力自体は私には知り得ないとしても)、

「逃げられぬと観念しての自決かと、その潔さに心打たれるところでしたが」「あぶなかった」
「しかし」「『のろい』ですよ」

『斥力』の作用は、着地からノータイムでの『瞬発』、そして一歩毎の踏破距離の『増強』、即ち『百井』だけではなく、
『甲三耀』の脚力もまた『強化』されるッ!
退避した分だけ、間合いは充分詰めることができます。ならばその手の動き、指先一本に至まで、『ソナタ・アークティカ』の神速に優越するものは何一つありません。
『銃を持つ手の、それぞれの人差し指』を、外側から此方の手指三本(親指、人差し指、中指)でつまむように捕獲して、引きはがすーー(ス精AB)
トリガーを引かせない方向で制圧します。

370甲三耀『ソナタ・アークティカ』【中2】:2015/04/06(月) 22:14:12
>>369
結論だけを述べれば・・・
『百井』は瞬間的に『昏倒』し、保健室で目を覚ますことになりました。指先の痺れと頭痛は、二日ほどでスッキリ治ったようです。

371鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/09(木) 01:01:16
「学園生活の彩りは、友達との思い出?」

中等部の廊下を歩く少年が一人。
手にはカバーのかけられた本を持っている。
特に用事も無くうろついているようだ。

372小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/09(木) 01:17:54
>>371

(ううむ……)

すると、前方から悩んだ顔の女子生徒が来た。
鈴元は視界に入ってなさそうだ。

肩にかかる程度の銀髪に茶色の瞳。
目立つ容姿なので見たことはあるかもしれない。
あるいは名前とか、もっと言うなら所属部活が室内遊戯同好会と最近噂の『金言部』だってこととか、探偵を志してるという噂とか……いろいろ、知っていておかしくない。

ちなみに、このままだとぶつかる。

373鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/09(木) 01:27:20
>>372 (小角)
「友達作るんが呼吸するみたいにできるわけあれへんよ。お姉ちゃん、また適当な本渡してぇ。」

本を読むことに集中しすぎて前方不注意になっていたのだろう。

ドンッ!

目の前の少女に気づかず、ぶつかってしまった。

「あぁ、すいません。」

条件反射的に謝った後、相手が女性であることに気づき、固まった。
どこかで見たことがある。どこかは思い出せない。

「あ、えっと、君たしか小角 宝梦さん?」

374鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/09(木) 01:30:49
>>373
見た目に対する追記
鈴元は肩にかかるほどの癖毛の黒髪。服装は改造していない制服

375小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/09(木) 01:36:18
>>373


「うわっ」

         「と、と、と……」


軽くこけそうになったが……なんとか、耐えた。

(うう、最近よくぶつかるな……)

「す、すまない。前をよく見ていなかったよ。」

頭を小さく下げる。

「……んん? そうだけど、わたしを知っているのかい?」

「きみは、ええと……」

小角も鈴元を見たことがある……気がする。
名前が出てこないけど。

「ん、その本は……?」

(なるほど、こいつも前方不注意だったらしい。ううむ、そんなに面白い本なのだろうか?)

……と、鈴元が持っている本を認識し、何の本か見ようとする。

376鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/09(木) 01:43:13
>>375 (小角)
「知ってるっていうか、なんというか。」

思い出した、『金言部』の一員だとクラスメイトから聞いた人物。
不思議なクラブに入っていると聞いているなど、いいにくいだろう。
次の言葉に迷っていると、小角が本に興味を持っていることに気づく。

「あ、あきませんッ。これは、ほんまにあきません。」

初対面の女性に『これで安心!新生活のススメ!(民明書房)』などと書かれた本を見られることは
彼にとって恥でしかないようだ。
あわてて本を後ろに隠す。

377小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/09(木) 01:52:38
>>376

     「?」

「な、なんだ。へんに気になる言い方をしてくれるじゃあないか、きみ。」

『金言部』。
最近出来た部活で、部長は3年のお金持ちだとか、そんな噂だ。

(なんというか……何なのだろう? 噂で聞いただけ、だろうか。)

ともかく、小角としては気になるところだ。

(もしや、わたしは有名人なのかもしれないぞ。……ふふん。それなら悪い気はしないな。)

「……またもや、気になる言い方だ。きみ、わたしを気にならせるのが上手いね。」

これは本に対して、だ。
もっとも無理やり見てやろう! などという野蛮な考えはしない。

(ううむ、なんの本だろう……?)

しないが、視線は自然と本を追うように動く。

378鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/09(木) 02:00:04
>>377

「ほめても、本については教えません。」

何とか笑って外面を取り繕っておく。本は後ろに隠したままだ。
彼女は無理やり本を奪ったりしないだろう。
もっとも、男性が女性との力比べで早々負けるわけが無いとも思うが。

「どーしてもっていうなら、当ててみます?」

本にはカバーがかかっている。カバーをめくらなければ嘘を言っても分からない。
はじめから答えを教える気のない少し意地悪なクイズだ。
彼女をからかったりするつもりはない。ただ恥をかかないように、彼は行動するのだ。

379小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/09(木) 02:09:37
>>378

「むぐ、鋭いやつだ。」

(まさかわたしの知性的な作戦が破れるとは……)

褒めて見せてもらう作戦だったが即見破られた。

手強い、と小角は思った。


「……む! それはきみ、わたしへの挑戦と見るぞ。」

「わたしの推理力をあまり侮られては困るからな……見事当ててみせようじゃないか。」

この挑戦、受けよう。
小角 宝梦は探偵を志す……ここで逃げては名折れだ。

(ううむ、とはいえ、ヒントがないと無理にも程があるが……)

ちなみにカバーを外さなければバレないとかそういう小細工の可能性にには気付いていない。

「……きみ、少し、質問してもいいかな?」

380鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/09(木) 02:23:04
>>379 (小角)

(乗ってきた。)

たまたまではあるが、彼女が食いつくポイントをついたようだ。
このまま怒って帰られる可能性もあるかと思ったが、その心配は無いと考えていいだろう。
幸い彼の考えを見抜いているわけではないだろう。予定通りにことを進めよう。

「質問?ええ構いませんよ。せっかくの謎解きやしね。」

どうせ嘘を教えるつもりなのだ。何を聞かれても問題は無い。
質問の答えに不審に思われる部分や矛盾した部分がなければ大丈夫だろう。

「ただし、質問の回数は五回。無制限に聞かれたら困るからね。」

「ついでに自己紹介しておこう。最近転校して来た、鈴元涼。さぁ、質問五回で受けてくれるんよね?」

381小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/09(木) 02:36:09
>>380

(ふふん、乗ってきた。わたしのことを侮っているらしい。)

質問五回!
自然と1+1+2+3+4=11万円……という換算が出た。

……今回は自力だ。でなくては推理力を示せない。

「よし、じゃあまずは、一つ目の質問だが……」

(まずはジャンルから攻めよう。小説とか漫画なら、わざわざ隠したりは……)

(はっ……ま、まさか……)


小角はある事実に気づいた。必死になって隠したい本! それはつまり……


(え……エッチな本じゃあないのか……!!? ま、まさかこんな白昼堂々……!!)


愕然とする小角……鈴元を見る目が少し変わる……


「しっ、し……質問は、だな……ええと、うむ。」

「『わ……わたしが相手だから見せられないだけで、友だちになら見せられる本か?』」

思わず指の動きを追いそうになる質問の仕方だが、今の質問相手は人間だ。
鈴元のくれる答えを待つ……

382鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/09(木) 02:44:46
>>381 (小角)

(友達に見せられるか、か。)

これは答えを偽装する必要は無いだろう。
見せられるか否か、それだけだ。ほとんどの場合友人に見せられないような本を持ち歩く趣味は無い
彼は自分の友人を思い出す。三人だった。少し自分の交友関係に悲しくなった。

(ちょっと馬鹿にされるかも知れんけど、別の日に馬鹿に仕返せば言いだけの話やしね。)

「ん、ん〜。答えは、『はい』見せれるよ。」

383小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/09(木) 03:03:28
>>248


「…………!!!」

(や、やはり……わたし……つまり女子には見せられないが、男友達になら見せられる……やはりなのか……!?)

以前、教室でそーいうテーゾクな話題をしてる男子集団がいた。

つまり男同士は共有しているのではないか……という疑念。

「ううむ……」
(だ……だかさすがに、そんなものわざわざ廊下で読むのはおかしい気もする……)

「よ、よし。二つ目の質問だ。」

(こ、ここはへたに仮定せず、柔軟にいこう。柔軟に。)

「『その本を、みんな……例えばさっき出てきた友だちに見せたら、きみと同じように熱中して読むと思うかい?』」

鈴元は前が見えないほど熱中していたようだった。

つまり面白かったというわけだ。
それがはたして万人受けするのか、どうか。そこを質問する。

384鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/09(木) 03:18:37
>>383 (小角)

続いての質問は友人が熱中して読むか。
この質問の答えも、彼は偽装しない。

(『これで安心!新生活のススメ!(民明書房)』を熟読する友人?)

想像すると少し笑えてきた。クスクスと口元を隠して笑う。
確か本の目次に恋人の作り方も載っていたはずだし、彼の友人でなくとも人間関係に悩む奴は読みたがるかもしれない。
こんな怪しいハウツー本を嫌う奴もいるかもしれないが、それはどの本にもいえることだろう。

「それも『はい』や。でも、嫌いな人は嫌いかも。」

一応、注釈しておく。

385小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/09(木) 23:00:00
>>384

「……むう。」

『友達には見せられる』
『好き嫌いが分かれる』

(や、やはり……だろうか!? 男子でもそーいうのイヤなやつもいるだろうしな……)

小角は推理する……が、これは正しく『迷走』だ。
しかし、仮にも『探偵』を志す身。


      『ピコン!』


頭に電球が浮かぶイメージ。ふと閃いたのは良い質問……と自認する。


「三つ目の質問だ。……その本、みんなに……いや、友達に見せるために持ってきた?」


そーいう本をわざわざ学校に持ってくるなら、他に理由はあるまい。

小角は詳しくないが、そーいうのは一人で楽しむもの、とは噂に知っている……

(逆に、見せないのに学校に持ってくるならそれは……へ、変態としか言いようが、ない!)

386鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/10(金) 20:48:29
>>385 (小角)

第三の質問は『その本は友人に見せるために持ってきたのか』
答えは当然『いいえ』
これは転校してきた学園に少しでも早く馴染めるようにと彼の姉が渡した本だ。
暇つぶしに読もうと思って持ってきたもので、誰かに見せるために持ってきた本ではない。

(でも、あんまホンマのこと言うたら見抜かれるかもしれんなぁ。)

彼女はこの謎解きに意欲的な姿勢を示していた。しかも自分の推理力に自信を持っている。
日常生活で推理する場面がそんなにあるとは思えない。ただの自信家だろうか。
それとも本当に人より高い推理力を持っているのか。
真実は今の彼には分からないが、どちらであったとしても彼は本の内容を知られてはならないことは同じだ。

(や、まだええか。この質問は本の種類を把握するためのもんや。
まだ、核心を突く質問やないやろ。)

侮っているわけではない。彼女が高い推理力を持ってる可能性も考慮したうえでの決定であった。

「『いいえ』誰かに見せるためや無く、自分が読むためだけに持ってきた本。」

鈴元、ここでも答えの偽装行わず。
別に質問の答えをごまかさずとも、何の本かをごまかせばいいだけなのだ。
そこまで答えに気を張る必要は無いのだと心の中で呟く。

(あくまで核心を突きそうなときだけ、偽装しよか。
下手に嘘ついて疑われるほうがマズイわ。)

387小角 宝梦『イル・ソン・パティ』:2015/04/10(金) 22:45:22
>>386

「……そうか、ちがうのか。」
「となると……?」

顎に手を当て、探偵っぽいポーズで思案する。

(わざわざ学校に持ってくる……というより、『学校でも読みたい』が近いのかもしれない。)

つまり学校に持って来たことそれ自体に目的はない……という事。

(……つまり、ふつうに面白い本なのでは……?)
(質問は、あと二つ……)


「……すこし、考える時間をもらってもいいかな?」

そういえば、最初の一瞬は本が見えていた。
カバーがついてた気がするが……

(雑誌では、ないな……うむ。カバーということは、表紙を見られたくない……つまり……まんが、ではないだろうか?)

記憶の片隅から拾うに……本の大きさはどれくらいだったろう? 思い出してみる。

388鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/11(土) 00:11:59
>>387 (小角)
全部で五つの質問の内三つ目の回答後、小角が取った行動は思考であった。
もちろん今までも考えてから質問をしていたが、長考ととってもいい姿勢。

(次の質問である程度核心を突く……つもりなんかなぁ。)

背中側で隠した本を何度か触る。
大きさは文庫本。だが厚みは普通の文庫本と比べて薄い。
小説というよりはエッセイのサイズだろう。

(好きな作家さんの随筆ということしとこ。)

とりあえず彼の中で怪しいハウツー本は上質なエッセイへと変化したらしい。

389小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/11(土) 00:29:32
>>388

(まんが……にしては、小さかった気がする。文庫くらいの……)

文庫サイズの漫画もある。
……が、小角は詳しくない。パッとは出てこない。

「……よし、まとまった!」

(あと二つの質問……そのうち一つ! 貴重だが、確認に使うぞっ。)

四つ目の質問は・・・

「……おほん。その本は、文庫本である?」

文庫本であれば、十中八九は小説か何かだろう。

(……しかし、文庫の小説なら、なぜそうまでして隠すのだろう?)

390鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/11(土) 00:45:31
>>389 (小角)

「ん。せやで。」

表情は崩さなかったものの、鈴元は内心驚いていた。
先ほど自分が本の大きさを確認していたからだ。
どうやら彼女は本物らしいぞ、と注意する。

(本の大きさが分かっても、種類までは分からんよね。
でも、どうなんやろ。実際どのへんまで答えが出てはる?)

本を見せなければ大きさだってごまかせただろうが、それは意地が悪すぎるだろう。
さすがに初対面の女性にそこまではしない。

「さて、次で最後やね。どない?名探偵さん?」

五つの質問の内、四つを消費した。残り一つがどんな内容であれ、それで最後だ。

391小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/11(土) 01:00:56
>>390

「……ふふん。」

      ニコリ!

笑みを浮かべる小角。
これは会心だ。だいぶ、絞れた。

(残り一個の質問……これで最高まで絞りきる!)

(人にあまり見せたくなくて、好みが分かれる、一人で読みたくて、文庫本……)

「……ううむ」
「むう」

     「むむむ……」

「……!」

(それなら、だ……)

「……よし、5つ目!」

「その本は、ポエムとか詩の書いてる本であるっ!」

自信ありげに、最後の質問をする!

392鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/11(土) 01:23:52
>>391 (小角)

(違うけど。)

四つの質問、その全てを本心で答えた。
答えをごまかさず、自分の思うままの返事をした。

(正直、当てられるんちゃうか、とおもたけど。はずしてはる。)

ハウツー本でもエッセイでもなく詩集であった。
この時点では、はずれだ。ここで彼が『はい』と答えれば、彼にとって最高の終わりを迎える。
彼女は正解したと思うだろう。彼女は自分の推理力にさらなる自信を持つかもしれない。
彼はそもそもの目的である、友達を作ることを目的とした怪しげな本を読んでいたとバレることもない。
win-winだ。誰も損はしないはずだ。しないはずなのだが。

(この自信満々なとこ見とると、ちょっと申し訳なくなるわ。)

「答えは『いいえ』」

静かにだがはっきりと言った。

(ここで『はい』というのは簡単。でもどうなんやろ、なんも知らん女の子を騙すのは背中の桜に反するんやないやろか。)

背中に彫られた桜の刺青を思う。華やかで気高い桜のようになりたいと願い彫ったのだ。
それに従うべきなのかもしれない。

「一つだけ、聞いてええかな。『君は推理することになんか特別な感情を抱いとる?』」

393小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/11(土) 01:42:46
>>392


「うっ…………ぐ、ぐぬ……」


突き付けられた『いいえ』。
これで、終わり。

(あと一つ、一つでも……質問ができれば……っ!!)

(……いや……できない。
 できないから、勝負なんだ……)

「く……くやしい、けど。わたしの負けらしい……」

ここで駄々をこねるのは、情けないと思った。

諦めないことは肝心。
しかし……今こねる駄々は、諦めないのとはちがう。

「……」

「わたしは、将来……探偵になりたいんだ。」

「だから、推理を磨かなくてはならない。……まだまだ、みたいだ。」

推理、捜査。小角の目標はその先にあるものだ。

394鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/11(土) 02:06:31
>>393 (小角)

小角の言葉を鈴元は静かに聞いていた。
そして大きく深呼吸すると

彼女に向かって深々と礼をした。

「一つ謝っとかんといかん。僕は君を騙そうとした。」

本を彼女に手渡す。

「これは確かに『詩集』やあない。ただ僕は君がなんと言おうと『不正解』にするつもりやった。
こんな本読んどるとバレるんが、嫌やったからね。」

「正直『はずしてくれてよかった』当てられたら僕は君を騙しとったかもしれんからね。」

395小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/11(土) 02:22:44
>>394

「……えっ、だ……騙す?」

「……」
「……なッ……」

    ぎり。

からかわれていた。そう感じた。

「そっ……それならっ! 普通に隠せば良かったじゃあないか……!」

「見られるのがいやならっ!」

わざわざクイズにした。
そこに、『悪意』を感じたのだ。

「……」

「……ふんっ。まあいいさ、わたしが間違えたことに、変わりはないわけだし。」

どうしても、気持ちにかりかりした物は残る。

……が、ふと思った。

「でも、きみ。なぜ、わざわざそれをバラすんだ……?」

396鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/12(日) 16:41:42
>>395 (小角)
「ごめんな。批判は甘んじて受けるわ。」

彼女の反応は正しい感情だと鈴元は思う。
一度落ち着いて考えればどうとでもできただろう。
そうせずとも、見せないとキチンと言えばこうはならなかったはずだ。

「……桜に反するから。」

なぜバラしたのかと聞かれ、彼はそう答えた。

「僕は桜の花のようになりたいと思うとる。気高く華やかな桜の花に。」

「あそこで『これは詩集』って言うんは簡単。でも君の自信に満ちた顔見たらな、申し訳なくなったんよ。
見ず知らずの女の子を自分の面子のために騙すんは背中に彫った桜に顔向けできん。」

397小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/12(日) 19:25:22
>>396

「あ、いや……そ、そこまで怒っているわけでは、ないのだけど……」

素直に謝罪され、かえって気まずいような……ってところだ。

(し……しかし、意地悪なやつだということに変わりは……)


「……桜?」
「…………」

「……そう、か。ふふん、なんだ、なかなかかっこいいことを言うじゃないかきみ。」

騙されたのは事実。
しかし、種明かしはあったし、深刻なウソでもない。

ちょっと遅めのエイプリルフールみたいなものだ……

「ともかく、きみの背中の……桜に免じて許してあげよう。もうウソはやめてくれたまえよ?」

「いいね?」

(……しかし、こうなると、その誇りに反してまで隠そうとした『本』とは、いったい……?)

(……)
(……彫った? 桜……ま、まさか刺青……つまり……?)

様々な思念を渦巻かせつつ、鈴元の返答を待つ……

398鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/12(日) 20:30:52
>>397 (小角)
「かっこええて……そらどうも。」

作り笑いが消えて思わず無表情になる。

(どないな顔したらええか分からへんわ。)

何度か癖毛の生えた頭を掻いた。
一度深呼吸をして心を落ち着かせる。

「嘘も方便。やけど、今日みたいなんはつかん方がええな。」

399小角 宝梦『イル・ソン・パティ』【中二】:2015/04/12(日) 21:29:22
>>398

(ちょっとお世辞っぽかったかもしれないな……)

しかし、小角もまた、『目標』を己に刻んだ身。

鈴元の主張には実際、『共感』――のような、感じるところがあった。

それは事実だ。

「……?」

(……今日みたいなウソが、それこそ『方便』なのではないか? ううむ……?)

「ああ、うん。ともかく、悪いウソはだめだね。」

二回ほどうなずく。

「……」

      ちら…

(む……そろそろ、時間だ。)

腕時計を見た。部活に行く時間だ。

「あー、おほん。」
「では、わたしはそろそろ……またいつか会おう。」

その場を立ち去る。

400<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

401鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/04/12(日) 22:26:07
>>399
「あい。じゃあね。」

手を振って彼女を見送る。
彼女の姿が見えなくなると、先ほどのことを反省する。

(あんな本読まんでも、友達作れそうやわ。ま、がっつくほどほしないけど。)

彼はそんな事を考えながら、家に帰った。

402佐香月菊生『ザ・ロード・オブ・ディシプリン』:2015/04/18(土) 01:15:31


  「……次。問いの3、下線部を『和訳』せよ」


うららかな午後の教室。
心地よい暖気と、わずかに開けた窓から流れ込む春風。
……絶好の昼寝日和だ。


  「最も正答率の低かった問題だが……
   ……『既に』。基本的な文法は説明してあったはずだ」


その『教師』は、まるで嫌がらせのように、抑揚のない声で淡々としゃべる。
石と石をこすり合わせたような、重苦しく掠れた声が、一層と眠気を誘う。

多くの生徒たちは、懸命に眠気と戦っている…!
既に幾人かは意識を落とし… 或いは、勤勉な者はそれでもノートに食らいつく。
科目は英語。新学期開けて早々の、抜き打ちテストの返却&解説の時間だ。


  「……>>402。答えてみなさい」


と、一人の生徒に指名が飛ぶ。
正しく答えられるか、あるいはそもそも聞いていたかは、その生徒の普段の学業への態度次第だろう。

403佐香月菊生『ザ・ロード・オブ・ディシプリン』:2015/04/19(日) 01:12:01


  「……ム。欠席か」 「では、次の番号の……」


眠気に満ちたまま、授業は続く……。

404王禅寺 宗吉『アズ・ユー・ライク・イット』【高1】:2015/04/23(木) 23:25:16
「やばいやばいやばいやばい」

小声でひたすら何事かをブツブツと呟きながら高校の校舎の廊下を早歩きする、背丈の低い少年。
胸元には何かを抱え、学生カバンも後ろに背負い、紅潮した顔と動揺したような目つきで足を動かす。
人気の少ない方へ向かっているようだ。明らかにタダ事じゃない形相だが……。

彼の髪は一般的な男子生徒とくらべてかなり伸びているし、ツヤも滑らかさも女子と比肩するほどの美しさを持つ。
手入れが行き届いてることはひと目でわかるだろう。
その面立ちが童顔であることから、一見女子と間違えても不思議ではない。男子制服を着用してはいるが。

405王禅寺 宗吉『アズ・ユー・ライク・イット』【高1】:2015/04/26(日) 20:51:32
>>404
男子生徒はそのままどこかへ逃げていった。

406高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/05/02(土) 00:39:31

「……はぁ。最近不幸続きだぜ」

 昼時。

 学食の机に肘を付きながら、一人の青年がため息を吐く。


「(それもこれも、大抵がスタンド絡みの気がすんだよなぁ)」

 青味がかったくせ毛が特徴の、背の低い、なで肩の生徒だ。
 学生服を着ていたら、高校生とも間違われるかもしれない。

 くるくると、片手に持ったフォークでパスタを巻いている。
 ペペロンチーノ。悪くはないが、正直パッとしない、ぼやけた味だ。
 ランチタイムに、青年の顔は浮かない。

407朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/02(土) 01:44:20
>>406
「…うう…」
食堂の入口の方から苦しげな声が響いてくる。

「何も…食事前に来なくて…も…」
鳩尾の辺りを抑えながら、特徴的な2本の飛び出た髪の毛と、前髪の一部を赤く染めた生徒が入り込んできた。
かなりつらそうだ。

408高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』【大二】:2015/05/02(土) 01:51:04
>>407

  「んん!?」

  見た顔だ。
  先日白亜荘に入寮してきた、『スタンド使い』の少女…
  病院に入ったと聞いていたが…


   「と、朱鷺宮…さんッスよね?」

  当然の如く、声をかける。
  知り合いが、しかも何か苦しそうな表情をしているので。

  そして、隣の空席に置いていた鞄を、さりげなくどける。

409朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/02(土) 01:56:05
>>408
「うーあー…
 あなたは確か…高天原さん…」
軽くため息を付いて、ちらりとかばんがどけられた空席を見る。

「すいません…
 まもなく…平気に…なる、ます…」
そう言って椅子に腰掛けてお腹を擦り始めた。

「…サッカーボールを喰らったんです。
 おもいっきり強烈なやつ…を
 何故か廊下でサッカーしてる人がいて…」
なぜこうなったのか、と聞かれそうに思ったのか、
質問する前に答え始める。

410高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』【大二】:2015/05/02(土) 02:04:30
>>409

  「と、とりあえずコレを……」

   先ほど、ランチと一緒に買ったペットボトル飲料を差し出す。
   飲み物でも飲んで一呼吸置け、という意味だ。

  (……ジンクスの話、マジだったんだな…)

   朱鷺宮のラッキーアイテムへの執着や、その原因となったジンクスについて。
   既に聞き及んでこそいたものの、そのあまりの有り得なさに半信半疑だったのだが…

   これでもう、疑うようなことはないだろう。


  「まっ、中学生くらいの年齢なら、廊下でサッカーもするよなぁ」

  「……あ」
  「それ、ペットボトル。口付けちゃってるやつなんだけど、そういうの平気?」

   さらっと尋ねる。
   このあたりの感覚は、活動的な大学生のソレだ…。

411朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/02(土) 02:21:28
>>410
「はぁ…ありがとうございます。」
そう言って差し出されたペットボトル飲料を受け取る。

「いやー…もうなれ…
 いや、慣れはしませんけど、回復早いんですよね…
 結構」
軽口を叩く程度には回復しているようだ。

「それはそうですけど…
 体育館とか校庭とかでやったほうが楽しいと思うんですけどね。」
そう言って軽くペットボトルに口をつけて…

「ん?…んー、問題無いです。」
口つけたとかそういうのを気にせずにぐいっと中身を飲んだ。
結構豪快に見える。

412高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』【大二】:2015/05/02(土) 02:30:42
>>411

  「まあ、思いっきり動き回れる分、
   広い場所でやったほうが良いってのはあるな」

   ほのかに果物の香る、透明な水。
   自然な甘みと共に、口の中に広がるだろう。

  「だけどなー、狭い場所だからこそ生きる戦略ってのもあるんだぜ」

   ちっちっ、と、高天原が指を振る。

  「広い場所だと、足の速いヤツがどう考えても有利だからな。
   壁や柱を上手く使った戦略ってのは、グラウンドじゃあどうしても…」

   得意げに語る高天原…
   コイツ、常習犯か?


  「と、そういえば」
  「入院したってメールを見た気がするけど…
   大丈夫だった? どうしたんスか、アレ」

  唐突に、思い出したかのように尋ねる。

413朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/02(土) 02:40:39
>>412
「ふー…あ、さっきよりも良くなってきました。」
ある程度ドリンクを飲んだ辺りで、軽く息を吐きだした。
体に染み込む感覚が痛みを癒してくれる。

「なるほど、なるほど…
 つまり足の早さという力の差を埋めるために、
 あえて狭い所で…」
結構素直に感心している。
サッカーボールを土手っ腹に喰らった割にはそれほど気にしてないようだ。
「って、結構詳しいんですね。」
ふと、そう言えばと質問を返した。

「あ…えーっと、サナトリウムのことですか?」
そう言えば手紙…送ってたなと思い出した。

「んー…ちょっと心の治療をしていました。
 外傷とかではないですよ?
 色々と、あったものでして…」
サナトリウムのことを軽く思い出しながら答える。

414高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』【大二】:2015/05/02(土) 02:45:33
>>413

  「俺とか、昔からチビだったからさー。
   でかいヤツとか、運動できるヤツをどうやって
   出し抜いてやるかって色々考えたもんだぜ」

   話す高天原の目は、活き活きとしている。
   実際、高天原は男子大学生にしては小柄だ…

   が、


  「こ、『心の治療』……?」

   その単語にうろたえる。
   体の怪我よりも、現代社会においては、精神の怪我の方が重く見られがちだ。
   高天原も、その例に漏れない。

  「そ、それは、その…なんというか…」

   深刻に受け止めたようだ。
   クロオズアップ現代、女子中学生の抱える闇! とか、そんな感じだ…。

415朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/02(土) 02:51:00
>>414
「そう言えば、見た目はまだ高校生くらいに見えなくもないですね。
 高天原さんは。たしかに小柄なのはハンデになりますからね…
 やはりそういうときは策を凝らして行動するのが正しいんでしょうね。」
少し楽しげに返答する。
こうもいきいきした話し方を見ると、
年齢がもっと近く感じるものだ。

「あ、でもそんな気にしなくていいですよ。
 5日間入院したらすっかり気分が軽くなりましたから!」
腕を大きく振って元気アピールをしてみる。
「あそこは食事が美味しいし、暖かいところなんですよ」

416高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』【大二】:2015/05/02(土) 02:56:56
>>415

  「うぐっ」、と、何か言いたいことを飲み込んだ音。
  「ま、まぁ、そっすね…」と続ける。

   欠点を自分で言及するのと人に言われるのとでは、痛みが違うものだ。

  「フーン… 元気になったんなら、安心ッスけど…」
  「あんまり溜め込んだらよくないッスよ。普段から。
   特に、女性は色々ストレスもあるっしょ。」

   高天原なりに、朱鷺宮を気遣っている。

  「でも、精神病院で入院?
   どういうことするんだろ。カウンセリングとか?」

   興味が沸いたらしい…

  「なんにせよ」
  「飯がウマイのは良いよなァー」

   と、気だるげにペペロンチーノを巻いている…
   量は普通で、ただ麺に味が付いて、申し訳程度のキノコとベーコンが入っているだけの…
   それでもコスパから学生の人気は高いメニューなのだが、あまりお気に召していないようだ。

417朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/02(土) 03:04:34
>>416
「あーえっと…すいません。」
ちょっと平気な顔で言い過ぎたと考える
(さすがにそういうのを平気な顔で言うのはマズイ…)
心の中で反省しつつも頭を下げた。

「ストレスはまぁ、色々ありますね。
 …なにか飛んできたらどうしようとか、
 日常的なストレスは特にいっぱいあります。」
そう言ってまたお腹を抑える。
日常的なのは確からしい。

「精神病院…というほど堅苦しいものではありませんけど…」
そう言ってチラリと高天原の食べているものを見る。
「まぁ、最初に何に悩んでいるのか、
 心の重みになるものはなにか。そういうのを話すことから始まりますね。
 その後は…とにかくゆっくり心の整理をつけるだけです。」

そこまで言ってからお腹が鳴り始める。
グー グー

「すいません…ちょっと何か頼んできますね。」
そう言って食券を取りに行く。

…少し時間が経って
「今日はとりあえずこの気分です。」
バターライスとハンバーグのランチセットを持って帰ってきた。

418高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/05/02(土) 23:41:41
>>417

  「あー… そうなんだ」
  (やべ、逆に気を使わせちまったようだ)

   わずかに気まずい空気が流れるが…

  グー グー


  「あ、お、おう。行ってらっしゃい」
  (さっきと言い、無頓着な子だな…)

   特に腹の虫を恥ずかしがるでもない朱鷺宮に、少し気が抜ける。



       ------- 幕間 -------


       「……ハァ。まっ、大衆向けの食堂じゃあウマい方だが…
        どうも最近、『ペペロンチーノ=シンプルなピリ辛パスタ』みたいな風潮だぜ。
        無駄に具なんか入れちゃって、オリーヴとニンニクの香りが台無しだ。

        ペペロンチーノってーのは、そうじゃあねーんだよなぁ。
        シンプルな食材だけ使って、最低限の素材で味を追求する…
        ピザでいったらマルゲリータ、鍋でいったら水炊きみてーなもんだ。
        ペペロンチーノは『引き算』の料理、って言葉まであるくらいなのに……

        こんなもん、ペペロンチーノじゃあなくって『スパゲッティのペペロンチーノ風』だぜ。」  ブツブツ


       ------- 幕間 -------


  「…おかえり。結構ガッツリいくんスね」

   朱鷺宮が戻ってくるまで何かをブツブツとつぶやいていたらしいが、
   ハンバーグプレートを持ってきた少女に気付き、顔を上げる。
   『ガッツリいく』というのは嫌味というわけではなく、素直な感想だ。

419朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/02(土) 23:47:13
>>418
「…さほど気にしなくていいですよ。
 その、日常になるとほんとに慣れてしまうので」
逆に気遣うように高天原へ声をかけた。

「まぁその、ハンバーグとか好きですからね。
 お母さんが作ってくれたのは特に良かったんですよ。」
そう言いながらハンバーグを丁寧に切って口に入れる。

「お、チーズ入り。」
切った場所からトロトロチーズが流れだした。

「スタンドを手に入れるまでは不安でいっぱいで
 結構食が細かったんですよ。
 でも身を守る力を手に入れて、でしょうかね。
 ずっと前くらいの食欲が戻ってきたんです。」

420高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/05/03(日) 00:32:03
>>419

  『お母さん』の言葉に、ピクリと反応する。
  彼女の親は確か…… 少し子供に対して過保護なのだったか。

   「……まっ、実家の味が一番って言うしな」

  『ペペロンチーノ風』をフォークに巻き、一口。

   「いざって時に頼れる力があるのは心強いッスよね。
    それのおかげで前向きになったり、踏んばったりできる」

  ウンウン、と頷き、

   「……でも、そのせいで逆に変なことに巻き込まれたりもするからなぁー」
   「一長一短だぜ」

  すぐに手のひらを返した。
  どうにも意見が一貫しない。

421朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/03(日) 00:37:24
>>420
「自立するって決めたつもりなんですけどね。
 こう、時々恋しくなります。」
そう言ってハンバーグをどんどん食べていく。

「結構パワーがあるから、
 なにか飛んできたら(不意でなければ)受け止めたり
 弾き飛ばしたりも可能なわけです。そう思うと、
 気分が軽くなります!」
そこまで言った所で、変なことにと聞いて少し真面目な顔になる。

「今から数ヶ月くらい前、立て続けに色んなテロっぽいことも起こりましたからね。
 なにか大きな事件が起こると…『スタンド使い』のしわざかな?なんて頭で考えることがありますね。」
そう言ってため息。
「さすがに考え過ぎ、でしょうか?」

422高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/05/04(月) 01:36:07
>>421

  「…いや。考えすぎじゃあないな」

   パスタを巻く手をぴたりと止め、ふと顔を上げる。


  「この町に限っちゃあ、十中八九はスタンド使いだと思う。
   外国人の、アブネー集団にも目ェ付けられてる町だし」

   そうじゃなくとも、と続け。

  「……それに。朱鷺宮さんだって、考えたことない?」


   高天原は、じっと瞳を覗き込み、問う。


  「『パワーがあって、何か飛んできても防げる、他の人には見えない力』」

    「それだけか?」

     「もっと色々できるんじゃあないか?
      それも、誰にもバレずに。フツーじゃ出来ないこと」


     「ちょっとしたズルから、法律じゃあ禁止されているようなタブーまで」


   声音は落ち着いている。
   先ほどまでの、チャラついた調子ではない。
   その目は朱鷺宮を見ているようで―――

   「意外と他人事じゃあないんだぜ」
   「普段フツーに生活してる人ほど、そういう欲に目覚めちまう」

   もしかして、自身に問いかけているのかもしれない。

423朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/04(月) 02:05:42
>>422
「ああ、その…
 あぶねー集団の話はなんとなく知ってます。
 ほんとになんとなくだけですけど」
ちょっとだけぼかして答える。

そして高天原が、自分の目を覗きこんで答える。
それは『スタンド』を持つものの『欲』と言うものについての話…
「…ちょうど、私がスタンドを手に入れた時、その瞬間。
 一瞬、いや、一時だったかもしれませんが…思いました。そんなことを」
涙音も、他人事ではないことを自覚しつつ、ゆっくり答えた。

「でもそう思った直後に、ボールが自分に命中して、
 一気に引き戻された、ような気がします。
 『何でも出来る』なんていうのは『驕り』なんだろうな、って。」
そう言って改めてみぞおちを擦る。

「…出会った人たちがそう言う『なんでもしたくなる』人じゃなかったのも、
 私にとって、道を違えずに住んだ幸運なのかもしれません…」
自分を抑え込める理由について、少し穏やかな顔で答える。
黄金町、少なくとも白亜荘の人間はそう言う悪意を持ってはいないと考えるからだろうか。

424高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/05/04(月) 23:32:10
>>423

  「…………」

   高天原は、しばらく黙って話を聞いていたが…
   朱鷺宮が話し終えると、ふ、と視線を外した。

  「まっ、朱鷺宮さんは自制心強そうだし」
  「いらねー心配だな」

   その表情は、何かに安心したようでもあり…
   自身に失望したようでもある…

  「『なんでもできる』って思うのは驕り。ホントその通りッスね」
  「ごちそうさまでした」

   手を合わせてそう言うと、ガタ、と椅子を引く。

   席を立つつもりのようだ。
   なんだかんだ文句を言いつつ、いつの間にか完食していたらしい。

425朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/04(月) 23:35:21
>>424
「まぁ、気をつけてますよ。
 『スタンド』は見せびらかすものじゃないって…
 巴さんからも言われましたし。」
そう言ってまたハンバーグを口に含む

「あ、速いですね。
 いや…私が遅いのかも」
いつの間にか食べ終えていたのを見て少し驚いたようだ。
まだ涙音は半分ほどしか食べてない。

「とりあえず自分が知っておくべきなのは
 『何が出来るか』です。私の『スタンド』の出来る限界…ですね。」
少し真面目な顔で答えた。

426高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2015/05/05(火) 00:30:39
>>422

  「ゆっくり噛んで食べな」

   微笑む。
   そもそもパスタとハンバーグプレートじゃあ量も違う。

  「あんま気ぃ張っちゃダメっすよ。
   『何が出来るか』もいいけど。
   スタンドがあるからって何かしなきゃいけないわけじゃあないし…」

  「あれば便利で、それでいいじゃねーッスか」


   最後にそう呟いて、立ち去った。

427朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/05(火) 00:34:46
>>426
「むぐ、あ、はい。」
軽く返事を返す。

「んー、そうですね。
 別に目標があるわけでもないですし…
 ま、手足が増えたっていう程度に考えておきます。」
立ち去っていく高天原に向けて

「じゃー、またどっかでお会いしましょうね。」
そう言って見送っていった。

ちなみに、食べ終わった後にまた災難があったとかなかったとか

428ココロ『RLP』【高二】:2015/05/10(日) 01:42:40

                  ――物事とはうまくいかない方が多い。

少なくとも、ココロはそう思う。
ここは保健室。朝の授業の途中で抜けてきた。もちろん許可は取った。

(……)

                   はぁぁーーー ・ ・ ・ ・ ・ ・

長いため息が出た。

せめて風邪とか……何かしらの体調不良なら、寝込むこともできたのだが。
人混み、クラスメートの好機の目から離れると、どうも普通にしていられる。

(……病院……いえ、『サナトリウム』に、行くべきなのかしら……?
 入院なんて、困る……けれど、このままじゃあ何もできないし……)

ピアノの練習――は、出来なくなりそうだ。それは困る。あってはならない。
悩みつつ、かけぶとんにくるまる。横のベッドにも人がいる。

……保険医は今、席を外している。あまり気合の入っていない保険医らしい。

429ようこそ、名無しの世界へ…:2015/05/10(日) 20:35:06
>>428


   「グゴォォォォォ……!! Zzzzzz・・・」

 気分の落ち込んでるココロ。そんな君の横では能天気な鼾が漂っている。
保健室のベッドとは大抵カーテンで仕切られており相手の姿は見えぬものの
随分と大きく寝息を立てており時々寝言らしきものも聞こえる。

 「むふふ・・・喰らえーホタテ怪人 シャーク・オ○・ダ―――zノツ!」

 そんな声と共に『バサァ!』と言う布を擦らせるような音。
寝返りを立てたギシッと言うスプリングの軋みも聞こえてくる。随分と喧しい……

    ググッ    グググ……。

 だが、君はカーテン越しの影を見れば『異常』に気付く筈だ。

 その人影は徐々に人の形が流線型を描いた何やら魚類を連想させる形へ変化していくのだから…!


  ピチ   ピチピチピチ……ッ!


 『…ん   んんっ!?』

    『……わ――――――!!!!!??
        誰が―――!! 誰が助けて―――!!』

   ピチピチピチピチピチッ!!!

 人影? は助けを求めてる……。

430ココロ『RLP』:2015/05/10(日) 22:50:15
>>429

            (……う、う、うるさいわ……!
             まあ、別に私は寝ていないからいいのだけれど……)

       (……それにしてもうるさいわ……
                ……で、でも、私なんかとは違って、本当にしんどくて寝てるんでしょうし……)


――単なるいびきのうちは、そんな事を思っていた。

まさか注意なんてできない。
当たり前だ。いくら寝息がうるさいからって、自分よりもずっと辛い思いをしているはずなのだから。


(……どんな夢を見ているのかしら……
 ほ、ほ、ホタテ怪人……?   …………え?)

            「え?」
                       「え……!?」

  ピチ   ピチピチピチ……ッ!


「な、な、なっ……何が、何が……!!?」

                      「どうなっ……い、意味わかんな……」

助けを求める声。
ほんとなら保険医に任せておくべきなのだが、間が悪いことに今はいない。

   ピチピチピチピチピチッ!!!

(ど、ど、どうしましょう……!? ほおっておくわけには……
                  ……い、行くわけないじゃない!!で、でも、どうしたら……)

         「あ、あの、どう……?」

                  ソロォォ〜……

恐る恐る、カーテンを少しだけ開けて、様子を見る。

431貞奈 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2015/05/10(日) 23:42:01
>>430


 ピチピチピチピチピチッッ!!

 意を決してカーテンのレースに手を掛けて、その向こう側を見るココロ。

 君が目にしたもの…それは。

 『助けてーーーーーーーーー!!!  このままじゃ死んじゃう――――!!!』

      
        ・ ・ ・ 『サメ』だ。

ピタンピタンとベッドで揺れる鮫。正式にはエビスザメと言われる
カグラザメ目だが、そんな専門的知識は必要ない。君にとって重要な事と言えば
さっきまで人であったであろう存在が何故か鮫になって、しかも鮫が人の言葉を
喋ってると言う異常な光景に対して目を奪われる事だろう。

 『…はっ!? ひ、人かいっ!!? お願い逃げないで助けて!
近くにバッグがあって買ってあった○っちゃんのペットボトル
があると思うから私の体にぶっ掛けて! このままじゃ窒息して死んじゃうよーーー!!』

 鮫は人の気配に気づくやいなやピッタンピッタン前後に体を揺らしつつ頼み込んでくる。

 敵意はないようだが……君からすれば恐怖以外の何物でもない絵図だ。

432ココロ『RLP』:2015/05/10(日) 23:53:04
>>431

          「   ひっ   」



        (意味わかんない意味わかんない意味わかんない
                   意味わかんない意味わかんない意味わかんないッ……!!!!?)

>君にとって重要な事と言えば
>さっきまで人であったであろう存在が何故か鮫になって、しかも鮫が人の言葉を
>喋ってると言う異常な光景に対して目を奪われる事だろう。
『NO』。
ココロの意識を大きく揺らしたのは『サメがいる』という事実。 


               ――ココロはサメは人をもりもり食べると思っている。
                    それは微妙な知識だが、とにかくサメは怖いのだ。



「そ、そ、そッ……そんなことしたら水を得た魚になってみんなを食べるかもしれないわ……!!
                                     お、お……おかしいわよ、こんな……」

      「はぁーーーっ」
                        「はぁーーっ……!!」

ともかく、錯乱しながらとりあえず言われるがままジュースは取り出した。
それを強く握りしめる……

「や、約束! 約束して頂戴……ひ、人は食べない。すぐ海に帰って……!」

               「サメが人間の社会で生きていくことは出来ないの……!」

ココロは――人間がサメになったのだとは思っていない。
サメが人間に化けていたと思っているのだ。

433貞奈 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2015/05/11(月) 18:19:15
>>432(すいません昨夜は寝落ちしてました)

 
>「や、約束! 約束して頂戴……ひ、人は食べない。すぐ海に帰って……!」

 『人を食べるも何も今日の朝はコーンフレークと粗びきソーセージ位しか
食べてないんですけど―――zノ!? 海に帰れって、この体でどうやって
帰ればいいって言うのさ君っ!!?』

 ピタンピタンと前後で跳ねつつ鮫はガビーンΣ と言うリアクションが付きそうな
感じで受け応えをする。

>「サメが人間の社会で生きていくことは出来ないの……!」

『そりゃあね!! こんな体じゃ授業だって出来ないに決まってるよね!!!
ッて、悠長にツッコミしてる場合じゃない。あぁ…!! 段々目が霞んできた!
 呼吸もし辛いし天井から頭に輪っかが付いた羽の生えた子供達が
旋回しながら私の元へと降りてきてるよ……ッ!
 あぁ、やばい……お母さん、お父さん、不肖な貞奈をお許しください。
 海に帰れとか言われたけど、これから私は三途の川を泳ぎに行きそう…グフッ!!』

 ピクンッ ピクンッと痙攣してる。 結構やばそうだ。

434ココロ『RLP』:2015/05/11(月) 22:54:24
>>433

どんなリアクションをしようがココロはサメが怖い。
そしてココロはけっこう思い込みやすい。

             ……この場合、ココロは『サメが人間に化けていた』と思い込んでいる。
                いくら食事が健康的な人間のそれでも。
                いくらコミカルで楽しいリアクションでも。

     (さ、さ、サメは……サメよ……! 
            ゆ、油断したらダメだわ……た、食べられちゃう……)

     (け、けど……)


「わ、分かったわ、貴女を信じて……み、水を掛ける……」

                    『ちょろ………』

震える手でキャップを捻り、中身をサメにかける……
ベッドを汚すと大変だから、ゆっくりと……だ。

              (……で、でも、どうしましょう……私いま、サメに加担しているのよ……
               私が食われるのは因果応報……で、でもそれもいやだわ……でも因果応報……)

435貞奈 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2015/05/12(火) 18:47:22
>>434

 >『ちょろ………』

 「そ そんなペースじゃ全身に掛かっちゃう前に窒息しちゃうよ――!!

もっと早く早くピシャピシャッ! て感じで浴びせないと元に戻れないよ―!!!

 私のスタンド『ルーン・レイク』はちゃんと全身を液体で濡らさないと
元の人の体に戻れないんだ!! 頼むよ君っ!!! 
 私の教師人生or人生そのものの命運が掛かってるんだ!!!
 さあもっと頑張ってスムーズにぶっかけちゃおう!
HALLEY HALLEY HALLEY!!!」

 尾ひれをピッタンピッタン叩きつつ君に応援しつつペットボトルの
掛けるスピードを早めてくれるようにお願いしている。

436ココロ『RLP』:2015/05/12(火) 23:11:01
>435

「ス、スタンド……ということは、サ、サメに変身するのが能力の……に、人間なのね……」

「ご、ごめんなさい。
さっきは的外れなことばかり言ってしまったわ……私ったらほんと駄目ね……」


                   (そ、そ、それにしても……)

(な、な、何で……こんなに偉そうなのかしら……!?
       それに、い、い、今……教師と言ったわ……じゅ、授業中じゃあないの?
                     ほ、ほんとに意味わかんない……何が目的でこんなことするの……!!?)


はじめは目の前の事実にだけ驚愕していたココロ。
しかし少しずつ……この事態の内面に、その驚愕が寄り始めた。

……ココロは、これでも己のスタンドをかなり『律している』部類だ。
だから、寝ている時に偶然発動とかそういうのは、考えたこともない。

「わ、わかったわ、ごめんなさい……」

まあともかくそれでも死なれるとすごく嫌(サメじゃなさそうだし)なので……
   
                       『バシャ』    『バシャア!』

                   ……ペットボトルの中身をざーっと振りかける。

437貞奈 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2015/05/13(水) 00:09:52
>>436

> 『バシャ』    『バシャア!』

ココロによって逆さに振りまかれたナッ○ゃんの果汁入りジュースは
まんべんなく振りかけられ、ぎりぎりで何とか鮫の全体に掛かった。

 すると おや、鮫の様子が……?




 『お……おっ!』

 グングングングングン・・・    ペカァ―――zノ!!

 「やったー!! 戻ったーー★!!」

 
 bbbbbbbbbbb 進化キャンセル……では無い!
頭から体までジュースの香りと結構なべたべたになりながらも
笑顔で諸手を挙げてピンク色の髪の毛でピアスし放題。
 教師と言うには余りに不摂生な恰好をすべし、初等部国語担当である
貞菜 綾女 完全復活っっ なのだ☆!!

 「いやーーーーーーーーー大変ご迷惑お掛けしたねぇ!!
有難うーーー君☆!! 命の恩人だよ!!! 
 君がいなければ本当駄目だったよ。うぅ……生きてるって素晴らしいね!」

 感涙しつつ人間の姿でベットの上で正座しつつ君に平伏すようにして
感謝を示してる。

438ココロ『RLP』:2015/05/13(水) 00:37:47
>>437


 グングングングングン・・・    ペカァ―――zノ!!


      「ほ、本当に」

                   「にっ、に、に、人間なのね……!」
                 (って、な、な、な……! 何よこの人の格好……!? ピ、ピアスがたくさん……
                                 本当に……せ、先生なの? 人を見かけでとは言うわ、け、けど……)

正直――引いている。
この学園は確かに自由だが、教師でこんなのは初めて見た。


(い、いいの? いいえ、いいのよね、私の心が狭いだけで……
 そうよ。改造学生服なら私だってやってるし……ひ、人のこと言える筋合いじゃあないわ。)


「い、いいえ、私そんな、何も……当たり前のことしかしていません。
                む、むしろ変に疑ったりして、さ、最低な女だったくらいだもの……」

ココロはココロでネガティブを発症し、自分のベッドに座り込む。

439貞奈 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2015/05/13(水) 00:56:17
>>438


> 「ほ、本当に」「にっ、に、に、人間なのね……!」


 「このグラマラススーパーボディが人間以外の何物に見えるかい?(ドヤ顔)
いや、人間じゃなく天女と言っても良いゼ★」

 と、物凄くイラッとさせる表情とポーズを向ける貞菜。さっきまで死に掛けていた
と言うのに、能力が解除された途端に調子の良い事だ。


>「い、いいえ、私そんな、何も……当たり前のことしかしていません。
                む、むしろ変に疑ったりして、さ、最低な女だったくらいだもの……」


 「うーん、そうかね?」

 貞菜は君のそのネガディブな様子を見つつ、小首を傾げながら頬をポリポリと掻いて呟く。

「  -当たり前の事を当たり前のように出来る」

「……正直、それって簡単なようで意外にかなり難しいと先生は思うんだけどにゃあ〜☆」

貞菜 綾女は、腐っても教師だ。風紀にかなり違反してる恰好をしてるし
態度も教師としてはチャラチャラしていて教育者としては目に付く態度も多い。

 ―貞菜は、その事を自覚してるし、何より受け入れている。

 だけど、教師になっても一個の個人としてのポリシーや自由を貫きたい。
人に教える立場としての自覚を装飾からして整えると言う事柄も当然大事だと
知ってるけど、それ以上に大事な事があると子供たちに知って欲しい。
 綺麗事だと言われても構わないが、ただ、それ以上に貞菜は……


「大体にして突然隣の人が鮫になったら逃げるなり人を呼ぶなりしても当然だしねー
何より、疑うって事は悪い事じゃないんだよ。疑心ってのは、時々目先の視野を
狭める一因にもなるよ。でも、それ以上に深く考えてるって事なんだから
 最低? 今の君が最低だって自分で自覚してるならさ。今よりもっと高くなれる……
成長が出来るって事だからねー」

 ヘラヘラとした表情ながらも、ココロに語り掛ける言葉に虚偽はない。

 「―そのままでいいんだよ。
当たり前の事をあたりまえとして出来る。最低だって自覚してるそのままの君で良い。
 私は、そんな君に命を救われた。
だから、改めて言わせて欲しいかにゃ。
  
 有難う、私を助けてくれて」

 そう、今度はおちゃらけ抜きに真摯にココロにお礼を告げる。
そうしなければいけないと、そうする事がこの子に対する『誠意』だと
教師として一人の人間『貞菜 綾女』として思ったのだ。

440ココロ『RLP』:2015/05/13(水) 03:01:10
>>439

「…………」

          「すぅ」   「はぁ」
 
                     「そ、そうね……」

深呼吸は――気を落ち着けるための儀式。
なぜ落ち着けるか? それじゃ簡単で――ココロは今、混乱している。

そこに、貞菜の言葉が聞こえてくる。

              ――そのままでいい。

                         ――最低だと自覚している自分でいい。

                                           ――成長ができる。


                 『ガタッ!』

「わ、わ………………私のッ!
      ……何が分かるの? はぁーーっ、はぁ―っ……!」

ベッドから飛び起きるようにして、そう叫んだ。
ココロは――自己嫌悪と、自責の渦にとらわれ続けている。それは精神のとても根深い部分だ。
つまりココロは全肯定されるのが苦手なのだ。
ピアノのことや、容姿を褒められたり、ちょっといいとこあるね、とか、優しいんですね、とか――そういうのはいい。

「…………ご……ごめん、なさい……」

           「私……」   「……ごめんなさい……」

                  「先生……」

だが――全肯定は駄目だ。
それはココロにはとうてい、受けきれないのだ。

               ガバッ……!!

自分のベッドに潜り込む。まるでハリネズミが外敵から身を守るように。
……これ以上は、干渉しない方がいいかもしれない。

441貞奈 綾女『ルーン・レイク』【教師】:2015/05/13(水) 22:16:17
>>440

 「…私はね」

ベッドの中に蝸牛のように籠るココロに、独り言のように教師である
貞菜の声が君のほうに聞こえる。それと共にベッドから降りて床に足を付ける音も。

 「私はね、ちゃらんぽらんだけど。それでも私はね生徒が大好きなんだ。
だからね、解ってくれなくても良い。今は聞かないで跳ね除けてくれて良い。

 それでもね、私は君が君である事を応援してるし弱音が吐きかったり
誰かにむしゃくしゃをぶつけたい時は駆けつけたいって言う気持ちは本気だよ。
 ――それじゃあ また会おう」

 コツ コツ ギィ……バタン。

 貞菜は保健室の扉を閉じる。今の彼女にとって自分の言葉は湖に落とした
小石よりも揺らぐ事はないだろうなぁと感じ取ったからだ。

 「うーん…… よしっ!」

 落ち込みはしない。一度でも自分の善意が通じなかったからといって
へこたれたら子供たちに笑われてしまう。

 「名前、聞かなかったなー……よし、次にあう時は元気に自己紹介だ!」

 だから貞菜は『生徒(ココロ)』達の為に今すべき事をするために歩き続ける。
それが願わくば、深海に輝く真珠よりも眩しい光になるんだと、信じてるから。

442ココロ『RLP』:2015/05/14(木) 10:16:18
>>441

             コツ コツ 

                    ギィ……

                                       バタン。

……貞菜が去るまで、ベッドの中のココロは微動だにしなかった。


               (……なんで……)

                        (なんで、あんなに……真っ直ぐなの?
                                 なんで……私は、こんな……)


尽くした善意は――届いていた。
ただ、受け取り切れる量じゃあなかった。それだけのことだった。
                

             「ごめんなさい……」


その独り言は、もう部屋にはいない『先生』に届くはずもなく、静寂に消えた。

443稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/18(月) 21:27:00
「やっぱ手に馴染むモンが一番だな」 「精度は相変わらずだが…」

そう呟きつつ、放課後の校舎を歩いてる。

『射撃場』での練習からの帰りだ。
オレのスタンド『バイト・ザ・ブリット』は弾丸の能力。
敵を『追尾』する能力を持つ弾丸も撃てるが、チト条件が難儀なんで
『通常の弾丸』を撃つ為の技術ってのにも磨きをかけねえといけないわけだ。

んで、オレにスタンドを与えた『星群』に勧められたオレは、
こうやってたまに射撃場まで足を運んで射撃の練習にいそしんでいる。

ちなみに、使っていたオレの愛銃(拳銃だ)は今も制服のズボンのポケットに突っ込んでる。
…我ながら杜撰な管理だが、夏服になると学ランを脱ぐから、
いつもみてえにズボンの後ろに挿し込んで学ランで隠す、ってことができねえんだよな。
ま、見咎められたところでモデルガンって言って誤魔化せば良いんだけどよ。此処校則緩いし。

「はぁ…」

そんなことより、憂鬱だぜ。
周りが何やら浮足立ってるっていうのもオレの心へのダメージに拍車をかけやがる。

444『醜悪デザイア』:2015/05/18(月) 22:01:15
>>443

「センセイヤダーッキャハッ」

「ムッ、大人を誂うな・・・ッ。
 漫画くらいなら目を瞑るが、授業中に読むなよッ」

『稲積』の視線の先、220cmの筋骨隆々の背広を着た大男が居た。
(最近赴任してきた現国の教師だ。名前は確か『府川』)
どうやら抜き打ちで『持ち物検査』をしているようだ。

                          「ハーイ!」「フカワセンセーバイバーイ」

「ああ、気をつけて帰れ…   ム」

目があった。

445府川薫『フォービドゥン・ラヴ』:2015/05/18(月) 22:03:15
>>444
名前欄訂正

446稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/18(月) 22:09:42
>>444-445
それを見た瞬間、憂鬱とかそういうのが全部吹っ飛んだ。

「…………」 「…じょ、冗談だろ」

も、持ち物検査て…プライバシーの侵害だぜ!
こういうのって普通は朝っぱらにやるモンじゃねえのかよ!?
クソッ完全に油断した! 『フリーダムな校風』ってのは
何も生徒にだけ通用するわけじゃねえってのに…!

それよりも目が合ったのがヤバいぜ…これ、
拳銃見つかったらモデルガンだってシラ切っても取り上げられるってパターンじゃねえか?
万一没収とかになったら、オレは武器もなくてこの先どうすれば良いんだ?
ただでさえ『ミサイルマン』とかのしがらみが終わってねえってのに…。

   ・・・ジリ

知らず、足が止まる。
ゆっくりと後退りしている自分に、一瞬遅れて気付いた。
…おいおい、これってもしかしなくてもスゲー不審な動きだろ…。

447府川薫『フォービドゥン・ラヴ』:2015/05/18(月) 22:16:49
>>446

「ムムッ」

眉間に皺を寄せ、
不審な動きを見せる稲積に怪訝な目を向ける。

「まぁそういう訳だ。
 一応、立場上…な?
 ちょいと手間をかけさせて申し訳ないが、
 『持ち物検査』をさせてもらうぞ…」

ザムッ  ザムッ   ザムッ

ゆっくりと『稲積』へ近づく。

448稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/18(月) 22:29:31
>>447
う、うおおおおおおおッやべえ!

野郎こっちに向かってきやがった!
あのセンコー(確か『府川』とか言ったか…?)、完全にオレを怪しんでるぜ!
だ、だがオレも不良やってんだ。
逃げるんじゃあねえ。此処まで来たら徹底抗戦だ!

「ああ? 『持ち物検査』だあ…?
 フザけんじゃねえぜ。何でオレがそんなことされなきゃいけねえんだ」

そう言って、突っぱねるぜ。
こ、これで退いてくれ…!

449府川薫『フォービドゥン・ラヴ』:2015/05/18(月) 22:36:33
>>448
「何で、って職員会議でそう決まったからだな…
 俺だって正直気は進まないが…」

此方は220cmの巨躯。
165cmの『稲積』は必然的に『府川』を見上げる形になるが、
おそらくとてつもない『威圧感』を与えるであろう。

「再度言うぞ。
 鞄とポケットの中、見せてもらおうか。
 なァにタバコ程度なら目を瞑るから安心しろ」

450稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/18(月) 22:48:07
>>449
うっ…でけえ。近くで見ると余計にデカく感じる。
だが、タッパがデカいのがなんぼのモンだって話だぜ。
今の世の中、いくら図体がデカくたって別に痛めつけられる危険があるわけじゃねえ。

「断るぜ。何が嬉しくてセンコーなんかにカバンの中見せなくちゃいけねえんだ。
 さっさと退きな。オレはとっとと家に帰りてえんだよ」

カバンの中身にゃあタバコが入ってるが…タバコどころじゃねえのがポケットに入ってんだよ!
クソ、正直逃げられる気もしねえし、この学校フリーダムだから
あんまり渋ってたら問答無用で持ち物検査を実行されかねねえし、
話を引き延ばしているうちにどうにか言い訳を考えねえと…。

451府川薫『フォービドゥン・ラヴ』:2015/05/18(月) 22:57:26
>>450
「俺だって今日は早く帰りたいさ。
 今日は娘の5歳の誕生日だからな…
 駅前の家電屋に行って予約している『アイカツ』…?の
 グッズを引き取りに行ってケーキを買わねばならないからな…」

「すまんが」
              ヌゥゥ――ッ

府川が右腕(痛々しい刀傷の跡がある)を『稲積』に伸ばす。

452稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/18(月) 23:06:22
>>451
        「!」

腕についた刀傷を見て、思わずぎょっとする。
オレもそれなりに修羅場は潜っているが…怪我なんて
(『撃ち返し』ちまうから)ねえ。それをコイツは…一体どんな経験を…!?

「うッ」 「うおおおおおッ!
      待て! 分かった! 待ってくれ!」

慌てて両手を突きだして制止する。
これは、これ以上の時間稼ぎはできねえ!
アドリブでどうにかするしかねえ!

「こッ、これは見せられねえモンなんだよ!
 頼む見逃してくれ、後生だから!!」

そう言って、ポケットを両手で押さえる。

453府川薫『フォービドゥン・ラヴ』:2015/05/18(月) 23:15:09
>>452
「 ムムッ  ……『怪しい』な」

       ピタッ

触れる寸前で、腕を止める。
眉をひそめ、抑えられたポケットを凝視。

「そうだ…な。
 正直俺も早く帰りたい、お前も疚しい物を隠している…
 だが、教師という立場上見逃す訳にもいかない…
 よし貴様…この場で何か『一発芸』をやれ。
 俺の仏頂面を崩す事ができたら此処は引き下がるとする」

454稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/18(月) 23:47:59
>>453

      「は?」

一瞬。
マジで何を言われたのか理解できなかった。
…一発芸、だと………?
何でこのタイミングで、この流れから一発芸なんだ?
いや、笑う気はねえんだ。
『チャンスはやったのに駄々をこねるのか』ってことで強硬手段に出る理由づけをしてる…!?

……いや、だとしても要求が一発芸である必要はねえよな。

…ええいクソ! だがこれ以外に方法がねえのも事実!
こうでもしなけりゃこの妙に場慣れしてそうなセンコーに拳銃を取り上げられちまう!
だが、幸いにもこのオレには爆笑必至の鉄板ネタが一つだけある!!
やるならこれっきゃねえ!!

「…高等部二年稲積誇生! 一人二役でラッスンゴレライやります!!」

                  〜中略〜

       「…はぁ、はぁ、どうっすか」

                          ホキョォォ ――― ン

455府川薫『フォービドゥン・ラヴ』:2015/05/19(火) 00:04:11
>>454

「……………………………………………………………………
 ……………………………………………………………………
 ……………………………………………………………………
 ……………………………………………………………………
 ……………………………………………………………………」

稲積の渾身のリズム芸。
府川本人は『唖然』としている。

「その、なんだ…。
 中々見応えがあったぞ…その『ダンス』。
 歌詞や振り付けは自分で考えたのか?」

『知らない』――ッ。
こいつ、絶対に『本家』を知らないッ。
今『初めて観た』ッてリアクションをしているッ!

だが、仏頂面は崩れている(ただし『笑顔』ではないが)。

456稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/19(火) 00:15:23
>>455
「えっ…」

な、なんだこのリアクション…。
『面白くはない』けど『出来の良いダンス』って感じの評価だ!
まあプロの芸人のネタなんだから出来が良いのは当然だが…。

「い、いや…まあ…」

な、なんて答えたらいいものか…!
でもまあ、仏頂面は崩れているし、ホントのこと言っていいか。

「これ、芸人のネタだけどよ…。
 『8.6秒バズーカ』って芸人知らねえ?」

しかし、知らねえモンか?
けっこう人気のお笑い芸人なんだけどな。
意外とテレビとか見ないタイプなのか?(いや、意外じゃねえか)

457府川薫『フォービドゥン・ラヴ』:2015/05/19(火) 00:32:30
>>456
「『8.6秒バズーカ』…?
 いや…初めて聞く名前だな…」

顎に手を添え、記憶を探る挙動。
だがやはり思い出せない。

「教育上、良くないから食事中は極力テレビは点けないし、
 日曜日も娘や息子が漫画(アニメの事)を観ているしな…。
 ああ…だが最近のお笑い芸人なら知らない事はないぞ… アレだ。
 「ゲッツ!」とか言ってる『なんとか坂野』」

どうやら意外でも何でもないが、
本当にテレビを観ない類の人種らしい。

「ともかくだ…約束は守る。
 俺はお前に近づかない… 荷持検査はしない」

458稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/19(火) 00:42:52
>>467
「誰だそいつ???」

『ゲッツ』? 聞いたことないな…。
テレビでたまに出て来る『旬が過ぎた芸人』ってヤツか?
少なくともオレが小学校とかのレベルだろそれ。覚えてねえぞ。

っつか、センコーなだけあってお堅い奴だな…。
メシの最中テレビつけないってマジかよ?
メシ食ってる間無言なわけ? 信じられねえ…。

「お、おう…。助かったぜ。じゃあな」

そう言って、フツーに横を通って下校するぜ。
危ねえ…。ったく。これからはもう少し拳銃の持ち運びを考えとかねえとな…。
ゼンチみてえに拳銃自体がスタンドだったら楽なんだが…。

459府川薫『フォービドゥン・ラヴ』:2015/05/19(火) 00:47:59
>>458
「なッ!?知らないのか…?
 確か流行ってるときいたんだが…。

 ウム、気をつけて帰れ」

という訳でララバイ!!

460朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/19(火) 18:34:34
秋映学園の校門前。一人の学生が沢山のビラを通り掛かる人に配っている。

「お願いしまーす。金言部からのお知らせでーす」
ビラにはこんな文言が書かれていた。

 『ミス黄金町決定戦!近日開催!』
その他詳しい告知内容はttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1395590726/581

「皆さんでミスコンを盛り上げていきましょー!
 もちろん優勝者には豪華賞品が出ますよぉ〜!
 ついでに学生の皆さんも参加してミス秋映学園も決定させちゃいましょ〜う!」
やけにテンション高く、宣伝 兼 参加者集めを行っているようだ。

461石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/05/19(火) 23:28:35
>>460(朱鷺宮)
「わー、部活に遅れるー!」
ちびっこい(145cm)のが、元気に走って突っ込んできた。狙いは鳩尾コース!

462朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/19(火) 23:32:55
>>461
「どうもありがとうございますー。
 ついでに金言部のこともよろしくお願いしますねー。」
と、周囲に気を取られてビラ配りをしているところに

石動の突撃が迫る!

「えーっと次はどこに

ボッゴォォォン!

イがグッ!!!」
石動の頭がふかーくふかーく突き刺さって、

ドッゴォン!!
「アヴァッ!!」
ビラをまき散らしながら倒れこんだ!!

「ううー…ううー…」
仰向けに倒れてうーうーと唸っている…かなり強烈だろうが…

463石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/05/19(火) 23:51:50
>>462(朱鷺宮)

     心 ・ 意 ・ 六 ・ 合 ・ 拳 !!!  (わざとではない)

   ボッゴォォォン!

   ドッゴォン!!

「いったーい!」
こっちも痛かった。

   ボイーン!

「でも、なんかやわらかかったかも!」
朱鷺宮の実際豊満な胸部装甲が衝撃を和らげたのだ!

「ごめーん、大丈夫?」
白銀色のくせっ毛ショートの元気そうなチビ(145cm)の女の子が謝ってきた。
同じ中二なら見た事があるかもしれないし、ないかもしれない。

464朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/19(火) 23:59:05
>>463
実際柔らかい涙音の胸部装甲のお陰で石動は大して怪我をせずに済んだのである。

「あぐうう…だい、じょう…ヴ…」
ゆっくりと体を起こして、まだちょっと苦しげな表情で石動の顔を見る。

「前方不注意…なのは…お互い様…なので…」
膝がガックガクの状態だがゆっくり立ち上がる。
「気をつけましょう…とりあえず…」
と、辺りを確認してみて…

「あ…ビラがあっちこっちに!!」
気がつけば、さっきまで持っていたミスコンのビラが風に飛ばされてアチラコチラへと飛ばされていった。

「うぐう…」
お腹が痛くてすぐに追いかけることが出来ないっぽいようだ。

465石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/05/20(水) 00:08:25
>>464(朱鷺宮)
「あっ、ビラが飛んでいく!」

「『チア・アクシデント』×10!」

     てててててっ! てててててっ!
     小さなチアリーダー型スタンドの『チア・アクシデント』×10体がビラを拾うのです!(破ス精ECB × 10)

「『チア・アクシデント』×5!」

     『チア・アクシデント』×5 < がんばれ☆ がんばれ☆ たちあがってー☆ たちあがってー☆ >
     そして、『チア・アクシデント』×5体が朱鷺宮の持続力を『応援』!
     その声が聞こえたら、急に元気が湧いてきて、ドーンと立ち上がりたくなるかもしれない!

466朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/20(水) 00:17:11
>>465
「間に合わない…なんという…!」
どこか悔しげに立ち上がろうとしているが…間に合わない…

諦めかけた涙音…だったが!
「あれっ…何か…これは!」
10体の小さなチアリーダーたちがビラを拾い始めているのを目で追っていく。

と、同時に


  < がんばれ☆ がんばれ☆ たちあがってー☆ たちあがってー☆ >

残ったチアリーダーたちの応援が彼女の耳に入っていく…!
「こ、これは…急に…」
すると、先程までがくがくとしていた足の震えが収まり…

「元気が、湧いてくる!立ち上がれるぞぉぉ!」
そのまま直立の姿勢になり

ドォォン!!
二の足を勢い良く踏んで、両手を組んだ!
「よぉぉし!何だかわからないけどやる気が湧いてきたぁぁ!」
ちなみに両足は大きく開いて居る。どこかで見たような姿勢だ。

「…って、あなた『スタンド使い』なんですか!?」
急に通常の状態に戻って『チア・アクシデント』の動きを目で追い始める。
見えていないと出来ない目の動きだろう。

467石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/05/20(水) 00:29:12
>>466(朱鷺宮)
『チア・アクシデント』×10< ビラひろったー ☆>

    『チア・アクシデント』×5< 応援したー ☆>

   玲緒「よーしよしよしよしよし。えらいえらい。」

       なでなでなでり……ビラを受け取りつつ、自分のスタンドを撫でている。

   玲緒「……って、ハッ。あなた、『この子たち』が見えているッ!?」

468朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/20(水) 00:34:22
>>467
「はい、見えてます。
 その…私もこの通り…」
そうつぶやくと

『フォートレス・アンダー・シージ!』
ドォンッ!
涙音の後ろからライフルを携えた『女性軍人』のスタンドが出現した

「いやー、多いですね。」
チラチラと石動のスタンドを見回しながら答える。

「あ、そう言えばそれ…
 どうですか?」
と、ビラを指さしてみせる。

469石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/05/20(水) 00:46:08
>>468(朱鷺宮)
玲緒「多いねー」
   『チア・アクシデント』×15 < ねー☆ >
   なんか和やかな雰囲気である。

玲緒「ああ、そういえば、このビラってなに?」
ビラを読んでみよう。

470朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/20(水) 00:56:00
>>469
「以前見たのは『3人』のお人形さんのスタンドとかですが…
 あなたのは更に多いです。…たくさん人がいるスタンドって割といるんでしょうかね…」
穏やかな雰囲気を見せているチア・アクシデントたちを見ながら、涙音も軽く微笑んだ。

「ああ、それですか…
 実はですね」
そう言ってビラを指さして答える。

「えー、我が『金言部』がこのたび巻き起こすビッグイベントです。
 ミス黄金町コンテスト!略してミスコンです。」
ビラには確かにそういうふうな内容が書かれている。

「参加者は自由です!『可愛さ』『クールさ』『面白さ』でアピールしまくってください。
 優勝すれば、名誉と恐らく賞金が贈呈されます。」
力強く、大体の内容を説明する。

「…なので、ぜひとも学園の生徒の方にもふるってご参加いただきたいと思って、
 こういう宣伝をしているんです。」
軽く微笑みながら、また冷静な調子になる。

「どうです?ミスコンに参加してみたりしませんか?えーっと…お名前は…」
どうやら参加者を探すのも目的のようだ。

471石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/05/20(水) 01:10:14
>>470(朱鷺宮)
玲緒「この子たちはねー。20体もいるよー」
       『チア・アクシデント』×20< とぅえんてぃ! ☆ >

        ぴょこ ぴょこ ぴょこ ぴょこ ぴょこ
         ぴょこ ぴょこ ぴょこ ぴょこ ぴょこ
          ぴょこ ぴょこ ぴょこ ぴょこ ぴょこ
           ぴょこ ぴょこ ぴょこ ぴょこ ぴょこ

             たくさんいた。

玲緒「ミスコン?うーん、なんかちょっと恥ずかしいなぁ……」

玲緒「名前はレオだよ。 石動 玲緒(いするぎ れお)。」
自己紹介した。

472朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/20(水) 01:15:25
>>471
「…まだ居たんですか…
 多いですね。本当に」
そう言って自分のスタンドの手をかる〜く伸ばしていく。
なでなでするだけだ。決して掴んだりはしない。

「いえいえ、恥ずかしいことなどありませんよ。
 隠れた才能を目覚めさせる、かも知れませんし。
 …色んな人が協賛するイベントですから影響力多分強いですよ。」
彼女をかる〜く持ち上げ始めた。

「レオさんですか。私は朱鷺宮涙音(ときのみや るね)です。
 金言部の一人です。よろしく。」
軽く微笑んでから、頭を下げた。

473石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/05/20(水) 01:33:09
>>472(朱鷺宮)
       『チア・アクシデント』×20< なでれ! ☆ なでれ! ☆ >
        なでなでされる。

玲緒「うーん、金言部かぁ。あの。うわさの……ちなみに私はカンフー部だよ!」
金言部は色々と噂になっているようだ。

玲緒「うーん、『可愛さ』『クールさ』『面白さ』 を競う、って正直よくわからないし……どうしようかなぁ。
    というか私、多分どれも該当しないし」
もじもじと悩んでいる。

玲緒「うーん。とりあえず、ビラだけ貰っておこうかな。」
ビラを1枚だけ取って、残りを朱鷺宮に渡す。

474朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/05/20(水) 01:38:54
>>473
「おーよしよし。かわいいですね〜。」
と、ある程度スタンドになでなでさせる。
気が済んだらスタンドを解除する。

「噂…ですか。」
(…どんな噂になってるんだろう…。
 お金持ちのお嬢様の部活…とか?)
少し気になると同時に、心配になってきた。

「…可愛さは、有るかもしれません。
 私の見積もりでは」
そう言ってスタンドと石動。交互に観察してみる。

「ありがとうございます。
 前向きな返答を期待します!」
ビラを受け取り、嬉しそうに頭を勢い良く下げて、その後…


「じゃー、私はあっちの方でもうちょっと宣伝続けますね。
 また会いましょう!」
大きく手を振りながら、今度は校舎裏の方に足を進めていく。
やがて見えなくなっていくだろう。

しばらく、校舎裏の方で彼女の姿を確認できたらしい。

475石動 玲緒『チア・アクシデント』【中二】:2015/05/20(水) 01:49:20
>>474(朱鷺宮)
玲緒「またねー!」
       『チア・アクシデント』×20< またね! ☆ またね! ☆ >

476板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/20(水) 21:42:34

「―――♪―――♪――――」

赤みの強い茶髪をオールバックにした生徒が、鼻歌を歌いながら放課後の廊下を歩く。
小脇には黒いファイルを抱えている。中身は楽譜だ。

「(さて、今日は部活は休みだし――――新しい曲の練習でもしよう)」

         「(場所はどうするかな)」

   「(屋上か……)」

       「(また河川敷まで行くってのもアリか)」

 「―――♪――――♪――――♪――――」

何が楽しいのか、随分上機嫌だ。
そのせいだろうか。

    ファ
     サァ

上機嫌に歩いていた彼は、ファイルから楽譜が一枚滑り落ちたことに気づいていない――――

477稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/21(木) 00:28:03
>>476
(3rd_parson)

「おい」

上機嫌な板踏の背後に、声がかかる。
振り向くならば、人相の悪い金髪の少年がそこに立っていることに気付くだろう。
高等部の生徒――鮫の歯をモチーフにした黒いTシャツが、人相の悪さを際立たせている。

478板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 00:32:48
>>477

「――♪――……ん?」

     クルッ

声をかけられ、振り返る。
何故話しかけられたのかわからない、という表情。
キョトンと小首を傾げ、稲積を観察する。

「…………?」
「………………何か用か?」

別段不良が怖いとは思わないが……しかし、わざわざ話しかけてきたということは何かあるのだろうか。
心持ち、表情に警戒の色が差す。

479稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/21(木) 00:41:34
>>478
(3rd_person)

  ・・・  ヌゥ

成長期真っ只中なのか、あるいはもう伸びが止まったのか、少年の身長はそこまで高くはない。
だが、それでも強面な顔とむすっとした表情が彼の威圧感をいや増しているようであった。
板踏の前に立つ少年――稲積は、ゆっくりと手を突きだす。
何かの合図か……と板踏は思ったかもしれないが、

「……これ、落としてたぜ」

差し出されたのは果たし状とか拳とかではなく、板踏のものと思しき楽譜だった。

480板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 00:52:30
>>479

ちなみに板踏はそれなりに長身だ。
いや、だからどーとかそういう話ではないが。

ともあれ、ゆっくりと手を突き出す稲積に気圧され――――


  「――――む」


……楽譜を落としていたことに気づいた。

「……悪いな、助かる」

素直に礼を返し、楽譜を受け取ろう。
割と新しい楽譜だが、既に相当量の書き込みがされている。
素人目にも持ち主の熱心さが伝わるだろう楽譜だ。

「楽譜が『中抜け』しちゃあ、『曲』が成り立たないしな……」
「このまま気づかずどっかに行って、その間に間違って捨てられたりしてたらと思うとゾッとするよ」
「二度も言うのもなんだが……助かった。ありがとう」

481稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/21(木) 00:57:36
>>480
しかし、けっこうな書き込みの楽譜だったな。

――目の前の野郎に楽譜を手渡しながら、オレはそんなことを考えた。
吹奏楽部の楽譜なんてのは見たことがねえが、
みんなああいう書き込みをしてるもんなのかね。オレにはできねえ仕事だ。
オレは、何かを壊すことしかできないからな……(ちょっとハードボイルドぶる)。

「ま、困った時はお互い様ってヤツだ。
 それより、他にも落としてねえか確認した方が良いんじゃねえか。
 落としたのがオレが気付いた一枚だって保証はどこにもねえんだし」

紙が落ちるってことは、落ちやすい環境ができてたってことだ。
なら、他にも落ちてる可能性は否めねえと思うぜ。

482板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 01:12:55
>>481

個人差はあるが、音楽をやってる人間なら大抵はそれなりの書き込みをするものだ。
板踏は割と書き込みが多いほうだが……ちなみに、演奏するたびに増える。
その際限のない向上心が、音楽の楽しいところの一つだと、板踏は思っていた。

「おっと、確かにその通りだ」

言われて『まだ他にも落としているかもしれない』という可能性に思い至り、今落とした楽譜を入れる意味も込めてファイルを開く……

「…………げ」

……全力で表情をしかめた。

「……何ページか、ファイルに穴が開いてるな……下がパックリ裂けてる」
「5、6枚はどこかに落としたな、これは……」

見れば、言葉通り中身のないページがいくつか見受けられた。
今落ちた一枚も、そこから滑り落ちたものらしい。

「……買い替え時だな、ファイルの」
「流石に中等部からずっと持ち歩いてればガタも来るか……」

頭が痛い。掌を額にやり、ため息を吐いた。

483稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/21(木) 01:18:10
>>482
「おいおい……大丈夫か?」

けっこう大事なモンだろ、楽譜って。
しかもあんだけ書き込んでるんだ。替えが効くモンとは思えない。

「仕方ねえな……最後に中身を確認した場所と、
 どこを通って歩いたのかとかは覚えてるか?」

拾わないといけない以上、ルートの確認は確実にやっておきたい。
目の前の野郎にそれを聞いておくぜ。

484板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 01:27:38
>>483

「ああ……最後にファイルを開いたのは、『音楽準備室』だな」
「そこにある『楽譜』にいいのがないか見て……いいのがあったら、コピーしてもらっていこうと思ったんだ」
「まぁ今回は特になかったから、ザッと空きページを確認しただけなんだが」
「だが、その時は特に『抜け』はなかったはずだ」

この『ザッと確認する』というのがいけなかったのかもしれない。
もう少しちゃんと確認しておけば……というのは後の祭りだ。

「そこからは、ほとんど真っ直ぐ道なりにここまで来てる」
「だからそう変なところに四散しているということもないと思うが……ああいや、一回鞄を取りに教室に寄ったか……」

実際のところ、上機嫌に鼻歌交じりで歩いていたせいで、割と歩いていた時の記憶はおぼろげだ。
歩きなれた校舎ではあるし、変なところに寄ったりはしていないというのは大丈夫だと思うのだが。

「……ん。探すのを手伝ってくれるのか?」

と、ここで稲積の言葉から伝わるニュアンスに気づく。
見た目不良っぽいけど、いい人っぽい……いや落とした楽譜を拾ってくれた時点でかなりいい人っぽいけど。

485稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』:2015/05/21(木) 01:31:14
>>484
「結構歩いてるな……」
「こりゃ早めに行った方がよさそうだ」

と呟いていたが、なんか不思議そうにしてるのを見て、
こっちが首を傾げたくなってくる。何言ってんだ、此処でサヨナラってちょっとないだろ。
急いでるってんなら別だが、オレは今忙しくもねえし。

「乗り掛かった舟だ。手伝うぜ。
 それに暇だしな、オレ」

そう答えて、来た道を戻ろうとする。

486板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 01:40:09
>>485

「お前……いい奴だな」

板踏は素直に感心した。
初対面の奴を損得勘定抜きで助けてくれる……すごくいい奴だ。
板踏は音楽が好きだが、いい奴も好きだ。板踏の中で稲積の株がかなり上がった。

「ならもう一度……『ありがとう』」
「俺は二年の『板踏 甲賀(いたぶみ・こうが)』だ。あんたは?」

稲積についていくように来た道を戻りながら、自己紹介をする。
というか来た道を引き返すのだから、板踏が先を歩かなくてはいけない。早歩きで追い抜かす。

「……おっと、早速一枚」

ところで一枚目は割とすぐに見つかったようだ。
回収して『ファイル』に入れた(ちゃんと落ちないページだ0)。

487稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』【高2】:2015/05/21(木) 01:55:57
>>486
「気にすんな、もう一度言うが、乗り掛かった舟だしな」

そう気負いなく答える。
まったく大袈裟っていうか何て言うか、って感じだ。
っつか、コイツ同級生か。まあオレよりでかいしな。

「オレは稲積誇生。コーマで良いぜ、甲賀」

言いながら、オレもプリントを探すぜ。

488板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 02:04:08
>>487

「コーマ、コーマか」
「……名前の響きが似てるな」

イタブミコーガとイナヅミコーマ。
……似てる。すごく。

ともあれ。

「コーマは……二年か」
「部活とかには入ってないのか?」

恐らくネクタイや靴で学年を区別する手段があるはずなので、それで学年を確認する。
そして、暇で用事が無いということは、部活が休みか部活に入っていないのか。
なんとなく、アウトローっぽい見た目からすると帰宅部なんじゃないかと板踏は予測しているが。

会話しながら歩を進め、とりあえず教室に到着。
……お、(板踏は気づいていないが)教壇の横に『二枚』落ちているぞ。
『5、6枚落とした』という板踏の言葉を信じるなら、残りは三枚になる。もう半分だ。

489稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』【高2】:2015/05/21(木) 02:14:31
>>488
「おう、同級生だ。部活はやってねえけど」

オレも二年生ではあるな。

「まあ、部活はやってねえが『やること』はある」

たまに射撃場に行くくらいか。お蔭であそこを利用している……、
…多分アイツら、普通の学生じゃあねえよな。
オレみてえな普通の学生がいるかもしれねえけど、
明らかに『星群』の部下が何人か混じってると思う。
まあ、あそこを利用してる連中とは顔見知りだが。

「お、こっちにもあったぜ」

そう言って、教壇の横の二枚を回収する。

490板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 02:24:35
>>489

「『やること』?」

……バイトとかだろうか。
高校生ともなればバイトをしている生徒も珍しくないし、まぁそんな感じなのだろうと板踏は結論付けた。

ちなみにこの板踏という男、自分のクラスの人間の顔と名前すら満足に一致しない。
部活仲間や親しい友人なんかは流石にわかるのだが、興味が無いことに関してはあまり記憶の容量を裂いていないのだ。
ので、当然だが同学年の稲積のことを知っているはずもなかった。
一度も顔を合わせたことがないということもないだろうが、学生などそんなものだろう。

「『もったいない』な」
「見たところ筋肉の付き方は悪くないし……そうだな、『打楽器』なんか向いてそうだが」

心底、板踏はそう思う。
みんな『音楽』をやればいいのにと、板踏はいつも思ってる。
そこに深い理由は特になく、『だって楽しいから』という一点のみ。
それは楽しい遊びに知り合いを誘う、そのぐらいのニュアンスだ。

「ん、ありがとう。これで『三枚』か」
「この調子なら、特に問題なく集まりそうだな」

とりあえず、教室を出て今度は音楽室へ向かうのだ。

491稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』【高2】:2015/05/21(木) 02:36:38
>>490
「オレは音楽なんて柄じゃねえよ」

フッ、とニヒルな笑み。
オレの手は血で汚れちまってるからな…。…ってのは割と冗談にならねえ話だけど、
まあ人殺しの技術を磨いてるなんて言えねえしなあ。これではぐらかすぜ。

ったく、どうしてこうなったんだか。将来は『星群』の組織に就職か?
…わりとそれも悪くねえって思ってる自分がいるのが一番怖ええぜ。

しかし、すぐに合いそうな楽器を挙げて来るあたり、楽器バカのにおいがしてくるな。

「…しかし、スゲェ書き込みだよな」

甲賀の持つ楽譜を横目で見て、呟く。
これが『吹奏楽』の平均値なのだとしたら、それはそれで。
本当に好きじゃなければ出来ねえ熱量だと思う。

492板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 22:23:27
>>491

「…………別に、無理に押し付けるつもりはないが」

ガラじゃない、なんて言う稲積に、まずそう前置きする。

「音楽が『ガラじゃない』人間なんてそうそういないと、俺は思う」
「人間、大抵は音楽が好きだ。そういう風にできてる」

どこか確信めいた物言い。
薄く笑みを浮かべながら、当然の事だと言わんばかりに板踏は語る。

「良い『音楽』が流れれば……自然と体がリズムを刻みたくなる」
「俺が特別音楽好きな人間だって自覚はあるが、これは別に珍しい感覚じゃないだろう?」
「誰にだってあるはずだ、そういうのは」

「その感覚に、『音』を乗せる。それだけでいい」
「流れてくる『音楽』に、こっちも『音楽』で返事をするってのは、楽しいぞ」

別に楽器でなくとも、歌とか、ただ体を揺らすだけでもいいのだ。
そこから始まって、それが全て。
それがたまらなく楽しくて、板踏は音楽をやっている。

「その書き込みだって、大した量じゃない。本当はもっと色々書きたいんだ」
「楽譜との『コミュニケーション』……なんというか、うまく言葉にして書き込めないんだ」
「この俺の中で渦巻いてる気持ちを、もっとちゃんと言葉にしたい。まだまだ未熟だ。だから音楽はやめられない」

493稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』【高2】:2015/05/21(木) 23:05:22
>>492
……本当に音楽が好きなんだろうな、コイツは。
まあ正直オレはそんなに音楽には興味ねえからコイツの熱意は分からねえが、
『そのくらい熱中できるものがある』ってのは純粋に尊敬に値するぜ。
それに、音楽に関する考え方も、興味深い。

「言われてみりゃあ、オレもリズムに乗ったりはするな。
 だが…テメェみてえにはなれないな。オレはそこまで音楽に真剣になれねえし」

やっぱ、好き嫌いってのはある。
柄じゃねえってのはもちろんそうだが、ここまでの熱量がオレにねえってのも大きい。
勿論好きか嫌いかで言えば好きではあるんだが、
それは『生き残る為の術を磨く』ことに優越するって程じゃあねえ。

…いや。
        こ  い  つ
結局、オレは拳銃の技術を磨くのが好きってことなんだろうな。

「…はあ、いつの間にこんなトリガーハッピーみてえな思考になったんだかな」

そう呟いて、こめかみを指でかく。
あるいは、元々そういう素質があったからこんな能力に目覚めているのか。
まあ、ちょっと清々しい気分にはなった。

「じゃ、次行こうぜ」

切り替えるように言う。

494板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 23:20:26
>>493

「……そうか」

とても、残念そうな顔をした。
無理には勧めまい。娯楽は強要されるべきものではない。
だが、それでもやっぱり……残念だと思った。

だが、ああ、無理強いはできないのだ。
楽しい遊びを無理に強いれば、それは楽しい遊びでなくなってしまうから。
残念だが、傷つくようなことでもない。切り替えはすぐだ。

「ああ、あとは音楽室に行くだけだから、多分すぐに見つかると思うが……」
「……ところで、トリガーハッピーってのはなんのことだ?」

ところで板踏は稲積の呟きをしっかり聞いていた。
歩きながら、素朴な疑問を投げかける。

495稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』【高2】:2015/05/21(木) 23:25:12
>>494
「こういうことだよ」

そう言って、右手で拳銃の形を作って甲賀に突きつける。
…ああ、まあコイツには説明しても良いか。
人殺しの技術ってことは言えねえけど、射撃の腕を磨いてるってことくらいは。

「射撃の練習をしてる。
 音楽ができねえってのも、これに集中したいからってのが大きい。
 …この学校、射撃場があるんだ。知ってたかよ?」

496板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/21(木) 23:35:37
>>495

「……銃?」

予想していなかったと言うか、一般的な高校生からすると突拍子もないような返答に面食らう。

「…………射撃場なんてものがあるのか、この学校は」
「……好きなのか?」

文脈から察するにそういうことだろうが、射撃が好き――それも恐らく実銃で――というのは、板踏の感覚だとよくわからない。
いわゆる『ミリオタ』という奴なのだろうか、などと考えている。
あるいは『自衛官』にでもなろうとしているのか……よもや、『今戦うのに必要だから』とは微塵も想像しない。

ところで廊下の曲がり角に、もう一枚『楽譜』が落ちていた。残るは『二枚』だ。

497稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』【高2】:2015/05/21(木) 23:52:04
>>496
「わりと何でもあるぜ、この学校」

そう言いながら、楽譜を一枚拾う。

「好きは好きさ。嫌いじゃなけりゃあ続かねえ。
 最初は、周りに押されるままに始めたが、
 性に合ってたんだろうな。何だかんだ続いてる」

『追尾弾』だってある。
素人狙いで良いなら練習だってする必要はねえ。
それでもやってるってことは、そういうことなんだろ。

498板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/22(金) 00:13:41
>>497

「まぁお前が利用してるってことは、需要はあるってことだが……」

それでも、学校に射撃場というのは凄まじい。
警察学校とかにはあるらしいが、ここはそういうとこってわけでもないのだし。

「……ふぅん」

射撃。
…………正直に言えば、あまりにも『遠い』というか、実感の湧かない領域だ。
生まれてこの方一度も触れた事はないし、触れたいとも思わない世界だが。

「まぁ、いいんじゃないか」
「好きなことがあるのはいいことだ。その方が、生きてて楽しいしな」

好きなことができる人生ならば、それは素晴らしいことだ。
板踏の場合は、少々それが行き過ぎているきらいもあるが……無趣味よりは、何かしら趣味があるほうが絶対楽しい。


そんな話をしている内に、音楽準備室に到着し。

「お、最後の『二枚』……これで全部だ」

床に落ちていた、二枚の楽譜を回収した。
これで合計六枚。ファイルの中を確認して、他に抜けがないか確かめて……

「……よし、問題ない」
「助かったよ、コーマ。何度も言うようだが、ありがとう」

499稲積 誇生『バイト・ザ・ブリット』【高2】:2015/05/22(金) 01:09:26
>>498
「よし。全部そろったな」

枚数を確認し、頷くぜ。
無事に全部あって良かった。
これで一枚でもなくなってたら面倒なことになってたところだ。

「気にすんな。困った時はお互い様だぜ。
 代わりにオレが困った時は助けてくれよ」

そう言って、笑って見せる。
『恩には恩を、仇には仇を』。それがこの世の基本ルールだ。
だから、他人の世話を焼くのが必ずしも人間性の高潔さを表す訳じゃねえ。
こういうのは、先行投資だと思って受け取っときゃ良いんだよ。
…なんてことは、わざわざ言わねえけど。

「じゃ、オレはこれで。
 この後も行くんでな…『射撃場』」

そう言って、踵を返し、

「お互い、『好きな事』を頑張るとしようぜ」

そう、笑みを向けてみる。

…あれ? 言い切ってから気付いたが、音楽室に行くまでの道でばったり
会ったってことは、向かう方向は同じだし別れる必要もないってことだよな?

………。

…格好、つかねえぜ。

500板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/05/22(金) 01:24:24
>>499

「ああ、俺にできることなら、何でもやるさ」
「気軽に声をかけてくれ。『演奏』ぐらいしかできることはないが」

冗談めかし、鼻を鳴らして薄く笑う。
実際、できることと言えば演奏ぐらい。
単純に人手が必要な作業ぐらいなら手伝えるが、逆を言えばそれぐらいしかできないのだ。
あるいは最近手に入れた『力』もあるが……こんなもの、乞われて使う機会があるとも思えない。

「なら、俺は新曲の練習でもしに行こう。拾ってもらった楽譜でな」
「お前も、『好きな事』を好きなだけやってこい……」


「……とはいえ、途中までは一緒だが」


踵を返した稲積に追従するように。
板踏は珍しくニヤニヤと人の悪い笑顔を浮かべ、しばらく稲積の隣を歩いて行った……

501関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/22(金) 22:40:21

「失礼しました……」

    ガラガラ

  「はぁ……」


職員室から出てくる女生徒が一人。
流れるような長い黒髪、ひざ丈のスカート。
清楚なオーラを振りまく少女だが、その表情は暗い。

(最近授業に集中できてないって、先生に怒られちゃった……
 やっぱり先生はよく見てるんだわ。もっとちゃんとしないと……)

「…はぁ……」

……暗い。

502嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/22(金) 23:46:08
>>501

「怒られた?」

職員室を出てきた関東の横から、声をかけてくる少女が一人。
職員室の扉の隣で腕を組みながら背中を壁に預け、関東へウインクを飛ばしてくる。

トレードマークはブラウンの髪を真ん中で分けたロングストレートに人当たりの良い笑顔。
同学年ということで、彼女とは交流したことはあるはずだ。
いつも笑顔のムードメイカー、『嵐ノ宮 暁利』(しのみや きらり)。

「何やっちゃったの?サボり?わたしのリスペクトかなー」

彼女と友だちであれば、彼女がここのところ授業や学校自体をサボりがちだということを知っているだろう。
彼女はそれを否定せず、むしろ笑い事にする。こんなふうに。
暗い気持ちを明るくしたいなら、彼女を頼ってみてもいいはずだ。
その辺の女子よりも口は堅く、彼女が愚痴を聞かされている光景はよくあることなのだから。

503関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/23(土) 00:09:40
>>502

「暁利ちゃん」

どうしてそこに、なんて顔をそちらに向けて。
『関東也哉子(かんとう ややこ)』、通称は『ヤーコ』。
外見通りおしとやかで真面目な正確だが、社交性が高く友人の多い少女。
タイプは違えど、当たり前のように嵐ノ宮とは友達だ。

「あはは、サボりはいかんよー……なんて、言えなくなっちゃったかなぁ」

苦笑気味に返す言葉には、あまり元気が無い。

「その……最近、ちょっと授業に身が入らなくて……
 ボーっとしてることが多いっていうか、それで先生に注意されちゃってねー」

504嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/23(土) 00:26:33
>>503
「ああ、『恋煩い』?」

直球。
年頃の女子で最近ボーッとしてることが多い、となるとパッと頭に浮かぶのがこれだ。

「大丈夫だよー、元気出してよヤヤちゃん」

ヤーコの肩を組み、顔を近づける暁利。
彼女としては、ヤーコを励ますつもりのようだ。慰める、ということなら彼女にうってつけの仕事。
解決するための相談相手としてアテになるのかは別だが……。

「ヤヤちゃん可愛いんだから、自信持ってアタックしてこ。
 わたしが保証するからがんばがんば」

505関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/23(土) 00:58:22
>>504

「な、なに言っとりゃあすか!」

『恋煩い』などと言われて、狼狽した。
普段は出ない『方言』が飛び出す。『初心』なのだ。

「か、可愛いとか……たわけこと言ったらいかんがね、もう!」

顔を真っ赤にして、肩を組む嵐ノ宮を振り払う(力は弱い)。
そのままプイとそっぽを向いて……

「…………」


「………………その」


「……や、やっぱりなんでもない! なんでもないの!
 その、楽しい話じゃないし!」

目をぎゅっと瞑り、ブンブンと手と頭を振った。

506嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/23(土) 01:12:52
>>505
「違うかー」

暁利はおとなしく振り払われる。
方言もかわいいなあ、などと思いながら。

何かを言いかけて、取り消すヤーコ。
幸い、暁利は今日は善行をする気分だった。

「いいよ、話したいことがあるなら言ってみて。
 愚痴なら付き合うからさ」

ヤーコの頭に右手を置き、優しげな微笑みを向ける暁利。
その瞳からは暁利が何を考えてるかなど窺い知れないが、
ヤーコにとって悪い選択肢ではないはずだ。

「話さないとスッキリしないことなんて、結局誰かに話しちゃうんだからさ。
 そんなの、出来る限り早く吐き出した方がいいに決まってる。
 わたしは誰かに話したりとかしないし、お手頃な物件だと思いますがー」

ちょっと茶化すように言いながら、ヤーコへ耳を傾ける暁利。
付け足すように囁く。

「人前で言い難いなら、ちょっとした『プライベート・ルーム』も用意できるぜー」

507関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/23(土) 01:26:36
>>506

「う〜……」

少し上目遣い気味に嵐ノ宮を見ながら、唸る。
悔しいけど、暁利ちゃんの方が大人だな……なんてことを考えながら。

「じゃあ、その……お言葉に、甘えちゃおうかな」

そして、折れた。
友達が相談に乗ってくれるというのに、邪険にするのは『違う』と思うから。
実際誰かに話してしまった方が楽になれるというのはわかっているから、折れた。

「できればここじゃない場所で……『プライベート・ルーム』? っていうのは、よくわかんないけど」

だから、縋る。
申し訳ないと思いつつも、その冗談めかした物言いがありがたい。

「……なんか、ごめんね、暁利ちゃん。
 あたし、気を使わせちゃってるね」

508嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/23(土) 01:42:06
>>507
「ふふん、お安いご用だ」

ヤーコの手を取り、歩き出す暁利。
足の向く先は、用がなければ立ち入ることもないだろう方向。
職員室から階段を上がっていき、屋上への階段の踊り場で立ち止まる。

「これからヤヤちゃんが体験する『場所』は、深く考えても仕方ない『場所』。
 何を言ってもよくわかんないと思う。だから、ちゃちゃっとお話済ませちゃおう」

暁利はヤーコの方へ振り向き、先ほどとは全く違ってシリアスに言葉を発する。
ヤーコがこの言葉に反応するよりも早く、


     ザザザザ
  ザザ      ザザ
 ザ           ザ


二人の立つリノリウムの床が『弧』を描くように『波』打ち始め、
それは二人を囲むように徐々に『円』を形成していく。

「だいじょうぶ、ちゃんと帰れるから。安心して、わたしを信じてて」

そして、『波』が『円』を完成させ――『渦巻き』となり、二人を飲み込もうと牙を剥く。
『渦巻き』の引きずり込む力は強く、ヤーコは逆らうにしても骨が折れそうだということがわかる。
『渦巻き』の終端には、『暗闇』がぽっかりとそこにあるのみ――。

509関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/23(土) 02:08:30
>>508

手を引かれるがまま、歩いていく。
人のいない方にいくのは当然だ。そう望んだのだから。
だが、『プライベート・ルーム』という言葉が気にかかる。

「え? 暁利ちゃん、何を言って……」


  ド         ド
     ゾ          ド
   ド  ワ
       ッ      ド

     ド    ド      ド


 ド    ド    ド


「な、なに、これ……ッ!
 大丈夫って……で、でも、い、嫌っ!」

恐怖が浮かぶ。
涙があふれる。
抵抗もできない。
信じろと言われても、いくらなんでもこれは……!

「お、おそぎゃあよぉ暁利ちゃん! どえりゃあおそぎゃあよぉ!」

510嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/23(土) 02:36:21
>>509
「ま、学校の七不思議の1つとでも思ってて」

怖がるヤーコの頭を撫でながら、共に『渦巻き』の中へ沈んでいく。
足先から胴体、首、そして頭が『暗闇』へ飲み込まれる。


次にヤーコが見た光景は、どこまでも果てしなく続く『水平線』だった。他にも、
『ソファ』、本棚、枯れ木、自販機、大きなゴミ箱、ベッド、高そうなデスク、おもちゃ箱、ショッピングカートなど、
周囲にあらゆるものが雑多に存在し、不気味な赤色に染まった夕暮れの空がヤーコの制服を染める。
暁利はのんきに歩き出し、二人の前方にある『ソファ』へと歩き出す。向かい合うように設置された、一組の高級そうな『ソファ』。
地面は硬質だが、暁利が歩くごとに水面のように波紋が広がる。
天頂には、渦を描く真っ黒い『何か』。大きくなったり小さくなったりして、『脈動』を続けている。

「さ、座って。飲み物出せなくてごめんね」

そう言って、暁利はソファへ腰掛けた。

511関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/23(土) 03:01:48
>>510

恥も外聞もなく泣きわめき、ぎゅっと嵐ノ宮に抱き付いて怯える也哉子。
理解も追いつかず、死すら想起させる恐怖に囚われて。


  そして、飲み込まれる。


「………………ふぇ……?」

恐る恐る、固く瞑っていた目を開き、周囲を見回して。
視界に映る異世界としか言いようのない空間に、ただただ茫然とする。

  「え…っと………」

歩くどころか立つこともかなわず、へなへなとその場に座り込んだ。

 「あたし、死んでまったんかね……?」

咄嗟に口を突くのは、そんな言葉だ。
この空間から、どこか『あの世』のような印象を受けたのだ。

「す、座れって言われても……
 あたし、何がなんだかわからんてぇ……夢でも見てるのかしゃん……?」

512嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/23(土) 03:21:11
>>511
「紛れも無く生きてるし、起きてるよ。深く考えても仕方ないって言ったでしょー?」

超然として、ヤーコを眺めながらなんでもないように振る舞う暁利。
ふと、ヤーコのすぐ近くの『水面』が、先ほどのように波打つ。今度はヤーコの正面に回りこむように。
そして波が止まったと思うと、ヤーコの制服がくいくいと引っ張られる。そこに何もいないというのに。

「このソファ、すっごくふかふかだよ。座ってるとついついうとうとしちゃうくらい」

お行儀悪いから座りなさい、とあくまでも暁利はソファを勧める。
……暁利をよく観察すればわかるが、彼女は……職員室前にいた時よりも、雰囲気がかなり柔らかい。
『無防備に寝る赤ちゃん』のような、『自分は何からも保護されている』という絶対の自信もある。

「あっと、時計時計……」

デスクから卓上時計がふわふわと浮かび上がり、暁利の手元に飛んでいく。
『超能力』というより、『見えない何か』がいっしょけんめい運んでるように見えるが……。

513関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/23(土) 03:43:04
>>512

「で、でも……」

  「ひっ」

見えない『何か』に、制服を引っ張られる。
なにかいる。明らかに、也哉子には知覚しえない『何か』が。
意味がわからない。
わけがわからない。
ただひたすらに理解不能で、それが恐ろしい。が――――

「う……うん」

「ごめんね。ちょっと、驚いちゃって」

ゆっくりと立ち上がって、おぼつかない足取りでソファへと移動する。
すごく怖いし、意味が分からない。
だが、これが『嵐ノ宮暁利の世界』だということは、なんとなくわかった。
だったら、多分大丈夫だ。
きっと悪いことにはならないと、そう思う。否、そう『思いたい』。
だから少し無理に笑いながら、ソファに座る。

「えっと、それで、あたしの話なんだけど……
 ……その、ちょっと待ってね。まだ少し混乱してるみたいだから」

大きく息を吸って、吐いて。
異常を受け入れる体制はできても、この衝撃はすぐには誤魔化しきれない。
足だってまだ、奮えてる。
顔だってまだ、蒼褪めてる。

514嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/23(土) 20:18:37
>>513
「ゆっくりでいいよ。時間はあるし、なんならサボってもいいしー」

暁利は卓上時計を両手で転がして、ソファに深く身を沈み込ませながらヤーコを観察している。
『優越感』……とでも言えばいいのだろうか。普段の彼女が見せることのない、全てを見下す『女王』の雰囲気。

「紅茶を用意できるようにしておけばよかったかな。失敗したな。
 今度ガスコンロでも仕入れよう」

片足を上げてもう片方と組ませ、肘掛けに肘をついて、独り言をつぶやく暁利。右手には卓上時計。
視線はヤーコから外さない。片時も。

515関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/23(土) 22:16:07
>>514

「だ、だめだよ、サボったら……うん……」

まだ困惑はしているが……少しずつ、落ち着いてきている。
悠然とこちらを見下す嵐ノ宮はまるで神様かなにかのようで、少し所でなく怖いけれど。
それでも也哉子は彼女のことを友人だと思っているし、彼女も自分のことを友人だと思っていてくれていると、そう信じることにしたのだ。
友達だから、私を『ここ』に呼び寄せたのだと。
そう考えて、自分の困惑に蓋をする。

「……よし。
 うん、大丈夫。おかまいなく」

綺麗な空間では、あるのだ。
そこに意識を向ければ、大丈夫。なにも怖いものはない。
意を決して、ぽつぽつと悩みを話す。

「んっと……どこから話そうかな……
 少し前に、お父さんが『通り魔』っていうか、『カツアゲ』……いや、『強盗』?
 なんて言えばいいのかわからないんだけど、とにかく人に襲われて、お金とか取られちゃったの」

「幸い命に別状はなくて、今は入院してるんだけど。
 ……でも、去年名古屋からこの街に来たばっかりなのに、こんなことになっちゃって。
 お父さん、『見えない何かに殴られた』なんて言ってて、なんだか嫌な感じがして。
 あたし、なんだかそわそわしちゃって…………」


「…………うん……?」


「…………『見えない』……『なにか』…………?」


……そういえば。
・ ・ ・. ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. ・ ・ ・
たった今、そんな経験をしたような。

516嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/23(土) 23:28:15
>>515
「『スタンド』。傍に立つもの(Stand by me)」

ヤーコの話を聴いて、暁利がまず発した言葉がこれだった。
見れば、先ほどと同じように卓上時計が空中に浮いている。
『見えない何か』が掴んで上下に揺さぶっているように、ふわふわと浮かんでいるのだ。

「ヤヤちゃんのお父さんが体験したのは、超能力じみたもの。
 それは生まれつき持っていたり、誰かから与えられたり、何かの拍子に目覚めたり」

誰かからの受け売りなのだろうか、暁利は人差し指を振りながら諳んじる。
先ほどまでの余裕綽々の表情から一転して、彼女はとてもつまらなさそうだった。

「それはなにか一つ、二つほど超能力を持っていて、更に自分の精神体を表現した『ヴィジョン』もある」

「人の形をしたものもあれば、動物や衣服……またはその人そのもの」

「そして、それらは人には見えない。同類以外が目にすることは出来ない」

暁利はヤーコを指さし、こう言った。

「それが『スタンド』。『スタンド使い』は『スタンド使い』と惹かれ合う」

瞬間、ヤーコの胸部――いや、『心臓』が何かに掴まれたような圧迫感を覚える。
心臓の機能を損ねるほどではないにしろ、圧迫感が……そして、生命の危機感がヤーコを襲う。

「『スタンド』を持っていないものが『スタンド』を得るには、『死ぬ』かと錯覚するほどの『苦痛』が伴う」

517関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 00:16:47
>>516

「スタン、ド」

耳慣れない言葉。
見知らぬ概念。
だが……それが嘘でないことは、たった今『経験』した。

「お父さんは、そんなものに……」

    ド
     ク
     ン


   「…………ッ!?」

胸が、苦しい。
胸に何かを突っ込まれて、何者かに臓腑を鷲掴みにされている感覚。
心臓の鼓動が高鳴り、しかしそれを抑え込まれる違和感。
異物感と圧迫感が胸に差し込まれ、恐怖となって増幅していく。

「ぅ、ぐ……きら、ちゃ………なぃ…を……」

怖い。
怖い、怖い、怖い。
死にたくない、こんなところで死にたくない。
こんなところで、意味も分からず死にたくなんてないのに――――!

518嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/24(日) 00:27:04
>>517
「――とまあ、そういうわけで」

不意に、ヤーコに襲ってきた圧迫感は消失する。
訪れるのが一瞬であれば、去るのも一瞬だった。
ヤーコの足元の水面が波打ち、ヤーコから離れていくのが見える。

「こういう『理不尽』が世の中には存在するの。
 だから、ヤヤちゃん自身がどうこうできるものじゃないよ、それは」

あくびをしながらソファに横たわり、視線をヤーコに向ける暁利。

「自分がその犯人を裁きたいって思うなら、ヤヤちゃんもスタンド使いになるしかない。
 でも、ヤヤちゃんだと『死ぬ』んじゃないかな」

あっけらかんと告げる。
カラスは黒いだとか、りんごは赤いだとか、そういう『当たり前だろ』なんてふうに。

「それに、私が知ってる方法だとプールとかいけなくなるからね。
 ああ、場所によっては大丈夫か」

暁利は背面の腰部を擦りながら付け加えた。

519関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 00:58:01
>>518

「―――っ、ぁぁっ!
 っはっ、はっ、はぁっ、はぁっ、はぁー……っ」

解放され、必死に息をする。
思考がまとまらない。必死に呼吸して、吸って、吐いて。

「あ、あたしは……」

裁きたいなら、と彼女は言った。
……あたしはどうしたいのだろうか。
父が倒れて、怖かった。
意味の分からないもので父が怪我をしたと聞いて、不安だった。
そんな理不尽で、自分の世界を壊された気がして。それがものすごく不安で、許せなかった。

「…………ねぇ、暁利ちゃん」

あっけからんと話を続ける嵐ノ宮の話を遮るように、声をかける。

「その……『スタンド使い』っていうのは、たくさんいるの?
 あたしのお父さんに怪我をさせたような悪い人が、たくさんいるの?」

「あたし……やだよ、そんなの。
 裁きたいなんて、思わないけど」「そんなので人が怪我するの、やだよ……」

520嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/24(日) 01:09:54
>>519
「だったら『再起不能(リタイア)』になるまで叩きのめせばいいじゃない。
 二度と悪行できないように、心身ともども打ちのめせばいい」

「そうしなければ、この先ずっとお父さんのように怪我する人は出てくるよ。
 もしかして、『スタンド反対!』なんて言ってれば『暴力』は止まるとでも思ってるの?」

小馬鹿にしたように、ヤーコの『ワガママ』に言及する。

「『ナイフ』を持ったら、切ってみたくなる。
 『銃器』を持ったら、撃ってみたくなる。
 似たようなものだよ、『スタンド』って。『暴力』っていうのはそうそう止むことはない」

「『スタンドはスタンドでしか倒せない』。
 これが『スタンド使い』の大原則だよ」

戦争と同じね、なんて気取って付け加えて。
彼女もヤーコの父親を襲った者と同じように、『他人の世界を壊しうる者』だった。
そしてそれに酔った、『患者』でもあった。

521関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 01:49:54
>>520

「……………あたしね」

嘲るような嵐ノ宮の言葉に気圧されるでもなく、ぽつぽつと。

  「世界って、もう少し『優しい』ものだと思ってた」


        「たまに悪い人はいても、なんとなく皆いい人で」

    「どうしようもないことなんてあんまりなくて」

 「なんとなく、うまく回ってくものなんだろうなって、そう思ってた」


           「でも、違うんだね」


世界は意外と、『理不尽』だ。
どうしようもなく残酷で、笑えるぐらいに容赦がない。
それを理解して、也哉子は思った。

「あたしは―――――『考えたい』」

「『剣』を手に取る前に……何かないかって、考えたい。
 後戻りができなくなる前に、『無手』だからできることがないかって、探したい。
 それで全部考えて、どうしようもなくて、やっぱり『剣』には『剣』じゃなきゃ対抗できないって思ったら……」

「……その時に、改めてどうするかを考えたいの」


「…………甘えてるね、あたし。
 なんか、ごめんね、暁利ちゃん。せっかく色々教えてくれたのに、こんなこと言っちゃって」

522嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/24(日) 02:01:43
>>521

「……」

ニヤニヤと底意地の悪い笑みを浮かべながら、ヤーコの独白を聴く。
最大限口角を吊り上げて、目を細めて。

「ふくっ」
「んふふふふっ」

その口から、笑い声が漏れ出る。
どういった種類の笑いなのか、ヤーコに判別つくだろうか。


          『カコン』

ふと、ゴミ箱の方から軽い音が聞こえた。
中身の無いアルミ缶を握った時のような、少しへこんだ時に出る音。
それは正解で、アルミ缶が空中を浮遊してヤーコの方へゆっくりと迫ってくる。

523関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 02:28:49
>>522

「っ……!」

わかる。
いや、笑いの理由はわからない。
単純に面白いと思ったのか。
甘えたことを言う也哉子を苛めたくなったのか。
それとも、怒りが沸点を超えたのか。
でも、彼女が何かしようとしていることは分かる。
だから、也哉子は…………

「な、なーんもおそがいことあらすか。
 暁利ちゃんは、確かに意地悪な事する子だわぁ。
 けど、友達だで。暁利ちゃんは、ええ子だっちゅうことはわかっちょうよ。
 ほんだで、なーんもおそがいことはあらすかね!」

ツンと、平気な振りをする。
怖くない。なんにも、怖くないのだ。

524嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/24(日) 03:14:33
>>523

「くふふ……」

忍び笑いを漏らしつつも、寝ている姿勢から起き上がって座り直し、緩慢に立ち上がる。
立ち上がったからといって何をするわけでもなく、ヤーコに背中を向けた。

「『大好きな人』がいたの。わたしの生涯の半分以上ずっと想い続けた、一人の男の子」

ゆらりゆらりと『空き缶』がヤーコへ迫る。

「狂おしいほど好きだった。でも、離れ離れになった。
 そうやって中学生になって、いきなり彼は戻ってきた」

彼女の顔は窺い知れない。声も無機質で、感情を悟らせない。

「だから、会いに行こうとした。夜中に忍び込んで、本当にいるのかを確認したかった。
 でも、それは叶わなかった。『殺意』がわたしの世界を一変させた」

暁利は自らの制服の着丈をずらし、スカートのホックを外してずらし、『胸腰筋膜』を見せる。
そこには、緻密で卓越した『刺青』が彼女の肌の上に描かれていた。
『ハクチョウ二匹が頭を合わせたハートマーク』と、『二匹の足元に咲き誇る大輪の赤い薔薇』、『それらを囲む青と赤の二本の茨』。
それはとても美しく、彼女の『華奢な身体』には似合ったものではなかった。

「彼に会うために、これを彫ってもらった。死ぬような痛みが終わった時には、その辺の『超能力』らしい『超能力』じゃなくてガッカリした」

ここでようやく、暁利はヤーコへ半分だけ顔を向ける。瞳孔が開き、ヤーコの胸元を射抜く。
浮遊する『空き缶』がヤーコに迫る。その先は太腿。『大動脈』が存在する場所。

「これでもやっぱり、世界はわたしの望むようなものじゃなかった。
 全部意味のないことだったんだ。上げて落とされて、上げて落とされた」

「ね、もしかして『きらりちゃんはひとごろしじゃない』とでも思ってる?」

暁利がこれから行おうとしていることは、疑う余地なく『八つ当たり』だ。

525関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 03:39:06
>>524

「……………………」

ジッと、嵐ノ宮の言葉を聞く。
その内容は、よくわからない。多分、向こうも伝える気はない。
迫る『空き缶』、注がれる視線。
どれも、怖い。酷く怖い。
それでも也哉子は一瞬瞠目すると、静かに目を開いて嵐ノ宮を真っ直ぐ見た。
肩は震えているし、呼吸は荒いけれど。

「……さっきまでは、思ってたよ。
 暁利ちゃんは優しい子で、いい子で、『そういうの』とはなんにも関係ない子だって思ってた」

その震えを隠そうともせず、じっと真っ直ぐ嵐ノ宮を見る。

「ついさっき、違うのかなって思った。
 もしかしたら、『そういうこと』ができる子で、したこともあるのかなって、ちょっと思った」

汗が噴き出す。足が震える。
カタカタと鳴る顎を必死に抑えて、せめて言葉だけは滑らかに紡げるように。

「ごめんね、暁利ちゃん」

今日何度目かも分からない、謝罪の言葉を紡ぐ。

「あたし、押し付けてたね。
 怖いから、殺されたくないから、暁利ちゃんは良い子だって、思い込みたかった。
 暁利ちゃんのこと、何も考えてなかった」

震える足を押さえつけて、すっくと立ち上がる。
 ・ ・ ・
「いいよ」

「凄く怖いし、逃げ出したいけど。
 あたし、暁利ちゃんから逃げたくないから……『いいよ』」

526嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/24(日) 14:07:43
>>525
ぴたり、と空き缶の動きが止まる。
暁利は怪訝な目をヤーコへ向ける。
『何言ってるんだこいつ?』というような、問い返す視線だ。

「何が?何のこと?何の話?」

本当にわかっていない。
ヤーコの『受け入れる』という選択肢が全く理解できない。

「どういうこと?何のつもり?」

スカートのホックを戻し、身体を振り返らせて正眼からヤーコを見る。
品定めするような視線に、動揺がわずかに混じる。
あまり見せることのない、暁利の弱い表情。

「『逃げたくない』?え、逃げなよ。なんで?
 わかんない、何?どういう話?怖いんじゃないの?あれ?」

制御を失い、水面へ落ちる『空き缶』。
軽い音を立てて跳ね、転がっていく。まるでヤーコから逃げるように。

527関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 17:06:30
>>526

「…………?」

困惑する嵐ノ宮に、困惑する。
だって也哉子は当たり前のことを言っただけだ。
素直に、自分の心のままに正しいと思ったことを選択しただけだ。

「だって……」

「逃げたら、絶対『後悔』するから」

だから当たり前のことを言うように、答える。
震えは止まった。視界が開けていくような感覚。

「そりゃあ、怖いよ。
 死んじゃうかもしれないし、死ななくたって、すごく痛いし苦しいと思う」

自分の太腿に目をやり、手で撫でる。
先ほどまで、『空き缶』に狙われていた場所。

「歩けなくなっちゃうかな。
 もしかしたら、足を切らなきゃいけないかもしれない。
 ……怖いよ。そんなの、嫌に決まってるよ」

嫌じゃない訳がない。
誰だって痛いのは嫌だし、障害を抱えたいだなんて思わないし、死にたいなんて、思わない。


                「でも」


          「逃げたら絶対、一生『後悔』する」

    「あたし、『考えたい』って、さっき言った。
     なのにここで逃げたら、決まっちゃう。
     暁利ちゃんをただの『コワイヒトゴロシ』にしちゃうし、世界を『ヒドイトコロ』にしちゃう」

              「それじゃあ、ダメだよ。
               目を、耳を、どこも塞ぎたくない。
               だから、逃げない。逃げたら全部、終わっちゃうから」

        「逃げなくても、終わっちゃうかもしれないけど。
         でも、逃げたら絶対に終わっちゃう。
         だったら、逃げない方が絶対にいいもの」


             「『だから』、『いいよ』」

528嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/24(日) 17:41:06
>>527

「……」
     「なにそれ」

両手で頭を抱えて、暁利はよろめきながらその場にうずくまる。
今この場で『生殺与奪権』を握っているのは彼女だというのに、丸まった彼女はひどく『小さく』見える。

「意味分かんない……」

声が震える。唇がわななく。肩が縮こまる。
先ほどまで見えていた波紋は、空き缶が落ちてからはまるで見えない。

「何がどうしてそうなるの?なんでそう、『立ち向かう』ことができるの?
 頭おかしい、わけわかんない、さっきとぜんぜん違う」

『渦巻き』に怯え、暁利に縋り、足を竦ませていたヤーコ。
それと、今のヤーコ。違う。暁利が求めていたものは、そういうことではない。
暁利はヤーコを直視できない。
先ほどとは立場が逆だ。笑えるくらいに、見事な対比だ。

「なんでそんなこと、言えるの?
 そんなの、まるで、」

             『立ち向かう者(STAND)』じゃないか。

529関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 18:35:47
>>528

「ど、どうしたの?
 暁利ちゃん、大丈夫!?」

うずくまる嵐ノ宮に駆け寄る。
手を伸ばす。屈んで、背に手を置こうとする。

さっきまで、自分を殺そうとしていた相手なのに。


でも、手を伸ばす。


「あ、あたしだって、わかんないよ!」

怯える嵐ノ宮の言葉に、思わず叫び声が出た。
震えは止まっても、逃げないと決めても、恐れも、怒りも消えてはいない。

「暁利ちゃん、相談に乗ってくれるって、言ってたのに!
 いきなり、あたしのこと殺そうとしたりして!
 かと思ったら、急にこんな感じになっちゃって!」

「暁利ちゃんの方が、ずっと意味わかんないよ!」

珍しく、也哉子は心の底から怒って、叫んだ。
気まぐれで助けてくれたかと思えば、急に殺そうとしてきて、かと思えば怯えだす。
也哉子からしてみれば、嵐ノ宮の方がずっと不可解で、理不尽だ。
この空間に来た時、也哉子は嵐ノ宮を『女王』のようだと、『神』のようだと思った。
でも今は、『王女様』のようだと思う。
気まぐれに善行も悪行も成す、子供みたいに優しくて、残酷で、世間知らずの王女様。

「……でも、全部『暁利ちゃん』なんだもん。
 わかんないって、それで終わらせちゃったら……もう、ずっとさよならになっちゃうよ……」

結局のところ、也哉子はこの期に及んで嵐ノ宮のことを『友達』だと思っていた。
狂ってる。その友達に殺されそうになっているのに、それでもまだ友達でいようとしている。
也哉子自身、立て続けに起こる理不尽によって自棄になっているのかもしれない。
でなければ、その悪性と危険を理解した上でこんなことを言い出すなんてことは普通あり得ない。
その善性も悪性も、不安定さも。全て『嵐ノ宮暁利』として飲み込もうと言う狂気。

それでも、少なくとも、今は。
也哉子が感じる、『友達』とお別れしたくないという気持ちは――――本当に、心の底からの気持ちで。


だから、手を伸ばした。

530嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/24(日) 19:21:13
>>529
ヤーコの感情をぶつけられて、それでも彼女は暁利と友だちであろうとして。
暁利はしばらく、ヤーコに顔を向けることが出来なかった。ヤーコの視界に映る彼女の表情は、
いろんなものを混ぜた結果醜い色になったジュースだった。
口を固く結んで、眉を寄せて、涙を流さないように努めて、視線は下へ降ろされていた。
長い睫毛が瞬きの度に跳ねて、化粧を重ねた時のポテンシャルの高さが覗えた。
高校生になったら、暁利もメイクを覚えるだろう。いや、もうある程度はしているかもしれない。
でも、今ここにいる彼女は『素顔』だ。『綺麗に見せる』ことも、『汚いものを隠す』こともしていない。

「……『スタンド』は、前へ進む精神があってこそ、身につくものだって」

俯きながらも、訥々と語り始める。

「だから、わたしだって全力で前に進んでた。それで走りきって、ゴールが見えてた。
 でも、その前に大きな落とし穴があって、転がり落ちて心が折れてた」

そして、『嵐ノ宮暁利』は『関東也哉子』の手を掴む。
引き上げられるために。逃げ出さないために。

「『全部受け入れる』……なんて、わたしにはまだできない。
 どうやってするのか、教えてほしい」

        立ち向かう者         臆病者
顔を上げて、『也哉子の目』を直視する『嵐ノ宮暁利』。
夕暮れを反射しているためか、ブラウンの瞳の上できらりと輝いている太陽。
也哉子でも他の少女でも、彼女とここまで近い『距離』で触れ合った覚えはない。
昨日までの暁利には、暁利の思う『親友』などは存在しなかったから。

531関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/24(日) 21:50:42
>>530

掴まれた手を、しっかり握り返す。
離さないように。確かめるように。
瞳をそらさず、じっと見つめ合う少女たち。

「そんなの……あたしにも、わかんないよ。
 ただ逃げたくないって、思っただけだから」

肩で息をする也哉子の表情は、疲れと恐怖で蒼褪めているようでもあり、興奮と夕焼けで紅潮しているようでもあり。
およそ通常とは程遠いコンディションなのは確かで、今にも倒れそうな足取りで。
それでも、今倒れたらいけないと思うから、しっかりと両足で立つ。
倒れないように。『立って』、『向かう』ために。

「あたしは……『逃げない』ことはできても、まだ、前には進めない。
 足元だっておぼつかなくて、見渡す限りはずぅっと暗くて。
 手探りで、どうしたって走れない」

瞬きすらせず、ただの瞳で嵐ノ宮を見る。
そこにはなんの力もない。ただ、『意志』があるだけだ。

「だから、うん
 あたしは暁利ちゃんに、『あかり』になってほしい。
 あたしが逃げたくないって思ったのは、暁利ちゃんのおかげだから。
 『逃げないあたし』でいるために、暁利ちゃんがいてほしい」

『逃げる自分』に、なりたくないから。
そうじゃないと、もう誰にも顔向けできないから。
もし『嵐ノ宮暁利』が『関東也哉子』を必要としていると言うのなら、同じくらいに『関東也哉子』は『嵐ノ宮暁利』を必要としている。
先行きの道連れでありたいと、思っている。

532嵐ノ宮 暁利『トワイライト・オペラ』【中二】:2015/05/25(月) 20:46:46
>>531
眩しかった。
がんばってがんばって結局ダメで、自暴自棄になっているところでこれだ。
也哉子という存在は、とても眩しい。でも、目を覆いたくはならなかった。
視界から曇りが晴れていく錯覚がした。たぶん、錯覚じゃないけど。

「『ありがとう』」

暁利は感謝を捧げる。
也哉子の手を取って、引き上げられる。也哉子と肩を並ばせる。
そして、也哉子の手を両手で包む。

「なんて言ったらいいのかわからないけど、『ありがとう』。
 うん、本当、その言葉が聞きたかったんだと思う」

暁利は『誰かに求められること』を求めていた。
答えはこんなに近くにあった。取るに足らない人種だと、同級生たちのことを内心で下に見ていたけれど。

二人の足元で、再度『円』を描くように波が打ち始めた。
今度は、二匹で。すぐに『渦巻き』ができる。
『渦巻き』の終端には、『光』が待ち受けている。

「ごめんね、変なことして。償うにしても安っぽいけど、これからはヤヤちゃんのことは私が守るから。
 ヤヤちゃんが『剣』を取らないなら、私が『盾』になるよ。
 そうしたら、『立ち向かう』のも楽になるでしょ」

彼女の父親を襲った者を倒せば、少しだけ彼女が望む世界に近づく。
それくらいはしてあげたいな、なんて暁利らしくない決意をした。

トワイライト・オペラ
『黄昏の独唱劇』 は彼女には見えないし聞こえないけれど、いつかは彼女に届けてあげたい。
『二匹の水鳥』は目標へ走るためだけじゃなくて、こうして手を引くこともできるんだから。

533関東 也哉子/ヤーコ『一般人』【中二】:2015/05/25(月) 23:37:35
>>532

「なにをいうとるがね、暁利ちゃん。
 『ありがとう』なんて……あたし、なーんもしちゃあせんよぉ!」

柔らかく、也哉子は微笑んだ。
掴んで、包み込んでくる手を、こっちも両手で包み返して。

「償いなんて、しにゃあでええよ。
 だって、『友達』だで。こそばいわ。
 守ってくれるって言うんなら、あたしの方が『ありがとう』だわさ」

再び生まれる『渦巻き』。
でも、今度は怖くない。強がりじゃなくて、心の底からそう思う。
だって、暁利ちゃんの『瞳』がこんなに綺麗だから。也哉子は心からそう思って、安心して渦に身を委ねた。

「ほんだで、言うなら『ありがとう』でも、『ごめんね』でもあらすか」

関東也哉子は、なんの力もない一般人で。
つまり、自分を隠してくれる、護ってくれるような力は無くて。
だからこそ、包み隠さず笑って、言葉を伝えるのだ。


  「――――暁利ちゃん、これからは一緒だて!」

534鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/04(木) 23:37:32
ある日の放課後 図書館内にて。

一人の少年が、椅子に座ってノートになにか書き込んでいた。
机の上には何冊かの本が広げられている。
少年の見た目は肩まで伸びた黒い癖毛を持ち、改造していない制服を着ている。

ノートの上を走る鉛筆の動きは散漫である。
かなり、眠そうだ。

           こっくり

                  こっくり

何度か睡眠と覚醒の狭間を行き来すると

                   ゴツンッ

頭をしたたかに机で打った。
眠気は限界に達していたようだ。しかし、これで少し目が覚めた。

「うぅ?ん…」

(はずい…誰や見てへんかったやろうなぁ。)

きょろきょろと周りを見回している。

535銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』:2015/06/04(木) 23:43:15
>>534(鈴元)
「見ましたわよ」

   ニヤニヤしながら、鈴元を見つめる金言部部長。
   そこはかとなく楽しそうな顔だ。

   ちなみに、手には分厚い本がある。

536鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/05(金) 00:02:54
>>535

    カァ〜

彼の耳がほんのりと赤く染まる。
純粋に恥ずかしいのだ。しかしそこでへこたれる彼ではない。
この世に生を受けて15年。外面を取り繕った時間は7年以上。
このぐらいの恥、すぐに耐える。

にっこりと柔らかな微笑を浮かべた。耳は赤いままだ。

「いや、部長。なにしてはるん?勉強?」

相手が持っている本を見て言う。

(これで起こそう思たって言われたらなんて返したろうかな。)

分厚い本だ。そういう風に使うのもありかもしれない。
もっともちゃんと読むために持っているものかもしれないが……

537銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/05(金) 00:19:20
>>536(鈴元)
「というより、『趣味』ですわ」

  そう言って、手に持った分厚い本を掲げる。
  表紙には『世界征服者の歴史』と書かれている。

  ……世界征服者。
  見るからにアレだが、これが『趣味』とはいったい……。

538鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/06/05(金) 00:29:04
>>537

「…さいですか。」

(お金持ちって皆こうなんかなぁ。うっとこもそこそこお金あるって聞いてたけど……)

この富豪を前にすると大抵の人間は自分も富豪だなどと名乗れなくなるのだろうか。
別に張り合う必要など無いといえば、それまでだ。

「なんちゅうか、そういう趣味あったんやねぇ。」

思えば彼女と会うのもずいぶん久しぶりの気もする。
同じ部に入ったといっても関係性に進展があったわけでもない。
相手は自分のことを『ただの同級生』ぐらいに思っているのだろうと考える。

「僕、部長のこと全然知らんねぇ。
 噂はよお聞くけど、ホンマのことか分からんし。」

「他になんか趣味あらはる?」

539銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/05(金) 01:10:56
>>538
「……何か勘違いしていませんこと?」

  そう言って、表紙を叩いた。

「これ、モンゴルの歴史書ですわ」

  『世界征服者』……確かに、モンゴル帝国は
  最盛期にはかなりの国土を誇ったという。
  『世界征服者』と言っても過言ではなかろう。
  にしても、紛らわしいタイトルだ。

「歴史書を読むのが最近のマイブームなんですのよ。
 帝王学とかそういう小難しいのは、好みじゃありませんわ」

  まあ、この少女が帝王学とかそういう
  『まともな為政者っぽい教育』を受けていないであろうことは、
  悪目立ちっぷりや普段の破天荒ぶりからも分かるだろう。

「他の趣味と言っても、そうですわね。散財とかかしら」

  実はあんまり趣味とかないのかもしれない。

540鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/05(金) 01:30:57
>>539

「モ、モンゴル。はぁ、さいですか。」

(うっ…はずいはずい。)

また若干耳が赤くなる。
恥は苦手だ。ただそれでも笑顔を崩さないのは流石といえるのではないだろうか。

「歴史書…ふぅん。そう。エエねぇ。帝王学はよう知らんけど。」

活字離れだなんだと言われる世の中だが、このように本を読む人間がいるのはいいことだ。
そう鈴元は思う。

「趣味、散財。まぁ、エエと思うよ。個性的で。」

嫌味ではない。
常識離れの趣味も相手の個性として認めるくらいの人間性はあるのだ。

ふと机の上に視線を移すと、ノート達が開きっぱなしなのに気がついた。
ノートの上の文字はミミズのようになっている。
若干湿っている部分がある気もするが気のせいかもしれない。

「あ、なおさんとイカンね。」

慌てて机の上の本やノートを閉じ、積み重ねる。
そして自分の隣の椅子を引いた。

「もうちょっとお話しようや。部長のこともっと知りたいし。
          
                              エエやろか?」

541銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/05(金) 01:46:01
>>540(鈴元)
「あら、気が利きますのね」

  そう言って、当然のように引かれた椅子に座る。
  何というか、『尽くされ慣れた』態度だ。
  実際、家ではこういうことも当然なのだろう。(富豪だし)

「ま、部員同士で交流をはかるのは大事ですわね」
                「ですが、ただ質問するのではつまらない」

  そう言って、銀杏羽はピッと、
  たった今閉じたノートの方を指差す。
  別にノートを使うという意味合いではない。

「せっかくですので、『お勉強』とセットでやりましょう。
 わたくしがクイズを出しますので、それに答えられたら、
 どんな質問でもお答えしますわ」

  いかがでしょう? と笑みを向ける銀杏羽。

542鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/05(金) 02:10:01
>>541

  (特に無作法なところはなかったかな。)

相手が富豪なのは知っている。
そういう家にお手伝いさんとかがいてもおかしくはない。
だから彼女の態度に眉をひそめることは無い。

「せやねえ。これから助け合う仲になるやろうし。」

  (僕は別に部員同士やなくて個人の交流でもエエねんけど……)

なんというか部員同士という響きに事務的な感情を抱いたらしい。
別に彼女がそういう意図で言ったとは、思わないが感じたものは仕方が無い。

「ん?なんやろ。」

ノートを指され、一瞬ビクリとした。
ノートには『いんぐりっしゅ』ときれいな文字で書かれている。
アルファベットの上に横線が引いてあるものがいくつかある。
書き損じだろうか。

「エエよ。でも、静かに、やで?図書館やし。」

唇に人差し指を当ててみせる。

「あ、もし僕が答えられへんかったらどうする?」

一応そこも聞いておこうか。

543銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/05(金) 02:16:42
>>542(鈴元)
「それは勿論、わたくしの質問に
 何でも答えてもらいますわ」

  鈴元の心中を知ってか知らずか、銀杏羽は得意げに言う。
  事務的、という意思は銀杏羽にはないだろうが、
  しかし鈴元と銀杏羽の繋がりが現時点では『金言部』しかないのも事実。
  まあ、そのへんは親交を深めればそのうち自然と『個人の繋がり』もできるだろう。

「では第一問」

  ともあれ、銀杏羽は有無を言わせず問題を始める。

「英単語からの問題ですわ」

         「『問題』『困ったこと』は英語でなんと言うでしょう?」

「一応ノートに書いてくださいまし」

544鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/05(金) 23:15:48
>>543

「英語、ねぇ。」

   (苦手なんやけどなぁ。)

ノートを広げ、鉛筆を手に持つ。
彼にとって英語は数少ない苦手科目だ。
英単語の意味や用法を覚えるのが苦手なのである。

   (困ったことって何?今の状況そのものやし、『Now』って書いてエエの?
    や、あかんやろなぁ。困ったこと…プログレム、は『問題』やし…)

鉛筆で頭を書きながら考える。
記憶の中の単語帳をめくり続ける。

                       ピンッ  

閃いた。
   
   (トラブルや、多分。トラブったって面倒ごとが起きたとき言うんとちゃう?…僕は言わんけど。)

問題の答えはトラブル。そう結論付けて鉛筆を走らせる。

「こう、かな。『トラブル』」

ノートに書かれている文字も重要だ。スペルミスがあれば間違いとみなされることもありえる。

鈴元 涼 第一問目の回答は……

『trauble』

トラブルの正式なスペルは『trouble』だ。
よしんば正解がトラブルであったとしても間違いではないだろうか。
本人は顔に出してはいないものの、自信ありだ。

545銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/06(土) 00:36:11
>>544
「ぶぶーっ」

  銀杏羽は口をすぼめ、顔の前で指を交差させて×を作る。

「『trouble』のスペルはT、R、O、U、B、L、Eでしてよ」

  ちなみに、銀杏羽の用意していた正解は
  『matter』だったが、『trouble』でも正解ではあるので
  そこについては触れないことにしたのであった。

「では、最初の質問ですわね――」

         「好きな『和菓子』は何ですの?」

  まずはジャブ、といったところか。

546鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/06(土) 00:54:22
>>545

「えっ。…さいですか。」

(ちゅうか、なんやろその不正解のやつ。)

突っ込むべきかそうでないのか悩む。

(真面目にやってんねやったら、茶化すんも悪いし…)

「はぁ……。そうやったんやね。」

正しいスペルを何度もノートに書く。
学習しているのだろうか。
銀杏羽が用意していた答えとはそもそも違う答えを書いたことには気付けない。

「好きな、和菓子?」

家が和菓子屋であるためか、日常的に和菓子に触れている。
食べるし、時には作ることもある。
だから質問したのだろうか。

(オススメの商品とかやないんやね。まぁ、エエけど。)

 「大体好きやけどぉ『くずまんじゅう』と『三色団子』、『桜餅』は結構上位やねぇ。」

      「なんちゅうか、きれぇやし美味しいし。…これでエエかな?」

(アカンな。僕は部長のこと知りたいのに。まぁ、これも交流やけどね。)

「次はなんやろか。」

547銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/06(土) 01:07:05
>>546(鈴元)
「フム……。涼は『見た目がきれいな和菓子』が好きなんですのね」

  銀杏羽は興味深そうに頷く。
  透き通るような葛饅頭も、彩り鮮やかな三色団子も、
  綺麗な色合いの桜餅も、和菓子の中では華やかな部類だ。
  ……好きな和菓子、というだけでは人間性など分からないが、
  その方向性から『趣向』を導き出せば、人となりも少しくらいは分かるのだ。
  銀杏羽がそんなこと考えているとは限らないが。

「ちなみにわたくしは羊羹が好きでしてよ」

  聞いてもいないのに答えてくれた。
  やっぱり、羊羹が好きというだけで人間性など分からない。

「では第二問、行きますわよ」

      「『realize』は日本語で何と言うでしょう?」

  今度は和訳問題だ。
  ちなみに答えは『理解する』『実現する』。
  どちらか一つでも答えれば正解である。
  『現実(real)』と『現実にする(realize)』は意味を関連付けしやすいから、
  比較的簡単な問題ではあるだろう。

548鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/06(土) 01:18:37
>>547

  「え、あぁ。せやねぇ。そうか、まぁうん。」

一人で勝手に納得する。
他人に言われて始めて気付く部分もあるということだろうか。
自分のことを知るのは難しい。

  「ふふっ。今度部室に持って行きますわ。」

羊羹では人間性は分からない。
しかし鈴元からすれば好きなものが分かっただけでもいいのだ。

  (なに羊羹が好きなんやろぉ。)


  「『realize』ってこうやんね。」

ノートに書く。今度はスペルミスをしていない。

  「あ、これ単語テストでまちごうた奴や。」

  「現実になるって書いたんよぉ。ほんならバツされてぇ。
   で、たしか答えが『理解する』やったっけ?」

鈴元 涼 第二問目の回答は……

『理解する』

  (これでちゃうかったらセンセに文句いうたろ。)

549銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/06(土) 01:48:58
>>548
「正解ですわね」
     「答えは『理解する』『実現する』」

「『現実になる』がハズレなのは、自動詞だからでしょう。
 『実現する』は、つまり『現実にする』。
 目的語がないと成立しない『他動詞』ですからね」

  ということらしい。
  ともあれ、正解は正解だ。

「では、何でも質問してくださいまし!」

askとかのURLが後ろにつきそうな勢いで胸を張る。

550鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/06(土) 02:07:38
>>549

    「うふふ。やればできるんよ。」

ならばさっきの時点でやっているべきではないのだろうか。
そう突っ込まれても仕方が無いがまぁいいだろう。

「んー。せっかくやしあんまり聞けんこと聞ぃときたいなぁ。」

あまりこういう機会もないだろう。
askとかはともかくとして。

少し考えて、もじもじし始めた。
トイレに行きたいわけではない。勝手に恥ずかしがったのだ。

     (女の子って恋愛話好きって聞いたことあるけど、実際聞くんははずいわぁ。)

急いで別の質問を考える。
ふと、彼女の手に目がいった。
白いレースの長手袋だ。たしか初めてあったときもつけていた気がする。
とりあえず無難にそこを突っ込もう。

    「その手袋いつもしてるけど、なんで?」

551銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/06(土) 02:15:06
>>550(鈴元)
「これですの?」

  そう言って、銀杏羽は何のけなしに右手を差し出す。
  白いレースの長手袋。
  明らかに、ファッションの中からそこだけ浮いている。

「――――」

    ふっ、と。
    銀杏羽は一瞬だけ、苦い笑みを浮べ、

「これは、『刺青』を隠しているのですわ。
 あまり見せびらかすものでもないですし」
           「……ああ。『刺青』が『何』かというところから説明が必要かしら」

  それから、特に隠すでもなく答えた。
  彼女にとって、自分がスタンド使いであるという
  情報は特に隠すようなものでもない。
  というか、鈴元は部室の連絡板などで把握しているかもしれないが。

552鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/06/06(土) 02:22:31
>>551

      「『刺青』?ふぅん。エエんとちゃう?」

             「や、説明はエエよ。『刺青』知らんほど子供やないんよぉ。」

自分も背中に刺青を彫っているとは言わない。
この場で『刺青』がどういう意味を持つのか、なんとなく理解はしている。

   (やっぱり『スタンド使い』なんかな。)

『刺青』によってスタンドを得た身だが、それは明かさない。
言葉もなんとなく、どちらとも取れる言い方を選んでいた。
意味は無い。しかし、能動的にスタンドを見せる気にはなれない。

「次の問題、いく?」

553銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/06(土) 02:30:29
>>552(鈴元)
「いえ、そういう意味ではないのですが……」 「まあいいですわ」
                       「そのうち、タイミングが合えば説明します」

  隠すようなことではないが、かといってわざわざ説明しなくては
  ならないほど知っておかねばならないポイントでもない。
  別に金言部はスタンド使いを集めて作った部活ではないのだし。
  それに、スタンドの話をすると長くなって、質問タイムがスタンドタイムになりそうだった。

「では、第二問」

  そう言って、銀杏羽は胸元からペンを取り出し、
  鈴元のノートにすらすらと文字を書いていく。

  g _ _ _ _ e

「英語で『やさしい』を意味する単語ですわ。
 空欄を補充してくださいまし」

  空欄補充問題だ。

554鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/06(土) 02:49:26
>>553

       「ん?うふふ。」

あくまで刺青は刺青、そういう反応をしておく。
多分、そのうち見せることになるだろう。

  「…部長。なんで英語ばっかりなん?
                    別にエエけど。」

苦手分野ばかり攻められている。
別にこの遊びでなにか不利益をこうむるわけではないので
そこまで問題のジャンルにこだわる必要は無い。

  (『やさしい』ってkind以外あんの?)

kindはどちらかといえば親切の意味で使われる時の方が多い気もする。
まぁ、親切な人は優しい人だろう。

  (……あ、ジェントルってGはじまりやなかったかな。)

ジェントルマン、といえば紳士ではないだろうか。

  (紳士的って親切と同じ感じで使われてはるし、試してみよか。)

鈴元 涼 第三問目の回答は……

『gentle』

  (僕の英語力試されてる。)

ノートの表紙に『いんぐりっしゅ』と書く男の勘は当たるのだろうか。

555銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/07(日) 01:43:47
>>554(鈴元)
「むぐ……正解ですわ」

  またしても正解だ。
  英語の勉強をしているようだし、
  苦手なのかと思って親切心で問題を出していたが、
  意外とそうでもないのかもしれない。いや、

「少し問題がやさしかったかしら?」

  問題とかけているわけだが、
  gentleではなくeasyの意味になってしまっているので、
  あんまりうまい洒落ではなかった。

「まあ良いですわ。
 では、質問を受け付けましょう!」

556鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/07(日) 01:58:36
>>555

「僕かて苦手分野の勉強ぐらいするんよ?」

先ほどはそれの途中で寝かけていたわけだ。
それでも勉強しないよりはマシ、なのだろうか。

「僕がわざと間違うたら、『紳士的』って言うてくれた?」

英語ネタで返す。少し、余裕だ。

   (苦手なとこでいかれたし、ちょっと突っ込んだろ。)

                                           (…ちょっと、はずいけど。)

「部長って恋人とかおんの?
 や、お金持ちやし、許婚とかおるんかなぁって思うてねぇ。」


      (まぁ、僕がはずいだけかも知らんけど。)    

珍しくニヤリと笑った。
恥ずかしさからか視線を彼女から外してしまったが…

557銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/07(日) 02:16:03
>>556(鈴元)
「な、なかなか言いますわね……」

  上手くやり返されて、銀杏羽の笑みが硬直する。
  ただ、やりとりそのものは楽しいようである。
  目はしっかりと笑っていた。

       が。

「……」

  『その質問』を聞いた瞬間、ほんの一瞬だけ、本当の意味で笑みが硬直した。
  恥ずかしさから視線を外した鈴元に、それが見えたかは分からないが。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・
「いませんわよ」

  次の瞬間には、呆れたような溜息とともに、
  銀杏羽は平時のような調子で答える。

「ドラマや漫画の見過ぎではなくて?
 きょうびフィアンセなんか時代遅れも良いところですわ。
 お金持ちも自由恋愛が基本でしてよ」

558鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/07(日) 02:37:51
>>557

「…え?」

鈴元はたくさんの人間を見てきた。
家で店で、たくさんの人を見てきた。

だからかは分からないが、他人のちょっとした仕草が気になるときがある。
ため息など、彼にとっては十分すぎるアピールだ。

「僕、なんや気ぃに障ること言うた?」
                         「せやったら、謝るわ。」

不安そうな顔を銀杏羽に向ける。
外面など取り繕っている暇など無いのだろう。

「えっと、その…」        「ホンマにすんません。」

「あの、僕なぁ」

            「部長てきれぇやし、おもろいから。その、魅力的やって思うんよ。」

相手の目を見て、一語一語はっきりと言う。
笑わない。自分の言っていることが恥ずかしいのか少し赤くなる。
しかし、真剣だ。

「ごめん。その、冷めてもたんやったらホンマに。」
 
                               「…どうする?これから。」

559銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/07(日) 02:57:58
>>558(鈴元)
「……そんなに不安そうな顔をしないでくださいまし」

  呆れの表情を見せているなら、銀杏羽にとっては
  まだまだ『友好的』と呼べる範疇の態度――のつもりだったのだ。
  それで此処まで気を遣われては、銀杏羽も驚く。
  そして、続く『口説き文句』とも言えてしまうような言葉にも。

「…………」
「そういう、ことは、あまり軽はずみに言うべきではなくてよ?」

  笑み。
  しかし、やはりその笑みは硬い。
   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・ ・
  媚びる意図がないのが分かっているから踏みとどまっているが。

「……もう。調子が狂いますわ。
 今のはわたくしの平常値です。
 そんなに気にしないでくださいまし」

  そう言って、やっと表情を緩める。
  ……タイミング的に、色恋沙汰をたずねたり、
  容姿を褒めたタイミングで様子がおかしくなった。
  仕草に敏感な鈴元は、それに気付けるかもしれない。

「クイズを再開するという気分でもありませんし、
 涼のことも――意外と気にしいだってことも分かりましたし。
 わたくしは一度部室に寄ってから帰りますが」

  貴方はどうします? という表情。
  すっかり元の銀杏羽の様子に戻っている。

560鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/06/07(日) 03:31:45
>>559

   「せやったら…エエねんけど。」

   (この話題、あんませんほうがエエんやろな。
                   しくったなぁ。まだまだやなぁ。僕。)

鈴元も元の柔らかい表情に戻った。
涼やかな笑みを浮かべた少年に戻った。

「僕も部室行くわ。」   「それくらいエエやろ?」

荷物をまとめる。
帰り支度とも言える。

「…僕な、部長に会ってから楽しいんよ。」
   
        「ミスコンのスカウトとかな、店にこもっとったら絶対できんかったし。
                          さっきの『勉強』もまたやりたいなって思うんよ。」

  「僕、冗談言うても嘘は言いたないんよ。」   「部長、『ありがとう』ほんで『これからもよろしゅう』」

礼だ。頭を下げる。鈴元は銀杏羽へ感謝の気持ちが強い。
かつて店番と学業だけの退屈な日々を打ち壊す手段を与えてくれたのは
他でもない銀杏羽なのだから。
急な行動だ。しかし、しておきたかったことだ。

「部長、もし暇やったらうちの店来ます?」   「新しい羊羹できたんよ。塩羊羹」

まだまだお互いのことは知らない。
しかし羊羹については知っている。今はそれだけで十分。
彼女を遊びに誘うには十分なのだ。

561銀杏羽『ザ・カレンシー・クリック』【中3】:2015/06/07(日) 03:44:46
>>560(鈴元)
「…………照れますわ」

  そう言って、銀杏羽は恥ずかしそうにそっぽ向いた。
  先程のような硬さのない、やわらかい表情で。

「わたくしの方こそ、『これからもよろしく』。
 別にわたくしは涼に施しをしているわけではありません。
 こうしていることが、わたくしにとっても楽しいことなわけですし」

  今回のクイズも、銀杏羽が楽しそうだからやっただけだ。
  鈴元を部活に誘ったのも同じ動機だから、決して慈善事業ではない。
  ただ――鈴元がそれに感謝したいというのなら、素直に受け取ろう。
  感謝を求めてやったわけでないにしろ――喜ばれるのは、嬉しいことだ。

「鈴眼の羊羹は、とてもおいしいですものね」

  微笑みながら、銀杏羽は鈴元と共に歩き出す。
  お互いに、知らないことも多いし、『踏み込めない領域』だって存在する。
  しかし、今はそれで良い。
  互いの好きな物を知っている、まずは、そこから。

  これが、二人にとっての『断金の契りの第一歩』だった。

562鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2015/06/18(木) 00:19:56
中庭に一人の少年がいた。
昼休みが始まりで多くの生徒が学友と思い思いの場所で楽しそうに昼食をとる中
彼は一人でベンチに座り弁当を食べようとしていた。

別に誰かが居ないと食事が出来ないわけではないが
退屈かと言われれば退屈である。
一緒に食事でもと誘う友人も全くもっていないのだ。

(まぁ、自分で作った弁当やしドキドキもなんもせんわなぁ。)

退屈だ。

563朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/06/19(金) 22:25:03
>>562
「………」
何故か目の前に見た感じ少女らしい人物が倒れこんでいる。

「………」
ちょっと小刻みに体が震えており、そのたびに頭から生えている2本の触覚のような髪の毛が揺れている。

「あうー…今日は…
 大…凶…」
一体何が起こっているのかわからないが、とりあえず苦しそうだ。

564鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中3】:2015/06/19(金) 23:30:47
>>563

大変だ。
普通ではない
いままでの人生で女性が倒れている場面などまったく出会ったことがない。

「あの、大丈夫ですかぁ?」

食事は中止だ。
優しく微笑み話しかける。
弁当はベンチの上に置いておこう。

(どっかで見たことあるようなぁ……)

565朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/06/19(金) 23:37:00
>>564
「…ぬぐ、大丈夫です…
 大、丈、夫、で、す。」
顔をぐっと上げて起き上がる。
…ちょうど鳩尾の辺りにとんがった石が転がっていた。

「…うぐう…
 ご、ご飯を食べようとした矢先にこんなことに…」
ちなみに近くにはお弁当が落ちている。
転がったわけではなさそうだ。

「…ふう、しばらく安静にしていたら大丈夫です…」
そう言ってみぞおちをさすってみる。そして視線を鈴元を見る。

「ん…アナタ何処かで…みたことが…あるような…」
彼女はまさしく、ミスコンでインパクトのあるアピール(事故)を見せた少女、朱鷺宮涙音であった。

566鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中3】:2015/06/19(金) 23:51:54
>>565

(大丈夫やないやろ……)

近くの石に目をやる。
もしかしてだが……
『当たったのか……?』

「これ、あんさんのよねぇ?」

弁当を拾って渡す。
両手で手渡すのだ。
その瞬間、目が合った。
そして、思い出した。

「ミスコンの参加者……っちゅうか、金言部の……」

(お腹にボール当てた人。)

「あ、鈴元 涼です。ミスコンの審査員で、金言部の。」

とりあえず、自己紹介しておく。

567朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/06/19(金) 23:54:54
>>566
「あ、ありがとうございます…」
申し訳無さそうに弁当箱を受け取る。

「…あ、やっぱり…」
ココらへんでちょうど思い出したらしい。
確か、審査員席に彼がいたはずだ。と。

「審査員の方でしたか。
 …あの時はどうもお世話になりまして」
そう言って軽く頭を下げた。

「おんなじ金言部部員として、顔合わせするのは初めてですね。
 よろしくお願いします。」
そう言ってまだやや陰りのある表情でお腹をさすりながら答えた。
「ふう…」

568鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中3】:2015/06/20(土) 00:15:24
>>567

「や、別に僕はなんも……」

偉そうにあれやこれやと批評を述べていただけだ、と思う。
そもそも自分の店の宣伝をするために協賛に名乗り出たようなものなのだ。
審査員は正直彼の予想しなかった部分だ。

「せやねぇ。これからよろしゅう。」

そういえば、金言部のメンバーに会うのはなかなか珍しい気もする。
かつて部に入る前にある部員と出会ったことがあるが
それ以降は部長と何度か会っただけだ。

(部長とか部の活動の話とか聞いてみよかな。)

自分より在籍時間は長いだろう。

「あ、うぅん……」

上手く言葉が出ない、というよりは出せないでいた。
彼女の腹部が、心配なのだろう。

「保健室とか行くぅ?そこの石当たったんやったら、その、心配やしぃ。」

569朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/06/20(土) 00:22:22
>>568
「いえいえ、なかなかいい批評でした。
 私も色々と…まぁ、考えさせられたというか…」
そう言って再び事故った時を思い出す。

「多分、あの部長さんのことですし。
 また金言部の活動で色々と顔を合わせるかもしれませんね。」
そう言って軽く笑ってみせた。フヒヒ、とちょっと不気味な声だ。

「んー…まぁ、『今回の』は平気な方…だと思います。
 でも、まぁ心配ですし、言ってみようかな…」
軽く立ち上がってから少し複雑そうな顔で答える。

570鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中3】:2015/06/20(土) 00:46:10
>>569

「せやったらエエねんけどぉ…」

納得してもらえているならそれでいいのだ。
受け取り手が納得しているのなら、言う側も納得するほかない。

「あぁ、せやね。部長やったらなんややりそうやね。」

やらしそうでもあるが……

(ちゅうか、なんやろ独特な笑い方しはるなぁ…)

あまりなじみのない音だ。
心の中で小首をかしげる。

(稗田さんも独特な笑い方してはった、かな。多分やけど。)

なんとなく、彼女を思い出す。

「もし行くんやったら、送るけど、どないしたらエエやろかぁ?」

やはり心配だ。
とりあえず朱鷺宮の返答を待とう。

571朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/06/20(土) 00:55:06
>>570
「まぁ、事故った割りには良い点数だったのでよしとします!」
そう言って勢い良く背伸びをした。

「次は何をするんでしょうねぇ〜。
 あの人のやることは想像もつきません…
 でも、楽しいことなのは確か、でしょうね。」
そう言ってウンウンと頷いた。

(…なんかへんかな…やっぱり)
少し複雑そうな表情で、自分の笑い声について考えた…ようだ

「あ、ありがとうございます…。
 一緒だと助かる、と思います。」
嬉しそうな表情で彼の提案を了承した。
ひとまず鈴元と一緒についていくつもりだろう。

572鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中3】:2015/06/20(土) 01:06:48
>>571

(事故やったんか…)

演出ではなかったのだろうか。
アドリブだったとしたら凄いものだ。

「じゃあ、行こか。保健室。」

弁当を手に取り、彼女と保健室へ向かおう。

「朱鷺宮さんって、僕より金言部おる時間長いんよなぁ?」

「いままでの活動とか、他の部員の人について教えてくれたら嬉しいんやけどぉ。」

保健室への道すがら、鈴元は聞いた。
純粋な疑問から出た質問だった。
他の部員と全く交流がないのだ。
すこし気になってしまう。

573朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/06/20(土) 01:16:25
>>572
「はい、行きましょうか。」
お弁当を抱えながら涙音は一緒に保健室に向かう。

「はい、お誘いを受けて金言部に入部することにしたんです。
 えっと、小角さん…副部長から勧誘されましたね。」
そう言って勧誘された時のことを思い出す。

「今までの活動…そう言えば、サバゲーみたいなことをやりましたねー。
 …タグの取り合いみたいな穏やかなものでしたけど…。」
そう言ってとりあえずサバゲーの内容を軽く伝えた。

「他の部員さんは、青田さんに、小角さん…後は顧問の先生にニコラ先生と…
 他の方々もいい人ばかりですよ。本当に。
 青田さんは、なかなか頭のキレる人ですし…
 小角さんは頑張り屋さんでひたむきに努力している人ですし…
 ニコラ先生は包容力があって優しい人です…」
金言部の部員の話をしている涙音はどこか楽しそうだ。

「楽しい人達ですよ。みんな。」

574鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中3】:2015/06/20(土) 01:42:27
>>573

ふんふんと頷きながら朱鷺宮の話を聞いていた。

(まぁ、文系部って感じやないわなぁ。体育会系でもないけど。)

そもそも金言部などと言う唯一無二の存在みたいなものを
他の部活動の定規で測れるものではないのかもしれない。

「なんちゅうか、聞けてよかったわ。」

「ちょっとだけかもしれんけど、他の人のことも知れたし。」

そういえば、彼女は進入部員について知っているのだろうか。
力強いスタンドを持つ、彼女を知っているのだろうか。

「あ、着いたみたいやねぇ。」

気付けばもう保健室の目の前だ。
目的地に着いたわけだ。

「今日はおおきに。エエ話聞けたわぁ。」

575朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/06/20(土) 01:50:38
>>574
「それは何よりです。」
嬉しそうな表情だ。
「これからもっといろんなことを知ることが出来ると思いますよ。
 なんてったって、金言部の部員ですからね!」

そう言ってからはっと思い出す。
「そう言えば…新しい部員がまた入ったそうですが…
 あなたが勧誘したんでしたね。
 その人ともお話したいところです。」
そこまで楽しげに会話をした所で

「ふう、どうやらついたようですね。」
保健室の看板を確認し、そこへ足を踏み出す。
「こちらこそ、色々と金言部のことでお話出来て嬉しかったですよ。
 これからが楽しみになりました。」
保健室に入ってから、ひょっこり顔を出す。

「じゃあ、また放課後にでも!」
軽く手を振って返事をしてから、改めて保健室に入っていった

576鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中3】:2015/06/20(土) 02:09:13
>>575

「ん?あぁ、荊木さんのこと知ってはったんやね。」

ならばいずれ出会えるのではないだろうか。
もしくはもうすでに会えているのかもしれない。
廊下で教室で、もしくはどこかの道で
今回がそうであったかのように、引力に惹かれたかのように出会えるのなら。

「またね。」

彼女に手を振って保健室の前から立ち去る。
手には弁当が握られている。

(部長暇やろか。や、エエか。一人でご飯くらい食べれるわ。)

彼はまた中庭に戻るだろう。
もしかしたらまた何かあるのではないかと期待して彼は歩いていった。

577貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/20(土) 21:55:46
「うっげ〜……マジか」

昼時。

購買の前で、あたしは呆然と立ち尽くしていた。
何故って? そりゃあ、購買に物凄い行列が出来ているからよ。
普段はもっと早くに行くんだけど、ちょっと授業が長引いちゃってこうしてるってわけ。
……っつか、仕事でやってんのに授業時間伸ばす教師ってマジあり得ないと思うのよね……。

『バベット』でサンドイッチとか出してればいいんだけどさあ〜。
クラスの連中が『ズルい』って言うもんだから、なんか出しづらいのよね……。
(※あたしは前に参加したミッションの関係で、普通のクラスじゃなくて
   非常識なスタンド使いが集まるクラスに一般人代表(お守りみたいなモンね)として在籍してるのよ)

578ネキリ『テロライザー』:2015/06/20(土) 23:23:22
>>577
とっ
とっ

「あわわ」   ぽろり

そんなあなたの目の前に、総菜パンを七つほども抱えた女子生徒。
かばんとかお盆とかはなくて、両腕で抱えて持っているものだから、

「あわっ」  ぽろり

落としてはひろい、落としてはひろいしている。
混んだ廊下では、けっこう、「ジャマ」。
そういう視線が、まわりじゅうから突き刺さる。

579貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/21(日) 00:45:00
>>578
「……ちょっとあなた大丈夫?」

そう言いながら、駆け寄って、落としたタイミングで拾って三個くらい持ってあげる。
この分だと購買は絶望的だし、それよりこっちのが気になるし。

ってか、この子はパシリかしら?
そんなことを考えながら、学年と身なりを見てみるわ。

580ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/06/21(日) 00:55:48
>>579
学年章は『高等部二年』。
クラスは二つとなりのクラス。
びっくりしたように拾ってくれた相手を見る垂れ目・丸顔。(同学年にはちょっと見えにくい幼さ)

「あ…ありがとう〜」

ほわん と音でもしそうな笑顔でお礼。

581貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/21(日) 00:58:08
>>580
      「…………」

ど、同学年だったわ……。にしても童顔すぎやしない?
って、そこはどうでも良いとこだったわね。

「あなた、これ持って行くの大変でしょう?
 わたしが半分持って行ってあげるわ」

そう言って、横に並ぶ。

「わたしは『貝橋詩織』。あなたは?」

とりあえず、名前を聞くとするわ。
ひょっとしたら聞いたことある名前かもしれないし。

582ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/06/21(日) 01:07:15
>>581
「え? えっ? いいよぅ〜。悪いよ〜」

この人は『購買に並ぶためにきた』わけだから(時間を考え、何も持ってないということはきっとそうだという判断)
持ってもらってはこの人が買い物できなくなる…!
だからせっかくの善意だけど断る。

「知ってる〜」「わたし『柊音霧』〜。ほんとはねむだけどネキリのほうが好きだからそー呼んでね〜」

知ってるらしい。
(貝橋も、『柊』の名前はきいたことがあるかもしれない。転校生だ)

583貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/21(日) 01:16:04
>>582
「いーの。購買行こうと思ったけど、あの中に飛び込むのダルいし。
 あたしは別にアテがあるから、こういう好意は受け取っときなさい」

それにこういう子を放置して〜、って方が、あたし的には精神衛生上よくないのよね。
主に『バベット』(※あたしのスタンド)にグチグチ言われる的な意味で。

「ネキリさん、ね。聞いたことあるわ。
 確か転校してきたんだったかしら?」

首を傾げて問いかけてみる。
なんかのんびりしてるわね。……友達グループに参加する為に
雑用を買って出てる、って感じかしら? クラス違うしあんまり世話焼いても角が立つかなぁ……。
まあ、このくらいならよほど神経質なグループでもない限り大丈夫でしょ。

「……ところで、このパンの量、まさかとは思うけどあなたが一人で食べるわけじゃないわよね?」

584ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/06/21(日) 01:27:30
>>583
「え〜…でも〜……」

列と貝橋を見比べて、彼女の言うことも確かに(ダルい、というのは)わかる。
なんだか悪い気もするけど、ここはかたくなに拒否してもヘンだ。

「じゃあ…おねがいします。ありがとう〜」

ぺこり と頭を下げて、こぼれそうになった総菜パンを慌てて支え。

「そうだよぅ〜。引っ越してきたの〜」

にこにこしながら、とことこ歩く。
歩調は遅め。

「え? ちがうよ〜。わたしのはこれ(たまごパン)とそれ(ピザパン)〜。
 じゃんけんで負けたから〜、みんなのも一緒に買いにきたの〜」

にこにこ。てくてく。

585貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/21(日) 01:48:06
>>584
「あー、なるほど。じゃんけんね」

そういうことなら納得ね。
イジメられたりとかそういうんじゃなくて一安心だわ。
まあ、そういうドス黒いのには早々出会わないと思うけども。

歩きながら納得。

「此処に来る前はどこで暮らしてたの?」

歩きながら、話題作りに問いかけてみる。
ちなみにあたしは小学校の時に東京から此処に越して来たり。

「この街、こんなデカい学校があるなんて不思議よね。
 幼年部から大学部までのエスカレータなんてなかなかないわよ」

586ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/06/21(日) 01:57:25
>>585
「えーっとねぇ〜…小さいころは〜、四国〜。それから横浜〜。横浜からこっち越してきたんだ〜」

転校続きってほどでもないけど、けっこう離ればなれだ。

「おっきいよね〜。手続きにきたときびっくりした〜」

階段をのぼり、教室のある階。

「今でも迷っちゃうもん〜。広いよね〜」

587貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/21(日) 02:13:48
>>586
四国……横浜……。けっこう転々としてきたのね。
あたしも引っ越し経験あるけど、そこまで転々とはしてなかったかなぁ。

「あはは、分かるわ〜。
 移動教室とかかなり遠いこともあるから急がないとだし」

     「でも、四国、横浜、黄金町ってけっこう遠いわよね。
      家族が転勤族なの? あたしんちは、しがないサラリーマンだけど」

転勤族って何気に死語かしら……。
つ、通じるわよね。同年代だもんね。

588ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/06/21(日) 02:27:23
>>587
「うん。転勤族〜。転勤族って『転勤ばっかりのサラリーマン』だよね〜?」

頷きながら確認。
違う意味だったら(大変でもないけど)わるいし…

「あ、教室ここだから〜。持ってもらって、ありがとうね〜」

持ってもらってたパンを載せてもらって、教室へ。
置いて、戻ってくる手にはたまごパン。

「持ってくれたお礼〜。少ないかもだけど〜」

589貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/21(日) 02:39:04
>>588
おっと、そんなことを言ってるうちに到着したみたいね。
と思っていたら、パンを差し出される。

「え、悪いわよ。
 別にお礼がほしくてやったわけじゃないし」

そう言って、せっかくの善意だけど断るわ。

590ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/06/21(日) 02:47:25
>>589
「でも、貝橋さんお昼ごはん無いじゃない〜」

ぐい ぐい

「わたしの都合につきあってくれたし〜、お礼させて?」

けっこう強引にくる感じだ。

591貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/21(日) 02:54:30
>>590
「そんな、付き合いたいから付き合ったのよ〜」

ぐいぐい来る感じに少し戸惑いつつ、
(でもそういう風に言ってくれるのはまんざらじゃない)
受け取るかどうか渋るような動きを見せるわ。

まあ受け取っても良いけど、そんなすぐに
『ありがと!』っていうのも何かはしたない感じだし、
あともう一回くらい呼びかけられたら受け取ろっかな!
あたしってば謙虚だわー。

592ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/06/21(日) 03:04:46
>>591
「……」

どうしようという顔。

「…!」

ぽわ(記憶を遡る音)

    「いーの。購買行こうと思ったけど、あの中に飛び込むのダルいし。
     あたしは別にアテがあるから、こういう好意は受け取っときなさい」

ぽわん

「あ」

『アテがある』んだった。

「『アテ』ってことは〜、『約束』とか? あわ」

だとしたら本当に悪いことだ。手伝ってもらったうえに、足止めまでしている。

「ごめんね〜。遅れちゃうよね? ほんとごめん〜」

焦り顔でぺこぺこ。
たまごパンも後ろ手に隠すように持つ。差し出したときのドヤ顔がはずかしい。

「あ、でも絶対こんどお礼するから〜。ごめんね〜。ありがとう〜」

わたわたと教室に戻っていく。
(結局貝橋はたまごパンを受け取れなかった!)(ざんねん!(?))

(今回のメール欄は特に意味無しです。使ってみたくて。何か不都合な点ありましたらごめんなさい)

593貝橋詩織『バベッツ・ギャスタブッド』【高二】:2015/06/21(日) 03:19:14
>>592
「…………(そろそろ良いかしら)」

    「……まあ、そこまで言うんなら、
     有難くもらっ……………………」

そこまで言いかけて。
『思い出した』ネキリさんが、早合点しちゃう。
いや、確かに『アテがある』って言ったけどさ。
それは『不興を買うのを覚悟で「バベット」に頼る』って話で、
できることならここでたまごパンをもらえた方が有難くって……。

あ……たまごパン……。

     ・ ・ ・     ・     ・     ・

                          ホキョオオ ――z  ン

独り立ち尽くすあたしの傍らに、
二足歩行の自助服を着た猫が現れる。
あたしのスタンド、通称『バベット』ね。

        『……ミャアゴ、ニャウン』
         (…………詩織さま、学習しませんね)

……うるせーわよ。

(※ちょっと紛らわしいかなって思ったけど、面白かったしあんまり気にしないで平気よ!)

594板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/23(火) 00:26:58

――――昼休み。
昼休みと言えば、当然昼食の時間である。
『半ドン』などの特殊な事情が無ければ、この昼食の時間は毎日やってくるわけで。
親に作って貰うなり自作なり、『弁当』を持参している生徒も多いが……『学食』で定食を注文する生徒や、『購買』でパンを買う生徒もまた多い。

さしあたって、板踏甲賀は『購買派』の生徒だ。
購買で『タマゴとトマトのサンドイッチ』と『焼きそばパン』を買い、楽譜に目を通したり音楽を聞いたりするのが彼の昼休みの過ごし方である。
ところで今日の彼のクラスは四時間目が『音楽』で、彼は授業時間後に音楽教師にいくつか質問をしたりして。
その結果、購買に行くのが少し遅れてしまい……

   「む」

その結果、『焼きそばパン』は最後の一つになっていた。
まぁ、最後の一つとはいえ残っていたのなら問題ない。
今日はツイてるな、なんて思いつつ、最後の焼きそばパンに手を伸ばす――――

595荊木レイ『スティル・ライフ』【高1】:2015/06/23(火) 01:26:37
>>594

>>594
『板踏』が最後の焼きそばパンに
手をのばそうとしたその時――


「うおおっ
 おりゃあああ!」

             バ
               ッ

眼鏡を掛けた女子生徒が割入り、
寸前の所で焼きそばパンを掻っ攫っていた。

「セ〜〜フっ!
 いやぁぁ、今日お弁当断ったんですよねッ!
 親父の奴、弁当に『海鮮ちらし』って何考え

                  ハハ、どうも…ハハ」

板踏の存在に気付いた。
気まずそうな顔。

596板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/23(火) 01:45:48
>>595

焼きそばパンに手を伸ばしたその瞬間ッ!
獲物を狩る『猛禽』の如く、パンをかっさらっていく人影ありッ!!

「なっ……!?」

結構余裕ブッこいてた板踏もこれにはビビった!
欲する物を目の前で奪われるこの屈辱ッ!

       「…………おい……」

          「いくらなんでもそれは……『無い』んじゃあないか?」

たまらず、不機嫌そうに抗議する。
そうにというか、実際不機嫌なのだが。

「今俺が取ろうとしてた『焼きそばパン』だ……
 それを急に横からかっさらってって『これは自分の物だ』ってのは……『違う』んじゃあないか?」

597荊木レイ『スティル・ライフ』【高1】:2015/06/23(火) 01:54:04
>>596
「あ、
 あのォ〜…」


         ザッ

『板踏』さんに駆け寄り、
手に持った焼きそばパンを手渡します。

「すいませんっ!
 本当にすいませんっ!
 私、頭悪いんで、
 先輩の主張はアレなんですがッ」

          ペコリッ  ペコリッ ペコリッ

必死で頭を下げます。

「『焼きそばパン』が食べたかったんすね!
 そんな事なんて露知らず私ってば、
 本当、空気も読まずにっ!ごめんなさい!」

           ペコペコペコペコペコペコ

土下座でもしだすんじゃないかって勢いで、
何度も何度も頭を下げます。

598板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/23(火) 02:42:23
>>597

「…………………………………」

捉えた時と同じぐらいの勢いで、板踏に『献上』される『焼きそばパン』。
渡されるがままにそれを受け取り、平謝りしてくる『荊木』を前に、呆気にとられている。
このままいけば、板踏は無事に『焼きそばパン』を手に入れることができるだろう。
それは板踏としては望むところであり、荊木にとってはちょっとした不運と災難で終わる話だろう。
……しかし


     「『待てよ』」


板踏は頭を下げる荊木に、待ったをかけた。

「お前も『焼きそばパン』が食いたかったんだろう?
 それを『先輩後輩』とかいうただの年功序列で一方的に奪うってのは……後味が悪い。
 これは確かに俺が欲した『焼きそばパン』だが、お前が欲した『焼きそばパン』でもある……」

    「まだ『会計』は済んでないんだ。そこんとこは『フェア』であるべきだとは思わないか?」

  「少なくとも俺はゴメンだぜ。そーいうしこりを残す昼食ってのはな…」

599荊木レイ『スティル・ライフ』【高1】:2015/06/23(火) 19:02:55
>>598

「へ」

思わぬ提案に、
間抜けな声を上げる。

「『フェア』って、
 もしかして・・・」

              「は!」

「先輩ッ!
 今から私を校舎裏に呼び出してッ、
 ”俺に勝てたら焼きそばパンをくれてやろう”
 とか言い出すんですかっ!?
 
 駄目っす駄目っす!
 そぉんな虫みたいな事、自分できないっすよ!
 いやいやいやいやいやいやいや!」

眼前で手を振りながら

600板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/23(火) 22:30:00
>>599

「……いや、『殴り合い』なんて余計に『フェア』じゃないだろう。
 女殴ってパンを奪いました……ってので後味が悪くないと思うか?」

体格的にも、単純な筋肉量的にも、どう考えても有利なのは男である板踏の方だ。
……実際は『傍に立つ者』の能力差で圧倒的に板踏が不利だったりするのだが、そんなことは知る由もない。
ともあれ……

      「だが」「まぁ」

  「『方向性』としては間違ってない……“俺に勝てたら焼きそばパンをくれてやろう”ってのはな」

そう言って、板踏は財布を手に取る……会計に備えポケットに入れていたものだ。
そして小銭入れを開き、取り出したのは銀に光る硬貨。
『100円玉』と呼ばれるそれを取り出し、荊木によく見えるように突き出す。

「『シンプル』に行こうぜ。
 ちんたらやって昼休みが終わってしまうのも避けたいしな」

   「シンプルに……俺がこいつを指ではじき、お前が『表』か『裏』に賭ける。
    見事当てればお前の勝ち、外せば俺の勝ちだ。
    これならすぐに終わるし、『フェア』だろう?」

 「勝負は一回こっきり。勝った方が『焼きそばパン』を購入する権利を得る」

       「『乗る』か? 『反る』か?」

    「……一応言っとくが、俺に『コインの裏表を変えられる』なんてイカサマの技術は無いぜ」

601荊木レイ『スティル・ライフ』【高1】:2015/06/23(火) 23:04:47
>>600
「えェ〜ッ、
 別にそこまでしなくても…
 先輩が凄い焼きそばパン食べたいっ!
 な焼きそばパン星人だってのは、
 わかりましたけど・・・」

        困惑した表情を見せる。

「コイントス・・・」

         ピ
          コ
           \ンッ!!

「いいっすよ!
 でもその代わりコイントスは自分にやらせてください!
 勿論、イカサマなんて疑ってないですけど!」

602板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/23(火) 23:18:01
>>601

「いや、実際のところどうしても『焼きそばパン』を食べたいってわけじゃない。
 ただできればいつも食ってる物を食べたいと思うし……なんにしたって、『納得』できないと気持ち悪いだろ?」

『納得』は全てに優先するぜ……なんてどこぞの鉄球使いめいたことを言うつもりがないが、
しかしどうせなら気持ちよく昼食をとりたいというのは本心だ。

「お前に理不尽にかっさらわれるのも納得いかないが」

       「かといって大した理由もなくお前から奪うのも納得できない」

    「『フェア』に行こう……コイントスはお前でも構わない。
     だが、それなら『表』か『裏』か決めるのは俺にさせてもらうぞ。構わないな?」

そういって、『百円硬貨』を差し出す。

603荊木レイ『スティル・ライフ』【高1】:2015/06/23(火) 23:41:38
>>602
「はいッ!
 いいですよッ」

『板踏』から硬貨を受け取り、

「じゃあどうぞ!
 裏か表か!」

604板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/23(火) 23:48:42
>>603

    「――――なら『裏』だ」


 「今日授業でやったのは、『裏拍』が印象的な曲だったからな……『裏』がいい」


板踏が選択したのは――――『裏』。
普通ならば、五分五分だ。そこに有利も不利もない。
そう、普通なら――――普通なら、フェアに勝負は決まるのだ。

605荊木レイ『スティル・ライフ』【高1】:2015/06/24(水) 00:01:35
>>604
「えっと!
 丁半賭けなすって!
 (もう賭けてるけど)」

  ドギャッ
              ィ
            ピィ

自身に拳に重ねて『スティル・ライフ』の拳を発現。
指で硬貨を弾く動作に合わせ、
スタンドの指で硬貨を弾く。


      ヒュルルッ

『スティル・ライフ』の精密性ならば、
コイントスの表裏など自由自在。
正確無比な動きで出目を操作した硬貨を手の甲でキャッチ。
逆の手で隠す。

        パシィッ 


「出た目は…
 あっちゃぁ〜」  

手を退ける。出た(出した)目は『裏』だ。

606板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/24(水) 00:11:21
>>605

 (なっ、こいつ――――『スタンド使い』かッ!?)

声には出さない。
声には出さないが……『スティル・ライフ』の拳を見て戦慄し、驚愕する。

      (わざわざスタンドで弾いたってことは、よほど『精密な動き』に自信があるタイプ……)

   (『イカサマ』をする気か、この野郎……ッ!)

続いて湧き上がってくる怒り。
『フェア』ではあるまい。表か裏か操作できる奴がコインを弾くというのは。
バレなきゃイカサマじゃないとはいうが、つまりバレればイカサマだ。
怒りのまま、板踏は再び抗議しようとし――――


  「―――――『裏』だと……?」


出た目は、『裏』。
……板踏の勝ちだ。

      「…………おい」

   「俺は『フェア』にと言ったぞ……
    そんなつまらない『イカサマ』で勝ちを譲って、俺が喜ぶと思ったか……!?」

イカサマが発覚した時以上の、さらなる怒り……!
声を荒げたりはしないが、十分に怒気を孕んだ声色で荊木に詰め寄る。

607荊木レイ『スティル・ライフ』【高1】:2015/06/24(水) 00:29:56
>>606

    「ゲッ」

バレていた。
「しまった」という感情が思わず声に出る。


「いやァァ〜〜、
 そのですねェェ〜〜」

        「その・・・」

「平和的解決ていーますか・・・、
 こんな『虫』みてーな事で争うのはどうかと思いまして、
 私が負けた、畜生!ってなって、
 先輩に機嫌良くお昼ご飯を食べて頂くのがぁ、
 一番『スマート』かなぁ・・・

 って思ったんですけど・・・」   チラッ

怒気を隠そうともしない板踏の表情。
苦笑いを浮かべる。

「やっぱ怒ってますよね。
 ハハハ・・・本当すみません」

608板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/24(水) 00:46:11
>>607

「…………………………」

しばらくじっと、瞬きすらせずに荊木を見つめる。
見つめるというか、睨むというか……ともあれ静かに視線を向け続ける。

     「……………………」

     「……………………」

     「……………………」

見つめる。
見つめる。

     「………………はぁ」

       「わかったよ」

目を伏せてため息をついて、パッと距離を離す。

    「別に悪気とかはなさそうだ。
     単にお前の趣味じゃなかっただけか。
     むしろ悪かった。変なことに付き合わせたな」

   「それならこいつは俺が貰っていくことにする。
    …………その『100円』はお前にやるよ。詫びだ」

609荊木レイ『スティル・ライフ』【高1】:2015/06/24(水) 00:53:39
>>608

「ホッ」

ため息を付く板踏。
彼の呆れたというか、
ともかく『そーいう』感じの表情に胸を撫で下ろす。

「いやァ、
 本当怒らせちゃって・・・
 え?『100円』くれるんですかぁ!?」

ガッツポーズ。

「やったぁ!
 今日の昼食は『ハムサンド』から、
 『ハムサンド&たまごサンド』にランクアップっす!
 先輩、ありがとうございます!」

610板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』【高二】:2015/06/24(水) 01:03:01
>>609

「妙な事を言い出したのはこっちなんだからな。謝るのは俺の方だろ」

肩を竦めてそんなことを言いながら、ひょいと『タマゴとトマトのサンドイッチ』を手に取り。

「おばちゃん、これとこれをくれ」

『焼きそばパン』とまとめて購入。
当初の予定通り『タマゴとトマトのサンドイッチ』と『焼きそばパン』を手に入れた。
……少しトラブルはあったが、予定通りだ。
ひとまず『納得』はできたし、飯を食べてる間に記憶の隅に追いやられる程度のことだろう。
…………相手が『スタンド使い』だということすらスルーしているが、そのことももはや板踏の興味から抜け落ちていた。

    「じゃあな、後輩」

なので板踏は踵を返し、適当に手を振って荊木に別れを告げ……


        「……ああ、そうそう」


……ずに再びクルリと振り返り。

      「廊下を走ると危ないから、気を付けろよ」

…………それだけ言うと、今度こそ購買から去って行った。

611ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/06/30(火) 00:02:32
学園――中庭にて。
昼休み。

黒髪黒目の少女。
カッターシャツにスカート。

「……」

一人飯。

友達はいる。
……が、今日は欠席だ。
替えが効くほどはいない。

(まあ、たまには。
 こういうのも――)

サンドイッチを開封。
ハムカツ&卵。

「いただきます。」

ベンチの隣は、空いている。

612四条愛子『ガレージ・インク』:2015/06/30(火) 21:51:27
>>611
「だからさあ、結局のとこ一人で笑ってるよーな奴ってのは
すげーいいヤツかその逆しかいないんだって!
あいつらってば、神様か悪魔に………って、あ、ちょっと先行ってて」

近所のハンバーガー屋の袋を提げ、
中庭を横切ろうとする途中、
見知った顔(というかクラスメイトだが)を見かけた。
ばんばん、と友人二人の背を叩いて先に行かせて、
一人の同級生が座るベンチへと向かう。

「何? いっつもここで食べてんの?」

ずけずけと喋りかけて、
そのまま隣に座り込んだ。

613ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/06/30(火) 22:13:35
>>612

「……アイコ。
 こんにちは。」

薄く笑む。

        ス…

席をやや詰める。
彼女が座りやすくする。

「ああ、いえ。
 普段は教室です。
 食堂の時もありますが。」

「今日は一人なので。」

サンドイッチを齧る。
特別美味しいわけでもない。

「……良かったの、ですか?
 お友達を待たせてしまって。」

先に去っていく二人。
背中を見送る。先約だったのでは?

614四条愛子『ガレージ・インク』:2015/06/30(火) 22:29:50
>>613
「あ、そう?
そういや、教室で食べてんの見てるかも」

座る場所を空けてくれたゼンチに対して、
何故か同じ方向にずい、と動きながら手にした袋を開け、
ポテトフライとハンバーガーの包みを取り出した。

「いーのいーの、私があんたとご飯食べたかったんだから、
今の私の友達はゼンチだけってね」

言って、何がおかしいのかくっくっと笑う。

「ね、それおいしい?」

615ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/06/30(火) 22:51:12
>>614

「ええ、一応。
 端の方ですので。」

「仕方ないです。」

覚えてなくても仕方ないの意。
まあ、ともかく。

「ありがとうございます。
 私としても、一人ではどうも……」

      キュ

   ゴクゴク

ペットボトルの紅茶を飲む。

「寂しかったので。」

小さく笑う。
 
「これですか?
 まあまあです。
 ……一口食べますか?」

余計な気をきかせる。

なるほど、卵とハムカツだけだ。
値段が安いのが決め手。

616四条愛子『ガレージ・インク』:2015/06/30(火) 23:07:14
>>615
「あっはは、確かにあんた、存在感薄いかも。
……とかいったら傷つく?」

ゼンチの表情を覗き込みながら、
冗談ぽく口にする。

「えー、あんたって、
『私は一人で平気なの』ってタイプ!
そーいうフウに見えるけど、そういやそういうヤツだったね。
ガワで損してんじゃない?」

軽口をたたきながら、
ゼンチが勧めるサンドイッチと、
彼女の顔を代わる代わる見比べて、頭を振る。

「あのね、ゼンチ。
これって売店のやつ?
あんたいっつも、こういうの食べてるわけ?」

何故か真剣な口調だ。

617ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/06/30(火) 23:42:06
>>616

「薄い、ですか?
 ……どうなのでしょう。」

「否定は出来ない、カモ。
 まあ、少しばかり傷つきますね。」

なるほどゼンチは地味かもしれない。
特別秀でた容姿でも、個性豊かでもない。

「ええ、一人は寂しいです。 
 こう見えても……
 最近は、特に。」

「贅沢を知ってしまったからでしょうか。はは……」

友達とご飯を食べるのが普通。
そーいう贅沢を。

「いえ、コンビニのです。
 ……いつもというわけでは。」

弁当の日もある。

「どうか、なさいましたか?」

真剣な様子に首を傾げる。

618四条愛子『ガレージ・インク』:2015/07/01(水) 00:00:24
>>617
「目立ちゃいいってモンでもないから、
別にそれはいいじゃん!
それか、目立ちたいならそーいう風にすりゃいーだけじゃない?」

こんな風に。と言って、
自身の金色に染めた髪を触る。

「うわー、結構マジなやつ?
そんなんで悩むなら、声掛けてくれりゃ良かったのに。
ていうか、そーいう面をこう、全面的に出していけば、
友達とかも増えんじゃないの? 知らないけど」

「健康に悪いとか、そういう話じゃないの。
あんたって、このサンドイッチ、なんとなく選んだんじゃないの?
『昨日ポテトサラダだったから、今日はハムカツにしよう。安く済むし』
とかいって!」

ハンバーガーの包みを持ったまま、急に立ち上がる。

「あんたの『昼食を食べられる回数』は、
この短い人生の中で有言なの!
このハムカツタマゴサンドは、あんたの人生に刻む価値のあるだけの食べ物なわけ?」

やや見下ろすような体勢で滔々と喋り、
座り込んでハンバーガーを一口、そしてストローをくわえ、コーラを飲んだ。

619ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/07/01(水) 00:18:27
>>618

「……目立ちたいわけでは。
 まあ、今のままでいいです。」

特別、薄いことを気にしているでもない。
そう言われたのも、今が初めてだし。

「いえ、深刻な話ではありません。
 たまには一人でもいいかなと、思える程度には。」

「それに……その。
 あまり、がっつくのも。」

友達なら誰でもいいわけではない。
ゼンチは無節操に群れるのは好きじゃあない。
これも、一種の贅沢かもしれない。

               ・ ・ ・ともかく。

「……そ、それは。
 刻む価値……ですか、ウーム。」

いきなりの展開に驚く。

「一応、それなりに……
 考えては選んだんですが。
 値段との兼ね合いも、やはり、ありますし……」

本当に食べたいものだけを食べて生きる。
それは『無茶』な気がする……

「アイコ的には……
 値段などは度外視なのですか?」

それとも、真剣に選べばいい――
という話だろうか?

本当に食べたいものでなくとも。
真剣に選ぶならいい、という?

620四条愛子『ガレージ・インク』:2015/07/01(水) 00:42:47
>>619
「ええ、何ソレ?
めんどくさいヤツ! あっはは」

軽快に笑って、ゼンチの肩を軽く叩く。

「ま、そりゃそうね。
昼食に1000円とか2000円とか使うわけにもいかないし。
ぶっちゃけ私だって、適当に買ったヤツだしねー」

いきなり掌を返すような事を言い、
べとべとに汚れた指先を、紙ナプキンで拭いはじめる。

「まあ『気持ち』は重要かもね……
選択肢なくても、『本当はこれが食べたかった!』って、自分を誤魔化すみたいな?
って、何の話してんだろ、これ?」

621ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/07/01(水) 01:13:43
>>620

「はは……すみません。
 自分でも、そう思います。」

苦笑する。
肩を叩かれるのは嫌じゃない。
むしろ、気安くて、うれしい。

      ・ ・ ・ともかく。

「エッ」

突然の手の平返し。
いや、まあ。

(そういうことも。
 ……ありますか。)

説得できた、と考えるべきか。
はなっから適当だった?

「マア――そうですね。
 良いものだ、という気持ちで食べたほうが……」

                 ガブ

         ムショ   ムシャ

「美味しい気はします。
 ……ええと、よりよい食生活の話では?」

「何かほかの話にしますか?
 最後の晩餐にしたい食べ物とか。」

冗談っぽく言う。
それこそ『記憶に刻む価値のある』食べ物――だろう。

622四条愛子『ガレージ・インク』:2015/07/02(木) 00:02:46
>>621
「『最後の晩餐』?
あんたって、そーいうこと考えてんだね」

ゼンチと喋り始めて、
はじめて、少し考えるような素振りを見せる。

「そう言われると、これ!ってのはないね。
最後の晩餐ってのより、『人生最後』ってのが、
あんまし実感としてはナイかな……」

「あんたは、そーゆーのってあるの?
ハムカツタマゴが食べたいってのじゃ、ないだろうし」

623ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/07/02(木) 00:19:51
>>622

「いえ、普段は特に。
 いま思いついただけです。」

小さく首を振る。
ゼンチは――

(……最期。
 私も、いずれは死ぬ。)

(少なくとも……
 天国には行けないだろう。
 私は人を殺したから。
 それが間違いだとは、思わないが。)

人の死に触れた。
あくまで敵だった。
今もそう思う。

ずっと考えているわけではない。
だが、時折。
『死』を、思うときが増えた。


「……私は。
 そうですね……」

「普通の物を食べたい、とは。
 特別なごちそうではなく。」

真面目な顔で答える。
それから、少しはにかんで。

「……そして、出来れば。
 アイコや、他の誰か……友達と、一緒に。
 ……そう思いますね。はは……」

そう付け加えた。

624四条愛子『ガレージ・インク』:2015/07/02(木) 00:42:17
>>623
「ふうん、それって要は、
『最後』にしたくないって、気の顕れじゃあないの?
覚悟してってのじゃなくて、
いきなり、ゲームセット!って感じで死にたいってタイプ?」

ゼンチの面持ちとは対照的に、
へらへら、と笑って返す。

「……あっはは、何、それ?
あんたって、やっぱ寂しがりね。
てか、主旨とズレてるし!」

軽薄な口調で言うと、
ふと、ゼンチから目を逸らして呟くように続ける。

「そーいうのでいいなら、私もあるけど。
あんたのとは逆ね。
『最後の晩餐』は、一人で迎えたい。
蹲って、一人で死にたいわ。
その方が、楽よ、きっと」

625ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/07/02(木) 01:04:23
>>624

「……どう、でしょうか。
 突然死というのも……」

「穏やかに……平穏に。
 死にたいのかも、しれません。」

微笑して、そう言った。
ゼンチ自身、答えはまだ出ない。

「そうですね、はは。
 寂しく死にたくない……のかも。
 誰かに見ていてほしい?
 ……自分でも、よくは。」

頭をかく。

「本当に。
 まるきり、逆ですね。
 面白いくらいに……」

……なんだか真剣な空気だ。
ゼンチはそう思った。

            ムシャ

「……」

                 ムシャ

      …ゴクン

ハムカツタマゴサンドは食べ終えた。

「……マア、重い話はこれくらいに。
 アイコは、何か……話題など?」

我ながら妙な問いだ。
なければそろそろ、という意もあるが。

626四条愛子『ガレージ・インク』:2015/07/02(木) 01:29:40
>>625
「ま、わかんないよね。
私も、『死ぬ』なんてことは……考えたくもない。」

どこか、冷ややかな口調で言って、
ゼンチの問いに呼応するように立ち上がる。

「『重い話』……ふん、ま、それもそうね。
じゃ、戻ろうか、ゼンチ」

と、短く答えて、
昼食のはじまりと同じく、唐突に会話を終えて、
ゼンチを先導するように、校舎へと戻っていった。

627ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』:2015/07/02(木) 01:46:11
>>626

「……同感です。」

(……考えずに済めば。
 気楽でしょう……けど。)

(アイコにも……
 何か、思うところがある?)

思うに――命より重い物は少ない。
ゼンチにも、そういうものは、あまりない。

「ええ、戻りましょう。
 ……5限目は、現文でしたか?」

四条に続き、校舎へ戻って行った。

628ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/07/05(日) 22:51:14
体育館裏。
別に誰かに呼び出されたとかそういうわけじゃないし、誰かを呼び出したとかでもない。
単に人気がない場所だから。

ズギュン!

「ん〜・・・」

『スタンド』。『テロライザー』を発現して、動かしもせずにウンウン唸る。力んでるから。

629後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/07/05(日) 23:11:23
>>628

 「おや?」

 人型のスタンド……それを一瞥しつつビニール袋を提げた
平均的な体格、ラフな夏の学生ズボンに白いワイシャツを身に着けている。

 顔に『うらぎりもの』と描かれてるのが特徴だ。

 ネキリに目を留めつつ、気にしない素振りで横切ろうと思ったが、唸ってる声に立ち止る。

 「どうかしたかい? 具合でも悪いのかな」

 「良ければ保健室まで付き添うけど……」

 そう、声をかける。

630ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/07/05(日) 23:26:03
>>629
「ひわっ」

変な声が出た。びっくりしたので。

「あっ。あの〜?」

首をかしげて。
『高等部』の制服。学年章は二年。垂れ目。丸顔。童顔。
傍らの『スタンド』も同じように首をかしげる。
『空の弾帯』を体中に巻き付け、『ぼろっちい戦闘服』・・・のようなものを着た鉄のマネキン。そんなヴィジョン。

「どこも悪くないですよぅ〜? ・・・!?」

ぽわん、と音がしそうな挙動で振り向きつつ答え、相手の顔をみてびっくり。

「あの、あの、え〜っと〜・・・
 『マヨネーズ』とか〜 消すのにいいってテレビでみたことが〜・・・」

『ラクガキ』だと思ったみたい。

631後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/07/05(日) 23:52:50
>>630

 「ん? マヨネー……あぁ、これね」

苦笑しつつ、自分の顔に書かれてる『スタンド文字落書き』に手を当てる。

 (スタンド使いか……)

 「ちょっと特殊な油性を使ってる見たいでねぇ。まぁ……気にしなくて良いよ
罰ゲーム見たいなものだから」

 そう、手を軽く振って笑い目の前の女性に対し応対する。

 「いや、何か唸ってたようだから。困った事がなければ別に構わないんだけどね」

  「ただ、人間が唸ると言う行為は、生理的な苦しみを減少させる為の仕草
以外では悩み事か、若しくはそれに類似する行為によるものだから。
 まぁ、それ以外で君が無意識に癖やちょっと考え事で他意なくしていた
行動なのだったなら。余計なお世話だけどね」

 「あ、ペラペラと喋って申し訳ない。僕の名前は後藤 成明と言います」

 そう、自己紹介しつつ雑談を交える。

632ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/07/06(月) 00:23:11
>>631
「ば、罰ゲーム〜・・・?」

それにしたってヒドい、と思ったままの顔。
本人が平気そうなのは、本当に平気なんだろうか・・・? もちろん『スタンド文字』なんてものに思いも寄らない。

「・・・?  ??」

『唸る』ことについての説明は半分も頭に入らない。あんまり頭がいいわけじゃないのだ。

「あ、わたし、『柊ネキリ』です〜」

ペコォリ

名前だけわかったので名前を言う。あとお辞儀。

633後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/07/06(月) 00:44:27
>>632

「柊ネキリちゃんね、うん、良い名前だ」

 軽く上下に頷き、微笑みつつ後藤はそこで一旦口を閉ざし、視点をずらす。

 「あぁ……ところで」

 「君の『隣にいる』のは、うぅん……個性的な恰好をしてるね」

 そう、柊ネキリのスタンドを曖昧に賞賛の声を掛ける。

 (人格的に異常性は見受けられない)

 (攻撃的な表現や、突如強行に陥る可能性は著しく低い……
然し、人型のスタンド使いは基本的に多いのだろうか?)

 そう、思考を編みつつ少女に自分もスタンド使いだと暗に明かした。

634ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/07/06(月) 23:55:10
>>633
「へあっ?」

変な声で驚き。いきなり褒められたので。

「いや、えへ。それほど〜・・・でも〜・・・」

クルゥ〜リ

言いつつ、聞きつつ、『テロライザー』に視線がまわる。

「えっと〜」

クルゥ〜リ

向き直り。

「見えるんですか〜? わたし〜、見えるひとに会ったことなくて〜」「霊感強いひとなんですか〜?」

微妙な認識。『スタンド文字』を知らないように、『スタンド』のこともほとんど知らない。
わかっているのは『名前』、そして『何ができるか』だけ。

635後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/07/07(火) 11:27:20
>>634

 >「見えるんですか〜? わたし〜、見えるひとに会ったことなくて〜」「霊感強いひとなんですか〜?」

「君のその傍らに存在してるものの通称は『スタンド』と言われてるよ。
この黄金町じゃあ例えるなら道を歩いていて野良猫に道すがら遭遇する確率よりは
出逢う確率が高いと思うよ。君と同じ力を抱いてる人間には」

 そう、柊ネキリに対し通称名を優しく教授する事にする。

「君の持ち合わせてる力は人間の精神力を霊体的に具現化した存在と言えばいいのかな。
人型、物体型、昆虫や動物etc、かなり別々の種類の力を持ってる人を見かけた事や
知り合いを僕は知ってる。例えば……」
 
 ズズゥン……。

「そう言って、分かりやすく『ザ・パラダイム・シフト』の『ダーツ』を
掌から浮かびだすように一本発現して見やすいように差し出す。

 「これが、僕のスタンド。基本的に一人につき一体、そして特殊な能力を
各自備えている。僕の能力は……謂わばコレで刺した後に人が寒いとか暑いとか
そういった感覚を両方十五分程度で感じていれば、その寒いって感覚を暑いって
感覚に誤魔化すことが出来ると言う、かなり使いどころが狭まるスタンドだけどねぇ」

 「あと、君はどうやら刺青をしてたりとか、そう言う感じじゃないね。
この黄金町では刺青を彫ってもらうとスタンドを使えるようにしてくれる人や
ちょっと違う場所でもそう言う事をしてくれる人が居るんだけど。
 どうも君の発言を見る限り、物心付いた時から持ってる感じだね?」

 ネキリの微妙な普通のスタンド使いと違う。純朴な感じ

それを知覚で理解しつつ問いかける。

636ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/07/07(火) 21:00:28
>>635
「『スタンド』」

それだけ理解した。精神とか具現化はちょっぴり難し過ぎた。

「物心っていうか〜、さいきん? 引っ越す前に〜、お掃除してたら〜」

『テロライザー』を見やる。

「いました〜」

わりと最近だ。この春から『引っ越し』で『転校』してきたから・・・正確な日時なんかわからないが、気付いたら『いた』。
そして『(よくわからないなりに)理解』する、ダーツの『能力』。
『あつい』を『さむい』に変える。

「夏とか〜、便利そうですね〜」

ぽわん、と音がしそうな笑顔で素直な感想。
述べながら、『テロライザー』をうごかす。『動かすことはできる』。
HBのエンピツは折れないけどシャーペンの芯は折れる。ポキッと折れる。
当たり前のように出来る。だから『テロライザー』も動かせる。

「『テロライザー』は〜」       ド カ ンッ!!!

ごく自然に、体育館の外壁を殴り壊した。

「壊れたところに〜 『地雷』が埋まってるんですよぅ〜」

教えてもらったから、お返しに教える。
柊ネキリにとってはあたりまえの『礼儀』だ。『悪意』などないし、『敵意』などあるはずもない。
『地雷』にそんなものは存在しない。

637後藤 成明『ザ・パラダイム・シフト』 【大3】:2015/07/08(水) 15:22:51
>>636

>「『テロライザー』は〜」  「壊れたところに〜 『地雷』が埋まってるんですよぅ〜」


 「……ほぉ」

 地雷。外壁を容易に破壊するパワー及び設置罠系能力者。

 (『吸血鬼』の能力……では無さそうだ)

 後藤がいま現在興味を抱いてるのは『ヨハネスブルグ』と『吸血鬼』の事柄。
それ以外のスタンド使い及びスタンドの能力には特別関心が生じない。

 「いや、頼もしいスタンドだね。それ位のパワーがあれば危ないことが
起きても平気だろうな」

 そう褒めやかしつつ、ネキリに『吸血鬼』のことに関して聞いてみようかと考える。
考えるものの、初めて見える人に出会えた。と言う内容からも彼女が他の
スタンド能力を把握してる線は薄すぎる……後藤は質問の選択を脳内から消す。

 「最近この町じゃあ物騒な事が多いからね。『ヨハネスブルグ』って言う
黒人で構成されてる殺人集団然り……怖がらせる気はないけど一応伝えとくべきだと思ってね。
 黄金町にはスタンドを使って悪さをしようと企んだり、実際してる人が
多いらしいから、ネキリさんもなるべく気を付ける方がいいよ」

 そう、話しかけて反応を待つ事にする。

638ネキリ『テロライザー』【高二】:2015/07/08(水) 22:46:40
>>637
「『ヨハネスブルグ』〜」

何をして殺人集団という言葉が出てきたのか理解出来ないため、おうむ返し。
ともあれ、ぺこりと頭を下げる。

「いろいろ教えてもらってありがとうございます〜」

危ないことには気をつける。大事なことだ。皆に言われる―――

  Pi☆

「はわっ」

着信。断りなく通話。

「はい〜。あ、みーちゃん〜?あれ?えっ!もう時間〜?ごめん〜。すぐ行くね〜」

切り。

「ごめんなさい〜。友達を待たせちゃってるから〜、行きますね〜」

もう一度頭をぺこり。
『テロライザー』と一緒に手を振り振り、体育館裏を後に。

639葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【見学】:2015/07/31(金) 04:03:27

              キキーッ …

「……」

(ここ……が。)

学び舎を、門から少し離れたところから、仰ぎ見る穂風。
私立秋映学園――

          ドクン

    ドクン

仕事にも慣れだした。
極めて幸運なことに、一人暮らしは軌道に乗りつつある。

(……見に来た、だけ。話が聞きたいだけ。
 ……もしかしたら、って期待は、あるけど。)

学園に入学したい気持ちは、強い。けれど穂風は、実態をまだ知らない。
そもそも、どうやって入学するのか――も。

(……でも、どう、しよう。
 あの門から入って、いいのかな……
 ……何となく、駄目な気がするけど……)

分からないことを、まずは減らしに来たのに。
いきなり、入り方も分からなくて、赤いロードアイクに跨り、途方に暮れる。

640朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 00:05:56
>>639
「んあれ?」
と、ちょうど門の向こう、学校側から一人の学生が現れる。

「こんにちはー。えっと確か…ハトリさんでしたか?」
その学生は以前出会ったことがあるだろう。
常に学生服のあの少女だ。

「夏休みにここに来るってことは…
 もしかして部活を?」
不思議そうな顔で答える。
学校に行ってないという話は、してなかったかもしれない。

641葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【見学】:2015/08/01(土) 00:23:39
>>640

顔見知り程度だが、見知った顔だった。
やや安堵する穂風。

「あ……ど、どうも。
 お久しぶり……です、ね。」

(ええと……そうだ。ゲームセンター、の。
  ……『フォートレス・アンダー・シージ』……の。)

名前は、知らない。
知ってるのは、素直なスタンド使いということ。

「……あの、ええと……
 部活は、やってない、です。」

          「それに、その……ええと。
           この学校の、生徒でも……その、なくて。」

(この人には……込み入った話は、したくないな。)

秘密を暴露したくなるほどの仲でも、ない。
やや気まずげにしながら、ロードバイクから降りる。

「……あの、学校を見学……したいん、ですが。
 貴女は……その、やり方、って分かります……か?」

とりあえず、必要なことを聞くことにした。
もちろん、知らない可能性も十分あるだろうけど。

642朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 00:32:51
>>641
…恐らく空耳だったに違いない。
名前は聞かなかった。

「む、部活をやってないんですか?
 …というか」
なるほど、という感じで手を叩く。

「つまりここに転入したいってことですか?
 なるほど、それならここで待ってる理由もわかります。」
どうやら納得したらしい。
そして、軽く校舎の方に目を向ける。

「見学、うーむ…
 オープンキャンパスとかはこういう時期にやってますかね…」
これだけ大きい学校だ。おそらくはオープンキャンパスなどもやってるかもしれない。

「案内くらいなら、自分にも出来そうですけど…
 今から行ってみますか?」
そう言って学校の方を指さした。
親切な気持ちなのかもしれない

643葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【見学】:2015/08/01(土) 00:46:16
>>642

「転入……かな。
 まあそんな、感じ……です。」

(まあ……ウソ、じゃあない、かな。)

曖昧に頷く穂風。

「オープン……す、すみません。よくわからない、です。
 勝手に見学していい……という、ことでしょうか……?」

オープンキャンパス。
大学部はともかく、穂風に値する中〜高等部は開放しているのだろうか?

ともかく、穂風はそれを知らなかった。

「案内……っ!」

目を輝かせるが――

         「でも……あ、あのっ、いいのでしょうか。
           わ、私、部外者……だし、不法侵入、なのでは……」

そういう懸念も、あるのだ。
穂風はわりとロマンチストだけれど、たまに現実的だ。

644朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 00:53:02
>>643
「まぁ、大学部だったらオープンキャンパスっていう…
 学校見学の日程があったりするんですけどね。
 一応、中高の辺りの見学会の日程もあるかもしれないですよ。」
そう言って軽く微笑む。

「うーん、警備の人とかに話をつけたら大丈夫…
 何じゃないですか?
 それに、見た感じ悪い人ではありませんし、あなたは」
こっちはこっちで若干アバウトである。
部外者の侵入に関してはこれくらいでいいというのだろうか?

645葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【見学】:2015/08/01(土) 01:03:43
>>644

微笑む朱鷺宮。

「は、はあ……ありがとう、ございます。」

(あ、アバウトすぎる……
 この人が責任とってくれるとも思えないし……)

対して穂風はやや困惑した表情。
……これに関しては、温度差の問題だろう。

穂風は、本気で言っているのだ。

            (でも見学会……は、知れてよかった。
             ……あとで、調べてみよう。)

「ええと、そうなると……
 警備の人、って、その、どこにいるんですか……?」

辺りを見渡す。
……校門前にでもいるのだろうか? 番兵みたいに。

        (話、聞いてくれるかな……)

646朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 01:13:07
>>645
「…なんだか、ちょっと無責任でしたかね?」
困惑した表情を見て、
涙音は少し心配そうな顔をする。

「警備員さんは、そうですね。
 通学時間に校門前で監視をしてたりしますが…
 夏休みにはこの辺りの巡回とか、
 守衛室で生徒の出入りの確認をしてると思いますけど…」
警備員がどういうことをしているか…
というので思いつくことを考えてみる。

「…ん、ちょうど見回りしてる人がいるみたいです。」
調度良く?警備の人が近くを歩いてきたようだ。

647葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/01(土) 01:33:51
>>646

「い、いえ、そんなことは……」

(……気を遣わせちゃったかな。
 気にかけてくれるだけ、親切……か。)

        「……すみません。」

非礼をわびる穂風。
もっとも、向こうにしてみれば唐突な謝罪かもしれないが。

「じゃあ、待っていたら、会えますかね――」

              「あ」

ちょうどよく、警備の人が来た。
……これは、チャンス。行動するのだ。

「あの、その、ありがとうございました。」

     ペコ

           ガチャ

朱鷺宮に頭を下げ、ロードバイクに鍵。
それから、警備員の方へ。

         タタタ

648朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 01:40:31
>>647
「あ、いえそんな…
 謝らなくても…」
急に謝られて驚いたようで、
若干混乱気味の表情で返した。

「調度良く、来ましたねー。
 多分話のわかる人だと思いますよー」
そう言って、取り敢えず警備の人の方へ向かう葉鳥の背中を追う

警備の人「おや、どうしましたか?」
こちらに向かってくる葉鳥を見て、警備の人は足を止める。

649葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/01(土) 01:54:09
>>648

       コク

頷いた。

「そうだったら、いい……ですね。」

       トトト

(この人は……
 良い人、なんだろうな。)



      ・ ・ ・そして。

警備員の前で立ち止まる。

       ペコ

そして、頭を下げて。

「あ、その……こんにちは。
 すみません、その……ええと。」

     ゴクリ

一度、つばを飲み込んだ。
緊張する。ついに、学校の中を見られるかも。

          「……学校見学、が。
           したいん、ですが……」

    ドキ

        ドキ

穂風はもごもごと警備員に言う。
黒衣の下の胸は、高鳴るばかりだ。

650朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 02:00:07
>>649
「がんばってくださいねー。」
そう言って軽く手を振る。

(どうしようかな…
 いざって時には助け舟を出すか…)
そう思って、軽く様子を見守る。

警備の人「どうもこんにちは、えっと…
       ご入学を希望しているんですか?」
羽鳥の様子を見る警備の人。

警備の人「ふむ、妙なことをするわけではないなら…
       個人的にはいいと思いますが…」
警備員さん的には、取り敢えず大丈夫らしい

警備の人「ただ、1人ではなく、誰かと同行してというのがいいと思いますけどね。」
一応警戒してるのかもしれない

651葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/01(土) 02:13:36
>>650

「は、はいっ! 希望して、ます。」

       コクコク

勢い良くうなずく穂風。

(よ、よかった。
 ほんとに、話の分かる人……)

「ほ、ほんとですか……!
 あの、えぇと、ありがとう、ございますっ……」

         「えへ」

許可が下りたのは、とてもうれしい。
穂風は笑顔を浮かべる。

            ――そして。

「同、行……」

           …チラ

思わず、振り返った。
……まだ朱鷺宮がいるのが見えた。

(案内、してくれるって……言ってた。)

       ……ここはお願いしてみる、か?

652朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 02:19:01
>>651
警備の人「部外者が一人でだと流石に怪しいですからねー。
       もちろん、この学校の在学の方か、職員の方で頼みますよ。」
と、念を押し始めた。
在学者か職員を呼ぶ必要がありそうだ。

「おや、どうやらうまくいきそうですね。」
興味深そうにやりとりを見守っていた涙音は…

自分に視線が向いたのを見て。
「おやっ…
 なにか困ったことでも?」
気になって葉鳥の方に近づいてみた。

653葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/01(土) 02:25:54
>>652

なるほど。それはまあ当然のことだな、と穂風は思った。

「……あの、それなら……
 先生を呼んでもらったり、って……?」

もごもごと警備員に聞く。
べつに朱鷺宮が嫌いなのではない。

どうせ案内されるなら、先生がいい。
その方が、お話も聞けるだろうし。

         ……朱鷺宮に振り返る。

「あ、ええと、その。
 見学するなら、先生か、学生に付き添ってもらえ……って。」

          「……あの、すみません。
           もしかしたら、お願いするかも、です。」

(保険みたいで悪い、かな。
 でも出来たら先生が、いいし……)

   ドキ

           ドキ

事情を説明して、警備員の反応を待つ。
また心臓が高鳴るのを、感じる。

654朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 11:35:13
>>653
警備の人「今手が開いてる人がいるかはわかりませんが…
       構いませんよ。ただ…人によっては部外者嫌いな人もいるかもしれませんけど…」
そう言って、少し首を傾げた。
夏休みのシーズンなので多分忙しい時期ではないかもしれないが…
何かあったら忙しくてきてもらえないかもしれない。


「むっ?付き添いですか?
 まぁ確かに…一人だけで見学は迷子になるかもしれませんし、必要でしょうね。」
同意するように頭を縦にふる。

「もちろん、必要になるならば、私はそれで構わないですよ。
 一応、ここに通ってた時間はそれなりにあるので。」
恐らく案内するところは高等部だろうが、自信あり気に答えた

655葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/01(土) 22:49:06
>>654

「ぶ、部外者嫌い、ですか。
   ……わかりました、その、ありがとうございます。」

(……そっか、先生にも、いろんな人がいるんだ。
  ……どうしよう、かな。)

学校の先生と言うのを神聖視しすぎだったか。
穂風を助けてくれない先生も、いるのだ。

           「……」

      チラ

その点、この素直な彼女はどうだろう、と穂風は思った。
彼女は、穂風に対して親切だ。

(今日、は……親切な人に、よく会う日、だなあ……)

「……ええと、お願いして、いいですか?
  あの、その、案内……して、いただいても……?」

……穂風は、任せてみることにした。
少なくとも、悪人ではなくて、親切な彼女に。

656<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

657朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 22:58:07
>>655
警備の人「まぁ、気をつけてくださいね。
       ここは自由な校風だから、その格好でも問題ないかもしれないけどもね。」
格好に関してはさほど言及はしない。
学校にいる生徒はだいたいが制服を改造しているのもあるだろう。

警備の人はそろそろ行くべきかと若干そわそわとし始めている。


「む、ご案内、ですか?」
葉鳥の少し不安げ?な表情を見て、涙音は少し考えてから。

「私にどこまで出来るかはわかりませんけど…
 構いません!それに…生徒と一緒にいればきっと
 うまくごまかせますよ!」
自信ありげに胸を張って答える。
(…多分大丈夫、だよね。だよね…。)
内心では涙音も不安に思っていたことは目の前の彼女には内緒である。

658葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/01(土) 23:13:35

>>657

「は、はい。気をつけ……ます。」

(そ、そっか……学校は、制服じゃないとダメなんだ。
 ……制服って、高いのかな……お給料で足りるかな……)

穂風は私立秋映について深くを知らない。
まあ、知らないから見学に踏み切ったのもあるけれど。

            「……あ、お、お疲れさま、ですっ。」

警備員に声をかける。もう行っていいよ、と言い換えてもいい。
……そして朱鷺宮に向き直る。

「……はい、ご案内……です。
 あのっ、ええと……よ、よろしくお願いします。」

           ペコリ

(……大丈夫、だよね。自信ありそう、だし。
 ごまかすようなこと、起きないといいんだけど……)

一抹の不安を抱えつつも、穂風は案内されることになった。

659朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 23:17:20
>>658
警備の人「それじゃあこのへんで、巡回に戻りますよ」
そう言って手を振り、警備の人はその場から歩き去る。



「そうですか。まぁ出来る限り頑張ってみますよ!
 取り敢えずまずは校舎まで案内しましょう!」
そう行って涙音は葉鳥の手を引いて歩き出そうとする。

「まずはどこを案内して欲しいですか?
 希望があればそこから…っと…」
涙音は一旦足を止める。

「そういえば名前をまだ話してませんでしたね。
 私の名前は朱鷺宮涙音、中等部の2年です。
 …アナタは?」

660葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/01(土) 23:26:12
>>659

「あ、あう……」

      ト ト ト

手を引かれることに、やや困惑する穂風。
そして――

     ピタ


        ハトリ ホフリ
「あ、ええと……葉鳥 穂風です。
 ええと……年、は、15歳……です。」

         「……よろしく、お願いします。」

    ペコ

足を止め、頭を下げて、自己紹介を返す。
……と、それよりもだ。

「き、希望……ですか。
   うぇ、難しい……な……」

……考え込む。
思いつかないのではない。思いつき過ぎるのだ。


「……きょ、教室、とかっ。
 勉強をする、教室とか……見てみたい、です。」


選んだのは、一番初めに浮かんだ場所。
穂風の、学校へのばくぜんとした憧れの風景。

661朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 23:33:22
>>660
「っと、葉鳥、穂風さんですね。
 私と一つ上ってことですか…
 よろしくお願いします。」
ちょっとだけ改まって頭を下げる。
取り敢えずは歳上なのでか、若干後輩な雰囲気を出している。

そしてしばらく…穂風の希望を待つ。
「教室、なるほど…
 私が学んでいる教室とかでも、大丈夫でしょうか?」
そう行って校舎へとゆっくり歩いて行く。

662葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/01(土) 23:42:22
>>661

「は、はい。そうなり、ますね。
 ……あ、あの、あんまり、畏まらなくても。」

           「その……だ、大丈夫、です。」

(学校の、先輩は……この人、だし。
  ……急にだと、なんだか、くすぐったい。)

急な後輩的雰囲気。
穂風は、べつに、そういうのは望んでいなかった。

「は、はいっ。どんな教室でも、大丈夫……です!」

勢い良く、うなずく。

     トコ

          トコ

校舎へと歩く道。
穂風はせわしなく、辺りを見回している。

           (広い、なあ……)

「……あっ。」

       「あれ。部活……ですよね。」

興味深げにきらめく目を向けた先。

        ワーッ
 
           ワーッ

あれは……サッカ―部か。
このクソ暑い日にご苦労な事だ……(※これは穂風の感想ではない。)

663朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/01(土) 23:52:20
>>662
「そうですか?
 しかし…中学校で言ったら一つ先輩ですし…」
ちょっと改まった様子だが、敬語なのはいつもどおりだ。

「まぁ、取り敢えずわかりました。
 じゃあこっちへどうぞ。」
そう言って校舎へ進んでいく。

「おっ、部活に興味ありますか?」
そう言って軽くサッカー部の練習風景を見る。
(んっ?この流れは…)
何故か警戒をしている…
生徒たちは随分と切れの良いシュートをしまくっているようだ。

「ああ…葉鳥さんはどういう部活に興味があります?
 文系かスポーツ系か…あるいはもっと他の?」
ちょっと冷や汗を書きながら葉鳥に尋ねる。
サッカーボールの音を聞くたびにちょっとドキッとしているようだ。

664葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 00:05:31
>>663

「あ、ぅ……それは……
  そう、かも……ですけど。」

(……生きてる時間が長いって、偉いのかな。
  ……この人は、私に敬語使うの、嫌じゃないのかな。)


穂風はもごもごと口ごもる。
自分が敬語を使うのは、みんな自分よりものを知っているから。

     ワー

        ズドン!

切れのいいシュートがゴールに突き刺さる。

「あ、部活、は……してみたいです。
 どんな部活……か、は……いろいろ見て、決めたいなぁ、って……」

         「えへ」

頬を緩めるのは、期待感から。
部活。漫画で読んだ学校では、みんな入っていた。楽しそう、だ。

「……? あ、あの。
 朱鷺宮さん……は、部活、しているんですか?」

朱鷺宮の警戒を不思議に思いつつ、尋ねる。

             ワー

                パス! パス!

665朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 00:11:13
>>664
「むー、気になるなら私が先輩面しちゃいましょうか?」
ちょっと軽口を叩いてみせる。

「そうですね、面白い部活があったらそれは入ってみたくなりますね!
 まぁ、今の時期は運動部は忙しいですけど、枠は十分あると思いますよ。」
そう言って軽く笑ってみせる。

ちょっとサッカーの音を気にかけながらも…
「あ、私の部活ですか?
 えーっと、一言で言うのは難しいですが、『金言部』という部活に所属してるんです。」
そう言って軽く笑う。

「…まぁ知ってるわけ無いですよね。ここ独自の部活ですからね。
 簡単にいえば、いろいろな金言…ありがたい言葉を学んでいくという部活なんですけど…」
と言ってる間に

   バシュンッ!!

サッカーボールが一つ、こちらへとすごい勢いで飛んでくる!
涙音に向けて一直線に!!

666葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 00:25:26
>>665

「えっ、あ……と。
 そ、それでもいいです。」

      「と……朱鷺宮先輩、ですかね。」

実際学校の先輩は朱鷺宮だし、なんらおかしくない。
軽口を返す。

「そ、そうですね。バレーボール、とか、バスケとか……
 スポーツも、やってみたい……です。……キンゲン、部?」

      ワー
           ドカアッ!

サッカーの練習風景を見つつ、別の球技に興味を寄せる穂風。
そして……聞きなれぬ部活の名前。

「言葉を学ぶ……? ですか。
 ……う、ん……よくわからない、ですね……」

よもや実態はレクリエーションサークルだとは思うまい。

           ――と。

   バシュンッ!!

「……!」

  (あぶ――)

          「――ないっ!」

     ばしっ

飛んできたボールを、思わずキャッチする穂風。

「……い、いたた……っ……」

             ポロッ……

すぐに取り落とす。
手の平を少し、すりむいてしまったか。

667朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 00:36:56
>>666
「朱鷺宮先輩…ですか。
 フヒヒヒ、なんだかいい響きです。」
嬉しそうに笑っている。
…笑い方は不気味だが嬉しかったということなのだろう。

「スポーツですか…時折金言部は体を使って色々やることがありますね。
 結構アウトドアな部活なんです…」
ちょっと恥ずかしそうに答え…

バシュゥンッ!
突如飛んできたサッカーボールに
「えっ・・・?
 あっ!」

668朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 00:38:30
>>667(続き)
葉鳥が声をかけたことでようやく気づいた。
またしても自分のところへと飛んできたのだと気づく。

「だ、大丈夫ですか?!」
涙音は慌てて声をかける。

「す、すいません私のせいで…
 怪我は…大丈夫ですか?」
ちょっと変なことを言いながら手のひらを見る。

669葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 00:47:53
>>667-668

「だ、大丈夫です。貴女のせいじゃないですし……
 手も、その……ちょっと、擦りむいただけ……で。」

    パッ

手の平を見せる。嘘はついていなかった。

        スイマセーン

遠くでサッカー部が謝っているのが聞こえた。

「……えいっ。」

          バシッ

穂風はそちらへボールを蹴った。
ぼて、ぼて、と何度か跳ねて、無事に帰った。

「……えへ、結構うまく蹴れました。
 ……あのっ、そろそろ教室に……行きたい、です。」

やや申し訳なさそうな顔をしつつ、催促する穂風。

金言部やらの話も気にはなる。
その辺はまあ、教室までの道で聞いてもいいか。

           (……笑い方。珍しい、な……)

670朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 00:53:43
>>669
「大した怪我ではないですけど…
 あとで保健室に行きましょうね」
そう言ってから、大きく頭を下げた。

「ありがとうございます。
 アナタのおかげで私はその…ぶつからずにすんだみたいです。」
感謝の言葉を述べてから、顔を上げた。

「やれやれ、サッカー部の人はこれから気をつけないと…
 サッカーは…まだ色々と部活で学ぶ機会はありますよね…」
と、頷いたところで

「分かりました。じゃあ…行きましょうか。」
そう言って進行方向を指さして、また歩き出した。

「この辺りを歩いて行けばもうすぐですよ!」

671葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 01:06:20
>>670

「保健室――」

      「は」 「はいっ。」

保健室には以前、一度だけ入った。
……まあ、それはいい。

「……? い、いえ。気にしないで、ください。」

穂風からすれば、自分にぶつかりそうで危ないから受け止めただけだ。
朱鷺宮の鳩尾の事は、知らない。

      トコ トコ

「サッカーとか、スポーツは、ちょっとだけ知ってます。
    その、漫画とかで読んだリ……したので。
        ……やったことは、ぜんぜん、ないけど……」

「キンゲン、は……見たことも、聞いたこと、も……」

         トコ トコ

辺りをしきりに見回しながら歩く穂風。
時折、何かに目を止める。鉄棒とか、銅像とか。

「も、もうすぐ、ですか……っ。
  あの、すごく……楽しみ、です。」

    ドキ  ドキ

朱鷺宮の後ろで、胸を高鳴らせる。

672朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 01:15:13
>>671
「…いえ、気になさらないでください。」
そう言って軽く微笑んで、また歩き出す。

 トコ トコ トコ

「なるほど…体力があるならスポーツ系がお勧めですね。
 ルールなどがわかればいい感じになります。きっと」

「一言で言うのは難しいですね…
 取り敢えず、今は急ぎましょうか。」
そう言って周囲を適当に散策しつつも、教室の前まで歩いて行く。

「ココが、私が授業を受けたりしている教室です。」
そう言って扉をガラッと開ける。

…白いタイル張りの部屋の中に幾つもの机と椅子が並べられている。
教室の前と後ろには黒板が置かれており、夏休み、とチョークで刻まれている。
あとクーラーも完備している。

「特に特別な場所とかじゃないですけど…
 どうですか?」
と、振り返って葉鳥に尋ねてみる

673葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 01:30:51
>>672

「た、体力……あるのかな……でも、いろいろ、やってみたいです。
 何に入るかは、分からないけれど……いろんなことを、試してみたいです。」

穂風は、期待に満ちた笑みを浮かべて、言った。

    トコ トコ トコ

          (あ、キンゲン……)

辺りを見回しながら歩く穂風。金言部の張り紙。
ゆっくり見ようと思ったが、そうすると横の張り紙や、その横も気になってきりがない。

(い、今は……急が、なきゃ。)

          トトトト

急いだ甲斐あって、着いた。

教室の扉。
朱鷺宮はこともなげにそれを開いた。

         「あ――」



     ガラッ ……


穂風は――教室を見て、意外と普通だなと思った。
だが、感慨が湧き上がってきた。

   「う」

         「う……」

教室に一歩、踏み込みそうになり――

        タン

そして、慌てて引き下がる。

(入る、のは……まだ、だめ、だ。)

「……すごい。教室……だ。
  ……ここ、で、授業……してるん、ですね。」

そう、はっきりした口調で聞いた。

674朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 01:38:26
>>673
「もちろん。
 好きなところを選んでください。」
と、笑いながら答える。

(…金言部、まだまだ募集してるけど…
 変な部活とか思われてないかな)
軽く金言部のポスターを見てから取り敢えず道を急いだ。

「ん…ど、どうしました?」
慌てて引き下がったのを見て、ちょっと心配そうな表情を見せた。

「別に代わり映えのしない普通の教室ですよ。
 エアコン完備ですから、暑い日でも寒い日でも快適なくらいですかね…」
そう言って上を指さす。確かにエアコンが置かれている。

「珍しくはない…と思いますが…
 嬉しそうです…ね」

675葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 01:52:30
>>674

「あ、い、いえ……
   ……まだ、入学していない、ので。」

          「……その時、に。」

その時のために、大切に取っておきたい。
……そんな気持ちだ。

(クーラーもあるんだ。
 黒板。チョーク。イスと机。
  ……だ、だめ。眩し……すぎる。)

     タ  タ

二歩、下がる。
朱鷺宮には、これも不思議だろう。

「嬉しい、です。初めて、だから……」

           「あ」

そう言って、少し俯く。
……学校に行っていなかったことは、そう自慢したくもないこと。

「……あの、ええと。
 次、は……朱鷺宮さんの、お勧めのところ、に……」

話を逸らしたい意図もあった。
が、元より、教室だけを見に来たわけでもない。

676朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 01:59:30
>>675
「楽しみはとっておくということですか。
 分かりました。」
そう言って、二歩ほど下がった葉鳥を不思議そうに眺める

「どうしたんで…ん?」

「初めて…?」
その言葉を聞いて、表情が若干硬くなる

(…もしかしてずっと不登校だったのかな…?
 教室が珍しそうだったし…)
「い、いえ。気にしないでください。」
慌てて表情を固いものから柔らかいものに変えた。

「え、えっとぉーそうですね。
 この辺だったら、近くには音楽室もあったりしますけど…
 多分今日は吹奏楽部も軽音楽部も居ないと思いますよ?」
どうやら、涙音もあまり言及する気はないらしい。慌て気味に答える。

677葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 02:19:15
>>676

「そう……ですね。」

         チク

頷いた。
朱鷺宮が『初めて』に触れないでくれるのはありがたい。

         だが。

 (……気にしてるなんて言ってない。
    ……ほんとに、素直なんだな、この人は。)

気を遣ってくれるのが痛いくらいわかる。
それが何だか、ちくちくした。

「あ、ええ、と、その……
 ……遠くでも、いいんです。」

        「どこが一番、おすすめかな、とか――」

音楽室に興味がないわけではない。
ただ、この学園は広くて、時間は有限だから、すべて回るわけにはいかない。

ロマンチストにもそれくらいは分かるのだ。

678朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 02:24:18
>>677
(まぁ、人生いろいろだし、ここはあんまり深く言わないでおこうかな。)
そう思いながら彼女の様子を見守る涙音。

「おすすめ…うーん、おすすめというと…」
少し考え事をする。

「じゃあ、食堂なんてどうですか?
 お昼を食べる場所を前もって知っておくのは悪く無いと思いますよ!」
そう言って、彼女に食堂への道を指さしてみる。
かならず来ることになる場所だろうなだけに、知っておいてソンはないかもしれない。

679葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 02:39:30
>>678

深みに踏み込むのは『覚悟』がいる。なければろくなことにならない。 
あるいは、深みから出てきてくれるのを待つしかない。

「食堂……っ」

ともかく、穂風はまた、目を輝かせた。
少し落ち込んだ空気でも、魅力的な提案だった。

        ・・・・なにせ。

「あの、その……ご、ご飯を食べたりも、出来るでしょうか。」

        グゥ 

「……」

「その。
 お腹が、すいて……」 
 
           「え、えへ……は、恥ずかしいな……」

そういうことだった。
これからまだいろんなところを回るにせよ、腹ごしらえはいいことだ。

680朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 02:45:42
>>679
(まー、学校に通ってたらそのうちわかってくる…かな?)

「んっ、食いつきが良さそうですね。
 …お腹が空いて、いましたねー。」
ちょっと楽しそうに答える。

「お金を支払えば食べられると思いますよ〜。
 食堂は夏休みも開放してますからね。」
近くの学生も時折食べに行くことがある。
この学校の食堂は美味しいのかもしれない。

「平気平気ですよ。空腹は誰しも持っているものです。
 とりあえず…行ってみましょうか。」
親しげに話しかけながら、涙音は食堂への道を歩き出す。

構造は分からないが、食堂は広いと思われる。

681葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 04:01:06
>>680

「……か、からかわないで、ください。」

     ムス

(……ああ、うう。)

ああ、恥ずかしい。
が、まあ、変に気遣われるよりはましなのか。

いや、お腹が鳴ったから恥ずかしいのだ。
この素直な少女の対応とかは、あまり関係ないか。

「そ、そうですね。平気、です。
  早く……はい、早く行きましょう。」

    トトト

少しだけ、速足で。
気持ちの問題もあるし、早く何か食べたいのも、ある。

        トトト

           …キョロ キョロ

それでも、時折辺りを見渡した。
何もかもが初めての、しかし、あこがれていた場所だから。

             (……ああ、来てよかった。)

682朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 14:05:47
>>681
「まーちょうど、私もお腹が空いてきたところでしたから、
 気にしないでいいですよ。」
軽口を叩いてみせた辺りで

グーキュル

「……えー…
 ほらね?」
ちょっと恥ずかしそうに答える。顔が赤い。

「正直紹介し足りないところはまだまだありますからねえ。
 これからを楽しみにしててくださいってことで…!」
あたりを見回す葉鳥の様子を眺めながら答える。

しばらく歩き続けたところで…

「ようやく、付きましたよー!」
そう言って食堂の中へと入り込んでいく。

多くの人が集まるだけに確かに食堂内部は広い!
更に学生、だけでなく一般の人もここで食事をしているようだ。
部外者…と言ってもこの辺りではあまり問題ないのかもしれない。

683葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 16:24:52
>>682

「え、えへ」

       「えへへへ……」

気の抜けた笑い。
これで二人は『共犯者』だ。

さっきよりは、ちょっとだけ……恥ずかしくない。

「……はい。もっといろんなところを見たい……です。
 私が見たことないようなもの、もっと、もっと、たくさん……」

             トコ トコ

    「……あっ。」

なるほど、食堂らしい場所だった。
らしい、と言うのもよくわからないが……

「……ひ、広いですね。すごく。
 あの、ええと、どこで食べ物を買うんですか……?」

穂風は困惑した表情で、期待に満ちた声色で、辺りを見渡しながら言う。

684朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 17:10:36
>>683
「ふふん、転入すれば自由に散策できますよ!
 お待ちしておりますからね。」
嬉しそうに答える。


グーキュルル
またしてもお腹が鳴り始める

「フヒヒ…ヒっ…」
恥ずかしそうに、気の抜けた笑い方をした。
それから…

「こういう広い食堂ではここで…
 食券をかったり、あるいは店員さんに注文したりするんですけど…」
そう言って近くにある食券カウンターに千円札を投入。

「こんなかんじです。」
そう言ってから、ハンバーグ定食のボタンを押すと、食券が飛び出す。

「さぁ、どうぞ」
お釣りを回収してから、葉鳥にやって見るように促した。

685葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/02(日) 23:48:35
>>684

「……は、はいっ!」


それは実際、望ましい未来だった。

       (こ、この人も随分、お腹すいてたんだな……)

「しょ、食券……?
 その機械、ですか……?」

朱鷺宮が操作するのを不思議そうに見る。
穂風は牛丼屋にも行ったことがないのだろうか?

     「あ……出て、きた。」

さて、自分の番だ。

        ササ

   ウィーン

千円札を出して、いれた。

(欲しい食べ物のボタンを押す……みたい。
 メニュー、けっこうたくさんあるな……どうしよう。)

        マゴ マゴ

少しの間、指をさまよわせていたが――

       「……これ、で。」

           ピ

決意の表情で、『夏野菜カレー』を選んだ。
そして、出てきた食券を手に取り、朱鷺宮の方を見る。

686朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/02(日) 23:53:01
>>685
「…ふーむ、まだまだ知ることがありそうですね。」
食券の機械を見る目が真新しいように感じる。
世間知らず、とは違いそうだなと感じた。

(…さて、うまくできるかな…)
なんだか見守る立場になっていたが、そのまま…

「よし、それで良しですよ!」
ちゃんと食券を手に入れたのを見て嬉しそうに答える。
そして涙音は、カウンターを指さして

「で、この食券を渡しに行くんです。
 そしたら料理が来ますよ」
そう言って食券をカウンターの人に渡してから、
開いてるテーブル席に葉鳥の様子を見つつ向かっていく

687葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 00:03:28
>>686

「……す、すみません。
 こういうの、は、初めて……見て。」

見守る立場になるのは間違いではない。
この学園において、朱鷺宮は圧倒的に先輩なのだから。

「あ、は、はい、わかりました。
 ……あ、あのっ。すみません……」

係らしき人に呼び掛ける。
確信はないが、多分おばさんだろう。

     ス…

そして、おずおずと、食券を差し出す。

「あ、あの、これ……
 注文の食券、です。夏野菜カレー、の……」

          「あ、あと、お水って、どこでもらえますか……?」

水の食券は見当たらなかった。
なので、どこかでもらえるのだろうと判断した。

(夏野菜カレー……
 どれくらい、夏野菜、なんだろう……)

688朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 00:09:47
>>687
(…見た感じ育ちが良さそうだし
 こういう形式の食堂には来たことはないのかな…?)
「なるほど、まぁ今のうちに慣れておいたほうがいいでしょうね。」
そう言ってそのまま、テーブルの近くに行く

ちなみに係の人はいかにもな食堂のおばちゃんであった、
おばちゃんは気さくに声をかけ、食券を受け取る

「あ、お水ですか?」
涙音は彼女が質問してるのを見て、近くにあるウォーターサーバーを指さす。

「お水でしたらあそこにあります。
 コップもありますから、自由にとってきて大丈夫ですよ」

しばらくすれば夏野菜カレーがもらえるだろう。

689葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 00:30:58
>>688


「あの、ありがとうございます。」

           ペコ

係の人に頭を下げる。

              ペコ

「あ……あそこ、ですね。
 あの、その、いろいろ、ありがとうございます。」

朱鷺宮にも、頭を下げる。
水や食券に限らず、彼女には感謝しなくてはならない――と穂風は思う。

            ト トト

「あ、お水、取って来ますね。
 その……朱鷺宮さん、も……いります、よね?」

……水を取りに行く。頼まれれば、2杯。
朱鷺宮の頼んだ品も、カレーも、すぐ来るだろう。きっと。

690朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 00:38:40
>>689
「まぁ気にしないでいいですよ〜。
 結構…こういう役も嫌いでは無いですし…」
軽い口調で答える。

「(…まぁその…
 災難を払ってもらえたっていう恩もあるから…かな)」
誰に言うでもなく、軽くつぶやいた。
聞こえたかどうかは分からないが…


「あーそんな、それくらい私が…
 まぁ、いいか…頼みます。」
彼女の献身的な姿勢に、やれやれとでも言うように頷いて答えた。
すっかり先輩風が板についたような、気がすると涙音は思うのであった。

葉鳥が水を取ってきて戻る頃には
ちょうどよくハンバーグ定食と夏野菜カレーが来るだろう。

ちなみに夏野菜カレーは、かぼちゃやナスやトマト、他にもズッキーニなどが
たっぷりはいった、いかにも涼し気なカレーである。
(こんな感じ→ttp://cookpad.com/pro/recipes/3190525)

691葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 00:49:03
>>690

「は、はい……
 それならよかった、です。」

       (親切な人……なんだなあ。)

そう、再確認する。

朱鷺宮のつぶやきは聞こえなかった。
……もっとも、聞こえても意味は解らなかったが。

         トトト

「いえ、水が一つ増えるくらいですし……
 どうせ持ってくるなら、同じ……です。」

それこそ、気にしなくていいことだった。
少なくとも穂風にとっては、これは献身ではなく、ついでだ。

          ・・・・と。

「わ、あ……っ。
 す、すごい。すごく豪華……ですね。」

         「えへ、美味しそう……っ。」

夏野菜カレーを前に、目を輝かせる。
こんな値段で食えちゃっていいの? って感じだ。

「あの、それじゃあ……いただき、ますっ。」

両手を合わせて、あいさつ。
少なくとも、悪い育ちではないらしかった。

692朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 00:57:55
>>691
「ふむ、助かります。
 でもお水のおかわりは自分でやります。」
ちょっと気遣うように答える。

涙音の眼の前にあるのは野菜の付け合せとごはんと
あとスパゲティが置かれたデミグラスソースのハンバーグ定食メニューである

「確かに、どっちもおいしそうですね〜。
 それじゃあ取り敢えず、いただきます!」
涙音も目の前の葉鳥に合わせて手を合わせて挨拶した。

しばらく…おいしい食事を堪能する

「ん、どうですか〜。
 ココのメニューは結構美味しいでしょう?」
モゴモゴと口を動かしながら声をかける。
ちょっと汚い。

693葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 01:16:24
>>692

「あ、は……はい。
 その時は、そうしてください。」

      (押しつけがましかった、かな。)

水を持ってきたのは失敗だったか、と思った。
まあ、それはいい。

        スクッ

スプーンにルーと米を4:6、大きなナスを乗せて――

      パク

口へ。
ゆっくりと咀嚼する。

       モッ モッ モッ

(……口の中の物、見えてるよ。)

            ゴクン

「そう、ですね。美味しい、です。
 あの、思ったよりも、野菜がたくさん、で。」

飲み込んでから、薄く笑んで、話す。
……曲がりなりにも『品』は教えられた。完璧ではないけど。

694朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 01:25:51
>>693
「むぅ…」
(さすがに言い方がズケズケしすぎたかな…)
水に関してのことは、さすがに涙音も気にしているのか
ちょっと複雑そうな顔だ。

「もぐもぐ…
 っと…」
ちょっと口を抑えて飲み込んでから、改めて口を開く。

「ここの食堂はなんでも揃いますからねー。
 和洋中何でもです。
 いいところですよねー。食堂も学校の重要な要素ですから。」
そう言って少し、葉鳥の食べる様子を確認

(…上品な食べ方だなぁ。
 やっぱり育ちがいいのかな…
 もしかしたら部長みたいなお金持ちの…?)
色々考えながら、また食事を再開する。

695葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 01:38:41
>>694

(顔……怒って、る?
 そんなに、水が嫌だったのかな……
 それとも、何かあったのかな……)

複雑な顔の理由は、穂風にはわからない。
それに突っ込もう、とも思わない。

   モッモッ

上品と言うよりは――『品がなくない』食べ方だ。
お金持ちにしては、まとう黒い布のような服は、安っぽい気もする。

「……」

     ゴクン

「ほんとうに、いろいろ……あるん、ですね。」

穂風は辺りを見渡す。
まばらだが客はいる。つまり、生徒。

      (な、なんだろうあれは。赤い……)

穂風が目を止めたのは、女子生徒が食べている麺類。
異様なまでに赤い……なんだ、あれは。

696朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 17:31:34
>>695
(…むー、どうしよう…
 まぁ、気にしないでって感じにしておこうかな。)
取り敢えず複雑そうな表情をやめ、軽く笑いかけながら食事を続ける。

ゴクゴク

「この近くには白亜荘っていう学生寮もあったりしますからね。
 自炊するよりもここで済ませようなんて言う学生さんも居るんですよ。」
そう言ってまたハンバーグを口に運ぶ。
実際に生徒の数もそれなりにいるようだ。

「…ん、あれは…」
葉鳥が目に止めた料理を目で追ってみた涙音。
そしてそれは…

「…あれはあれです、激辛担々麺です。
 辛いのが苦手とかピリ辛しか知らないとか…
 あるいは胃腸が弱い人はやめたほうがいいっていうくらい…」
そう言ってその料理を指さす。

「まぁとにかく…火を噴くぐらいから言ってシロモノですよ。
 …うーむ。ちょっと、危ないかもしれませんがね。」
トマト味というわけではなさそうだ…。
しかし、メニューの中にはそういうたぐいの料理もあったかもしれない。

697葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 21:57:43
>>696

(……な、なんで急に笑うんだろう。
 もう怒ってないのかな。
 それとも、ハンバーグが美味しかった……?)

よもや朱鷺宮が穂風の心を察し、気を遣っているとは思っていない。
謎だが、まあ、怒ってないのはいいことだ。

「げ、激辛。辛いのは、そんなに好きじゃあない……ですね。」

(あ、危ないほど辛いもの……なんでそんなものを、学食に……?)

秋映学園だから、だろう。
そして、指差されてる事にも気付かず、女生徒は麺を啜っていた。

      (……このカレーは、あんまり辛くないけど……美味しい。)

……まあ、激辛はもう、いい。
あまり関係もないことだ。穂風はカレーを食べる。

      モグモグ     ゴクン

「……白亜荘。聞いたこと、あります。
 その……朱鷺宮さん、は……そこに住んでいるんですか?」

穂風の夏野菜カレーは既に、野菜のひとかけも残っていなかった。

      ゴク

コップに残っていた水を飲み干す。
……完食、ってとこだ。

         「……ごちそうさま、でした。」

698朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 22:14:24
>>697
「まぁ、私も激辛とかそういうのはすきじゃないですからね。
 正直、辛さなんてコショウ程度でいいと思うのに…
 なんでああいうのを欲しがるんでしょうね。」
どうやら涙音も納得言ってないようだ。

もぐもぐ・・・
「ん、そうですよ。
 以前は家から通ってたんですが…
 まぁ、自立したいなと思って白亜荘で一人暮らしです。」

もぐもぐ・・・
「…まぁ、一人暮らしと言っても他にも済んでる人がいて
 合うことが多いので、あんまり一人って感じではないですね。
 楽しいところですよ。」
そこまで言ったところで、涙音も定食メニューを残らず平らげていた。

「はい、ごちそうさまです。」
軽く手を合わせて微笑んだ。

「ふぅー、どうです?
 なかなか興味がわいたんじゃないですか?
 この学園に。」

699葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 22:48:31
>>698

「そ、そう……ですよね。
 好きな人も、いる……のかな……」

実際、注文が出ている以上は。穂風はそれは否定しない。
まあ、それはいい。

「自立……ですか。私も、です。
 一人暮らしが、したくて。今は、アパートに住んでます。」

わずかな共感を覚えた。
そして、少し羨ましいな。と思った。

       (阿武名荘にも、いろんな人が住んでる。
        ……でも、会うことって、あんまりないな。)

「……」

これで、二人とも完食したわけだ。
……さて。

「ええと、興味、は……元からありました。
 でも、もっと……いろんなものを見たい、って。」

         「もっと……ここに、通いたいって。
             その、今はそう、思います。」

笑みを浮かべた穂風は、そう言った。
朱鷺宮のおかげ、かもしれなかった。

「……あ、食器って、片づけるん……ですか?」

それから、そんなことが気になった。

700朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 22:53:37
>>699
「…多分」
とだけ答える。
どんだけ辛いのかは分からないが、実際食べてる人がいるのでそうなんだろうと思った。

「む、ちょっと親近感を感じますね。
 やっぱり一人で色々やりたく、なりますよねー。」
軽く頷きながら答える。

「ふむ、その調子です。
 私もまたアナタとお話したいですし…
 あなたが転入するのを楽しみにしてます。」
そう言って、定食が置かれたトレイを持ち上げる。

「えーっと…あそこにおいておけば大丈夫です。」
ちょうど指差した方向に食器を回収するコーナーが有った。
そこに運べば大丈夫なのだろう。

701葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 23:10:18
>>700

     「あ、は、はい。
       ……そうかも、ですね。」

(……そっか。みんな同じなんだ。
 普通の家に生まれても、一人で生きたくなるんだ。)

頷き返した。
たしかな共感があった。

「……は、はい。
 私も、またここに来るの……楽しみにして、ます。」

       (……あ、でも……
        先生、とかにも会わなきゃ。)

とりあえずもう一度来ることにはなりそうだ。
……まあ、ともかく。

          カチャ

トレイをもって立ち上がる。
もちろん、椅子の位置は整えておく。

「あそこ、ですね。
 ありがとうございます。」

             ト ト ト


真っ直ぐ、トレイを置きに行く。

          (……このあと、どうしよう。)

まだ見学を続けたい。
……が、なんだか満足感もある。

         ・・・満腹感と取り違えている可能性もあるが。

702朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 23:20:20
>>701

「ふー、とりあえず…
 ひと通りじゃないですが、食堂と教室と…
 色んな所に行きましたね。」
そう言って涙音は、トレイを片付けに行くと、
食堂から外にでる道へ向かう。

「ふーむ…
 お腹いっぱいになってしまいましたね…
 二人で色々話も出来ましたし…
 まだまだほんの一部しか紹介できてませんが…」
と、周囲を確認する。

「他に行きたいところとかは…?
 私は任されてもいいんですが。」
このままどこかに行くことも出来るかもしれない。
とはいえ、満足感があるならば一旦帰るのもいいかもしれない。

703葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 23:34:03
>>702

「ごちそうさま、でした。」

トレイを返した。

       トコトコトコ

そして、廊下を歩く。
改めて、周囲を見回しながら。

      「…………」

「あ、ええと、行きたいところ、ですか。
 そう、ですね……」

少し、迷った。
……それから。


「…………いえ、今日は……もう、これくらいに、します。」

         「だって」


学校の廊下という風景に、穂風の姿は、馴染まない……今は。


「……ここに通う時のお楽しみ。
 それを、たくさん……残しておきたい、から……です。」


この学園は、魅力的だ。
きっと穂風は、ここに通う……そう決めた。

「……だから、今日はここまで、ですっ。」

穂風は決めて、笑みを浮かべ、頷いた。

また今度――次は、『入学』のためにここに来るだろう。

704朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中二】:2015/08/03(月) 23:44:11
>>703
「…ふむ、わかりました。」
軽く頷いて答える。

「来れるのは今日限りってわけじゃありません。
 むしろこれからです。
 毎日来れるようになるんですからね。」
彼女の言葉を聞いて涙音も満足げだ。
ここに転入…入学するのを決めたらしいのを確認することが出来たのだから。

「きっと学生服も似合うと思いますねー。
 ここの制服は色々と改造が利きますから、
 いろいろ試してみるといいですよ。おしゃれな制服、とかを。」
そこまで言ったところで、軽く微笑むと

「じゃあそろそろ…
 私も帰ろうかな。」
そう言って軽く葉鳥を見て、校門の方へ足を向ける。

「ではまた!
 楽しみにしてますからねー。」
そう言って大きく手を振って、先へ進んでいく。

校門の場所は、行く場所とおんなじだろう。

705葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2015/08/03(月) 23:53:54
>>704

「はいっ……必ず、必ずまた来ます。」

穂風はそう言い、頷いた。
とても、強く。

「学生服も」

    「学食も」

        「部活も」

「……教室、も。
 みんな、私の物にしてみせます。」

穂風の学園生活はまだ始まってすらいない。
だから、いくらでも期待できる。


「また、また来ます。
 あの、その、朱鷺宮さんも、お元気……で。」

            ペコー

「……ありがとう、ございましたっ!」


そうして、穂風は学園を去った。
また来るために。

        ……空は、晴れ。

706八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/08/11(火) 23:21:43


 秋映学園の図書室。
 時期としては夏休みですが、生徒はまばらに見受けられます。
 課題をこなすもの、受験勉強に勤しむもの、その傍らで昼寝するもの…

 彼らが集まる理由は一つ、図書室という環境の過ごしやすさでしょう。
 蔵書の保管に、暑さと湿気は大敵ですからね。
 除湿も空調も効いていて、蒸し暑い日中は絶好の避暑地です。



 かくいう私も、自習コーナーの一席を借りて作業中と。


  カリカリカリカリ・・・
                  ぴたっ

    「う〜〜んっ……あ゛ぁー…」 ノビー


 ひと段落。
 小一時間は集中していたので、少し疲れましたね。

 かるーく、周囲を見渡してみます。

707浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 12:02:37
>>706

「あ、ここ空いてますわね……」
本を二冊抱えた金髪碧眼のシスターが歩いてくる。本はもしかして聖書か何かだろうか? 二冊という事は新約と旧約かな?

「すみません、私の愛しい人。ここ、よろしくて?」

菖蒲の正面の席に近づき、訪ねてくる。『愛しい人』というのは恐らく、文脈的にあなたのことだろう。
と、この距離まで近づいたならば分かるだろう。シスターが持っている本は聖書ではない。
敢えて見なくともよいが―――もしそのタイトルを見るのならば、『実践・友達の作り方』という文字が見えるかもしれない。
もう一冊の本のタイトルが見えるかは定かではないが……もし見えるのならば、『必ず叶う恋のおまじない』だ。

708八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/08/12(水) 20:39:46
>>707

「ええ、どうぞ。図書室の席はみんなのものですから」

 軽く横に椅子を引き、荷物を自分の方に寄せます。
 しかし、シスターさん? ですか。
 この学校、というかこの町にもいたんですね…。

 声の方に振り向くので、本のタイトルも目にしました。


「…ここ、自習コーナーですけど。読書感想文か何かです?」

 ついでに尋ねます。

709浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 20:54:56
>>708
「いえ、そういうわけではありませんわ。私、友達を作るのが苦手でして……」
どうやら普通に読むことが目的らしい。

「ですから、読書感想文というより自由研究でしょうか……この本を読んで、親愛なる友人を作れるようになろうと思うのですわ」
シスター風の少女は微笑みながら言う。

「それで、もしよかったら……。私、頑張りますので……あなた、私の愛するあなた。お友達になってくれませんか?」
読みながら実践しよう、ということだろうか?

シスター風の少女はよく見ると同年代に見える。
というか、新聞部の菖蒲はもしかしたら知っているかもしれない。彼女が同学年の生徒だという事を。

710八夜 菖蒲『ザ・ファントム』 【高2】:2015/08/12(水) 21:09:14
>>709

 ふはぁ、これはまた…。
 箱入り娘? とまではいかずとも。
 なんというか、物語に出てきそうなくらいの純朴ですね。

「せっかくのお誘いですけど。止めといた方がいいと思いますよー?
 『報道部』とつるんでるって知られたら、ますます他の友達が出来なくなるでしょうし」

「評判悪いですから。ま、別にいいんですけど」

 浜梨さん?でしたっけ。
 文集やら合同クラスで、顔くらいは見たことありますね。

 …ていうか、友達いなかったんですか。
 いや、私も他人のことは言えないんですが。

 とまあ、軽く冷たく振って様子を見ます。

711浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 21:42:22
>>710

「そ、そういうわけにはいきませんわ! 『報道部』だからとか、評判が悪いからといって差別するなんて……」

「私、貴女を愛していますの。みんなも愛していますの。だから、そんなことできませんわ……」

「それに、評判が悪いというのもきっと皆さんツンデレなのですわ!」

必死になって迫ってきた。少し重いと感じるかもしれないし、まだ感じないかもしれない。
が、重いと感じるならば、真理亜に友達ができない理由が少しわかるかもしれない。

712八夜 菖蒲『ザ・ファントム』 【高2】:2015/08/12(水) 21:51:09
>>711

>「それに、評判が悪いというのもきっと皆さんツンデレなのですわ!」

 それなんてラノベ……!?

 い、いえ、突っ込むのはやめときましょう。
 キリがない気がします。


「あー、なんでしたっけ。博愛主義ってやつです?
 うーん… すごくご立派ですが、このご時勢じゃあ生き難くありませんか」

 同情は本物です。

 確かに、普通の人からしたら『重い』のかもしれませんが…
 ……、……。


「……そもそも、あなたのいう『友達』の定義ってなんです?」

 まあ、私も相応に面倒くさい女子なのです。
 それに、その。
 ここまで言ってくれる相手は、私にとってなんというか、少しばかり新鮮というか。
 いえ、けっしてほだされているわけではないですが。

「メールアドレス交換して、時々話すくらいなら良いですよ、ええ。
 学校中の、いや、町中の胡散臭い噂話やゴシップを提供します」

「そういう、時々話をする相手としての『友達』なら、別に私は構いませんケド」

「お互いに面倒もなし」

713浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 22:05:37
>>712

「!」

「お友達の定義……ですか。ええと、一緒にお話ししたり、ご飯を食べに行ったり、勉強会をしてみたり、家に遊びに行ったり、
手を繋いだり、好きな漫画について駄弁ったり、メールしたり電話したり文通したり触れ合ったり抱き合ったり一緒に寝たり……」

「はっ! い、いけませんわ。私ったらつい……」
かなり触れ合いを求めているようなセリフを滝のように漏らすが、どうやら自制したようだ。

「!」
時々話をする相手としての友達なら構わない、という声に反応する。

「ええ、ええ! もちろんそれでも構いませんわ! 私、反省しましたの。最初から多くを求めたりしませんわ。
いっぱいメールしましょう。いっぱい文通しましょう。いっぱいお話ししましょう!」

「ですから……お友達から、始めましょう」
少し不穏な台詞だ。お友達になろう、ではないのか?

「それで、メールは1日何通までしてよろしいですの?」

714八夜 菖蒲『ザ・ファントム』 【高2】:2015/08/12(水) 22:22:12
>>713

>「お友達の定義……ですか。ええと、一緒にお話ししたり、ご飯を食べに行ったり、勉強会をしてみたり、家に遊びに行ったり、


 おぉー… 案外フツウ…


>手を繋いだり、好きな漫画について駄弁ったり、メールしたり電話したり文通したり触れ合ったり抱き合ったり一緒に寝たり……」


 はい。



 なんで? なんでウチの学年はこういうの多いんです?


「あ、あー… その、なんと言いますか。
 最終的にどこまで求められるか、非常に不安なんですが」

「? よく分からないんですけど、メールなんて別に好きなだk……ハッ!!!」

 い、いかんです!
 過去を見通す私のスタンド能力がもたらす天啓的な何かが囁いている!

 わざわざ確認を取るということは、おそらく過去になんかそーゆートラブルがあった可能性が高い!
 つまりなんかこう、メール送りすぎてすごい鬱陶しがられた的なサムシング。


「そ、そうですね! 女子高生の平均は分かりませんが…
 一日に10通前後、ということにしておきませんか…?
 ほ、ホラ、お互いメールにかまけて学生の本分を忘れてもいけないでしょう!?」

「その辺はね、あの、節度を持って!」

715浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 22:32:03
>>714
「分かりましたわ。確かに勉強やら何やらを疎かにしてはいけませんわ。
ええ、一日10通……ふふ、エリーちゃんと同じことをおっしゃるのね」
エリーちゃんというのはメール相手だろうか。
普通に友達居るじゃないか――――と思うかもしれないが、彼女は今のところ真理亜の唯一の友達である。

「しっかり節度を持ちますわ。それでは、アドレス交換してもよろしいかしら?
それとも……その作業が終わってからになさいます?」

716八夜 菖蒲『ザ・ファントム』 【高2】:2015/08/12(水) 22:36:22
>>715

 ……友達いるんじゃあないですか。けっ!!


「今で構いませんよ。ちょっと記事を書いていただけで、ちょうど休憩ですから」

 カバンから携帯電話を取り出します。
 自習コーナーじゃ使用禁止かもしれないですけど、まあバレなきゃ問題ないでしょう。

717浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 22:54:25
「ありがとうございますわ!」
そう言って、スマートフォンを取り出す。
ちなみにマナーモードにしてあるので、バレることはないだろう。

「うふふ……これで人生二人目のメル友ができますわ……。私のアドレス帳に、アドレスが2つ……うふふ
やっぱりエリーちゃんとの出会いは運命でしたのね……。そして、この出会いもまた運命……」
と、恍惚の表情を浮かべる。

「……こほん。よろしくお願いしますわ、菖蒲ちゃん」

718浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 22:54:50
>>717>>716

719八夜 菖蒲『ザ・ファントム』 【高2】:2015/08/12(水) 23:09:27
>>717

 ……。

>「うふふ……これで人生二人目のメル友ができますわ……


 なんか… すみませんでした…


「ま、まぁ… 時間があれば、暇つぶし相手位にはなりますよ…」

「しかし、今までいなかったんですか? 本当に?
 何人か出来てから孤立した、のではなく、友達を作ったことがなかったんです?
 だとすれば、何か原因がありそうなものですが。あ、私こういうこと結構ずけずけ聞くけど大丈夫ですか?」


 報道部秘技、『許可は事後承諾』です。

720浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 23:17:22
>>719
「ありがとうございますわ!」

「ええ、エリーちゃんに出会う前は全く友達が居ませんでしたの……。
『作らなかった』わけではなく『できなかった』んですの……。
どういうわけか皆さん私が近づくと恥ずかしがって逃げてしまいまして……」
と、告白する。答えたという事は、おそらく聞いても大丈夫という事だろう。

「私はただ、自分の気持ちを真っ直ぐ伝えていただけですのに……」

721浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 23:32:32
>>720

722八夜 菖蒲『ザ・ファントム』 【高2】:2015/08/12(水) 23:38:02
>>720

>「ええ、エリーちゃんに出会う前は全く友達が居ませんでしたの……。
 『作らなかった』わけではなく『できなかった』んですの……。
 どういうわけか皆さん私が近づくと恥ずかしがって逃げてしまいまして……」


 ……でしょうね……。
 い、いや、私と違って悪意や害意があるわけじゃあない、というのは分かりますが。


「ま、まあ… 日本の女性は奥ゆかしいですからね。
 ヤマトナデシコってやつです。
 見ず知らずの同性に『抱き合いたいです』と言われれば、そりゃあヒき……、ひるみますよ」

 ……私、今年入って初めて相手のために言葉を選びました。

「え、えーと…つかぬこと聞きますけど。
 いわゆる、『異性よりも同性の方が好きな人』で…?」

723浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/12(水) 23:43:14
>>722

「エリーちゃんにも似たようなことを言われましたわ……」
どうやら指摘されたことがあるらしい。

「? いえ? 異性よりも同性が好きとか、同性よりも異性が好きとか……そんなことはありませんわよ?」

「どちらも大好きですわ。……愛しています。ふふふ……」
両刀使い(どっちもイケるヒト)らしい。

724八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/08/14(金) 00:23:18
>>723

「……。いや、よしましょう。深く考えるのは」

 私の予想で浜梨さんを混乱させたくはない。

「分かりました。あなたの友達になることはやぶさかじゃあないですが、一点だけ。
 『ボディタッチ厳禁』でお願いします。それが、私とあなたの友達関係ということで、どうでしょう」

 線引きは必要です、何事にも。

725浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/14(金) 15:00:28
>>724

「触れ合え……ない?
………。………。…………………。……分かり、ました……」
真理亜はものすごく残念そうだ。

「私からのボディタッチは禁止……それで手を打ちますわ。菖蒲ちゃんからはいくら触ってもよろしくてよ!」
ボディタッチを禁じる相手がボディタッチしてくると思うのか。

「一日十通、お触り厳禁……覚えましたわ。菖蒲ちゃんの愛(ぬくもり)を肌で感じられないのは残念ですけれど……。
愛は目でも耳でも感じ取れますからね。うふふ……」

726八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/08/14(金) 22:05:40
>>725

 今なんか怖いルビが見えたんですけど。
 あれ、もしかして私、友好を結ぶの早まったんじゃ……

「い、いや、別にあなたに触られたくないってんじゃなくてですね?」

 しかし、どうフォローしたものでしょうか。
 というか我ながら平安時代の貴族の悲恋みたいな条件ですよねコレ。
 ま、まあ、これくらい厳しい条件で突き放せば、彼女もちょっとは引き下g


>「愛は目でも耳でも感じ取れますからね。うふふ……」


 ちょっと不屈すぎません?


 ……いや、でも、まあ。
 私と違って、善人なのでしょうね。相手を尊重し、自省する心がある。


「まあ、ほら。ご期待に添えない分、話題を提供しますよ。
 何組の誰それが、どういう秘密を持っていて〜… みたいな」

727浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/14(金) 22:56:49
>>726

「!」
触られたくないわけじゃない、という言葉に反応する。

「触られたくないわけじゃない……って、ことは手を繋ぐとかくらいならOKということですの!?
やりましたわ! あっ、大丈夫ですわよ心配しなくても。嫌なら指までは絡めませんわ……」
嫌じゃないなら絡めるという事だ。
まるで水を得た魚のように元気になる真理亜。

「秘密……秘密……!」
真理亜の表情が明るくなる。(割といつも明るいが)

「秘密を共有する……ああ、なんて素敵な響きなのでしょう!
エリーちゃんも言っていましたわ。友達は秘密を共有するものだって。……まぁ、それは嘘だったようですけれど。
でも……秘密を共有する関係……うふふ、すっごく深い関係って感じがしますわ……!」
仲の睦まじい者同士が共有する秘密というのは、普通に考えればお互いの秘密なのだが……。
真理亜は少し勘違いをしているようだ。もっとも、第三者の秘密を共有するというのも、まあ、友達らしくはあるのだが。

728八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/08/14(金) 23:53:09
>>727

「違う! 色々と違います! いや、違くはないんですが…
 ああああ、日本語めんどくさい!! 私の文章力の限界か…!!」

 誰か! 誰か来て!
 誤解を解きつつも場を丸く収める方法教えてください!(切実)
 しかし、顔も知らぬ『エリーちゃん』とやらに、底知れぬシンパシーを感じます…
 きっと教会関係の知り合いで、外国の方でしょうね。

 私の性悪は、これまでさぞや他人の気分を害してきたという自負がありますが…
 純朴ってのもなかなかどうして、難しいものですね…。


「……いや、なんか、もう諦めました… 好きにしてください…
 ケースバイケースでいきましょう。あなた、人の嫌がることはしなそうですし」

「私が嫌だったらハッキリ嫌というので、止めてください」
「それ以外はもう、ええ。メールでもスキンシップでも構いません」

 『もうそれでいいです』的な諦観。
 ゲッソリしつつ、席を立ちます。

 話を続けるにせよ、これでお別れにするにせよ。
 そろそろ周囲の視線が痛いです。そういえば自習室だったんですよ、ココ。

729浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/15(土) 20:49:33
>>728
「まぁ!」
真理亜はとてもうれしそうだ。

「ありがとうございます! 見つめ合い、語りあい、触れ合い……うふふふふふふふふ」
こう、アニメやマンガだったら周りに花のエフェクトが出ていそうな感じになる。

「あっ」
と、ここで菖蒲が立ち上がったのに気が付く。

「そういえば自習室でしたわね……うっかりしていましたわ」
反省反省。
「菖蒲ちゃんの書き物は大丈夫ですの? ここで書き上げてしまいたいのなら私、邪魔は致しませんわ。
菖蒲ちゃんの顔を見つけていられるだけでも幸せですもの……」
どう考えても邪魔だ。

730八夜 菖蒲『ザ・ファントム』:2015/08/15(土) 22:30:43
>>729

「ええ、まあひと段落つきましたし…」

 わぁ… エフェクト出てる…

>「菖蒲ちゃんの書き物は大丈夫ですの? ここで書き上げてしまいたいのなら私、邪魔は致しませんわ。
>菖蒲ちゃんの顔を見つけていられるだけでも幸せですもの……」

「い、いえ! ちょうどひと段落着きましたので、これで!」

 気が散る…!(確信)
 やはり打たれ強い純朴な子は苦手です…

 どんな皮肉も華麗に受け流しやがって… 無敵ですか…
 これ以上ペース握られてたまるかってんですよ…
 三十六計逃げるが勝ちです。


「…まあ、夏休みが明けたらまた学校で会いましょう」

 …とはいえ。
 好き好んで私みたいのに近付いてくる、珍しい人に会えたという意味じゃあ、有意義な時間でしたかね…。

731浜梨真理亜『ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンド』:2015/08/16(日) 08:17:51
>>730

「あら、そうでしたの。それはよかったですわ……では私もこれを借りて帰ろうかしら」

「!」

「ええ、また会いましょう!」
夏休み中でもお祭りとか海とかに誘っちゃうかもしれないですけれどね。

「あ、でも遊んでばかりでもいけませんわね……」
まぁ、ともかく……

「さよなら菖蒲ちゃん、愛してますわ〜〜〜〜〜!」
自習室なのでそこまで大声は出していないはずである。安心してほしい。

732アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/27(木) 23:12:38

        ド   ドドドドド


「……………………………………」

昼休み。学食のテーブルにて。
『銀髪金瞳』の前には――――


   「調子に乗りすぎましたわ」


  「いくら売り始めで特売だったからといってこの量は……ッ!」



           オデェェ――z____ン


              『学食』 ⇒ 『おでんはじめました』

733鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/28(金) 03:28:38
>>732

一人ぼっちの少年がいた。
友達を待っているわけではなく、待たせているわけでもない。
純粋に弁当がないから食堂に来ただけだ。

(なんにしよかなぁ……)

(あら?)

              『学食』 ⇒ 『おでんはじめました』

    ……   ……   ……

(なんで?)

確かに最近コンビニでおでんを見るような気もするが、学食で見る必要は無いと思う。
誰だろうか、おでんを提案したのは。

(あ、でも出汁のエエ匂い……)

スンスン

おでんの匂いを少し嗅ぎつつ辺りを見回すと

(……買ってるお人さん、おった。)

じっと、君のほうを見ている。

734アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/28(金) 22:59:14
>>733(鈴元)
ここの学食は運営元がフリーダムなので思い付きのメニューが放り込まれるのだ。
実験メニューとして販売されるモノも多く、中には定番化するモノもある。が――
二日で販売停止となった『セイウチの乾燥○○のチョコボール』などは未だ悪名高い。

それはそれとして。『銀髪金瞳の少女』の前に並べられたおでんの量は異常だ。

        もっしもっし  ずずー
セ・シボン
「美味し! やはりもちきんは最高ですわね〜」


             ドワァアア――ッ

山とおでんを盛った皿がいくつも並んでいる。
テーブルが埋め尽くされて、下が見えない。
一人で昼食に食いつくせる量ではない……!

「センパイは来ないのかしら。まあいいですわ」

居直ったぼっち特有の無神経さゆえか?
君の視線に気づくこともないようだ。

735鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/29(土) 00:25:15
>>734

(エラいぎょうさん置いてはるけど、一人で食べはるんかな。)

そう思いつつも自分の分の食事を購入する。

(いや、たぬきうどんってこれ?)

(これやったら、はいからうどんやねぇ。)

店側と自分とで若干の認識齟齬があったらしいことを確認する。
後は席の確保なのだが、そもそも友人同士で食事を楽しもうとする人間が多く
一人ぼっちの鈴元はどうにもその輪の近くに行きにくい。
歓談中に割ってはいるのもなんとなく無粋に感じる。

空いてる席を探すか、同じく一人の人間を探すか、鈴元はその二択の中から
自分と同じ一人の人間を探すことにした。
優しい微笑を浮かべながら、ゆっくりと先ほどのおでん女子に近づいていく。

「あのぉ、そこの席、エエやろか。」

「別に嫌やったらかまんし、もしおでんで場所ないっちゅんやったら、減らすんお手伝いしますよぉ?」

736アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/29(土) 00:38:55
>>735(鈴元)

「…………………………??」

       クルリ

右を見、


         クルリ

左を見、

        ピタ

正面(鈴元)を見据えた。


「………………………………」


「…………シャーッ!」

うわ、威嚇してきたぞコイツ。頭が弱い子なのかもしれない。


              《…………ママン、すっかり酸素欠乏症に罹って クチンッ》

                       《酸素じゃあなくて人間性が欠乏しているんだ》

                   《違うわ、マル! 常識が欠けているのよッ!》

737鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/29(土) 00:50:42
>>736

(……話しかける相手、間違えたんやろかぁ。)

一人の人間には一人なりの理由があるのだろうか。
別の人間に声をかけて同じ反応をしたとは思えない。

(声のかけ方が悪かったんかな。)

もし知らず知らずのうちに粗相をしており、それにより彼女の機嫌を損ねたことを考える。
でなければまるで獲物を奪われることを警戒した野生児の如く威嚇をするはずがないのではないか。

(あ、おでんに手ぇ出される思うたんやろか。)

そうだ。もし彼女を野生児だと仮定するのなら
おでんに手を出す不審者と思われて威嚇されても仕方がないだろう。
       コ 
(こんなに買うてはんねやから、熱心なおでん好きなんやろうねぇ。)

そう納得して交渉を続ける。
         
「えっと、気分を悪うさしたんやったら、すいません。」

「ちょっとそこの席に座りたいだけなん……ん?」

(酸素欠乏症?)

どこから聞こえたのだろうか、きょろきょろと辺りを見回す。

738アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/29(土) 01:04:41
>>737(鈴元)

「はッ! 最近家族と詩織先輩としか会話してないから思わず威嚇をッ!」

説明台詞ッ!

「ええ構いませんことよッ! 何の問題があろうことかッ!」

        キィ z ン

喋り慣れてないので声を張っているぞ!
君は厄種を掴んだようだ。お気の毒様です。


そして、辺りを見渡すが声の主は……

                   《そもそもああなるまで放っておいたのは誰だ》

                    《挫よね》  《カミヤマ!》  《厨二(笑) クチンッ》

聞こえた――複数居る。しかしおかしいのは……

                 ゴ
                          ゴゴゴ

声がテーブルの下。ビニールのクロスで隠れた陰に居る、ということだ。
口調からして子供のようだが、四人も隠れられるだろうか……?

739鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/29(土) 01:28:12
>>738

「さいですか……」

つくづくよく分からない女性であると鈴元は思う。
いや、彼が女性を分かる瞬間があるのだろうか。
分かるとか分からないとかで判断することでもないかもしれないが。

詩織といえば、以前ガチャガチャでそんな名前の女性のミニ・フィギュアを手に入れた気がする。

「ちょっとだけ声落とそか……その、周りに迷惑かかるから。」

なんだか大変なことになりそうだ。

藪をつついて蛇が出た時も
眠れる虎の尾を踏んで虎を起こした時だってどちらが悪いなどと断言できるのだろうか。
それはこの状況でも同じだ。
どちらも悪くない。だが、責任者を呼んでいただきたい、誰がこうなるまで彼女を放って置いたのか。

……どうやらカミヤマという人物の責任らしい。

(いや、なんやろ。お子さん?)

「ちょっと、すんません。」

声のしたほうに移動してみる。

740アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/29(土) 01:38:42
>>739(鈴元)

「……あ、すみません……」

          シュン

素直に謝った。頬赤らめて一見美少女風!
だが、それ以前に身長170越えなのでそこまで効果はないぞ!

      ド  ドドドド

声のしたテーブル下に屈む……


         《今日はおでんなのねー。やっぱり大根が好きよ!》

        《私は牛筋だな》   《玉子ね〜 クチッ》  《カラいのそんなねーからなー》


少なくとも四人以上が会話している。口調は幼い。
クロスの向こうに隠れているので……見ることは出来ない。

741鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/29(土) 02:00:53
>>740

「あぁ、いえ、別に……そこまで気ぃにせんでエエよ?」

そういう態度を取られるとそういう態度を取ってしまう。
この男に身長は関係ない。
女性は全て等しく女性なのだ。

(やっぱりなんか聞こえる……あんまこういう使い方したないんやけど。)

(『ザ・ギャザリング』)

自らのスタンドを発現、クロスの向こう側へと向かわせる。
自分で行ってもいいのだが、傍から見て変な男だと思われたくはない。

742アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/29(土) 02:09:19
>>741(鈴元)

「実はアタクシこの学校に転校してきてから友達が少なくて」

オイオイ、重い告白を始めやがったぞ……?
このまま関わり合いになると君はきっと不幸になる。
なにも見なかったふりして離れるほうがいいだろうきっとそう(断言)。

それはそれとして、クロスの向こうにスタンドを向かわせた。


          バサバサー


         《お?》 《うぬ?》 《あら〜?》 《オォッ!?》

……居たのは『子鬼の群れ』だ。『五体』居る。
『カートゥーン調』の三頭身で、小型犬程度の大きさに見える。
机の下におでんを持った皿を置き、それを囲んで食べているようだ。


         《出たわね新手のスタンド使い!》

『眼帯の子鬼』が声を張り上げた! 臨戦態勢だ!(本気か?)

743鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/30(日) 22:38:32
>>742

(僕もそうなんやけど……)

この話はしないで置こう。
不幸自慢など誰も得をしない。
傷を舐めあう趣味もない。

「ん――」

(スタンド?)

『ザ・ギャザリング』を消してしまう。
用が済んだならそれまでだ。
便利遣いしないように消してしまおう。

「えっと、なんかすんません。」

「それはあんさんの?」

744アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/30(日) 23:12:59
>>742(鈴元)

     《 《 《 《 キシャー 》 》 》 》

あの本体にしてこのスタンドあり!
威嚇してきたぞ! 一体はお絵かき帳に絵を描き続けている!


「……?? ええ、アタクシのですわ」

「さすがに一品十円〜三十円とはいえここまで買うのはバカげていましたわね。
 お一ついかがかしら? アタクシは早くかたしてうどんつゆでおうどんを食べたい……」

『銀髪金瞳』はおでんについて聞かれたと思ったようだ。
本体……なんだろうか? 今は糸こんにゃくを頬張っている。

745鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/30(日) 23:33:47
>>744

(えー……)

本体とスタンドの親和性とはこれほどまでのものであったか。
鈴元のスタンドは話したりはしない。
だからこそこういったスタンドが新鮮であり驚きの対象でもある。

「えぇ、あぁもろてエエんやったらもらうけど。」

おでんを貰う意思表示をしつつ、席に着く。
まさかどこかへいって食えとは言うまい。
いや、言ってくれるな。

「や、そうやなくて。その、そこにおったんはあんさんの『スタンド』ってことなんよ。」

大根を手にとって聞く。

(そういえばこの人―――)

(部長と話し方似とるねぇ。お友達やろか。)

どこぞの金ピカ富豪を思い出す。

746アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/30(日) 23:48:48
>>745(鈴元)
エラース
「ええ、なんの問題もございませんわ」

「…………? スタンド、と申しま…… はッ!?」

  グィィーッ

咄嗟に左腕を確認すれば……腕に『絡みつく二頭の蛇』の刺青がある。
素早くビニールのクロスをめくり、下を覗き込んだ。

「オマエたち〜〜〜〜ッ! また勝手に出てきて!
 夏服の間は刺青がバレるから勝手に出るなとあれほどッ!」

         ガシガシガシッ

  《だっておでんが出たら九月よ! 秋だってことでしょ!》

「最近は季節より先行して出すんですの!」

仔猫をつまみ出すように、片端から『子鬼』を引っ張り出している。

747鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/31(月) 00:15:14
>>746

「あぁ、やっぱり。」

まぁ予測は出来た展開である。
まさかそういう扱いをするとは思わなかったが。

(刺青、ねぇ。部長は隠してはんのやったか。)

「まぁまぁ、そう乱暴にせんと。」

「あ、おいし。」

おでんが口に合ったようである。
おでんの大根は味がしみると美味しい。

「あ、そう言えばエラアス?ってどういう意味やろか?」

「英語?」

748アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/31(月) 00:32:52
>>747(鈴元)

「せっかくの『スタンド彫り』がッ!」

※『スタンド彫り』
  スタンドの発現のON/OFFに応じて出たり消えたりする刺青。
  アラベルは姑息なので普段一般人ぶれるようにわざわざお願いしたのだ。
  ちなみに『絆彫り』というのもあります。指定した相手の位置探知が出来るぞ!


    《これでパパのところへ行く客が増えるな》  《コマーシャルぅ〜 ヒックチ!》

「はいはい! いい子はメタネタを使わないッ!
 そういうところから馴れ合いがひどいとか言われるんですわよッ!」

捕まえた片端からテーブルに置いていく。

      テチチチチ

《いーえ、フランス語なのよ》

《言っておくが真に受けるなよ。テキトーだから。
 相当間違えてるからな。ちゃんとフランス映画でチェックしたから》

『眼帯』と『ヘッドフォン』の『子鬼』がそろそろと近づいて話しかけてくる。
さっき警戒してたのを忘れたようだ。本体は最後の一体を捕まえるのに必死だ。


            「早く上がんなさいッ! こら!」

749鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/31(月) 00:58:34
>>748

「ス、スタンド彫り?」

初耳である。
ところで絆彫りと言うのはあれだろうか。
好きな人が今どこにいるか二十四時間三百六十五日監視できるのだろうか。
そんな人のプライバシーを踏みにじる刺青があるのか。
実にけしからん。今度あの刺青師に聞こう。
いや、あの刺青師であるかは不明だがおそらくスタンド絡みの刺青なら彼だろう。
決して自分も彫って欲しいとかではない。決して、そう決してそうではない、はずだ。

「適当なん?まぁ、どの道僕にはわからんのやけど。」

そういえば先日スパチカとか言う女性にも会った気がする。
世の中にはまだまだたくさんの言語があるようだ。

「あぁ、そんな乱暴にしたらアカンよぉ。」

席から立ち、残った小鬼に近づく。

「ほら、こっちおいで。」

「こわないよぉ。」

とりあえず捕まえる手伝いをしよう。

750アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/31(月) 01:15:39
>>749(鈴元)
大まかな位置や方角が判ります!>『絆彫り』
『○ョースターの血統』同士の位置感知と同じだよ!

「お絵かきはまたあとでいいでしょうが〜〜ッ
 ほらッ! ヴァンッ! 早くなさいッ! ナニ描いてるのッ!」

《…………(チクチク》

          「痛ッ! ペンで手を刺すとはこの親不孝者ッ!」

   《おーおー、ついに親と認めたぞ》

《慌ててるから普段の認識が出たのね!》

               シ ロ ン ス
            「だまらっしゃい!」

まるで大家族番組のトラブルを目撃しているようだ……。
それはそれとして、下に隠れてる一体は『眼鏡の子鬼』だ。
お絵かき帳に必死こいてイラストを描いているようだが……


              《…………? ?》

               《……!》

                      スッテケ テケテケ

君に気づいて慌てて立ち上がり、お絵かき帳を隠した。

751鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/31(月) 01:26:28
>>750

なんだって。てっきり別な男と会談している最中であることを突き止めるかと思っていたがそれなら安心だ。
そこまで来ると普通の愛でカバー可能な気もする。

「親ねぇ。可愛がってんはるんやねぇ。」

ところで先ほど言っていたパパとはあの刺青師だろうか。
事実なら『ザ・ギャザリング』のパパは彼か。
自分も『ザ・ギャザリング』の親になるのだろうかなどと考えているうちに
女性の叫び声が聞こえた。

「えっと、どうしたん?」

「あぁ、絵ぇ描いてはるんやねぇ。」

「よかったら、見してもらえへんやろか?」

優しく微笑んで聞いてみる。

752アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/31(月) 01:36:43
>>751(鈴元)
その通りです>パパは『刺青師』。
半自立型スタンド特有の認識なのであまり深く考えないで!

「可愛がる……? まあ……いや、ないない。ないですわね」

    《お菓子はくれるわよ!》

 《でもヨーカイウォッチはかってくれねーぜ!》

「ねだるな! 盗むんですの!
 でも小売りのおもちゃ屋さんはいけませんわ。商売が厳しいんだから」

諭す本体。聴くスタンドたち。
能力上仕方ないとしても、盗みを示唆するとはなかなかにろくでもない光景であった。


      《…………(モジモジ》

「どうしたんですのヴァン……んん?
 ああ、はいはい。恥ずかしいんですのね」(テレパシー会話)

       《……(コクリ》

「まったく! とりあえず無難なのお見せなさいませ。
 アタクシたちの品性にかかわらないようなのを!」

          《……!(イヤイヤ》

一進一退の攻防! 本体の陰に隠れているぞ!

753鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/31(月) 02:02:39
>>752

「うふふ。盗むんはアカンよぉ。」

どうやら冗談と受け取ったようだ。
まさか身近にスタンドで犯罪を犯す人間がいるとは思うまい。

「やっぱり可愛がってるみたいやね。
 まぁ、かいらしいスタンドよねぇ。本体さんに似たんやろか。」

「あ、そういえばあんさんのお名前聞いてへんかったね。
 僕は鈴元 涼。あんさんは?」

さらりととんでもないことを言っておいて自己紹介をする。

「うふふ。別に無理にとは言わんけど。出来たら見せて欲しいわぁ。」

「アカン?」

「僕、あんさんの描いた絵ぇ見たいんよ。」

754アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/08/31(月) 23:19:15
>>753(鈴元)
「ふふふ、アタクシが可愛いと言葉に出すとは正直者ですわね」

コイツは自我が肥大しているので他人の褒めも率直に受け取るのだ。
得てしてこういうタイプが長生きする。他人からどう思われようともな!

「アラベル・メスリーヌ=スパジァリと申しますわ。
 ここに居るのは我がスタンド、その名も『ダウンタウン・フィクション』」

  《どっちかといえばチーム名よ!》

        ドギャン

とりあえず揃ってポージング。
○リキュアは毎週欠かさず観ております。


      《……(コソコソ》

ポージングから離れて『眼鏡の子鬼』は逃げようとするのだ……

755鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/08/31(月) 23:47:56
>>754

「かいらしんはホンマのことやからねぇ。」

自分がナンパじみたことを言っていることに気づいていない。
どうせ気付いたら赤くなるだけなのだが。

「あぁ、ご丁寧にどうも。」

(もう見せてもうたし……や、でもなぁ……)

(スタンドの便利使い、ではないかな。紹介は。)

「僕のは『ザ・ギャザリング』」

細身の人型ヴィジョンが現れる。
先ほどのスタンドだ。
『ギャザリング』が鈴元の制服をつまんで揺らすと、制服から桜の花びらが生まれる。

「ほら、きれぇ。で、これをやねぇ。」

「こう。」

そう言って『眼鏡の子鬼』に向かって花びらを舞わせる。

「『目を奪う』――――指一本動かせんほどにね。」

自我を持つスタンドの目すら奪える。
目を奪うついでに『ギャザリング』で『眼鏡の子鬼』を捕まえよう。

756アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/01(火) 00:25:04
>>755(鈴元)

「アナタ心底、正直者ですわね!
 いいでしょう撫でて差し上げますわ」

           ナデナデ

小鼻を膨らませて頭を撫でにかかった。
センパイコーハイだとカンケーねーのだ。


「…………うん? それが『能力』……」


      ヒラァ

              《…………(フラフラ》

思わず舞って動く『花びら』を目で追っている。
その隙に――

                グァシン!

      《……!!(ジッター バッター》


「ふふふ、ちょろいもんですわ。
 大人しくお縄に着くんですのよ、ヴァン」

《ママン! ママン! なにもしてないわ!》

「お黙りッ」

ともかく捕獲には成功。
無理やり抱っこされた猫並みの抵抗力を示すぞ!(パ:D)

757鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/01(火) 01:04:26
>>756

「あ、えっ、やっ……!」

頭を撫でられてもじもじとしている。
その顔は赤くなっている。照れているのだろう。

「うふふ。まぁ、細かいトコは内緒。」

「あぁ、暴れんといて。」

力、速さ、精密性全てにおいて人並みの『ギャザリング』だ。
猫並ならどうてもできる。
そう言えば急に抱っこされた猫はキチンと抱きなおさなければ暴れ続ける。
今この瞬間、この小鬼を猫として扱おう。

抱きなおす。俗に言うお姫様抱っこだ。
なに、女性ではなくスタンドだ。それに鈴元自身がやるわけでもない。
恥ずかしくなどない。

「乱暴してごめんねぇ。
 えっと、僕はエエか悪いかだけ聞いてるんよ。」

「絵ぇを見てエエか悪いか、ね。
 アカンかったらそれでエエんよ。僕は諦める。それだけなんよ。」

758アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/01(火) 01:31:43
>>757(鈴元)         ルスクレ
「ふふふ、アタクシの能力も秘 密でしてよ。
 信頼した相手と一緒に仕事をする相手にしか教えませんわッ」


        バァーン

仰け反り気味に奇妙な角度に手を曲げて宣言ッ!
自分のスタンドが暴れていることなど気にしちゃいないのだ。

そしてそのまま『五女』は抱っこされた。

           《…………》
                      ノビー

猫がよくするように、背筋を伸ばして仰け反って抵抗を試みている。
が……鈴元の話を聞いていると、多少表情が変わってきた。


              《…………》

                  ・・・ス

手近にあったスケッチブックを指さした。
開かれているところには……奇妙なイラストがある。


         《……切り絵だな。服の部分だけを切りぬいたような》

ドレスを纏っている女性のイラストようだ。
だが、何故か『服の部分』にあたる紙だけが切り抜かれている。

759鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/01(火) 01:57:48
>>758

「うふふ。そやね。」

(けっこうオモロイお人さんみたいやね。
 部長に似てはるわ。まぁ、あの人はかいらしいよりきれぇの方が強い気ぃもするけど。)

「ん?いや、エラいオモロイ絵ぇやね。」

「こう、お洋服のトコ切り抜いてあるんやねぇ。」

じっくりとスケッチブックを眺めている。
あまり絵を描く人間でない鈴元だ。
こういった表現技法があるのかとも考える。

「あ、この下にお洋服の絵ぇ入れて着せかえするん?」

そういう遊びだと思ったようだ。

760アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/03(木) 01:44:38
>>759(鈴元)

     《…………(チッチッチッ》

『眼鏡の子鬼』は指を立てて振り、自慢げに眼鏡をクイと上げる。
それから、イラストの描かれたページを開き、お絵かき帳を掲げた。

       ス  ッ


お絵かき帳は背表紙を反対に折られ、イラストのページだけが突き出した形。
そのままイラストの向こうの風景が『透けて見えることになり』――

【イメージ図】
ttp://switch-box.net/wp-content/uploads/2015/07/illustrators-ingenious-cut-outs-03.jpg?12d82b

『女性がドレスを纏った』。
これならどんなモノも衣服に変えることが出来るだろう。

761鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/03(木) 02:17:51
>>760

「いや、すごいねぇ。」

「これ、一人で作りはったん?」

音が出過ぎないように小さく拍手をする。

「凄いねぇ。僕、こんなん思いつかんよぉ。」

「スパジァリさんもこういうこと出切るん?」

その絵に興味を示したようである。
細工や工夫のあるモノが好きなのだろうか。

762アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/05(土) 23:56:05
>>761(鈴元)

  《……(エヘーン》

抱えられたまま胸を張っている『眼鏡の子鬼』。
自分の顔を指しているところを見れば、一人で作ったらしい。

「アタクシに出来るのは食券の偽ぞ……エヘンエヘンッ」

「アタクシ、この手のはあまり得意ではありませんの。
 この子――『ヴァン』はオタクなのですわ。絵は描けるし、字書き?でもありますの。
 最近はとーらぶ? のSSをアタクシ名義で投稿してファンを集めてますわ」

  《完全にトゥウィッター乗っ取り食らってるのよママンは!》

「お黙りあそばせッ! せいぜいアタクシが出来るといえば……
 サクランボでもあれば、双子の実を齧って種と枝を繋いだまま舌だけで縛れるのに」

763鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/06(日) 00:10:56
>>762

「はぁ、なるほど。」

(まぁ、スタンドと本体の性格が違うっちゅんは分かってたことやけど。
 技能も当然違うっちゅうことやね。)

「エスエス?ちゅうんはよう知らんけど、すごんやねぇ。」

以前にも自分から話すスタンドを見たことがある。
さすがに五体もいなかったが、どのスタンドも本体と同じではなかった。

「サクランボねぇ……舌が器用やね。」

「あ、ご飯食べるんやったわ。」

ごたごたで食事に来ていたのを忘れていた。
椅子に座る。

「スパジァリさん、一緒にご飯食べよう?」

764アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/06(日) 00:20:06
>>763(鈴元)
 ウィ
「はい、構いませんことよ。
 というか早く食べないと昼休みが終わ……」

       ガッブガッブモグモグバクバク

恐ろしいことに『子鬼の群れ』がおでんの山に食いついている!
手当たり次第に掴んでは口の中に放り込んでいるぞ!
ちょっとしたホラー映画の光景に見えないこともない!

    オーララー
「……やれやれ。しょうがありませんわね。
 いいこと! 急いで食べるんですよの! さあ、アナタもお食べなさいませッ」

「どうせ偽造食券で買ったエヘンエヘンッ どうせ激安なんですから!」

本体も食卓に戻って一気に食べ始めた。
あ、『五女』は君の首に絡みついて丸まってます。

                  《……(スカピー》

心和むらしい……和むな。

765鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/06(日) 00:41:42
>>764

「あぁ、そんなに慌てたら喉詰まらせるよぉ。」

「……偽造?」

ちょっと気になる単語が聞こえたが、気のせいだろう。
多分。おそらく。きっと。
でなければ色々と面倒なことになる。

(寝てはる?や、エエか。)

以前にもこういうスタンドに好かれた(?)
記憶はある。
邪険にするものでもないだろう。

766アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/06(日) 01:03:03
>>765(鈴元)

   クター

完全にくったりして、君の首に乗っている。
スタンドだから重量がないのが幸いだ……。
正直凄まじく邪魔である。

  《ところでどのタネが好きなの?》

『眼帯の子鬼』が尋ねてきた。
どうやらこれがリーダー格のようだ。

箸を手に取り、とってあげようと構えている。

767鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/06(日) 01:16:44
>>766

「……うふふ。」

猫が座っているときに膝の上へ乗って来たかのようだ。
それと似たようなものだ。
まぁ、邪魔ではあるかもしれないが。

「ん?おでんやと大根とか卵とかやろか。
 ちくらとかの練りモンも美味しいわなぁ。」

基本的に出汁の味がしみていればなんでも好きではある。

768アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/06(日) 01:50:17
>>767(鈴元)

《ウィ! じゃあこれとこれとこれと〜♪》

   《そらこっちもだ姉上。
    正直ロールキャベツはどうなんだろうな姉上》

        ドガドガドガドガ

紙皿を引っ張り出し、その上に山と鈴元の希望したタネを乗せた。
大山とはいかないが、ちょっとした小山ほどのサイズだ。


        ゴ  ゴゴゴゴ

胃もたれ必死のこの量……!
スタンドの無体な振る舞いに対して本体は!

           ズルズバー

            「このおでんつゆで食べるソフト麺がまた」


一人で堪能していやがった!

769鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/06(日) 03:26:53
>>768

「あぁ、そない入れてくれんでも……」

元々食が細い方だ。
あまり大量になると食べにくい。
というかそんなにいっぱい食べては太ってしまう。

「スパジァリさん……あ、エエわ。ゆっくり食べやぁ。」

本体はもうそういう事なのだと思おう。
じゃないとやってはいられない。

(この量……)

いやしかしこの男。
望まれたら断れない。そういう性分。そういう育ち。
即ち導き出される答えは。

「い、いただきます。」

食べる。ただそれだけ。
次々と口に入れていく。おでんを。

770アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/06(日) 23:25:17
>>769(鈴元)

  《すごいー! やっぱり男の子なのね!》

     《すごいなーあねうえー(棒)》

君の行動に対し無邪気な賛辞を送る『眼帯の子鬼』。
全てを察してニヤついている『ヘッドフォン』。

  もっ もっ
            もっ もっ

多い……多すぎる……出汁の沁みたいいお味がいっそ酷だ……
ズドンと濡れたクッションを胃袋に放り込まれたような圧迫感がある……


「…………あら、そんなにおでん好きですの?

 ……ってお待ちなさいお前たち分担した皿を圧しつけましたわね! こらッ」


        《そんなことはしていないぞ。姉上は善意でな》

「マル! アンタは悪意でしょ! 解りきっているんですわ!」

            《…………私は頭の悪いママンが好きだな……》


     「キィー! 何たる言いぐさ!」

          ギャーワー

ザ・親子喧嘩! 君のことは忘れられ……

                  トテトテ

     《てつだうんだぜ! いっしょにたべよう!》

おっと、『カーゴパンツの子鬼』が登場。
肩をパシパシ叩きながら一緒に食べようとしているぞ。

            《あ、じゃあわたしも〜》

『ゴスロリドレス』も手伝ってくれるようだ。

771鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/06(日) 23:36:20
>>770

(バレてる……?)

期待に答えるのは悪くない。
しかし、この胃袋への衝撃。まるで100メガショック。
いくら美味しくてもこれはキツい。

「喧嘩したら……アカンよぉ……」

頑張って微笑みながら注意しつつおでんと向き合う。
なぜ自分はおでんを食べているのだろうか。
そもそもおでんとはなんだろうか。この煮物はなぜ自分を追い詰めるのだろうか。

「あ、うん。別にかまんよ。」

「その、食べたいんやったらエエよ。食べぇ。」

無理です。手伝ってくださいなどとは言えない。

「あんさんらっていつもこんな感じなん?」

これが日常ならなかなか疲れそうである。

772アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/06(日) 23:49:28
>>771(鈴元)

《大丈夫よ! あの二人あれで一番仲がいいの!》

『眼帯の子鬼』は気にしていないようだ。
彼女も君に分けられたおでんを一緒につつきだす。


   《そうだぜ! いつもたのしーんだ!》

 《ママンはこの町に来てからやつれてるけど〜 ヒックチ》

  《そうそう。大姉ちゃん……と、『語り部』ね。
   あの人がいつも見てるんじゃないかって疑心暗鬼なのよ。
   あんなの気にしてもしょうがない気がするんだけどね〜》

       ワッキャ  ワッキャ

君と楽しくおでんを食べている。
見える者からすれば楽し気な光景だが、傍から見ると異常だ。

これを常に続けている本体がぼっちなのも、これに起因するのだろう……

773鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/07(月) 00:08:54
>>772

「仲良きことは美しきかな、やね。」

そういう間柄の人間はいないでもない。
しかし家族やお弟子さんを除けば少ない事実に変わりはなく。
それが鈴元にとっての友達がいない状態であった。

「大姉?『語り部』?よう知らんけど、保護者みたいなモンやろか?」

いや、今すべきなのはおでんを全て食べ、先ほど注文した自分の商品も食べてしまうことだ。
あまり他の事にかまけて昼食の時間が終わってしまっては大変だ。

774アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/07(月) 01:16:56
>>773(鈴元)

   《えっとね、パパ――『刺青師の娘』!
    パパと喧嘩してるの! 恐い人なんだから!》

《だから、私たちの姉妹というワケなんだ。大姉上だな》

スタンド特有の謎理論であった。
スタンド特有というよりコイツら特有かもしれないが。

       バクモグムシャムシャ

鈴元と一緒におでんを食べ終える。
食べる量も何とか許容できる範囲で済んだ。

自分の頼んだものも食べ終えていく……

   《うまいんだぜー、からしからしー》

 《! だめなのよ! みんな食べられなくなっちゃう!》

『カーゴパンツ』が辛子をぶちまけようとするのを『ゴスロリ』が阻止!
それを更にアラベルが遮り、残った他のおでんをパック詰めにしていく。

「はいはい! 残りはお土産! お姉さまたちにも分けてあげねば」

「助かりましたわセンパイ。このアラベル、御恩は一生忘れません」

             ペコォー

礼儀正しく深々とお辞儀。

              「何かあったら学園の書類偽造ぐらいならやってさしあげます」

訂正。コイツに礼儀なんかないぞ。

775鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/07(月) 01:34:44
>>774

「へぇ。刺青師センセに娘さんおったんや。」

意外、かもしれない。
思えばあの人物は随分と謎めいている。
わざわざ知ろうとするのもおかしいかもしれないが……

「うふふ。最後まで楽しそうやねぇ。」

『ギャザリング』は語らない。
『ギャザリング』は此の世に唯一つの存在。
それで満足している。しかしこういうスタンドも楽しそうだな、と思う。

「書類偽造ねぇ……スパジァリさん。冗談好きやねぇ。」

けらけらと笑っている。
アラベルの言葉を冗談だと判断したようだ。

「ウチの部長みたいやわ。」

食器を返してしまおう。
これだけの量だ。一度に持っていけないかもしれないが。

776アラベル『ダウンタウン・フィクション』【中二】:2015/09/07(月) 02:14:54
>>775(鈴元)

「おっほっほっほっほ」

笑って誤魔化した。
眼はマジだが、この手の善良な手合いは気づかないんだろうな……と思っている。

「……真面目な話。何か困ったことがあったらおっしゃって?
 アタクシはこれでも『悪党』ですが……『恩義』を軽んじはしませんわ」

「真正面から挑むようなことは苦手なのだけれど……
 『アタクシの能力』は『搦め手』が大得意なのですの。

 『汚れ仕事』を押し付けるには適任ですわ。忘れないでくださいませ?」

         バチ

ウィンク! 奇妙なポージングでキメ顔だッ!
内心で超決まったアタクシってばカッコいーと思っている!


  《――と思っているんだアレは》

『ヘッドフォン』がわざわざ説明もしてくれた!

「ええいなんという親不孝者。はいはい!
 戻りますわよ! ではアタクシはこれにて!」

             ドギャーン!

皿をまとめて抱えて移動だ! なあにこれぐらい軽い軽い!
そして風のように去った!


                 《じゃあね! アデュー!》







       《………………! (ハッ》

                     トテ
                            トン!

            ペコペコ
                       スッタカター


鈴元の首に置き忘れられた『眼鏡の子鬼』も慌てて離れて帰った。
ちゃんとお辞儀を忘れないのだ。礼儀は正しいのだ。

777鈴元 涼『ザ・ギャザリング』【中三】:2015/09/07(月) 02:26:15
>>776

「『汚れ仕事』なんか、女の子に任せへんよぉ。」

「まぁ、でもどっかで頼りにするかもしれんね。」

真正面から挑むのが苦手なのは自分も同じなのだ。

「うん。かっこエエね。」

「スパジァリさん、また今度あおね。」

手を振って彼女を見送る。
あとついでに首にいた子鬼も。

(……)

(冗談やなかったら。僕も冗談やないことせなアカンかな。)

(まぁ、エエわ。今はまだ。)

自分も食器を返して教室に戻ろう。
友人と呼べる存在などいない教室へ。

778ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』【高2】:2015/09/07(月) 23:56:17

――昼休み。


「失礼します。」


食堂は混んでいる。
空いた席は少ない。

ゆえにゼンチは相席を選んだ。

「……」

    ゴト

向かい合った2人掛けの席。
ゼンチの向かいには、既に人が座っている。

顔は、見ずに選んだ。
なので、知り合いでも不知り合いでも、おかしくない。

779小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/09/08(火) 01:04:14
>>778

向かいに座っていたのは女性だった。
綺麗な制服に身を包んだ黒髪の女性である。

「えぇどうぞ。」

高い声だった。

「……」

「あなた、今日は食堂なのね。」

声をかけてきた。
女性の前には開封前のサンドウィッチが置かれている。
が、手を付ける様子はなく水の入ったコップのふちをただ撫でている。

780ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』【高2】:2015/09/08(火) 01:22:26
>>779

「どうも。」

   (知らない顔。
    他学年か……それとも。)

見たことくらいはある気もする。
が、まあ、知らない。

「いただきます。」

     カチャ

箸を取る。
……と。


「……はい。
 食堂ですが――」

話しかけられた。

「ええと、すみません。
 今日は、とは……?」

いまいち意図を察せない。
なので、聞く。

(これも何かの縁、でしょうし。)

そういうことだ。

781小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/09/08(火) 01:39:23
>>780

実のところ小鍛治自身も目の前の女生徒のことを知らない。
廊下ですれ違ったことくらいならあるかもしれない。

「今日は、ということは以前は違ったということよ。」

「もっと詳しく言えば、前は中庭で食べていなかったかしら。
 お友達も横に座っていたはずね。」

微笑んでいる。
鋭さすら感じさせる目が細くなった。

「私の記憶違いかしら?」

ゼンチが忘れていなければ
おそらく彼女の言っていることは少し前(>>611)のことだと気付けるのかもしれない。

782ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』【高2】:2015/09/08(火) 01:48:33
>>781

「――ああ。
 なるほど。」

そういえば。
この前中庭で食べた。

というより、頻繁に。
友達と食べたのも、一度ではない。

「ええ、中庭で。
 ついこの前ですね。」

三日前だ。

「天気のいい日などは――」

         チラ

窓の外を見る。
……曇っている。

「外で、という気になることも。
 貴女は――いつも、ここで?」

逆に、問う。
話題は繋ぎたい。

ちなみに、ゼンチのトレイにはかきあげうどん。

783小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/09/08(火) 01:57:44
>>782

「あら、そう。よかったわ。」

「この歳で痴呆なんて嫌ですもの。」

くすくすと手を口に当てて笑っている。
ちらりとゼンチ同様、窓の外を見た。

「雨、降りそうね。降ってもらっても構わないけれど。」

「食事をするなら晴れていたほうがいいわね。」

コップに口をつけ、水を飲む。
机の上に置き、またふちを撫でる。

「私は基本的に教室よ。屋上もいいけれど、行くのが面倒に感じる時もあるわ。」

「今日は家事がお休みの日だから、食堂にいるの。」

お弁当がないから、と付け加える。
しかし小鍛治は自身の昼食であるサンドウィッチに手を出さない。

「他にご質問は?」

784ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』【高2】:2015/09/08(火) 02:08:56
>>783

「それは。
 そうですね。」

「たくさん……
 覚えなくては、ですし。」

(……冗談?)

距離感。
掴みにくい、と思った。

      ・…見事な曇天。

「なるほど。教室ですか。
 屋上は――」

    (家事がお休み?)

ひっかかる言い回し。
が、突っ込まないでおく。

地雷を踏み抜きかねな。

「それこそ、晴れの日ならば。
 まさに、青空の下……
 ちょっとしたハイキングになりそうですね。」

        ツルツル

うどんを啜る。
そして。

「質問――」

少し、考え込む。

      「――お食べにならないので?」

サンドイッチを示す。

「あ、いえ。
 催促ではないのですが。」

欲しいとかではない。
ただ、目についただけ。

785小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/09/08(火) 02:25:49
>>784

「そうね。たくさん詰め込んで、頭の中をいっぱいになくちゃね。」

髪をかき上げる。
艶のある黒髪が揺れた。

「美しい空の下なら食事も特別なものに変わるわ。
 別に曇り空や雨の空が美しくないと言うつもりはないけれど。」

ゼンチに問われ、小鍛治は少し黙り込んだ。
何か考えている様子はない。
ただ薄く笑ってゼンチを見つめている。

「これは余りよ。最初にツナサンドをいただいたの。」

サンドウィッチを手に持った。
卵とハムカツのサンドウィッチであった。

「正直脂っこいものは好きじゃないからハムカツは残すつもりだったわ。
 でも、卵まで残すことになるとは思わなかったけど。」

「あなた、貰ってもらえないかしら?」

786ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』【高2】:2015/09/08(火) 02:34:40
>>785

「ええ。たくさん。」

(綺麗な髪。
 シャンプーは何処のを?)

聞く気にはならない。
知れた仲でもあるまいし。

「曇りや雨にも風情はあるんでしょうが……
 食事には、いささか、合いませんね。」

頷く。真面目っぽい顔で。
ゼンチは笑ってはいない。

そして。

「ああ」
「なるほど。」

既に食後だったとは。
目から鱗。

    ――というほどではないか。

「では、折角ですので。
 催促でないと言った手前ではありますが……」

「ありがとうございます。
 あとで、いただきます。」

サンドイッチを受け取る。
そして。

      ツルツル

うどんを啜る。
とけたかき揚げが絡んでくる。

「……ふう。」

額の汗をぬぐう。
温かいうどんには少し早い季節か。

787小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/09/08(火) 02:40:42
>>786

「そうよ。濡れたご飯は美味しくないわ。」

「えぇ受け取って頂戴。食べないのはもったいないですもの。」

うどんを啜るゼンチを見つめる。
もう食後であるし、サンドウィッチの処理も出来た。
帰ってもいいだろうにただゼンチを見つめていた。

「あなた、お名前は?」
    コ カジアキラ 
「私は小鍛治明。高等部三年。」

「ここで会ったのも何かの縁ですもの、聞かせていただけるかしら。」

そういうことを聞きたかったらしい。

788ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』【高2】:2015/09/08(火) 02:48:32
>>787

「ええ、それはもう。」

米ですらお粥の出来損ないに。
おかずなど、もっと惨事だ。

ともかく。

    ツルツル

 
        ズズ……

だし汁を啜るゼンチ。
ふと顔を上げる。

「……」

「はて。」

何かな、と思っていたら。

「ああ!」

「失礼、名乗り忘れていました。
 私、二年の善知鳥 雷(ウトウ ライ)と申します。
 お気軽に、ゼンチ――と。お呼び下されば。」

小さく頭を下げる。
縁。それは大切だ。

「ああ、由来は苗字です。
 善を知る鳥、と書いて、善知鳥。」

補足も、する。

789小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/09/08(火) 02:55:23
>>788

「ゼンチさんね。これからもいい縁があるといいわね。」

「善知鳥は、能だったかしら。」

珍しい名字だと小鍛治は思った。
小鍛治の名字自体も珍しい名字だと思われるが
それでもゼンチの名には負けるだろう。

「あなた真面目な人ね。気に入ったわ。」

「とっても信頼が置けそう。」

そう言うと席から立ち上がった。

「私はそろそろ帰るわ。」

790ゼンチ『イースト・ミーツ・ウェスト』【高2】:2015/09/08(火) 03:02:55
>>789

「ええ、それはもう。」

気持ち、大きめに頷く。

「能に、演目があるそうで。
 詳しくはありませんが。」

善知鳥、とネット検索すれば、出る。
詳しくはゼンチは知らない。

「はは、気にいられましたか。
 それは光栄で……と。」

立った小鍛冶を見る。

「お気をつけて。
 またお会いしましょう。」

小さく頭を下げる。
ゼンチはまだ食べ終えていない。

「今度は――そう、晴れの日にでも。」

そう言って、微笑む。

       「では。」

あとは、去る背中を見送るだけだ。

791小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/09/08(火) 03:07:16
>>790

「そういうのが好きな人を知っているのだけど、まぁ、それは別の話ね。」

小鍛治自身は能などにそこまで詳しくはない。

「私は信頼の置ける人が好きよ。そうじゃない人は嫌い。」

「それだけよ。」

ゼンチの顔を見て言った。

「えぇ、次はお弁当を食べましょう。」

「それじゃあね。ゼンチさん。」

微笑んで、歩き出す。
ゼンチから視線を外した瞬間、笑みが消え普通の小鍛治に戻った。
悠々と歩く。その背はしっかりと伸びていた。

792鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/23(水) 00:23:40
秋映学園は比較的穏やかに日常が過ぎていた…
そんな中のとある食堂

…着崩したセーラー服で少しうんざりした顔をした女性…大学生の鶫が座席に座っていた。

(…はぁ、カウンセリングとかまじで面倒だったなぁ。
 別にウチは精神的に参ってるわけでもねぇのに…)
不登校気味だった鶫は、たまに投稿すれば
なにか悪いことがあったのか、家庭の環境はどうなのか、などとカウンセリングの先生に問われることが多く、
そのことで、若干だれていた。

「…あ、まだ注文してねぇや。」
ふと思い返したように立ち上がり、食券の販売機に向かう。
「野菜天丼、食いてぇ。」
ぼそぼそとつぶやきながら千円札を取り出した。

793馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 00:14:18
>>792
「はふ。やっとお昼だ」

少し疲れたような様子で券売機へ歩みゆく。

「今日は、何にしようかな。サラダと、……うーん」

軽く呻きながら千円札を取り出すその後ろへと並ぶ。
そしてどうやら呟きを聞いて思いついたように

「ん……。野菜天丼、いいな。サラダと、野菜天丼に、しよう」

と、軽く呟きながらポケットから財布を取り出し始める。

794鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 00:20:26
>>793
「んー、なんだか値上がりしてねぇかなぁこれ」
野菜天丼の食券を手に取って困ったような表情を見せる。

「…ウチの野菜をこの学校に売り込めばいいんじゃねぇかなぁ。
 なんてこたぁねぇか」
ぶつぶつとなにか言いながらお釣りを回収し、
カウンターへ向かっていく。

「…おんなじ野菜天丼かぁ。」
と、席に座るところでちょうど隼に視線が向いた。

795馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 00:34:17
>>794
続くようにして券売機で食券を買い始める。

「サラダ、大盛がいいかな。……いいか」

そのままカウンターへ食券を持ち込み、席へ向かう。
人が多かったか、なんとなくだったか、斜向かいの席へ座ろうとしたところで視線に気が付く。

「……?」「あの、なにか?」

796鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 00:37:33
>>795
「ん?あ…ワリィ」
と、こちらに視線を向けてきた隼に対して、ちょっと申し訳無さそうな顔をする。
でも目付きが悪いので怖い人に見えるかもしれない。
あと何故かセーラー服である。

「奇遇だなァなんて思ってさ。
 おんなじ野菜天丼選ぶのが。
 野菜好きそうかなって思ってなぁ。」
おそらく初対面の割には気さくな話し方をしている。
頬杖をつきながらなのでちょっとガラが悪そうに見える。

797馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 00:52:30
>>796
「ええ。野菜、好き、ですから」

この辺りは野菜天丼にサラダと、野菜が被っている辺りからも分かるだろう。

「肉が、そんなに、好きじゃない、のも、ありますけど」

ガラの悪そうな感じに少し引き気味になりながらも席に着き、言葉を返す。
話すのが苦手なのか、言葉は途切れ途切れで少し聞き取りにくさを感じさせるものである。

798鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 00:55:06
>>797
「そっかぁ、ウチとおんなじだな。」
どこか嬉しそうな様子で応える。
不良の絡みというわけでもなさそうだ。

「肉食えねぇのにはやっぱ、
 何か理由があったり済んのか?
 昔のことがトラウマとか…」
何気なく、肉嫌いの理由には興味が有るようだ。
ちょっと失礼かもしれないとは思いながらも聞いてみる。

…あるいは天丼が来るまで暇なのだろうか…

799馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 01:16:20
>>798
「えと、食べられない、わけじゃ、ないんですよ?」
     「ただ、こう、苦い薬を、積極的に、飲もうとは、思わない、ですよね?」
               「そんな、感じで、食べようとは、思わない、だけです」

そこで一旦言葉を途切れさせる。喋るのが嫌という雰囲気は余りないが、
その先を喋るのに少し躊躇っているというか、言い方を考えているような感じがある。

「理由は……、トラウマって、ほどじゃない、ですが、ちょっとした、ことで
       肉を食べる、だけ、じゃなくて、動物に、触れなくなった、ことがあったんです」

「ところで、その言い方は、あなたは、何か、肉が食べられない、理由が?」

800鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 01:22:06
>>799
「へえぇ…なるほど。
 味が嫌って感じか。それはわかる。」
なんとなくだが、彼女は同意しているらしい。
そして少し顔を上げる。

「…ふぅん。触れなくなったかぁ。
 いろいろ、大変なことがあったんだなぁ。」
どうやら隼の告げている言葉は割とすぐに飲み込んでいるらしい。

「あ、ウチ?
 そうだなァ。ウチも昔っから妙なことばっかりだったんでねぇ」
そう言ってちょっと顔を上げて昔を思い出す。

「周りの人間が急に肉を欲しがって暴れだしたりなんてことばっかりあったせいさ。
 学校でもそういうことがあったから友達できなくてよぉ。
 世の中怖くなって家の敷地から出られなくなってたんだ。」
不可思議な出来事を述べる。その目は真剣だ。

「んまぁ。つい最近、その妙な出来事の理由がわかったから…
 なんとかなるって思ってんだ。これからはなぁ。」
そう言ってまるでお酒を煽るかのように水を飲んだ。

801馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 01:36:55
>>800
「うーん、味、というか、肉の栄養は、体に必要だけど、
            グロ画像を、見たから、食べられない、感じというか」

自分でも例えが納得できていないのか、首を傾げながら言う。

「僕の、場合は、原因が、分かってた、から、マシでした、けど、それは、大変、だったん、でしょうね」

「……でも、よく、そんなことの、原因が、分かりましたね」

真剣に語ったからか、その出来事があった、ということを疑いもしない様子で疑問をぶつける。

802鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 01:46:57
>>801
「グロ画像かぁ…
 ん、まぁ大変なことがあったってのはわかるぜ。
 例えば、牛さんが解体される映像的なもんかい?」
と、何気なく訪ねてみる。
サラッと話をするものである…

「原因がわかってたかぁ。
 なるほど。」
そう言って少し興味を見せた鶫は。

「あぁ、そりゃあ…
 騒動の原因がウチ自身の『力』だったってのに気付かされたんだからなぁ。
 一旦わかっちまったらすぐだったぜ。」
なんとなくスタンドを匂わせるような話し方で答えてみる。

803馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 02:02:16
>>802
「実際に、それが、原因では、ないですけど、それくらいの、嫌悪感が、あった、ってこと、です」

これで一応、そこそこ大きな農家の息子である。自分の家でそれを見たわけではないが、似たようなものは見る機会はあったのである。
なのでこちらもその手の話題について対したことでもないようにサラリと話が出来ている。

「ん……?」「『力』って……?」「んんん?」

妙な反応を返す。スタンドの存在は認識しているような感じではあるのに、ピンと来ていない様子だ。
馬肥にとってスタンドは自分の意思と共に存在するものであり、勝手にそれが力を発揮することに考えが向かないのである。

804鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 20:18:14
>>803
「なるほどなぁ。
 ま、それだけのインパクトがあれば嫌んなるよなぁ。」
どうやら理解を示したらしい。
彼女にもそれなりの理由があるからだろう。

「あー…分かりづらかったかなァ。
 まぁ、わかんないだろうけどさ。」
そう言って軽く顔を上げてちらっと相手を見る。

「スタンドってやつさ。
 ウチが持ってるそいつのせいだったんだよ。
 妙なことがウチの周りで起こってたのはさ。」

805馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 22:22:15
>>804
「え、と。スタンドは、分かります、けど」
「勝手に、そういうことを、起こす、もの、なんですか?」「そこが、ピンと、来なくて」

スタンドが『纏うタイプ』である。ということもあるが、
馬肥にとってスタンドは自分の意思から外れることのないものである。

肉を好まないのも、『菜触主義』となって動物質への嫌悪感を感じることを幾度も経験し、
『菜触主義』でない時でさえ、それに触れることに軽い忌避感を感じることになったのが由来だからだ。

806鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 22:25:42
>>805
「まぁ、少なくともウチはそうだった見てぇだがなぁ。
 ガキの頃に勝手に出たりすることもあんだろうってことなんだろうぜ。」
そう言ってふう、とため息を付いた。

「他所の奴らはどうかは知らねぇけどな。
 うちはどうやらガキんときから使えたらしいんだ。
 …自覚無しだから勝手に出たり入ったりする…ってことも有るらしいぜ。」
他人に言われたことであるため、鶫も確証があるわけではない。
しかし少なくとも、彼女はそうだったのだろう。

「…あ、来たみたいだ。」
どうやら野菜天丼が出来上がったらしい。
ひとまず鶫は回収しに向かった。

807馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 23:16:10
>>806
「僕も、物心ついた、ころには、使えました、ね」
「僕のは、その、スタンド使い、って人以外にも、見えるから、
  目立つんです、よね。だから、勝手に出る、ってことは、あっても、すぐに分かってたんだと、思います」

思い出そうとするかのように目を閉じ、顔に手を当ているが、そういったことは思い当たらないらしい。

「あ、僕のも、来てる。……え?サラダがまだ?」

同じく回収に向かったが、サラダを出す時間分だけこちらの方が受け取って戻るまでが遅かった。

808鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 23:20:59
>>807
「…ふぅん。周りに見える人が居るってのはいいことだなぁ。
 ウチの場合は、見えない奴には見えない人間見てぇだからなぁ。
 気づく人もあんま居ねぇんだわ…」
ちょっと羨ましそうだ。
いろいろと昔のことを思い出したのかもしれない。

「…サラダはちょっと時間がかかる見てぇだな。
 じゃ、ちょっとお先に。」
一足先に鶫は席に戻るが…どうやら隼が戻ってくるのを待っているらしい。
まだ手を付けていない。

809馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/28(月) 23:45:09
>>808
「ドレッシング……」

サラダが出てくるのはすぐだったが、ドレッシングをかけるので少し時間がかかっていた。
が、すぐにそれ等をもって席に戻ってきた。

「周りに見える、っていうのは、普段は、不便、なんですけど、そういう所は、便利、ですね」

席に着くとともに、「因みに、こんなのです」とつぶやき、
全身に纏う、スーツのようなスタンドを発現した。そのスーツはスタンドらしく非実体だったが、
直後にそのスーツから生えるように全身から現れた植物……ネギの先端だろう……は明らかな実体を持っていた。

目立つことになってしまうために即座に解除されて消えていったが。

810鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/28(月) 23:57:03
>>809
「んー、そうだな。
 …こういう時にゃぁいい。」
そうつぶやいて、スタンドを確認する。

「ほぉ、野菜見てぇなスタンドだなぁ。
 良いデザインしてる。うちは割と好きだぜ。こういうのは。」
どこか楽しげな様子で見つめていたが…

「…ここはウチのスタンドも見せてやらにゃァいけねぇな。」
とつぶやいて、唱える。

『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』

ドゴォン!

…鶫の傍らに獣の毛皮を被った屈強な蛮族のようなスタンドが現れた。
「…とまぁ、こいつがウチのスタンドだ。
 知ったのはつい最近だがなぁ。」
と、親指で自分のスタンドを指して言う。
周りの人間に見えていないのは確かなようだ。

811馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/29(火) 01:10:00
>>810
「そのもの、です。食べれます、しね」

野菜みたい所か食べることも可能な野菜そのもののスタンドらしい。
と、現れた蛮族の如きスタンドを見る。

「肉を、欲しがって、暴れる、でしたっけ。それっぽい、見た目、ですね」

心中では、余り目の前の人とはイメージが合わないな、とも思っているが。

812鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/29(火) 01:28:57
>>811
「スタンドの野菜ってどんな味すんだろうなぁー。
 うちの野菜と比べて見てぇぜ。」
そう言ってケラケラ笑ってみせる。

「ああ、なかなかのクセモンな能力さ。
 肉ばっか食いたくなるぜ。」
よく見れば両の拳には『666』の焼き印が存在する。

「自覚できたおかげで、あんま怖くなったからなぁ。
 お陰でこうして引き篭もりも脱却できたってわけさ。」
そう言ってお水をまた飲んだ。

「あ、そういやぁ学校の中じゃ酒のんじゃいけねぇんだっけ?」

813馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/29(火) 22:30:21
>>812
「どんな野菜、でも出せますし、そこそこ、手をかけた、位の味は、しますよ」

自慢げな、自信ありげな、いわゆるドヤ顔を見せる。

「僕の、『野菜』は、破壊したら、動物質に、
嫌悪感を、覚えるように、なるもの、なので、肉は触れなく、なりますね」

野菜天丼を口に運び、少し口を止めたのち、

「お酒……。んと、流石に、ここでは、マズイでしょう、けど、大学棟、の方、なら、いいんじゃ、ないでしょうか」

814鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/29(火) 22:46:46
>>813
「そっかぁー、食ってみてぇなやっぱ」
そう言ってようやく鶫も野菜天丼を食べ始める。

「肉が触れなくなる…か…
 うちのスタンドとはまるで正反対ってやつだなぁそれは。」
興味深そうに応える。
彼女のスタンドが『肉を欲させる』のに対して隼のスタンドは『肉を嫌わせる』スタンドなのだ。

「ま、そっかぁ。ここは共有ってやつだもんなぁ。
 この辺にはドリンクコーナーにだってねぇし。」
納得したように答えて、また水を飲んで見る。

「…結構ウメェんだなぁ、ここのメシって。」
驚いた表情で答えた。

815馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/29(火) 23:36:48
>>814
「機会があれば、ですね」

サラダをモシャモシャと口の中に放りこんでいく。

「確かに、正反対、ですね。……同じ人が、同時に、受けたら、凄そうです、ね?」

控えめに言っても地獄の苦しみであろうことは間違いないだろうが。

「これだけ、大きい、学園、ですし、食材も、料理人も、良質、なんでしょう」
「ここの料理は、肉料理、でも、少しは、美味しいと、思えますし」

816鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/29(火) 23:42:34
>>815
「そういう機会があったらいいな。
 そん時にはウチの野菜も食わせてやるぜ。」
どうやら割と気に入ったらしく、気さくに話しかけている。

「ウチのスタンドとアンタのスタンド…
 両方食らったら肉を食いてぇのに肉をさわれねぇってなるか…
 この世の地獄だろうな。」
想像するだに恐ろしい話である。
ちょっと怖そうな顔をしているようだ。


「確かになぁ。
 料理人にもスタンド使いってのは居たりするかねぇ?」
バクバクと女性らしからぬ豪快な食べ方を始めている。

「ウメェ肉料理か…ここは、脱・肉恐怖症のためにも
 注文してみようかねぇ…」
ちょっと冷や汗を垂らしながら応える

817馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/30(水) 00:22:13
>>816
「どうも、この町は、スタンド使い、が多そう、ですし、探せば、居そうですね」

スタンドを与える人がいるという話も聞いたことがある。
かなりのスタンド使いがこの町には住んでいるのだろう。

「肉を、食べられる、ように、挑戦する、のはいいと、思いますけど、
ストレスが、溜まったり、してない、余裕のある、時がいいと、思いますよ」

冷や汗を目ざとく見つけたのか、忠告するような心配するような口調で言う。

818鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/30(水) 00:26:05
>>817
「そうだなァ。時々うちの周りにも居たぜ。スタンド出してたりする奴が…


 そういやぁ…なーんか昔っから妙な事件は起こってた見てぇだしなぁ。
 ほら、ちょっと前なんか月が降ってきただろぉ?
 あれって、やっぱスタンド使いがやったことなのか?」
と、過去を思い出して訪ねてみる。
引きこもっていた彼女にもそれは確かに見えていたらしい。

「…ワリィな。あんなことが起こった原因はわかってんのに…
 いざ振り切ろうとしてもなかなか…うまく行かねぇんだわ。」
そう言って軽く笑ってみせる。ちょっと口元が震えている。

「いろいろあったから、やっぱ大変だよなぁ…」

819馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/09/30(水) 23:42:53
>>818
「……月?そういえば、月が、やけに、大きく、見えた日が、あった、ような」

ちょっと身震いする。流石に予想の範疇を超えた能力だ。

「苦手なものに、関わりたくない、気持ちは、よく、分かりますし、
少しづつ、治していけば、いいの、では?」

台詞はまともだが、野菜天丼を大きく頬張りながらでシリアスさの欠片もなかった。

820鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/09/30(水) 23:48:42
>>819
「まぁ、よくわからんうちに消えちまった見てぇだけどなぁ。
 あれってなんだったんだろうなぁ?
 一体何があったのかもわかんねぇな。」
 
そう言って少し首を傾げた。
ちょっと危機感が足りない。

「ん、まぁそうだなぁ。
 無理に治すよりかはまずは、少しずつ治していきゃァいいな。
 …ま、大豆あたりから始めるかァ。」
そう言ってモゴモゴと鶫も野菜天丼を頬張り始めた。
両者ともにシリアスな話をしているようには見えなかった。

821馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/10/01(木) 00:07:15
>>820
「誰かが……いや、誰かたちが、止めてくれた、のかも、しれませんね」

知らず知らずの内の命の危機、恐ろしい話である。

「そう、ですね。肉に似た、触感のもの、から始めるのが、いいと、思います」

食べ終えたどんぶりを置き、水で喉を潤す。

「ふぅ」

822鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/10/01(木) 00:12:16
>>821
「…やっぱそうだよなぁ。
 あんなの普通のやつにゃ止めらんねぇよ。
 …いっぱいいたんだな。止めたいって思うやつが」
少し感慨深げな表情を浮かべる。
改めて特別な力ではないと感じられたのが嬉しいのだろう。

「…いつかあってみてぇなぁ。その止めた奴らってのに」


「大豆ハンバーグっての有るだろ?
 アレをやれば、いずれ普通のハンバーグも食えるかもしれねえよなぁ。」
そう言いつつどんどんとメシを食べ続け…

「…ふぅ、なかなかうまかったー。」
満足気な表情で食べ終えた。

823馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/10/01(木) 00:29:13
>>822
「そろそろ、時間が、微妙、ですね」

壁に掛けられた時計に目をやり、呟く。
食器を乗せたお盆を持ちあげようと手をやり、

「あ、名前を、言ってません、でした、ね」「馬肥 隼(うまこやし はやぶさ)です」

824鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/10/01(木) 00:51:08
>>823
「ふう、飯の時間ももうすぐ終わりだなぁ。
 そうだな、ここで締めと行くか。」
とつぶやくと、軽く席を立ってお盆を持ち上げた。

「おう、馬肥…いや、隼ちゃんでいいなー。
 ウチの名前は代々薙 鶫(よよなぎ つぐみ)っていうんだ。
 またあった時には、よろしく頼む。」
そう言って一足先にトレーの返却口へ向かっていった。

「まぁ、例えばうまい野菜とか…かな?」

825馬肥 隼『ベジタリアン・ミート』【高三】:2015/10/01(木) 01:04:10
>>824
「ええ、またの時には、『野菜』を、用意して、おきますね」

トレーを返却する前に、もう一度水を汲み、飲んでから返却しに向かった。

826鶫『ザ・ナンバー・オブ・ザ・ビースト』【大二】:2015/10/01(木) 01:11:45
>>825
「ああ、そん時にまたな〜。」
そう言って彼女はトレーを返却して、
一足先に食堂から去っていった。

827葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/04(日) 23:25:00

コウモリのような黒いリボンを風に揺らし、歩いてくる。
髪は赤、瞳も。その装いはハロウィーンを先取りしたような黒装束。

           ピ タ ――

学園に来るのは二度目。
慣れては無いが――道は覚えた。何事もなく、来れる。

      (……今日は先生に会わなきゃ。)

葉鳥 穂風は学校に通いたい。
そのためには――

「……」

(勝手に入るわけにもだしなあ……)

         キョロ

遠巻きに校門を眺める。先生が立っていたりはしない。
時間帯はちょうど、お昼休み。

828イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/06(火) 23:32:06
>>827

     「ん」

少女が校門から出てくる。
へその出た水兵服、大胆に足を露出したショートパンツ。
流石に肌寒いのか、上にジャンパーを羽織った、小柄な少女。
ジャンパーのポケットに手を入れながら校門から出て、何気なく視線を左右に巡らせたところで、穂風の姿に気づく。

      「よォー、ホフリじゃねーの」

右手をポケットから抜いてひらひらと振り、穂風の方へと歩み寄る。
ニッと吊り上げた口角からは、鋭い歯が覗いていた。
以前、会った顔だ。話した顔でもある。

    「また会ったなァ。どーしたよそんなとこでよォ」

829葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/06(火) 23:41:22
>>828

「あ……イザベル、さん。」

     ペコ

    「あの、こんにちは。
     じゅ、授業……終わったんですか?」

(寒そうだな……)

頭を大きく下げる。
黒いリボンが、また大きく揺れる。

      ト トト

穂風から、小走りで駆け寄る。

「あの、その……」

      ・・・・やや声を落とす。

      「が……学校の、偉い人に会いたくて。」

真剣実のある顔。
そして、声色だった。

「どうやったら……会えるでしょうか?」

穂風は、明らかに目的があってここにいた。

830イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 00:03:57
>>829

    「おー、つってもこの後四限あるんだけどな。
     三限は授業取ってねーから、外に飯でも食いに行こうかと思ってよ」

そういうことらしい。
授業の中抜けは大学生特有の概念なので、穂風に理解できるかどうかは少々疑問が残るが。
イザベルはニシシと笑って、右手をまたポケットに突っ込んだ。

   「ん……」

しかし声を落とす穂風の様子を見て、こちらも真剣な顔をする。
どうも、世間話という風でもないらしい。

      「学校の偉い人……っつーと校長とか理事長とかか」

なんだってそんな人に用が? と小首を傾げて。
しかもこの物言い、明らかに『部外者』の発言だ。生徒なら普通に校長室にでも行く。
イザベルは穂風のことを『どこか余所の学校に通っている女の子』と認識していたが……平日のこんな時間に部外者が来るものか?
そういえば前も会ったのは昼過ぎ頃。
普通の中高生なら、授業を受けている時間帯だった。

     「まァ事前に話通すなりすりゃあ会えないことも無いとは思うけどよ。
      なんだってウチの偉い人なんぞに用があるんだ?」

831葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 00:16:24
>>830

「あ……そっか。
 大学は、自分で授業、選ぶんですよね。」

    ニコ

      「えへ、漫画で見ました。」

小さく笑みを浮かべる穂風。
どうでもいい知識は持ち合わせる。

       ス 

すぐに表情を真剣なものに戻した。

「は、はい。その、校長先生とか……です。」

(あ……そ、そうだ……
 イザベルさんには学校のこと、言ってない……)

         ・・・・見落としに気づきつつ。

とはいえ、穂風は決意した。
ここで引き下がっていてはだめだ。

         「あの……その、その……
          この学校に、入りたい……からです。」

「……学校に入って、あの、いろんなことが……したいから。
 偉い人に会って、どうやったら入れるか、聞こうと……思いまして。」

……言葉は思ったより、素直に出てくれた。
言い終えた穂風は、小さくうなずいた。

832イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 00:32:55
>>831

   「……おまえ、学校行ってないのか」

思わず、驚きの声が漏れた。
日本と言う国は、教育を義務化している。
教育の普及率で言えば世界でもトップクラスだ。
学校にも行けないストリートチルドレン、なんてのは日本じゃまず見ない。不登校なら話は別だが。
だが、この穂風の物言いは、どちらかと言えば前者のそれだ。
学校に通っていないから、どこの学校にも在籍していないから、学校に行きたいと彼女は言っている。
……流石に少し驚く。珍しい。異常と言ってもいいぐらいだ。
だが……それだけに、真摯に対応してやらなきゃいけないな、とイザベルは思った。

    「あー……」

       「……ま、そうだな。そりゃ偉い人に聞くべきだ。
        適当な先公捕まえてもいーけどよ」

                ポリ ポリ

頭を掻く。
一介の学生には、ちょっと手に余る案件だ。

     「しかしおまえ、今までどうやって暮らしてたんだ? 親とかはいねェのか?」

         「ああいや、言いたくなければ話さなくてもいーけどよ。
          でもこういうのって多分、保護者の許可とかいると思うんだよなァ……」

親がいるなら、普通は学校に通わせてもらっているだろう。
つまり何かしらの事情があるのは間違いないが、それが込み入った事情なのは間違いない。
さて、踏み込むべきか、踏み込まざるべきか。少し困った顔をした。

833葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 00:52:41
>>832

      「……は、はい。」

頭を掻くイザベル。……穂風は少し俯く。
その顔、肌には傷などないし、栄養不良の気もない。
身なりも小奇麗だし――単なる『ストリートチルドレン』には見えない。

       ・・・・少し沈黙する。

「そう、ですか……親の、許可……」

考えたことはあった。目は――逸らしていたかもしれない。
どこまでも穂風を縛る鎖。

            ギュ

小さく拳を握る。

「親は……いません。少し前に、家出、してきたので……
 だから。いるけど……いません。」

          「……会いたく……ない、です。」

言いたくないわけではない。自立は寧ろ、誇りだ。
穂風は、またうつむく。

           キュ ・・・

          ・・・・唇をかむ。
              少しだけ鋭い犬歯で。



「どうしたら、いいんだろう。」

少しの間を置いてようやく、それだけ呟いた。

学校には――行きたい。
けれど、親が……その鎖が。

834イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 01:21:56
>>833

     「…………そーか」

家出――――家出。
なんて安っぽい言葉なんだろうか。
見たとこ中高生程度の少女が、家出をしたという。
親はいるけど、会いたくないという。
まったく、安っぽいにもほどがある。
言葉にしてしまえば、『反抗期』の一言で済まされてしまいそうなそれ。

だが、しかし。

      「……参ったね、どーも」

――――こいつ、学校に行きたいって言ったんだぜ。
元々どっかの学校に通ってるのなら、『転校したい』ってのが正しいだろ?
……違うんだな。おまえは、親に学校に通わせてもらってなかったんだな。
病弱って訳でもなさそうだ。
虐待されてるってわけでもなさそうだ。
こいつ、昼間っから八百屋でバイトできるんだぜ。
どうやって暮らしてるのか知らないが、こいつは働いて金貰ってるんだぜ。
それで、『自立』しようって言うんだぜ。


        「――――見捨てちゃ、女が廃るわな」


それは少し、勘弁願いたい。
イザベルはニカっと笑い、ドンと自らの胸を叩いた。

    「いいぜ、ホフリ! 手ェ貸してやる!
     ……つってもアタシもそんないい知恵があるってわけでもねーんだが」

ツラいところだが、事実だ。すぐに困った顔になる。
先ほども言ったが、一介の学生には手に余るのだ。
腕を組んで、ウンウンと唸った。

         「とりあえず、戸籍がどーなってっかだなァ。幼稚園とか小学校に行ったことはあんのか?
          つーか親が捜索願い出してるのかどーかもか……出してそうだと思うか?
          親がおまえの事連れ戻したいと思ってそうなら、ちょっと面倒だぜ」

835葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 01:43:16
>>834

「……」

(……やっぱり、無理なのかな。
 私だけじゃあ、出来ないことも、ある……)

            (わかってはいるけど。
             けど、でも……)

「――――え?」

     「あ」

          「う」

やや俯いたまま――イザベルの顔を見る。

         ジワ

頼もしい――な。
心の底から、そう思えた。

    「は」

          「はいっ……!」

   「ありがとう……ございますっ!」

            パァァ ・・・・

「本当に……本当にっ。
 私……ありがとう、ございます。」

雨雲が晴れるように、笑顔が浮かぶ。
だが、すぐに。

「……幼稚園も、小学校も……行って、ないです。
 ずっと、お家で……勉強してました。」

            コク

小さく頷く。

「捜索……分からない、です……」

出ているなら――とうに連れ戻されていて、おかしくない気もする。
だが、出ていないとしたら、その理由は?

               ・・・・曇る。

「ずっと、閉じ込めてたくせに……
 ……いえ、出ていない方が、ずっといいんです。」

          「でも……なんで。」

穂風には分からない。
15年過ごした吸血鬼の館は――何を。

836イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 02:03:16
>>835

              アミーガ
   「気にすんなよ、『お友達』。
    だいたい、礼ならおまえが学校に通えるようになってからだろ?」

ニヤリと笑って、ウィンクをひとつ。
俯く穂風の視線を、見上げて真っ直ぐ見つめ返す。

     「勉強はしてた、と……学力調査とかは、まァ後回しでいいな」

まずは、親の問題をどうするか、だ。

        「家の方の動向はわかんねェかァ。
         まァそうだよなァ。するってェと大分不気味だが……」

閉じ込められていた、という。
……時代遅れの、座敷牢のようなものだろうか。
しかし、彼女が『忌み子』であるようにも思えないが。
目と髪の色か? 赤い瞳が珍しかったか? ……推測の域は出ない。

     「…………」 「なぁ」

少し悩んでから、切り出す。
穂風の顔は曇っていた。それが少し、心苦しい。

       「思い出したくもねェかもしれねェけどよ……
        おまえが家でどんな暮らしをしてたのか、教えてくれねェか。
        おまえの家はどんな家で、どんな奴が住んでいて、どんな風に暮らしていたのか」

     「――――聞かせちゃくれねェかな」

837葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 02:20:11
>>836

「……は、はい。そう、ですよね。」

    コク

穂風は小さく頷いて、同意する。

   「けど……その。
    ありがたい、のは……今も、です。」

そう、付け加えた。
話を聞いてくれて、協力してくれる。
それが……どれだけ、ありがたいか。

           ・・・・そして。

「……家の話は……」

        
           ぽつ

      ぽつ
 

「いや、話さなきゃ――
 私が、話さなきゃ……駄目だ。」

        ――雨が、降り始めていた。

「イザベルさんに……なら、話します。
 協力、してくれる……それなら、私は……話すべき、です。」

       コクリ

穂風は、少しだけ空を見てから、頷いた。
雨脚は少しずつ、早くなり始めていた。

         ポツ
       ポツ

           ポツ

「……どこか、入りませんか……その。
 雨にぬれたら、風邪、引いちゃい……ますし。」

        パチャ

両手の掌を上に向けて、雨粒を受ける。

          ぐいっ

それから、服についていたフードを、被った。
雨は――穂風の味方だ。いつでも。

838イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 02:39:02
>>837

    「……おう、頼む」

無理はするな……とは、言えまい。
こちらからせがんだことだ。
それに、彼女が決意したことだ。
だったらそれは、無理して話す必要はない、なんて言うことは、穂風への侮辱になる。

      トッ
           トッ
        トッ

雨粒がジャンパーを叩く。
……このジャンパーにフードはついてない。傘も、持ち合わせは無い。
半ば反射的に空を見上げた。雨粒が目元を叩き、しかめっ面になる。

       「……だな。どっか入るか。
        『シケ』ってわけでもなさそーだが、わざわざ降られることもねェ」

そう言って場所を移そうという穂風の言葉に同意を示し、ジャンパーの前を閉めた。
学校に入る……というわけにも行かないだろう。
行くならどこか適当なところ。

    「すぐ近くに、カフェがあってよ」「とりあえずそこに行くとしようや」

微笑―――イザベルにしては珍しいそれ。普段はもっと快活に笑う――――を浮かべ、足を最寄りの喫茶店に向ける。
右腕を頭の上にやって雨を避けながら、穂風を先導するように先を歩いた。

839葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 03:18:33
>>838

「……はい。」

静かだが、強い口調だった。
そこに迷いが一切なかったかは――わからない。

      ざ

         ぁ
          ぁ
            ぁ
               ぁ
                 ・
                  ・
                   ・

    「……」

  トトト トト

       トトト ……

フードを、背中を雨粒が叩き、水がしみこむ。
穂風は俯きがちに、しかし足は止めず、歩いた。

         ・・・・

       ・・・・

どれくらい経ったか。
喫茶店のドアが、目に見えていた。

   パチャ

足を止めた。
足元の水たまりが少し揺れた。

      「あの、ここ……ですか?」

    ザァァ

         ザァァァ

雨音よりはっきりと、穂風は聞いた。

      トトト

            トトト

840イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 21:59:52
>>839

ザァザァと降りしきる雨の中を進む。
腕で雨を受けても、そんなものは気休め程度にしかならない。
ジャンパーはある程度水を弾くが、髪や脚はもうずぶ濡れだった。
それでも、とにかく歩いてしばらくすれば喫茶店。
扉の上の屋根の部分に跳び込んで、髪をかき上げる。
癖の強い紺色の髪を、額を空けるように乱雑に後ろに流す。
髪の端からは、ぽたぽたと水滴が滴り落ちた。髪が含んだ水分が、指で押し出されたらしい。

       「おう」「ここだここ!」

   「ヒヒヒ、しっかし随分降られちまったなァ!」

何がおかしいのか、からからと笑いつつ。
雨音に負けないように、少し声を張って。
濡れた手をぷらぷらと振りながら扉を開いた。

          チリン
           チリン

店に入れば、シックな雰囲気の喫茶店。
昼時だというのに客はまばらだ。
天気のせいもあるかもしれないが、元より下校中の生徒をターゲットにした店なのだろう。

         「店員サンよォ、悪ィんだけどタオルかなんか貸してもらえるか?」

出入り口から店員に頼むと、すぐにハンドタオルを二枚持ってきてくれた。
雨宿りに来る客を想定していたのか、対応は早い。

       「おう、ありがとな!
        あ、それとカフェオレとナポリタン頼むわ」

礼を言いながらタオルを受け取り、同時に注文。
当然だがまだ席にもついていないし、メニューも見ていない。
一応表にメニューの一覧はあったが、そもそもよく来ているのだろう。
片方のタオルを穂風に投げ渡しつつ、自分はタオルでジャンパーや脚、髪についた水を簡単に拭い。

          「ホフリもなんか食うか?
           話聞かせてもらおうってんだ、飯代ぐらい出すぜ」

841葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 22:18:23
>>840

「……は、はい。」

(私、『雨女』……なのかな?)

入店する穂風。
フードを脱ぐ。

      ベチャ

雨から身を守る手段はあったけれど。

          チリン
           チリン

「ええと……お邪魔します。」

     グシ

        グシ 

やや乱れた髪を手で直す。
片側だけ伸びた、薄い紅色の前髪。

  パシ
 
      「あ――、ど、どうも。」

   ぐし!

      ……グシ

          グシ

タオルを受け取って、濡れた顔を拭く。

    パッ

「ぷは……」

……顔からタオルを離す。

       バサ

髪に隠れた左目が垣間見えるが――やはり、異常はない。
右目と同じ、意志を内に秘めた、赤黒の瞳。

「イザベルさん、常連さん、なんですね。
 なんだか、かっこいい……です。」

       ニコ …

注文が手馴れて見えた。
小さく笑みつつ、タオルで服の水気を取る。

「あ、じゃあ、ええと、その……
 ホットケーキ……と。ミルクティーを。」

        「あ……お代は、その、私が。」

穂風は、自分の分は自分で払いたい。
それは、穂風の一種の――自立に対するほこりだった。

842イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 22:40:25
>>841

  「おいおい、店に入るのに『お邪魔します』はねーだろ」

からかうように笑う。
……つまりそれは、そんなにも『世間知らず』にならざるを得ない育ち方をしたということだが。
だが、気を回し過ぎるほうが失礼なんだろうとイザベルは思う。
彼女は強い。腫れものに触るような態度は侮辱になる。

     「ヒヒヒ、なんだアタシがイカしてるって今更気づいたか?」

       「まっ、ウチの生徒は常連多いけどな。
        小中高大と一貫のマンモス校だからよォ。
        自然と通学路にある店にゃあ詳しくなるのさ」「アタシは高校からだけどよ」

実際、客はまばらと言ったが……その数少ない客に、大学生と思わしき姿がいくつかある。
イザベルも秋映に通うのは今年で6年目だ。他の連中は倍ほど通っている。
それなら、嫌でも周辺地理には詳しくなるものだろう。
そんな話をしながら、適当に二人掛けのテーブル席に座る。
カウンター席も空いていたが、正面から向かい合って話せるテーブル席がふさわしいだろう。

         「チッ、先輩風吹かすの失敗しちまったぜ」

お代は自分で払うという穂風に、冗談めかして答えてから。
スッと真面目な顔をして、紺色の鋭い瞳を穂風に向けた。

              「…………………んじゃまぁ」

      「――――改めて、聞かせてくれや」

             「おまえが、今までどうやって暮らしてきたのかよ」

843葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 23:05:39
>>842

「あ……す、すみません。
 おかしかった、ですか。」

      「えへ……」

         ペコ

やや俯く。ショックとかでなく、照れらしい。
漫画なら汗のエフェクトが散っているだろう。

   キョロ
      キョロ

         ・・・・店内を見回す。

「あ……は、はい、いまさら。」

       「……私も。
        私も、なりたいな……常連。」

   コク

頷いてから、向き直る。
その目はずっと、真剣みを失っていないまま。

   ザァ  
      --  
         ・・
            ・ ・

      窓の外では、いまだ止む様子のない雨。

「……す、すみません。
 けど、自分の食べる物……ですし。」

      「……」

鋭い目を向けられても、今さら臆さない。
雨の音が遠く聞こえる。

「……どこから、話せばいいのか……だって、15年です。
 生まれた日から15年間、私は……あの家で、育てられました。」

      「……」

    ザァ
       ァ
         ァ

「あの家は。」

       「……キューケツキを、信じてるんです。」

あの日もこんな雨だったなあ、と穂風は思った。

844イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/07(水) 23:22:19
>>843

    「……ああ、なれよ」「常連にさ」

……そのための障害は、多いかもしれないが。険しいかもしれないが。
なりたいのなら……なるべきだ。
なれないのなら、ならせてやるべきだ。
こんなに普通で、こんなに可愛くて、こんなに強い女の子なんだぜ。

        (…………やりたいことは、やらせてやりたいよな)

本心から、そう思う。
雨粒が窓を叩く音と、穏やかな店内BGMが合奏をしていた。
……このコンサートも、しばらく続きそうだ。
つまり、話す時間はたっぷりあるということだ。
別に、雨が止んだら外に出なきゃいけないというわけでもないが。

         「…………」

そして、頬杖をつきながら話を聞く。
視線はずっと穂風に向けられたまま。
15年という歳月を、しっかりと受け入れるために。

            ヴァンピーロ
     「――――『吸血鬼』ォ?」

――――そして、その15年は……否、その『家の歴史』は、中々に頓狂であるらしかった。
思わず驚いた顔をして(事実驚いている)、目を見開いた。
構えてはいたが、予想外の方向からフックが飛んできた感覚だ。

845葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/07(水) 23:39:10
>>844

「……きっと。」
   
短い言葉だったが、決意はあった。
これからもずっと、この町で。学園の通り道の、この店に――

        ・・・・そして。

「ヴァン……ピーロ?」
     
「あ……ええと。
 ……多分、それで合ってます。吸血鬼…………」

         「……です。」

イザベルの、驚いた顔。
ああ、それはそうだと、穂風は思った。

(私だって――)

     ス - 

息を吸う。

          ・・・・あの15年! 

「……いつからなんでしょう。
 50年か……100年か……ええと、ずっと、ずっと。ずぅっと……」

        「親の、その親の。
         ……わからないです。ずっと。」

穂風が生まれるより、もっと前から。
あるいは穂風の親の――

     ・・・・紡がれてきた。

「……そうしてきた、そうです。
 吸血鬼みたいに、おかしな……おかしなしきたりを守って。
 そうすれば、一族は……ずっと、栄光の中にいられる、って。」


     「……私も、そう言われてきました。
      15年間、あの家の中で、ずっと。」


家から出た記憶は――数えるほどしかない。
おぼろげな記憶だ。

        ・・・・今となってはどうでもよかったこと。
            今自分は、ここにいるのだから。

846イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/08(木) 00:01:16
>>845

   「ああ、悪ィ悪ィ」

     「吸血鬼な、吸血鬼……」

反芻するように、繰り返しその言葉を紡ぐ。
飲み込むのに少し時間はかかったが……吸血鬼、と来たもんだ。
続けてくれ、と手で示し、穂風の告白に耳を傾ける。

       「…………」

ずっとずっと続く、家の歴史。
家が繁栄し続けるための、奇妙なしきたり。

――――イザベルは思い出す。幼いころ、父に聞いた話を。
イザベルの祖先は、昔海の向こうからスペインにやってきた船乗りだったという話。
我が家は誇り高く勇気に溢れた、海の男たちの血を引いている、と。
そんな話を、父が誇らしげに語っていたことを覚えている。
イザベルにとってもそれは誇りだ。
勇敢な海の民という『血の歴史』は、誇りとして自らにも刻まれている。

だが――――彼女のそれは、そういったものでは無いように感じた。
それは妄執とか、呪いとか、そういった言葉で表現するべきことであるように感じた。
家のための、栄光のための、狂気じみたおまじない。


          「……『吸血鬼の一族』、か」


なるほど、確かにそれなら、外に出ることは少ないだろう。
伝承によれば、吸血鬼は陽光を嫌う。故に、昼間を嫌う。
彼らは夜の生き物で、館に住まうお貴族様だから。……普通、外には出ない。

    「それで……ずっと、吸血鬼みたいに暮らしてたのか?
     家族みんな、揃いも揃って?」

847葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/08(木) 00:15:33
>>846

「……」

     コク

イザベルの疑問に、穂風は頷いた。
色白の肌。少しずつ、日に焼けてはきたけれど――

        ・・・・顔を上げる。

「家族、みんな……です。
 雨の日には、外に出ない。ニンニクは、食べない。」

      「銀を使わない。
       十字架は目に入れない。
       日に当たらないようにする。」

             「……」

つらつらと言葉を並べる。
子供のごっこ遊びのような――それが戒律だった。

             ・・・・繁栄のための。

「私も、15年……ずっと。その、信じていました。
 私は、こうしていればいいんだって。多分、ぜいたくな暮らしでした。」

そうすれば、幸せの中にいられるから。
毎日の食事は豪勢で。
館は広くて。
使用人がいて。

       「でも……
        でも、それは。」

「知らなかった……から。
 イザベルさん、にんにくって、不思議な味ですよね。」

      「お日様って……
       悪い物じゃ、ないんですね。」

    ニコ ……

穂風は、安心したような――あるいは、誇り高い気持ちで言った。
その表情は、薄い笑みだった。

848イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/08(木) 00:49:36
>>847

    「………………」

――――それは、幸せな暮らしなのかもしれなかった。
閉鎖された箱庭。
変わらない楽園。
その奇妙な形の鳥籠の中で暮らすことは、鳥たちにとっては幸せなことなのかもしれない。
同じことを繰り返しているだけで、幸せに暮らせる。
ああ、確かにそれは、縋りたくなるほど素敵なことなのだろう。

……だが。

     「…………ああ、そうだな」

小鳥は、外の世界を知ってしまった。

       「知ってるか? 駅前に銀細工の店があってよ。
        気に入ってんだ。たまにイヤリングなんか買ったりしてサ」

耳元にかかった髪を手で梳くと、耳には銀の錨が吊り下がっていた。
お気に入りのイヤリングだ。似たようなものを、いくつか持ってる。

     「雨の日はちょっとユーウツだが、傘を差して歩くのも悪くねェ。
      そんでこうして、カフェで雨宿りってのもな」

ちらと外を見やれば、雨粒が不規則なリズムで窓を叩いている。
演出屋気取りのパーカッション。チップを弾むには、ちょっと自己主張が強すぎるが。


          「――――学校だって、楽しいぜ」


       「世界ってのは知らねェことがたくさんあって、眩暈がするほど広大だ!」


だから、そう。
やっぱり彼女は、葉鳥穂風は、やりたいことをやるべきだ。
小鳥は外の世界を知り、鳥籠を出てしまったのだから。


……………そのタイミングで、ウェイトレスが料理と飲み物を持ってくる。

              「おっ、来た来た」

待ってましたと言わんばかり。
フォークを手に取り、くるくると回してナポリタンを絡めとりながら。

           「――――そんじゃ」「考えるとすっか」

                  「おまえが学校に行く方法を、さ」

そう言って、悪戯っぽくニヤリと笑った。

     「……どーもその感じだと、多分おまえのこと探してると思うんだよなァー。
      一族の者がしきたりを破っちまったんだろ?
      ってことは家が『栄光のレール』ってのから外れちまうわけで、どーにか連れ戻さなきゃならねェってのが筋だろ」

849葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/08(木) 01:07:04
>>848

「私は……いろんなことがしたいんです。
 皆より、15年も、遅れちゃったけど……」

雨の音はもう、気にならない。
少なくとも穂風には。

         ・・・・それより、もっと。

   「だから」

        「その分……全部! これから……全部……
         食べきれないなって、思うくらい、私も……」

       コト

ちょうど、注文の品が来て。

「……はいっ! 考え、ましょう。
 どうやったら……学校に行けるのか――」

          グニュ

      ヌロ
        ォ〜〜

ホットケーキのバターを、フォークで潰して塗りたくる。

     トプ
       トプ

小さなポットに入った蜂蜜を回しかける。
それから、手を合わせて。

「……いただき、ます。」

       ・・・・そして。

    キコ

ナイフで生地を切り取りつつ――

「……どう、なんでしょう。
 それなら……それなら、もう、見つかってるんじゃ……?」

       「……」

穂風ですら――親が何を考えているかなど、分からない。
親の心、子知らず。逆もまたしかりだが。

「どうしたら、いいんでしょう。
 説得なんて、出来るわけないし……」

        「……」

           ・・・・葉鳥家においては、なおさらだ。

850イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/08(木) 01:34:45
>>849

         ニッ

      「おう。知りたいって気持ちを止める権利は、誰にだってねェんだ」

          「くだらねぇ家の事情なんざ、ぶっ壊しちまおうぜ」

あえて、くだらないと断じよう。
家の繁栄とか、そんなものはくだらない。
穂風の勇気と欲求に比べれば、ずっとずっとくだらないものだ。

       カチャ
          カチャ

   (礼儀もそうだが、やっぱ行儀もいいのな。
    教育自体はちゃんとされてたってことなんだろーが……)

ともあれ、イザベルもナポリタンを食べ始める。
穂風とは対照的に、肘をついて食器の音も鳴らして、随分お行儀が悪い。

           ア   ム

        モム
                  モム

大口で頬張って、口元についたケチャップを親指で拭いつつ。

      「そこなんだよなァ。
       もしかすると、おまえの家も『外』をよく知らねーから探し方がよくわかってねェのか?」

それはちょっとだけ、有り得そうな話ではある。
幼いころから屋敷の中で暮らしてきた一族が、外界のシステムに精通しているのか? という話だ。
警察に電話して捜索を願う、ぐらいのことは知ってそうでもあるのだが……

        「……あるいは、警察には頼れない、とか」

           「おまえ、学校行かせてもらってなかったんだろ?
            確かそれ、この国じゃ『罪』になるんだぜ。教育は親の『義務』だからな」

罪が露見すれば、閉鎖された一族に司法のメスが入ることになる。
その介入を嫌った、とか。

    「とすると、探すなら自分の一族以外の奴を使いっぱしりにしてんのかもなァ。
     使用人とか、そもそも外にツテが一切ないとも思えねーし」

司法に頼らず、自らの手駒で連れ戻そうとすれば、効率は随分落ちるだろう。
仮に『家』が穂風を連れ戻そうとしているのなら、今の平穏はそういう事情の上に成り立っているのかもしれない……と、イザベルは考える。

        「警察に頼れないのはこっちも同じだけどな。
         結局おまえは『家出少女』で、話せば警察はおまえを家に連れ戻そうとするだろーさ。
         ……暴行とか受けてねーってんならなおさらだ。その方が警察も楽だしよ」

      「頼れる弁護士とか知り合いにいりゃあ相談できたかもしれねェけどなァ」

まぁ、無い物ねだりをしてもしょうがない。

851葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/08(木) 02:00:43
>>850

          「……はいっ!」

                「必ずっ!!」

   コクッ

短い返答だった。
だが、意志はそこにあった。

          スッ

      スッ

ナイフで器用に生地を切っては、口に運ぶ。
大口は開けない。

      「……」

   パクッ

時々覗く犬歯は、少しだけ鋭い。
けれど、人間の歯だ。牙ではない。

              ・・・・ともかく。

「分からない……です、けど……
 学校には……ずっと、お家で勉強してた……から。」

            「先生は……ええと。
             皆、家の人じゃなかったと思います。
             こっそり、外の話、聞いたり……したので。」

    コッ
        コッ

ミルクティーのカップを傾ける。
ゆっくりと――だ。

           「は……」

温かい息を吐く。
雨で冷えた体には、ほっとする味だった。

「……外のこと、何も知らないとかじゃ、ないと思います。
 その。使用人の方たちも、外の人……だった、と、思います。」

         「すみません。
          ……私も、よく、わからなくて。
          家の、その、仕組みとかは、あんまり……」

イザベルの推理で言うなら――後者が近い、のか?
穂風自身、よくわかってはいないこと。

「弁護士……あの、法律の人、ですよね。
 ……知り合いには、その、いない……です。」

            はぁ ・・・・

思わずため息が出る。
それでも、学校には、通いたい。絶対に。

「……保護者無しだと、本当に無理、なのかな。」

         ・・・・ひっくり返すようなこと。

可能性にはすがりたい。
その目は決してふざけてはいない。

852イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/08(木) 02:26:07
>>851

    「まぁ流石に外とは一切関わってませんーなんてこたァねェわなァ」

そりゃあ、どこかしらで外の情報を知る必要はある。
極論、急に国が戦争になってしまったりするかもしれないのだし。

              カチャ
         カチャ

   「とするとやっぱり、『追っちゃあいるが警察には頼らず自分の手駒を動かしてる』って線かねェ」


          ア   ム

       モム
                モム

          ゴ
            ク
            ン

ナポリタンを食べながら、思案する。
……とすると時間的猶予はありそうだが、法的な解決もまた難しい。

          「まァおまえが謝るこっちゃねェよ。
           弁護士にしたって、いたらよかったなって話だしよ」

        ズズズ…

カフェオレを飲み、ふぅとため息をつき。

       「んあ?」

            「…………んー、普通は無理だと思うけどなァ。
             事情を話してわかってもらえるかっつーと、ちょっと微妙なとこだわなァ」

警察の時と同じだ。
普通の学校なら、そんな生徒は受け入れまい。普通の学校なら。

         「……でもまァ、こうして手ェこまねいてるよりはよっぽど建設的か。
          信用できる先公でも探して、相談してみるってのはアリかもな」

   「話す相手は、選んだ方がいいんだろーけどよ」

853葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/08(木) 02:53:22
>>852

     ス

        ス

  ヌロ 〜

「……そう思うのが、その、良さそうですね。
 一番、自然な気がしますし……」


       クルン

はちみつとバターの混ざったのが、溶け落ちる。
生地でそれを巻き取るようにして――

         パク

   ・・・・

       ・・・・

            ゴクン

      「……」

「……は、はい。そう、ですね。
 法律……かあ……
 いたら、いいんですけど……本当に。」

          コッ
             コッ

それも、素直に協力してくれる、専門家が。
ミルクティーを二口ほど飲む。

            ・・・・そして。

「信用できる、先生。
 そう、ですよね。普通は、無理なんだし……」

そもそも先生の知りあいがいない。
学校に入らずに、先生と知りあいになれるのだろうか――

          (やっぱり、難しいな……
           今すぐには、出来ない、かな……)

「あの、その……
 イザベルさんに、心当たりって――」

      「あ、その、信用できる……先生の、です。」

穂風の中に家との和解はない。
となると――見つけなければならない。足がかりを。

         ゴク

           ・・・・ミルクティーを大きく飲み込む。

854イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/08(木) 03:22:50
>>853

    「流石にアタシも弁護士の知り合いはいねェからなァ。
     法学部にすら知り合いいねーよ」

それに関しては、まぁ大抵の人がそうだろうが。
実際に世話になった人でもなければ、弁護士の知り合いなどそうそういるまい。

        「頼れる先公の心当たり、なー」

      モム
             モム

それを問われると、バツが悪そうに頭を掻く。

      「いや、アタシも海洋学の授業は真面目に受けてんだけどよォ。
       それ以外はからっきしってんで、先公とはそんな折り合いよくねェのよな……」

問題視されている、とか、そこまでのことではないが。
……とはいえ、信用できる先生、と言われてパッと思い浮かぶ人物は特にいなかった。

           「……けど、んなこと言ってる場合でもねーわな!
            おまえは学校に入れねェんだし、アタシがどーにかするっきゃねェか!」

しかし、そんな事情に甘えている状況でもあるまい。
ここだひと肌脱がねば、それこそ女が廃る。

        「悪ィな。こんなことならもうちょい優等生しときゃ良かったわ。
         少なくとも、今日明日にどうにかってのは難しそうだ」

カフェオレに口をつけながら、少し……いや、かなり申し訳なさそうな顔をした。

855葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/08(木) 03:39:41
>>854

    カ チャ 

   グィ
    グィ


食器を置き、口元の汚れを紙ナプキンで拭く。
別に食べ終えたわけではないが。

「あ……う、す、すみません。
 ほんとは、私が、探すべき……なので。」

      (無茶な事、言っちゃった……な。)

甘えてしまったか、と穂風は思う。
自立の心――それが大切だ。

           だから――

「……えっ、あ……い、いいん、ですか?
 あ、う、いや、謝ってもらうような、ことじゃないです。」

      「むしろ」

だから、それを受けてくれる人は。
甘えさせてくれる人は、とてもありがたい。

  「その……」

     「……本当に、本当に。
       ありがとう、ございます。」

      ペコー

大きく、頭を下げる。
ここまでしてくれる人が――そういるだろうか?

「自分でも……探して、みます。
 学校に入るために、必要なもの……を。」

自立は大切だ。
だが――こうして支えてくれる人も、また、大切なのだ。

      (私……いい人と、知り合ったんだ。
        イザベルさん……本当に、ありがとう。)

856イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/08(木) 04:07:42
>>855

    「つっても、こいつはおまえじゃやれねェだろ?
     『適材適所』って奴だよ」「アタシが適材とも思わねーが」

苦笑気味にはにかむ。
答えは最初から決まっていた。

      「手、貸してやるっつったろ。
       アタシはおまえみたいな奴、好きだしよ」

         アミーガ
   「それに『ダチ』見捨たとあっちゃあ、いよいよ女が廃らァ!」


含みの無い、性根から出た言葉だった。
もっといい知恵を出してやれる奴もいるだろう。
もっと具体的に力になってやれる奴もいるだろう。
だが、今穂風に力を貸してやりたいと思っているイザベル・ドレーク・ノルダーノという女は、他にいるわけじゃないのだ。
手を貸したいから、貸す。それだけのシンプルな考え。

        「ヒヒヒ。ま、精々恩に着といてくれや。
         そのうち貸し分は返してもらうからよ」

そう言って、イザベルは悪戯っぽくウィンクを飛ばした。

     「おう、そっちも頑張れよな。
      アタシも色々アプローチかけてみっけど、手筋は多いに越したことはねェ」

          「んでおまえ、携帯……は持って無さそうだよなァ」

……バイトはしているにせよ、家賃やら食費やらでカツカツだろうし。
というわけで紙ナプキンを一つ手に取り、ポケットからペンを取り出してスラスラと走らせる。

             「はいこれ、アタシの電話番号。
              人から電話借りるなり、公衆電話使うなり。なんかあったら連絡してくれってことで」

ついと机の上を滑る紙ナプキンには、11桁の電話番号が意外と丁寧な字で書かれていた。

857葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/08(木) 04:32:12
>>856

「適材、適所――」

      「い、いえっ! イザベルさんは……私にとっては適材、です。」

        (自分だけじゃできないことは……
         他の人に、手伝ってもらってもいいんだ。)

穂風はまだまだ何にもできない。
だから、それなら、人に手を借りても……いい。

         ・・・・当然のことだ。

(アミーガ……それってきっと、良い言葉なんだろうな。)

「それに、あのっ……その!」

        「私も……イザベルさん。
         イザベルさんみたいな人、その、好きです。」

    ニコ ――

穂風は純真な笑顔で、そう言った。

「だから、その……きっと、必ず。
 恩は……返します。イザベルさんが困ったときに。」

         コク

言ってから、確認するように頷いた。
真剣な表情、だった。

          ・・・・忠義とかではない。
              恩を返したい。その気持ちだけ。

「はいっ! 私も……いえ、私こそ頑張ります。
 それで、その――」
 
           「は、はい……
            携帯は、その……」

連絡先。ついこの間、困ったばかり――
だったのだが。

      スラスラスラ

         ツィー

「あ……」

手元に滑って来た紙ナプキン。
手に取って、イザベルの顔と見比べて。

        「ありがとう……ございます。
         本当に私、その、何から……何まで。」

また、礼を言った。
言い尽くせないほどの礼を、穂風は感じる。

858イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/08(木) 04:55:01
>>857

      「……」「嬉しい事言ってくれるじゃねェの」

穂風にとっての適材……それは、ちょっと良い響きだ。
思わずニヤけてしまうし、少しこっぱずかしくもあるが。
こうして信頼されているというのは、悪くない。
好きだと言われて、純真な笑顔を向けられて。
つられてこっちも笑ってしまう。
イザベルのそれは、太陽のように活力に満ちた笑顔だった。

       「おう、そん時を楽しみにしてるぜ!
        アタシが困ることなんて中々ねェけどな!」

たった今穂風のことで困ってはいるが、それはノーカウントだ。
だいたい、その貸しは墓まで持って行ってしまってもいいのだけれど。
けれど、こうして真剣に返してくれるのは嬉しい。
この真剣さに報いてやんなきゃな、と。そう思う。

    「なァに、イザベル様は立派で慈悲深いお方なのサ。
     それに進展があった時、連絡つかねェってんじゃ単純に困るしよ」

         「世間話でもケンカの加勢でも、気軽にかけろや」

そう言いながらナポリタンを食べ進め……気づけば、もうそろそろ完食だった。
一口が大きいので、食べるスピードが多少早いのだろう。

  「さァて、ぼちぼち四限も近いし、学校に用事もできちまったし、さっさと食って引き上げるかね」

        「……ああ、そうそう。
         そういやおまえ、今どこに住んでるんだ?」

最後の一口を巻き取りながら、そう尋ねる。

859葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/08(木) 05:13:24
>>858

「……お世辞とかじゃ、ないです。」

        ス

          パク

     ・・・・

    ・・・・

「……」

    ゴク

       「ごちそう、さまでした。」

               パン

手を合わせて、言う。
それから――

「はいっ。電話……何かあったら、かけさせてもらいます。」

         コクリ

素直に、頷いた。
本当に立派で、すごく優しい人だって、穂風は思う。

              ・・・・本当に!

「あ、あの。今日は……本当にっ! 本当に……
 ありがとう、ございました。イザベルさん……!」

       「あっ、家……ええと。
        阿武名荘、っていうアパート、です。
        ええと、メインストリート、の方にあります。」

――阿武名荘。

聞くからに危なそうな名前だ。
ともかく、そこに住んでいる。

「その……おもてなしとか、あんまりできないけれど……
 あの、いつでも、来てくださいっ!」

穂風は、イザベルを歓迎する。            
それも、この恩を返すってことだし。

                         (『アミーガ』、だもん。)

    サァ ァ ・・・

雨はほとんど上がっていた。

860イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/10/08(木) 05:42:19
>>859

    「あい、ごちそーさんっと」

ナポリタンを平らげて、カフェオレを飲み干して。
穂風に合わせて、しかし適当に『ごちそうさま』を。
手なんか合わせるどころかひらひらしている。

   「ったく、アタシは今日だけで何回礼を言われりゃ済むんだ?
    向こう数ヵ月分は言われた気がするぜ」

からかうように笑ってそう言いながら、席を立つ。
けれど、それは穂風の素直さと真剣さの証明でもあって。
こうして何度も心からお礼を言う少女だからこそ、イザベルは手を貸してやりたいと思うのだ。

     「阿武名荘、阿武名荘ね。
      ……またスゲェ名前だなァ。覚えやすくていいけどよ」

       「でも、そうだな。今度顔出しに行くさ」

ひどい名前だが、彼女の『城』だ。
招いてくれるというのなら、見てみたい。
穂風の城に、招かれてみたいと思った。


……レジで支払いを済ませて、外に出る。
雨はほとんどやんでいて、早速太陽が顔を覗かせていた。
それでなんだか心が弾んで、人差し指と中指を唇に当ててから前に離す。
いわゆる『投げキッス』を穂風に飛ばして、同時にイザベルは再びウィンク。


                アディオス  アミーガ
               「『あばよ、お友達』ッ!」


         「またな、ホフリッ!」「追っ手がいねーか気を付けろよなッ!」


                  ダ
                   ッ


快活に、太陽みたいにそう言って、イザベルは学校の方に駆けて行く。
最初は首を後ろに向けて手を振っていたが、すぐに彼女は前を向いて振り返らなくなって、そのまま勢いよく駆けて行った。

861葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【部外者】:2015/10/08(木) 06:46:09
>>860

「お礼は……何度でも、言いたいから。
 えへ……それくらい、私……嬉しいん、です。」

        ニコ

何か進展があったわけではない。
けれど――

           ・・・・穂風には笑顔が浮かんでいた。
               それは、つまり、ひとえに。

   「はいっ!
    ……ぜひ!」

店を、出る。
雲間から太陽が見え隠れする。

         サン

           サン

「――はいっ! 気をつけます!
 イザベルさんも、その、気をつけて……」

        「……あ。」

          「ええと……『アディオス・アミーガ』!
           また、また会いましょう、イザベルさん。」

     チュッ

投げキッスも、真似して。

ぎこちない、返礼で返す。
……それからしばらく立ち尽くす。

(がんばらなきゃ……
 仕事も、探すのも……!)

     (追っ手……いるのかな、本当に……)

これからのことは増えたけれど、それも悪くない。
晴れた空の下を、歩いて帰った。

         トコ

            トコ

862小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/14(水) 00:31:40

       パラ
         
                     パラ
ある日の放課後のことであった。
図書館内に一人の女生徒がいた。
女の名前は小鍛治明。

図書委員である。         パラ
                                     
図書館内に設置された本の貸し出しカウンター。         パラ
本来は当然、本を借りる手続きを行う場所だ。

しかし                    パラ
    時には蔵書の場所を聞かれたりもする。
パラ

言わば図書館の窓口である。
そこに、小鍛治はいた。

「……読書週間なのに、暇ねぇ。」

本をめくる手を止め、誰にでも言うわけでもないが呟く。
誰か来なければ図書委員もただの暇人である。

863ヴェガ『レトロスペクティヴ』:2015/10/14(水) 00:52:32
>>862
ニャー

来たぜ、仔猫がな。


       ゴゴゴゴゴゴゴ
                    ゴゴゴゴゴ

全身から存在感を発揮!

          ゴゴゴゴゴゴゴ

       ゴゴゴ
                 ゴゴゴゴゴ


《ア、猫! ドコカラモグリコンダノカシラマー》

              ヒョイ

            じたばたじたばた

ニャー

無情な教員の手で運び去られそうだ。たすけて!

864小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/14(水) 01:10:47
>>863

(あら、猫。)

(蔵書を傷つけられると困るわ。)

図書委員は図書館内の安全を守らねばならない。
態度の悪い生徒がいたら注意をするのも仕事だ。
しかし、猫だ。

(出て行かないと三味線にするわよ。)

念が猫に通じるかは微妙だ。
が、気分の問題だろう。少なくともその眼光は鋭い。

(と、思ったけど。)

「先生。」

「その猫、私に預けていただけませんか。」

865ヴェガ『レトロスペクティヴ』:2015/10/14(水) 01:14:11
>>864(小鍛冶)

《アラソー、ジャ先生職員会議アルカラ》

外国出身の先生は去っていった。
その場に残るのはネコ。仔猫だ。

ピャー

コマンド?  ニア さわる   なでる
           かつぶし  スタンド

866小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/14(水) 01:18:30
>>865

「お疲れ様です。」

教師を見送る。
猫と二人きりになった。
いや、一人と一匹と言ったところか。

「あなた、どこから来たのかしら。」

(動物は人間と違って邪険に扱っていいものと限らないものね。)

とりあえず猫の首辺りを触る。
首輪はしているだろうか。

867ヴェガ『レトロスペクティヴ』:2015/10/14(水) 01:26:10
>>866(小鍛冶)

「にゃおう」

首のあたりを触ると、五円玉を括りつけられたリボンを装備していた。
リボンには『Vega』とアルファベットで刺繍が施されている。

「うるるる……」

     ゴロ ン
             コテーン

おなかを見せて更に撫でよとアッピール。
あとかつぶしください。薄く削いだほうが好きです。

868小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/14(水) 01:46:17
>>867

「ヴェガ?夏の大三角かしら?」

住所はなさそうだ。
となると、誰の飼い猫かがわからない。
分かったところでこの学内で人を探すのは骨が折れそうだが。

「……野生がないわね。別にいいのだけど。」

「人生、何もかも思うようにはいかないのよ。」

撫でない。
今日返された本の整理をカウンター内で始めた。

(今日は漫画の返却が多いわね。)

漫画を読むのは読書ではないというつもりはないが
なんとなく活字が多い本を読んでいただきたいとも思う。

869ヴェガ『レトロスペクティヴ』:2015/10/14(水) 01:49:46
>>868(小鍛冶)
なにィィ――ッ!
かわいさで人が殺せること獅子の如しと言われたヴェガの可愛げが通じない!?

「うるなぁう」

  シターン 

しょうがない。というワケでカウンター内に入りましょう。
さあ、何かないか何か。具体的には球体。もしくはかつぶし。

  ウーロウロ  スンスン

匂いもかいでまわるぞ!

870小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/14(水) 23:39:45
>>869

「これで終わりね。」

「棚戻しは明日の作業ね。」

本をまとめていると、カウンター内に猫がいることに気付いた。

「……三味線よ。」

ポツリと呟いた。
今度は念じるのではなく、きちんと口にする。
三味線にすると。

「あら、あなた本の匂いが好きなのかしら。」

くんくんと鼻を鳴らす猫にそう問いかけた。

「しばらくこれで遊んでおいて。邪魔はしないで。」

カウンターの中にあった置物を猫のほうに寄越す。
木で出来た置物だ。
模様が彫られているが、その形は球形である。

871ヴェガ『レトロスペクティヴ』:2015/10/14(水) 23:50:54
>>870(小鍛冶)

  シャー!

威嚇!
こちらにも迎撃と猫の尊厳の用意あり!

「うみゃーぅ」

寄越された置物に行くとしましょう。
ほうほう、これはよい球なり。

  カリ コロ

             ズギュン!

スタンドを発現!
正八面体を備えたアームの生えたキャタピラのヴィジョン!
ありがとう名も知らない人間のお姉さん! 貢物をくれて!

872小鍛治 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/15(木) 00:06:28
>>871

「いい度胸ね。」

動物であろうと容赦をするつもりはない。
人間の世界である以上人間が力を振り回すのは自然な流れなのかもしれない。
威嚇をする猫であっても容赦はしない。

「なかなか、面白いモノを持っているのね。」

「でも、穏やかじゃないわ。」

椅子から立ち上がる。
視線は戦車からそらさない。
一歩、後ろに下がろうとする。

「敵対行動かしら?それは。」

873ヴェガ『レトロスペクティヴ』:2015/10/15(木) 01:54:46
>>872
球さえくれたのならこっちのモノです。
お姉さんには興味はないのです。特には。
あ、かつぶしをくれるなら違うかもしれません。

   キャタキャタ ピラピラ

『レトロスペクティヴ』はそこらを動いてます。
ヴェガは球をもちあげようとしています。齧っていけるでしょうか。

  ンァン  コロ コロ
          コロ  コロ

……あ、無理だコレ。うなーん。

874小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/15(木) 23:21:44
>>873

「あなた何がしたいのかしら。」

「いえ、猫ですものね。ただじゃれているだけね。」

敵対行動でないならそれでいい。
抜かなくて済む。
小鍛冶明の銃を。小鍛冶明の剣を。

「……」

転がった球を拾おうとする。
しかしその目はしっかりと戦車を見ている。

875ヴェガ『レトロスペクティヴ』:2015/10/15(木) 23:31:14
>>874(小鍛冶)
よし、さっさと持ち帰るのです。
こんなところに用はございません。

 キャラ キャララララ ・ ・ ・ ・

『レトロスペクティヴ』を動かして、床に下します。
そして『球体引き寄せ』を発動するのです。

    ズギュ 
         ヒュルルルル――ッ

球は『正八面体』に引かれていくでしょう。
『レトロスペクティヴ』はそのまま床を走らせます。
そしてこのまま球を持ち帰るのです。

876小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/15(木) 23:39:35
>>875

「あら。」

しばらくの沈黙。
が、すぐに背筋を伸ばししっかりと立つ。

「そういう能力なのね。」

どういう能力かはよく分からないが。
そういう能力なのだとは思う。
球を集めるとかそういうのだろう。

「満足したかしら。」

そのまま帰るのなら見送ろう。
まだ仕事は残っているのだ。
もしなにか仕掛けてくるなら、蜂の巣にするだけだ。

877ヴェガ『レトロスペクティヴ』:2015/10/15(木) 23:52:35
>>876(小鍛冶)

「るるぁあん」

ふはは、ヴェガに不可能はないのです!

   キュルリリリリィィ――ッ

というワケで今日の収穫を持ち帰りましょう。
いい場所です。何度でも来ると決めました。

     シタタタターン

さらば人の子よ。さようなり。

878小鍛冶 明『ショットガン・レボルーション』【高三】:2015/10/16(金) 00:01:53
>>877

「さようなら。」

「ヴェガさん。」

猫を見送る。
そしてカウンターの席に戻る。

「読書週間のマスコットにしようかしら。」

「いえ、駄目ね。本を読まない人に来られると困りますもの。」

ゆっくりと時は過ぎていく。
小鍛冶は作業を再開し、また退屈な時間を過ごすのだった。

879鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/20(火) 21:00:15


   「………」


          ワイ    ワイ

   ガヤ

         ガヤ



      「……、…」


 髪を真っ赤に染めてから、初の登校。
 笑い声溢れる廊下を行く。

880藤堂虎鈴『オリンポス』:2015/10/21(水) 00:42:15
>>879
バァン!

げらげら笑いながら気安く背中を叩いた。

「なンじゃァコータぁお前〜〜〜〜〜〜〜〜?中学デビューゆうやつかァ?」

881藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/21(水) 00:42:49
>>880

882鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/21(水) 01:17:14
>>880-881


>バァン!

   「痛ぃッテェ!!」
    「おっま……、加減しろ、バカ虎ッ…!!」


 張り手を受け、前のめりにつんのめった。
 二、三歩ほどたたらを踏み、涙目で振り返る。痛かったのか、驚いたのか。


  「ち、違げーし……『イメチェン』だし」
    「俺ら、来年には高等部だろ。今の内からナメられないようにすんだよ」

 そして、すぐさま周囲の目を気にするように、視線を泳がせる。

883藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/21(水) 22:21:53
>>882
「お前……それこそ周りからしたらまンま『高等部にあがってナメられんよう髪染めた』ゆうの丸わかりじゃ…。
だいたいここ、エスカレーター式じゃろ?もともと上にもそれなり顔見知り多いンじゃろ?
高等部にあがっても、イメチェン前が知れとったら意味ないわ…………プフッ」

沈痛な面持ちで顔を伏せ、(つり上がった口元をぴくぴくさせながら)頭をふった。

884鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/21(水) 22:40:59
>>883

   「う、うぐッ……!」

 ぐうの音も出ないようだ。
 数秒、恨めしげに藤堂を見ていたが、諦めたように肩を落とす。

   「……変かなぁ、コレ。かっけーと思ったんだけど」

 ツンツンに立たせた赤髪をイジっている。

885藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/21(水) 23:37:31
>>884
「コータぁぁ〜〜〜〜〜〜お前ホントにアホじゃのォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

バンッ

げらげら笑いながら気安く、さっきよりは優しく叩いた。

「うちはイキっとんのもろバレじゃゆうたが、似合わんとはゆうとらんわ。
安心せぇ、こンの男前!!

…………ま、きょどるンはいただけんがの。ナメられとォなかったら、まず髪染めるよりも胸張っとけ」

886鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/22(木) 08:10:15
>>885

「! ……へへ」

 今度はつんのめったりはしない。
 藤堂の激励を受け、嬉しそうに笑う。

「サンキュー。そうだよなぁ。
 俺の方が、この髪型に負けない男になってやりゃあいいんだ」

 一寸前の凹みはどこへやら、早くも立ち直ったらしい。


「それに、女子に褒められるとやっぱ自信出るぜ」
「『一応』、女子な」

 そして、チクリと余計な一言。意趣返しのつもりのようだ。

887藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/23(金) 01:24:53
>>886
「ほぉう………一応、一応、のォ…?
………ゆうやんかァコータぁ……なら、これ見て、同じこと言えるンか……………?」

口元を吊り上げて、笑う。
ギザっ歯のせいでまるで、雌虎が機嫌よさそうに喉を鳴らしているみたいだ。

ムギュッ

身体を折って中腰に屈んで腹を誤魔化し、両の二の腕で胸をはさんで寄せ上げると、指先で制服の襟を軽く引き下げる。
寄せてあげられ、ただでさえ大きなふくらみの作る谷間が深く刻まれた。

「これでもうち、トップバストはクラスでも一等賞じゃけぇの♥」

888鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/23(金) 07:16:06
>>883

「ハッ、殺気…!?」

 雌虎の前に差し出された餌の気分。
 思わず身構えるが……


>寄せてあげられ、ただでさえ大きなふくらみの作る谷間が深く刻まれた。


    「ぶふぉっ!!!?!?」


      意外ッ!


「おまっ、バカ! 何してんだよ!
 そーゆー意味で言ったんじゃねーって!」

「つーかアングル詐欺はずりぃぞ!!」

 顔は真っ赤だが、同時に青ざめている。器用な芸当だ。
 目を泳がせたまま後ずさり、谷間有効射程距離の外へ離脱する。

889藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/24(土) 02:08:10
>>888
ピキッ

紅太だけではない。射程距離内の男子の時間が刹那、止まる。

「くくく……男子なンぞこんなもんよ、チョロ過ぎじゃ」

ダプン

身体を起こした。魔法が解けた。そして時は動き出す。

「特別じゃあコータぁ、今の、今晩使ってもええぞ?
それとじゃ。もしイキっとるゆうて上に絡まれたら、うちが助け……まァお前はそんな心配はいらンか」

890鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/24(土) 12:25:08
>>889

「……、…」

 身体を起こした藤堂に、傷ついたような顔を見せた。

「使えるかよ……、普段の残像が強烈に残ってんだよ。
 つかそれ以前に、クラスメイトとか生々しすぎるだろ…」

 女子相手に下ネタを話すのが抵抗があるらしく、言い返す言葉にもキレがない。
 視線を外したまま、もごもごと呟くように言い放つ。


>それとじゃ。もしイキっとるゆうて上に絡まれたら、うちが助け……まァお前はそんな心配はいらンか」

「? そりゃ、逃げ足には自信あっけど」

 『心配はいらない』、の意を上手く捉えきれず、尋ねるように藤堂を見る。

 そもそも絡まれるような下手を打たない人物と言う意味か、
 絡まれても対処できる腕っ節があるという意味か。
 はたまた別の、特殊な何かを指してのことか。

891藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/24(土) 13:45:20
>>890
「…………ほうか」

むぅ、と呻く。
調子に乗りすぎたか、と思うが、ここですかさず謝れるほど出来のいい人間でもない。

「ああ……簡単なことじゃ」

再び、獰猛に笑う。新ジャンル『笑顔が怖い系女子』の面目躍如だ。

「どうせお前よかうちのほうが先に目ぇつけられるじゃろ?
でもって全員うちが返り討ちにするけえ、お前が心配する必要はないゆうことじゃ」

そのどれでもない、『自分が全部食う』と言っているのだった。

892鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/24(土) 16:34:01
>>891

「あ、いや、別にお前が悪いってんじゃねーぜ?」

 フォローを入れつつ、話を切り替える。


>そのどれでもない、『自分が全部食う』と言っているのだった。

「ああ、そっちか…」

 そら恐ろしい、と身ぶるいする。
 スコップとともに打ち立てられた、幾つかの武勇伝。その陰にいれば、確かに安全だろう。

 彼女の腕っ節は、よく知っていた。

「そりゃあつまりアレだな。『虎の威を借る狐』」
「こっちとしちゃあ、情けねーけどありがたい話だぜ。
 代わりと言っちゃあなんだが、そっちも困ったことあったら気軽に言えよな」

 そして、家の事情についてもだ。

893藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/25(日) 03:12:53
>>892
「ま………できればなるべく、卒業までは穏便には済ませたいがの」

…この場合の『穏便』は後で問題にならないよう、やる時は徹底的にやる、の意味である。

「おう。どうにもならん時には、遠慮なく甘えさせて貰うけえ。
…コータん家の飯は上手いからのォ………」

とは言え、そういう所は、妙にプライドが高いというか、自立心が高いというか、滅多に甘えることは無いのだが。

894鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/25(日) 10:34:30
>>893

「ま、だよなぁ。とはいえ『穏便』とか『平穏』ってのは、
 この学園つーか、この町には一番似合わねー言葉じゃね?」

 何の気なしに言う。

 実際、ここ数年で『スタンド使い』は急激に増えている。
 何やら不穏な動きもあるみたいだ。

 とはいえ、きっと自分たちとはかかわりのない、水面下の話だろう。


「おう。今年もたぶん、『規格外品』出るからよ。
 虎鈴が食ってかなきゃ、余った分はもったいねーけど捨てるだけだ。腐っちまうからな」

 余談だが、鹿沼の実家は『野菜農家』である。
 取れたての旬野菜で飯を作るから、そりゃあもうウマイのである。




      キーン  コーン
                   カーン コーン…



「…っと、ヤベぇ。そろそろホームルームか」

895藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/25(日) 15:17:32
>>894
「ほォ、おもろい事ゆうのォコータぁ〜〜〜〜〜〜〜。
つまりじゃ、お前は今ココは、うちがそう思っとらんだけで、『穏便』でも『平穏』でもないゆうとるわけじゃ、くっくっく…」

愉快そうに笑う。

薄々臭いは感じていたが、自分だけの思い込みでないと解りニヤつき始めた。
そしてこの臭いは……故郷でも何度か、感じ、遭遇したものだ。

即ち───『同じ力を持つもの同士は、惹かれ会う』。

「人間は水とカレー粉さえあれば生きていける…野菜もあればもう十分じゃ……………」

ダイエットの話をすると、人はすぐに野菜を食え食えと言うが…実は野菜は穀類よりも『高い』。
痩せるにも金は必要…時に貧乏人にはダイエットすら難しいのだ。
(※ただし藤堂虎鈴はそういった経済的事情とは無関係に、この体型である)

「やれやれ、今日も一日始まるのォ〜〜〜〜〜〜〜〜」

896鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/25(日) 20:03:30
>>895

「うーん、上手く言えねーんだけどさ。仮に今が『平穏』だとしても、
 それってヤジロベーみたいなものだと思うんだよな。
 不安定な足場の上で、本当ならすぐにでも崩れてしまいそうなのを
 なんとか奇跡的に、ギリギリのバランスを保っているってだけでよぉ」

 明言は、しない。
 藤堂の言葉にも、肯定も否定もしないままだ。
 ただ、感じていることを感じているままに話す。

「けどまぁ、それも俺らの日常とは全然関係ねーとこでの話だろうぜ。
 あーあ、今日も退屈なんだろうなぁー。サボりてぇ〜〜なぁ〜〜〜……」


     グ   ググ    グ  ィ  イイ  ―――  ッ



 大きく伸びをして、背筋を伸ばす。
 しゃんとした姿勢。もう周囲の目は気にならなくなったようだ。

 歩調を早める。そろそろ、教室に着く頃だろう。


「色々ありがとな、虎鈴。元気出たわ。
 昼飯、よかったら一緒に食わね?
 たまにはカレー味じゃないモンも食おうぜ」

「つーより、半分こしてくれ、弁当のおかず。
 たまに食いたくなるんだよなぁ、あのカレー炒め」

897藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2015/10/25(日) 21:21:59
>>896
「ほうかのォ」

ヤジロベー、ぎりぎりのバランス、か。
であるなら尚更、自分の立つ位置は決まってる。
何時だってそうだ………バランスは崩れて、『平穏』『穏便』とは正反対の場所にずしんと着地するのだ。
けれど不安定なところをふらふらするよりも、不穏な場所をノシ歩いてくほうが、自分には合っている。

「アホぉ、お前らは学校に行けるありがたみが解らんからそんなことがゆえるンよ。
義務教育の間はありがたく行かせてもらえ」

──藤堂虎鈴は周囲には不良であると認識されているが、それは違う。
藤堂虎鈴はほんのちょっとばかり血の気が多くて、喧嘩っ早いだけで……不真面目でもなければサボり魔でもない。
宿題もやるし、授業態度もいい(成績がいいとは言っていない)。

「物好きなやつじゃ………あンなもんでいいなら、うちンとこに来たら何時でも作って」

ふと、紅太をまじまじと見る。

『力を持つもの同士は、惹かれ会う』

「……………お前がもやし持ってくるンなら、何時でも作ったるわ」

紅太に背を向けると、すたすたと先に歩いて、教室に入っていった。

898鹿沼 紅太『ドレッドノート』【中三】:2015/10/26(月) 00:02:49
>>897

「へーい…」

 唇を「へ」の字に曲げ、藤堂の忠告に従う意を示す。
 彼女の言葉は正しい。頭で分かってはいる。
 素直に従えるほど、大人ではないというだけだ。


>ふと、紅太をまじまじと見る。

「? な、なんだよ」

 ぎく、と身を強張らせる。
 野生の動物に見定められている気分。

 わずかな沈黙。
 そのまま、教室へと足早に向かう虎鈴の背を、少しの間見ていた。


「……やっぱ似合わなかったかな」

 髪をいじり、首を傾げ。自分も後を追って、退屈な教室へ向かう。

899加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/02(月) 22:50:17
「ふわぁ……」

       秋だねェ。春でも夏でも冬でもない。紛れもなく秋だよ。
       だからといって芸術だとか読書だとか、あーだこーだと言うつもりは無いけどね。
       
「あっはは。平和平和。」
 
       ほーんと退屈しちゃうくらい平和。
       暇っていってもいいよね?

       ここは第二の保健室、カウンセリングルーム。
       ま、カウンセリングルームなんていうけど、そればっかりをする部屋じゃない。
       悩みがあったり、教室に居辛かったりとか、そういう子も来るけど。
       多いのはさ、ここに暇を潰しに来る人。
       でも今日は、まだ誰も来てない。

「こーやって暇してるから、『給料泥棒』って呼ばれるのかなァ。」

       先生でも生徒でも誰でも来れる部屋だけど、客が居ないのさ。

900百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/07(土) 21:38:22
>>899(加賀)

  カラカラカラ・・・・・

「うース。センセー、電源貸して〜」

「教室のコンセントで充電すんなって怒られた〜」

スマホ片手にやってきた。


「茶菓子ぐらいなら進呈するから〜」

901加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/07(土) 22:17:13
>>900
       おっと。びっくりした。
       このまま誰も来ないんじゃないかと思ってたよ。
       危ない危ない。あやうく『給料泥棒』に拍車がかかるトコだった。
       ま、かかっても別にいいし、むしろ楽に稼ぎたいけど。

「百井さん、一応さァここも教室みたいなものなんだけど?」

「ま、いいや。どうでもいいしィ。」

       バレたら適当なこといっとこ。
       断ってゴネられても面倒くさいしねェ。

「そこの使いなよ。入り口から見えないトコ。」

       コンセントのある場所を指差して、百井さんに指示する。

「でもそれ、電気泥棒だからねェ。」
     
       僕は給料泥棒だけど。

「今回は黙っといてあげるよォ?だらからさ、ちょっと付き合ってよ。」

「話でもしよう。暇だし。」

902百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/07(土) 22:29:36
>>901(加賀)

「細けェーこと言ーッこなーし」
  Valeu
「あんがとー! 授業中フルタイムで動画流すもんじゃねェすな。
 クラス共有の隠しWi-Fi設置したまではよかったんだけどなァー」

授業は聞き流して、机の影に隠したスマホで動画サイトを眺めていたのだ。
充実した時間は過ごせたが、その分、消費も激しいのが難だ。

       カコ

コンセントにセット。充電開始だ。

「ヒマつぶしなら付き合ってもいいす。
 あ、一応この会話は録音させてもらうけどォー。
 密室でセンセーからのセクハラがなかったことを証明出来るす」

けろけろと冗談交じり笑いながら受けた。
適当にソファでもあるならそこに掛けよう。鞄から保冷ポーチを取り出す。

903加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/07(土) 22:40:05
>>902

「へェ。隠しWi-Fiねェ。」

       百井さんって何年何組だったかなァ。名簿見れば分かる?
       今度使って使いづらかったら報告しよっと。

「セクハラァ?ねェ、僕はさァ『先生』なんだよォ?」

「君達に手、出すと思う?」
 
       僕は『給料泥棒』であって、『犯罪者』じゃないんだよねェ。
       そのへん、理解して欲しいよなァ。

「ま、別にどーでもいいけど。」

       ソファに座った桃井さんを見てみると保冷ポーチを出してた。
       なんに使うんだろォねェ?
       お化粧?
       確かにココは『生徒が快適に過ごせる』ように、便宜を図ってもらってるけどォ
       お化粧はどこでも出来るよねェ?

「百井さァん。それ、学校に関係ある?」

「そういうの駄目なんじゃあない?」

       モチロン、冗談だよ。
       正直、彼女が何をとりだしても……
       ま、拳銃とかじゃない限り見逃すよ。僕に危害を加える道具じゃないからねェ。

904百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/07(土) 22:51:17
>>903(加賀)
百井はこの学園でも問題児揃いの『中等部二年』だ。
当該クラスのある教室棟は無法地帯と化している――かもしれない。

「でもあとでなンか言われたらヤじゃねェ?
 お互いの安全保障ってやつゥ〜。

 個人的にゃセンセ信じてっから大丈夫す」

相変わらずけろけろと笑い、癖の強い髪の毛を手櫛で梳いている。
それから、ポーチの中から取り出すのは――

「はァい、ショバ代」

        ス

チョコレートを差し出すのだ。
保冷ポーチの中には、チロルチョコが突っ込んである。

「合法のほうのチョコすよ。これならいいしょ?」

905加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/07(土) 22:59:42
>>904

「あ〜ヤだねェ。やだやだ。めんどくさァい。」

       ガキがタイプだと思われるのもめんどくさァい。
       ……そうだ思い出した、『中等部二年』だった。
       あそこ、そんなにヤバいかな?
       ま、生徒を一括りにするのはよくないんだけどね。
       
「ん?アリガト。」

「非合法のチョコォ?そんなのあるのォ?」

       なァんでそんなこと知ってるのかは、いいや。
       どうでもいいし。
       しかしなるほど。チョコが溶けないようにね。
       あっはは。考えてるわけだ。

       ところでこれ、賄賂じゃない?

906百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/07(土) 23:06:07
>>905(加賀)
「メンドいすなァ。同感す」

百井は腕を組んで、うんうんと頷いている。
誰が言われてるか、知ってか知らずかの振る舞いだ。

「ン〜と。ハッパ、ジョイント、グラス。
  日本
 こっちだとそーいうんしょ?
 アレ、ヘルシーなほうだけど趣味じゃねェ〜。
 脊ェ伸びなくなるとヤだから、喫まねェコトにしてんの」

……そういえばコイツ(百井)は南米系の出身だった。
日本人の感覚とだいぶズレがあるのかもしれない。

「まあ、何も思わず食べるといいす」

ニヤニヤ笑いだ。ぶっちゃけ賄賂だ。

907加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/07(土) 23:31:59
>>906
       ほんと、めんどくさい世の中だよねェ。
       
「あっはは。たくさん知ってるんだねぇ。」

「おりこうさんだ。」

       僕はハッパしか知らない。
       そういうのに、縁がないからかな?
       それとも、そういう教育って今の子の方が進んでる?

「あっはは。ま、後で貰うよ。」

「あ、そうだ。」
     
        ぱんっと手を打った。
        思い出したことがもう一つ。

「おりこうさんの百井さんに聞くんだけどさぁ。」

「この辺で女の子見てない?」

        最近ここに来る子が話してた事だ。
        僕はその女の子に会ったことないけどねェ。
        一応聞いてみとこ。

「どんな子だったかなァ。たしか髪も瞳も赤でェ」
                                   「で、真っ黒な格好してるんだったかなァ?」

「知らない?」

908百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/07(土) 23:39:16
>>907(加賀)
「にょわん? オンナノコ? 知らねェー」

気だるげな手付きで手を振って、否々と示す。
目立ったスタイルだが、そういうタイプは覚えがないのだ。

「パンクスなんす? えれェハデハデじゃァ〜ん。
 クラスや学年ちゃうなら見た時ねェーかもぉ」

「そのコ探してる理由とかあるのん? シンパイとか」

『カウンセラー』業からの連想だ。
あまり熱心っぽく見えないが、仕事は一応してるんだろう。

909加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/07(土) 23:59:26
>>908

「ま、会ったことないからよく知らないけど。」

       パンクス?知らないなァ?
       海外のドンドコいうやつかな?

「心配?してないしれない。気になったんだけェ。」

       おっさんだったら不審者ってことで怯える子もいたりするんだけどねェ。
       ……ちょっと想像しちゃったよ。
       あーこれ夢に出る『かも』誰が責任とってくれるんだろ。

「見たことないならいいや。」

「そういう生徒、ウチにいたってのは記憶にないからねェ。」

「学校の周りでよく見るってだけならいいけど。」

「なァんかあったりするかもしんないよねェ。」

       いやーその場にいない人間の話題って盛り上がるなァ。
       僕が盛り上がってるだけだけど。

910百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/08(日) 00:13:06
>>909(加賀)

「不審者ッぽいなァー。生徒ならいいケドぉ」

「どのあたりに居ンの? よく出るとことかァー」

気になる話題なので更に聞き出しておこう。
目撃したら、話の種にはちょうどいいかもしれない。

「なんか特別目立ったコトしてるとかあるす?」

911加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/08(日) 00:28:28
>>910

「不審者?まさか。女の子だよォ?」

「学校内に入ってきてたって話もあるし、誰かの家族かなァ?」

       僕は誰でもいいと思うけどね。
       だって、僕はその子が本当にこの世にいるのかも知らないし。

「さぁ?知らない。聞いた話だと校門の近くにいるっぽいよ?」

「暇だったら校門の前で待ち伏せでもしたらァ?」

       僕はやんないけど。
       それにそんなことする意味がわかんないし。

「あっはは。ま、いいや。」

「学校に関係あるってだけで、僕にも君にも関係ないんだからさ。」

「そうだ、話聞いてくれたお礼をあげるよ。」

「貰ってくれるかなァ?」

       さぁて、答えてくれるかなァ?

912百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/08(日) 00:37:15
>>911(加賀)
「今度チェックしてみようかなァ〜。
 撮影して学校の七不思議の一つにしてェー」

話しつつ、スマホの充電が進んだかどうかをチェックする。
確かに関係ない話だから、頭の片隅に置いておくぐらいだろう。

「……お礼ィ〜? アヤしーなァー。
 センセ、なんか悪だくみしてなァい?」

「別に構わねェケド。録音してるしィ」

余裕しゃくしゃく、というよりは……適当な態度。
へらへら笑いながら、加賀の言葉に『答える』。

「貰いましょ。ビョーキ以外ならなんでも〜」

913加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/08(日) 00:45:33
>>912
       
「あっはは。七不思議ねェ。」
 
       暇な奴が考えそうなことだねェ。
       百井さんは充電が気になるみたいだ。
       差してから結構経つし、結構いい感じなんじゃないかな。
       ま、最初にどれくらいたまってたのかは知らないけど。

「悪巧み?してないよォ。」

「僕がそんなことする奴に見えるゥ?失礼しちゃうなァ。」

       それに録音なんて無意味だよねェ。
       僕の手品は録画でないと分からない。
       そして、存在を証明することは難しい。

「じゃ、あげる。」

「ちょっとした手品だよ。」

       チョコを手の平の上に乗せて見せる。
       指を一本一本折っていく。
       勿体つけるみたいにゆっくりゆっくり。

「はい、『消えた』」

       手を握り締めたら
       彼女の『口内』に『チョコレート』を『与える』
       ほんとは包み紙でも入れてあげたいけど、僕はチョコが好きじゃないからね。
       持ってたし、百井さんはチョコ好きでしょ。

       終わったら手を開こう。未開封の包み紙が残るはずだ。

914百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/08(日) 00:59:16
>>913(加賀)
「んン〜?」

掌の上に乗せたそれを、怪訝な眼差しで見つめる。
自分の渡したそれなら、特に何か仕込みは――

          カ ロ ロ

  「ふ ム」  「ぐッ」

――――『甘い』ッ! この現象はッ!
パンと撥ね上げられたように、左手が持ち上がる。
『反射動作』。それと同時に手の中で結ばれる『像』。

       メ  ギャアァン

           エスピリトゥ
          「スタンド! その『能力』ッ!」

          「センセが仕掛けたのォ〜?!」

チョコを口の中に入れたまま、『拳銃』を突きつける……
のを止める。あくまで反射動作。すぐ銃口を逸らそう。

「ビックリしたす。センセもか」

915加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/08(日) 01:06:55
>>914

「エスピリトゥ?なにそれ。お酒?」

       蒸留酒かな?

「僕が仕掛けた?さぁ、どうだろうね。」

       丁寧に包み紙を剥いていく。
       やっぱり中身は空。
    
「これ以上は秘密の一線を超えちゃうよ?」

       知りたいんなら君の一線も越えさせてもらわないとなァ?
       って感じだし。でも僕、興味ないし。

「ていうか、君はそういうんなんだ。」

       拳銃を持ち出すとはねェ。
       ちょっと驚いた『かも』
       あっはは。ほんとに、ちょっとだけど。

「それ、消してくれない?」

916百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/08(日) 01:11:20
>>915(加賀)
エスピリトゥ
「精霊すな。すたんどってーのが正しい言い方なんだっけ」

「あ、ゴメン。ビックリしたんで悪かったす」

         ギャンッ

『赤銅の拳銃』が掌の中に溶けるように消えた。
口の中に放り込まれたチョコを舌先で転がす。

      カラ コロ・・・・


「確かにチョコすな。『瞬間移動の能力』?
 でもヴィジョン見えねェー。そういうのはないのん?」

硬めなので口の中で溶かしてから齧るつもりなのだ。

917加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/08(日) 01:20:34
>>916

「スタンド。」

       そうそれ。便利な奴。
       ま、僕の場合『与える』だけだからね。
       僕にとってマイナスしないんだけど。

「……あのさぁ。君、何聞いてたわけ?」
                    「僕、『これ以上は秘密の一線を超えちゃうよ?』って言ったよね?」

       聞いてなかったのかな?
       ま、別にいいけど。
       相手は子供だしさ。
       そこまで本気になる必要はない。この仕事と同じように。

「これ以上知りたいなら、君の秘密だって教えてもらわないといけない、そう思うんだけど。」

「それと、ヴィジョンならあるんじゃない?」

      机に触ってて君からは影になってる左手に。
      盲目の鳩がさ。

918百井千夜子『バレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン』【中二】:2015/11/08(日) 01:44:14
>>917(加賀)
「えェ〜、勝手に教えといてェ〜?」

ケチくさいので鼻を鳴らした。
チョコを噛み砕くと、そのまま呑み下す。

「あ! センセ、そーやって女釣ってんじゃないの〜。
 ちょっとした手品〜、とか言ってェ。……マジで打率高そうすな」

真顔で考え込んだ……、そこでスタンド像に気づく。
首を傾げ、そこにあることを確認し、考え込む。

「ヴィジョン関係ねェのかなァ。
 知り合いのはなンか色々居たんだけどォ〜」

「マメとか食べそ……と。やっべ」

            カコッ  バタバタ

右手の時計を見、慌ててスマホをコンセントから引っこ抜く。
ポーチもカバンの中に突っ込んで戻した。

「そろそろ戻んねェーと。そいじゃまた来るんでェ」

「次はお茶でも用意しておいてねェ〜ん」

慌ただしく、面談室から出ていく……

919加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/08(日) 01:58:40
>>918

「教える?まさか。」

「僕は与えるしか出来ないよ。」

       そういう能力なんだからさ。
 
「おっと、おりこうさんにしては下品下品。やめてよねェ。女の子がそういうこと言うの。」

       好奇心は猫を殺すんだよ?
       君は人間なんだから死ぬどころじゃすまない『かも』
       ま、死は与えられないけど。

「釣る?あっはは。僕はナンパ師でもタラシでもないよ。」

       興味のわく女がいないしね。

「マメ?豆鉄砲が何を言うんだい?」

       君の拳銃から何が出るかは知らないけどね。
       何が出てきてもいいよ。
       きっと大したものじゃない。僕のスタンドが対した物じゃないからさ。

「おっと、行くのかい?」

「バイバァ〜イ。次はお茶菓子よろしく。」

       甘すぎない和菓子がいい『かも』 

「あっはは。いい暇つぶしだった。」

       一人だけの面談室で一人呟く。
       大したことない日常。     
       大したことない相手。
       大したことない能力。 
                             プライベート・ライン
       ただし、どれだけ大したことなくても秘密の 一線。
       簡単に踏み越えさせたくないんだなァ。

       あっはは。

920高井戸リルカ『アングラガルド』【小四】:2015/11/21(土) 02:06:51
ある日の朝…
【えー…先日の午後○時…
 正体不明の交通事故が発生した模様です…
 被害者は14歳の中学生二人と…】
何気なくニュースが流れる中…

「わーい、がっこ、ひさしぶりのがっこなのー!!」
異様にはしゃいで学校の門をくぐっていく少女の姿が有る。

「きゅーしょくー!
 ごはんー!」
…大はしゃぎしている理由はご飯だったようだ。
だが、学業を本文とするのが学校なのである。
彼女はどこか的はずれな感じだ。

「…んー?みんなみてるなの?」
頭につけたゴーグルのせいなのか
或いは両手に巻いた包帯のせいなのか
それとも妙なテンションのせいなのか。
どっちにしろ彼女は学園初等部の中では目立ちまくっているようであった。

921河津 心平『キャメル・ヘッド』【教師】:2015/11/22(日) 23:37:34
>>920
「はい、おはようさん」

ぼくは校門前で、登校する児童を出迎える。
『教師』であるところのぼくにとって、それは当たり前のことだ。

「はい、はい、君たちも急ぎなよ。
朝礼に間に合わなくなっても知らないぞー」

何やら『注目』を集めている子がいるようだ。
ぼくは、とりあえず人の目を散らすことにした。
こと、子供の世界では『目立つ』ことは、必ずしも
いい結果に繋がるとは限らない。

――それが『好奇の目』なら、なおさらだ。

「おはよう、高井戸さん」

ぼくは、その『目立つ子』に声をかける。
彼女のことは――学校側からある程度説明を受けている。
まあ、この学校じゃ、複雑な事情を抱えた子は珍しくはない。
接し方を変える必要は、ないだろう。

「きみはご飯が好きなんだね。
いいことだ、生き物は食べなきゃ、生きていけない」

922高井戸リルカ『アングラガルド』【小四】:2015/11/22(日) 23:55:53
>>921
しばらくして周囲からの好奇の目はだんだんと消えていく。
近くの子供達は段々と姿が見えなくなっていった。

「あ、せんせ〜おはよーなのー!」
自分に向けて声をかけた人に対し、元気な声で返した。

「えーっと…おなまえわすれたの」
…背が高いから先生と思ったのだろうか。
とは言え間違ってはいない。

「うん、ごはんだいすきなんだよーなの!
 きゅーしょく。おいしいんだよなのー!
 あー、でもいますんでるののちかくのおみせもおいしいけどなのー!」
先程から嬉しそうに応える。
白亜荘に住み始めたことは学校側にも伝わっているだろう。
今は美味しいご飯にありつけているということだろうか。

923河津 心平『キャメル・ヘッド』:2015/11/23(月) 00:11:53
>>922
「はい、おはよう。
ぼくは『河津』だよ。かわづ、ってのは『カエル』のこと」

ぼくは、屈みこんで答える。
見下ろして話すのは、あんまり好きじゃない。

「うんうん、おいしいご飯は大事なものだよ。
美味しそうに食べてくれたら、きっと、
それをつくった人たちも幸せになれる。
そても、いいことだ」

子供は、育つ場所を選べない。
でも、その子の本質までは、誰にも変えられやしない。
彼女の、きっと生来の快活さを見ながら、ぼくはふとそう思った。

「おっと、そろそろ本当に遅刻しちゃうな。
教室に行こうか」

気付けば、ぼくらの周りには誰も居ない。
最後尾だ。
ぼくはゆっくり歩き出す。

924高井戸リルカ『アングラガルド』【小四】:2015/11/23(月) 00:21:06
>>923
「あ、そっかー。
 かわづせんせー、よろしくねーなの。」
ちょうど同じくらいの視線で応える。
身長差はさほど気にしてなさそうである。

「うん、つくったひとはみんないーひとみたいだとおもうのー。
 でも、ぶったりしないのはなんでなんだろっておもうけどなのー。
 しあわせ、って、ちがうことがおおいのかなー、なの。」
ちょっと不思議そうな顔をしている。
彼女がどんなことを受けてきたかは、時折かいま見える傷跡から分かりそうだが…

「あ、いそがないとなの!
 ちこくしたらおこられちゃうの!」
そう言ってひとまず先生に合わせて歩き出す。
やや早足であるが、足並みは揃っている。

「『あんぐら』ちゃんでぐーっておしたらもっとはやくいけるかなーなの…」
小さくつぶやいている…

925河津 心平『キャメル・ヘッド』【教師】:2015/11/23(月) 00:30:34
>>924
「それはね、」

ぼくは歩きながら口を開く。
言葉を選ぶのは、下手糞だ。
思ったように、伝えよう。

「幸せな気持ちを伝えるときには、
幸せなやり方があるからだと思うよ」
「それは、人それぞれだけど、
ぼくなら、絶対に殴ったり、叩いたりはしない」
「特に、『子供』はね。
それは、大人として、絶対のことだ」

それは、胸を張って言えることだ。
子供は、育つ場所を選べない。
だから、当たり前のことのはずだ。

「・・・・・・『あんぐら』、って、なんだい」

ところで、少し気になる呟きが聞こえた。
この学校、ちょっと『奇妙』なところがある。
試しに、聞いてみよう。

926高井戸リルカ『アングラガルド』【小四】:2015/11/23(月) 00:44:33
>>925
「ん、うーん」
河津先生が紡いでいく言葉…


幸せな気持ちを伝える時には…
「…ぶったりするものじゃない…なの。」
不思議そうな表情をしてリルカはその話を聞いていた。

彼が言った言葉は、今までリルカが思っていたことと随分と違っていた。

「…そうなんだ、なの。
 じゃー、おじさんもおばさんも、きっとわたしとおんなじ、だったの。」
子供、と言いたいんだろう。

「わたしは、おとなになるよーなの!」
と、少し暢気そうに応える。
でも、彼の言葉はしっかりと心に留めている、ようだ。

「あ、あんぐらちゃんとおはなししたい?
 なの?」
彼が聞いてきた言葉に、リルカは嬉しそうな顔をする。

「えーっと、それじゃあまってねなのー。
 ちょっと、よんでみるの」
と、そう言って河津先生からやや離れた位置に行く。

「えーい、『あんぐら』ちゃんこーい!」

ドォン!!
彼女の元気な言葉と同時に…

身長2mの大きな影がリルカの背後に現れる。
マンホールか真実の口のような薄く丸い頭部
両手はまるで作業機械が接合されたかのような長い形状。
異形の姿がそこに現れた。

「あ、みえないかもなの。」

927河津 心平『キャメル・ヘッド』【教師】:2015/11/23(月) 00:57:26
>>926
「……そうだね、きっと、そうだ」

『子供』だった――そう受けとめるのは、悪くないと思った。
『悪人』だった、と受けとめるより、
だいぶ心に優しい考えだと思ったからだ。

「うん。急がなくていいよ。
でも、胸を張って『大人』だって言えるようになるんだ」

ぼくは胸を張れているだろうか。
ああ、張れているとも。
そうでなければ、教師なんてできない。

ドォン!
「・・・・・・やっぱりね。
大丈夫、『見える』よ。ばっちり」

『スタンド』……ここでは、けして珍しくはない。
もっとも、こんなに巨大なのは、珍しいかもしれないけれど。

「ぼくのも、見せたいところだけれど、
ごめんね、表に出てくるようなものじゃないんだ。
名前は『キャメル・ヘッド』。『虫』みたいなかわいいやつさ」

腕を太陽にかざす。
皮膚の下を這い回る『線虫』が、
もしかしたら透けて見えるかもしれない。

928高井戸リルカ『アングラガルド』【小四】:2015/11/23(月) 01:13:03
>>927
「おとなって、よくわからないけど…
 がんばってみるねーなの!」
と、よくわからない自信満々な声を発した。
よくわかってない割には随分と前向きだ。

「そっか、みえるなの!
 みえないひとがいっぱいいたけど、あんしんしたーの!」
どうやら嬉しかったようだ。
彼女は少し『アングラガルド』の両手を動かしてみる。

「…あ、ほんとなの、むしさんがうごいてるの。
 かわいいなのー!」
嬉しそうに這いまわっている『線虫』の姿を目で追う。

「よろしくねーなの!
 むしさん…『きゃめる』ちゃんなのー!」
そういったところで…

ボスッ!!
「あっ・・・」
アングラガルドが少々力を抜いた状態で地面に手を叩きつける。
コンクリートに軽くヒビが入った。

「あわわ…ちからつよいのにうごかすんじゃなかったの!」
結構慌てている。

929河津 心平『キャメル・ヘッド』【教師】:2015/11/23(月) 01:23:37
>>928
「うん、頑張るんだよ」

「そうだね……見えるかどうかも、人それぞれみたいだ。
でも、それは『見える』かどうか、ってだけのことだよ。
なにか、それ以外に『違う』ところは何もないんだ」

この子の性格からいって、心配はいらなそうだけれど。
『疎外感』を、感じることのないように、こう言っておこう、と思った。

「うわっ・・・!
すごい力だね・・・・・・」

コンクリートを砕く、巨体の腕。
この小さい子には、見合わない『精神の形』。

「はは、大丈夫だよ。このくらいの『ヒビ』、
大したことじゃないさ。
でも、人がいっぱいいるところでは気をつけるんだよ。
友達にケガさせたくはないでしょ?」

930高井戸リルカ『アングラガルド』【小四】:2015/11/23(月) 01:33:02
>>929
「がんばるー!」

「そうなんだーなの…
 みえるひともみえないひとも…
 みんないっしょなんだねなのー!」
どこか嬉しそうだ。
白亜荘にいたおかげで疎外感はさほどなかったが
それでもおんなじと言われることは嬉しいのかもしれない。

「うん、すごいちからなんだよなのー。
 ほら、いれずみのおにーちゃんがいろいろおしえてくれたの!」
ちょっと公開した表情を浮かべながら、両手を開いて見せてみる。
両手の中指それぞれに『ドリルの螺旋』のような刺青が彫られているようだ。

「う、うん…
 そしたら、たいへんだもんねなのー…」
慌てた様子を見せながら、リルカはひとまずスタンドを自分の近くに。

「ほかにもできることあるから、けっこういいこなんだよなのー!」
そう言いながら、校舎へ向かい続ける。
スタンド頭部はちょうどマンホールに見えなくもない外観だ。

931河津 心平『キャメル・ヘッド』【教師】:2015/11/23(月) 01:41:46
>>930
「そう、みんな一緒だ。そうでなくちゃあ」

ふと、自分の掌を見る。
……そう、みんな一緒だ。そのはずなんだ。

「『刺青』? わ、本当だ・・・
それもその人に入れてもらったのかい?痛くなかった?」

子供に『刺青』を彫るのは、結構大変だろう。
皮膚もまだ弱いし、痛みだって……
いや、そうじゃない。

「どういう人なのかな、その『刺青』の人って・・・
『いい人』だと、思った?」

まさかとは思うが、『ヤ』のつく人と
生徒達が接触する、なんてことはあっちゃいけない。
一応、聞いておかなければ。
そして――直接、会って確かめる必要もあるかもしれない。

932高井戸リルカ『アングラガルド』【小四】:2015/11/23(月) 01:52:30
>>931
「ふーん…
 むしさんもいっしょなのかなーなの」
ちらっと、先生に這い回っていた『線虫』を探してみる。

「あー、そうなの。
 あのひとこれだけじゃなくて、いーっぱいもってたんだよ!」
と、両手を大きく広げて『全身』アピールをした。

「うーん、いたい、けどへーきだったかなーなの。
 でもちょっとなきそになったかもなのー。」
かなり痛かったらしい。
それでも泣きそう程度で済むということなのだろうか…?

「うーん、どんなひと?
 ときどきあいにいくことあるけどねなのー。
 『あんぐら』ちゃんのことききたくてなの」
そう言って少し思い返す。

「かおは、こわいけどやさしくいろいろおしえてくれたのー。
 だからいいひと、なんじゃないかなーなの。」
何かをされたということはなさそうだ。刺青を彫る以外には。

「なまえはおしえてくれないんだけどねなのー。」

933河津 心平『キャメル・ヘッド』【教師】:2015/11/23(月) 02:04:18
>>932
「い、いっぱい!? そりゃ、凄いや」

そう聞いて、少し安心した。
さすがに『全身刺青』の『ヤーさん』はいないだろう。
違う意味で『危ない』気はするけれど。

「そうか、我慢したんだな。偉いぞ。
でも、本当に痛かったり、辛かったりしたら、
そのときは『助け』を呼ぶんだよ。
ぼくらは、それを『守る』ためにここにいる」

痛みに強い、のか、『慣れている』のか。
ともあれ、褒めよう。泣かなかったのは、悪いことじゃない。

「そうか・・・・・・うん、それなら、『いい人』なんだとぼくも思うよ。
今度、場所を教えてくれるかい」

子供の『直感』は、人の本質を透かすこともある。
この子は、少なくとも、その『刺青』の人に『悪意』は感じていない。
今は、それで十分だ。

「おっと・・・そろそろ、本当に遅刻しちゃいそうだ。
君まで遅刻させたんじゃ、申し訳ないな」

歩いているうちに、下駄箱の前に辿り着いたことに気が付いた。
朝礼まで、もうあまり時間がないようだ。

934高井戸リルカ『アングラガルド』【小四】:2015/11/23(月) 02:16:49
>>933
「すごいのー。
 いたいのがまんできるかなーなの。」
ちょっと彼のことを思い返しながらつぶやいた。

「あー、ありがとうなのー。
 いろんなひとにたすけてもらったから、
 いろーんなひとにたすけてもらうなのー!」
そう言って嬉しそうにうなずいた。
彼女はどうやら随分と人に恵まれてきたようだ。
彼女は痛みをどの程度被ってきたのか。それは見た目ではわかりづらいだろう。

「わかったのー。
 ちょっとわかりにくいところだけど、そこにいったらたぶんあえるかなーなの」


「だいじょぶだいじょぶ
 まにあうなのー。これだけきたらなのー。」
そう言って、下駄箱に自分の靴を入れ、上履きを取り出す。

「せんせー。
 おべんきょう、するよなのー。」
そう言って手を振り、教室の方へと元気よく歩いて行った。

彼女は、その風貌と見た目のせいか、若干噂になり始めたらしい

935河津 心平『キャメル・ヘッド』【教師】:2015/11/23(月) 02:28:18
>>934
「そうか。うん、助けて、助けられる。
それはとってもいいことだ」

そう言って、何度も頷く。
この子くらいの歳で、自分が周りに『助けられて』生きていることを
自覚しているのは、珍しいことだ。
それは、得がたい性質だ。大切にしなくちゃあいけない。

「ああ。『理科』の授業で、また会おう。
頑張るんだよー」

そう言って手を振り、自分の受け持つ教室へと向かった。
『目立つ』ことはいいことばかりじゃない。
でも、彼女の『強さ』はよく分かった。だから、きっと大丈夫だろう。

936加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/24(火) 00:37:16
       やぁ、僕だよ。
       ここはカウンセリングルーム。第二の保健室ね。

「エアコンは便利だねェ。」

「乾燥するのが玉に瑕だけど。」

       乾燥すると火災が起きやすいって聞くけどホントかなァ?
       湿ってるものが燃えないってのは分かるけど、その逆ってのはなんだかなァ。
       馴染みがないね。

「名簿でも見直そっかな。」

「……やっぱやーめた。」

       暇つぶしの相手でも来ないのォ?

937イザベル『アーキペラゴ』:2015/11/24(火) 23:25:19
>>936

       ガラッ

   「チーッス」

ガラッと扉を開き、ジャンパーのポケットに手を突っ込んでカウンセリングリールームに入ってくる女生徒。
背丈は140cmを少し超えるばかりのグラマーガール。
ジャンパーの下は露出度の高い水兵服で、寒そうにしている。
……ならなんでこんなに薄着なのだろうという話だが。

     「おーさぶっ!」「邪魔するぜ、センセ」

938加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/24(火) 23:36:03
>>937

「あぁ。こんにちはァ。」

       わぁ、寒そうだなァ。
       僕にはとても真似できないね。
       頼まれたってしないけど。
       まぁ、お金払ってもらったら考えるかなァ?
       なんであんなカッコしてんだろ。
       誘ってるのかな。

「はァいどうぞ。」

「何のようかな。充電器使いたいなら、コンセントあっちね。」

       扉からは陰になって見えないところを指差した。

939イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/24(火) 23:50:15
>>938

   「いや、さみーしこの時間は講義取ってねェから暖まりに来た」

手を擦りあわせながら、座椅子にひょいと座り込む。
カウンセリングルームと言うのなら、カウンセラーと対面するための椅子があるだろう。
となると、自然と二人は向かい合う形になる。

     「日本の冬はさみーよなァ」

   「夏はそこそこ暑いってのに、季節差ありすぎだろ! ワハハハハ!」

……笑いどころだったのだろうか。鋭い八重歯を覗かせ、ゲラゲラと笑っている。

940加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/24(火) 23:56:21
>>939

「あっそ。」

       学生ってのはいいねェ。
       ま、僕には負けるけどね。

「ははは。」

       愛想笑い。
       僕のが年上だからね。
       気を遣って笑うよ。

「僕らからすれば毎年のことだからね。」

「僕は気にしないよォ?」

「君はしてるみたいだけどね。」

941イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/25(水) 00:12:10
>>940

    「おー、アタシは日本歴そんな長くねェしな」

ワハハと笑う少女の肌は白い。
白色人種なのは間違いないだろう。

   「つってもまースペインの方が季節差あるんだけどよ!
    夏がなげぇだけで冬は普通にさみィんだわ!」

あ、スペイン人らしい。

     「ぼちぼち雪が降るころかねェ、この辺だと。
      アタシもそろそろ冬服引っ張ってこねェとなァ」

942加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/25(水) 00:21:04
>>941

「へェ。いつからこっちいるの?」

       僕は生まれ付いての日本人だからね。
       海外に行ったこと……あったかな?

「スペインねェ。」

       それも馴染みがない。
       興味もないけど。
       なんだっけ、トマトと闘牛だっけ?

「冬服あるんだねェ。」

「年がら年中それだと思ってた。」

       僕は年がら年中スーツだけどね。
       ……よれてるけどォ。

「あ、カイロいる?」

       多分机の引き出しにあったと思うんだよなァ。
       あ、あったあった。
       使い捨てのがあったよ。

943イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/25(水) 00:31:00
>>942

   「えーっと、高校上がるぐらいからだから……大体六年選手か?
    あ、そう考えっと意外となげェな」

ひのふのみ、と指折り数える。
少なくとも、21年の人生の内の3割近くは日本で暮らしていることになる。

    「そりゃおめェ、アタシだってオシャレの一つや二つするっつーの!
     あとまぁオシャレ以前にさみィしな!」

   「袖のしまった奴とか、生地の厚い奴とかな。あとまぁ毛皮のコートとか」

……結局水兵服なのは変わらないらしい。
よほどお気に入りなのだろうか。よほどお気に入りなのだろう。

     「おー、わりィなセンセ。貰うわ」

そう言って、なんの気なしに手を差し出した。

944加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/25(水) 00:42:40
>>943

「六年って言えば小学生が中学生になるくらいでしょ?」

「長いなァ。」

       じゃあ六年間変わらずって感じだ。
       まァ、問題はないけどさ。
       彼女が風邪ひこうが何しようが僕のせいじゃないし。

「オシャレねェ……」

       年頃の子だしね。

「ハイカラさんだ。あ、水兵さんかな?」

       彼女の服装がそういうのに当てはまるかは知んないけどォ。
       興味もないし。

「ん?はァい。あげた。」

       カイロを持った手を上に上げる。
       小学生みたいだなァ。
       自分でやったことだけどさ。

「なァんか暇なんだよねェ。」

「なんか勝負しない?勝ったらカイロでもなんでもあげるよォ?」

       どうせあげられるものなんて限られてるしィ。
       それに、欲しいものでぱっと浮かぶのってお金か食べ物くらいじゃないかな?
       ブランド物とか言われるかも知んないけど、お金で何とかなるし。

945イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/25(水) 00:58:48
>>944

   「おう、水兵さんだ。
    気に入ってんだよ。似合ってんだろ?」

ジャンパーの前を開き、下に着ている水兵服を見せびらかすようにして笑う。
豊かな胸で押し上げられているため、丈が足りずにへそは露出し、ショートパンツから伸びる白い太ももが眩しい。
寒そうというか、絶対寒い格好だ。
揺れる紺の髪の隙間からは、錨の形をした銀細工の髪飾りが覗いていた。

     「ってガキかよ!」

       「大人げねェぞセンセェ! つーかしょうもねェ!」

子供の悪戯のようなことをされ、憤慨した様子を見せる。
が、本気で怒っているというよりは、まぁ多分にポーズだろう。

       「勝負だァ? まァアタシも暇だから別にいいけどよォ。
        なにしようってのさ。二人でババ抜きでもするか?」

946加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/25(水) 01:18:12
>>945

「あァ、似合ってる似合ってる。」

       僕のセンスとはあんまりかみ合わないけど、いいんじゃない?
       彼女も気に入ってるみたいだしィ。

「後、そういうの風に見せびらかすのは良くないなァ。」

「勘違いされちゃうよ?」

       僕は君らに興味ないけど。
       君らって言うか、まァ生徒にも先生にも興味はないよねェ。

「年がら年中半ズボンの小学生みたいな寒いカッコしてる子にィ」

                                   「言われる筋合いはないんだけどねェ。」

       あっはは。他人をからかうのは楽しいなァ。
       暇は潰れないけど。

「んー。考えてなかったなァ。」

「君がやりたい勝負があるんならそれでいいけど。」

「なかったらァ……あークイズでもする?」

947イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/25(水) 01:29:46
>>946

   「は? 勘違い?」

     「……なんだそりゃ」

キョトンと小首を傾げる。
……自覚とかは無いらしい。

   「半ズボンじゃなくて『ショートパンツ』っ!」

       「だからそーいうファッションだっつってんだろ!」

声を荒げる。今度はそこそこ本気で憤慨しているようだ。

    「んで考えてねーのかよ。ほんとに適当だなアンタ」

   「まァいいんじゃねェの、クイズで。
    ……ちなみにそれ、アタシが負けたら何取られるんだ?」

948加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/25(水) 01:49:40
>>947

「わかんないならいいよ。」

       一生そのままでいればいいよ。
       それが良いか悪いかは僕が決めることじゃないから。

「はァいはァい。悪かったって。」

「僕さァ、ファッションっていうの?興味なくてさ、ゴメンゴメン。」

       こわいこわい。これで帰られたらまた暇になっちゃうや。
       それはヤだなァ。やることないし。

「あっはは。そう、適当。だからこそ僕は『給料泥棒』なのさ。」

       仕事の気合はその場次第。働きはするがそれ以上は何もしない。
       それがこの僕なんだなァ。
       理解されないけど。

「え?なんか取っていいのォ?」

       全然考えてなかった。そうか、なんか取ってもいいのか。
       そうだよねェ。僕はカイロ賭けてるんだもんねェ。

「でも君から欲しいものってないなァ。」

「僕は与える人だからねェ。貰うのはなれてないんだ。」

「あ、使いパシリでいい?」

       嫌とか言わせる気はないけど。

「じゃあ問題ねェ。」

『君と君の友達がいます。君達は訳あって投獄されてる。刑務官が取引を持ちかけてきました。』

『片方が自白し、もう片方が黙秘なら自白したものを無罪、黙秘のものを懲役10年。
両方が黙秘なら懲役5年。両方が自白すれば懲役2年、とされました。』

『さて、君が取るべき選択肢は自白か黙秘かどっち?』

       あっはは。どうかな?

949イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/25(水) 02:40:47
>>948

   「ぐぬゥ。まァなんでもいいけどよォ」

食って掛かってもするりとかわされる。
これは大人の余裕と見るべきか、それとも個人の性質と見るべきか。
……後者と見るべき気がする。それも、割と腹立たしいタイプの。

     「自分から勝負切り出しといて、また締まらねェなァオイ。
      まー使いっぱしりぐらいいいけどよ。無茶な注文じゃなけりゃな」

具体的には隣町までいって焼きそばパン買って来いとかそういう奴。
ともあれ、問題だが。

          「………………」

     「…………なァセンセ」「それクイズじゃなくて心理テストとかそーいうのじゃねェの?」

多分正解とか無い奴だこれ、ということは感覚的に理解できた。

      「まァ『自白』じゃねェの、そりゃさ。
       両方自白すりゃ懲役二年で、両方黙ってたら懲役五年なんだろ?
       だったらどー考えても二人で自白するのが一番得なんだし、相方がゲロることを信じてゲロっちまうのがいいだろ」

  「別にダンマリ決め込んでから『脱獄』狙ってもいいけどな! ケケケッ!」

950加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/25(水) 17:14:04
>>949

「締まんないのは勘弁してよォ。」

「思い付きってだけなんだからさァ。」

       今度はなぞなぞの本でも持ってこよ。
       安いし、すぐ見つかるでしょ。
       そんな物にお金使うのは勿体ないけど。

「まァ、無茶はさせないよ。怒られるし、最悪捕まるし。」

       僕だって先生だからね。
       別に何かを教えてるわけじゃあないけど。

「あっはは。いいところに目をつけたねェ。」

「アレンジって言うか、改変して元々の持ち味を殺してるけど、心理テストみたいなものだよ。」

「あ、そうそう。その答えで正解ねェ。」

       はい、カイロあげる。
       目の前の生徒にカイロを手渡してあげよう。

「ところでさァ、この問題どこをどう改変したと思う?あ、登場人物を変えたとかじゃないよ?」

「これ答えて正解できたら、カイロといわず好きなものあげるよ。」

       多分常識の範囲での要求してくるだろうし
       そこまで子供じゃないでしょ?

「もちろん間違えたら、使いパシリだけどォ。」

951イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/25(水) 21:51:35
>>950

    「正解か? これでいいのかこれ」

微妙に釈然としない顔つきで、カイロを受け取る。
まぁ、貰えるというのなら喜んで貰っておくが。
カイロを軽く揉み解してから、手で包んで暖を取る。

     「ふぃー……」「お、なんだ追加問題か」

      「改変した点、なぁ……」

首をひねって思案顔。
元は心理学のテストだというから、恐らくなんらかの心の働きに即しているはずで……

         「……ああ」

   「ほんとは『両方黙ってたら懲役二年』で、『両方自白したら懲役五年』、か?」

      「相方が黙ってくれる保証はどこにもない。
       もし相方がゲロっちまえばこっちだけ懲役十年だ。
       ほんとは二人で黙ってるのが最善なのに、疑心暗鬼と焦りから大抵の奴はゲロっちまう。
       で、結果的に二人とも損をする……みたいな話か、これ」


             「……意地悪ッ!」

952加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/25(水) 22:34:52
>>951

「あァ、いいよォ。むしろ黙秘すると損するんだから。」

       黙秘権なんていうけどこの問題は黙秘すると損するからね。
       世の中得すると思ってることで損するんだよねェ。

「あっはは。なに?お利口さんだねェ。この問題実は知ってたとか?」

「正解正解。これが『囚人のジレンマ』ゲーム理論のお遊びね。」

       僕はぱちぱちと手を叩いて賞賛した。
       考えれば分かることだけど、それでもめんどくさがらず考えたのは評価できると思うよ僕は。

「お互いのことを考えれば黙秘が一番なんだけど、自分が利益を追求し続ける限り自白を選ばなきゃならないのさ。」

「他の店に勝つためには値下げしないといけないけど、値下げしたら利益が減る的な奴ねェ。」

       セミナーで使う人も居るって聞いたことあるなァ。
       確かあの子が言ってたんだけど……あの子って誰だっけ?

「あ、そうそう。」

「何が欲しい?カイロ?それとも別の?」
 
       忘れるところだったよ。
       約束は守らないとねェ。
       子供じゃないんだからさ。

953イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/25(水) 22:58:12
>>952

   「いや、心理学は全然知らねェよ? 専攻は海洋学だかンな」

知っていたのか、と問われて。
少し誇らしげにしながら。

 「まーよっぽどの信頼関係があるわけでもなけりゃ、どーしたって疑ってかかっちまうからな、そーいうのは。
  他人のこと全部理解しようったってできるわけがねェんだから、不安にもならァな」



     「……ああ、追加の景品な」

    「つってもなァ」「どーすっかなァ」

さて、ぶっちゃけ何が欲しいということも無く。
なにかしてほしいということもないし、さてどうしたものか。
腕を組んで、しばし悩んで。

         「……じゃあアタシの方が使いっぱしりでも頼もうかね。
          温かい缶コーヒーでも飲みたい気分だぜ、アタシ」

954加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/25(水) 23:59:47
>>953

「海洋学ねェ……」

「水兵さん、海好き?」

       僕インドア派だし、家族連れとかカップルとか嫌いだからあんまり行かないけど。
       冬場だったら行くけど。

「あっはは。ま、僕からすれば囚人のジレンマなんて些細な事だよ?」

「自分が責任持てることすればいいんだから。」

        他人を蹴落とすのも蹴落とされるのも興味はない。
        ただしなにかする以上その責任は背負わなきゃダメだし。
        面倒くさいなァ。

「はいはい。缶コーヒーね。ブラック?」

        寒いし、さっさと済ませよう。
        学校の中に自販機あるだろうしねェ。

「あ、そうそう。」

「君さァ、学校の周りで女の子見てない?」

「髪とか赤い子って聞いてるんだけどォ。」

955イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/26(木) 00:19:22
>>954

   「おう、大好きだよ、海。
    そのためにガッコ来てんだぜ、アタシは」

まぁこの時間は講義を取っていないので、こうしてカウンセリングルームで時間をつぶしているわけだが。
ともあれ、八重歯を覗かせてニシシと笑った。

  「おー、微糖で頼むわ」

カイロを二の腕や太ももに擦り付けつつ、視線も向けずに注文する。
甘党と言うわけでもないが、ブラックよりは微糖派だ。
後は先生がコーヒーを買ってくるのを待っていれば――――

     「…………赤い髪の女の子ォ?」

クルリと視線をそちらに向ける。
心当たりは――――ある。
学校の周りでウロチョロしてた、赤い髪の女の子。鳥籠から抜け出した小鳥。

    「……なんかあったのか?」

片眉を上げて、問う。
まさか不審者扱いでもされているのだろうか。確かに部外者ではあったが……

956加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/26(木) 00:34:12
>>955

「僕はお金貰うためにここに来てるよ。」

「微糖ね。」

       微糖とか加糖とか無糖とかややこしいよねェ。
       一本化できないししょうがないんだけどさ。
       買いに行くときこうやって聞かなきゃいけないし、面倒くさいなァ。

「そ、女の子ォ。」

       あれ?何か知ってるのかなァ?
       意外。

「別にィ。何もないよ。気になったんだけェ。」

「そんな子がこの学校にいたって記憶がないからねェ。」

       さてと、コーヒー買いにいこ。
       立ち話すると足が疲れるし、さっさと帰って話でも聞かせてもらお。

957イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/26(木) 00:48:28
>>956

   「そりゃそーだ。アンタはセンセーだしな」

情熱をもって仕事に望むべき……とは言うまい。
仕事は給金を貰うためにやるものだ。別に責められることでもない。

     「……ま、赤みが強いとかじゃなくて、赤い髪ってのは中々いねェわなァ」

ギッと音を立てて背もたれにかかる。

―――――特に何もなければ、そのまま加賀はコーヒーを買ってくることができるだろう。
戻ってくれば、紺色の髪の少女はまだ椅子に座っていて、


  「知ってるぜ、その『赤い髪の女の子』っての」


帰ってくるなり、そんなことを言い出すだけだ。

958加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/26(木) 01:01:33
>>957

「そ、センセー。」

       やることはやるけど、それ以上はしないセンセー。
       情熱とかそういう暑苦しいのは好きじゃない。

「いないいなァい。わぁ。」

       寒いなー。こんなに底冷えするなんてねェ。
       2月になったら僕凍死しちゃうんじゃない?
       まァ、多分死なないけど。

       ガコッと缶コーヒーを買って僕が戻ってくるのには五分も経たなかった。
       時間が時間だから当然といえば当然なのだけどねェ?

「へェ。知ってるんだ。」

       それは知らなかった。
       僕、珍しく運がいいんじゃない?

「出来れば教えて欲しいんだけどォ。タダじゃないのかなァ?」

959イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/26(木) 01:17:57
>>958
    アミーガ
   「『お友達』だよ、アタシのな!」

誇らしげに胸を張る。
何が誇らしいのか、という話だが。

   「まっ、隠すことでもねーから教えてやるけどサ」

  「分かりやすく言えばアレだな。『転入希望生』っつーのかね。
   秋映に入りたくて、気になって下見に来てたってとこか」

手を差し出し、缶コーヒーを渡すように促す。

    「今度、正式に転入手続きして入ってくるって話だ。
     だからまぁ、遅かれ早かれアンタも会えるだろーさ」

   「……カワイイからって手ェだしたらブッ殺すからな?」

960加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/26(木) 01:28:29
>>959

「アミーガ?あのさァ……」

       なァんでここに来る人って変な言葉使うかなァ?
       日本語と軽い英語だけでお話したんだけど。

「ふゥん。『転入希望者』ね。」

「分かった。ありがとう。」

       なるほど。
       だから校門とかにいるわけね。
       ……電話したら学校見学くらい出来るんじゃ?
       それ以前に親はなにしてんだろ。
       ま、僕には関係ないけど。

「あっはは。それは楽しみだねェ。」

       嘘だけど。
       気にはなるけど、会ってみたら何も感じないかもしれない。
       面白いとか興味深いとか感じないだろう、とは思うしィ。

「……僕さァ、あんまりそういうの興味ないんだけど。」

「それにさ、僕がそういうことやるように見えるゥ?」
 
       見えるから言ってるんだと思うけどさ。

961イザベル『アーキペラゴ』【大三】:2015/11/26(木) 01:47:37
>>960

   「そ、アミーガだよ、『アミーガ』」「『アミーゴ』だったら通じるか? それだと男性名詞になっちまうけどな」

スペイン語を含む一部の言語は単語に性別があり、対象の性別により末尾がaになったりoになったりするのである。
つまり『アミーガ』は、『女性の友人』を指す単語ということになる。

まぁ、閑話休題。

    「入ってくるなら中等部か、高等部か、まァどっちかだろーが」

         「早く入ってこねェかな、ホフリ」

ここのところ、それが一番の楽しみだ。
登校してきた友人に、「よぉ、入学おめでとう」って言ってやるのだ。

そんな期待に胸を膨らませながら、チラリと視線を時計へ。
そろそろ、次の抗議が始まる時間だ。

      「カッ! 何考えてんのかよくわかんねェしな、センセーはよ!」

     「そういうことやるかどうかは知らねェが、やらねェとも言い切れねェように見えるぜッ!」

悪戯っぽく、からかうように笑いながら、椅子からひょいと飛び降りる。
缶コーヒーを手の中でもてあそび、その暖かさを堪能しながら出入り口まで歩いて。

   「まっ、暇ァ潰させてもらったぜ。アタシはそろそろ講義だからよ」

       「邪魔したな、センセ!」

足で乱雑に扉を開けて、紺色の髪の少女は去っていくのであった。

962加賀『プライベート・ライン』【スクールカウンセラー】:2015/11/26(木) 02:00:07
>>961

「あ、友達ね。なるほど。」

「理解したよ。」

       スペイン語かなんかは理解できないけど。
       僕日本語ばっかり使うし。

「ホフリって言うんだねェ。」

「珍しい。」

       本人に会ったら字のことも聞けるかな。
       ま、聞いて得したりすることじゃあないけど。

「ふゥん。そういう言い方するんだァ。」

「何もしないよ。君らが何かしない限りはねェ。」

       興味ないし、浮いた話もないけど。
       もしあってもどうでもいいって思うだろうけどねェ。
       年上も年下も同い年も押しなべて同じ。
       興味なし。

「はァい。」

「次は君が面白いこと用意してよォ?」

「あと、足でドア開けない。」

       出て行く生徒を見送る。
       開いた扉から冷たい風が入ってきたのでドアを閉めた。
       ブランケットどっかにおいてなかったかな。
       今日は一眠りしよう。 
       春眠暁を覚えずの練習しないとねェ?

963東雲 忍『ザイオン・トレイン』【高1】:2015/11/26(木) 21:38:24
昼休み、校内の中庭。一人の男子学生が弁当を食べ終わったところだ。
周囲には他に生徒の姿は見当たらない。用済みとなった弁当箱を布で包むと、ゆっくりと立ち上がる。

「・・・・・」

何かを思い返すように、空を見上げて。おもむろに、『スタンド』を身に纏った。

『ドゴォッ』

すぐさま近くの大樹へと横蹴りを繰り出し、揺れた大樹は幾つもの枯葉をゆらゆらと地面へ落としていく。
だがその前に、少年が動いた。
一つ、二つ、三つと人間を超えたスピードで放たれる拳が枯葉を射抜く。
そして最後の一枚、少年の視界やや上方にあるそれ。腰をひねり、蹴りを繰り出した。

───ように見せかけて、前に出たその足は地面を踏みしめ、軸足となる。
それを基点として、更に身体を捻らせた少年の後ろ足が高い軌道を描き、落ちる木の葉の端をかすめた。


「・・・・・違うのぉ」

足を下ろして腕を組み、首を振る。
あの男の見せた『絡め手』は、断じてこんなチャチなフェイントではなかった。
それにこういった離れ業を繰り出すには、あの『スタンド』のような精密な動きが必要だろう。
己の戦闘に『絡め手』を組み込むならば、どうすべきか。学校ではあまり使うことのなかった頭を動かして、考える。


(…ちゅうか)

(こんなことばっかりやっとるから、こっちではダチができんのかのぉ…)

964東雲 忍『ザイオン・トレイン』【高1】:2015/11/27(金) 23:00:22
>>963

「こんなもんか」

「…腕っ節ばっか鍛えとってもいかんの」

肩に手を当て、腕をぐるぐると回しながら呟く。
単純に実りある学校生活を送る上でも友人は必要だというのもあるが、
あの少女に『学校』の魅力を語って聞かせた以上、自分がこの境遇のままではいけないとも思う。
まぁそれはすぐさま、例えば今日変わるものでもあるまい。
いずれ、いつの日か。弁当を手に取り、中庭を後にする。

965葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【高1】:2016/01/17(日) 03:02:06

新学期の朝。

「…………」

     ト ト ト

廊下を歩く穂風。
朝のチャイムまで、まだ少し時間がある。
穂風が教師に指示された時間までも、だ。

        ・・・・今、自由な時間だ。

(どうしよう……かな……
 自由って言われても、何があるか分からない。)

        (……でも、何でも、楽しいよね。
          とりあえず、散歩してみよう。)

    ト ト

そういうわけで、中庭に出ることにした。
穂風の姿は目立つ。学内で見たことがある者も、まずいないだろう。

                  ・・・・学外ならあるいは、だが。

966葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』【高1】:2016/01/18(月) 00:03:21
>>965(つづき)

     トト

(まだ、朝だから……かな。
  あんまり、学生さんいないな……)

特に人に会うことは無く――

      ハトリサーン

「あっ、は、はいっ!」

     トトトト

    ――教師に呼ばれて、職員室に戻っていった。

967藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/10(木) 23:24:45
「くぁ〜〜あ……………」

頬杖をついて外を眺める。

「最近退屈じゃのォ。おまけに飯も旨い。お陰で目方が増えそォじゃ」

968朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/11(金) 21:34:47
>>967
「……ううう……疲れた…」
と、すぐ近くで誰かの声が聞こえてくる。

「入院した分のたまってた宿題…
 やっと終わったっていうのに……」
近くの机に突っ伏して、ため息を付いた

「…期末テストまで重なって……
 もうだめ…」
はぁ、と溜息の連打は続く

969藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/13(日) 00:43:11
>>968
………ぼーっと眺める。
そう言えば最近顔を見なかったが…。
(担任が何か言っていたかも知れないが、たぶん寝ていた)

「まー……得意な科目に絞って、苦手なヤツは捨てて、後で補習でどォにかする他ないのォ。
中学までは義務教育じゃけ、学校さんも殊更落とそうとはせんわい。

そォいやなンで入院しとったんじゃ。車にでも轢かれたンか?」

970朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/13(日) 01:05:54
>>969
「あ……久しぶりです…」
ちょっと疲れた顔を上げて、藤堂の顔を見る。
疲れ気味なのは間違いない。

「うう…今まで少なくとも成績だけは
 上位キープし続けてきたけど…
 今まで以上にきついかも…
 こう、学習時間が足りないと自信無くしそう…」
と、少しため息を付いた。

「あ、そうでしたね…
 入院…ええ、ちょうど車に轢かれたんです。
 ハンヴィーに」
と、顔を上げてやや慌てた様子で答えた。
とりあえず出会った人みんなにこんなふうに返しているようである。
ハンヴィーを目撃したヒトもまぁ、いなくもないかもしれない。

971藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/13(日) 01:47:15
>>970
「成績の維持は確かに大事じゃがのォ、病み上がりなンじゃろ?
いつもと同じ調子で居れると思うほうが間違いじゃ。

なンのかンの言うても身体が最後の資本じゃけ、身体があかん時は手ぇ抜け。キツいことは気力体力のある時にするもンじゃ。ってはァ…?!」

朱鷺宮の言葉に、耳を疑う。

「ハンヴィー言うたらジープのオバケみたいな、装甲車の親戚みたいなアレじゃろ。
よォ生きとったのお前……………鉄骨かなんかで出来とるンか?」

972朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/13(日) 01:54:34
>>971
「ん…確かに…
 せめて赤点にならないようにだけ……気をつける。
 そんなふうに思います。」
無理しない方がいい。
彼女の言葉を聞いて少しは気が楽になったんだろう。
少し調子は良くなったようだ。

「…ええ、まぁ…」
ちょっとバツが悪そうに頭をかく。

「あ、あれですよ。
 調度よく減速してくれたおかげで
 足をこう……こうなるだけで済んだんです!」
自分の片足を軽く叩いて答える。

「私は、これくらいの不幸には慣れてますからねぇ。
 …まぁ入院3ヶ月位だったんですけどね。
 ちょっと足に傷跡がついちゃいますし…」
と言って、またため息を付いた。

973藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/13(日) 02:09:43
>>972
「ほォか………災難じゃったが、運がよかったのォ」

へらっとした笑顔になる。

「うちも小学生の頃事故で入院したことがあるけぇ、よォ解るわ。
病院ゆうのは退屈じゃし、退院したらしたで回りは変わっとるし、傷も残るけえのォ……。

まァなんにせよ怪我で済んで儲けもんじゃ。後遺症もないンじゃろ?」

974朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/13(日) 02:23:33
>>973
「フヒヒ…そこはまぁ、不幸中の幸いです。
 全身があれこれにならずに済んだのが一番です…おそらくは」
と、嬉しそうな顔で答える。

「確かに……入院中はめったに動けませんね…
 特に最初の辺り…ベッドから動けない状態でしたから、
 ほんとあの時期が一番つらかったです」
はぁ、と溜息をついた。

「でもまぁ、友達がよくお見舞いに来てくださいましたから、
 退屈に潰されたりなんてことがなかったので、
 随分マシなのかもしれないですね。
 …以外に病院食も美味しかったですし。」
と言って軽く笑った。
あの経験を思えば、命あることが大事に思えてくる。

「ええ、後遺症も全く無く…
 普通に歩けますしねぇ」

975藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/13(日) 02:49:13
>>974
「おまけに買い食いもできんし、喧嘩もご法度。
あん時は死ぬかと思ったわ。命拾いしたばっかじゃ言うのに」

頬杖をついて思い出す。
あれからかれこれ、4年くらいは経つのか。

「ええのォ…うちの入院した先は田舎のせいか、メシマズじゃった…。
見舞いかァ、まあ…自業自得じゃが、そういうのはうちあんま無かったけぇ羨ましいわい」

殆どのクラスメートから『不良』『広島弁が怖い』『喧嘩っ早い』『残念巨乳』と認知されているが、地元に住んでいた頃はもっと酷かった。

「……今なら入院しても、誰か来てくれるかのォ」

ぼんやりと、そんなことを呟く…まあ、そうそう大怪我をする心配は無くなったが。
仮に真正面からハンヴィーと衝突しそうになっても、何とかできる自信はある。

976朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/13(日) 21:15:54
>>975
「喧嘩はともかく……
 買い食いが出来ないのはちょっとつらいですね。
 流石にお菓子ぐらいは食べられると良いんですけど。」
と、行って溜息をつく。

「食事はこの世で最も大事ですよねぇ。
 病院食がうまくなきゃ怪我も早く治りませんよ。」
一応涙音は表向きは気立て良くしてるためか、
とりあえずは友達はよく作れている。

「入院はあんまりするもんじゃないですけど…
 もしそうなったら私が会いに行きましょうかねぇ。
 それなりに顔見知りですし。」
と言って軽く微笑みかける。

977藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/15(火) 01:55:49
>>976
「解っとるのォお前〜〜〜〜〜。
まァウチも全部食ったがの。マズイのなンの贅沢はいっとれん」

出されたものは何のかんの言って全部食うタイプだった。
(だからこんな体型になる)

「くく……確かにのォ。
なァにもしかしたらの話じゃ。そもそもうちの場合は入院するよりさせるほうが多いけえの」

ミキミキと拳を握り締め、瞬間、獣めいた笑顔になって……まただらっとした雰囲気に戻る。

「にしても最近退屈じゃの。どうもこう…一時期感じとった空気がないわい」

978朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/15(火) 14:16:33
>>977
「手術直後とかは体が弱ってますからねー。
 味はともかく、栄養は抜群ですから
 ちゃんと食べないといけないです。」
……と言いながらちらっとお腹を見る。

「も、もしかして、喧嘩をするタイプでしたか?
 ……恐ろしい話ですけど、危ないことは避けたいですね」
と言ってため息を付いた。

「ふむ……何となく分かるような…
 なんて言えばいいんでしょうねー。
 平和?…まぁ平和は一番です。」

979藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/16(水) 00:01:45
>>978
立派なお腹だ。女子相撲部か何かと言われても納得できてしまいそうなくらいに。
ちょっと意外そうに、朱鷺宮を見る。

「おう。最近はどうもご無沙汰じゃがのォ。
これでもここらに引越しする前は『歩く爆弾低気圧』呼ばれたもンじゃ。

…『平和が一番』のォ………まァそれも間違っちょらんがのォ………」

どうにも不服そうだ。また頬杖をつくとダルそうにため息をついた。

980朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/16(水) 00:25:56
>>979
「押し出しとか、強そうですね……」
なんとなーく思ったことを口に出した。
まずかったか、と一瞬考える。

「へぇー……そういうふうには見えないですねー…
 見かけによらないってことでしょうか」
と、彼女の顔を感心した様子で見る。
そんな危なそうな人には見えないな、と考えていた。

「…一時期にはとんでもない騒ぎが頻発してたみたいですけどねー。
 ま、あの時のことを考えれば…ゆっくり休む時間も重要…かも知れないです…」
と言って彼女も頬杖をつく

「…と言っても私は……学習をしなければならないんですがね…フヒヒヒ…」
ちょっとうつむいてつぶやいた

981藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/19(土) 01:43:12
>>980
「お前〜〜〜〜、今明らかにうちの体型見て思うたじゃろォ〜〜〜」

ムニッ

朱鷺宮の頬を摘んで引っ張って、直ぐに離した。

「…押し出しはせん、が、平手はするかのォ。
受けられても拳痛めんで済むし、そのまま掴めるんじゃ」

…ダルそうだった顔が狂猛な笑顔になり、目が徐々にギラギラとしてくる。

「後は避けられても引っかくか…そこまでいけんでも顔を、特に目元を触られる、触られそうになるだけで人間、反射的に目を閉じよるけぇ。
そこを突いて畳み掛けるンじゃ。
………ほうかのう、うちは退屈じゃ。まァ確かに、今はバイトも順調じゃけ、悪くないゆうたら悪くないがの……う〜〜〜ん」

複雑な顔になり、うめく。

「まあもし追試になったら多分うちもおるけぇ、仲良ォやろうや」

982朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/19(土) 01:58:56
>>981
「うひゃあ!ひゅいまひぇん!」
涙音の頬は結構柔らかかった。
ぷにぷにする

「えっと…ですねぇ。
 なんだかパンチよりも平手のほうが痛いような気がしますし…
 えーっと…はぁ…べ、勉強になりますね…」
果たして彼女の喧嘩テクニックが役に立つ日が自分にはあるのか…
涙音はひとまず彼女の言葉を真面目に聞いていた。
スタンドでも有効そうかもしれない…

「戦いたい、という思いが…
 やはりあるのでしょうか?」
彼女の複雑そうな表情を見て、ちょっと心配そうな顔をする。

「んー、…その時はよろしくお願いします。
 一応、ならないように気をつけるつもりですけどね…」
そう言って軽く頭を掻きながら勉強をある程度解いていく。

「……はぁー、流石に何度もやってると疲れます…」

983藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/19(土) 20:27:40
>>982
「拳は案外痛めやすいンじゃ。
思い切りやれるゆう意味なら、やっぱり掌のほうがええ。
物好きな空手屋やボクサーの中には、拳鍛えてカッチカチにしとるやつもおるが」

ああ言うのは別じゃ、と肩を竦める。

「…うちはまあ物心ついた時から喧嘩三昧じゃったけぇ、それが無くなるとこう……やっぱり、の。
毎朝くっとるおかずが、いきなりある日出てこんくなるようなもンじゃ」

朱鷺宮がテキストを開くのを見て、自分も続く。
…藤堂虎鈴は不良で不真面目だが、宿題は出すし勉強はするし学習もするのだ(成績に反映されるかどうはか別として)。

「誰かこう、うちらに巧く教えてくれるやつがどっかにおるとええんじゃがのォ〜〜〜〜〜」

984朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/19(土) 21:11:31
>>983
「へぇー…
 まぁ確かに、拳を使ったら結構痛いような気がしますねー…
 骨が近いですし…」
と言って拳を握ってじっと見てみる。
ちょっと痛そうとか感じてそうだ。

「むー、穏やかじゃない日々を過ごしてたりすると
 平和よりも、そういう事のほうがなれてしまうんでしょうか…
 できれば穏やかにしたいですねー。」
藤堂が伝える不良的な日々のことを考えながら、
ひとまず方程式やら何やらを覚えるために
ノートに問題の答えを書き記していく

「学校の授業だとわからないことも多いですからねー。
 それこそ家庭教師か…或いは学校一番の天才の人か…
 そういう人じゃないと無理なのかもしれないですねー。」
と、ため息を付いた。
ちょっとだけ書いていた手が止まり、

「んーっ…ふぅ…」
椅子の背にもたれかかり、腕を真上にして伸びの動作を行う。
と…突然。

シュウッ!!
突然教室の外からボールが飛んできて、
何度か跳ね返り…

ボゴォッ
「けばぶっ!?!?」

985朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/19(土) 21:11:56
>>984
…と、涙音の鳩尾にボールが命中した

986藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/20(日) 23:35:04
>>984-985
「うちの近所は血の気の多い奴らがようけおったンじゃ。
じゃけえそれがむしろ普通だった。まァそン中でもうちは飛び切り凶暴だったみたいじゃがのォ…」

あくび交じりにテキストに向かう。
その計算速度は朱鷺宮より遅かった。

「家庭教師雇えるほどの銭があれば、ウチはとっくに毎晩のおかずに焼きジャケの切り身つけとるわ。
お前、誰か勉強のできる知り合いとか居ら……うおおなんじゃァいきなりィ!?」

反射的に飛びのくと、床で弾むボールを掴んで、入ってきた窓から外を見渡した。

「どこの誰じゃアホぉ!!気ィつけェや!!」

987朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/20(日) 23:39:59
>>986
「うぐふ………
 あ……えっと…大丈夫です……」
机に突っ伏した状態で片手を藤堂に向ける。
なんだかビクビク震えてるような気がする。

「えー……これは毎度のことで……」
と言いつつ、彼女の言葉に応える。

「……にしても………
 私…よく考えて見れば…
 穏やかな日々って感じじゃ……ないですね…
 あなたのことは……色々言えないかもです……」
なれた風な口調である。
つらそうだけど。

「べ…勉強のできる……知り合いですか……
 一応……寮の方にいる……かも知れないですが……
 あんまりそういう……ことに………縁がなかったもので……」

988藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/22(火) 01:31:01
>>987
「全然大丈夫そうには見えンがの……………」

ド ヒ ュ ウ ッ

とりあえず投げ返した。
…微妙にストレスがたまっているので、自分が投げるフリして『オリンポス』に投げさす。
遠目からはその微妙な不自然さには気づくまい。

「なンじゃその、毎度のことゆうンは。保健室行くか?
毎度?のことじゃゆうてもツラいもんはツラいじゃろ」

顔を覗き込む。

「おおっ、そンなら今日はさっさと帰って、そいつに教えて貰うたらええンじゃ。そうしよう」

ちなみに今は放課後だ。そうなのだ実は。

989朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/25(金) 23:18:53
>>988
「うーん……いえ、慣れっこです。」
と言って手を振った。

…ウギャー!

外ではなんだか悲鳴が聞こえてきた。
つかめずに顔面にでも衝突したんだろう。

「んー……あ、そろそろ大丈夫な感じが……」
と言って軽く顔を上げる。
でも顔は引きつっている。


「そうなんですかー…
 できる人がいるといいですね。」
と、頷きながら答える。

「ん……そういえばあなたは…
 寮から通ってる」

990朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/25(金) 23:19:14
>>989
「…のでしたっけ?」

991藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/27(日) 20:25:46
>>989
その後数日、中等部の謎の豪腕ピッチャーを求めて野球部があれやこれや調べたとかしないとか。

「…まあお前が平気じゃゆうならそれでええが。
うちか?うちは寮やのうて、親戚筋にあたる人が借りてくれたアパートに住ンどる」

992朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/27(日) 20:35:37
>>991
「……あのひと大丈夫なんでしょうかね…」
むしろそちらの方を心配してしまっている。
まだ自分のお腹を撫でているが

「まぁ平気です。
 痛いといえば痛いですけど…」

「そうなんですかぁ。
 まぁ、寮はこの近くですから
 会いにいけるといえばいけるかもしれませんね。」
と言って大きくうなずいた。

「ふー、でもなんだか…
 ちょっと調子が良くなったような……
 気がします。」
と言って軽く自分の教科書の様子を軽く見た。

993藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/28(月) 00:22:57
>>992
「大丈夫じゃろ。ヘルメットもかぶっとる」

窓を閉めて席に戻った。

「別に寮生以外は寮の人間に会えんゆうことはないじゃろ。じゃけえ」

ガシッ

朱鷺宮の手を握る。

「紹介してくれんかの」

真顔だ。

994朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/28(月) 00:42:09
>>993
「はぁ……まぁ大丈夫ならいいですけど……」
と言いながら首を傾げた。
まぁ、多分大丈夫だったのだろうと思う。

「ま、確かにそうですね〜。
 仲良くなる機会があれば多分……ん?」
と、突然自分の手が彼女に掴まれる。
ふと、藤堂の顔を見上げると

「え、あ…はぁ」
その顔は真剣そのもの。
なんだか、紹介してあげたいような、そんな気分になる。ような気がする。

「一応知ってる人の中に…
 ああ、私の友達の中にもそういう人はいますから…
 紹介するくらいなら全然、大丈夫ですけど」
ちょっと戸惑い気味に答える

995藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/28(月) 01:49:54
>>994
「まじめな問題なんじゃァマジで〜〜〜〜〜。
生活の面倒みてもらっとるけえきちんと卒業して就職して、早く独り立ちせんといかんのようちはァ〜〜〜〜」

不良だが藤堂虎鈴はこういう意味では真面目なのだ。

「頼むわホントに、キチンと卒業せんと国連で働いとる姉御に顔向けできんのじゃァ〜〜^」

996朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/28(月) 05:55:58
>>995
「…ふむ……
 かなり深刻そうに見えますね……
 何とかして私の方でも掛けあってみます。」
大きくうなずき、彼女の後押しをしようと考えた。

「…国連…?
 あなたのお姉さんは…
 えーっと国連の…?」
さり気なく言われた話に、ちょっと驚きを隠せない。

997藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/29(火) 00:16:04
>>996
「おお、持つべきもンはクラスメートじゃ、ありがたいのォ!!」

満面の笑みで握った手を上下に振った。

「ん?ああ、確か………『WFP』、じゃったかの。
主に東南アジアで、食糧支援や難民支援をやっとる言うとった。

……見た目はむしろハイソなお嬢様ゆう感じで、そういう仕事してそうな雰囲気全然ないンじゃが」

その顔がやや、引きつり気味に固くなる。

「これが厳しい人でのォ……意味わからんくらい喧嘩も強いンじゃ。このウチが手も足も出んけえ…」

998朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/29(火) 00:33:20
>>997
「どうも、こちらこそ
 色々とお話聞けて楽しいです。」
ちょっと鳩尾を撫でながらニッコリとした顔で答える。

「食糧支援…はぁー、かなり大きな仕事をしてらっしゃるんですねー。
 あなたのお姉さんは…
 ニュースとかでしか聞くことがないようなそんな話ですねぇ。」
名前だけならば聞いたことはある。
世界保健機関……は違うが、とにかくそんなふうなものだろう。

「…うーむ…
 あなたより強くて、厳しい人ですか…
 かなり強い…のがちょっとわかります。」
彼女の様子をジロジロ見ながら答える。
なんとなく感じられる。
彼女が怖がるほどの姉とはどのようなものか、と。

999藤堂虎鈴『オリンポス』【中三】:2016/03/29(火) 20:13:00
>>998
「いや姉御がしとるンは現地に直に届けに行く系じゃ、大きゅうはない。
その分ヤバい時もあるらしいがの…山賊に行き会うたりとか。まァウチじゃったらようやらンわ」

くしゃくしゃと頭をかきながら、どこか恥ずかしそうに誇らしそうに目を細めた。

「こがあな島国の端っこで喧嘩強いとかイキっとってもこン程度じゃ。姉御のこと考えると、自分のちっちゃさが恥ずかしいわ。
……じゃけえ、ウチとしてはそれなりの成果を出さんわけにはいけんのよ」

1000朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』【中三】:2016/03/29(火) 20:52:54
>>999
「ふむ…いずれにしろ、危険な仕事であることは間違いなさそうですねー。
 もしかしてその山賊とかも…軽々と…?」
なんとなく想像をしてみるが……
つくづく恐ろしいような気がしたのである。

「…まぁ確かに、ただ力が強いってだけでは
 何も出来ないですからねー。
 やっぱり立派な仕事につくためには
 学歴やら何やら…重要ですし」
と言って、軽く自分の教科書をまた見る。

「危ないことを避けていけば、
 勉強の時間もその分増えますかねー…」



//(新スレ→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1459252116/)




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