レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
【場】『私立秋映学園』 三学期
-
>>845
「ああ、悪ィ悪ィ」
「吸血鬼な、吸血鬼……」
反芻するように、繰り返しその言葉を紡ぐ。
飲み込むのに少し時間はかかったが……吸血鬼、と来たもんだ。
続けてくれ、と手で示し、穂風の告白に耳を傾ける。
「…………」
ずっとずっと続く、家の歴史。
家が繁栄し続けるための、奇妙なしきたり。
――――イザベルは思い出す。幼いころ、父に聞いた話を。
イザベルの祖先は、昔海の向こうからスペインにやってきた船乗りだったという話。
我が家は誇り高く勇気に溢れた、海の男たちの血を引いている、と。
そんな話を、父が誇らしげに語っていたことを覚えている。
イザベルにとってもそれは誇りだ。
勇敢な海の民という『血の歴史』は、誇りとして自らにも刻まれている。
だが――――彼女のそれは、そういったものでは無いように感じた。
それは妄執とか、呪いとか、そういった言葉で表現するべきことであるように感じた。
家のための、栄光のための、狂気じみたおまじない。
「……『吸血鬼の一族』、か」
なるほど、確かにそれなら、外に出ることは少ないだろう。
伝承によれば、吸血鬼は陽光を嫌う。故に、昼間を嫌う。
彼らは夜の生き物で、館に住まうお貴族様だから。……普通、外には出ない。
「それで……ずっと、吸血鬼みたいに暮らしてたのか?
家族みんな、揃いも揃って?」
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板