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【場】『私立秋映学園』 三学期
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>>531
眩しかった。
がんばってがんばって結局ダメで、自暴自棄になっているところでこれだ。
也哉子という存在は、とても眩しい。でも、目を覆いたくはならなかった。
視界から曇りが晴れていく錯覚がした。たぶん、錯覚じゃないけど。
「『ありがとう』」
暁利は感謝を捧げる。
也哉子の手を取って、引き上げられる。也哉子と肩を並ばせる。
そして、也哉子の手を両手で包む。
「なんて言ったらいいのかわからないけど、『ありがとう』。
うん、本当、その言葉が聞きたかったんだと思う」
暁利は『誰かに求められること』を求めていた。
答えはこんなに近くにあった。取るに足らない人種だと、同級生たちのことを内心で下に見ていたけれど。
二人の足元で、再度『円』を描くように波が打ち始めた。
今度は、二匹で。すぐに『渦巻き』ができる。
『渦巻き』の終端には、『光』が待ち受けている。
「ごめんね、変なことして。償うにしても安っぽいけど、これからはヤヤちゃんのことは私が守るから。
ヤヤちゃんが『剣』を取らないなら、私が『盾』になるよ。
そうしたら、『立ち向かう』のも楽になるでしょ」
彼女の父親を襲った者を倒せば、少しだけ彼女が望む世界に近づく。
それくらいはしてあげたいな、なんて暁利らしくない決意をした。
トワイライト・オペラ
『黄昏の独唱劇』 は彼女には見えないし聞こえないけれど、いつかは彼女に届けてあげたい。
『二匹の水鳥』は目標へ走るためだけじゃなくて、こうして手を引くこともできるんだから。
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